Heat arched beam micro-electro-mechanical equipment and related production method

申请号 JP2000513300 申请日 1998-08-28 公开(公告)号 JP2001518677A 公开(公告)日 2001-10-16
申请人 クロノス・インテグレイテッド・マイクロシステムズ,インコーポレイテッド; 发明人 ウッド,ロバート・エル; デューラー,ヴィジャヤクマル・アール; マハデヴァン,ラマスワミ;
摘要 (57)【要約】 大きい 力 および変位を提供するが、電力消費量は比較的小さいMEMSアクチュエータが提供される。 MEMSアクチュエータは、マイクロ電子 基板 、基板上の互いに間隔を置いて配置されているサポート、および、互いに間隔を置いて配置されているサポートの間で延びている金属アーチ状ビームを含む。 MEMSアクチュエータは、ビームがさらにアーチ状に湾曲するようにアーチ状ビームを加熱する加熱器も含む。 加熱器から金属アーチ状ビームへ効率的に熱を伝達するために、金属アーチ状ビームは加熱器に跨って 位置 し、加熱器から僅かながら間隔を置いて配置されている。 それ自体として、MEMSアクチュエータは、加熱器により発生される熱を、金属アーチ状ビームの運動に効率的に変換する。 1つ以上のMEMSアクチュエータを含み、その効率的な操作特性を利用する、例えばリレー、スイッチングアレイおよび弁などの、他のMEMS装置のファミリーも提供される。 さらに、MEMSアクチュエータを製造する方法がさらに提供される。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 マイクロ電子基板(32)と、 互いに対向して位置する第1の端部と第2の端部との間で延びている加熱器(
    38)と、ここで、該第1の端部と第2の端部は前記マイクロ電子基板(32)
    上にあり、 前記マイクロ電子基板(32)上に互いに間隔を置いて配置されているサポート(34)と を含んでなるマイクロ電子機械的構造体であって、 前記マイクロ電子機械的構造体が前記互いに間隔を置いて配置されているサポート(34)の間で延びている金属アーチ状ビーム(36)を特徴とし、該金属アーチ状ビーム(36)は、前記加熱器(38)により発生される熱により該金属アーチ状ビーム(36)がさらに湾曲するように、前記加熱器(38)を跨って延び、かつ、前記加熱器(38)から間隔を置いて配置されている、マイクロ電子機械的構造体。
  • 【請求項2】 前記加熱器(38)が、 高抵抗の少なくとも部分的に導電性の材料から成るコア(38a)と、 前記少なくとも部分的に導電性のコア(38a)を包囲する絶縁性材料から成り、前記少なくとも部分的に導電性のコア(38a)から前記金属アーチ状ビーム(36)を電気的に絶縁するために、前記金属アーチ状ビーム(36)と前記加熱器(38)との間に形成されている空隙(40)と共働するコーティング(
    38b)と を含んでなる、請求項1に記載のマイクロ電子機械的構造体。
  • 【請求項3】 前記少なくとも部分的に導電性の材料が、ポリシリコン、チタンおよびタングステンから成る群から選択され、前記絶縁性材料は、窒化ケイ素および二酸化ケイ素から成る群から選択される、請求項2に記載のマイクロ電子機械的構造体。
  • 【請求項4】 前記金属アーチビーム(36)と前記加熱器(38)との間に形成されている前記空隙(40)が5ミクロンより狭い、請求項2に記載のマイクロ電子機械的構造体。
  • 【請求項5】 前記金属アーチ状ビーム(36)と前記加熱器(38)との間に形成されている前記空隙(40)が1〜2ミクロンであり、前記少なくとも部分的に導電性の材料の前記金属アーチ状ビーム(36)に面する部分を覆う前記絶縁性コーティング(38b)が約0.5ミクロンの厚さを有する、請求項4
    に記載のマイクロ電子機械的構造体。
  • 【請求項6】 ニッケルから成る複数のアーチ状ビーム(36)をさらに具備する、請求項1に記載のマイクロ電子機械的構造体。
  • 【請求項7】 長さ方向に延びているアクチュエータ部材(42)をさらに具備し、該アクチュエータ部材(42)は、前記金属アーチ状ビーム(36)に結合され、そこから第1の方向に延び、前記加熱器(38)は、前記アクチュエータ部材(42)に下重なりして、第1の方向で前記アクチュエータ部材(42
    )と位置合せされている、請求項1に記載のマイクロ電子機械的構造体。
  • 【請求項8】 マイクロ電子基板の第1の表面上に犠牲的めっきベース(5
    4)を置くステップと、 前記犠牲的めっきベース(54)上にホトレジスト層(56)を置くステップと、 前記犠牲的めっきベース(54)への1つ以上のウィンドウを開くために、前記ホトレジスト層(56)をパターン化するステップであって、前記パターン化ステップが、一対の互いに間隔を置いて配置されているサポート(34)と、前記互いに間隔を置いて配置されているサポート(34)の間で延びている前記アーチ状ビーム(36)とに対応するウィンドウを形成するステップと、 前記ホトレジスト層(56)により形成されているウィンドウの中の金属(5
    8)を電気めっきするステップであって、これにより、互いに間隔を置いて配置されているサポート(34)の対と、前記互いに間隔を置いて配置されているサポート(34)の間で延びているアーチ状ビーム(36)とを形成するステップと、 前記電気めっきステップに続いて、前記ホトレジスト層(56)を除去するステップと、 前記ホトレジスト層(56)を除去するのに続いて、前記マイクロ電子基板(
    32)から前記アーチ状ビーム(36)を解放するステップと を具備したマイクロ電子機械的構造体の製造方法。
  • 【請求項9】 前記解放ステップが、前記ホトレジスト層(56)を除去したのに続いて、前記犠牲的めっきベース(54)の少なくとも一部をエッチングすることを含む、請求項8に記載の方法。
  • 【請求項10】 前記マイクロ電子基板(32)の第1の表面上に酸化層(
    46)を置くステップと、 前記酸化層(46)が、前記マイクロ電子基板(32)の第1の表面の、アーチ状ビーム(36)に下重なりする部分上に配置されるが、前記マイクロ電子基板(32)の第1の表面の、前記互いに間隔を置いて配置されているサポート(
    34)の対に下重なりする部分上には配置されないように、前記酸化層(46)
    をパターン化するステップと をさらに具備し、 酸化層(46)を置く前記ステップと、前記酸化層(46)をパターン化する前記ステップとが、犠牲的めっきベース(54)を置く前記ステップの前に行われ、前記解放ステップが、前記酸化層(46)をエッチングして、前記マイクロ電子基板(32)から前記アーチ状ビーム(36)を解放することを含む、請求項8に記載の方法。
  • 【請求項11】 前記マイクロ電子基板(32)の前記第1の表面上に前記犠牲的めっきベース(54)を置く前に、前記第1の表面上に加熱器(38)を形成すステップをさらに具備する請求項8に記載の方法。
  • 【請求項12】 前記加熱器(38)の部分が、前記マイクロ電子基板(3
    2)から、さらに絶縁されるように、前記加熱器(38)に下重なりしている前記マイクロ電子基板(32)の、前記マイクロ電子基板(32)の前記第1の表面の開口を貫通している部分内のキャビティ(32a)をエッチングするステップをさらに具備する請求項11に記載の方法。
  • 【請求項13】 マイクロ電子機械的基板(62,94)と、 該マイクロ電子基板(62、94)上に配置された第1対のコンタクト(64
    、96)と を具備するマイクロ電子機械的リレー(60,92)であって、 該マイクロ電子機械的リレー(60、92)は、前記マイクロ電子基板(62
    、94)上に配置されて、前記第1対のコンタクト(64、96)の間の電気的コンタクトを形成するのに使用される第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(66、98)を特徴とし、 前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(66、98)は、 前記マイクロ電子基板(62、94)上に互いに間隔を置いて配置されているサポートと、 前記互いに間隔を置いて配置されているサポートの間で延びるアーチ状ビーム(70、99)と、 前記アーチ状ビーム(70、99)に操作可能に結合され、そこから外方へ延びて、前記第1対のコンタクト(64、96)へ向かうアクチュエータ部材(6
    8、102)と、 前記アクチュエータ部材(68、102)が、前記アクチュエータ部材(68
    、102)が前記第1対のコンタクト(64、96)から間隔を置いて位置するようにする開き位置と、前記アクチュエータ部材(68、102)が前記第1対のコンタクト(64、96)とコンタクトして、それらの間の電気的接続を形成するようにする閉じ位置との間で動くように、前記ビーム(70、99)がさらにアーチ状に湾曲するように、前記アーチ状ビーム(70、99)を加熱する手段と を具備するものである、マイクロ電子機械的リレー。
  • 【請求項14】 前記アクチュエータ部材(68)が、 前記アーチ状ビーム(70)に結合され、前記アーチ状ビーム(70)が加熱されると前記アーチ状ビーム(70)と一緒に動く、長さ方向に延びている部分(68a)と、 前記長さ方向に延びている部分(68a)の運動に応答して、前記第1対のコンタクト(64)とコンタクトする、拡大されたコンタクト部分(68b)と を具備する、請求項13に記載のマイクロ電子機械的リレー(60)。
  • 【請求項15】 前記アクチュエータ部材(68)における前記長さ方向に延びている部分(68a)と前記拡大されたコンタクト部分(68b)とが一体的構造である、請求項14に記載のマイクロ電子機械的リレー(60)。
  • 【請求項16】 前記アクチュエータ部材(68)における前記長さ方向に延びている部分(68a)と前記拡大されたコンタクト部分(68b)とが別個の構造体であり、 前記長さ方向に延びている部分(68a)が、前記アーチ状ビーム(70)が加熱されるとこれに応答して、前記拡大されたコンタクト部分(68b)とコンタクトする、請求項14に記載のマイクロ電子機械的リレー(60)。
  • 【請求項17】 前記アーチ状ビーム(70、99)が加熱され、前記アクチュエータ部材(68、102)が動かされるのに続いて、前記アクチュエータ(68、102)をある位置に保持する手段を具備する、請求項13にさらに記載のマイクロ電子機械的リレー(60、92)。
  • 【請求項18】 前記アクチュエータ部材をある位置に保持する前記手段が、前記アクチュエータ部材(68)と前記マイクロ電子基板(62)との間に静電力を印加して、前記アクチュエータ部材(68)の少なくとも一部を、前記マイクロ電子基板(62)に当接させて保持するようにする手段を具備する、請求項17に記載のマイクロ電子機械的リレー(60)。
  • 【請求項19】 少なくとも1つの係止部材(80)を具備し、前記係止部材(80)は、前記マイクロ電子基板(62)上に配置され、前記アクチュエータ部材(68)に下重なりし、前記アーチ状ビーム(70)の加熱に応答して、
    前記アクチュエータ部材(68)の運動に追従し、前記アクチュエータ部材(6
    8)は、前記マイクロ電子基板(62)に面する下面を含み、前記下面は、前記アクチュエータ部材(68)がある位置に保持されている際にそれぞれの係止部材(80)を協調的に収容するための少なくとも1つの凹部(82)を有する、
    請求項17にさらに記載のマイクロ電子機械的リレー(60)。
  • 【請求項20】 電気的コンタクトが、さらなる作動の欠如下で、第1対のコンタクト部材(64)の間で維持されるように、第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(66)の作動に続いて、前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(68)のアクチュエータ部材(68)をラッチするためのラッチ手段を具備する、請求項13にさらに記載のマイクロ電子機械的リレー(60)。
  • 【請求項21】 前記ラッチ手段が、 前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(66)から外方へ向かって延びる突出部(68c)と、 前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(66)が作動されると、前記突出部(68c)と協調的に係合するためのラッチ部材(69)と を具備する、請求項20に記載のマイクロ電子機械的リレー(60)。
  • 【請求項22】電気的コンタクトが、前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(66、98)の欠如下で、前記第1対のコンタクト部材(64、96
    )の間でもはや維持されないように、前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(66、98)の前記アクチュエータ部材(68、102)をラッチ解除するためのリセット手段をさらに具備する、請求項21に記載のマイクロ電子機械的リレー(60、92)。
  • 【請求項23】前記リセット手段が、第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(71)を具備し、前記第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(71)
    は、前記第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(71)の作動が、前記第1
    のマイクロ電子機械的アクチュエータ(66)の前記アクチュエータ部材(68
    )をラッチ解除するように、前記ラッチ部材(69)を含むアクチュエータ部材を有する、請求項22に記載のマイクロ電子機械的リレー(60)。
  • 【請求項24】 前記加熱手段が、前記アーチ状ビーム(70、99)を外部的に加熱する手段を具備する、請求項13に記載のマイクロ電子機械的リレー(60、92)。
  • 【請求項25】 前記マイクロ電子基板(62、94)の前記第1対のコンタクト(64、96)に対して前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(
    66、98)に対向して位置する部分上に配置されている第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(71、104)をさらに具備し、 前記第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(71、104)は、前記第1
