Operation state detection device for control equipment using Ic tag, rotary switch mechanism, and detection adapter

申请号 JP2012548277 申请日 2012-03-15 公开(公告)号 JP5340492B1 公开(公告)日 2013-11-13
申请人 株式会社日立システムズ; 株式会社正興電機製作所; 株式会社正興C&E; 发明人 繁 山内; 雅章 猿山; 弘明 宍戸; 貴章 由井; 茂 山方; 啓司 鈴木; 隆浩 小林; 元彦 谷川; 邦男 小池;
摘要 Provided is an operation state detection device for control equipment using IC tags that is equipped with a plurality of IC tags which are associated with the operation state of control equipment and are attached onto the same attachment face as that to which the control equipment is attached, and a single detection adapter for which the position relative to the plurality of IC tags changes in accordance with the operation state of the control equipment. For the plurality of IC tags, the loop face of each IC tag is placed parallel to the attachment face. The detection adapter comprises a single unit of a loop antenna for detecting the IC tabs and a radiation antenna connected to the loop antenna. The loop face of the loop antenna of the detection adapter opposes, in a one-to-one relationship and in a parallel fashion, the loop face of the corresponding one specific IC tag, in accordance with each operation state of the control equipment. Magnetic lines of force formed by the radiation antenna of the detection adapter will not pass through the loop face of the IC tags other than the specified IC tag.
权利要求
  • 制御機器の操作状態検出装置であって、
    前記制御機器に、該制御機器の操作状態に関連付けられて、同じ取り付け面上に取り付けられた複数のICタグと、
    前記制御機器の操作状態に応じて前記複数のICタグとの相対的な位置関係が変化する1つの検出アダプターとを備え、
    前記複数のICタグは、各々、当該ICタグのループ面が、前記取り付け面に平行設置され、
    前記検出アダプターは、前記ICタグを検知するためのループアンテナと該ループアンテナに接続された放射アンテナとが一体に構成されており、
    前記検出アダプターのループアンテナのループ面が、前記制御機器の各操作状態に応じて、対応する前記1つのICタグのループ面と1対1でかつ平行に対向し、
    前記検出アダプターの放射アンテナにより形成される磁力線が前記各ICタグのループ面を貫通しないように構成されていることを特徴とするICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置。
  • 請求項1において、
    前記制御機器の操作状態に応じて回転する回転軸に固定された回転板と、
    該回転板の1つの円周上において、前記制御機器の複数の操作状態に関連付けられた位置に配置された前記複数のICタグと、
    前記ループアンテナと前記放射アンテナとが、前記回転軸と共に前記円周に沿って回転する前記1つの検出アダプターとを備え、
    前記複数のICタグは、各々、当該ICタグのループ面が、前記回転板の取り付け面に平行設置され、
    前記検出アダプターの前記ループアンテナのループ面が、前記回転軸の回転に伴い、前記取り付け面上の何れか1つの前記ICタグの前記ループ面と1対1でかつ平行に対向し得るように構成されていることを特徴とする制御機器の操作状態検出装置。
  • 請求項2において、
    前記回転板は、金属製のバックプレートであり、
    前記検出アダプターの放射アンテナはダイポール基調のアンテナであることを特徴とするICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置。
    制御機器の操作状態検出装置であって、
    前記制御機器に、該制御機器の操作状態に関連付けられて、同じ取り付け面上に取り付けられた複数のICタグと、
    前記制御機器の操作状態に応じて前記複数のICタグとの相対的な位置関係が変化する1つの検出アダプターとを備え、
    前記複数のICタグは、各々、当該ICタグのループ面が、前記取り付け面に平行設置され、
    前記検出アダプターは、前記ICタグを検知するためのループアンテナと該ループアンテナに接続された放射アンテナとが一体に構成されており、
    前記検出アダプターのループアンテナのループ面が、前記制御機器の各操作状態に応じて、対応する前記1つのICタグのループ面と1対1でかつ平行に対向し、
    前記検出アダプターの放射アンテナにより形成される磁力線が前記各ICタグのループ面を貫通しないように構成されていることを特徴とするICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置。
  • 内部にスイッチ機構が設けられたカムスイッチ本体部と、
    カムスイッチ本体部に保持された回転軸と、
    前記回転軸を駆動して前記スイッチ機構を操作するためのハンドルと、
    前記カムスイッチ本体部と前記ハンドルとの間において、前記回転軸に固定された回転板と、
    該回転板の1つの円周上において、前記スイッチ機構の複数の操作状態に関連付けられた位置に配置された前記複数のICタグと、
    前記回転軸と共に前記円周に沿って回転する1つの検出アダプターとを備え、
    前記検出アダプターは、前記ICタグを検知するためのループアンテナと該ループアンテナに接続された放射アンテナとが一体に構成されており、
    前記複数のICタグは、各々、当該ICタグのループ面が、前記回転板の取り付け面に平行設置され、
    前記検出アダプターの前記ループアンテナのループ面が、前記回転軸の回転に伴い、前記取り付け面上の何れか1つの前記ICタグの前記ループ面と1対1でかつ平行に対向し得るように構成されていることを特徴とする回転スイッチ機構。
  • 検出アダプターにより操作状態を検出し得る制御機器であって、
    前記制御機器は、
    ベースと、該ベースに対して直線に沿って相対的に移動可能な状態で該ベースに保持される可動体とを有し、
    前記ベースは、前記可動体により電気的に開閉される制御機器の回路端子を有し、
    前記ベース上において、前記制御機器の操作状態に関連付けて、前記直線上の所定の位置に平行設置された第一のICタグと、
    前記制御機器の操作状態に関連付けて、前記第一のICタグとは同時に出現しない状態に関連付けて前記可動体上に平行設置された、第二のICタグとを備えており、
    前記検出アダプターにより、前記第一のICタグもしくは前記第二のICタグを検知することを特徴とするICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置。
  • 請求項5において、
    1つの前記可動体と1つの前記ベースで1組のスイッチユニットが構成され、
    複数組の前記スイッチユニットが、前記直線に直角な方向に沿って一列かつ同じ高さに配置されて、遮断スイッチシステムの遮断スイッチ群を構成しており、
    前記各スイッチユニットの制御機器の回路端子が、前記スイッチシステムの各々固有の被制御機器の主回路を制御するリレー回路と、制御回路との間を開閉するものであり、
    前記各スイッチユニットの前記可動体は、前記ベースに対して、対応する前記制御機器の回路端子の閉状態において第一の位置にあり、前記制御機器の回路端子の開状態において第二の位置状態にあり、
    前記検出アダプターにより、前記第一のICタグもしくは前記第二のICタグを検知することにより、前記第一の位置もしくは前記第二の位置を検知することを特徴とするICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置。
  • 請求項6において、
    前記第一のICタグは、当該ICタグのループ面が、前記直線に直角な取り付け面に平行設置され、
    前記第二のICタグは、当該ICタグのループ面が、前記直線に平行な取り付け面に平行設置されていることを特徴とするICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置。
  • 請求項6において、
    前記可動体は、短絡板を有し、
    前記ベースは、前記可動体を前記直線方向にガイドするガイド部と、前記可動体の短絡板により電気的に開閉される前記制御機器の回路端子とを有し、
    前記第一のICタグは、前記ガイド部の上端面に、前記可動体の押し込み状態において露出するようにして設置されており、
    前記第二のICタグは、前記可動体の引き抜き状態に露出するようにして、該可動体の側面に設置されていることを特徴とするICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置。
  • 請求項6において、
    前記ベースはソケット、前記可動体はプラグであり、
    前記第一のICタグは、前記ソケット上でかつ、該ソケットが前記プラグに挿入された状態及び取り外された状態の何れでも露出している側面に設置され、
    前記可動体は、前記第二のICタグが設置されたプラグであり、
    前記第二のICタグは、前記プラグ上でかつ、該プラグが前記ソケットに挿入された状態及び取り外された状態の何れでも露出している側面に設置され、
    前記第一、第二のICタグにより、前記プラグ単体及びソケット単体の個体識別を可能とすると共に、前記プラグが前記ソケットに挿入されている状態の識別も行えるようにしたことを特徴とするICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置。
  • 請求項9において、
    前記プラグの特定の1箇所に前記第一のICタグが組み込まれ、前記プラグが前記ソケットに組み込まれた時、それぞれに組み込まれた前記2つのICタグのループコイル面が平行に対向し、
    検出アダプターを用いて前記プラグの挿入状態を検出する為に、該検出アダプターの検出部を、前記2つのICタグの平行に配置されたコイル面の間に、該検出部のコイル面を平行に配置することで、該3つのコイル面による電磁結合により、前記2つのICタグと同時交信を行い、どのプラグがどのソケットに挿入されているかの状態を認識することを特徴とするICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置。
  • 請求項9において、
    検出アダプターを用いて前記プラグの挿入状態を検出する為に、該検出アダプターの検出部により前記第一、第二のICタグと時間差を設けて順次交信することで、前記プラグの挿入状態を検出することを特徴とするICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置。
  • 請求項9において、
    前記ICタグが組み込まれた押し込みスイッチ機構であって、
    押し込みノブの特定の箇所に引き上げ状態を示す前記第二のICタグと、スイッチ本体の特定の箇所に押し込んだ状態を示す前記第一のICタグとが組み込まれており、
    前記押し込みノブを引き上げた時、押し下げ状態を示す前記第一のICタグが該押し込みノブによってかくれ、引き上げ状態を示す前記第二のICタグが出現し、
    前記押し込みノブを押し下げた時、引き上げ状態を示す前記第二のICタグが前記スイッチ本体によってかくれ、該押し下げ状態を示す前記第一のICタグが出現し、必ず1つの状態を示すICタグだけが出現し前記検出アダプターにより検出可能となるように構成されていることを特徴とするICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置。
  • ICタグの検出アダプターであって、
    前記検出アダプターは、
    放射アンテナ部と、
    前記ICタグを検出するためのループアンテナを有する検出部と、
    前記検出部と前記放射アンテナ部とを接続する伝送部とを備えており、
    前記放射アンテナ部は、半波長で共振を最大にするダイポール基調のアンテナが誘電体で包まれるか誘電体基板で支持された構成を有し、該放射アンテナの中央部の高周波電流の最大点で前記伝送部に接続されており、
    前記放射アンテナ部は、リーダ/ライタのアンテナ面に着脱可能に構成されており、
    前記ICタグは、ICチップと、該ICチップに接続された微小ループアンテナとを含むICタグ本体とを有し、前記微小ループアンテナのループ面が前記取り付け面に平行になるようにして前記ICタグ本体を被取り付け部材に取り付けるように構成されており、
    前記放射アンテナ部が前記リーダ/ライタのアンテナ面に固定された状態において、前記検出部のループアンテナのループ面が、前記ICタグの前記微小ループアンテナのループ面と平行になり、前記検出部と前記ICタグとの間で1対1の交信が可能に構成されていることを特徴とする検出アダプター。
  • 請求項13において、
    回転スイッチ機構に組み込まれた前記検出アダプターであって、
    前記回転スイッチの回転に同期して回転する前記検出アダプターの検出部が、円周上に並ぶ複数の前記ICタグを順次走査するように配置し、
    前記検出部の他の一端の放射アンテナは、前記検出部で電磁結合した複数の前記ICタグの特定の1つと交信しその情報を前記放射アンテナで空間に放射させ、前記リーダ/ライタと交信させることを特徴とする検出アダプター。
  • 請求項14において、
    前記検出部では、前記検出部のコイル面と前記ICタグのコイル面を平行にし、強い電磁結合をさせ、
    前記放射アンテナの直下や近隣に入った前記ICタグに対しては、前記放射アンテナに流れる高周波電流によって誘導される磁力線が前記ICタグ内部のループコイル面を貫通せず平行に入射させて電磁結合を妨げ、
    前記検出部が指し示した前記ICタグと1対1交信ができるようにしたことを特徴とする検出アダプター。
  • 说明书全文

