Electrical circuit breaker of the vehicle

申请号 JP2010101347 申请日 2010-04-26 公开(公告)号 JP5359982B2 公开(公告)日 2013-12-04
申请人 豊田合成株式会社; 发明人 滋幸 鈴木; 岳樹 福山; 利則 棚瀬;
摘要 An electric circuit breaker apparatus is used in a vehicle including an electric circuit having a converter and a storage battery. The electric circuit breaker apparatus interrupts power supply from the storage battery to the converter when a collision of the vehicle is detected. The electric circuit breaker apparatus includes a power supply circuit breaker driven by a low explosive type actuator, which is actuated when a collision of the vehicle is detected. Actuation of the power supply circuit breaker interrupts a power supply path connecting a positive terminal of the storage battery to the converter and grounds a portion of the power supply path closer to the converter than the interrupted portion.
权利要求
  • 電気機器と同電気機器に電力を供給する蓄電池とを有する電気回路が設けられた車両に適用され、同車両の衝突が検知されたときに前記蓄電池から前記電気機器への電力供給を遮断する電気回路遮断装置において、
    前記衝突が検知されたときに作動する火薬式アクチュエータにより駆動されて、前記電気回路における前記蓄電池の正極と前記電気機器とを繋ぐ電力供給経路を切断するとともに前記電力供給経路における前記切断した部分より前記電気機器側の部分を接地する給電回路遮断器を備える ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 請求項1に記載の車両の電気回路遮断装置において、
    前記アクチュエータはその作動に際して移動する移動部材を有してなり、
    前記給電回路遮断器は、前記移動部材の移動を通じて、前記電力供給経路の切断と前記電気機器側の部分の接地とを共に行うものである ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 請求項2に記載の車両の電気回路遮断装置において、
    前記給電回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された接点であって前記電気機器に接続された電気機器側接点と接地部位に接続された電気機器接地接点とを有してなり、
    前記移動部材は、導電材料により形成されて、前記アクチュエータの作動によって前記電気機器接地接点および前記電気機器側接点に接触する位置に移動するものである ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 請求項2に記載の車両の電気回路遮断装置において、
    前記給電回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された接点であって前記蓄電池の正極に接続された蓄電池側接点と前記電気機器に接続された電気機器側接点とを有してなり、
    前記移動部材は、導電材料により形成されて、前記アクチュエータの作動前において前記蓄電池側接点および前記電気機器側接点に接触する位置に配設されるものである ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 請求項2に記載の車両の電気回路遮断装置において、
    前記給電回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された接点であって、前記蓄電池の正極に接続された蓄電池側接点と前記電気機器に接続された電気機器側接点と接地部位に接続された電気機器接地接点とを有してなり、
    前記移動部材は、導電材料により形成されて、前記アクチュエータの作動前には前記電気機器接地接点と接触しない位置であり且つ前記蓄電池側接点および前記電気機器側接点に接触する位置に配設されるものであり、前記アクチュエータの作動後には前記蓄電池側接点と接触しない位置であり且つ前記電気機器接地接点および前記電気機器側接点に接触する位置に移動するものである ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 請求項3または5に記載の車両の電気回路遮断装置において、
    前記移動部材の移動方向前側の部分の外面形状と前記移動部材の移動後において同移動部材の移動方向前側の部分が接触する部分の内面形状とが共に、前記移動方向前側に向かうほど先細の形状に形成されてなる ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 請求項4または5に記載の車両の電気回路遮断装置において、
    前記移動部材は、前記アクチュエータの作動前において前記蓄電池側接点と前記電気機器側接点との間に挟持されてなる ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の車両の電気回路遮断装置において、
    前記車両は、前記電気機器として、車軸による回転軸の強制回転によって電力を発生する発電機能を有する回転機と同回転機の作動を制御する制御機器とが設けられてなり、
    前記電気回路遮断装置は、前記衝突が検知されたときに作動する火薬式アクチュエータにより駆動されて、前記電気回路における前記回転機と前記制御機器とを繋ぐ回転機経路を切断するとともに前記回転機経路における前記切断した部分より前記制御機器側の部分を接地する回転機回路遮断器をさらに備える ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 請求項8に記載の車両の電気回路遮断装置において、
    前記回転機回路遮断器は、同回転機回路遮断器の駆動に用いられる前記アクチュエータの作動に際して移動する可動部材によって、前記回転機経路の切断と前記制御機器側の部分の接地とを共に行うものである ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 請求項9に記載の車両の電気回路遮断装置において、
    前記回転機回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された接点であって前記制御機器に接続された制御機器側接点と接地部位に接続された制御機器接地接点とを有してなり、
    前記可動部材は、導電材料により形成されて、前記回転機回路遮断器の駆動に用いられる前記アクチュエータの作動によって前記制御機器接地接点および前記制御機器側接点に接触する位置に移動するものである ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 請求項9に記載の車両の電気回路遮断装置において、
    前記給電回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された接点であって前記回転機に接続された回転機側接点と前記制御機器に接続された制御機器側接点とを有してなり、
    前記可動部材は、導電材料により形成されて、前記回転機回路遮断器の駆動に用いられる前記アクチュエータの作動前において前記回転機側接点および前記制御機器側接点に接触する位置に配設されるものである ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 請求項9に記載の車両の電気回路遮断装置において、
    前記給電回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された接点であって、前記回転機に接続された回転機側接点と前記制御機器に接続された制御機器側接点と接地部位に接続された制御機器接地接点とを有してなり、
    前記可動部材は、導電材料により形成されて、前記回転機回路遮断器の駆動に用いられる前記アクチュエータの作動前には前記制御機器接地接点と接触しない位置であり且つ前記回転機側接点および前記制御機器側接点に接触する位置に配設されるものであり、前記回転機回路遮断器の駆動に用いられる前記アクチュエータの作動後には前記回転機側接点と接触しない位置であり且つ前記制御機器接地接点および前記制御機器側接点に接触する位置に移動するものである ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 請求項8〜12のいずれか一項に記載の車両の電気回路遮断装置において、
    前記回転機は、車両走行用の回転トルクを発生するトルク発生機能を有するものである ことを特徴とする車両の電気回路遮断装置。
  • 说明书全文

    本発明は、自動車などの車両に設けられた電気回路を遮断するための電気回路遮断装置に関するものである。

    通常、車両には、ヘッドライトなどの灯火類やワイパー駆動用の電動機などといった各種の電気機器と蓄電池とが設けられている。 そして、それら電気機器は蓄電池からの電供給によって作動するようになっている。

    こうした車両では、衝突などによってダメージを受けた場合に、各種の電気機器や蓄電池により構成された電気回路からの漏電を招くおそれがある。 近年、車両の多機能化が進んでおり、これによる車載電気機器の増加によって蓄電池の大型化が進んでいるために、そうした漏電による電気機器の故障などといった悪影響が無視できなくなってきている。

    そのため従来、例えば特許文献1に記載の装置のように、車両の衝突に際して蓄電池と電気機器との接続を遮断することが提案されている。 この装置では、蓄電池と電気機器との間にヒューズが設けられており、車両衝突時においてヒューズに強制的に大電流を流すことによって同ヒューズが溶断されるようになっている。 これにより、蓄電池から電気機器への電力供給が遮断されて、電気回路からの漏電が抑えられる。