    対のコンタクト(64、96)から、前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(66、98)の前記アクチュエータ部材(68、102)を制御下で係合解除し、 前記第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(71、104)が、 前記マイクロ電子基板(62、94)上に配置される互いに間隔を置いて配置されているサポートと、 前記互いに間隔を置いて配置されているサポートの間で延びるアーチ状ビームと、 前記アーチ状ビームに操作可能に結合され、そこから外方へ延びて、前記第1
    対のコンタクト(64、96)へ向かうアクチュエータ部材(106)と、 前記アクチュエータ部材(106)が、前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(66、98)の前記アクチュエータ部材(68、102)とコンタクトし、前記第1対のコンタクト(64、96)から、前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(66、98)の前記アクチュエータ部材(68、104)
    を係合解除し、前記ビームがさらにアーチ状に湾曲するように、前記アーチ状ビームを加熱する手段と を具備する、請求項13に記載のマイクロ電子機械的リレー(60,92)。
  • 【請求項26】 さらに、第1および第2のフィールド強化構造(88)を具備し、前記フィールド強化構造(88)は、前記第1対のコンタクト(64、
    96)のそれぞれのコンタクトに電気的に接続され、互いに面して配置されて、
    過電圧保護を提供するために、放電間隙を形成する、請求項13に記載のマイクロ電子機械的リレー(60、92)。
  • 【請求項27】 前記フィールド強化構造(88)が、少なくとも1つの尖鋭突出部(90)を具備し、前記突出部(90)は、他方のフィールド強化構造(88)へ向かって延びて放電間隙を形成する、請求項26に記載のマイクロ電子機械的リレー(60、92)。
  • 【請求項28】 第1および第2対のコンタクト(124、126)を交互に接続するマイクロ電子機械的リレー(110)であって、 前記マイクロ電子機械的リレー(110)は、 マイクロ電子基板(112)と、 前記マイクロ電子基板(112)上に配置された第1および第2対のコンタクト(124、126)と を具備し、 マイクロ電子機械的リレー(110)は、第1および第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(118、114)を具備し、前記マイクロ電子機械的アクチュエータ(118、114)は、前記マイクロ電子基板(112)上に配置され、 前記マイクロ電子機械的リレー(118、114)は、 前記マイクロ電子基板(112)上に配置された互いに間隔を置いて配置されているサポートと、 前記互いに間隔を置いて配置されているサポートの間で延びるアーチ状ビームと、 前記アーチ状ビームに操作可能に結合され、そこから外方へ延びるアクチュエータ部材と を具備し、 前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(118)の前記アクチュエータ部材(120)は、マイクロ電子機械的アクチュエータ(118、114)のいずれも作動されない場合には電気的コンタクトが前記第1対のコンタクト(1
    24)の間に形成されるように、そして、前記第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(118)が作動される場合には電気的コンタクトが前記第2対のコンタクト(126)の間に形成されるように、前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(118)が作動されると前記第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(114)の前記アクチュエータ部材(116)と協調的に係合する、マイクロ電子機械的リレー。
  • 【請求項29】 前記第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(114)
    の前記アクチュエータ部材(116)は、拡大されたヘッド部分(116a)を含み、前記ヘッド部分(116a)は、前記第1および第2対のコンタクト(1
    24、126)と交互にコンタクトするために、前記第1と第2対のコンタクト(124、126)との間に配置されている、請求項28に記載のマイクロ電子機械的リレー(110)。
  • 【請求項30】 前記第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(114)
    の前記アクチュエータ部材(116)の端部部分が、前記アクチュエータ部材(
    116)の端部(116c)の開口を貫通するスリーブ(116b)を具備し、 前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(118)の前記アクチュエータ部材(120)の端部部分が、前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(118)を作動すると前記スリーブ(116b)の端部(116c)を貫通して挿入するための係合部分(120a)を具備し、前記第1および第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(118、114)の前記アクチュエータ部材(1
    20、116)が前記第1のマイクロ電子機械的アクチュエータ(118)の作動停止に続いて協調的に係合されたままであるようになっている、請求項28に記載のマイクロ電子機械的リレー。
  • 【請求項31】 前記第1および第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(118、114)の双方の前記アーチ状ビームが、同一の方向にアーチ状に湾曲されている、マイクロ電子機械的リレー(110)。
  • 【請求項32】 マイクロ電子基板(142)を具備するマイクロ電子機械的スイッチングアレイ(140)であって、 マイクロ電子機械的スイッチングアレイ(140)が、複数の第1および第2
    のマイクロ電子機械的アクチュエータ(144、146)を特徴とし、前記アクチュエータ(144、146)は、前記複数のマイクロ電子機械的アクチュエータ(144)が、それぞれの行素子を形成し、前記複数の第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(146)が、それぞれの列素子を形成するように前記マイクロ電子基板(142)上に配置され、 各マイクロ電子機械的アクチュエータ(144、146)が、 前記マイクロ電子基板(142)上に配置された互いに間隔を置いて配置されているサポートと、 前記互いに間隔を置いて配置されているサポートの間で延びるアーチ状ビームと、 前記アーチ状ビームに操作可能に結合され、そこから外方へ延びるアクチュエータ部材(148)と、 前記アクチュエータ部材(148)に沿って間隔を置いて配置され、そこから外方へ延びる複数のコンタクト部材(150)と を具備し、 第1および第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(144、146)のそれぞれの対を作動すると、それぞれのアクチュエータ部材(150)が動いて、
    連続的な電気経路が、前記第1および第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(144、146)のそれぞれの対の間で延びるように、それぞれのコンタクト部材(150)の間に電気的コンタクトが形成される、マイクロ電子機械的スイッチングアレイ。
  • 【請求項33】 電気的コンタクトが、さらなる作動の欠如下で、前記それぞれのコンタクト部材(150)の間で維持されるように、前記第1および第2
    のマイクロ電子機械的アクチュエータ(144、146)の作動に続いて、前記第1および第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(144、146)の前記アクチュエータ部材(148)をラッチするラッチ手段をさらに具備する、請求項32に記載のマイクロ電子機械的スイッチングアレイ(140)。
  • 【請求項34】 前記ラッチ手段が、 各それぞれのアクチュエータ部材(148)から外方へ延びるラッチ部材(1
    54)と、 前記マイクロ電子基板(142)上に配置される複数のアンカー部材(156
    )と を具備し、 一のアンカー部材(156)は、前記それぞれのマイクロ電子機械的アクチュエータ(144、146)が作動されると、前記ラッチ部材(154)と協調的に係合するために、前記第1および第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(
    144、146)のそれぞれと会合される、請求項33に記載のマイクロ電子機械的スイッチングアレイ(140)。
  • 【請求項35】 それぞれのコンタクト部材(150)が分離し、前記第1
    および第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(144、146)のそれぞれの対のさらなる作動の欠如下で、もはや電気的コンタクトを形成しないように、
    前記第1および第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(144、146)のそれぞれの対の前記アクチュエータ部材(148)をラッチ解除するリセット手段をさらに具備する、請求項33に記載のマイクロ電子機械的スイッチングアレイ。
  • 【請求項36】 さらに、それぞれ、前記複数の第1および第2のマイクロ電子機械的アクチュエータ(144、146)をリセットする第1および第2のリセットアクチュエータ(160、164)を具備し、 各リセットアクチュエータ(160、164)は、 前記マイクロ電子基板(142)上に互いに間隔を置いて配置されているサポートと、 前記互いに間隔を置いて配置されているサポートの間で延びるアーチ状ビームと、 前記アーチ状ビームに操作可能に結合され、そこから外方へ延びるアクチュエータ部材(162、166)と、 前記アクチュエータ部材(162、166)に沿って間隔を置いて配置され、
    そこから外方へ延びる複数のリセット部材(168)と を具備し、 前記複数のリセット部材(168)は、前記アクチュエータ部材(148)の前記ラッチ部材(154)が前記それぞれのアンカー部材(156)から係合解除されるように、前記リセットアクチュエータ(160、164)が作動されると、前記マイクロ電子機械的アクチュエータ(144、146)のそれぞれのアクチュエータ部材(148)に係合する、請求項34に記載のマイクロ電子機械的スイッチングアレイ。
  • 【請求項37】 マイクロ電子基板(172)を具備するマイクロ電子機械的弁(170)であって、 前記マイクロ電子基板(172)は、貫通する少なくとも1つの開口(172
    a)を有し、前記マイクロ電子機械的弁(170)は、前記マイクロ電子基板(
    172)上にあるマイクロ電子機械的アクチュエータ(174)を特徴とし、 前記マイクロ電子機械的アクチュエータ(174)は、 前記マイクロ電子基板(172)上に互いに間隔を置いて配置されているサポートと、 前記互いに間隔を置いて配置されているサポートの間で延びるアーチ状ビーム(178、184)と、 前記アーチ状ビーム(178、184)に操作可能に結合され、前記開口(1
    72a)を少なくとも部分的に覆う弁プレート(176)と を具備しており、 前記弁プレート(176)が、前記開口(172a)に対して動かされて、前記開口(172a)の前記弁プレート(176)により覆われている部分を制御下で調整し、前記ビーム(178、184)がさらにアーチ状に湾曲するように、前記アーチ状ビーム(178、184)を加熱する手段を具備する、マイクロ電子機械的弁(170)。
  • 【請求項38】 前記マイクロ電子機械的アクチュエータ(174)が、アクチュエータ部材(180)をさらに具備し、前記アクチュエータ部材(180
    )が、前記アーチ状ビーム(178、184)に操作可能に結合されて、前記アーチ状ビーム(178、184)と一緒に動き、前記弁プレート(176)が、
    前記アクチュエータ部材(180)に操作可能に結合されている、請求項37に記載のマイクロ電子機械的弁(170)。
  • 【請求項39】 前記マイクロ電子基板(172)が、複数の開口(172
    a)を有し、 前記マイクロ電子機械的アクチュエータ(174)が、さらに、複数の弁プレート(176)を具備し、前記弁プレート(176)は、前記アーチ状ビーム(
    178、184)に操作可能に結合され、前記開口(172a)のそれぞれの開口を少なくとも部分的に覆う、請求項38に記載のマイクロ電子機械的弁(17
    0)。
  • 【請求項40】 前記アーチ状ビーム(184)が加熱されるにつれて、前記弁プレート(176)が旋回点の周りを回転し、前記開口(172a)において前記弁プレート(176)により覆われている部分を制御下で調整する、請求項38に記載のマイクロ電子機械的弁(170)。
  • 【請求項41】 前記マイクロ電子基板(172)から外方へ延びる支承柱(186)を具備し、前記弁プレート(176)が、前記アーチ状ビーム(18
    4)が加熱されると前記支承柱(186)を中心として枢転する細長プレート(
    188)をさらに具備する、請求項40に記載のマイクロ電子機械的弁(170
    )。
  • 【請求項42】 前記マイクロ電子基板(172)が複数の開口(172a
    )を有し、前記開口(172a)は前記支承柱(186)を中心として、角度的に互いに間隔を置いて配置され、 前記マイクロ電子機械的弁(170)は、さらに、複数の弁プレート(170
    )を具備し、前記弁プレート(170)は、前記アーチ状ビーム(184)に操作可能に結合され、前記アーチ状ビーム(184)が加熱されると、前記支承柱(186)を中心として枢転することにより、前記開口(172a)のそれぞれの開口を少なくとも部分的に覆う、請求項41に記載のマイクロ電子機械的弁(
    170)。
  • 【請求項43】 前記アーチ状ビーム(184)の加熱に続いて、前記開口(172a)に対して前記弁プレート(176)をある位置に保持する手段をさらに具備する、請求項37に記載のマイクロ電子機械的弁(170)。
  • 【請求項44】 前記弁プレート(176)をある位置に保持する前記手段が、前記弁プレート(176)と前記マイクロ電子基板(172)との間に静電力を印加する手段を具備する、請求項43に記載のマイクロ電子機械的弁(17
    0)。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 <関連出願> 本願は、1996年12月16日出願の米国特許出願第08/767192号の一部係属出願であり、後者の明細書の全内容は、明示的に本明細書の一部を成すものとする。

