スイッチ操作判定装置

申请号 JP2015529414 申请日 2014-05-14 公开(公告)号 JPWO2015015862A1 公开(公告)日 2017-03-02
申请人 本田技研工業株式会社; 发明人 洋介 土屋; 明彦 山下;
摘要 スイッチ(102)が操作されたか否かを判定する判定回路(104)を備えるスイッチ操作判定装置(100)において、判定回路(104)は、電源(106)から接地(GND)に向かって電流が流れるように、電源(106)側から順に直列に接続された第1抵抗(R1)、第1ダイオード(D1)、及び第2ダイオード(D2)と、第1ダイオード(D1)のアノード電位(Va)と閾値電位(Vt)とを比較し、第1ダイオード(D1)のアノード電位(Va)が低い場合は、スイッチ(102)が操作されたと判定する制御部(112)とを備え、第1ダイオード(D1)及び第2ダイオード(D2)のうち、第2ダイオード(D2)がスイッチ(102)と並列に接続されている。
权利要求

スイッチ(102)と、 前記スイッチ(102)が操作されたか否かを判定する判定回路(104)と、 を備えるスイッチ操作判定装置(100)において、 前記判定回路(104)は、 電源(106)から接地(GND)に向かって電流が流れるように、前記電源(106)側から順に直列に接続された第1抵抗(R1)、第1ダイオード(D1)、及び第2ダイオード(D2)と、 前記第1ダイオード(D1)のアノード電位(Va)と閾値電位(Vt)とを比較し、前記第1ダイオード(D1)のアノード電位(Va)が低い場合は、前記スイッチ(102)が操作されたと判定する制御部(112)と、 を備え、 前記第1ダイオード(D1)及び前記第2ダイオード(D2)のうち、前記第2ダイオード(D2)が前記スイッチ(102)と並列に接続されている ことを特徴とするスイッチ操作判定装置(100)。請求項1に記載のスイッチ操作判定装置(100)において、 前記判定回路(104)は、 前記電源(106)から前記接地(GND)に向かって電流が流れるように、前記第1抵抗(R1)、前記第1ダイオード(D1)、及び前記第2ダイオード(D2)と並列に接続された、第2抵抗(R2)及び前記第2抵抗(R2)に直列に接続される第3ダイオード(D3)を備え、 前記第3ダイオード(D3)は、その順電圧(VF3)が、前記第1ダイオード(D1)の順電圧(VF1)よりも高く、且つ、前記第1ダイオード(D1)と前記第2ダイオード(D2)との順電圧の和(VF1+VF2)よりも低く設定され、 前記閾値電位(Vt)は、前記第3ダイオード(D3)のアノード電位である ことを特徴とするスイッチ操作判定装置(100)。請求項2に記載のスイッチ操作判定装置(100)において、 前記第3ダイオード(D3)の温度特性の変化率は、前記第1ダイオード(D1)の温度特性の変化率と、前記第1ダイオード(D1)及び前記第2ダイオード(D2)全体の温度特性の変化率との範囲内に設定される ことを特徴とするスイッチ操作判定装置(100)。請求項3に記載のスイッチ操作判定装置(100)において、 前記第2ダイオード(D2)の順電圧(VF2)は、前記第1ダイオード(D1)の順電圧(VF1)より高く、 前記第2ダイオード(D2)と前記第3ダイオード(D3)とは、温度特性が同一の規格製品である ことを特徴とするスイッチ操作判定装置(100)。

说明书全文

本発明は、スイッチのオンオフを判定するスイッチ操作判定装置に関する。

特開平1−221816号公報には、電源とアースとの間に、抵抗と、スイッチとを直列に接続し、抵抗とスイッチとの接続中点の電位が閾値より大きいか否かによって、スイッチがオンされたか否かを検出するスイッチオンオフ検出装置が開示されている。