    実開昭56−357号公報

    上記装置では、電気回路におけるヒューズによって遮断された部分より電気機器側の部分には電力が供給されなくなるために、そうした電気機器側の部分からの漏電については的確に抑えられるようになる。

    ここで、電気機器としては、コンデンサを備えたものなどのように作動時(詳しくは、電力が供給されているとき)において電荷を蓄えるタイプのものがある。 そうした電気機器が設けられた車両では、衝突に際して蓄電池と電気機器との接続を遮断したところで、その遮断した部分より電気機器側の部分の電位が同電気機器に蓄えられていた電荷によって不要に高い状態で保持されるおそれがあり、こうした状況は好ましくない。

    本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両衝突後において電気回路の一部が不要に高い電位のままで保持されることを抑えることのできる車両の電気回路遮断装置を提供することにある。

    以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
    請求項1に記載の発明は、電気機器と同電気機器に電力を供給する蓄電池とを有する電気回路が設けられた車両に適用され、同車両の衝突が検知されたときに前記蓄電池から前記電気機器への電力供給を遮断する電気回路遮断装置において、前記衝突が検知されたときに作動する火薬式アクチュエータにより駆動されて、前記電気回路における前記蓄電池の正極と前記電気機器とを繋ぐ電力供給経路を切断するとともに前記電力供給経路における前記切断した部分より前記電気機器側の部分を接地する給電回路遮断器を備えることをその要旨とする。

    上記構成によれば、車両の衝突が検知されたときに、火薬式アクチュエータの作動によって給電回路遮断器が駆動されて電力供給経路が切断されるために、同電力供給経路において切断された部分より電気機器側の部分の電位が蓄電池からの供給電力によって高い状態のまま維持されることを回避することができる。 しかも、そうした電力供給経路の切断に併せて、同経路における切断部分より電気機器側の部分が接地されるために、電気機器に電荷が蓄えられていた場合であっても、その電荷によって電気機器側の部分の電位が高い状態のまま維持されることを抑えることができる。 したがって、車両衝突後において、電力供給経路における切断部分より電気機器側の部分が不要に高い電位のままで保持されることを抑えることができる。

    なお上記構成は、電力供給経路の切断と同経路の切断部分の接地とを、共通の回路遮断器およびアクチュエータによって行うものの他、各別のアクチュエータによって行うものや各別の回路遮断器によって行うものを含む。

    請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の電気回路遮断装置において、前記アクチュエータはその作動に際して移動する移動部材を有してなり、前記給電回路遮断器は、前記移動部材の移動を通じて、前記電力供給経路の切断と前記電気機器側の部分の接地とを共に行うものであることをその要旨とする。

    上記構成によれば、電力供給経路の切断と同経路の切断部分の接地とを一つのアクチュエータの作動を通じて行うことができる。 そのため、経路切断用のアクチュエータと経路接地用のアクチュエータとが各別に設けられる装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両の電気回路遮断装置において、前記給電回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された接点であって前記電気機器に接続された電気機器側接点と接地部位に接続された電気機器接地接点とを有してなり、前記移動部材は、導電材料により形成されて、前記アクチュエータの作動によって前記電気機器接地接点および前記電気機器側接点に接触する位置に移動するものであることをその要旨とする。

    上記構成によれば、アクチュエータの作動後において、同アクチュエータの移動部材を電気機器側接点と電気機器接地接点とを接続するための接続部材として用いることができる。 そのため、移動部材と接続部材とが別体に形成される装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の車両の電気回路遮断装置において、前記給電回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された接点であって前記蓄電池の正極に接続された蓄電池側接点と前記電気機器に接続された電気機器側接点とを有してなり、前記移動部材は、導電材料により形成されて、前記アクチュエータの作動前において前記蓄電池側接点および前記電気機器側接点に接触する位置に配設されるものであることをその要旨とする。

    上記構成によれば、アクチュエータの作動前において同アクチュエータの移動部材が蓄電池側接点と電気機器側接点とを接続するための接続部材、すなわち電力供給経路の一部として用いられるために、電力供給経路とは別に移動部材が形成される装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の車両の電気回路遮断装置において、前記給電回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された接点であって、前記蓄電池の正極に接続された蓄電池側接点と前記電気機器に接続された電気機器側接点と接地部位に接続された電気機器接地接点とを有してなり、前記移動部材は、導電材料により形成されて、前記アクチュエータの作動前には前記電気機器接地接点と接触しない位置であり且つ前記蓄電池側接点および前記電気機器側接点に接触する位置に配設されるものであり、前記アクチュエータの作動後には前記蓄電池側接点と接触しない位置であり且つ前記電気機器接地接点および前記電気機器側接点に接触する位置に移動するものであることをその要旨とする。

    上記構成によれば、アクチュエータの移動部材を、同アクチュエータの作動前においては蓄電池側接点と電気機器側接点とを接続するための接続部材、すなわち電力供給経路の一部として用いることができ、アクチュエータの作動後においては電気機器側接点と電気機器接地接点とを接続するための接続部材として用いることができる。 そのため、移動部材と接続部材とが別体に形成される装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    請求項6に記載の発明は、請求項3または5に記載の車両の電気回路遮断装置において、前記移動部材の移動方向前側の部分の外面形状と前記移動部材の移動後において同移動部材の移動方向前側の部分が接触する部分の内面形状とが共に、前記移動方向前側に向かうほど先細の形状に形成されてなることをその要旨とする。

    上記構成によれば、アクチュエータの作動後における移動部材と同移動部材が接触する部分との接触面圧を高くすることができ、電気機器側接点と電気機器接地接点とを確実に接続することができるようになる。

    請求項7に記載の発明は、請求項4または5に記載の車両の電気回路遮断装置において、前記移動部材は、前記アクチュエータの作動前において前記蓄電池側接点と前記電気機器側接点との間に挟持されてなることをその要旨とする。

    上記構成によれば、アクチュエータの作動前において、移動部材により蓄電池側接点と電気機器側接点とを接続することができる。
    請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の車両の電気回路遮断装置において、前記車両は、前記電気機器として、車軸による回転軸の強制回転によって電力を発生する発電機能を有する回転機と同回転機の作動を制御する制御機器とが設けられてなり、前記電気回路遮断装置は、前記衝突が検知されたときに作動する火薬式アクチュエータにより駆動されて、前記電気回路における前記回転機と前記制御機器とを繋ぐ回転機経路を切断するとともに前記回転機経路における前記切断した部分より前記制御機器側の部分を接地する回転機回路遮断器をさらに備えることをその要旨とする。

    車軸による回転軸の強制回転によって電力を発生するタイプの回転機が搭載された車両では、衝突後の牽引に際して車軸が強制回転されることがあると、回転機による発電が行われて電気回路の電位が高くなる可能性がある。

    上記構成によれば、車両が衝突した場合に回転機経路が切断されるために、その後に車両が牽引されて回転機による発電が行われた場合であっても、発電された電力が制御機器に供給されなくなる。 そのため、回転機経路における切断部分より制御機器側の部分の電位が回転機の発電電力によって高くなることを抑えることができる。 しかも、そうした回転機経路の切断に併せて、同経路における切断部分より制御機器側の部分が接地されるために、制御機器に電荷が蓄えられていた場合であっても、その電荷によって制御機器側の部分の電位が高い状態のまま維持されることを抑えることができる。 したがって、車両衝突後において、回転機経路における切断部分より電気機器側の部分が不要に高い電位のままで保持されることを抑えることができる。