    【0002】 <発明の分野> 本発明は、一般的に、マイクロ電子機械装置に関し、より詳細には、熱的アーチ状ビームアクチュエータを含むマイクロ電子機械装置および関連の製造方法に関する。

    【0003】 <発明の背景> マイクロ電子機械システム(MEMS)は、最近、リレー、アクチュエータ、
    弁およびセンサなどの従来の電気機械装置に対する代替として開発された。 ME
    MS装置は、マイクロ電子製造技術の使用に起因して、潜在的に低コストである。 MEMS装置は、従来の電気機械装置に比して大幅に小さいので、新規の機能性を提供するものである。

    【0004】 MEMS技術の多数の潜在的用途は、MEMアクチュエータを用いたものである。 例えば、多くのセンサ、弁およびポジショナーは、動きのためにアクチュエータを使用する。 適切に設計されている場合、MEMSアクチュエータは、有用なおよび変位を供給することができる、一方、電力消費量は比較的小さい。 多くの形態のMEMSアクチュエータが、提案されている。 例えば、”Micro
    probe”との題名のMarcusらの米国特許第5475318号明細書には、片持式バイモルフマイクロプローブおよび二重支持形ビームバイモルフマイクロプローブが開示されている。さらに、1995年5月にStokholm,
    Swedenで開催されたInternational Conference
    on Solid−Date Sensors and Actuators
    ,Transducersで提出された、Erno H. Klaasenらの論文”Silicon Fusion Bonding and Deep Re
    active Ion Etching; A New Technology
    For Microstructures”は、一対のサポートの間で延びている一対のアーチ状ビームを有する熱的アクチュエータを開示している。アーチ状ビームを流れる電流により、アーチ状ビームは膨張して、さらにアーチ状に湾曲される。Klaassen論文に記載の熱的アクチュエータも、複数のアーチ状ビームを接続する中心柱を含み、ワークピースに当接して押すのに用いられる。Klaassen論文は、複数の互いに組み合せられたフィンガの間の間隔を変化させるために熱的アクチュエータを利用する容量形加速度計も開示している。

    【0005】 それにもかかわらず、これまで提案されたMEMSアクチュエータや、多数の既存のおよび勘案されたMEMSシステム、例えばリレー、アクチュエータ、弁およびセンサについては、有用な力および変位を供給し、しかも実質的に小電力しか消費しない、より洗練されたアクチュエータを必要とされている。 結果として得られるMEMSシステムは、バッチ処理で製造されるのことが望ましいので、結果として得られるMEMSシステムを製造するためのマイクロ電子製造技術が、経済的に実現可能であり、繰り返し可能であり、高信頼性であることが好ましい。

    【0006】 <発明の要約> 本発明のMEMS装置は、特に好ましいMEMSアクチュエータと、1つ以上のMEMSアクチュエータを含む、一群の他のMEMS装置、例えばリレー、スイッチングアレイおよび弁を含む。 さらに、MEMSアクチュエータの製造方法も、本発明により提供される。

    【0007】 本発明では、以下においてMEMSアクチュエータと呼ばれるMEMS構造は、基板上の互いに間隔を置いて配置されているサポートと、互いに間隔を置いて配置されているサポートの間で延びている金属アーチ状ビームとを含む。 MEM
    Sアクチュエータは、ビームがさらにアーチ状に湾曲するように、アーチ状ビームを加熱する手段も含む。 好ましくは、加熱手段は、第1および第2の互いに対向して位置する端部の間で延びている加熱器を含み、端部はマイクロ電子基板上に配置されている。

    【0008】 加熱器から金属アーチ状ビームへ効率的に熱を伝達するために、金属アーチ状ビームは、加熱器により発生される熱により金属アーチ状ビームがさらに湾曲するように加熱器を跨って延び、かつ、加熱器から僅かではあるが間隔を置いて配置されている。 それ自体として、この好ましい実施例のMEMSアクチュエータは、加熱器により発生される熱を、金属アーチ状ビームの機械的運動に効率的に変換する。 本明細書に記載されているように、多くのMEMS装置に、本発明のMEMSアクチュエータを内蔵させることができ、大電力を消費すること無しに、制御可能な力および変位を供給させることができる。

    【0009】 好ましくは、加熱器は、少なくとも部分的に、高抵抗導電性材料、例えばポリシリコン、チタンまたはタングステンを含み、この材料は、絶縁性材料、例えば窒化ケイ素また二酸化ケイ素などにより包囲されている。 少なくとも部分的に導電性の材料を包囲する絶縁性材料は、金属アーチ状ビームと加熱器との間に形成されている空隙と共働して、少なくとも部分的に導電性の材料から、金属アーチ状ビームを電気的に絶縁する。 効果的に、加熱器により発生される熱エネルギーを、金属アーチ状ビームへ伝達するために、空隙は、好ましくは、狭く、例えば、約5ミクロンより狭く、より好ましくは、約1〜2ミクロンである。 同様に、
    絶縁性材料も、好ましくは、比較的薄く、1つの好ましい実施例では、約0.5
    ミクロンの厚さを有する。

    【0010】 MEMSアクチュエータも、好ましくは、長さ方向に延びているアクチュエータを含み、アクチュエータは、金属アーチ状ビームに接続され、第1の方向で外方へ延びている。 1つの好ましい実施例では、加熱器はアクチュエータ部材に下重なりし、第1の方向でアクチュエータ部材と位置合せされている。 この位置合せの結果、この実施例の加熱器により発生される熱は、さらに効率的にアクチュエータ部材に伝達され、さらに、金属アーチ状ビームに伝達されて、アーチ状ビームをさらにアーチ状に湾曲させる。

    【0011】 有用な力および変位を供給し、しかも電力消費量が小さい多くのMEMS装置も、本発明により開発されている。 例えば、本発明のMEMSリレーは、マイクロ電子基板、基板上の第1対のコンタクトと、前記対のコンタクトの間の電気的コンタクトを制御可能に形成するための、基板上の第1のMEMSアクチュエータとを含む。 MEMSアクチュエータのアクチュエータ部材は、好ましくはアーチ状ビームに結合されている、長さ方向に延びている部分と、第1対のコンタクトとのコンタクトを形成するために、長さ方向に延びている部分の運動に応答する、拡大されたコンタクト部分とを含む。 1つの実施例では、長さ方向に延びている部分および拡大されたコンタクト部分を含むアクチュエータ部材は、一体的構造である。 別の1つの実施例では、しかし、長さ方向に延びている部分および拡大されたコンタクト部分は、アーチ状ビームの加熱に応答して長さ方向に延びている部分が運動すると、拡大されたコンタクト部分と接触するように動き、これにより、拡大されたコンタクト部分は第2対のコンタクトと接触するように強制的に動かされる。

    【0012】 本発明のMEMSリレーが作動されると、アクチュエータ部材は、アクチュエータ部材が第1対のコンタクトから間隔を置いて位置するようにする開き位置と、アクチュエータ部材が前記第1対のコンタクトとコンタクトして、それらの間の電気的接続を形成するようにする閉じ位置との間で動かされる。 MEMSリレーの電力消費量をさらに低減させるために、MEMSリレーは、好ましくは、アーチ状ビームの加熱と、アクチュエータ部材の運動とに続いて、ある位置にアクチュエータ部材を保持する手段を含む。 保持手段は、アクチュエータ部材と基板との間に静電力を印加する手段を含み、これによりアクチュエータ部材の少なくとも一部を基板に当接させて保持する。

    【0013】 MEMSリレーは、基板上の少なくとも1つの係止手段も含み、係止手段は、
    いったんアクチュエー部材がアーチ状ビームのコア熱に応答して動かされると、
    アクチュエータ部材に下重なりするように位置決めされている。 この好ましい実施例では、アクチュエータ部材は基板に面する下面も含み、下面はアクチュエータブレーキングアシスタント前記が例えば静電力などによりある位置に保持されている際、それぞれの係止手段を協調的に収容するための少なくとも1つの凹部を有する。

    【0014】 代替的に、MEMSリレーは、アーチ状ビームの加熱およびアクチュエータ部材の運動に続いて、ある位置にアクチュエータ部材をラッチするラッチ手段を含む。 ある位置にアクチュエータ部材をラッチすることにより、電気的コンタクトが、MEMSアクチュエータの作動を継続することなしに、第1対のコンタクトの間に維持され、これにより、MEMSリレーの電力消費量がさらに低減される。 1つの好ましい実施例では、ラッチ手段は、アクチュエータ部材から外方へ延びている突出部と、MEMSアクチュエータが作動されると、外方へ延びている突出部と協調的に係合させる対応ラッチ手段とを含む。 この実施例のMEMSリレーはリセット手段も含み、リセット手段は、通常、第2MEMSアクチュエータを含み、第2のMEMSアクチュエータは、外方へ延びている突出部からラッチ部材を係合解除し、これによりMEMSリレーが静止位置に戻ることを可能にするラッチ部材を含むアクチュエータ部材を有する。

    【0015】 改善された過電圧保護を提供するために、MEMSリレーは、それぞれ、第1
    対のコンタクトのそれぞれのコンタクトに電気的に接続されている第1および第2のフィールド強化構造も含む。 第1および第2のフィールド強化構造は、互いに対向して位置するように配置されて、空隙を形成する。 好ましくは、各フィールド強化構造は少なくとも1つの尖鋭突出部を含み、尖鋭突出部は他方のフィールド強化構造へ向かって延びて放電間隙をより正確に形成する。

    【0016】 1つの実施例では、MEMSリレーは、基板の、第1対のコンタクトに対して第1のMEMSアクチュエータに対向して位置する部分上の第2のMEMSアクチュエータを含む。 第2のMEMSアクチュエータは、第1対のコンタクトを再び開くために、第1対のコンタクトから、第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材を制御可能に係合解除するように設計されている。 第2のMEM
    Sアクチュエータのアクチュエータ部材のアーチ状ビームを加熱すると、第2のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材は、好ましくは、第1のMEMS
    アクチュエータのアクチュエータ部材とコンタクトして、第1対のコンタクトから、第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材を係合解除するように、動く。

    【0017】 別の1つの好ましい実施例のMEMSリレーは、第1および第2対のコンタクトを接続させる。 この実施例のMEMSリレーは、基板、基板上の第1および第2対のコンタクト、および基板上の第1および第2のMEMSアクチュエータを含む。 MEMSアクチュエータは、第1のMEMSアクチュエータが作動されると、第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材が、第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材と協調的に係合するように、位置決めされている。 いったん係合されると、電気的コンタクトが、いずれのMEMSアクチュエータもさらには作動されずに、第1対のコンタクトの間に形成される。 これに対して、電気的コンタクトは、第1のMEMSアクチュエータが作動されると、
    第2対のコンタクトの間に形成される。

    【0018】 第2のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材の端部部分は、好ましくは、第2のMEMSアクチュエータの端部の開口を貫通するスリーブを含む。 これに対応して、第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材の端部部分は、好ましくは、第1のMEMSアクチュエータが作動されると、スリーブの端部を貫通して挿入される係合部分を含む。 それ自体として、第1および第2のM
    EMSアクチュエータのアクチュエータ部材は、第1のMEMSアクチュエータの作動に続いて、協調的に係合されているままである。

    【0019】 前述のMEMSリレーを基礎として、基板と、複数の第1MEMSアクチュエータがそれぞれの行素子を形成し、複数の第2のアクチュエータが、それぞれの列素子を形成するように基板上に位置決めされている複数の第1および第2のM
    EMSアクチュエータとを含むMEMSスイッチングアレイも設けられている。
    この実施例では、各MEMSアクチュエータは、それぞれのアクチュエータ部材に沿って互いに間隔を置いて配置され、そこから外方へ延びている複数のコンタクト部材も含む。 一対の第1および第2のMEMSアクチュエータを作動すると、それぞれのアクチュエータ部材は動かされてそれぞれのコンタクト部材の間に電気的コンタクトを形成して、前記対の第1および第2のMEMSアクチュエータの間に連続的電気経路を形成する。

    【0020】 MEMSスイッチングアレイは、それぞれの対の第1および第2のMEMSアクチュエータの作動に続いて、ある位置にそれぞれの対の第1および第2のME
    MSアクチュエータのアクチュエータ部材をラッチするラッチ手段も含む。 それ自体として、電気的コンタクトは、それぞれの対の第1および第2のMEMSアクチュエータの作動を継続する必要なしに、それぞれのコンタクト部材の間に維持され、これにより、MEMSスイッチングアレイの電力消費量が、さらに低減される。 1つの好ましい実施例では、ラッチ手段は、それぞれのアクチュエータ部材から外方へ延びているラッチ部材と、複数のアンカー部材とを含む。 各アンカー部材は、それぞれのMEMSアクチュエータと対応され、それぞれのMEM
    Sアクチュエータが作動されると、ラッチ部材と協調的に係合するように、基板上に位置決めされている。