しかしながら、特開平1−221816号公報に記載の技術では、前記接続中点の電位は、抵抗によって形成されるため電流値によって変動しやすい。一方で、等価的にスイッチと並列に接続されるリーク抵抗は、浸等によって生じるものであるが、浸水する水量や、水に含まれる不純物の量によりその抵抗値にばらつきが生じ、リーク抵抗を流れるリーク電流値にも大きく影響する。その結果として接続中点の電位が大きくばらつくため、閾値の設定が難しかった。そのため、特開平1−221816号公報では、大電流を一定時間スイッチに流し、そのときの接続中点の電位を閾値と比較することで、スイッチのオンオフを正確に検出しているが、その分消費電が大きくなる。

そこで、本発明は、消費電力を抑えつつ、閾値の設定をしやすくするスイッチ操作判定装置を提供することを目的とする。

本発明は、スイッチと、前記スイッチが操作されたか否かを判定する判定回路と、を備えるスイッチ操作判定装置において、前記判定回路は、電源から接地に向かって電流が流れるように、前記電源側から順に直列に接続された第1抵抗、第1ダイオード、及び第2ダイオードと、前記第1ダイオードのアノード電位と閾値電位とを比較し、前記第1ダイオードのアノード電位が低い場合は、前記スイッチが操作されたと判定する制御部と、を備え、前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードのうち、前記第2ダイオードが前記スイッチと並列に接続されていることを特徴とする。

本発明は、前記スイッチ操作判定装置において、前記判定回路は、前記電源から前記接地に向かって電流が流れるように、前記第1抵抗、前記第1ダイオード、及び前記第2ダイオードと並列に接続された、第2抵抗及び前記第2抵抗に直列に接続される第3ダイオードを備え、前記第3ダイオードは、その順電圧が、前記第1ダイオードの順電圧よりも高く、且つ、前記第1ダイオードと前記第2ダイオードとの順電圧の和よりも低く設定され、前記閾値電位は、前記第3ダイオードのアノード電位であることを特徴とする。

本発明は、前記スイッチ操作判定装置において、前記第3ダイオードの温度特性の変化率は、前記第1ダイオードの温度特性の変化率と、前記第1ダイオード及び前記第2ダイオード全体の温度特性の変化率との範囲内に設定されることを特徴とする。

本発明は、前記スイッチ操作判定装置において、前記第2ダイオードの順電圧は、前記第1ダイオードの順電圧より高く、前記第2ダイオードと前記第3ダイオードとは、温度特性が同一の規格製品であることを特徴とする。

本発明によれば、第1ダイオードと第2ダイオードとを直列に接続し、スイッチを第2ダイオードと並列に接続したので、スイッチの操作判定に用いられる第1ダイオードのアノード電位が、電流値によって変動することはない。その結果、大電流を供給する必要はなく、消費電力を抑えることができる。

また、スイッチと第2ダイオードとを並列に接続したので、リーク抵抗の抵抗値が変動したとしても、第2ダイオードのアノード側の電位は、リーク電流が発生した場合と発生していない場合とでさほど変動はしないので、閾値電位の設定がしやすい。

本発明によれば、第1ダイオード及び第2ダイオードと並列に接続された第3ダイオードを備え、第3ダイオードは、その順電圧が、第1ダイオードの順電圧よりも高く、且つ、第1ダイオードと第2ダイオードとの順電圧の和よりも低く設定され、第3ダイオードのアノード電位を閾値電位としたので、閾値電位自体にも温度特性を持たせることができ、閾値電位の設定範囲を広くすることができる。

本発明によれば、第3ダイオードの温度特性の変化率は、第1ダイオードの温度特性の変化率と、第1ダイオード及び第2ダイオード全体の温度特性の変化率との範囲内に設定されるので、更に閾値電位の設定範囲を広くすることができる。

本発明によれば、第2ダイオードの順電圧は、第1ダイオードの順電圧より高く、第2ダイオードと第3ダイオードとは、温度特性が同一の規格製品であるので、部品管理工数及びコストの削減を図ることができる。また、第3ダイオードの温度特性の変化率を、第1ダイオードの温度特性の変化率と、第1ダイオード及び第2ダイオード全体の温度特性の変化率との範囲内に設定し易くなる。