    なお上記構成は、回転機経路の切断と同経路の切断部分の接地とを、共通の回路遮断器およびアクチュエータによって行うものの他、各別のアクチュエータによって行うものや各別の回路遮断器によって行うものを含む。

    請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の車両の電気回路遮断装置において、前記回転機回路遮断器は、同回転機回路遮断器の駆動に用いられる前記アクチュエータの作動に際して移動する可動部材によって、前記回転機経路の切断と前記制御機器側の部分の接地とを共に行うものであることをその要旨とする。

    上記構成によれば、回転機経路の切断と同経路の切断部分の接地とを一つのアクチュエータの作動、詳しくはその可動部材の移動を通じて行うことができる。 そのため、回転機経路の切断に用いるアクチュエータと回転機経路の接地に用いるアクチュエータとが各別に設けられる装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の車両の電気回路遮断装置において、前記回転機回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された接点であって前記制御機器に接続された制御機器側接点と接地部位に接続された制御機器接地接点とを有してなり、前記可動部材は、導電材料により形成されて、前記回転機回路遮断器の駆動に用いられる前記アクチュエータの作動によって前記制御機器接地接点および前記制御機器側接点に接触する位置に移動するものであることをその要旨とする。

    上記構成によれば、回転機回路遮断器の駆動に用いられるアクチュエータの作動後において、同アクチュエータの可動部材を制御機器側接点と回転機接地接点とを接続するための接続部材として用いることができる。 そのため、可動部材と接続部材とが別体に形成される装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の車両の電気回路遮断装置において、前記給電回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された接点であって前記回転機に接続された回転機側接点と前記制御機器に接続された制御機器側接点とを有してなり、前記可動部材は、導電材料により形成されて、前記回転機回路遮断器の駆動に用いられる前記アクチュエータの作動前において前記回転機側接点および前記制御機器側接点に接触する位置に配設されるものであることをその要旨とする。

    上記構成によれば、回転機回路遮断器の駆動に用いられるアクチュエータの作動前において、同アクチュエータの可動部材が回転機側接点と制御機器側接点とを接続するための接続部材、すなわち回転機経路の一部として用いられるために、回転機経路とは別に可動部材が形成される装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    請求項12に記載の発明は、請求項9に記載の車両の電気回路遮断装置において、前記給電回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された接点であって、前記回転機に接続された回転機側接点と前記制御機器に接続された制御機器側接点と接地部位に接続された制御機器接地接点とを有してなり、前記可動部材は、導電材料により形成されて、前記回転機回路遮断器の駆動に用いられる前記アクチュエータの作動前には前記制御機器接地接点と接触しない位置であり且つ前記回転機側接点および前記制御機器側接点に接触する位置に配設されるものであり、前記回転機回路遮断器の駆動に用いられる前記アクチュエータの作動後には前記回転機側接点と接触しない位置であり且つ前記制御機器接地接点および前記制御機器側接点に接触する位置に移動するものであることをその要旨とする。

    上記構成によれば、回転機回路遮断器の駆動に用いられるアクチュエータの可動部材を、同アクチュエータの作動前においては回転機側接点と制御機器側接点とを接続するための接続部材(すなわち回転機経路の一部)として用いることができ、アクチュエータの作動後においては制御機器側接点と制御機器接地接点とを接続するための接続部材として用いることができる。 そのため、可動部材とそれら接続部材とが別体に形成される装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    請求項13に記載の発明は、請求項8〜12のいずれか一項に記載の車両の電気回路遮断装置において、前記回転機は、車両走行用の回転トルクを発生するトルク発生機能を有するものであることをその要旨とする。

    車両走行用の回転トルクを発生するトルク発生機能を有する回転機が搭載された車両では、同回転機として大型のものが採用されることが多く、同回転機の作動を制御する制御機器としても大型のものが採用されることが多い。 そのため、制御機器に電荷が蓄えられる場合においてその備蓄量が多くなり易く、電気回路の一部の不要な高電位化を招き易いとえる。

    この点、上記構成によれば、そうしたトルク発生機能を有する回転機が搭載された車両において電気回路の一部が不要に高電位になることを好適に抑えることができる。

    本発明によれば、車両衝突後において電気回路の一部が不要に高い電位のままで保持されることを抑えることができる。

    本発明を具体化した第1の実施の形態にかかる電気回路遮断装置が適用される車両の概略構成を示す略図。

    [a]および[b]第1の実施の形態にかかる回路遮断器の内部構造を示す断面図。

    [a]および[b]第2の実施の形態にかかる回路遮断器の内部構造を示す断面図。

    [a]および[b]第3の実施の形態にかかる回路遮断器の内部構造を示す断面図。

    (第1の実施の形態)
    以下、本発明にかかる車両の電気回路遮断装置を具体化した第1の実施の形態について説明する。

    図1に、本実施の形態にかかる電気回路遮断装置が適用される車両の概略構成を示す。
    図1に示すように、車両10には駆動源としての内燃機関11が搭載されている。 内燃機関11の出力軸11aは、ジェネレータ12や、モータ13、動力分割機構14などを介して車軸15に接続されており、同車軸15には駆動輪16が連結されている。 ジェネレータ12は主に内燃機関11の出力軸11aによる強制回転によって発電を行う発電機として機能し、モータ13は主に車軸15に付与するトルクを発生する電動機として機能する。 なお、これらジェネレータ12やモータ13としては三相交流式の回転機が採用されている。 上記動力分割機構14は、内燃機関11の出力軸11aの回転トルクを、ジェネレータ12の回転軸12aを駆動するためのトルクと車軸15を駆動するためのトルクとに分割する。

    車両10には、ジェネレータ12に接続されて同ジェネレータ12の作動を制御する第1インバータ17とモータ13に接続されて同モータ13の作動を制御する第2インバータ18とが設けられている。 本実施の形態では、第1インバータ17および第2インバータ18が回転機の作動を制御する制御機器として機能する。 第1インバータ17および第2インバータ18は共に、六つのスイッチング素子により構成される三相ブリッジ回路を内蔵しており、コンバータ19を介して蓄電池20に接続されている。 このコンバータ19の作動制御を通じて、蓄電池20から各インバータ17,18への供給電圧や各インバータ17,18から蓄電池20への充電電圧が調節される。

    車両10には、例えばマイクロコンピュータを中心に構成される電子制御装置21が設けられている。 この電子制御装置21には、各種のセンサの出力信号が取り込まれている。 各種センサとしては、例えばアクセルペダル(図示略)の踏み込み量を検出するためのアクセルセンサ22や、ブレーキペダル(図示略)の踏み込みの有無を検出するためのブレーキセンサ23、車両10の走行速度を検出するための速度センサ24、車両10の衝突の有無を検出するための衝突センサ25などが設けられている。

    電子制御装置21は、それらセンサの出力信号を取り込むとともにそれら信号に基づき各種の演算を行い、その演算結果に基づいて内燃機関11の作動制御や各インバータ17,18の作動制御など、車両10の運転にかかる各種制御を実行する。

    そうした各種制御は、基本的には、以下のような考えのもとに実行される。
    例えば車両10の発進時や軽負荷走行時など、仮に内燃機関11の発生トルクによって車両10を走行させた場合における内燃機関11の運転効率が低くなる状況においては、蓄電池20からの電力供給によってモータ13が駆動され、同モータ13の発生トルクによって車両10が走行するようになる。