    【0021】 MEMSスイッチングアレイは、それぞれのコンタクト部材が、分離し、それぞれの対の第1および第2のMEMSアクチュエータのさらなる作動の欠如下で、電気的コンタクトをもはや形成しないように、それぞれの対の第1および第2
    のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材をラッチ解除するリセット手段も含む。 好ましくは、リセット手段は、それぞれ、複数の第1MEMSアクチュエータと、複数の第2のMEMSアクチュエータとをリセットする第1および第2のリセットアクチュエータを含む。 さらに、各リセットアクチュエータは、好ましくは、アクチュエータブレーキングアシスタント前記を含み、アクチュエータ部材は、アクチュエータ部材に沿って互いに間隔を置いて配置されている複数のリセット部材を有する。 複数のリセット部材は、リセットアクチュエータが作動されると、第1および第2のMEMSアクチュエータのそれぞれのアクチュエータ部材と係合して、それぞれのアンカー部材から、アクチュエータ部材のラッチ部分を係合解除する。

    【0022】 本発明の別の1つの態様では、開口を有する基板と、基板上のMEMSアクチュエータとを含むMEMS弁が設けられ、弁は、弁プレートを有し、弁プレートは、アーチ状ビームに、直接的にまたはアクチュエータ部材を介して、操作可能に結合され、アクチュエータ部材は、基板内の開口を少なくとも部分的に覆う。
    それ自体として、開口の、弁プレートにより覆われている部分は、MEMSアクチュエータが作動されると、基板に対して弁プレートを動かすことにより、正確に制御される。 本発明のMEMS弁の電力消費量をさらに低減するために、ME
    MS弁は、アーチ状ビームをさらに作動する必要なしに、開口に対してある位置に弁プレートを保持する手段も含む。

    【0023】 MEMS弁の流速を増加させるために、基板は、好ましくは、複数の開口を有し、MEMSアクチュエータは、これに対応して、複数の弁プレートを含み、弁プレートは、アーチ状ビームに操作可能に結合され、複数の開口のそれぞれの開口を少なくとも部分的に覆う。 開口のサイズを増加させて、MEMS弁の流速をさらに増加させるために、弁プレートは、好ましくは、アーチ状ビームが、開口の、弁プレートにより覆われている部分を制御可能に調整するために加熱される際、通常は、基板から外方へ延びる支承柱により形成されている、枢転中心点を中心として枢転する細長プレートとして設計されている。 この実施例では、基板内の開口は、好ましくは、支承柱を中心として度的に互いに間隔を置いて配置されている。 それ自体として、この実施例のMEMS弁は、ファンの概観を有し、枢転する弁プレートが、ファンブレードとして機能する。 この実施例のMEM
    S弁は、通常は開かれているかまたは通常は閉じられているように設計されている。

    【0024】 本発明は、加熱器に上重なりし、加熱器から間隔を置いて配置されている、例えばMEMSアクチュエータなどのMEMS構造を製造する好ましい方法も提供する。 この方法では、犠牲的めっきベースが、最初に、マイクロ電子基板の第1
    の表面上に下ろし置かれる。 次いで、ホトレジスト層が、犠牲的めっきベース上に下ろし置かれ、パターン化されて、犠牲的めっきプレートへの1つ以上のウィンドウを開く。 ウィンドウは、好ましくは、互いに間隔を置いて配置されているサポートと、結果として得られるMEMSアクチュエータの互いに間隔を置いて配置されているサポートの間で延びているアーチ状ビームとの対に対応する。 次いで、ニッケルなどの金属が、ホトレジスト層により形成されているウィンドウ内に電気めっきされて、互いに間隔を置いて配置されているサポートと、互いに間隔を置いて配置されているサポートの間で延びているアーチ状ビームとの対を形成する。 ホトレジスト層は、次いで、除去され、犠牲的めっきベースの部分が、エッチングされて、基板からアーチ状ビームを解放する。

    【0025】 アーチ状ビームを解放するために、アーチ状ビームに下重なりのめっきプレートのすべてを除去する代りに、酸化層が形成およびパターン化されてアーチ状ビームに下重なりするが、互いに間隔を置いて配置されているサポートには下重なりしないことも可能である。 それ自体として、この酸化層の除去は、基板からアーチ状ビームを解放する。

    【0026】 犠牲的めっきベースを基板上に置く前に、加熱器が基板の第1の表面上に形成される。 さらに、通常は、ホトレジスト層の除去と、犠牲的めっきベースおよび/または酸化層のエッチングに続いて、キャビティが加熱器の金属部分が基板から熱的にさらに絶縁されるように、基板の加熱器に下重なりの部分内にエッチングされる。

    【0027】 本発明の方法によりMEMS構造を製造することにより、大きいアスペクト比を有する金属アーチ状ビームを、加熱器を跨って電気めっきすることが可能であり、この場合、比較的小さい通常は5ミクロン以下の間隔または空隙が加熱器と上重なりの金属アーチ状ビームとの間に形成される。 その結果、加熱器により発生される熱は、効果的に金属アーチ状ビームに伝達されて、アーチ状ビームの機械的運動に変換される。 さらに、前述のように、MEMSアクチュエータの製造と同時に、本発明の方法は、本発明のMEMS構造の他の部分、例えばMEMS
    スイッチングアレイおよびMEMS弁も同時に製造する。

    【0028】 前述のように、MEMSアクチュエータを含む、本発明のMEMS構造は、大きい力および変位を供給し、しかも電力消費量が小さい。 特に、本発明のMEM
    Sアクチュエータの設計は、加熱器により発生される熱の、上重なりの金属アーチ状ビームへの効率的な熱伝達を提供して、金属アーチ状ビームをさらにアーチ状に湾曲させる。 本発明のMEMSアクチュエータの効率的な動作を利用するために、多数のMEMS装置、例えば様々なMEMSリレー、MEMSスイッチングアレイおよびMEMS弁も、好ましくは、提供される。

    【0029】 <好ましい実施例の詳細な説明> 本発明は、次に、本発明の好ましい実施例が示されている添付図面を参照して、より詳細に説明される。 本発明は、しかし、多数の異なる形で実施でき、本明細書に記載の実施例に制限されず、これらの実施例は、この開示が完全なものとなり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えることができるよう提供される。 同一の参照番号は、本明細書全体にわたり同一の部分を示す。

    【0030】 図1において、本発明のMEMS構造の第1の実施例が、示されている。 ME
    MS構造は、検出および作動を含む、様々な目的のために採用されることが可能であるが、MEMS構造は、以下において、分かりやすいように、MEMSアクチュエータ30と呼ばれる。 MEMSアクチュエータは、マイクロ電子基板32
    と、基板上の一対の互いに間隔を置いて配置されているサポート34とを含む。
    基板は、様々な材料から成ることが可能であるが、基板は、通常は、シリコン、
    ガラスおよび石英から成る。

    【0031】 互いに間隔を置いて配置されているサポート34は、好ましくは、以下に説明されるように、高いアスペクト比を有するために、電気めっきプロセスにより、
    基板32上に被着される。 当業者に知られているように、電気めっき技術は、「
    LIGA」技術を含むが、これに制限されない。

    【0032】 MEMSアクチュエータ30は、少なくとも1つの、より好ましくは、複数のアーチ状ビーム36をも含み、アーチ状ビームは、互いに間隔を置いて配置されているサポート34の間を延びている。 MEMSアクチュエータは、任意の数および任意のサイズのアーチ状ビームを有することが可能であるが、1つの実施例のMEMSアクチュエータは、幅5μm、高さ30μm、長さ2mmの5つのアーチ状ビームを含む。 アーチ状ビームは、通常は、導電性材料から成り、導電性材料は、正の熱膨張係数を有し、従ってアーチ状ビームは、アーチ状ビームが加熱されると、膨張する。 特に、アーチ状ビームは、好ましくは、金属から成り、
    より好ましくは、ニッケルまたはニッケル・リン合金から成る。 互いに間隔を置いて配置されているサポートに関連して前述のように、アーチ状ビームも、好ましくは電気めっきにより形成され、従って、高いアスペクト比を有する。 例えば、アーチ状ビームのアスペクト比は、好ましくは、1.5:1より大きく、より好ましくは約3:1である。 図1に示されているように、アーチ状ビームは、好ましくは基板32に平行に延びる方向でアーチ状に湾曲されている。 アーチ状ビームは、通常、以下に説明されるように、解放層およびウェットエッチングにより基板から解放されるが、アーチ状ビームは互いに間隔を置いて配置されているサポートに係留されたままであり、所望のまたは所定の運動方向へアーチ状に湾曲されている。

    【0033】 MEMSアクチュエータ30は、アーチ状ビーム36に熱を印加する手段も含む。 印加熱により、ビームの膨張に起因して、ビームはさらにアーチ状に湾曲される。 ビームのアーチ状湾曲は、好ましくは、所定の運動方向で生じ、これによりアーチ状ビームの変位が生じる。 様々な技術が、アーチ状ビームを加熱するのに採用されることが可能であるが、図示の実施例のMEMSアクチュエータは、
    外部加熱器38を含む。 外部加熱器は、第1および第2の互いに対向して位置する端部の間で延び、これらの端部は、加熱器との電気的コンタクトを形成するためのコンタクトパッドとして、一緒に用いられる。 図1に示されているように、
    1つの好ましい実施例の加熱器は、曲がりくねった加熱器により発生される熱が、比較的均一に金属アーチ状ビームを加熱するように、金属アーチ状ビームの下方で、曲がりくねって行き来して、曲がりくねった経路を形成している。

    【0034】 加熱器38の第1および第2の端部は、基板32上に配置されているが、基板の、加熱器の残りの部分すなわち加熱器の中間部分に下重なりの部分は、以下に説明されるように、そして、図2に示されているように、基板から、加熱器をさらに熱的に絶縁するために、エッチングされるまたは他の方法で除去されることが可能である。 図1に示されているように、加熱器は、片持式に、基板内に形成されているキャビティ32aを跨って延びるか、代替的に、基板により形成されているキャビティは、窒化ケイ素などの絶縁性材料から成るダイヤフラムによりカバーされ、これにより、加熱器は、構造的に支持され、一方、加熱器と基板との間の熱的絶縁は、充分に維持される。 図示されていないが、加熱器の、基板内に形成されているキャビティを跨って延びている中間部分は、通常、同様に窒化ケイ素などの絶縁性材料から成り、加熱器と、基板の他の部分との間を橋絡するリンクによりさらに支持されている。

    【0035】 以下に説明されるように、加熱器38は、一般に、例えば少なくとも5×10
    −6Ω*cmの抵抗値などの高抵抗値を有する、少なくとも部分的に導電性の材料から成るコア38aと、前記少なくとも部分的に導電性の材料を包囲する絶縁性材料から成るコーティング38bとを含む。 1つの実施例では、加熱器は、窒化ケイ素または酸化ケイ素のコーティングにより包囲されている、ポリシリコン、チタンまたはタングステンのコアを含む。 図2の横断面図に示されているように、アーチ状ビーム36は、空隙40と加熱器の絶縁性コーティングとの組み合せにより、前記少なくとも部分的に導電性のコアから、電気的に絶縁されている。 加熱器により発生される熱を、アーチ状ビームに、最も効率的に伝達するために、空隙は、好ましくは、可及的最大に狭くされ、しかも充分な電気的絶縁度、
    例えば1つの例示的実施例では1000Vの絶縁度を維持する。 1つの好ましい実施例では、空隙は、5ミクロンより狭く、より好ましくは、1〜2ミクロンである。 空隙が1〜2ミクロンの実施例では、前記少なくとも部分的に導電性の材料の、アーチ状ビームに面する部分をカバーする絶縁性材料は、約0.5ミクロンの厚さを有する。

    【0036】 本発明のMEMSアクチュエータ30も、好ましくはアーチ状ビーム36に結合されそこから外方へ延びている長さ方向に延びているアクチュエータ部材42
    を含む。 アクチュエータ部材は、図1に示されているように、互いに間隔を置いて配置されているサポート34の間の点で、複数のアーチ状ビームを機械的に結合させる。 それ自体として、所定の方向にアーチ状ビームをさらに湾曲するとことは、アクチュエータを同一の所定の方向に変位させることをもたらす。 複数のアーチ状ビームをアレイに配置することにより、結果として得られるMEMSアクチュエータは力を増倍させることができ、これにより、大きい力および大きい変位を提供することが可能となる。 さらに、複数のビームをアクチュエータ部材と機械的に結合することにより、結果として得られるMEMSアクチュエータは、剛性化効果を得、これにより独立的に動作する同一の数のアーチ状ビームにより得られるさらに高い程度の力を提供することが可能となる。