実施の形態に係る自動二輪車の外観側面図である。

ハンドルバーの右側端部の拡大図である。

ハンドルバーの左側端部の拡大図である。

自動二輪車に設けられるスイッチ操作判定装置の構成図である。

温度、及び、個々の製品のばらつきによって、第1ダイオードの順電圧と、第1ダイオード及び第2ダイオード全体の順電圧とが取り得る範囲の一例を示す模式図である。

変形例におけるスイッチ操作判定装置の構成図である。

変形例において、設定することができる閾値電位の一例を示す図である。

変形例において、設定することができる閾値電位の他の一例を示す図である。

本発明に係るスイッチ操作判定装置について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。

図1は、実施の形態に係る自動二輪車10の外観側面図である。なお、特に説明しない限り、自動二輪車10に着座した運転手から見た方向を基準に、前後、左右、上下の方向を説明する。

自動二輪車10の車体フレーム12は、ヘッドパイプ14と、ヘッドパイプ14から後下方に延びるメインパイプ16と、メインパイプ16の下方であって、ヘッドパイプ14から後下方に延びて後方水平に延びるダウンパイプ18と、メインパイプ16の中間から後上方に延びるシートパイプ20と、ダウンパイプ18の後端部から、後上方に立ち上がるように延び、シートパイプ20に接続される補強パイプ22とを有する。このダウンパイプ18と補強パイプ22との接続部分に、メインパイプ16の後端部が接続される。

ヘッドパイプ14は、ステアリングステム24を回転自在に軸支し、ステアリングステム24の下端には、操輪としての前輪WFを回転可能に支持するフロントフォーク26が取り付けれ、ステアリングステム24の上端には、操舵用のハンドルバー28が取り付けられている。ハンドルバー28には、左右一対のミラー29が設けられている。

メインパイプ16には、図示しないエンジンが懸架され、このエンジンの出力が無段変速機30及び減速機32を介して駆動輪としての後輪WRに伝達される。この無段変速機30及び減速機32は、後輪WRを揺動可能に支持するスイングアームとしても機能する。シートパイプ20の上方には、運転シート34aと同乗者シート34bとを備える、所謂タンデムシート34が設けられている。

車体フレーム12は、フロントカバー36、レッグシールド38、フロントサイドカバー40、フロアセンタカバー42、リアロアカバー44、リアセンタカバー46、ボディサイドカバー48、及びフロアサイドカバー50で覆われている。

図2は、ハンドルバー28の右側端部の拡大図、図3は、ハンドルバー28の左側端部の拡大図である。このハンドルバー28の右側端部には、右グリップ60が設けられ、ハンドルバー28の左側端部には、左グリップ62が設けられている。ハンドルバー28には、右グリップ60及び左グリップ62に隣接して右スイッチユニット64及び左スイッチユニット66が設けられている。右グリップ60の前方には、前輪WFに制動力を与えるためのブレーキ操作子68が設けられ、左グリップ62の前方には、後輪WRに制動力を与えるためのブレーキ操作子70が設けられている。

右スイッチユニット64は、前記エンジンを強制停止させるためのエンジンストップスイッチ72、図示しないLEDハザードランプを点灯(点滅も含む)させるためのハザードスイッチ74、前記エンジンを始動させるためのスタータスイッチ76、及び無段変速機30の動作モードを切り替えるための変速動作スイッチ78が配置されている。

左スイッチユニット66は、変速制御を行うための変速制御スイッチ80、図示しないLEDウインカランプを点灯(点滅も含む)させるためのウインカスイッチ82、図示しない警報用のホーンを鳴らすためのホーンスイッチ84、及びパッシングスイッチ86が配置されている。

図4は、自動二輪車10に設けられるスイッチ操作判定装置100の構成図である。スイッチ操作判定装置100は、ユーザの操作によってオンになるスイッチ102と、スイッチ102が操作されたか否かを判定する判定回路104とを有する。このスイッチ102は、ハザードスイッチ74、ウインカスイッチ82等のLED灯火器の点灯(点滅も含む)と消灯とを切り換えるための操作スイッチである。