    本発明は、ICタグを用いた制御機器用の操作状態検出装置、回転スイッチ機構、及び検出アダプターに係り、特に、操作開閉器の状態やスイッチ位置など、制御機器の操作状態を、ICタグを用いて非接触に認識する方式に関するものである。

    機械的開閉器やスイッチ、操作レバー等を備えた制御機器において、それらの操作状態、例えば産業用の電供給システムにおいて、大電力の供給・遮断用の開閉器である複数のスイッチの開閉状態を安定に保持する機械的方式として、カムスイッチ機構がある(非特許文献1参照)。

    特許文献1には、小型のICタグを金属面に直立設置し、金属面の反射を利用したICタグ交信技術が開示されている。 特許文献2には、直立設置の小型のICタグが取り付け面に密集したり、並んだりした状態の中から目的の1つのICタグと交信するため、ICタグの直上近辺に半波長サイズの金属棒を配置することや、この金属棒がその直下のグICタグと電磁結合することで1つのダイポールアンテナを形成し、単独では応答しないICタグと交信可能とさせる技術が開示されている。 この技術では、遠くまで伝える種類の電磁波で動作するダイポールアンテナの中央部が、交信電磁波と共振した高周波電流の最大点となり、これに比例した大きさの磁力線が、高周波電流の方向と直交し、右ネジの法則で巻きつくループをなし、ループ状磁力線が直近にあるICタグと電磁結合することで、単独では応答しないICタグを交信可能な活性状態にするものである。 従って、ダイポールアンテナと電磁結合できない距離に配置したICタグは単独の状態となり応答しない不活性状態(休止状態)となる。

    特許文献3には、カムスイッチ機構において、小型のICタグを金属面に直立設置し、金属面の反射を利用したICタグ交信技術が開示されている。 特許文献3には、ICタグが、リーダ/ライタの電磁波の届かない箇所に直立設置されている場合、リーダ/ライタとICタグとの間に、ICタグ検出用の検出アダプターを配置、あるいは、リーダ/ライタに検出アダプターを装着して交信を可能とさせる器具が開示されている。 この器具は、3つの部分で構成される。 まず、リーダ/ライタの内蔵アンテナと直接交信できるダイポールアンテナなど遠くまで伝わる種類の電磁波と共振する放射アンテナ部と、次にこれにつながる伝送線部、最後にこれとつながるICタグ検出部から成る検出器具である。

    特開2008−90813号公報

    特開2010−218537号公報

    特開2011−259690号公報

    http://www.seiko-ce.co.jp/hinmoku/seigyo/pdf/cs_common.pdf

    従来の制御機器の操作開閉器やコントロールスイッチなどは、それらの操作ハンドルやダイヤルと連動した表示の読み取りに伴う目視認識が様々な誤読によるヒューマンエラーを引き起こす可能性があるという課題があった。 誤読の例としては、ハンドルやダイヤルが指し示す表示との視差誤読、表示の間違えやすい文字、記号による誤読、表示の剥れやカスレによる誤読などがある。 また、誤操作防止のための安全対策の一環でハンドルやダイヤルを引き抜いておくことがあるが、ハンドルやダイヤルの取り付けミスによる誤読などがある。 さらに、ハンドルやダイヤルを抜き去る処置が施された場合は、判読が困難という課題もある。

    特許文献1や特許文献2に記載の発明は、ICタグを金属面などに設置もしくは組み込むことが可能になるものの、カムスイッチのような機械的開閉器やスイッチ等を備えた制御機器において、それらの操作状態、すなわち、操作されたスイッチが投入されているのか抜かれた状態なのか、あるいはカムスイッチがハンドル操作でどの位置のスイッチ位置にあるのかといった操作状態、を非接触にて確認できるようにすることについては、充分な考慮がなされていない。

    特許文献3の発明は、ICタグを金属面などに設置もしくは組み込み、カムスイッチのような機械的開閉器やスイッチ等を備えた制御機器において、それらの操作状態を非接触にて確認できるようにするものである。 しかし、小型のICタグを金属面に立てる方式の直立設置を採用しているため、ICタグ組み込みの装置構成をコンパクト化する上で制約がある。 さらに、ICタグが金属面に直立設置されているため、リーダ/ライタが接近した場合、リーダ/ライタの内蔵アンテナに誘起される磁力線が直接ICタグを貫通し、電磁結合することで休止状態であるICタグであっても活性状態となり、誤って交信してしまうという、誤検知の可能性がある。

    すなわち、ループ状の内部アンテナを持ち単独では応答しにくいICタグが、取り付け面に直立設置される場合、取り付け面が金属面あるいは導体面である事、この導体面が波長に比べ十分な大きさや交信時に交信を助長する反射や共振することが必要である。 もし、取り付け面が非金属や絶縁体であると、この交信助長の効果がなくなり、交信しにくいという課題がある。 ICタグを金属面に直立設置させると、取り付け面からの突出高さが大きくなり、滑らかな取り付けを阻害するという課題がある。 また、この単独では応答しにくいICタグを金属面に平行に設置、すなわち、ICタグ内部のループ状アンテナのループ面が取り付け金属面に平行に設置すると、取り付け面での突出部が減少するが、金属面内に逆向きに高周波電流が流れ、交信のための電磁波と打ち消し合い、交信ができなくなるという課題が生じる。

    また、特許文献3の発明では、単独では応答しにくい半波長寸法より小型のICタグが密集したり、並んでいる中から、目的のICタグ1個だけを選択する構成となっている。 そのため、検出するダイポールアンテナの棒を目的ICタグの直上に配置し、これと電磁結合させる時、目的外のICタグをダイポールアンテナの棒から、電磁結合範囲外へ離して置かねばならないという課題がある。 すなわちダイポールアンテナの棒で目的のICタグを指し示して選択した時、棒直下に1つのICタグが入る程度のICタグ間隔が必要となり、非接触検出部の装置構成をコンパクト化できないという課題が生じる。