    【0037】 本発明のMEMSアクチュエータ30は、好ましくは、前述のように、そして、図1に示されているように、外部加熱器38により加熱されるが、MEMSアクチュエータも、アーチ状ビーム36に電流を通すことにより、または外部加熱器により発生される熱とアーチ状ビームに電流を流すこととの組み合せにより、
    加熱されることも可能である。 例えば、外部熱は、MEMSアクチュエータの初期変位を提供し、1つ以上のアーチ状ビームを通過する電流により発生される内部熱は、微細な運動制御を提供する。 さらに、MEMSアクチュエータは、外部加熱手段、例えばホットプレート、オーブン、赤外線、輻射などにより加熱されることが可能である。 それ自体として、本発明のMEMSアクチュエータは、温度センサおよび温度スイッチとして容易に利用できる。

    【0038】 当業者には自明なように、加熱器38は、様々な形状、例えば図1および2に示されている曲がりくねった加熱器などの形状をとることが可能である。 図3および4に示されている、1つの好ましい実施例では、しかし、加熱器はアクチュエータ部材42に下重なりし、アクチュエータ部材42と位置合せされている。
    前述のように、加熱器の、互いに対向して位置する端部は、基板32上に配置されている。 しかし、加熱器の第1と第2の互いに対向して位置する端部の間の中間部分に下重なりしている基板は、好ましくは、エッチングされるかまたは他の方法で除去されて、基板から加熱器をさらに熱的に絶縁する。 図4参照。 前述と同様に、加熱器に電流を通過させて、熱を発生させ、熱はアーチ状ビームに効率的に伝達されて、アクチュエータ部材を所定の方向にさらにアーチ状に湾曲させて変位させることが可能である。

    【0039】 本発明では、前述され、図1〜4に示されている、金属アーチ状ビーム36を有するMEMSアクチュエータ30などのMEMS構造を形成するための製造技術も、提供される。 様々なMEMS構造が、本発明の方法により製造されることが可能であるが、基板の、加熱器38に下重なりの部分がエッチングされるかまたは他の方法で除去される図1および2に示されているMEMSアクチュエータが、例示的説明のために、以下において説明される。 図1および2のMEMSアクチュエータの基板により形成されているキャビティ32aは開いているが、キャビティは、所望の場合、加熱器をさらに支持するために窒化ケイ素などの絶縁性材料から成るダイヤフラムによりカバーされることが可能である。

    【0040】 図5Aに示されているように、窒化ケイ素のマスキング層44は最初に基板3
    2上に被着され、パターン化されて、最終的に基板内に形成されるキャビティに対応するウィンドウを開く。 本明細書において、層またはエレメントが、別の層およびエレメント「上に」あるとは、層の直接上に、上面に、底面または側面領域に形成されているか、または1つ以上の中間層が、それらの層の間に配置されていることを意味することは、当業者には自明である。

    【0041】 酸化層46を被着させた後、加熱器38が次いで製造される。 これに関して、
    窒化ケイ素層48が被着およびパターン化される。 次いで、結果として得られる加熱器のコア38aを形成するポリシリコン層50が窒化ケイ素層上に被着され、第2の窒化ケイ素層52がポリシリコン層を覆って被着され、これにより、図5Aに示されているように、窒化ケイ素によりポリシリコン層をカプセル状に包囲する。

    【0042】 いったん加熱器38が製造されると、犠牲的めっきベース54が図5Bに示されているように被着される。 犠牲的めっきベースは、当業者には自明である様々なめっきベース、例えばチタンと銅とチタンから成る3層構造などのうちの任意のものでよい。 めっきベースの被着に続いて、ホトレジスト56の厚い層が被着され、リトグラフィ的にパターン化されて犠牲的めっきベースへの複数のウィンドウを開く。 図5C参照。 ホトレジスト内に開かれたウィンドウは、結果として得られるMEMS構造の様々な金属コンポーネント、例えば、MEMSアクチュエータ30の、互いに間隔を置いて配置されているサポート34および複数のアーチ状ビーム36などに対応する。 本発明のMEMSアクチュエータを含む、リレー、スイッチングアレイおよび弁などの装置の製造の間、他の金属構造、例えばコンタクトなどに対応する、付加的なウィンドウが、ホトレジスト内で開かれることが可能である。 パターン化されたホトレジストにより形成されているウィンドウ内で露出されている上部チタン層が、次いで、エッチングされる。 次いで、金属58、例えばニッケル、銅または金などが、ホトレジストにより形成されているウィンドウ内で電気めっきされて、図5Cの中間構造を形成する。 電気めっきされることが可能である様々な金属の任意のものが、特に好ましい、何故ならばニッケルは、比較的大きい熱膨張係数を有し、ニッケルは、小さい内部応力で被着されて、結果として得られる構造をさらに剛性化して、平面からそらすからである。 小さい内部応力のニッケル層の電気めっきは、”The Prope
    ties of electrodeposited Metals and
    Alloys,”H.W.Sapraner,American Electr
    oplaters and Surface Technology Soci
    ety,pp. 295−315(1986)に記載され、その内容全体は、本明細書の一部を成すものとする。

    【0043】 いったん金属58が、電気めっきされると、ホトレジスト50は、除去される。 図5Dに示されているように、めっきベース54の残りの層、すなわち銅層および下部チタン層が、除去されて、基板32からアーチ状ビーム36を解放する。 この実施例では、めっきベースのエッチングの持続時間は好ましくは制御され、これにより、めっきベースのアーチ状ビームに下重なりの部分はアーチ状ビームは基板から解放されるが、互いに間隔を置いて配置されているサポートは基板から解放されないように、互いに間隔を置いて配置されているサポート34を除去することなしに除去される。 キャビティ32aが、基板の加熱器38に下重なりの部分内で形成される実施例では、酸化層46もエッチングされて、基板へのウィンドウ、すなわちマスキング領域44により形成されているウィンドウを開く。 通常はKOHで基板を異方性でエッチングすることにより、キャビティが加熱器の下方に形成されて、基板から加熱器をさらに絶縁する。 図5E参照。

    【0044】 本発明により、MEMSアクチュエータ30などのMEMS構造を製造する代替方法が、図6A−6Fに示されている。 いったん加熱器38が図6Aに示されているように、そして前述のように製造されると、第2の酸化層53が、図6B
    に示されているように被着される。 ウィンドウが、次いで互いに間隔を置いて配置されているサポート34に対応する、互いに間隔を置いて配置されている個所で、第1および第2の酸化層内に形成およびエッチングされる。 図6Cおよび6
    Dに示されているように、金属層55、例えばクロムおよび/または銅が、次いで、めっきベース54の被着の前にこれらのウィンドウ内に被着される。 いったん金属コンポーネント、例えばアーチ状ビームおよび互いに間隔を置いて配置されているサポートが前述のようにリトグラフィ的に形成および電気めっきされると、めっきベースの露出部分はエッチングされて、金属コンポーネントを大幅にアンダーカットすることなしに第2の酸化層を露出させる。 図6E参照。 次いで、第1および第2の酸化層がエッチングされるかまたは他の方法で除去されて、
    図6Fに示されているように、基板32から、アーチ状ビーム36および加熱器を解放するが、互いに間隔を置いて配置されているサポートは開放しない。

    【0045】 この実施例では、アーチ状ビーム36は、めっきベースの、アーチ状ビームに下重なりの部分が、めっきベースの、互いに間隔を置いて配置されているサポート34に下重なりの大きい部分を除去することなしに除去されるように、めっきベース54のエッチングを正確に時間調整する必要なしに、解放される。 さらに、この好ましい実施例の方法は、解放されるべき金属コンポーネントが基板32
    により支持される金属コンポーネントより大きいMEMS構造、例えば以下において説明されるMEMS弁などを形成するのに特に適する。

    【0046】 前述の好ましい方法により、MEMSアクチュエータ30を製造することにより、アスペクト比が比較的大きい、例えば1.5:1以上などの金属アーチ状ビーム36を形成することが可能である。 比較的大きいアスペクト比を有することにより、アーチ状ビームは平面内での運動を可能にするが、平面外では比較的剛性である。 本発明の製造法により、基板32の金属アーチ状ビームに下重なりの部分上に外部加熱器38を形成することを可能にし、そして、外部加熱器38が、加熱器により発生される熱がアーチ状ビームに効率的に伝達されるように、狭い空隙だけ、金属アーチ状ビームから正確に間隔を置いて配置されることを可能にする。 さらに、前述のように、MEMSアクチュエータの製造と同時に、本発明の方法は、本発明のMEMS構造の他の部分、例えばMEMSリレー、MEM
    SスイッチングアレイおよびMEMS弁も同時に製造し、これにより、製造プレス成形の効率をさらに高めることができる。

    【0047】 多数のMEMS装置は前述のMEMSアクチュエータ30を含み、これにより、MEMSアクチュエータ30の効率的な動作特性を利用することが可能となる。 例えば、MEMSリレー60も、本発明の1つの実施例では設けられている。
    図7Aに示されているように、MEMSリレーは、マイクロ電子基板62、基板上の第1対のコンタクト64、および第1対のコンタクトの間の電気的コンタクトを制御可能に形成するためのアクチュエータメンバー68を含むMEMSアクチュエータ66を含む。 通常、第1対のコンタクトは、結合パッドとしても用いられる金属パッドである。 当業者には自明なように、第1対のコンタクトは、好ましくは、絶縁性材料、例えば窒化ケイ素などにより、基板から間隔を置いて配置されて、基板から第1対のコンタクトを電気的に絶縁する。 さらに、コンタクトは、様々な導電性材料のうちの任意のものでよいが、1つの好ましいボディのコンタクトはニッケルから成り、貴金属、例えば金またはロジウムなどによりコーティングされ、貴金属は、その上に酸化層が形成されるのに抗する。

    【0048】 図7Aの実施例では、MEMSリレー60は通常は開いている。 すなわち、M
    EMSリレーは、MEMSアクチュエータ66が作動されず、アーチ状ビーム7
    0がさらにアーチ状に湾曲されない場合、開き位置にある。 例えば、加熱器72
    に電流を通すことにより、アーチ状ビームを加熱すると、アーチ状ビームはさらにアーチ状に湾曲し、これにより、アクチュエータ部材68は第1対のコンタクト64へ向かって動かされる。 1つの好ましい実施例では、アクチュエータ部材は、アーチ状ビームに結合されている長さ方向に延びる部分68aと、第1対のコンタクトとコンタクトするための、拡大されたコンタクト部分68bとを含む。 拡大されたコンタクト部分の1つの実施例が、図7Aに示されているが、拡大されたコンタクト部分は、様々な形状およびサイズを有することが可能である。
    図8Aに示されているように、アーチ状ビームがさらにアーチ状に湾曲されると、アクチュエータ部材の拡大されたコンタクト部分は、第1対のコンタクトの間のコンタクトを形成させて、コンタクトを閉じる。

    【0049】 他の力の欠如下で、図7および8の”通常は開いている”MEMSリレー60
    は、アーチ状ビーム70が、加熱器72に電流を通すことを停止することにより、もはや加熱されないと、開き位置へ戻される。 いったんアーチ状ビームが、もはや加熱されないと、図8Aに示されているように、閉じ位置にMEMSリレーを係止するために、そして、MEMSリレーの振動/衝撃抵抗性を改善するために、MEMSリレーは、MEMSアクチュエータ66のさらなる作動の欠如下で、例えば閉じ位置などの位置に、アクチュエータ部材68の拡大されたコンタクト部分68bを保持する手段を含むことも可能である。 ある位置にアクチュエータ部材を保持する手段は、アクチュエータ部材と基板62との間に静電力を印加する手段を含み、これにより、アクチュエータ部材と、より好ましくは、アクチュエータ部材の拡大されたコンタクト部分とが、基板へ向かって引張られ、アクチュエータ部材の少なくとも一部が、基板に当接して保持される。 基板にアクチュエータ部材を当接して保持することにより、アクチュエータ部材が、一般的に、基板の表面に被着された、通常は絶縁層を含む1つ以上の層に当接して保持されることが意図される。

    【0050】 図7B、7C、8Bおよび8Cに示されているように、静電力を印加する手段は、好ましくは、基板62の表面に配置されている電極74を含む。 図示のように、電極の少なくとも一部は、好ましくは、第1対のコンタクト64の間で、基板上に配置されている。 電極は基板内に埋込まれることも可能であるが、図示の実施例の電極は基板上に配置され、通常は窒化ケイ素から成る絶縁層76により基板から分離されている。 プルダウン電圧を電極に印加すると、アクチュエータ部材68の、拡大されたヘッド部分68bは、下方へ引張られて、電極へ向かう。 図示のように、電極も、一般に、絶縁層、例えば窒化ケイ素により覆われて、
    アクチュエータ部材の拡大ヘッド部分から電極を絶縁する。 アクチュエータ部材の拡大ヘッド部分と電極との間の空隙は、好ましくは十分に狭く、1000〜3
    000オングストロームのオーダであり、従って、僅か約20〜30Vで、基板に拡大ヘッド部分をクランプできる。