    一方、車両10の定常走行時など、高効率での内燃機関11の運転が可能な状況においては、内燃機関11が運転されて同内燃機関11の発生トルクによって車両10が走行するようになる。 また、このとき内燃機関11の出力軸11aによるジェネレータ12の回転軸12aの強制回転を通じて同ジェネレータ12による発電が行われるとともにその発生電力によってモータ13が駆動されて、同モータ13の発生トルクが車両10の走行に利用される。

    他方、車両10の加速走行時など、車両走行のために大トルクが要求される状況においては、内燃機関11が運転されるとともに蓄電池20からの電力供給によってモータ13が駆動されて、それら内燃機関11およびモータ13の発生トルクによって車両10が走行するようになる。

    また車両10の減速走行時においては、車軸15によってモータ13の回転軸13aを強制回転させることによって同モータ13を発電機として機能させて、モータ13に車軸15の回転を制動する制動力を発生させるとともに、その発電電力を蓄電池20に充電する。

    なお、蓄電池20の電力残量が少ないときには、内燃機関11の出力軸11aによるジェネレータ12の回転軸12aの強制回転を通じて同ジェネレータ12による発電が行われるとともに、その発電電力による蓄電池20の充電が行われる。

    また、内燃機関11の始動時においては、蓄電池20からの電力供給によってジェネレータ12が駆動されて、同内燃機関11の出力軸11aに始動のための補助トルクが付与される。

    このように本実施の形態では、ジェネレータ12およびモータ13として共に、回転軸の強制回転によって電力を発生する発電機能と蓄電池20からの電力供給によって回転トルクを発生するトルク発生機能とを有する回転機が採用されている。

    ところで上記車両10では、同車両10が衝突などによってダメージを受けた場合に、モータ13やジェネレータ12、各インバータ17,18、コンバータ19、蓄電池20などによって構成された電気回路からの漏電を招くおそれがある。

    そのため本実施の形態では、そうした漏電を抑えるために、車両10の衝突に際して蓄電池20の正極と各インバータ17,18とを繋ぐ電力供給経路(詳しくは、蓄電池20の正極とコンバータ19とを接続する給電ケーブル26)を切断するための給電回路遮断器27が設けられている。 そして、衝突センサ25の出力信号をもとに車両10の衝突が検知されたときに給電回路遮断器27を作動させることにより、上記電力供給経路が切断されて蓄電池20から各種の電気機器への電力供給が遮断される。

    ここでコンバータ19はコンデンサ(具体的には、入力電圧の変動を抑えるためのいわゆる平滑コンデンサ)を内蔵しているために、その作動時(詳しくは、電力供給時)において内蔵コンデンサに電荷が蓄えられる。 そのため、単に給電回路遮断器27を作動させて蓄電池20からコンバータ19への電力供給を停止させたところで、電気回路における給電回路遮断器27よりコンバータ19側の部分の電位が同コンバータ19に蓄えられていた電荷によって不要に高い状態になってしまうおそれがある。

    この点をふまえて本実施の形態では、給電回路遮断器27として、その作動時において電力供給経路を切断することに加えて、同経路における切断部分よりコンバータ19側の部分を接地させる構造のものが採用されている。 なお、給電回路遮断器27は、車両10の衝突が検知されたときに作動する火薬式アクチュエータを内蔵しており、同アクチュエータの作動を通じて駆動されるようになっている。

    こうした給電回路遮断器27を設けることにより、次のような作用が得られるようになる。 車両10の衝突が検知されたときに電力供給経路が切断されるために、同経路において切断された部分よりコンバータ19側の部分の電位が蓄電池20からの供給電力によって高い状態のまま維持されることが回避される。 しかも、そうした電力供給経路の切断に併せて、同経路における切断部分よりコンバータ19側の部分が接地される。 詳しくは、電力供給経路における切断部分よりコンバータ19側の部分が抵抗器(図示略)を介して電気回路のグラウンド(具体的には、蓄電池20の負極に接続される部位であり且つ該負極とほぼ同じ電位になる部位)に接続される。 これにより、コンバータ19のコンデンサに並列に抵抗器が接続された放電用の回路が形成されるため、コンバータ19に電荷が蓄えられていた場合であっても、その電荷を放電用の回路を通じて放電させることができ、コンバータ19側の部分の電位が高い状態のまま維持されることが抑えられる。 したがって、車両10の衝突後において、電力供給経路における切断部分よりコンバータ19側の部分が不要に高い電位のままで保持されることが抑えられるようになる。

    なお、蓄電池20からの電力供給によって高電位になる部分を少なくするためには、給電回路遮断器27を蓄電池20に近い位置に取り付けることが望ましい。
    以下、給電回路遮断器27の具体構造について説明する。

    図2に給電回路遮断器27として用いられる回路遮断器の内部構造を示す。 なお図2[a]はアクチュエータの作動前における回路遮断器の内部構造を示しており、図2[b]はアクチュエータの作動後における回路遮断器の内部構造を示している。

    図2[a]および[b]に示すように、回路遮断器のケース41の内部には略円柱形状のスペース(シリンダ部42)が形成されている。
    回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された端子であって、上記シリンダ部42の内部とケース41の外部とを接続するための三つの端子(第1端子43、第2端子44、第3端子45)を備えている。

    第1端子43の一部(蓄電池側接点として機能する第1接点43a)と第2端子44の一部(電気機器側接点として機能する第2接点44a)とはそれぞれ、上記シリンダ部42の内面にあって同シリンダ部42の軸線方向(図2[a]中に矢印Aで示す方向)における中間位置において露出するように配設されている。 また第3端子45は、その一部(電気機器接地接点として機能する第3接点45a)が上記シリンダ部42の内面にあって同シリンダ部42の軸線方向における一方側の端部(頂部42a)において露出するように配設されている。 さらに第2端子44は、その第2接点44aの上記頂部42a側の端部が、第1端子43の第1接点43aの上記頂部42a側の端部より若干量(図2[a]中に「B」で示す量)だけ頂部42a側にまで延びる形状に形成されている。 そして、第1端子43は蓄電池20の正極に接続され、第2端子44はコンバータ19に接続され、第3端子45は抵抗器(図示略)を介して接地部位(具体的には、前記電気回路のグラウンド)に接続される。

    さらに、上記回路遮断器は火薬式のアクチュエータ46を内蔵しており、このアクチュエータ46は、略円柱形状に形成されてシリンダ部42の内部に配設された作動部47と前記電子制御装置21からの信号入力による火薬の着火燃焼によって燃焼ガスを発生させるガス発生部48とを備えている。 ガス発生部48は、シリンダ部42内の軸線方向における一方側の端部(底部42b)と上記作動部47との間に配設されるように、同底部42bに取り付けられている。 そして、上記ガス発生部48において火薬が着火燃焼すると、これに伴い発生する燃焼ガスによって作動部47が押圧されることにより、同作動部47がシリンダ部42内部を底部42bから頂部42aに向けて移動するようになる。 こうした火薬式アクチュエータは一般に、迅速な駆動が可能であり、安価であり、且つ動作信頼性が高い。 本実施の形態では、そうした火薬式のアクチュエータ46を用いて回路遮断器が駆動される。 なお本実施の形態では作動部47が移動部材および可動部材として機能する。