    本発明の目的は、検出アダプターの検出部で指し示して選択したICタグと交信し、これ以外と誤って電磁結合するICタグをなくし、1対1の確実な交信を行うことのできる、ICタグを用いた制御機器用の操作状態検出装置、回転スイッチ機構、及び検出アダプターを提供することにある。

    本発明の代表的なものの一例によれば、ICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置は、前記制御機器に、該制御機器の操作状態に関連付けられて、同じ取り付け面上に取り付けられた複数のICタグと、前記制御機器の操作状態に応じて前記複数のICタグとの相対的な位置関係が変化する1つの検出アダプターとを備え、前記複数のICタグは、各々、当該ICタグのループ面が、前記取り付け面に平行設置され、前記検出アダプターは、前記ICタグを検知するためのループアンテナと該ループアンテナに接続された放射アンテナとが一体に構成されており、前記検出アダプターのループアンテナのループ面が、前記制御機器の各操作状態に応じて、対応する前記1つのICタグのループ面と1対1でかつ平行に対向し、前記検出アダプターの放射アンテナにより形成される磁力線が前記各ICタグのループ面を貫通しないように構成されている。

    本発明によれば、検出アダプターの検出部で指し示して選択したICタグと交信し、これ以外と誤って電磁結合するICタグをなくし、1対1の確実な交信を行い、ICタグが検出できた事で取り付けられている装置や器具の状態を非接触に知る手法を提供することができる。

    本発明の第一の実施例になる、制御機器の操作状態検出装置のシステム構成例を示す図。

    図1の操作状態検出装置を備えた制御機器の分解斜視図。

    図1のICタグ保持パネルの背面を示す図。

    第一の実施例に用いられる小型ICタグの一例を示す図。

    第一の実施例における、小型ICタグ、検出アダプター及びICタグリーダの関係を説明する図。

    第一の実施例における、ICタグ内部のループ状アンテナのループ面が取り付け面に平行設置されている小型ICタグと、検出アダプターの関係を説明する図。

    図4Bにおける、小型ICタグと検出アダプターの検出コイル及び放射アンテナとの関係を説明する図。

    比較例として、ICタグ内部のループ状アンテナのループ面が取り付け面に直立設置されている場合の、小型ICタグと検出アダプターの検出コイル及び放射アンテナとの関係を説明する図。

    本発明の第二の実施例になる、制御機器の操作状態検出装置(検出アダプター)の構成例を示す斜視図。

    本発明の第三の実施例になる、制御機器の操作状態検出装置を組み込んだ制御機器の操作状態検出装置の全体構成を示す図。

    第三の実施例における、操作状態検出装置のベースの正面図及び側面図。

    第三の実施例における、操作状態検出装置の可動体の正面図及び側面図。

    第三の実施例における、制御機器の回路端子の閉状態に対応する、ベースと可動体の関係を示す図。

    第三の実施例における、制御機器の回路端子の開状態に対応する、ベースと可動体の関係を示す図。

    本発明の第四の実施例になる制御機器の操作状態検出装置における、遮断スイッチ群の操作状態検出のためのICタグ組み込み位置の関係を示す図。

    図13AのA−A'断面を示す図。

    第四の実施例における、検出アダプターを用いた操作状態の検知方法を説明する図。

    本発明の第五の実施例になる制御機器の操作状態検出装置における、検出アダプターを用いた操作状態の検知方法を説明する図。

    本発明の第六の実施例になる制御機器の操作状態検出装置における、検出アダプターを用いた操作状態の検知方法を説明する図。

    本発明の代表的な実施形態によれば、検出アダプターの検出部のループアンテナのループ面が、検出すべきICタグのループ面に平行になるような形状とする。 検出すべきICタグのループ状内部アンテナのループ面は、取り付け面に対して平行設置され、これにより、取り付け面からの突出部を少なくする。 検出アダプターの伝送部は、検出部と連続に接続し、伝送部を流れる高周波電流が不連部で不要反射を発生しない工夫と、目的ICタグを確実に1対1の、振れない指し示し動作ができる硬い導体で出来た平行2線式伝送線で構成される。 これにつながる放射アンテナ部は、半波長で共振を最大にするダイポール基調のアンテナで、この中央部の高周波電流の最大点で伝送線に接続される。 さらに放射アンテナ部は頑丈な誘電体で包まれ、リーダ/ライタ装置のアンテナ部にワンタッチで着脱可能な手段、例えば面ファスナーなどテーピングで接続される。 ICタグが平行設置され、検出部のループアンテナのループ面がICタグと平行に対向すると、強い電磁結合関係が成立する。 一方、検出部で電磁結合しているICタグ以外のICタグが、例えば検出アダプターの放射アンテナ部のダイポールアンテナ直下に入りダイポールアンテナに流れる高周波電流によって誘起される磁力線がダイポールアンテナ直下のICタグまで伸びて来ても、ICタグが、平行設置されている為、ICタグ内部のループアンテナを貫通することなく平行に通りすぎる平行状態になり電磁結合ができない。 すなわち、検出アダプターの検出部で指し示して選択したICタグと交信し、これ以外と誤って電磁結合するICタグをなくし、1対1の確実な交信を行う検出アダプターとICタグ及びその設置方法を示し、ICタグが、検出できた事で取り付けられている装置や器具の状態を非接触に知る手法を提供する。

    本発明の代表的な実施例によれば、スイッチの回転軸に補助アンテナとしてのダイポールアンテナとこれに接続した伝送部とさらに伝送部に接続される検出部のループアンテナから一体的に構成される検出アダプターを接続し、検出アダプター15の検出部152によって、スイッチ位置を検出するための小型ICタグが回転軸の軸を中心とする同一の円周上に複数個設置される。 すなわち、スイッチの回転に連動して回る検出アダプターの検出部の直下に小型ICタグが順番に回ってくる様に配置する。 ICタグは、内部にループ状、あるいはループ状と見なせる構造を持ち、ループ状アンテナのループ面が金属製の取り付け面に絶縁状態で平行に若しくは実質的に平行に設置される(本明細書ではこれらを平行設置と呼ぶ)。 このようにすることで、検出アダプターが回転軸を中心に回わる検出アダプターの検出部直下の小型タグと1対1に交信できる。 交信により該当するICタグの情報(配置されたICタグ毎に異なる情報を設定しておく)をICタグリーダにて取得し、取得した情報から、スイッチの操作位置を認識することが出来る。

    なお、ICタグ内部にループ状、あるいはループ状と見なせる構造を持つICタグを、取り付け面に設置する他の方法としては、取り付け面に直立して設置される場合(本明細書では直立設置と呼ぶ)がある。 本発明の代表的な実施例では、金属製の取り付け面に平行設置された特定の小型ICタグと回転する検出アダプターとが確実に1対1に交信できるようにした点に特徴がある。

    なお、本発明において、通信に使用する電波の周波数帯域は、UHF波帯又はマイクロ波帯である。
    以下、本発明の具体的な実施例について、説明する。

    まず、本発明の実施例1について、図面を参照しながら説明する。
    図1は、本発明のICタグを用いた制御機器の操作状態検出装置を実現するのに好適な、回転スイッチ機構(以降の説明では回転スイッチ機構をカムスイッチ呼ぶこことする)としてのカムスイッチの構成を示した断面図である。 図2Aは、図1のカムスイッチの構成を示した斜視分解図である。 図2Bは、図1のICタグ保持パネルの背面を示している。 本実施例の操作状態検出装置は、電気的な開閉器であるカムスイッチ1の動作状態を検知するために構成されている。 カムスイッチ1は、カムスイッチ本体部12を備えており、その内部に設けられたスイッチ機構(詳細については非特許文献1参照)を、スイッチシャフト(回転軸)11を介して回転運動として駆動するために、スイッチシャフト11にハンドル17が取り付けられる。 図2AのO−O'は、スイッチシャフト11の回転中心軸を示す。 カムスイッチ本体12の動作状態は、非金属製の目視用パネル20上に刻印された目盛りまたは表示(図中では省略)によって目視にて認識される。 目視用パネル20の裏には、位置調整用のスペーサ16を挟み、検出アダプター(補助アンテナ)15がカムスイッチ本体部12から伸びるシャフト11に取り付けられる。 すなわち、検出アダプター15は、カムスイッチに組み込まれシャフト11と同時に回転する、組み込み型の検出アダプターとなる。 図1では検出アダプター15としてダイポールアンテナを採用した例を示している。 なお、検出アダプター15は、ダイポールアンテナとして動作させるためにシャフト11とは電磁的に絶縁させる。

    組み込み型の検出アダプター15は、放射アンテナ151と、検出部152と、放射アンテナを覆う樹脂製の絶縁基材153と、放射アンテナ151と検出部152とを繋ぐ伝送線154を備えており、平面形状が略T字型となっている。 また、絶縁基材153には、検出アダプター15をシャフト11に固定するための穴150が設けられている。