    【0051】 いったんクランプされると、MEMSアクチュエータ66は、加熱器72を流れる電流を停止することにより、作動停止でき、MEMSリレー60は、閉じ位置にあるままである。 静電力を印加することにより、閉じ位置にMEMSリレーを保持することにより、MEMSの電力消費量は、MEMSアクチュエータを連続的に作動するのに必要な電力量に比して、大幅に減少される。

    【0052】 閉じ位置にMEMSリレー60を維持するのを支援するために、MEMSリレーは、基板62の、アクチュエータ部材68に下重なりの部分にわたり延びる、
    少なくとも1つの、より通常には、2つ以上の係止部材80も含むこともある。
    例えば、図示の実施例の係止部材は、アクチュエータ部材の拡大ヘッド部分の幅の一部にわたり延びる細長部材である。 図7B、7C、8Bおよび8Cに示されているように、アクチュエータの、基板に面する下面は、好ましくは、1つ以上の凹部82、例えば1つ以上の溝を含み、凹部82は、いったんMEMSリレーが、閉じ位置となり、アクチュエータ部材が、電極74により印加されたクランプダウン電圧により、基板へ向かって、下方へ湾曲されると、係止部材のそれぞれのものを収容する。 係止部材は、アクチュエータ部材に機械的に係合するのに用いられ、これにより、電極により印加された静電力が、アクチュエータ部材が基板に対してクランプされたままであるかぎり、閉じ位置にMEMSリレーを保持するのを支援する。

    【0053】 次いで、MEMSリレー60を開くために、電極74により印加されたクランプダウン電圧が除去されて、アクチュエータ部材68は基板62の表面から上方へ上がる。 アクチュエータ部材は、次いで、図7A〜7Cに示されているように、アーチ状ビーム70により供給される復元力により、開き位置に引っ込められる。 図7および8のMEMSリレーは、前述のように、通常は開いているリレーであるが、MEMSリレーは、通常は閉じており、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、例えばアーチ状ビームを加熱することにより、MEMSアクチュエータ66を作動する場合のみ、開かれる。

    【0054】 本発明のMEMSリレー60は、静電的または磁気的に作動されるマイクロリレーに比して、多数の利点を有する。 本発明のMEMSアクチュエータ66により提供される大きい変位の結果として、より大きい分離が、第1対のコンタクト64の間に維持されることが可能であり、これにより、MEMSリレーのスタンドオフ電圧能力を増加する。 さらに、メチルメタクリレートアクチュエータにより提供される比較的大きい力は、良好なリレーまたはスイッチの閉じ状態を提供し、これにより、小さいコンタクト抵抗値を保証する。

    【0055】 前述のMEMSリレー60のアクチュエータ部材68は、図7および8に示されているように、一体的構造であることも可能であるが、長さ方向に延びる部分68aおよび拡大ヘッド部分68bは、図9A〜9Cに示されているように、別個の構造であることも可能である。 この実施例では、アクチュエータ部材の、長さ方向に延びる部分は、複数のアーチ状ビーム70に接続されている。 しかし、
    拡大ヘッド部分は、アクチュエータの、長さ方向に延びる部分に接続されていない。 その代りに、拡大ヘッド部分は、図9Aに示されているように、一対のばね84により、第1対のコンタクト64に隣接して、吊られている。 通常、ばねは、電気めっきステップの間に、例えばニッケルなどの金属から形成される。 ばねは、拡大ヘッド部分の、互いに対向して位置するエッジから、基板62から上方へ延びる、それぞれのアンカー部材86へ延びる。 通常、アンカー部材は、めっきベースおよび/または絶縁層により、基板から間隔を置いて配置されている。

    【0056】 アンカー部材86の基板62への取り付け以外、拡大ヘッド部分68bの残りの部分は、基板から解放されている。 それ自体として、加熱器72に電流を通し、アーチ状ビーム70をさらにアーチ状に湾曲することにより、長さ方向に延びる部分68aの端部部分は、拡大ヘッド部分の背面に接触し、拡大ヘッド部分を、第1対のコンタクト64と、強制的に接触させる。 図9B参照。 図7および8
    に関連して前述のように、この実施例のMEMSリレー60は、いったん電流が、加熱器から除去され、アクチュエータ部材の、長さ方向に延びる部分が、図9
    Cに示されているように、休止位置または中立位置に戻ると、ある位置にアクチュエータ部材の拡大ヘッド部分を保持する手段も含むことが可能である。 図9A
    〜9Cに示されているように、保持手段は、前述のように、静電的クランプダウン力を印加する電極74を含むことも可能である。

    【0057】 いったん、クランプダウン力が除去されると、しかし、拡大ヘッド部分は、ばね84により供給される復元力に起因して、図9Aに示されているように、開き位置に戻る。

    【0058】 図7および8のMEMSリレーに関連して前述のように、図9のMEMSリレー60は、通常は開いているMEMSリレーに関連して説明された。 しかし、この実施例のMEMSリレーは、その代りに、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、所望の場合、通常は閉じていることも可能である。

    【0059】 いずれの実施例においても、MEMSリレー60は、過電圧保護を提供する第1および第2のフィールド強化構造を含むことも可能である。 図10に示されているように、第1および第2のフィールド強化構造は、第1対のコンタクト64
    のうちのそれぞれのコンタクトに電気的に接続され、互いに面して配置されている。 より詳細には、各フィールド強化構造は、好ましくは、他方のフィールド強化構造へ向かって延びる、少なくとも1つの尖鋭突出部90を含む。 それ自体として、第1対のコンタクトにわたり形成される過電圧は、アクチュエータ部材の拡大ヘッド部分68bと、第1対のコンタクトとの間に、スパークおよび降伏を発生しない。 その代りに、第1および第2のフィールド強化構造は、アクチュエータ部材の拡大ヘッド部分と、第1対のコンタクトとの間にいかなる降伏が発生する前に、過電圧条件下で降伏する放電間隙を形成することにより、ヒューズとして用いられる。

    【0060】 通常、フィールド強化構造88は、ニッケルなどの金属から成り、窒化ケイ素などの絶縁層により、基板62から分離されている。 さらに、各フィールド強化構造の尖鋭突出部90は、図10に示されているように、延びて一点に到達する略円錐形突出部である。 しかし、フィールド強化構造は、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、他のタイプの突出部を含むことも可能である。

    【0061】 MEMSリレー60は、アーチ状ビーム70の加熱およびアクチュエータ部材の運動に続いて、ある位置にアクチュエータ部材68をラッチするラッチ手段も含むことが可能である。 MEMSリレーの1つの実施例のアーチ状ビームを加熱すると、MEMSリレーが、図1に示されているように、通常は開いている位置から、アクチュエータ部材が、コンタクト部材64と電気的に接触している閉じ位置に動かされる。 これに関連して、アクチュエータ部材は、コンタクト部材とスライド的接触を行い、これにより、少なくとも部分的に、コンタクト部材上に形成されたいかなる酸化層も、除去する。 図示されていないが、MEMSリレーは、所望の場合、通常は閉じている。

    【0062】 図11のMEMSリレー60のラッチ手段は、アクチュエータ部材の運動が、
    外方へ延びる突出部を前進させて、ラッチ手段を越えさせるように、ラッチ部材69と、アクチュエータ部材から外方へ延びる、対応する突出部68cとを含む。 図示のように、外方へ延びている突出部は、好ましくは、先細りされて、ラッチ手段に対する、外方へ延びる突出部の運動を容易にする。 いったん、アクチュエータ部材の、外方へ延びる突出部が、ラッチ手段を越えて前進すると、ラッチ手段は、好ましくは、アクチュエータ部材が、いったんMEMSリレーがもはや作動されないと位置に残るように、突出部により形成されている肩部と係合する。 ある位置にアクチュエータ部材をラッチすることにより、電気的コンタクトが、MEMSリレーの作動を継続することなしに、コンタクト部材64の間に維持され、これにより、MEMSリレーの電力消費量がさらに低減される。

    【0063】 この実施例のMEMSリレー60は、ラッチ部材69から反対側に、アクチュエータ部材68に隣接して、基板62上に位置決めされている支承部材73を含むことも可能である。 支承部材は、アングル状支承面73aを有し、支承面73
    aは、アクチュエータ部材により形成されている支承面68dと共働して、外方へ延びる突出部68cの肩部が、いったん突出部がラッチ手段を越えて前進されると、ラッチ部材と係合することを保証する。

    【0064】 この実施例のMEMSリレー60は、好ましくは、MEMSリレーが休止位置に戻ることが可能となるように、ラッチ部材69と、外方へ延びる突出部68c
    とを係合解除するリセット手段も含む。 図11に示されているように、リセット手段は、ラッチ部材を含むアクチュエータ部材を有する第2のMEMSアクチュエータ71を含むことも可能である。 それ自体として、第2のMEMSアクチュエータの作動により、ラッチ部材は、ラッチ部材と突出部とが係合解除されて、
    さらなる作動の欠如下で、MEMSリレーが休止位置、すなわちこの実施例では開き位置に戻ることが可能となるよに。 外方へ延びる突出部から、動いて離れる。

    【0065】 別の1つの実施例のMEMSリレー92が、図12に示されている。 この実施例のMEMSリレーは、第1対のコンタクト96の反対側で、基板94上に配置されている第1および第2のMEMSアクチュエータを含む。 第1対のコンタクトの間の電気的コンタクトを形成するために、第1のMEMSアクチュエータ9
    8が、例えば、加熱器100に電流を通すことにより、作動される。 作動されると、第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材102の端部部分10
    2aは、第1対のコンタクトの間に挿入され、これにより、それらの間に電気的コンタクトが形成される。

    【0066】 図12に示されているように、第1対のコンタクト96は、好ましくは、一対の外方へ延びるコンタクトアーム96aを含み、コンタクトアーム96aは、基板から解放されており、片持式に基板を跨って延びている。 同様に図示のように、第1対のコンタクトのコンタクトアームは、第1のMEMSアクチュエータ9
    8のアクチュエータ部材102の先細り端部部分102aの幅より僅かに狭い幅を有する間隙を形成する。 従って明らかなように、A/D1のMEMSアクチュエータが作動されて、第1対のコンタクトの間に開く部の先細り端部部分が挿入されると、それぞれのコンタクトアームは、強制的に離される。 その結果、コンタクトアームの内方への復元力は、MEMSリレーが閉じ位置にあるままでる、
    すなわち、第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材の先細り端部部分が、第1のMEMSアクチュエータが作動停止された後でさえも、第1のコンタクトの間に保持されたままであるように、コンタクトアームの間にアクチュエータ部材を係合するのに用いられる。

    【0067】 第1のコンタクトの間にアクチュエータ部材102を挿入するのを容易にするために、第1のMEMSアクチュエータ98のアクチュエータ部材102は、好ましくは、先細り端部部分102aを有する。 図12参照。 さらに、第1のME
    MSアクチュエータのアクチュエータ部材を収容して電気的に接触するコンタクトアーム96aのエッジ表面は、好ましくは、対応して先細りされている。 それ自体として、第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材の先細り端部部分は、第1対のコンタクトの間にぴったりとはまり係合する。

    【0068】 この好ましい実施例のMEMSリレー92を開くために、第2のMEMSアクチュエータ104は、好ましくは、作動されて、それぞれのアクチュエータ部材106を前進させる。 第2のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材が前進すると、アクチュエータ部材の端部部分は、第1のMEMSアクチュエータ9
    8のアクチュエータ部材102の先細り端部部分102aと接触して、第1対のコンタクト96から、第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材の先細り端部部分を係合解除する。 いったん係合解除されると、アーチ状ビーム99
    により供給される復元力は、図12に示されている中立位置に、第1のMEMS
    アクチュエータのアクチュエータ部材を引っ込めて到達させる。

    【0069】 第1のMEMSアクチュエータ98のアクチュエータ部材102との接触を容易にするために、第2のMEMSアクチュエータ104のアクチュエータ部材1
    06の端部部分は、好ましくは、コンタクトアーム96aの間の間隙より狭い幅を有する狭幅部分106aを含む。 それ自体として、第2のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材の狭幅部分は、第1対のコンタクトと接触するまたは他の方法で係合することなしに、第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材と接触することが可能である。

