【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、漏電が発生したならば、電源と負荷との間を瞬時にして遮断することができる漏電遮断機に関する。 【0002】 【従来の技術】本願出願人は、以前に実願平5−318 87号を出願している。 これは、漏電が発生した瞬間に負荷への給電を停止する漏電遮断機構付き差込プラグであって、負荷に電源を接続する給電コードと、この給電コードに電気的に接続され、プラグ本体から突出される栓刃と、前記プラグ本体に内蔵されており、漏れ電流を検出する漏れ電流検出センサと、この漏れ電流検出センサの検出結果に応じて前記栓刃と給電コードとの接続を遮断する遮断機構とを具備している。 そして、略リング状の漏れ電流検出センサには、給電コードと栓刃とを接続する一対の端子板が貫通している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の漏電遮断機構付き差込プラグには以下のような問題点がある。 すなわち、この漏電遮断機構付き差込プラグは、 プラグとして使用されるものであり、その機構、特に遮断機構は数多くの部品から構成される複雑なものである。 このため、各部品は高い精度を要求され、漏電遮断機構付き差込プラグは小型化が難しいものとなっていた。 プラグとして使用される場合には、取り扱い等の面からある程度の大きさが必要であるが、製品内部のプリント基板等に組み込む場合には小型化が必須の要請であった。 【0004】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもので、遮断機構を簡素化するとともに、小型化を達成することができ、製品内部のプリント基板にも組み込み易い漏電遮断機を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明に係る漏電遮断機は、漏電が発生した瞬間に負荷への給電を停止する漏電遮断機であって、電源と負荷との間を接続する接続部と、この接続部の一部が貫通される略リング状の漏れ電流検出センサと、この漏れ電流検出センサの検出結果に応じて前記電源と負荷との間の接続を遮断する遮断機構と、前記漏れ電流検出センサと遮断機構とが内蔵されるボディとを備えており、前記漏れ電流検出センサはボディの下側に組み込まれており、前記遮断機構は、前記漏れ電流検出センサが漏れ電流を検出したならば励磁されるコイルと、このコイルの励磁に応じて変位するアクチュエータとを有し、前記接続部は一対の可動接片と、この可動接片と接続される一対の固定接片とを有しており、前記可動接片、固定接片のいずれか一方又は前記可動接片の一方とこれに接続しない他方の固定接片とが漏れ電流検出センサを貫通し、前記可動接片は前記アクチュエータの変位によって変位して固定接片との接続が断接されるようになっている。 【0006】本発明に係る漏電遮断機においては、前記可動接片に、遮断機構が正常に作動するか否かをテストするテストスイッチのテスト用接片を形成することができる。 また、前記可動接片をボディに保持することが好ましい。 また、前記テスト用接片の移動方向を、可動接片の移動方向とは異なるように設定することが好ましい。 【0007】また、前記漏れ電流検出センサと共にボディの下側に過電流検出センサを組み込み、前記接続部の可動接片又は固定接片のいずれかを過電流検出センサに貫通させることができる。 【0008】また、前記可動接片の固定部分又は固定接片の隣接平行部間に放電ギャップを形成するべく、隣接平行部の一部を相互に近接対向することができる。 これの代わりに、或いはこれと共に、前記可動接片の固定部分との間又は固定接片との間に放電ギャップを形成するべく、可動接片の固定部分又は固定接片に近接してアース接片を配設することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態に係る漏電遮断機の概略的分解斜視図、図2は本発明の実施の形態に係る漏電遮断機のボディの概略的平面図、図3は本発明の実施の形態に係る漏電遮断機が電源と負荷とを接続している状態の概略的平面図、図4は本発明の実施の形態に係る漏電遮断機が電源と負荷との間を遮断している状態の概略的平面図、図5は本発明の実施の形態に係る漏電遮断機を作動させる電子回路の回路図である。 【0010】図6は本発明の他の実施の形態に係る漏電遮断機が電源と負荷とを接続している状態の概略的平面図、図7は本発明の他の実施の形態に係る漏電遮断機を作動させる電子回路の回路図である。 【0011】図8は本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機の接続部の概略的斜視図、図9は本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機の接続部の概略的斜視図である。 