    以下、上記給電回路遮断器27(図1参照)の動作態様について説明する。
    図2[a]に示すように、アクチュエータ46の作動前においては、上記作動部47が第3接点45aと接触しない位置であり、且つ第1接点43aおよび第2接点44aに接触する位置、詳しくは第1接点43aと第2接点44aとの間に挟持される位置に配設されている。 また作動部47は導電材料(例えば鉄系材料などの電気伝導率が高い材料)により形成されている。 そのため、この回路遮断器ではアクチュエータ46の作動前において、作動部47により、各接点のうちの第1接点43aと第2接点44aとが選択的に接続される。 しかも、その接続に際して、アクチュエータ46の作動部47が第1接点43aと第2接点44aとを接続するための接続部材として、すなわち蓄電池20の正極とコンバータ19などの電気機器とを繋ぐ電力供給経路の一部として用いられる。

    一方、図2[b]に示すように、アクチュエータ46が作動すると、上記作動部47が第1接点43aと接触しない位置であり、且つ第2接点44aおよび第3接点45aに接触する位置まで移動するようになる。 具体的には、アクチュエータ46が作動すると先ず、その作動部47が、第2接点44aとの接触を維持した状態で底部42b側から頂部42a側に向けて移動することによって第1接点43aと第2接点との間から外れて同第1接点43aから離間するようになる。 さらに、その後において作動部47は第2接点44aとの接触を維持した状態のままで第3接点45aに接触する位置まで移動するようになる。

    ここで上記回路遮断器は、その作動部47の移動方向前側(頂部42a側)の部分の外面形状が移動方向前側に向かうほど先細のテーパ形状に形成されている。 また第3接点45aは略円筒形状に形成されており、同第3接点45aの内面形状についても同様に、上記作動部47の移動方向前側に向かうほど先細のテーパ形状に形成されている。 そのため、アクチュエータ46の作動によって作動部47が移動して同作動部47の移動方向前側の部分が第3接点45aの内部に嵌り込んだ後、すなわちアクチュエータ46の作動後における作動部47と第3接点45aとの接触面圧が高くなり、同作動部47を介した第2接点44aと第3接点45aとの接続が確実なものとなる。

    このように上記回路遮断器では、アクチュエータ46の作動後において、その作動部47により、各接点のうちの第2接点44aと第3接点45aとが選択的に接続されるようになる。 しかも、その接続に際してアクチュエータ46の作動部47が第2接点44aと第3接点45aとを接続するための接続部材として、言い換えればコンバータ19と接地部位とを接続するための接続部材として用いられる。

    こうした回路遮断器を給電回路遮断器27として配設することにより、そのアクチュエータ46の作動による作動部47の移動を通じて、蓄電池20の正極からコンバータ19などの電気機器への電力供給を行う電力供給経路の切断と、同経路における切断部分よりコンバータ19側の部分の接地とが共に行われるようになる。 そのため、電力供給経路の切断と同経路の切断部分の接地とを一つのアクチュエータ46の作動を通じて行うことができる。 そのため、経路切断用のアクチュエータと経路接地用のアクチュエータとが各別に設けられる装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    また、アクチュエータ46の作動部47を、同アクチュエータ46の作動前においては第1接点43aと第2接点44aとを接続するための接続部材、すなわち電力供給経路の一部として用いることができ、アクチュエータ46の作動後においてはコンバータ19と接地部位とを接続するための接続部材として用いることができる。 そのため、それら接続部材と作動部47とが別体に形成される装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    ところで上記車両10(図1)では、ジェネレータ12やモータ13として、回転軸の強制回転によって電力を発生させる発電機能を有するものが採用されている。 そのため、車両10の衝突後における同車両10の牽引によって車軸15ともどもジェネレータ12の回転軸12aやモータ13の回転軸13aが強制回転されることがあると、ジェネレータ12やモータ13による発電が行われて前記電気回路の電位が不要に高くなってしまう可能性がある。 しかも、モータ13が車両走行用の回転トルクを発生する回転機として用いられるために、同モータ13として比較的大型のものが採用されており、またその作動を制御する第2インバータ18としても比較的大型のものが採用されている。 そのため、作動時において第2インバータ18に蓄えられる電荷が多くなり易く、電気回路の一部の不要な高電位化を招き易いと云える。

    この点をふまえて本実施の形態では、ジェネレータ12と第1インバータ17とを繋ぐ三本のジェネレータケーブル28にそれぞれ、車両10の衝突に際して同ジェネレータケーブル28を切断するためのジェネレータ回路遮断器29が設けられている。 そして、衝突センサ25の出力信号をもとに車両10の衝突が検知されたときに各ジェネレータ回路遮断器29を作動させることにより、ジェネレータ12と第1インバータ17とを繋ぐジェネレータ経路(具体的には、ジェネレータケーブル28)が切断されて、ジェネレータ12によって発電された電力の第1インバータ17への供給が遮断される。 また、上記ジェネレータ回路遮断器29として、その作動時においてジェネレータ経路を切断することに加えて、同経路における切断部分より第1インバータ17側の部分を接地させる構造のものが採用されている。 本実施の形態では、このジェネレータ回路遮断器29が回転機回路遮断器として機能する。

    このジェネレータ回路遮断器29としては、上記給電回路遮断器27として用いられる回路遮断器(図2[a]および[b])と同一のものが採用されている。 そして、ジェネレータ回路遮断器29として用いられる回路遮断器の第1接点43aはジェネレータ12に接続され、第2接点44aは第1インバータ17に接続され、第3接点45aは抵抗器(図示略)を介して接地部位(詳しくは、前記電気回路のグラウンド[蓄電池20の負極に接続される部位であり且つ該負極とほぼ同じ電位になる部位])に接続される。 本実施の形態では、この回路遮断器の第1接点43aが回転機側接点として機能し、第2接点44aが制御機器側接点として機能し、第3接点45aが回転機接地接点として機能する。

    このジェネレータ回路遮断器29(図1参照)では、アクチュエータ46の作動部47が、同アクチュエータ46の作動前においてはジェネレータ12と第1インバータ17とを繋ぐジェネレータ経路の一部として用いられる一方(図2[a])、アクチュエータ46の作動後においては第1インバータ17と接地部位とを接続するための接続部材として用いられる(図2[b])。

    また、ジェネレータ回路遮断器29として配設される回路遮断器のアクチュエータ46の作動による作動部47の移動を通じて、ジェネレータ経路の切断と、同経路における切断部分より第1インバータ17側の部分の接地とが共に行われるようになる。 そのため、ジェネレータ経路の切断と同経路の切断部分の接地とを一つのアクチュエータ46の作動を通じて行うことができ、経路切断用のアクチュエータと経路接地用のアクチュエータとが各別に設けられる装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。 しかも、アクチュエータ46の作動部47を、同アクチュエータ46の作動前においてはジェネレータ経路の一部として用いることができ、アクチュエータ46の作動後においては第1インバータ17と接地部位とを接続するための接続部材として用いることができる。 そのため、それら接続部材と作動部47とが別体に形成される装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    また本実施の形態では、モータ13(図1)と第2インバータ18とを繋ぐ三本のモータケーブル30にそれぞれ、車両10の衝突に際して同モータケーブル30を切断するためのモータ回路遮断器31が設けられている。 そして、衝突センサ25の出力信号をもとに車両10の衝突が検知されたときに各モータ回路遮断器31を作動させることにより、モータ13と第2インバータ18とを繋ぐモータ経路(具体的には、モータケーブル30)が切断されて、モータ13によって発電された電力の第2インバータ18への供給が遮断される。 また、上記モータ回路遮断器31として、その作動時においてモータ経路を切断することに加えて、同経路における切断部分より第2インバータ18側の部分を接地させる構造のものが採用されている。 本実施の形態では、モータ回路遮断器31が回転機回路遮断器として機能する。