判定回路104は、電源106から接地GNDに向かって電流が流れるように、電源106側から順に直列に接続された、半導体スイッチング素子108、第1抵抗R1、第1ダイオードD1、及び第2ダイオードD2を備える。第2ダイオードD2は、スイッチ102と並列に接続されている。つまり、スイッチ102は、第1ダイオードD1のカソードと第2ダイオードD2のアノードとの接続点bから、第2ダイオードD2と並列に接地GNDに接続されている。第1ダイオードD1の順電圧VF1は、第2ダイオードD2の順電圧VF2より低く、本実施の形態では、第1ダイオードD1としてショットキーバリアダイオードを採用している。

判定回路104は、第1抵抗R1と第1ダイオードD1のアノードとの接続点aの電位(第1ダイオードD1のアノード電位)Vaと、閾値電位Vtとを比較する比較器110と、比較器110の出力に基づいてスイッチ102が操作されたか否かを判定する制御部112とを備える。本実施の形態では、説明をわかり易くするため、第1ダイオードD1の順電圧VF1を0.3V、第2ダイオードD2の順電圧VF2及び閾値電位Vtを0.78Vとした例について説明する。

電位Vaは、比較器110の+端子に入力され、閾値電位Vtは、−端子に入力される。従って、比較器110は、電位Vaが閾値電位Vtよりも高いときは、「1」の出力信号を制御部112に出力し、電位Vaが閾値電位Vtより低いときは、「0」の出力信号を制御部112に出力する。

制御部112は、電位Vaが閾値電位Vtより高い場合は、スイッチ102が操作されていない(スイッチ102がオフである)と判定し、電位Vaが閾値電位Vtより低い場合は、スイッチ102が操作された(スイッチ102がオンである)と判定する。つまり、制御部112は、比較器110から「1」の出力信号が送られてきた場合は、スイッチ102が操作されていないと判定し、「0」の出力信号が送られてきた場合は、スイッチ102が操作されたと判定する。

また、制御部112は、半導体スイッチング素子108のゲートに、パルス信号Sを入力して、半導体スイッチング素子108を間欠的にオン状態にさせる。 この半導体スイッチング素子108がオンになっている時に、電源106から判定回路104の第1ダイオードD1に電力が供給される。従って、制御部112は、半導体スイッチング素子108がオン状態になっているとき、スイッチ102が操作されたか否かを判定する。つまり、スイッチ102が操作されたか否かの判定は、パルス信号Sに同期して間欠的に行われる。

次に、スイッチ操作判定装置100の動作について簡単に説明する。スイッチ102がオフの場合は、電源106からの電流は、半導体スイッチング素子108を介して、第1抵抗R1、第1ダイオードD1、及び第2ダイオードD2を通って接地GNDに流れる。

スイッチ102がオフの場合は、電位Vaは、第2ダイオードD2の順電圧VF2(0.78V)と第1ダイオードD1の順電圧VF1(0.3V)との和の電位(1.08V)となり、閾値電位Vt(0.78V)より高い電位となる。従って、制御部112は、スイッチ102が操作されていない(スイッチ102がオフである)と判定する。

スイッチ102がオンの場合は、電源106からの電流は、半導体スイッチング素子108を介して、第1抵抗R1、第1ダイオードD1、スイッチ102を通って接地GNDに流れる。

スイッチ102がオンの場合は、電位Vaは、第1ダイオードD1の順電圧VF1(0.3V)となり、閾値電位Vt(0.78V)より低い電位となる。従って、制御部112は、スイッチ102が操作された(スイッチ102がオンである)と判定する。

スイッチ102の接点に水分が付着することで、スイッチ102がオフであっても、スイッチ102にリーク電流が流れる。図4に示すリーク抵抗Rrは、実際に回路素子として存在するわけではないが、リーク電流がスイッチ102を流れることによって生じる抵抗を等価的に表すものである。このリーク抵抗Rrは、スイッチ102と並列に接続される。

リーク電流が発生すると、接地GNDと接続点bとの間は、第2ダイオードD2とリーク抵抗Rrとの並列回路となる。従って、電源106からの電流は、半導体スイッチング素子108を介して、第1抵抗R1、第1ダイオードD1、及び、リーク抵抗Rrと第2ダイオードD2との並列回路を通って接地GNDに流れる。