【0012】図10は本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機の概略的平面図、図11は本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機の概略的底面図、図12 は本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機の概略的背面図、図13は本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機のボディ内の構造を説明するための概略的平面図、図14は本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機の接続部の概略的平面図、図15は本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機のボディの概略的平面図、図16は本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機のボディの概略的底面図、図17は本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機のボディの概略的背面図である。 【0013】図1〜5に示された本発明の実施の形態に係る漏電遮断機は、漏電が発生した瞬間に負荷500B への給電を停止する漏電遮断機であって、電源500A と負荷500Bとの間を接続する接続部200と、この接続部200の一部が貫通される略リング状の漏れ電流検出センサ300と、この漏れ電流検出センサ300の検出結果に応じて前記電源500Aと負荷500Bとの間の接続を遮断する遮断機構400と、前記漏れ電流検出センサ300と遮断機構400とが内蔵されるボディ100とを備えている。 【0014】前記接続部200は、一対の可動接片21 0A、210Bと、一対の固定接片220とから構成される。 可動接片210Aは、図1に示すように、略L字形状に形成されており、長い部分が可動部211Aとなり、短い部分が貫通部212Aとなっている。 可動部2 11Aの先端には可動側接点213Aが取り付けられている。 また、貫通部212Aには、後述するボディ10 0に固定的に取り付けられるための抜け止め防止用の切起部214Aが形成されている。 なお、貫通孔部212 Aの先端は、図外のプリント基板のスルーホールに挿入されるため他の部分より細く形成されている。 【0015】一方の可動接片210Bは、略L字形状になった可動部211B及び貫通部212Bと、貫通部2 12B側で可動部211Bから延設されたテスト用接片215Bとが一体に形成されたものである。 この可動接片210Bは、可動接片210Aと同様に、長い部分が可動部211Bとなり、短い部分が貫通部212Bとなっている。 可動部211Bの先端には可動側接点213 Bが取り付けられている。 また、貫通部212Bには、 後述するボディ100に固定的に取り付けられるための抜け止め防止用の切起部214Bが形成されている。 なお、貫通孔部212Bの先端は、図外のプリント基板のスルーホールに挿入されるため他の部分より細く形成されている。 【0016】前記テスト用接片215Bは、漏電遮断機が正常に作動するか否か、すなわち漏電が発生したときに瞬時に遮断機構400が作動するか否かをテストするものであり、ボディ100の外方にまで延出されている。 このテスト用接片215Bは、上下方向に移動するようになっている。 すなわち、移動方向が横方向である可動部211Bとは移動方向が異なるのである。 これにより、テスト用接片215Bを上下方向に押圧操作したとしても、可動部211Bが不用意に動く心配がない。 このテスト用接片215Bは、押圧されると漏電遮断機が取り付けられる図外のプリント基板に立設されたピンに接触するようになっている。 前記ピンは、電源500 Aと負荷500Bとを接続するものであるが、漏れ電流検出センサ300を迂回しているのである。 【0017】また、可動部211Bの先端には可動側接点213Bが取り付けられている。 また、貫通部212 Bには、後述するボディ100に固定的に取り付けられるための抜け止め防止用の切起部214Bが形成されている。 なお、貫通孔部212Bの先端は、図外のプリント基板のスルーホールに挿入されるため他の部分より細く形成されている。 【0018】前記固定接片220は、先端に固定側接点223が取り付けられており、後端は図外のプリント基板のスルーホールに挿入されるため他の部分より細く形成されている。 