    このモータ回路遮断器31としては、上記給電回路遮断器27やジェネレータ回路遮断器29として用いられる回路遮断器(図2[a]および[b])と同一のものが採用されている。 そして、モータ回路遮断器31として用いられる回路遮断器の第1接点43aはモータ13に接続され、第2接点44aは第2インバータ18に接続され、第3接点45aは抵抗器(図示略)を介して接地部位(詳しくは、前記電気回路のグラウンド[蓄電池20の負極に接続される部位であり且つ該負極とほぼ同じ電位になる部位])に接続される。 本実施の形態では、この回路遮断器の第1接点43aが回転機側接点として機能し、第2接点44aが制御機器側接点として機能し、第3接点45aが回転機接地接点として機能する。

    このモータ回路遮断器31(図1参照)では、アクチュエータ46の作動部47が、同アクチュエータ46の作動前においてはモータ13と第2インバータ18とを繋ぐモータ経路の一部として用いられる一方(図2[a])、アクチュエータ46の作動後においては第1インバータ17と接地部位とを接続するための接続部材として用いられる(図2[b])。

    また、モータ回路遮断器31として配設される回路遮断器のアクチュエータ46の作動による作動部47の移動を通じて、モータ経路の切断と、同経路における切断部分より第2インバータ18側の部分の接地とが共に行われるようになる。 そのため、モータ経路の切断と同経路の切断部分の接地とを一つのアクチュエータ46の作動を通じて行うことができ、経路切断用のアクチュエータと経路接地用のアクチュエータとが各別に設けられる装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。 しかも、アクチュエータ46の作動部47を、同アクチュエータ46の作動前においてはモータ経路の一部として用いることができ、アクチュエータ46の作動後においては第2インバータ18と接地部位とを接続するための接続部材として用いることができる。 そのため、それら接続部材と作動部47とが別体に形成される装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    こうしたジェネレータ回路遮断器29(図1)やモータ回路遮断器31を設けることにより、次のような作用が得られるようになる。
    すなわち先ず、車両10が衝突した場合にジェネレータ経路やモータ経路が切断されるために、その後に車両10が牽引されてジェネレータ12やモータ13による発電が行われた場合であっても、発電された電力が第1インバータ17や第2インバータ18に供給されなくなる。 そのため、ジェネレータ経路における切断部分より第1インバータ17側の部分の電位がジェネレータ12の発電電力によって高くなることや、モータ経路における切断部分より第2インバータ18側の部分の電位がモータ13の発電電力によって高くなることを抑えることができる。

    また、ジェネレータ経路の切断に併せて同経路における切断部分より第1インバータ17側の部分が接地されるため、このときジェネレータ回路遮断器29を介して接続される経路(具体的には、ジェネレータ経路における切断部分より第1インバータ17側の部分と接地部位とを繋ぐ経路)を用いて放電用の回路が形成される。 さらに、モータ経路の切断に併せて同経路における切断部分より第2インバータ18側の部分が接地されるため、このときモータ回路遮断器31を介して接続される経路(具体的には、モータ経路における切断部分より第2インバータ18側の部分と接地部位とを繋ぐ経路)を用いて放電用の回路が形成される。 そのため、第1インバータ17や第2インバータ18に電荷が蓄えられていた場合であっても、その電荷を放電用の回路を通じて放電させることが可能になり、同電荷によってジェネレータ経路における切断部分より第1インバータ17側の部分やモータ経路における切断部分より第2インバータ18側の部分の電位が高い状態のまま維持されることを抑えることができる。 したがって、車両10の衝突後において、ジェネレータ経路における切断部分より第1インバータ17側の部分やモータ経路における切断部分より第2インバータ18側の部分が不要に高い電位のまま保持されることを抑えることができる。

    以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
    (1)車両10の衝突が検知されたときに火薬式のアクチュエータ46の作動によって給電回路遮断器27が駆動されて蓄電池20の正極とコンバータ19とを繋ぐ電力供給経路が切断されるために、同経路における切断部分よりコンバータ19側の部分の電位が蓄電池20からの供給電力によって高い状態のまま維持されることを回避することができる。 しかも、そうした電力供給経路の切断に併せて、同経路における切断部分よりコンバータ19側の部分が接地されるために、コンバータ19に電荷が蓄えられていた場合であっても、その電荷によって上記コンバータ19側の部分の電位が高い状態のまま維持されることを抑えることができる。 したがって、車両10の衝突後において、電力供給経路における切断部分よりコンバータ19側の部分が不要に高い電位のままで保持されることを抑えることができる。

    (2)給電回路遮断器27として、アクチュエータ46の作動による作動部47の移動を通じて電力供給経路の切断と同経路の切断部分よりコンバータ19側の部分の接地とを共に行うものを採用するようにした。 これにより、電力供給経路の切断と同経路の切断部分の接地とを一つの給電回路遮断器27の駆動、言い換えれば一つのアクチュエータ46の作動を通じて行うことができるようになる。 そのため、経路切断用のアクチュエータと経路接地用のアクチュエータとが各別に設けられる装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    (3)給電回路遮断器27として用いられる回路遮断器のアクチュエータ46の作動部47を導電材料により形成した。 また、同アクチュエータ46の作動前において上記作動部47を、接地部位に接続された電気機器接地接点と接触しない位置であり且つ蓄電池20の正極に接続された蓄電池側接点およびコンバータ19に接続された電気機器側接点に接触する位置に配設するようにした。 またアクチュエータ46の作動後において上記作動部47を、蓄電池側接点と接触しない位置であり且つ電気機器接地接点および電気機器側接点に接触する位置に移動させるようにした。 これにより、アクチュエータ46の作動部47を、同アクチュエータ46の作動前においては蓄電池側接点と電気機器側接点とを接続するための接続部材、すなわち電力供給経路の一部として用いることができ、アクチュエータ46の作動後においては電気機器側接点と電気機器接地接点とを接続するための接続部材として用いることができる。 そのため、そうした接続部材と作動部47とが別体に形成される装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    (4)作動部47の移動方向前側の部分の外面形状とその移動後において同作動部47の移動方向前側の部分が接触する第3接点45aの内面形状とを共に、移動方向前側に向かうほど先細のテーパ形状に形成した。 そのため、アクチュエータ46の作動後における作動部47と第3接点45aとの接触面圧を高くすることができ、コンバータ19と接地部位とを確実に接続することができるようになる。

    (5)アクチュエータ46の作動部47を同アクチュエータ46の作動前において第1接点43aと第2接点44aとの間に挟持させるようにした。 そのため、アクチュエータ46の作動前において、その作動部47によってコンバータ19と蓄電池20の正極とを接続することができる。