このリーク電流が発生した場合は、第2ダイオードD2のアノード電位は、第2ダイオードD2の順電圧VF2(0.78V)より若干低い電位(例えば、0.779V)となる。従って、スイッチ102がオフであって、リーク電流が発生すると、電位Vaは、第1ダイオードD1の順電圧VF1(0.3V)と第2ダイオードD2のアノード電位(0.779V)との和の電位(1.079V)となる。その結果、電位Vaは、閾値電位(0.78V)より高い電位となり、リーク電流が発生した場合であっても、制御部112は、スイッチ102が操作されていないと(スイッチ102がオフである)と判定する。

なお、順電圧VF1として0.3V、順電圧VF2として0.78Vを例に説明したが、この数値に限るものではない。

このように、従来技術のように抵抗のみではなく、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2を用いて、スイッチ102のオンオフ判定に用いられる接続点aの電位Vaを形成したので、電流値によって電位Vaが変動することはない。つまり、第1ダイオードD1と第2ダイオードD2とを直列に接続し、スイッチ102を第2ダイオードD2と並列に接続したので、第1ダイオードD1のアノード電位である電位Vaは、電流値によって変動することはない。その結果、大電流を供給する必要はなく、消費電力を抑えることができる。

また、スイッチ102と第2ダイオードD2とを並列に接続したので、リーク抵抗Rrの抵抗値が変動したとしても、第2ダイオードD2のアノード側の電位は、リーク電流が発生した場合と発生していない場合とでさほど変動はしないので、閾値電位Vtの設定がしやすい。これにより、防水シールを省く、又は、最小限に抑えることができ、スイッチ102の設計自由度が向上するとともに、コストも抑えることができる。

自動二輪車10のLED灯火器の操作スイッチは、運転中に使用されるため、手袋を付けた状態で、且つ目視をせずに操作されることが想定される。そのため、感覚で操作したか否かがわかるような操作感が操作スイッチに要求されるが、操作スイッチに防水シール等を設けるとこの操作感が損なわれてしまう。しかしながら、スイッチ操作判定装置100のスイッチ102を、ウインカスイッチ82等のLED灯火器の点灯と消灯とを切り換えるための操作スイッチにすることで、操作スイッチの防水機能を最小限に抑えることができ、良好な操作感を得ることができる。

[変形例] 次に、上記実施の形態の変形例について説明する。ダイオードは、一般的に温度によって順電圧VFが変動する温度特性を持つ。また、ダイオードは、温度特性が同一の規格製品であっても、製品毎に順電圧VFにばらつきがあるものである。

従って、上記実施の形態では、第1ダイオードD1の順電圧VF1及び第2ダイオードD2の順電圧VF2として、0.3V、0.78Vを例に挙げて説明したが、順電圧VF1、VF2は、同一の規格製品のダイオードであっても、温度や、個々の製品によってばらつきがある。

図5は、温度、及び、個々の製品のばらつきによって、第1ダイオードD1の順電圧VF1と、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2全体の順電圧VF1+VF2とが取り得る範囲の一例を示す模式図である。なお、第1ダイオードD1の順電圧VF1は、スイッチ102がオンのときの接続点aの電位Vaとなり、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2全体の順電圧VF1+VF2は、スイッチ102がオフのときの接続点aの電位Vaとなる。

図5に示すように、第1ダイオードD1の規格温度特性120baseは、温度が25℃の時に、順電圧VF1が0.3Vとなり、温度の上昇とともに順電圧VF1が上昇する。しかしながら、上述したように、同一の規格製品であっても、個々の製品によっては、順電圧VF1にばらつきが生じる。参照符号120maxは、製品のばらつきによって、順電圧VF1が最も高くなる第1ダイオードD1の温度特性を示している。また、参照符号120minは、製品のばらつきによって、第1ダイオードD1の順電圧VF1が最も低くなる第1ダイオードD1の温度特性を示している。