また、この固定接片220の側面には、 固定接片220がボディ100に固定的に取り付けられるための抜け止め防止用の突出部224が形成されている。 【0019】前記ボディ100は、絶縁性を有する合成樹脂から成形されており、遮断機構400の一部を構成するコイル410が納められるコイル収納部110と、 接続部200の一部を構成する可動接片210A、21 0Bと固定接片220とが納められる接片収納部120 と、漏れ電流検出センサ300が納められるセンサ収納部130とが一体に形成されたものである。 なお、このボディ100は接続部200、遮断機構400を収納した状態で蓋体150により閉塞される。 【0020】前記コイル収納部110は、コイル410 が納められるだけではなく、遮断機構400の一部を構成するアクチュエータ420と弾性体430とも納められるようになっている。 このコイル収納部110には、 コイル410は固定的に納められるのであるが、アクチュエータ420等は動くことができる余地をもって納められるようになっている。 【0021】すなわち、コイル収納部110には、コイル410を固定するコイル固定用壁部111があり、このコイル固定用壁部111と接片収納部120との間の隙間にアクチュエータ420及び弾性体430が納められるのである。 コイル収納部110の接片収納部120 の壁側には、弾性体430を支持するための支持部11 2が形成されている。 【0022】接片収納部120は、一対の可動接片21 0A、210Bの可動部211A、211Bが納められる程度の深さに設定されている。 この接片収納部120 には、図2に示すように、2組の貫通孔121、122 が開設されている。 一方の貫通孔121は、可動接片2 10A、210Bの貫通部212A、212Bが貫通するものであって、センサ収納部130の中心部と連通している。 また、他方の貫通孔122は、固定接片220 の貫通部221が貫通する部分である。 両可動接片21 0A、210Bは、貫通部212A、212Bがそれぞれ貫通孔121、122を貫通するので、ボディ100 に保持されることになる。 【0023】さらに、この接片収納部120には、収納された一対の固定接片220が不用意に接触しないように、一対の固定接片220の間に位置するように壁部1 23が形成されている。 また、この接片収納部120には、前記壁部123との間に隙間を有して押さえ部材1 24が形成されている。 この押さえ部材124と壁部1 23との間の隙間には、後述する遮断機構400の一部を構成するスライダ440がスライド可能に嵌まり込むように溝部125が形成されている。 また、接片収納部120とコイル収納部110との間の壁には、前記溝部125に連なる切欠部126が形成されている。 【0024】接片収納部120に可動接片210A、2 10Bを収納する、すなわち貫通部212A、212B を貫通孔121に貫通させると、可動側接点213A、 213Bは壁部123を挟んで対向して、貫通孔122 の近傍に位置する。 一方、固定接片220を接片収納部120に収納する、すなわち貫通部221を貫通孔12 2に貫通させると、固定側接点223は壁部123を挟んで対向し可動側接点213A、213Bと向き合うようになる。 この状態で、可動接片210A、210Bに外力が加わっていなければ、可動側接点213A、21 3Bと固定側接点223とは接触している。 【0025】前記センサ収納部130は、接片収納部1 20の下側に設けられており、納められた漏れ電流検出センサ300の中心が接片収納部120の一端側の真下に位置するようになっている。 【0026】このように構成されたボディ100の厚さ寸法は、収納されるもののうち最も厚い遮断機構400 のコイル410に合わせてある。 すなわち、余り深さの必要ない接片収納部120の下方にセンサ収納部130 を設けたので、漏電遮断機全体を小型化することができる。 【0027】前記漏れ電流検出センサ300は、漏れ電流によって生ずる磁界を検出するカレントセンサであって、リング状に形成されている。 この漏れ電流検出センサ300は、自身の周囲に生じる磁界を検出すると、その旨を図5に示す電子回路に送出するのである。 【0028】前記遮断機構400は、前記漏れ電流検出センサ300が漏れ電流を検出したならば励磁されるコイル410と、このコイル410の励磁に応じて変位するアクチュエータ420と、このアクチュエータ420 のがたつきを抑える弾性体430と、前記アクチュエータ420の変位を可動接片210A、210Bに伝えるスライダ440とを有している。 【0029】遮断機構400を構成するコイル410 は、漏れ電流検出センサ300が漏れ電流を検出すると励磁されてアクチュエータ420を吸着するようになっている。 