    【0070】 第1のMEMSアクチュエータ98のアクチュエータ部材102は、比較的長いので、MEMSリレー92は、アクチュエータ部材の端部部分102aに接続されているサスペンションばね108も含むことも可能である。 サスペンションばねは、第1対のコンタクト96に対して、アクチュエータ部材の先細り端部部分をより正確に位置決めし、中立位置に、第1のMEMSアクチュエータの先細り端部部分が戻るのを支援するのに用いられる。

    【0071】 図13は、交互に第1および第2対のコンタクトを接続するための、さらに別の1つの実施例nMEMSリレー110を示す。 この実施例では、MEMSリレーは、基板112と、基板上の第1および第2対のコンタクトとを含む。 前述のように、コンタクトは、好ましくは、例えば、例えば窒化ケイ素などから成る、
    絶縁層などにより、基板から絶縁される。

    【0072】 この実施例のMEMSリレー110は、第1および第2対のコンタクトの反対側で、基板112上に配置されている第1および第2のMEMSアクチュエータも含む。 図13に示されているように、第2のMEMSアクチュエータ114のアクチュエータ部材116は、第1および第2対のコンタクトへ向かって延び、
    第1および第2対のコンタクトの間に配置されている拡大ヘッド部分116aを含む。 第2のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材は、アクチュエータ部材の端部部分に取り付けられ、この端部部分の端部116cの開口を通り抜けるスリーブも含む。 これに対応して、第1のMEMSアクチュエータ118のアクチュエータ部材120は、第1のMEMSアクチュエータが作動されると、アクチュエータ部材が、第2のMEMSアクチュエータへ向かって前進して、係合部分を、スリーブの端部を通り抜けさせて係合させるように、やや拡大された係合部分120aを含む。

    【0073】 図14に詳細に示されているように、スリーブ16bの開放端116cは、好ましくは、内方に延びるフランジ116dを含む。 さらに、第1のMEMSアクチュエータ118のアクチュエータ部材120の係合部分120aは、好ましくは、テーパ状またはフレア状に形成されて、係合部分を、スリーブの開放端を通り抜けさせて挿入することを容易にする。 同様に図14に示されているように、
    第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材の係合部分は、好ましくは、スリーブの開放端の、内方に延びるフランジと協調的に係合する肩部120b
    を有する。 それ自体として、第1および第2のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材は、第1のMEMSアクチュエータの作動停止に続いて、協調的に係合されたままである。

    【0074】 いったん、第1および第2のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材が、協調的に係合されると、第1のMEMSアクチュエータ118のアーチ状ビーム122の復元力は、いずれのMEMSアクチュエータも作動されない場合、第1対のコンタクト124と、第2のMEMSアクチュエータ114のアクチュエータ部材116の拡大ヘッド部分116aを引張って接触させる。 それ自体として、第1対のコンタクトは、”通常は開じている”コンタクトと呼ばれ、第2対のコンタクト126は、”通常は開いている”コンタクトと呼ばれる。 例えば、
    第2のMEMSアクチュエータのアーチ状ビーム130に下重なりの加熱器12
    8に電流を通すことにより、または、第1および第2のMEMSアクチュエータを同時に作動することにより、第2のMEMSアクチュエータを作動することにより、拡大ヘッド部分は、第1対のコンタクトから係合解除されることが可能であり、その代りに、第2対のコンタクトと電気的に接触されることが可能である。 いったん第2のMEMSアクチュエータが、作動停止されると、前述のように、第1対のコンタクトとの接触が再形成される。

    【0075】 図15に示されている本発明の別の態様では、複数のMEMSアクチュエータが、組立てられて、MEMSスイッチングアレイ140を形成する。 この実施例では、複数の第1および第2のMEMSアクチュエータが、第1のMEMSアクチュエータ144が、それぞれの行要素を形成し、第2のMEMSアクチュエータ146が、それぞれの列要素を形成するように、基板142上に配置されている。 例えば、図15に示されているように、第1の集合の4つのMEMSアクチュエータは、4つの行要素(R0、R1、R2およびR3)を形成し、第2の集合の4つのMEMSアクチュエータは、4つの列要素(C0、C1、C2およびC3)を形成し、これにより、4×4スイッチングアレイが、形成される。 明らかなように、この実施例のスイッチングアレイは、同一の数の行要素および列要素を有する必要はなく、実際、所望の任意の数の行要素および列要素を有することが可能である。 後述のように、それぞれの対の第1および第2のMEMSアクチュエータが作動されると、それぞれのアクチュエータ部材が動かされ、それぞれのコンタクト部材の間に電気的接触が、形成される。 その結果、連続的電気経路が、それぞれの対の第1および第2のMEMSアクチュエータの間に形成される。

    【0076】 各MEMSアクチュエータのアクチュエータ部材148は、好ましくは、アクチュエータ部材に沿って互いに間隔を置いて配置され、そこから外方へ延びる、
    複数のコンタクト部材150を含む。 それぞれの行要素を形成するMEMSアクチュエータにおいて、アクチュエータ部材は、好ましくは、列要素と同一の数のコンタクト部材を含む。 例えば、図15に示されているように、各アクチュエータ部材は、アクチュエータ部材に沿って互いに間隔を置いて配置され、そこから外方へ延びる4つのコンタクト部材を含む。 それ自体として、本発明のスイッチングアレイは、スイッチングアレイの各スイッチのために1つの別個のアクチュエータを必要とせず、これにより、いくつかの従来のスイッチングアレイに比して、スイッチ設計が、簡単化される。

    【0077】 各MEMSアクチュエータのアクチュエータ部材148は、アレイ全体にわたり延びる。 第1および第2のMEMSアクチュエータアクチュエータ部材が交差するのを可能にするために、各第1のMEMSアクチュエータ144のアクチュエータ部材は、好ましくは、複数のアーチ状部材152を含み、これにより、アクチュエータ部材が、図16に示されているように、第2のMEMSアクチュエータ146のアクチュエータ部材と交差することが可能となる。 明らかなように、しかし、各第2のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材は、その代りに、複数のアーチ状部材を含み、これにより、アクチュエータ部材が、所望の場合、第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材と交差することが可能となる。 図16に示されているように、アクチュエータ部材のアーチ状部材の幅は、好ましくは、各アクチュエータ部材が、完全に自由に運動することを可能にし、充分な絶縁層分離を提供するのに十分である。 それ自体として、それぞれの行要素を形成する、第1のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材と、それぞれの列要素を形成する、第2のMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材とは、互いに対して自由に動くことが可能である。 好ましくは、アクチュエータ部材のアーチ状部材は、前の電気めっきステップで被着されたアクチュエータ部材の残りの部分を接続する、例えばニッケルなどの金属の第2の層を電気めっきすることにより、形成される。

    【0078】 例として、第1の行要素(R0)を形成する第1のMEMSアクチュエータ1
    44と、第3の列要素(C2)を形成する第2のMEMSアクチュエータ(C2
    )とが、電気的接触が、図17で円形により示されているように、それぞれのコンタクト部材150の間に形成されるように、作動された。 特に、コンタクト部材は、好ましくは、拭き取りタイプ動作で、互いに接触されて、それぞれのコンタクト部材の表面上に形成されていることもあるいかなる酸化層も除去する。 しかし、2つ以上の対の行要素および列要素は、第1および第2のMEMSアクチュエータのうちの付加的なアクチュエータを作動して、所望の場合、”1対多数”接続を形成することにより、同時に接続されることが可能である。

    【0079】 それぞれの対の第1および第2のMEMSアクチュエータが、連続的に作動されている必要なしに、コンタクト部材150の間の出電気的接触を維持されるために、1つの好ましい実施例のMEMSスイッチングアレイ140は、それぞれの対の第1および第2のMEMSアクチュエーのアクチュエータ部材148を作動することに続いて、アクチュエータ部材148をラッチするラッチ手段を含む。 それぞれの対の第1および第2のMEMSアクチュエータは、次いで、作動停止され、それぞれのコンタクト部材は、電気的に接触されているままである。 図15および17に示されているように、1つの好ましい実施例のラッチ手段は、
    各それぞれのアクチュエータ部材の端部部分から外方へ延びる、例えば先細り突出部などのラッチ手段154を含む。 この実施例のラッチ手段は、基板142上に形成されているアンダーカット部材上に形成されている複数のアンカー部材1
    56も含み、1つのアンカー部材は、各それぞれのMEMSアクチュエータのラッチ手段に対応する。 図示のように、アンカー部材は、好ましくは、外方へ延びる先細り突出部156aを含む。 アンカー部材の先細り突出部は、アクチュエータ部材が、前進されて、ラッチ部材がアンカー部材を越えて前進されるように、
    アクチュエータ部材の端部部分を、僅かであるが偏向させる際、それぞれのアクチュエータ部材のラッチ部材と共働する。 いったんラッチ部材が、それぞれのアンカー部材を越えて前進されると、アンカー部材は、例えばMEMSアクチュエータが作動停止されると、アンカー部材のラッチ部材との協調的係合に起因して、ラッチ部材が引っ込められることを阻止するのに用いられる。

    【0080】 アンカー部材156は、通常、例えば窒化ケイ素、および/またはめっきベースなどの絶縁層により、基板142から分離されている、ニッケルなどの電気めっき金属から成る。 それぞれのアクチュエータ部材148の端部部分が、基板から遠ざかる方向に明示的に偏向することを阻止するために、アンカー部材は、好ましくは、一対の直交アクチュエータ部材に関連して、図16に示されたのと同様の方法で、アクチュエータ部材の端部部分と交差するアーチ状部材156bも含む。 図15および17に示されているように、アンカー部材に対して反対側に位置する、アーチ状部材の端部は、好ましくは、別のサポート158に取付けられている。 1つの好ましい実施例では、この他方のサポートも、通常、例えば窒化ケイ素および/またはめっきベースなどの絶縁層により、基板から分離されている、たば電気めっきニッケルなどの金属から成る。

    【0081】 ラッチ手段を含むMEMSスイッチングアレイ140の実施例において、ME
    MSスイッチングアレイは、好ましくは、それぞれのコンタクト部材150が分離し、もはや、MEMSアクチュエータのそれぞれのアクチュエータのさらなる作動の欠如下で、電気的接触を形成しないように、アクチュエータ部材148をラッチ解除するリセット手段を含む。 図15および17に示されているように、
    リセット手段は、好ましくは、それぞれ、複数の第1および第2のMEMSアクチュエータをリセットする第1および第2のリセットMEMSアクチュエータを含む。 図示のように、第1のリセットMEMSアクチュエータ160のアクチュエータ部材162は、好ましくは、第1のMEMSアクチュエータ144のアクチュエータ部材のそれぞれのアクチュエータ部材の端部部分に隣接しかつこれにほぼ垂直に、長さ方向に延びる。 同様に、第2のリセットMEMSアクチュエータ164のアクチュエータ部材166は、好ましくは、第2のMEMSアクチュエータ146のアクチュエータ部材の各アクチュエータ部材の端部部分に隣接しかつこれにほぼ垂直に、長さ方向に延びる。

    【0082】 第1のリセットMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材162の端部部分が、基板142から遠ざかる方向に明示的に偏向することを阻止するために、
    アーチ状部材162aは、好ましくは、アーチ状部材が、一対の直交アクチュエータ部材に関連して図16に示されているのと同様の方法で、第1のリセットM
    EMSアクチュエータのアクチュエータ部材の端部部分と交差するように、基板上に位置決めされている、一対のアンカー部材の間で延びる。 同様に、別のアーチ状部材166aは、好ましくは、アーチ状部材が、第1のリセットMEMSアクチュエータ164のアクチュエータ部材166の端部部分と交差するように、
    基板上に位置決めされている、第2対のアンカー部材の間で延びる。

    【0083】 第1および第2のリセットMEMSアクチュエータの各アクチュエータのアクチュエータ部材は、アクチュエータ部材に沿って互いに間隔を置いて配置され、
    そこから、スイッチングアレイ140へ向かう方法に、外方へ延びる、複数のリセット手段168を含む。 特に、リセット手段の間隔は、リセット手段によりリセットされるそれぞれのアクチュエータ部材の間隔と同一である。 1つの好ましい実施例では、リセット手段は、それぞれのリセットMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材にほぼ垂直の方向に、外方へ延びる柱である。

    【0084】 動作中、リセットMEMSアクチュエータは、作動されて、リセット手段16
    8が、ラッチされたそれぞれのMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材と係合するように、それぞれのアクチュエータ部材を動かす。 図15および17において、例えば、第1のリセットMEMSアクチュエータ160が作動されると、それぞれのアクチュエータ部材162は、下方へ動かされ、一方、第2のリセットMEMSアクチュエータ164が作動されると、それぞれのアクチュエータ部材166は、左方へ動かされる。 いったん係合されると、リセットMEMSアクチュエータのアクチュエータ部材がさらに動かされると、それぞれのMEMS
    アクチュエータのアクチュエータ部材の端部部分が、それぞれのアンカー部材から遠ざかる方向に偏向されて、アクチュエータ部材が係合解除される。 それぞれのMEMSアクチュエータのアーチ状ビームにより供給される復元力により、次いで、アクチュエータ部材は、図15に示されているように、ラッチされていない中立位置に戻る。