    放射アンテナ151は、折り返しダイポールダイポールあるいは半波長バタフライ等のダイポール基調のアンテナであり、その長さをLとすると、L=λ/(2√ε)となる。 但し、λはICタグとの交信電磁波の波長、εは絶縁基材153の比誘電率である。 UHF波帯の電波を使用する場合は、高い比誘電率の材料を使用して例えばεが10であればL=5cm程度とする。 マイクロ波帯の電波を使用する場合は、発泡樹脂のように低い比誘電率の材料を使用して、例えばεが1.4であればL=5cm程度とする。 検出部152は、小型ICタグの内部ループアンテナと同等レベルの寸法、例えば5mm程度の外径のループコイルで構成されている。 このループコイルのループ面は、小型ICタグ10の取り付け面に平行、本実施例では金属面すなわちバックプレート13の面に平行、換言すると、シャフト11の回転中心軸に対して直になっている。 また、放射アンテナ151のダイポール基調のアンテナもバックプレート13の面に平行である。 ただし、検出部152のループコイルのループ面は、軸方向において、回転時に小型ICタグ10と接触しない範囲でできるだけ小型ICタグ10に近い位置、例えば1mm以下の距離にあることが望ましい。 一方、放射アンテナ151のダイポール基調のアンテナは小型ICタグ10の取り付け面が金属面の場合、できるだけ、例えば2mm〜5mm程度、軸方向に離れていることが望ましい。 そのため、組み込み型の検出アダプター15は、図1の断面図からも分かるように、放射アンテナ151と検出部152とを繋ぐ伝送線154が曲がり部あるいは段部を有し、ダイポール基調のアンテナよりも検出部152の方が、小型ICタグ10側に近い位置を回転するように構成されている。

    伝送線154は、平衡2線、若しくはツイストペア線、あるいは、同軸線、同軸管のいずれかで構成できる。 図2Aでは平衡2線による伝送で、伝送線154の長さは、0〜λ/4未満、あるいは概略λ/2の整数倍とし、かつ、λ/4を避けた長さとするのが望ましい。 伝送線154は、例えば、ステンレス針金からなり、線の太さが1.0mm、2線間の間隔が1.0mm、UHF波帯の電波の周波数が953MHzの場合、λ/4を避けると長さが1cmないしは5cm程度であり、マイクロ波帯の電波の周波数が2.45GHzの場合、λ/4長を避けると1cm〜2cm程度がそれぞれ組み込みやすい長さである。

    検出アダプター15は、ICタグ保持パネル14に掘られた円形状の空間141内で回転するが、その裏側の凹部142には、検出アダプター15の位置を検出するための小型ICタグ10がシャフト11の軸を中心とする同一の円周上に複数個設置される。 すなわち、図2Bに示したように、ICタグ保持パネル14の背面側には、複数の小型ICタグ10を取り付け面(金属製のバックプレート)13との間に挟んで収納・保持するための複数の凹部142が同一の円周上に等間隔に設けられている。 各小型ICタグ10は、その背面が凹部142の位置において金属製のバックプレート13の表面に接着剤等により絶縁して固定される。 カムスイッチ本体部12、ICタグ保持パネル14、及びハンドル17は、樹脂材等の絶縁物で構成されている。 なお、実際の装置では、金属製のバックプレート13とカムスイッチ本体部12との間に、配電盤のパネル(図示略)が位置する。 ハンドル17は、誤作動を防止するために、一旦駆動操作した後は、次回駆動操作するまで外される場合もある。

    なお、取り付け面であるバックプレート13を金属製としている理由は、小型ICタグの休止状態をより一層確実にするため、不要電磁波を遮断する役割を持たせるためである。 従って、この遮断の役割が配電盤のパネルやその他の絶縁材料などで果たされる場合は、取り付け面であるバックプレート13が樹脂板であっても良い。 この場合、放射アンテナ151と検出部152とを繋ぐ伝送線154には、曲がり部あるいは段部を、コンパクトな組み込みを優先して小さくしても良いが、放射アンテナ151とICタグとの直接の電磁結合を避けるためには少しでも距離を置くことが望ましい。

    図1に示したように、金属製のバックプレート13、ICタグ保持パネル14、及び目視用パネル20は、各々、中央に穴を有し、これらの部材は、小型ICタグ10及び検出アダプター15が所定の位置にある状態で、それらの外側の周辺部がねじ23でカムスイッチ本体部12に固定される。 換言すると、各小型ICタグ10はICタグ保持パネル14と金属製のバックプレート13に挟まれて前記所定の位置に固定保持される。 一方、検出アダプター15は、シャフト11に固定され、ICタグ保持パネル14の空間141内で回転可能に保持される。 18はICタグリーダ19のアンテナ部、22は状態認識処理ユニットであり、検出したICタグの情報を処理して状態を認識するハードウエア又はソフトウエアいずれかの処理ユニットである。 ICタグリーダ19と状態認識処理ユニット22とは通信ケーブルを介して、若しくはワイヤレスで、通信可能になっている。

    図3は、金属面(本実施例ではバックプレート13)上に配置される小型タグ10の例を示したものである。 小型タグ10は、ICチップ101に接続された平面状のループコイル102及び絶縁基材103などで構成されている。 図3の(a)はループコイル102が1回巻き、(b)はループコイル102が複数回巻きとなっている。 検出すべきICタグのループ状内部アンテナのループ面は、取り付け面に対して平行設置され、これにより、取り付け面からの突出部を少なくする。

    なお、小型タグ10の構成は、この例に限定されるものでなく、例えば、ループコイルの代わりにダイポールアンテナ等に形成されるループ状の整合回路を切出して実現しても良いことは言うまでも無い。 この場合も、ループ状の整合回路により形成されるICタグのループ面が、取り付け面に対して平行設置される。

    小型タグ10は、ICチップ101とは逆の側(図3では下側)が、金属製のバックプレート13に接するように配置される。 小型タグ10の大きさDは、ICタグが交信に使用する電磁波の波長の概略1/10以下である。 例えば、周波数2.45GHzの周波数を使用するマイクロ波帯のICタグでは、12ミリ以下の寸法となる。 この状態の小型タグは、単独では十分な感度が無く、通常はICタグリーダとの交信は直接にはできない。

    図4Aは、ICタグリーダ、組み込み型の検出アダプター及びICタグの関係を説明する図である。 IDコードを有するICタグ10が検出アダプター15を介してICタグリーダ19と交信する。 ICタグ10は、電源を内蔵しないいわゆるパッシブタグであり、ICタグリーダ19からアンテナ102で受信した電磁波をICチップ101の整流器1012で一時的に直流電源に変換してエネルギー源として動作し、信号処理部1015に保持されたIDコードに応じて変調器1011で変調された電磁波をアンテナ102から反射させることで送信する。 ICタグリーダ19は、その送信器191、受信器192がサーキュレータ193を介してアンテナ18と接続される。

    ここで、ICタグリーダ19のアンテナ部18をカムスイッチ1へ向けて電磁波21を放射し交信を行うと、検出アダプター15の検出部152に対向する位置にあるICタグ10のみからの信号を取得できる。 ここでの信号は、主としてICタグ18で受信された信号をICタグリーダ19にハードウエア的あるいはソフトウエア的に接続された状態認識処理ユニット22へ送る。 状態認識処理ユニット22では、復調・復号器22Aにより高周波を元のICタグ毎にユニークなIDコード等の情報へ変換する。 情報は、IDコードマップ情報比較器22Bへ送られる。 IDコードマップ情報比較器22Bには、各ICタグのIDコードと、そのIDコードを有するICタグが、配電盤上(または配電盤の設置されている工場等の施設中)に多数個設置されているどのカムスイッチ(1a〜1n)のものか、該当するカムスイッチのどの位置に取り付けられているか、そしてその位置がカムスイッチのどの動作状態に該当するのかを組み合わせたマップ情報があらかじめセットされている。 該マップ情報との比較により、IDコードが受信できていれば、該当するカムスイッチが判明し、カムスイッチの動作状態を認識できることになる。

    ステータス記憶ユニット22Cには、前記該当カムスイッチのIDコードとカムスイッチの動作状態が、カムスイッチ別に格納される。 設定目標値記憶ユニット22Dには、正しく設定された場合の各カムスイッチの動作状態があらかじめセットされている。 ステータス記憶ユニット22Cの内容と、設定目標値記憶ユニット22Dとの内容をステータス判定ユニット22Eで比較することにより、各カムスイッチのステータスが正しいものであるか否かが判定される。 その結果は、ディスプレイ等のインターフェイスユニット22Fにて出力される。

    なお、目視用パネル20を透明な板とすれば、その内側の検出アダプター15を内蔵指針として兼用することができ、該内蔵指針の位置から、スイッチの位置、すなわちノッチ位置が容易にわかる。 これにより、ハンドルやダイヤルを引き抜かれても、ノッチ位置を外部に知らせる手段として、容易に引き抜くことが出来ない構造の内蔵指針を付加することが可能になる。 この内蔵指針は操作開閉器やスイッチの軸に連結されているので、ハンドルやダイヤルを引き抜いても、内蔵指針がノッチ位置を指し示す構造として機能させることができる。