【0030】前記アクチュエータ420は、磁性体の金属板を略L字形状に折曲形成したものである。 このアクチュエータ420の長い部分はコイル収納部120に納められたコイル410とボディ110との間に、短い部分はコイル410の鉄心411に対向するようにしてコイル収納部120に納められる。 しかも、コイル410 が励磁されていない状態では、アクチュエータ420の長い部分はコイル410側に位置するようになっている。 このアクチュエータ420は、屈曲部421を中心として変位するようになっている。 【0031】前記弾性体430は、板ばねであって上述した支持部112に支持されており、アクチュエータ4 20の屈曲部421に接触することによってアクチュエータ420のがたつきを抑えている。 【0032】一方、前記スライダ440は、絶縁性を有する合成樹脂からなり、図1に示すように、2つの押圧部441が下方に設けられたベース442で連結されたものである。 このスライダ440は、前記ベース442 を溝部125に嵌め込むと、押圧部441の一部が切欠部126を介してコイル収納部110側に突出するようになる。 すなわち、このスライダ440のコイル収納部110側に突出した部分は、アクチュエータ420の長い部分に対向するようになっているのである。 また、このスライダ440の2つの押圧部441の間の隙間には可動接片210Aの可動部211Aが、反コイル側の押圧部441とボディ110との間には可動接片210B の可動部211Bがそれぞれ位置するようになっている。 【0033】なお、図1における310は漏れ電流検出センサ300のリード端子、412はコイル410のリード端子である。 【0034】次に、上述したように構成された漏電遮断機の動作等について説明する。 この漏電遮断機は、可動接片210A、210B、固定接点220及び前記リード端子310、412が図外のプリント基板に接続されることによって、図5に示すような所定の電子回路と接続される。 【0035】電源500Aは固定接片220に、負荷5 00Bは可動接片210A、210Bにそれぞれ接続される。 漏電が生じていない場合にはコイル410は励磁されていないので、アクチュエータ420はコイル41 0の鉄心411には吸着されていない。 すなわち、アクチュエータ420は可動接片210A、210Bにより、図3に示すような状態にあり、可動接片210A、 210Bの可動側接点213A、213Bは、固定接片220の固定側接点223に接続されている。 従って、 電源500Aは負荷500Bに電力を供給している。 【0036】なんらかの原因で漏電が生じたならば、接続部200の周囲に生じた磁界を漏れ電流検出センサ3 00が検出することによりコイル410が励磁される。 すなわち、漏電が生じた際、漏れ電流検出センサ300 を貫通している2線の電流Iの大きさが異なり(常時は大きさが同じで打ち消されるため、漏れ電流検出センサ300の周囲には磁界は発生しない)、漏れ電流検出センサ300の周囲に磁界が発生し、電流iが生じて増幅され、コイル410が励磁されるのである。 【0037】励磁されたコイル410は、可動接片21 0A、210Bの弾性力に抗して、アクチュエータ42 0を吸着する。 アクチュエータ420は吸着されると、 屈曲部421を中心として図3に示す矢印A方向に変位する。 すると、スライダ440がアクチュエータ420 に押されるので、可動接片210A、210Bの可動部211A、211Bが図3に示す矢印B方向に動く。 この可動部211A、211Bの動きにより、図4に示すように、可動側接点213A、213Bと固定側接点2 23との接触が解除される。 すなわち、電源500Aと負荷500Bとの間の接続が断たれるのである。 【0038】漏電の原因が解消したならばリセットスイッチ600を操作することによって電源500Aと負荷500Bとの接続を回復させる。 すなわち、漏電が解消したならば、コイル410が励磁されなくなるので、アクチュエータ420は可動接片210A、210Bの弾性力によって元の位置に復帰し、可動接片210A、2 10Bの可動部211A、211B自身の弾性によって元の位置に復帰し、可動側接点213A、213Bと固定側接点223とが接触する。 これによって電源500 Aと負荷500Bの間の接続が回復する。 【0039】漏電が解消していない状態でリセットスイッチ600を操作しても、コイル410は励磁された状態を維持しているので、電源500Aと負荷500Bとの接続を回復させることは不可能である。 【0040】この漏電遮断機が正常に機能しているか否かをテストするには、テスト用接片215Bにより行う。 すなわち、このテスト用接片215Bは前記ピンと接触することにより漏れ電流検出センサ300を迂回して電源500Aと負荷500Bとの間を接続するので、 漏電が発生したのと同様になる。 