    (6)車両10の衝突が検知されたときに、ジェネレータ回路遮断器29が駆動されてジェネレータ12と第1インバータ17とを繋ぐジェネレータ経路が切断されるとともに、モータ回路遮断器31が駆動されてモータ13と第2インバータ18とを繋ぐモータ経路が切断される。 そのため、ジェネレータ経路における切断部分より第1インバータ17側の部分の電位がジェネレータ12の発電電力によって高くなることや、モータ経路における切断部分より第2インバータ18側の部分の電位がモータ13の発電電力によって高くなることを抑えることができる。 しかも、ジェネレータ経路の切断に併せて同経路における切断部分より第1インバータ17側の部分が接地されるとともに、モータ経路の切断に併せて同経路における切断部分より第2インバータ18側の部分が接地される。 そのため、車両10の衝突後において、ジェネレータ経路における切断部分より第1インバータ17側の部分やモータ経路における切断部分より第2インバータ18側の部分が不要に高い電位のままで保持されることを抑えることができる。

    (7)ジェネレータ回路遮断器29として配設される回路遮断器のアクチュエータ46の作動による作動部47の移動を通じて、ジェネレータ経路の切断と同経路における切断部分より第1インバータ17側の部分の接地とが共に行われる。 また、モータ回路遮断器31として配設される回路遮断器のアクチュエータ46の作動による作動部47の移動を通じて、モータ経路の切断と、同経路における切断部分より第2インバータ18側の部分の接地とが共に行われる。 そのため、経路の切断と同経路の切断部分の接地とを一つのアクチュエータ46の作動を通じて行うことができる。 したがって、ジェネレータ経路切断用のアクチュエータとジェネレータ経路接地用のアクチュエータとが各別に設けられる装置やモータ経路切断用のアクチュエータとモータ経路接地用のアクチュエータとが各別に設けられる装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    (8)ジェネレータ回路遮断器29として配設される回路遮断器のアクチュエータ46の作動部47を、同アクチュエータ46の作動前においてはジェネレータ経路の一部として用いることができ、アクチュエータ46の作動後においては第1インバータ17と接地部位とを接続するための接続部材として用いることができる。 また、モータ回路遮断器31として配設される回路遮断器のアクチュエータ46の作動部47を、同アクチュエータ46の作動前においてはモータ経路の一部として用いることができ、アクチュエータ46の作動後においては第2インバータ18と接地部位とを接続するための接続部材として用いることができる。 そのため、ジェネレータ回路遮断器29やモータ回路遮断器31として配設される回路遮断器の作動部47と上記接続部材とが別体に形成される装置と比較して、装置の簡素化を図ることができる。

    (9)車両走行用の回転トルクを発生するトルク発生機能を有するモータ13が搭載された車両10、すなわち同モータ13の作動を制御する第2インバータ18に蓄えられる電荷の量が多くなり易い車両10において、同電荷によって電気回路の一部が不要に高い電位のままで保持されることを好適に抑えることができる。

    (第2の実施の形態)
    以下、本発明にかかる車両の電気回路遮断装置を具体化した第2の実施の形態について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。

    本実施の形態にかかる電気回路遮断装置と第1の実施の形態にかかる電気回路遮断装置とは、給電回路遮断器27(図1)や、ジェネレータ回路遮断器29、モータ回路遮断器31として用いられる回路遮断器の構造のみが異なる。 以下では、本実施の形態にかかる回路遮断器の構造について説明する。

    図3に本実施の形態にかかる回路遮断器の内部構造を示す。 なお図3[a]はアクチュエータの作動前における回路遮断器の内部構造を示しており、図3[b]はアクチュエータの作動後における回路遮断器の内部構造を示している。

    図3[a]および[b]に示すように、回路遮断器のケース51の内部には略円柱形状のスペース(シリンダ部52)が形成されている。
    この回路遮断器は、互いに離間した位置に形成された端子であって、上記シリンダ部52の内部とケース51の外部とを接続するための三つの端子(第1端子53、第2端子54、第3端子55)を備えている。

    第1端子53の一部(蓄電池側接点として機能する第1接点53a)と第2端子54の一部(電気機器側接点として機能する第2接点54a)とはそれぞれ、上記シリンダ部52の内面にあって同シリンダ部52の軸線方向(図3[a]中に矢印Cで示す方向)における中間位置において露出するように配設されている。 また第2端子54は、その第2接点54aと異なる部分(電気機器側接点として機能する第4接点54b)が上記シリンダ部52の軸線方向における一方側の端部(頂部52a)の内面の上記第2接点54aと離間した位置において露出するように配設されている。 さらに第3端子55は、その一部(電気機器接地接点として機能する第3接点55a)が上記シリンダ部52の頂部52aの内面における上記第4端子54bと離間した位置において露出するように配設されている。

    なお、上記回路遮断器が給電回路遮断器27として用いられる場合には、第1端子53が蓄電池20の正極に接続され、第2端子54がコンバータ19に接続され、第3端子55が抵抗器(図示略)を介して接地部位(詳しくは、前記電気回路のグラウンド[蓄電池20の負極に接続される部位であり且つ該負極とほぼ同じ電位になる部位])に接続される。 一方、上記回路遮断器がジェネレータ回路遮断器29として用いられる場合には、第1端子53がジェネレータ12に接続され、第2端子54が第1インバータ17に接続され、第3端子55が接地部位に接続される。 他方、上記回路遮断器がモータ回路遮断器31として用いられる場合には、第1端子53がモータ13に接続され、第2端子54が第2インバータ18に接続され、第3端子55が接地部位に接続される。

    さらに、上記回路遮断器は火薬式のアクチュエータ56を内蔵しており、このアクチュエータ56は、略円柱形状に形成されてシリンダ部52の内部に配設された作動部57と前記電子制御装置21からの信号入力による火薬の着火燃焼によって燃焼ガスを発生させるガス発生部58とを備えている。 ガス発生部58は、シリンダ部52内の軸線方向における一方側の端部(底部52b)と上記作動部57との間に配設されるように、同底部52bに取り付けられている。 そして、上記ガス発生部58において火薬が着火燃焼すると、これに伴い発生する燃焼ガスによって作動部57が押圧されることにより、同作動部57がシリンダ部52内部を底部52bから頂部52aに向けて移動するようになる。 なお本実施の形態では作動部57が移動部材および可動部材として機能する。

    以下、上記回路遮断器の動作態様について説明する。
    図3[a]に示すように、アクチュエータ56の作動前においては、上記作動部57が第3接点55aおよび第4接点54bと接触しない位置であり、且つ第1接点53aおよび第2接点54aに接触する位置、詳しくは第1接点53aと第2接点54aとの間に挟持される位置に配設されている。 また作動部57は導電材料(例えば鉄系材料などの電気伝導率が高い材料)により形成されている。 そのため、この回路遮断器では、アクチュエータ56の作動前において、作動部57により、各端子のうちの第1端子53と第2端子54とが選択的に接続される。 しかも、その接続に際して、アクチュエータ56の作動部57が第1端子53の第1接点53aと第2端子54の第2接点54aとを接続するための接続部材として用いられる。

    一方、図3[b]に示すように、アクチュエータ56が作動すると、上記作動部57が第1接点53aおよび第2接点54aと接触しない位置であり、且つ第3接点55aおよび第4接点54bに接触する位置(詳しくは第3接点55aと第4接点54bとの間に嵌り込んで挟持される位置)まで移動するようになる。