    なお、ダイポールアンテナ動作を行う検出アダプター15が回転し、その直下にICタグが存在しないときは、どのICタグタグとも交信が成立しない。 従ってICタグは、カムスイッチ12のノッチ機構により位置決めされる位置の一つに配置されなくてはならない。 ただし、ダイポールアンテナ動作を行う検出アダプター15が回転するとき、その直下には1個のICタグだけが位置するように配置するべきである。

    次に、回転スイッチのスイッチ位置の認識、及び、回転スイッチへのICタグ組み込みについて、説明する。

    図4Bは、ICタグ内部のループ状アンテナのループ面が取り付け面に平行設置されている小型ICタグと、検出アダプターの関係を説明する図である。 また、図5は、図4Bにおける、検出アダプターと小型ICタグの位置関係の説明図である。

    ICタグ10は、受信距離が比較的短くICタグリーダ19と交信を行うことは出来ない。 しかし、直上に検出アダプター15の検出部152が近接し、対向したICタグ10は、検出アダプター15の検出部152のとの電磁誘導の相互作用により電磁結合し高感度状態になり十分に交信ができるようになる。 取り付け面に平行設置の円周上に並んだICタグは、検出部のループコイル152と電磁結合するが、検出アダプターの例えばダイポールアンテナで構成された放射アンテナ151とは磁力線がICタグのループ面に平行に並び、ループコイル102を貫通する磁力線がないか、あるいは、実質的に無視できる程度に少ないため、相互作用の実質的な電磁結合ができない。 なお、ループコイル102が取り付け面に対して近い位置にありかつ平行でない角度、すなわち傾いたときには、ICタグのループ面とダイポールアンテナとが電磁結合する可能性がある。 このような事態を確実に排除するために、前記のとおり、放射アンテナ151と検出部152とを繋ぐ伝送線154に曲がり部あるいは段部を設け、放射アンテナ151をICタグのループ面からできるだけ離して両者の電磁結合を無視できる程度の小さなものにするのが良い。

    従って回転スイッチの操作に対応して検出部が指し示すICタグだけが、検出部のループコイル152と電磁結合で選ばれ1対1の交信が可能となる。

    すなわち、図5の(a)に示したように、ICタグ10が金属製の取り付け面13に平行設置され、検出部152のループアンテナのループ面158がICタグ10と平行対向すると、強い電磁結合関係が成立する。 電磁学によればICタグ10のループコイル102がつくるループ面108を検出アダプター15の検出部152から放射された磁力線Φ1が貫通して電磁結合し、交信が可能となる。

    一方、図5の(b)に示したように、検出部152で電磁結合しているICタグ流によって誘起される磁力線Φ2が放射アンテナ151直下のICタグ10まで伸びて来ても、ICタグ10が、金属製の取り付け面に平行設置されている為、磁力線Φ2がICタグ10内部のループコイル102Aと平行状態になり電磁結合ができない。 すなわち、検出アダプターの検出部152で指し示して選択したICタグとのみ交信し、これ以外のICタグと誤って電磁結合する事態をなくしている。

    これにより、検出アダプターと複数のICタグとの間で1対1の確実な交信が可能となる。 このようなICタグをカムスイッチに設置することで、取り付けられているカムスイッチ付きの装置や器具の状態を、非接触でかつ誤検知なく正確に知ることができる。

    比較例として、図6により、ICタグ30内部のループ状アンテナのループ面が取り付け面すなわちバックプレート13の面に直立して設置されている場合の、小型ICタ30と検出アダプター15の検出コイル及び放射アンテナとの関係を説明する。 このような設置方法では、図6の(a)に示したように、検出アダプター15の検出部152の検出コイルから放射された磁力線Φ1の一部がICタグ30のループコイルがつくるループ面に一部貫通し、検出アダプター15の検出コイルとICタグ30とが弱いながら電磁結合し、交信できる。

    しかしながら、図6の(b)に示したように、検出アダプター15の放射アンテナ151からの磁力線Φ2が伸びてくると、これが放射アンテナ151直下のICタグ30のループ面102Bを貫通して検出アダプター15とICタグ30とが電磁結合し、検出アダプターの検出部152で指し示したICタグ以外のICタグと交信する危険が生じる。 この例は、例えば、特許文献1の実施例1の構成に相当する。 このような従来の技術では、検出アダプターと各ICタグとの距離hを大きくする(カムスイッチ1における検出アダプター部分の軸方向長さを長くする)こと、あるいはリーダ/ライタの電磁波の出力を下げることで、このような誤検知の危険を減らしている。 本発明によれば、このような誤検出の危険を根本的に無くし、検出アダプターとICタグとの距離hが短くても(カムスイッチ1における検出アダプター部分の軸方向長さを短く構成しても)、検出部の指し示したICタグのみと1対1の正確な交信を可能にする。

    本実施例によれば、制御機器の開閉器やコントロールスイッチが制御系統に組み込まれ運転中の場合でも、巡視や点検保守などのためハンドルやダイヤルに触ることなく、それらのスイッチ位置や表示を電磁波で非接触の認識が可能となり、目視などに起因するヒューマンエラーの縮減効果の高い操作状態検出装置を提供することができる。

    特に、本実施例によれば、検出アダプターの検出部で指し示して選択したICタグと交信し、これ以外と誤って電磁結合するICタグをなくし、1対1の確実な交信を行うことで、ICタグを検出できた事で取り付けられている装置や器具の状態を非接触に知る手法を提供することができる。

    また、検出すべきICタグのループ状内部アンテナのループ面は、取り付け面に対して平行設置されるので、取り付け面からの突出部を少なくし、滑らかな取り付けを提供することができる。

    なお、本発明は、以上述べたカムスイッチに限定されるものではない。 例えば、実施例1のカムスイッチをドアのロック機構の回転状態の検知に置き換えれば、ドアのロック機構の操作状態を検知するのに適用できる。

    実施例1では検出アダプターがカムスイッチの回転軸に固定された組み込み型の検出アダプターとなっているが、検出アダプターとして機能するのに必要な部材のみを纏めて一体化した携帯型の検出アダプターとして構成し、これを作業者が手で操作できるようにしても良い。

    図7は、本発明の第二の実施例になる、携帯型の検出アダプター、すなわち、ICタグを用いた制御機器用の携帯型の操作状態検出装置の構成例を示す斜視図である。 ここでは、検出対象の複数のICタグが、回転若しくは直線運動する金属製もしくは非金属製の取り付け面13上に設置されているものとし、図7では複数のICタグのうち目的の1つのICタグが取り付け面13上に設置され、これを検出している場合を示している。 検出アダプター155は、放射アンテナ部151と検出部152、及びこれらを接続する伝送部154を備えている。 検出部152はループアンテナを有している。 伝送部154は、硬い導体であれば、同軸線、平衡2線、ストリップ線、導波管、誘電体棒のいずれであっても良い。 図7の例では、硬い導体で出来た平衡2線式伝送線を有し、この伝送線が検出部のループアンテナに連続して構成されている。 このように、本実施例の伝送部154は、目的のICタグ10と確実に1対1の振れない指し示し動作ができるように、また、この伝送部を流れる高周波電流が不連部で不要反射を発生しないように調整され、さらに高い剛性を有する構造となっている。 放射アンテナ部151は、半波長で共振を最大にするダイポール基調のアンテナであり、この中央部の高周波電流の最大点で伝送部15の伝送線に接続されている。 放射アンテナ部151は、頑丈な絶縁基材(誘電体)153で包まれ、リーダ/ライタ装置のアンテナ部の接続面192にワンタッチで着脱可能な着脱手段156、例えば面ファスナーなどで接続される。 検出部152のループアンテナのループ面が取り付け面13上のICタグと平行に対向すると、取り付け面13が金属製であっても強い電磁結合関係が成立する。

    すなわち、検出部152のループコイルがつくるループ面がICタグ10のループコイルのループ面と平行に対向すると、磁力線Φ1を介して検出部152のコイル152とICタグ10のループコイルとが電磁結合し、交信可能になる。

    一方、放射アンテナ部151をリーダ/ライタ装置のアンテナ部に装着した状態では、放射アンテナ部151のまわりに放射電磁波により誘起される磁力線Φ2が、リーダ/ライタ内部の放射アンテナ18と電磁結合し、金属製取り付け面13上に設置したICタグ10のループコイル102と電磁結合しないようにする。 そのために、伝送線154の長さを十分に確保する、例えば、λ/2波長程度の長さにしたり、磁力線Φ2がICタグ10のループコイル102を貫通しないで平行に通過するように設置することが望ましい。 すなわち、検出部152に誘起される磁力線Φ1は、ICタグ10とだけ電磁結合し、放射アンテナ部151に誘起される磁力線Φ2は、リーダ/ライタ装置19の内部アンテナ18とだけ電磁結合するよう配置する。