このため、漏電遮断機が正常に機能しておれば、テスト用接片215Bを押圧すると同時に電源500Aと負荷500Bとの接続が瞬時に断たれるので、漏電遮断機が正常か否かを簡単にテストすることができる。 なお、この実施の形態で説明した漏電遮断機の可動接片210Bには、テスト用接片2 15Bが設けられているが、これに限らずテスト用接片を設けない場合もある。 【0041】図1〜5に示された本発明の実施の形態に係る漏電遮断機は、可動接片210A、210Bが漏れ電流検出センサ300を貫通しているタイプのものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0042】例えば、図6及び図7に示すように、固定接片220が漏れ電流検出センサ300を貫通するようなものであってもよい。 この漏電遮断機では、漏れ電流検出センサ300は、コイル410の下側に設けられている。 すなわち、センサ収納部130は、コイル収納部110との下側に設けられているのである。 【0043】この漏電遮断機における固定接片220 (図6において斜線で示されている)には、略L字形状のものと略凹字形状のものとがある。 いずれも可動接片210A、210Bの可動側接点213A、213Bが位置する箇所から、漏れ電流検出センサ300を貫通する位置まで伸びている。 【0044】この漏電遮断機では、固定接片220が漏れ電流検出センサ300を貫通する点と、それに伴う漏れ電流検出センサ300の位置及び固定接片220の形状とが異なるだけで他の主要な構成や作用等は、上述した実施の形態に係る漏電遮断機と同様であるので詳細な説明は省略する。 なお、この漏電遮断機では、テスト用接片が設けられていないが、上述した実施の形態に係る漏電遮断機と同様にテスト用接片を設けてもよいことは勿論である。 【0045】また、一方の可動接片210Aと、この可動接片210Aに接続されない他方の固定接片220とが漏れ電流検出センサ300を貫通するようにしてもよいし、他方の可動接片210Bと、この可動接片210 Bに接続されない一方の固定接片220とが漏れ電流検出センサ300を貫通するようにしてもよい。 接続部2 00のいずれの部分が漏れ電流検出センサ300を貫通するかは、ボディ100の形状や、漏れ電流検出センサ300の配置位置等の各種の要因によって最も適したものを採用すればよい。 【0046】接続部200については又、図8及び図9 に示すように、雷サージ対策やノイズ対策としての放電ギャップ230を一体的に設けることができる。 図8では、隣接平行する一対の可動接片210A、210Bの固定部分である貫通部212A、212Bの上端部に、 内側へ逆L形状に突出した突出部215A、215Bを一体的に設け、突出部215A、215Bを僅かの隙間をあけて対向させることにより、この間に放電ギャップ230を形成している。 【0047】一方、図9では、可動接片210A、21 0Bの貫通部212A、212B間にアース接片240 を配設すると共に、一方の貫通部212Bの上端部に、 内側へ逆L形状に突出した突出部215Bを一体的に設け、アース接片240の上端部と215Bを僅かの隙間をあけて対向させることにより、この間に放電ギャップ230を形成している。 【0048】いずれの接続部200においても、放電ギャップ230の広さを0.5mm程度とすることにより1800V程度で放電が生じ、また、0.1mm程度とすることにより220V程度で放電が生じることにより、雷サージ対策やノイズ対策が講じられる。 この対策は、従来はバリスタをプリント基板に取り付けるものであったが、ここにおけるように接続部200に放電ギャップ230を設けることにより、バリスタが不要になり、部品点数の低減及びこれによる漏電遮断機の小型化及びコストダウンが図られる。 【0049】なお、図8及び図9では放電ギャップ23 0を可動接片210A、210Bの固定部分に形成しているが、固定接片220,220の側にこれを形成することもできる。 また、ここでは、テスト用接片215B が設けられていないが、これを設けてもよいことは言うまでもない。 また、図8のような接片自身で放電ギャップ230を形成する構成と、図9のようなアース接片2 40を併用する構成を組み合わせることも可能である。 【0050】図10〜図17に示された本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機は、図1〜図5に示された本発明の実施の形態に係る漏電遮断機と比較して、過電流検出用センサ700を具備している点が相違する。 また、これに伴って、接続部200及びボディ100の構造も相違している。 本実施形態に係る漏電遮断機の接続部200及びボディ100の構造は、図6及び図7に示された漏電遮断機と基本的に同一である。 