また、第1ダイオードD1の規格温度特性120baseと第2ダイオードD2の規格温度特性とを合算した全体の規格温度特性122baseは、温度が25℃の時に、全体の順電圧(順電圧の和)VF1+VF2が1.08Vとなる。そして、温度の上昇とともに全体の順電圧VF1+VF2が上昇する。参照符号122maxは、製品のばらつきによって、全体の順電圧VF1+VF2が最も高くなる第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2全体の温度特性を示している。また、参照符号122minは、製品のばらつきによって、全体の順電圧VF1+VF2が最も低くなる第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2全体の温度特性を示している。

従って、スイッチ102のオンオフを判定するためには、閾値電位Vtを、順電圧VF1が取り得る最大値よりも高く、且つ、全体の順電圧VF1+VF2が取り得る最小値よりも低く設定しなければならない。そのため、閾値電位Vtの設定範囲が狭くなってしまい、閾値電位Vtの設定が難しい。また、順電圧VF1が取り得る最大値が、全体の順電圧VF1+VF2が取り得る最小値よりも高い場合は、閾値電位Vtを設定できなくなってしまう。

そこで、本変形例では、閾値電位Vtに対しても温度特性を設け、温度に応じて閾値電位Vtを変動させるというものである。以下、本変形例について詳細に説明する。

図6は、本変形例におけるスイッチ操作判定装置100の構成図である。なお、上記実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、原則として上記実施の形態と異なる箇所のみを説明する。

本変形例においては、判定回路104は、電源106から接地GNDに向かって電流が流れるように、電源106側から順に直列に接続された第2抵抗R2及び第3ダイオードD3を備える。この第2抵抗R2及び第3ダイオードD3は、第1抵抗R1、第1ダイオードD1、及び第2ダイオードD2と並列に接続されている。即ち、第2抵抗R2及び第3ダイオードD3は、半導体スイッチング素子108と第1抵抗R1との接続点cから、第1抵抗R1、第1ダイオードD1、及び第2ダイオードD2と並列に接地GNDに接続されている。

第3ダイオードD3は、その順電圧VF3が、第1ダイオードD1の順電圧VF1より高く、且つ、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2全体の順電圧VF1+VF2よりも低く設定されている。

本実施の形態では、第2ダイオードD2及び第3ダイオードD3は、温度特性が同一の規格製品であり、第2ダイオードD2及び第3ダイオードD3は、同一のICチップ130内に組み込まれている。なお、ICチップ130内には、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第1ダイオードD1も組み込まれていてもよい。

第2抵抗R2と第3ダイオードD3のアノードとの接続点dの電位(第3ダイオードD3のアノード電位)が閾値電位Vtとして比較器110の−端子に入力される。従って、閾値電位Vtに温度特性を持たせることができ、閾値電位Vtの設定範囲を広げることができる。

図7は、本変形例において、設定することができる閾値電位Vtの一例を示す図である。図7に示すように、閾値電位Vtに温度特性を持たせることで、図5に比べ、閾値電位Vtの設定範囲を広くすることができる。また、第3ダイオードD3の規格温度特性の変化率(温度に対する順電圧VFの変化率)は、第1ダイオードD1の規格温度特性120baseの変化率と、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2全体の規格温度特性122baseの変化率との範囲内に設定することが好ましい。これにより、閾値電位Vtの設定範囲を広くすることができる。

同一の規格製品であっても、個々の製品によってばらつきが生じるため、この第3ダイオードD3は、順電圧VF3が最も小さくなる方向にばらついた場合であっても、第1ダイオードD1の温度特性120maxよりも高くなるダイオードである必要がある。なお、参照符号140minは、製品のばらつきによって、順電圧VF3が最も低くなる第3ダイオードD3の温度特性を示し、参照符号140maxは、製品のばらつきによって、順電圧VF3が最も高くなる第3ダイオードD3の温度特性を示している。

本実施の形態では、第3ダイオードD3と第2ダイオードD2とを、同一の規格製品とし、且つ、同一のICチップ130に組み込んでいるので、第2ダイオードD2と第3ダイオードD3とを同一の製品として製造することができる。そのため、実際の第2ダイオードD2と第3ダイオードD3との温度特性のばらつきを抑えることができ、順電圧VF2と順電圧VF3を略同一にすることができる。