    次に、この携帯型の検出アダプターを用いて、例えば、回転状態の検知を行うために、金属製の取り付け面13上において円周上に並んだ複数のICタグの中の1つのICタグ10を検出することを想定する。 作業者は、まず、検出アダプターの着脱手段156をリーダ/ライタ装置19のアンテナ部の接続面192に装着する。 これにより、検出アダプター15の放射アンテナ151は磁力線Φ2を介してリーダ/ライタ19内部の放射アンテナ18と電磁結合する。 そして、リーダ/ライタ装置19を把持しながら、取り付け面13上の検出すべき1つのICタグ10と、検出アダプターの検出部152のループコイルとを、検出部152のアンテナのループ面がICタグのループコイルのループ面と平行に対向するように検出アダプターの位置を設定して、両者を電磁結合させる。 伝送部154は、高い剛性を有する構造となっているので、作業者は目的のICタグ10を選択し、これに対して確実に1対1の振れない指し示し動作ができる。 これにより、検出したいICタグだけが携帯型の検出アダプターを介してリーダ/ライタ19と電磁結合で選ばれ、1対1の交信が可能となる。 隣接ICタグ10間の間隔を所定の大きさとし、検出アダプターの検出部152のループアンテナとICタグ10間に誘起される磁力線Φ1を微小な大きさとすることで、検出部152で指し示したICタグ以外のICタグと交信する危険は完全に排除できる。 また、剛性を有する伝送部154は、放射アンテナ151と検出部152のループアンテナ間に十分な長さを確保するので、誤検知が生じることはない。 さらに放射アンテナ151では直接検知できない感度の小型ICタグ10とすることで誤検知の危険を排除する。 すなわち、ICタグ10が金属製の取り付け面13に平行設置されているので、検出アダプター15の放射アンテナ151からの磁力線Φ2が伸びて、これが何れかのICタグ10のループ面を貫通して検出アダプター155とICタグとが電磁結合し、検出アダプターの検出部152で指し示したICタグ以外のICタグと交信する危険はない。

    この様に、本実施例の携帯型検出アダプターは、これをリーダ/ライタに装着して使用することで、回転もしくは直線運動における位置検出用の複数のICタグが組み込まれた各種の制御機器の操作運動の状態量の検出に広く適用できる。

    次に、本発明を、遮断スイッチ群を有する制御機器の操作状態の検出装置に適用した第5の実施例を、図8乃至図12で説明する。

    図8の(a)は、本実施例になる制御機器の操作状態検出装置を組み込んだシステムの全体構成を示す図である。 本実施例は、例えば、高電圧機器の遮断スイッチシステム群に採用される制御機器の操作状態検出装置に関するものである。

    遮断スイッチシステム群は、1つのベース210と1つの可動体230とで1組のスイッチユニット200が構成され、複数組のスイッチユニットが、可動体230の移動方向(図ではz軸方向)と直角な方向(図ではY軸方向)に沿って一列かつ同じ高さに配置されて、遮断スイッチシステムの遮断スイッチ群(200−1〜200−n)を構成しており、各スイッチユニットの制御機器の回路端子(400,600)が、スイッチシステムの各々固有の被制御機器の主回路700(1〜n)の高圧電源の遮断機等を制御するリレー回路500と、制御回路(コントローラ)300との間を開閉するように構成されている。 ベース210には制御機器の開閉操作状態、すなわち回路端子400および600に接続される例えばコントローラ300やリレー500を電気的に接続している状態であるか、あるいは遮断している状態であるかに関連付けて配置された1つのICタグ10Aが設けられている。 一方、可動体230には、制御機器の開閉操作状態に関して、ICタグ10Aとは同時に出現しない状態に関連付けて配置された1つのICタグ10Bが設けられている。 例えば、ベース210のICタグ(第一のICタグ)10Aが閉状態、可動体230のICタグ(第二のICタグ)10Bが開状態に関連付けて配置されている。

    被制御機器の主回路700の機能を生かすか(オン)、無効にするか(オフ)を制御する可動体230の各操作状態、例えば可動体230を引き上げて回路端子400と600を切断の状態、すなわち主回路700の機能の無効(オフ)状態、あるいは可動体230を押し込んで回路端子400と600を接続した状態、すなわち主回路700の機能の有効(オン)状態の各状態対応するように、ベース210上のICタグ10Aや可動体230上のICタグ10Bと検出アダプター155とが1対1に選択交信可能に構成されている。 すなわち、各スイッチユニット200の操作状態は、既に述べた実施例1と同様にして、リーダ/ライタ19及び検出アダプター155を介してICタグ10A、10Bの位置を検知することにより、読み取り可能になっている。

    この例では、同時にICタグが出現しない状態とは、スイッチの引き上げ状態の時は引き上げ識別用ICタグ10Bが出現しこれが検出可能となる。 この状態で押し下げ状態のICタグ10Aが隠れるのでそれを検出できない。 一方、スイッチの押し下げ状態の時は、押し下げ識別用ICタグ10Aが出現し、これが検出可能となる。 この状態では、引き上げ状態のICタグ10Bが隠れるのでそれをまちがって検出できない。 このように、引き上げ、引き下げの何れか1つの状態識別のICタグだけが出現し、他方がかくれる構造となっている。 なお、ベース210に対するICタグ10Aの取り付け面、及び、可動体230に対するICタグ10Bの取り付け面の具体的な位置については、後でその例を説明する。 また、ICタグ10A、10Bの構成は、実施例1と同じ、例えば、図3に示したものと同じである。

    なお、被制御機器の種類は多種にわたる場合も多く、それらの主回路700の電源等を制御するための遮断スイッチ群(200−1〜200−n)の数も多くなるが、操作性を考慮して多数の遮断スイッチ群は全体として狭いスペースにコンパクトに纏められている。

    図8の(a)では、遮断スイッチ群の殆どのスイッチユニットが制御機器の回路端子の閉状態、すなわち押し込み状態で回路端子400と600の接続状態に対応する最下位置(第一の位置)にあり、スイッチユニット200−mが、制御機器の回路端子の開状態、すなわち引き上げ状態で回路端子400と600の切断状態(第二の位置、=完全な開若しくは取外し状態)にある。 また、スイッチユニットは、第一、第二の位置の中間の位置(第三の位置)にも保持可能である。

    このようなスイッチユニットの操作状態は、各スイッチユニットの高さや取り外しを確認することで目視でもある程度は把握可能である。 しかし、スイッチユニットの数が多くなり、制御内容が多岐にわたりスイッチユニットの開閉もまちまちの場合、より正確に操作状状態を把握し作業の安全を確保する必要がある。

    本実施例では、各スイッチユニットに一対のICタグを組み込むと共に、狭いスペースに多数設置されたこれら複数のICタグの位置を誤検知しないような構成を採用したことにより、スイッチのあいまいな中間位置の排除や各スイッチユニットの位置、ひいては操作状態の正確な情報を、電磁波により非接触で認識可能とした。 これにより、目視などに起因するヒューマンエラーの縮減効果の高い操作状態検出装置を提供することができる。 また、操作状状態を検知る手段として、薄い面状のICタグを採用することで、滑らかな取り付けを可能にしている。

    なお、上記携帯型のリーダ/ライタ19及び検出アダプター155に代えて、リーダ/ライタと検出アダプターを一体化したペン型のリーダ/ライタを用いても良い。

    図8の(b)は、本実施例になる制御機器の操作状態検出装置に適用可能な、ペン型のリーダ/ライタ19の一例を示す図である。 ペン型のリーダ/ライタ19は、本体内部に設けられた制御部と電源部、及び本体の表面に設けられた動作ランプを含む表示部及び操作部(図示略)等を備えている。 制御部は、コンピュータとプログラムで構成され、さらに、外部との通信を行う通信部と、検出部のループアンテナに対応する小型のアンテナ152とを有している。 リーダ/ライタ19の先端部の小型のアンテナ152により、第一のICタグ(閉状態)、第二のICタグ(開状態)を検知し、その結果を、リーダ/ライタ内部のコンピュータで処理し、あるいは通信部を介して外部で処理するために通信状態認識処理ユニット22に送信する。 通信部は、ケーブル若しくはBluetooth(登録商標)などの無線通信に対応している。

    次に、図9、図10で、スイッチユニット200の構成についてより詳細に説明する。

    図9の(A)は、ベース210の正面図、図9の(B)はベースの側面図である。 また、図10の(A)は可動体230の正面図、図10の(B)は可動体230の側面図である。

    図9に示したように、ベース210は、樹脂製の取り付け基板部211及びバックプレート部212と、このバックプレート部から突出して一体に設けられ可動体230を上下の直線(A−A')方向にスライドさせるガイド部213を有している。 また、ガイド部213の内側はバックプレート部と同じ高さのガイド溝214を構成しており、このガイド溝214の中央部に平に伸びるストッパー223が設けられ、このストッパー223から上に延びて設けられた樹脂製の突起部215の上端面に、1個のICタグ10Aが、制御機器の回路端子400と600の閉状態に関連付けて設置されている。 すなわち、本実施例では、突起部215の上端面が、ICタグ10Aの取り付け面となっている。 なお、ICタグ10Aはスイッチユニットが制御機器の回路端子の閉状態、すなわち押し込み状態を検知するものなので、突起部215の取り付け面は、押し込み状態においてICタグ10Aが露出するようにしてICタグ10Aを平行設置できるものであれば良い。