【0051】本実施形態に係る漏電遮断機は、図10〜 図12に示すように、接続部200及び遮断機構400 (図6参照)を収納するボディ100と、ボディ100 の底面に装着された漏れ電流検出用センサ300及び過電流検出用センサ700とを備えている。 【0052】接続部200は、図13及び図14に示すように、一対の可動接片210A、210Bと、これに組み合わされる一対の固定接片220A、220Bとからなる。 可動接片210A、210Bは同じ形状の逆L 形であり、ボディ100内に隣接並行して組み込まれる。 この可動接片210A、210Bは、テスト用接片215Bが省略されていることを除けば、図1〜図5に示された漏電遮断機に使用されているものと基本的に同じである。 【0053】一方、固定接片220A、220Bは、図1〜図5に示された漏電遮断機に使用されているものとは異なり、それぞれが異なる形状になっている。 一方の固定接片220Aは、上端に固定側接点223Aが取り付けられた第1垂直部225Aと、第1垂直部225A の下部から板面に直角な方向に延出した第1水平部22 6Aと、第1水平部226Aの先端部下縁から板面に直角な方向に延出した第2水平部227Aと、第2水平部227Aの先端部から下方に延出した第2垂直部229 Aとからなる。 他方の固定接片220Bは、上端に固定側接点223Bが取り付けられた第1垂直部225B と、第1垂直部225Aの下部から板面に並行な方向に延出した第1水平部226Bと、第1水平部226Bの先端部から板面に直角な方向に延出した第2水平部22 7Bと、第2水平部227Bの先端部下縁から板面に直角な方向に延出した第3水平部228Bと、第3水平部228Bから下方に延出した第2垂直部229Bとからなる。 第2垂直部229A、229Bは、ボディ100 の底板部を貫通して下方のプリント基板のスルーホールに挿入される貫通部である。 【0054】この接続部200は、図6及び図7に示された漏電遮断機の接続部200と同じである。 図13では遮断機構400が省略されているが、ボディ100内に遮断機構400を組み込めば図6のようになる。 【0055】ボディ100は、図15〜図16に示すように、その内部に遮断機構400のコイル410を収納するコイル収納部110と、接続部200の可動接片2 10A、210B及び固定接片220A、220Bを収納する接片収納部120とを有する。 接片収納部120 の底面には、可動接片210A、210Bの貫通部21 2A、212Bが貫通する貫通孔121、121が設けられている。 接片収納部120からコイル収納部110 にかけての底面には、固定接片220Aの第1垂直部2 25A及び第1水平部226Aが嵌合するL状の溝部1 27Aと、固定接片220Bの第1垂直部225B、第1水平部226B及び第2水平部227Bが嵌合するL 状の溝部127Bとが設けられている。 コイル収納部1 10の底面には、溝部127Aに連続して固定接片22 0Aの第2水平部227Aが嵌合する凹部128Aと、 溝部127Bに連続して固定接片220Bの第3水平部228Bが嵌合する凹部128Bとが設けられ、これらには固定接片220A、220Bの貫通部である第2垂直部229A、229Bが貫通する貫通孔122A、1 22Bが設けられている。 【0056】ボディ100内に接続部200の可動接片210A、210B及び固定接片220A、220Bを収納すると、接片収納部120において可動接片210 A、210Bの可動側接点213A、213Bが、固定接片220A、220Bの固定側接点223A、223 Bにそれぞれ弾性的に接触することは、図1〜図5に示された漏電遮断機や図6及び図7に示された漏電遮断機の場合と同じである(図13参照)。 また、可動接片2 10A、210Bの貫通部212A、212Bがボディ100の接片収納部120の下方に突出し、固定接片2 20A、220Bの貫通部である第2垂直部229A、 229Bがボディ100のコイル収納部110の下方に突出することは、図6及び図7に示された漏電遮断機の場合と同じである。 【0057】ボディ100の底板部下面には、コイル収納部110の下方に位置して円柱状の突出部160、1 70及び170が一体的に突設されている。 また、接片収納部12の下方に位置して角柱状の突出部180、1 80及び190が一体的に突設されている。 コイル収納部110の下方に位置する突出部160には、固定接片220A、220Bの貫通部である第2垂直部229 A、229Bを下方に突出させるために、第2垂直部2 29A、229Bが貫通する貫通孔122A、122B が設けられている。 