つまり、順電圧VF2が高くなる方向に第2ダイオードD2がばらついた場合は、第3ダイオードD3の順電圧VF3も同様にばらつくので、個々の製品による第2ダイオードD2及び第3ダイオードD3のばらつきを考慮する必要はない。従って、温度特性122minより、温度特性140maxの方が高くなっても問題はない。これにより、設定できる閾値電位Vtの範囲を広くすることができる。

また、第3ダイオードD3と第2ダイオードD2とを同一の規格製品とするので、第3ダイオードD3の温度特性の変化率は、第1ダイオードD1の規格温度特性120baseの変化率から、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2全体の規格温度特性122baseの変化率までの範囲内に自動的に設定されることになる。

第3ダイオードD3を第2ダイオードD2と同じ規格製品のものとする場合は(順電圧VF3=順電圧VF2)、順電圧VF1の1.5倍〜3倍程度が好ましい(2倍が最適)。そうすることで、順電圧VF3が、順電圧VF1+VF2のちょうど中間値ぐらいになるので、順電圧VF3が多少ばらついても許容しやすい。

なお、第2ダイオードD2と第3ダイオードD3とを同一のICチップ130に組み込まない場合は、第2ダイオードD2の順電圧VF2のばらつき方向と、第3ダイオードD3の順電圧VF3のばらつき方向とが異なる場合がある。従って、この場合は、図8に示すように、第3ダイオードD3は、個々の製品によって温度特性がばらついた場合であっても、順電圧VF3が最も高くなる温度特性140maxが温度特性122minより小さく、順電圧VF3が最も低くなる温度特性140minが温度特性120maxより大きくなるダイオードである必要がある。

また、閾値電位Vtに対しても温度特性を設ける例として第3ダイオードD3を採用したが、温度と閾値電位Vtとを対応づけたテーブルと温度センサとを有する閾値出力部を設け、閾値出力部は、該温度に対応した閾値電位Vtを比較器110に出力してもよい。この場合、前記テーブルに記憶された各温度における閾値電位Vtは、図8に示すように、温度特性122minが示す各温度における電位より小さく、温度特性120maxが示す各温度における電位より大きくなるように設定される。

また、第1〜第3ダイオードD1、D2、D3は、温度の上昇に伴って順電圧VF1、VF2、VF3が高くなる特性のダイオードとしたが、温度の上昇に伴って、順電圧VF1、VF2、VF3が低くなる特性のダイオードであってもよく、この場合でも同様な効果を得ることができる。

このように、本変形例においては、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2と並列に接続された第3ダイオードD3を備え、第3ダイオードD3の順電圧VF3は、順電圧VF1よりも高く、且つ、順電圧VF1+VF2よりも低く設定され、第3ダイオードD3のアノード電位を閾値電位Vtとしたので、閾値電位Vt自体にも温度特性を持たせることができる。従って、閾値電位Vtの設定範囲を広くすることができる。

第3ダイオードD3の規格温度特性の変化率は、第1ダイオードD1の規格温度特性120baseの変化率と、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2全体の規格温度特性122baseの変化率との範囲内に設定されるので、更に閾値電位Vtの設定範囲を広くすることができる。

第2ダイオードD2の順電圧VF2は、第1ダイオードD1の順電圧VF1より高く、第2ダイオードD2と第3ダイオードD3とは、規格温度特性が同一の規格製品であるので、部品管理工数及びコストの削減を図ることができる。また、第3ダイオードD3の規格温度特性の変化率を、第1ダイオードD1の規格温度特性120baseの変化率と、第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2全体の規格温度特性122baseの変化率との範囲内に設定し易くなる。

第2ダイオードD2と第3ダイオードD3とは、同一のICチップ130内に組み込まれているので、第2ダイオードD2及び第3ダイオードD3の温度特性のばらつきを抑えることができ、更に閾値電位Vtの設定範囲を広くすることができる。

QQ群二维码
意见反馈