    なお、可動体230は、横方向から(図9の(A)の正面図では手前から、図9の(B)の側面図では左側から)、ベース210のガイド部213内にはめ込まれ、ガイド部213に沿って上下に移動可能となっている。

    さらに、ベース210には、一対の回路端子216,218が設けられ、これらの回路端子216,218は、夫々、ねじ217,219を介して、ベース210の取り付け基板部211に固定されると共に、回路端子400、600に電気的に接続される。 一対の回路端子216,218は、可動体の短絡板234により電気的に開閉される。 バックプレート部212は、隣接するスイッチユニットのバックプレート部と係合する凹凸部を有する。 221は、複数のスイッチユニット200を固定し、1つのスイッチユニット群とし一体化するためのねじ(図示略)を通すための穴である。 222は、取り付け基板部211に設けられた座部である。 一対の回路端子400、600は短絡板234により電気的に開閉される。 また、バックプレート部212から上に延びた延長部220から横方向に突出して設けられた突起223は、可動体230に対するベース210の下方向へのストッパーとして機能すると共に、隣接するスイッチユニットのバックプレート部の背面に設けられた穴に係合し位置決めを行う機能を有する。 さらに、例えばベース210の突起223から垂下する形で、各ICタグ10及びそれを保持する突起部215が一体に形成されている。 これにより、ベース210の突起部215の周囲には、この突起部215を囲むようにして配置された可動体230が上下動するための空間が存在している。

    一方、可動体230は図10に示したように、樹脂製の本体235の側面の凹部232に1個のICタグ10Bが、制御機器の回路端子400と600の開状態に関連付けて設置されている。 可動体230の正面の溝233はベース210のストッパー223が入り、可動体230の上下限の位置がストッパー223で決められる。 すなわち、本実施例では、可動体230の側面の凹部が、ICタグ10Bの取り付け面となっている。 なお、ICタグ10Bはスイッチユニットが制御機器の回路端子の開状態、すなわち取り外し状態を検知するものなので、取り付け面は、取り外しにおいてのみICタグ10Bが露出するようにしてこれを平行設置できるものであれば良い。 凹部の深さはごく浅いもので良く、ICタグ10Bの厚みによっては、凹部を省略し、可動体230の側面自体を取り付け面としても良い。

    図11〜図12は、制御機器の回路端子が閉じ、開きの各状態に対応する、ベース210と可動体230の関係を、より詳細に示している。

    本実施例でも、検出アダプター155は、放射アンテナ部151と検出部152、及びこれらを接続する伝送部154を備えている。 検出部152はループアンテナを有している。 伝送部は、硬い導体で出来た平行2線式伝送線を有し、この伝送線が検出部のループアンテナに連続して接続されている。 放射アンテナ部151は、頑丈な誘電体で包まれ、リーダ/ライタ装置のアンテナ部の接続面192にワンタッチで着脱可能な着脱手段156、例えば面ファスナーなどテーピングで接続される。 検出部152のループアンテナのループ面がICタグと平行に対向すると、強い電磁結合関係が成立する。

    図11(a)では、制御機器の回路端子の閉状態に相当し、スイッチユニットの可動体230が、ベース210に対して最下位置にあり、一対の回路端子400、600が短絡板234により電気的に閉じられた状態にある。 この時、図11(b)に示したように、作業者は、リーダ/ライタ装置19を把持しながら、検出すべき1つのICタグ10Aと、検出アダプターの検出部152のループコイルとを、検出部152のループアンテナのループ面がICタグ10Aのループコイルのループ面と平行に対向するように検出アダプター155の位置を設定して、両者を電磁結合させる。 伝送部154は、高い剛性を有する構造となっているので、作業者は目的のICタグ10Aを選択し、これに対して確実に1対1の振れない指し示し動作ができる。 これにより、検出したいICタグだけが携帯型の検出アダプターを介してリーダ/ライタ19と電磁結合で選ばれ、1対1の交信が可能となる。 隣接ICタグ10間の間隔を所定の大きさとし、検出アダプターの検出部152のループアンテナとICタグ10間に誘起される磁力線Φ1は、電磁気学によると、検出部152からの距離の2乗ないしは3乗に反比例して急激に微弱となるため、作業者が検出部152で指し示したICタグ以外のICタグと交信する危険は完全に排除できる。 また、剛性を有する伝送部154は、放射アンテナ151と検出部152のループアンテナ間に十分な長さを確保するので、誤検知が生じることはない。 さらに、小型ICタグ10を、放射アンテナ151では直接検知できない感度とすることで誤検知の危険を排除する。

    次に、図11(c)は、ペン型のリーダ/ライタ19による検知の例を示している。 作業者は、ペン型のリーダ/ライタ19を把持しながら、検出すべき1つのICタグ10Aと、リーダ/ライタ19の先端の検出部152の小型のアンテナのアンテナ面がICタグ10Aのループコイルのループ面と平行若しくは概ね平行に対向するように、リーダ/ライタ19を把持して、両者を電磁結合させる。 これにより、作業者がペン型のリーダ/ライタ19で指し示したICタグ以外のICタグと交信する危険を排除できる。

    さらに、図12では、制御機器の回路端子が完全開放状態にある場合に相当し、スイッチユニットの可動体230が、ベース210に対して、最上位置にあり、一対の回路端子400、600から短絡板234が離れ、電気的に完全に解放された状態にある。

    図12(a)に示したように、作業者は、リーダ/ライタ装置19を把持しながら、検出すべき1つのICタグ10Bと、検出アダプターの検出部152のループコイルとを、検出部152のループアンテナのループ面がICタグ10Bのループコイルのループ面と平行に対向するように検出アダプター155の位置を設定して、両者を電磁結合させる。 伝送部154は、高い剛性を有する構造となっているので、作業者は目的のICタグ10Bを選択し、これに対して確実に1対1の振れない指し示し動作ができる。 これにより、検出したいICタグだけが携帯型の検出アダプターを介してリーダ/ライタ19と電磁結合で選ばれ、1対1の交信が可能となる。 隣接ICタグ10間の間隔を所定の大きさとし、検出アダプターの検出部152のループアンテナとICタグ10間に誘起される磁力線Φ1は、電磁気学によると検出部152からの距離の2乗ないしは3乗に反比例して急激に微弱となるため、作業者が検出部152で指し示したICタグ以外のICタグと交信する危険は完全に排除できる。

    また、剛性を有する伝送部154は、放射アンテナ151と検出部152のループアンテナ間に十分な長さを確保するので、誤検知が生じることはない。 さらに、小型ICタグ10を、放射アンテナ151では直接検知できない感度とすることで誤検知の危険を排除する。

    本実施例では、上記のとおり、狭いスペースに多数設置されたこれら複数のICタグの位置を誤検知しないような構成を採用したことにより、各スイッチユニットの位置、ひいては操作状態の正確な情報を、電磁波により非接触で認識可能とした。 一例を示すと、1つのスイッチユニット200のサイズは、幅(X軸)が約4.5cm、高さ(Z軸)約5.5cm、奥行き(Y軸)約1.5cmであり、可動体230の本体235の高さ(Z軸)が約3cmである。 これらのスイッチがY軸方向に複数個、同じ高さで隣接して配置されている。 例えばスイッチユニット200群が10個のスイッチユニットで構成されている場合でも、奥行きは約15cmとなる。 1つのスイッチユニット内には例えば2個のICタグが内蔵され、高さが約3cmの範囲に設置されている。

    本実施例によれば、1つのスイッチユニットにおいて、一対のICタグ10(10A,10B)の互いのループコイルがコイル径の数倍離れている。 例えば、検出部152の外径とICタグのループコイル102の外径が同程度の5mmとすると、10mm離れることで電磁誘導による影響をループが対向している時に比べ、2乗ないしは3乗に反比例することで1/100ないしは1/1000に減少することになる。 すなわち互いに無視できる独立の関係にあるので、各ICタグ10の高さ方向(Z方向)の間隔が上記のように狭くても、さらにはまた、隣接して位置するスイッチユニットのICタグ10の横方向(Y方向)の間隔が狭くても、誤検知を生じない。

    また、図12(c)に示したように、ペン型のリーダ/ライタ19を使用する場合も、作業者は、リーダ/ライタ19を把持しながら、検出すべき1つのICタグ10Bと、リーダ/ライタ19の小型アンテナのアンテナ面がICタグ10Bのループコイルのループ面と平行若しくは概ね平行に対向するようにリーダ/ライタ19を把持して、両者を電磁結合させる。 これにより、作業者がペン型のリーダ/ライタ19で指し示したICタグ以外のICタグと交信する危険を排除できる。

    このように、本実施例によれば、検出アダプターの検出部で指し示して選択したICタグと交信し、これ以外と誤って電磁結合するICタグをなくし、1対1の確実な交信を行うことで、ICタグが検出できた事で取り付けられている装置や器具の状態を非接触に知る手法を提供することができる。