また、突出部170、170には、 コイル収納部110に収納されたコイル410のリード端子412、412を下方に突出させるために、リード端子が貫通する貫通孔116、116が設けられている。 一方、接片収納部120の下方に位置する角柱状の突出部180、180には、可動接片210A、210 Bの貫通部212A、212Bを下方に突出させるために、貫通部212A、212Bが貫通する貫通孔12 1、121が設けられている。 また、突出部190は支持脚である。 【0058】そして、固定接片220A、220Bの貫通部である第2垂直部229A、229Bが貫通する突出部160の外側には、突出部160に設けられたスナップ爪161により環状の漏れ電流検出センサ300が保持されており、可動接片210A、210Bの貫通部212A、212Bが貫通する突出部180、180の間には、図示さなれないスナップ爪により環状の過電流検出センサ700が保持されている。 これにより、漏れ電流検出センサ300の内側を固定接片220A、22 0Bの貫通部である第2垂直部229A、229Bが貫通し、過電流検出センサ700の内側を可動接片210 A、210Bの一方の貫通部212Bが貫通することになる。 【0059】なお、漏れ電流検出センサ300及び過電流検出センサ700を収納するセンサ収納部130及び140は、ボディ100の底板部下方に保持されたこれらのセンサに下方から装着される環状のキャップであり、ボディ100には一体化されていない。 【0060】本実施形態に係る漏電遮断機においては、 図1〜図5に示された漏電遮断機や図6及び図7に示された漏電遮断機の場合と同じように、漏れ電流検出センサ300により漏れ電流が検出され、遮断機構400が作動することにより、可動側接点213A、213Bと固定側接点223A、223Bの各接触が解除され、電源500Aと負荷500Bとの間の接続が絶たれる。 即ち、漏電が生じたときに、漏れ電流検出センサ300の内側を貫通する2線の電流の大きさが異なることにより、漏れ電流検出センサ300に電流が流れ、これを受けて遮断機構400が作動するのである。 これに加えて、過電流検出センサ700により過電流が検出され、 遮断機構400が作動することにより、可動側接点21 3A、213Bと固定側接点223A、223Bの各接触が解除され、電源500Aと負荷500Bとの間の接続が絶たれる。 即ち、過電流検出センサ700の内側に可動切片のうちどちらか一方のみ、または固定切片のどちらか一方のみを貫通させることで過電流検出センサ7 00には負荷電流が流れるが、過電流検出センサ700 にある電流値以上の電流が流れると、コイル410を励磁させるように回路を設定しておくことにより、過電流センサ700に設定値以上の電流が流れると、遮断機構400が作動する。 【0061】このように、本実施形態に係る漏電遮断機は、漏電遮断機能と合わせて、過電流遮断機能を有する。 しかも、漏れ電流検出センサ300及び過電流検出センサ700をボディ100の下部に組み込み、その内側を接続部200の一部が貫通する構成を採用するので、部品点数が少なく、小型である。 【0062】なお、ここでは、漏れ電流検出センサ30 0の内側を固定接片220A、220Bが貫通し、過電流検出センサ700の内側を一方の可動接片210Bが貫通しているが、漏れ電流検出センサ300の内側を可動接片210A、210Bが貫通する場合は、過電流検出センサ700の内側に固定接片220A、220Bの一方を貫通させるのがよい。 また、テスト用接片を設けてもよいことは言うまでもない。 【0063】 【発明の効果】本発明に係る漏電遮断機は、漏電が発生した瞬間に負荷への給電を停止する漏電遮断機であって、電源と負荷との間を接続する接続部と、この接続部の一部が貫通される略リング状の漏れ電流検出センサと、この漏れ電流検出センサの検出結果に応じて前記電源と負荷との間の接続を遮断する遮断機構と、前記漏れ電流検出センサと遮断機構とが内蔵されるボディとを備えており、前記漏れ電流検出センサはボディの下側に組み込まれており、前記遮断機構は、前記漏れ電流検出センサが漏れ電流を検出したならば励磁されるコイルと、 このコイルの励磁に応じて変位するアクチュエータとを有し、前記接続部は一対の可動接片と、この可動接片と接続される一対の固定接片とを有しており、前記可動接片、固定接片のいずれか一方又は前記可動接片の一方とこれに接続しない他方の固定接片とが漏れ電流検出センサを貫通し、前記可動接片は前記アクチュエータの変位によって変位して固定接片との接続が断接されるようになっている。 【0064】漏れ電流検出センサを貫通するのは接続部の一部であるため、独自の配線が不要になり、全体として部品点数を減少させることができる。 また、漏れ電流検出センサは、ボディの下側に組み込まれているため、 全体を小型化することが可能になる。 