    【0085】 それ自体として、MEMSスイッチングアレイ140により、個々の行要素および列要素を形成するそれぞれの対の第1および第2のMEMSアクチュエータの間で、電気的接触がそれぞれ確実に形成されることが可能となる。 次いで、電気信号が、それぞれの対の相互接続されているMEMSアクチュエータの金属部分を介して、伝送されることが可能である。 例えば、相互接続MEMSアクチュエータのうちの1つのアクチュエータの、互いに間隔を置いて配置されているサポートのうちの1つのサポートで導入された電気信号が、それぞれの対のMEM
    Sアクチュエータのアクチュエータ部材およびコンタクト部材を介して、相互接続MEMSアクチュエータの他方のアクチュエータのサポートのうちの1つのサポートに伝送される。 このようにして、本発明のMEMSスイッチングアレイは、電気通信および他のスイッチング用途に特に有用である。

    【0086】 本発明の別の1つの実施例では、少なくとも1つの開口172aが、通常はバルクシリコンマイクロマシーニングまたは他の従来のプロセスにより、基板17
    2により形成されているMEMS弁170が、設けられている。 この実施例では、MEMS弁は、アーチ状ビームをさらにアーチ状に湾曲することにより弁プレートが、基板に対して制御可能に動かされるまたは位置決めされるように、アーチ状ビーム17に操作可能に結合されている、より好ましくは、アクチュエータ部材180に操作可能に結合されている弁プレート176を有するMEMSアクチュエータ174を含む。 通常、弁プレートは、例えばニッケルなどの電気めっき金属から成る。

    【0087】 図18に示されているように、MEMSアクチュエータ174は、好ましくは、弁プレート176が、MEMSアクチュエータが作動されると、少なくとも部分的に開口をカバーし、より好ましくは、開口を完全にカバーして、”通常は開いている”弁を形成するように、開口172aに対して、基板172上に位置決めされている。 代替的に、MEMSアクチュエータは、弁プレートが、作動の欠如下で、開口をカバーし、MEMSアクチュエータが作動された場合のみ、開口から除去され、これにより”通常は閉じている”弁を形成するように、開口に対して、基板上に位置決めされていることが可能である。

    【0088】 例えば加熱器182に電流を通すことにより、図18の”通常は開いている”
    MEMSアクチュエータ174を作動すると、弁プレート176は、基板172
    内の開口172aを跨いで動かされて、図19Bに示されているように、開口を閉じる。 MEMSリレーに関連して前述のように、MEMS弁170は、好ましくは、MEMSアクチュエータの作動に続いて、開口に対してある位置に弁プレートを保持する手段も含む。 例えば、ある位置に弁プレートを保持する手段は、
    弁プレートと基板との間に静電力を印加する手段を含むことも可能である。 静電力に起因して、弁プレートは、基板へ向かって偏向されて、クランプされて下降されて開口を覆い、これにより、開口を通り抜ける液体流を制限するかまたは阻止する。 静電力を印加するために、電圧差が、弁プレートと基板との間に印加されるか、または、代替的に、弁プレートと電極180との間に印加され、電極1
    80は、MEMSリレーに関連して前述の方法と同様の方法で開口に隣接し、かつ、いくつかの実施例では、開口を包囲する、基板の部分上または中に形成される。 静電力を印加することを継続することにより、弁プレートは、MEMSアクチュエータが作動停止されても、基板により形成されている開口の上で、閉じ位置に保持されることが可能であり、これにより、弁プレートの電力消費量がさらに低減される。 しかし、例えば弁プレートと基板との間に電圧差を可能にすることにより、弁プレートを解放すると、MEMSアクチュエータは、開口がカバーされていない、図18および19Aに示されている中立位置に戻る。

    【0089】 液体流を増加するために、複数の開口172aが、図18に示されている基板172により形成されることが可能である。 この好ましい実施例では、MEMS
    アクチュエータ174は、好ましくは、基板により形成されている開口の数に等しい数の複数の弁プレート弁プレート176を含む。 弁プレートのそれぞれは、
    好ましくは、アーチ状ビームが動かされると、弁プレートが、開口のうちのそれぞれの開口に対して動かされるように、アーチ状ビーム178に操作可能に結合され、より好ましくは、MEMSアクチュエータのアクチュエータ部材180に結合されている。 例えば、図18の実施例では、MEMSアクチュエータが作動されると、対の弁プレートは、基板により形成されている開口のそれぞれの開口を跨いで動かされ、一方、MEMSアクチュエータが作動停止されると、弁プレートは、開口がカバーされていない休止位置または中立位置に戻る。

    【0090】 基板172内に形成されている、より大きい開口172aを通り抜ける液体流をさらに増加させるMEMS弁170の別の1つの実施例が、図20および21
    に示されている。 この実施例では、MEMSアクチュエータ174は、弁プレート176のそれぞれが、アーチ状ビーム184が加熱されると、枢転点を中心として枢転する、ファンタイプ構造を有する。 図示のように、枢転点は、通常、基板から外方へ延びる支承柱186により形成されている。 この好ましい実施例の基板により形成されている開口は、おおよそ、中心柱を中心として角度的に互いに間隔を置いて配置されているので、複数の弁プレートが、好ましくは、枢転点を中心として枢転する中心プレート188に結合されている。 図示のように、中心プレートは、通常、基板の上方に、ばね189により吊られている。

    【0091】 さらに図20および21に示されているように、MEMSアクチュエータ17
    4のアクチュエータ部材190の端部部分は、好ましくは、枢転点からオフセットされている点で、中心プレート188に接続されている。 それ自体として、M
    EMSアクチュエータが作動され、これにより、アクチュエータ部材が動かされると、弁プレートが、支承柱を中心として枢転し、これにより、弁プレートは、
    基板172により形成されているそれぞれの開口172aに対して、動かされる。

    【0092】 図20のファンタイプMEMS弁170の実施例では、MEMS弁は、通常は開いている。 それ自体として、MEMSアクチュエータ174が作動されると、
    弁プレート176が回転されて、基板により形成されている開口172aのうちのそれぞれの開口を、少なくとも部分的にカバーする。 代替的に、ファンタイプMEMS弁は、MEMSアクチュエータが作動されると、弁プレートと回転されて、基板により形成されている開口のそれぞれの開口を少なくとも部分的にカバー除去するかまたは開くように、図21に示されているように、通常は閉じている。 図20および21に示されているように、MEMS弁は、弁プレートの過剰な回転を阻止するために、MEMS弁が作動されるとそれぞれのプレートに接触するために、基板上に位置決めされている少なくとも1つのストップ177を含むことが可能である。

    【0093】 前述のように、この実施例のMEMS弁170は、MEMSアクチュエータが作動停止された後でさえも、それぞれの開口172aに対してある位置に弁プレート176のそれぞれを保持する手段も含み、これにより、MEMS弁の電力消費量がされに低減される。 図示されていないが、保持手段は、好ましくは、それぞれの開口を包囲するか又は少なくとも隣接する、基板172の部分上に位置決めされている電極を含む。 それ自体として、弁プレートは、好ましくは、弁プレートが、開口を完全にカバーし、充分な静電力が、下重なりの電極と、弁プレートとの間に発生されて、開口を貫流する液体流を制限するかまたは阻止するように、それぞれの開口より僅かに大きい。

    【0094】 本発明のMEMS弁170の様々な実施例は、基板内に形成されている1つ以上の開口172aを通過する液体流を確実に制御する。 複数の開口を制御可能にカバーおよびカバー除去することにより、本発明のMEMS弁により支持される全液体流も、対の開口をカバーおよびカバー除去するほかの設計に対して、増加される、何故ならばMEMS弁によりカバーされることが可能である開口のサイズは、なかんずく、アーチ状ビームが印加できる最大変位により、一般に、制限されているからである。 さらに、ファンタイプ設計を採用することにより、アクチュエータ部材190の運動により供給される変位量は、レバーアームの長さa
    に対する弁プレート176の長さbの比、すなわち、中心プレート188へのアクチュエータ部材の端部部分の接続が、枢転点からオフセットされている距離と乗算される。 この比は、通常、1より大きいので、本発明のファンタイプ弁は、
    弁プレートがカバーおよびカバー除去できる開口のサイズを増加させることが可能である。

    【0095】 本発明のMEMSアクチュエータを含むMEMS構造は、かなりの力および変位を供給し、しかも電力消費量が比較的小さい。 前述のように、本発明のMEM
    Sアクチュエータの設計は、加熱器により発生される熱の上重なりの金属アーチ状ビームへの充分な伝達を実現し、これにより、金属アーチ状ビームはさらにアーチ状に湾曲される。 本発明のMEMSアクチュエータの充分な動作を利用するために、多数のMEMS装置、例えば様々なMEMSリレー、MEMSスイッチングアレイおよびMEMS弁も提供される。

    【0096】 前述の説明および関連図面を参考にして、当業者は本発明の多数の変更および他の実施例を想到することができる。 従って、本発明は開示されている特定の実施例に制限されず、変更および他の実施例は添付の請求の範囲内に含まれるものである。 特定の用語が、本明細書において採用されたが、これらの用語は、一般的かつ説明的な意味で使用され、制限を目的とするものではない。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 ビームをさらにアーチ状に湾曲させる加熱器を含む、本発明の1つの実施例のMEMSアクチュエータの上面図である。

    【図2】 破線は、曲がりくねった加熱器の複数の分岐を示し、それらの分岐のうちの2
    つの分岐が、説明のために示されている、2−2切断線に沿って切断して示す、
    図1のMEMSアクチュエータの横断面図である。

    【図3】 アクチュエータ部材に下重なりの加熱器を有する、本発明の別の1つの実施例のMEMSアクチュエータである。

    【図4】 4−4切断線に沿って切断して示す、図3のMEMSアクチュエータの横断面図である。

    【図5A〜5E】 本発明の1つの実施例のMEMSアクチュエータの製造の間に行われる操作を示す横断面図である。

    【図6A〜6F】 本発明の別の1つの実施例のMEMSアクチュエータの製造の間に行われる操作を示す横断面図である。

    【図7A】 MEMSリレーが、本発明の1つの実施例のMEMSアクチュエータを含む、
    開き位置におけるMEMSリレーの上面図、図7Bおよび7Cは、対応する横断面図である。

    【図9A〜9C】 MEMSリレーを開くおよび閉じるために行われるシーケンス的操作を示す、
    本発明の別の1つの実施例のMEMSアクチュエータを含むMEMSリレーの上面図である。

    【図10】 過電圧保護を提供する第1および第2のフィールド強化構造を含む、本発明の1つの実施例のMEMSリレーの一部の上面図である。

    【図11】 ラッチ手段およびリセット手段を含む、本発明の別の1つの実施例のMEMS
    リレーの上面図である。

    【図12】 本発明の別の1つの好ましい実施例のMEMSリレーの上面図である。

    【図13】 本発明のさらに別の1つの好ましい実施例のMEMSリレーの上面図である。

    【図14】 ラッチ手段の1つの好ましい実施例を示す、図13のMEMSリレーの一部の拡大平面図である。

    【図15】 本発明の1つの好ましい実施例の開き位置における4×4スイッチングアレイの上面図である。

    【図16】 第1および第2のアクチュエータのアクチュエータ部材が互いに交差するのを可能にする1つの技術を示す、図15のスイッチングアレイの一部の拡大斜視図である。

    【図17】 電気的コンタクトが、第1の行と第3の列との間に形成されている、図15のスイッチングアレイの上面図である。

    【図18】 本発明の1つの実施例のMEMS弁の上面図である。

    【図19】 それぞれ、開き位置および閉じ位置における19−19切断線に沿って切断して示す、図18の横断面図である。

    【図20】 本発明の別の1つの好ましい実施例の、通常は開いているファンタイプMEM
    S弁の上面図である。

    【図21】 本発明の別の1つの好ましい実施例の、通常は閉じているファンタイプMEM
    S弁の上面図である。

    【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書

    【提出日】平成12年3月24日(2000.3.24)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】図5E

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図5E】

    【手続補正2】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】図6C

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図6C】

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01H 65/00 H01H 65/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 マハデヴァン,ラマスワミ アメリカ合衆国ノースカロライナ州27514, チャペル・ヒル,ルクレール・ストリート 1310 Fターム(参考) 5K073 CC00

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