    また、検出すべきICタグのループ状内部アンテナのループ面は、取り付け面に対して平行設置されるので、取り付け面からの突出部を少なくし、滑らかな取り付けを提供することができる。

    次に、本発明を、遮断スイッチ群を有する制御機器の操作状態検出装置に適用した第4の実施例を、図13A乃至図14で説明する。 本実施例は、例えば、高電圧機器の遮断スイッチシステム群に採用される制御機器の操作状態検出装置に関するものである。 図13Aは本実施例になる遮断スイッチシステム群の斜視図、図13Bは図13AのA−A'断面図である。

    1つのソケット310と1つのプラグ330とで1組のスイッチユニットが構成され、これが実施例3のスイッチユニット200に相当する。 実施例3と同様に、複数組のスイッチユニットが、プラグ330の移動方向(図ではz軸方向)と直角な方向(図ではY軸方向)に沿って一列かつ同じ高さに配置されて、遮断スイッチシステムの遮断スイッチ群を構成しており、各スイッチユニットの制御機器の回路端子が、スイッチシステムの各々固有の被制御機器の主回路(1〜n)の高圧電源の遮断機等を制御するリレー回路と、制御回路との間を開閉するように構成されている。 ソケット310には制御機器の複数の操作状態、すなわち回路端子400および600に接続される例えばコントローラやリレーを電気的に接続している状態あるいは遮断している状態を検知するために、プラグ330には第一のICタグ10Aが設けられ、一方ソケット310には第二ICタグ10Bが設けられ一体化されている。 ソケット310に対してプラグ330の位置関係は相対的に変更可能に構成されている。 各ICタグはそのアンテナのループ面が取り付け面に平行になるようにして設置される。 各スイッチユニットの操作状態は実施例3に示したものと同様な検出アダプター155を介して、リーダ/ライタ19により読み取り可能になっている。 すなわち、被制御機器の主回路の機能を生かすか(オン)、無効にするか(オフ)を制御するプラグ330の各操作状態、例えばプラグ330を引き上げて回路端子400と600を切断の状態、すなわち主回路の機能の無効(オフ)状態、あるいはプラグ330を押し込んで回路端子400と600を接続した状態、換言すると、主回路の機能の有効(オン)状態と無効(オフ)状態の各状態対応するように、第一のICタグ10Aと、第二のICタグ10Bの検知の組み合わせにより状態を検出する。 各状態の検出は、リーダ/ライタ19により検出アダプター155を介して第一のICタグ10Aと第二のICタグ10Bとそれぞれ順番に、あるいは同時に検出することで、各状態を認識する。

    ソケット310は、樹脂製の取り付け基板部311と、プラグ330の電極331,332を差し込むための穴311,312と、プラグ330のねじ333をねじ止めするための(ねじ穴313とを有している。各プラグ330の側面には、プラグの固有情報に関連付けられた第一のICタグ10Aが固定されている。一方、ソケット310の端段部314の内側面には、ソケットの固有情報に関連付けられた第二のICタグ10Bが、第一のICタグ10Aと対面するようにして固定されている。

    図14に、検出アダプター155を用いた、主回路の機能の有効(オン)状態、無効(オフ)状態の検知方法について説明する。
    本実施例でも、検出アダプター155は、放射アンテナ部151と検出部152、及びこれらを接続する伝送部154を備えている。 検出部152はループアンテナを有している。 伝送部は、硬い導体で出来た平行2線式伝送線を有し、この伝送線が検出部のループアンテナに連続して接続されている。 放射アンテナ部151は、頑丈な誘電体で包まれ、リーダ/ライタ装置のアンテナ部の接続面192にワンタッチで着脱可能な着脱手段156、例えば面ファスナーなどテーピングで接続される。 検出部152のループアンテナのループ面がICタグと平行に対向すると、強い電磁結合関係が成立する。

    図14の(a)では、プラグ330がソケット310に結合されており、主回路の機能の有効オン)状態となっている。 この時、検出部152のループアンテナは、第一のICタグ10A、第二のICタグBの2つのICタグに対応している。

    すなわち、プラグ330の特定の1箇所にICタグ10Aが組み込まれ、プラグがソケット310に組み込まれた時、それぞれに組み込まれた2つのICタグ10A、10Bのループコイル面が平行に対向し、検出アダプター155の検出部152のループアンテナを用いてプラグの挿入状態を検出する。 このように、検出アダプター155の検出部152を2つのICタグ10A、10Bの平行に配置されたコイル面に、さらに検出部152のループアンテナのコイル面が平行に加わる事で、図14の(b)に示したように、3つのコイル面による電磁結合が生じ、検出アダプター155が2つのICタグ10A、10Bと同時に交信ができる。 第一のICタグ10Aと第二のICタグ10Bを検出する組み合せにおいて、2つ同時に検知する場合をスイッチユニットの接続(オン)状態とすることができる。 これによって、どのプラグがどのソケットに挿入されているかの状態を認識できる。 一方、プラグがソケット310から外されている時、図14の(c)に示したように、2つのコイル面による電磁結合が生じ、検出アダプター155がソケット310のICタグ10Bと交信し、プラグがソケットに挿入されていない状態を認識できる。 第一のICタグ10Aと第二のICタグ10Bを検出する組み合わせにおいて、1つのICタグのみ検知の場合、特に、ソケット310のICタグ10Bだけを検出した場合をスイッチユニットの遮断(オフ)状態とすることができる。

    このように、本実施例によれば、検出アダプターの検出部で指し示して選択したICタグと交信し、これ以外と誤って電磁結合するICタグをなくし、1対1の確実な交信を行うことで、ICタグが検出できた事で取り付けられている装置や器具の状態を非接触に知る手法を提供することができる。

    また、検出すべきICタグのループ状内部アンテナのループ面は、取り付け面に対して平行設置されるので、取り付け面からの突出部を少なくし、滑らかな取り付けを提供することができる。

    次に、本発明を、遮断スイッチ群を有する制御機器の操作状態検出装置に適用した第5の実施例を、図15乃至図16で説明する。 実施例4では、検出アダプター155が2つのICタグ10A、10Bと同時に交信ができる例を示したが、同時に交信できないものである場合には、時間差を設けて検知するようにすれば良い。 図15の例は、検出アダプターの検出部152が短い時間内に前後方向にシフト可能に構成されている。 例えば、検出アダプターを手で保持した作業者が、所定の時間差をおいてその検出部152を前後方向にシフトさせて検知する。 これにより、例えば、T1とT2の状態が決められた短い時間内に、検出アダプターの検出部152が何れかのICタグの側にシフトして対面し、何れかのIC1、IC2(10A、10B)を読み取り、プラグ330とソケット310が1対であることを認識する。

    図16の(a)例では、検出アダプター155がT1とT2の状態が決められた短い時間内に回転可能に構成されており、検出アダプターの検出部152が回転して何れかのICタグに対面し、IC1とIC2を読み取りプラグとソケットが1対であることを認識する。 例えば、検出アダプターを手で保持した作業者が、検出アダプターを回転させることでその検出部152が回転する。 図16の(b)は検出部152がIC2のループコイルと電磁結合しており、図16の(c)は検出部152がIC1のループコイルと電磁結合している。

    尚、決められた短い時間内に読み取りができない場合は、1対ではない遮断(オフ)と認識する。 短い時間とは、検出アダプターのシフトや回転動作に要する時間で、例えば長くても1秒程度である。

    このように、本実施例によれば、検出アダプターの検出部で指し示して選択したICタグあるいは1対にセットされたICタグと交信し、これ以外と誤って電磁結合するICタグをなくし、1対1の確実な交信を行うことで、ICタグが検出できた事で取り付けられている装置や器具の状態を非接触に知る手法を提供することができる。 なお、1対1の確実な交信とは、検出すべき特定のICタグが電磁的に結合する距離で、一対をなす組み合わせのみならず、1つの検出部で、特定のグループに属する複数のICタグを同時に検出する場合も含むものとする。

    また、検出すべきICタグのループ状内部アンテナのループ面は、取り付け面に対して平行設置されるので、取り付け面からの突出部を少なくし、滑らかな取り付けを提供することができる。

    1…カムスイッチ、10…ICタグ(平行設置)、11…スイッチシャフト(回転軸)、12…カムスイッチ本体部、13…取り付け面(バックプレート)、14…ICタグ保持パネル、15…組み込み型の検出アダプター(補助アンテナ)、16…位置調整用のスペーサ、17…ハンドル、18…アンテナ部、19…ICタグリーダ、20…目視用パネル、21…電波、22…状態認識処理ユニット、30…ICタグ(直立設置)、101…ICチップ、102…ループコイル、103…絶縁基材、150…穴、151…放射アンテナ部、152…検出部、153…絶縁基材(誘電体)、154…伝送部、155…携帯型の検出アダプター、200…スイッチユニット、210…ベース、215…突起部、223…ストッパー、230…可動体、232…側面の凹部、233…溝、235…本体、300…コントローラ、310…ソケット、330…プラグ、400…制御機器の回路端子、500…リレー回路、600…制御機器の回路端子、700…被制御機器の主回路。

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