従って、製品内部のプリント基板にも容易に組み込むことができる。 【0065】しかも、前記可動接片には、遮断機構が正常に作動するか否かをテストするテストスイッチのテスト用接片が形成されている。 従って、漏電遮断機が正常に作動しているか否かのテストを行うことができるので、誤動作のチェックを行うことができる。 【0066】また、前記可動接片はボディに保持されている。 このため、漏電が発生していないにも係わらず、 可動接片が不用意に動いて固定接片との間の接続が不用意に遮断されることはない。 【0067】さらに、前記テスト用接片の移動方向は、 可動接片の移動方向とは異なるように設定されている。 従って、テスト用接片によって漏電遮断機が正常に作動しているか否かのテストを行った場合であっても、テスト用接片の動きは可動部に伝わりにくくなっているので、可動部が不用意に動く心配がない。 このため、テスト時に可動部が動いて電源と負荷との間が遮断されるという誤動作が生じない。 【0068】また、漏れ電流検出センサを貫通する接続部は、前記可動接片、固定接片のいずれか一方又は前記可動接片の一方とこれに接続しない他方の固定接片とであればよいので、ボディの形状や漏れ電流検出センサの配置位置に応じて適宜なものを選択することができるので、漏電遮断機のより小型化に貢献することができる。 【0069】更にまた、漏れ電流検出センサと共にボディの下側に過電流検出センサを組み込み、前記接続部の可動接片又は固定接片のいずれかを過電流検出センサに貫通させることにより、部品点数の増大や大型化を最少限に抑えつつ、過電流遮断機としての機能を付加することができる。 【0070】また、可動接片の固定部分又は固定接片の隣接平行部間に放電ギャップを形成するべく、隣接平行部の一部を相互に近接対向させたり、可動接片の固定部分との間又は固定接片との間に放電ギャップを形成するべく、可動接片の固定部分又は固定接片に近接してアース接片を配設することにより、部品点数の増大を伴うことなく、雷サージ対策やノイズ対策を講じることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態に係る漏電遮断機の概略的分解斜視図である。 【図2】本発明の実施の形態に係る漏電遮断機のボディの概略的平面図である。 【図3】本発明の実施の形態に係る漏電遮断機が電源と負荷とを接続している状態の概略的平面図である。 【図4】本発明の実施の形態に係る漏電遮断機が電源と負荷との間を遮断している状態の概略的平面図である。 【図5】本発明の実施の形態に係る漏電遮断機を作動させる電子回路の回路図である。 【図6】本発明の他の実施の形態に係る漏電遮断機が電源と負荷とを接続している状態の概略的平面図である。 【図7】本発明の他の実施の形態に係る漏電遮断機を作動させる電子回路の回路図である。 【図8】本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機の接続部の概略的斜視図である。 【図9】本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機の接続部の概略的斜視図である。 【図10】本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機の概略的平面図である。 【図11】本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機の概略的底面図である。 【図12】本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機の概略的背面図である。 【図13】本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機のボディ内の構造を説明するための概略的平面図である。 【図14】本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機の接続部の概略的平面図である。 【図15】本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機のボディの概略的平面図である。 【図16】本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機のボディの概略的底面図である。 【図17】本発明の更に別の実施の形態に係る漏電遮断機のボディの概略的背面図である。 【符号の説明】 100 ボディ 200 接続部 210 可動接片 220 固定接片 230 放電ギャップ 240 アース接片 300 漏れ電流検出センサ 400 遮断機構 410 コイル 420 アクチュエータ 700 過電流検出センサ |