    ここで上記回路遮断器は、その作動部57の移動方向前側(頂部52a側)の部分の外面形状が移動方向前側に向かうほど先細のテーパ形状に形成されている。 また第3接点55aおよび第4接点54bがそれらの間隔が上記作動部57の移動方向前側に向かうほど狭くなる形状に形成されている。 これにより、アクチュエータ56の作動後において作動部57の移動方向前側の部分が接触する部分の内面形状が同移動方向前側に向かうほど先細の形状に形成されている。 そのため、アクチュエータ56の作動によって作動部57が移動して同作動部57の移動方向前側の部分が第3接点55aと第4接点54bとの間に嵌り込んだ後、すなわちアクチュエータ56の作動後における第3接点55aや第4接点54bと作動部57との接触面圧が高くなる。 したがって、作動部57を介した第3接点55aや第4接点54bとの接続が確実なものとなる。

    このように上記回路遮断器では、アクチュエータ56の作動後において、その作動部57により、各端子のうちの第2端子54と第3端子55とが選択的に接続されるようになる。 しかも、その接続に際してアクチュエータ56の作動部57が第2端子54の第4接点54bと第3端子55の第3接点55aとを接続するための接続部材として用いられる。

    本実施の形態によれば、先の(1)〜(3)と(5)〜(9)とに記載した効果に準じた効果に加えて、以下の(10)に記載の効果が得られるようになる。
    (10)作動部57の移動方向前側の部分の外面形状を移動方向前側に向かうほど先細のテーパ形状に形成し、第3接点55aおよび第4接点54bをそれらの間隔が上記作動部57の移動方向前側に向かうほど狭くなる形状に形成した。 そのため、アクチュエータ56の作動後における第3接点55aや第4接点54bと作動部57との接触面圧を高くすることができ、同作動部57を介した第3接点55aや第4接点54bとを確実に接続することができるようになる。

    (第3の実施の形態)
    以下、本発明にかかる車両の電気回路遮断装置を具体化した第3の実施の形態について、第1の実施の形態および第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。

    本実施の形態にかかる電気回路遮断装置と第1の実施の形態や第2の実施の形態にかかる電気回路遮断装置とは、給電回路遮断器27(図1)や、ジェネレータ回路遮断器29、モータ回路遮断器31として用いられる回路遮断器の構造のみが異なる。 以下では、本実施の形態にかかる回路遮断器の構造について説明する。

    図4に、本実施の形態にかかる回路遮断器の内部構造を示す。 なお図4[a]はアクチュエータの作動前における回路遮断器の内部構造を示しており、図4[b]はアクチュエータの作動後における回路遮断器の内部構造を示している。

    図4[a]および[b]に示すように、回路遮断器のケース61の内部にはスペース(シリンダ部62)が形成されている。 そして、この回路遮断器は、そのシリンダ部62の内部をケーブル(具体的には、給電ケーブル26、ジェネレータケーブル28、あるいはモータケーブル30)が貫通するように、同ケーブルに取り付けられる。

    また、上記回路遮断器は火薬式のアクチュエータ66を内蔵しており、このアクチュエータ66はシリンダ部62の内部に配設された作動部67と前記電子制御装置21からの信号入力による火薬の着火燃焼によって燃焼ガスを発生させるガス発生部68とを備えている。

    作動部57は導電材料(例えば鉄系材料などの電気伝導率が高い材料)により形成されて、シリンダ部62内における上記ケーブルと離間した位置に配設されている。 この作動部67の上記ケーブル側の部分には先端が薄く鋭い形状に形成されたカッター部69が一体に形成されている。 カッター部69は、その先端部分が上記ケーブルの延伸方向と交差する方向に延びる形状に形成されている。 またカッター部69は、上記ケーブルの延伸方向における一方側の部分(導通部69a)が導電材料により形成されており、他方側の部分(絶縁部69b)が絶縁材料(例えば樹脂材料などの電気伝導率が極めて低い材料)によって形成されている。

    上記ガス発生部68はシリンダ部62の内部において露出する位置であり、且つ作動部67における上記カッター部69の形成部分と反対側の部分と対向する位置に取り付けられている。

    そして、上記ガス発生部68において火薬が着火燃焼すると、これに伴い発生する燃焼ガスによって作動部67が押圧されることにより、同作動部67がそのカッター部69の先端を上記ケーブルに押し付けるように移動するようになる。 なお本実施の形態では作動部67とカッター部69とが移動部材および可動部材として機能する。

    また、回路遮断器はケース61の内部と外部とを接続するための端子65を備えている。 この端子65は、その一部(接点65a)がアクチュエータ66の作動前においてシリンダ部62内における上記作動部67および導通部69aから離間した位置で露出する形状であって、且つ同アクチュエータ66の作動後において上記作動部67が突き当たって当接する形状に形成されている。 この端子65は上記回路遮断器が給電回路遮断器27、ジェネレータ回路遮断器29、およびモータ回路遮断器31のいずれに用いられる場合であっても抵抗器(図示略)を介して接地部位(詳しくは、前記電気回路のグラウンド[蓄電池20の負極に接続される部位であり且つ該負極とほぼ同じ電位になる部位])に接続される。

    以下、上記回路遮断器の動作態様について説明する。
    図4[a]に示すように、アクチュエータ66の作動前においては、作動部67やカッター部69の導通部69aとケーブル内の導線との絶縁状態が保たれた状態で同ケーブルによる接続が維持されている。

    そして、図4[b]に示すように、アクチュエータ66が作動すると、上記作動部67の移動に伴ってカッター部69の先端がケーブルを押し切りつつ移動するようになる。 その後、作動部67が端子65に突き当たる位置まで移動することにより同作動部67およびカッター部69の移動が停止する。

    このとき、ケーブルの切断断面のうちの一方(第1インバータ17、第2インバータ18、あるいはコンバータ19に接続された側の断面)がカッター部69の導通部69aのみに当接した状態になり、導通部69aおよび作動部67を介して上記端子65に接続されるようになる。 また、ケーブルの切断断面のうちの他方(蓄電池20の正極、ジェネレータ12、あるいはモータ13に接続された側の断面)がカッター部69の絶縁部69bのみに当接した状態になる。

    このように上記回路遮断器では、アクチュエータ66の作動後において、その作動部67およびカッター部69の移動を通じて、内部を貫通しているケーブルが切断されるとともに、切断されたケーブルのうちの一方(第1インバータ17、第2インバータ18、あるいはコンバータ19に接続される側の部分)が選択的にカッター部69の導通部69aに接続される。

    本実施の形態によれば、先の(1)、(2)、(6)、(7)および(9)に記載した効果に準じた効果が得られるようになる。
    (その他の実施の形態)
    なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。

    ・第1の実施の形態において、アクチュエータ46の作動部47の移動方向前側の部分の外面形状やその移動後において同作動部47の移動方向前側の部分が接触する第3接点45aの内面形状は、移動方向前側に向かうほど先細のテーパ形状に限らず、任意の形状に変更することができる。 要は、上記外面形状や内面形状として、アクチュエータ46の作動後においてその作動部47と第3接点45aとの接触部分における十分な接触面積および十分な接触面圧を確保することのできる形状を採用すればよい。

    ・第2の実施の形態において、アクチュエータ56の作動部57の移動方向前側の部分の外面形状やその移動後において同作動部57の移動方向前側の部分が接触する第3接点55aおよび第4接点54bの形状は、移動方向前側に向かうほど先細の形状に限らず、任意の形状に変更することができる。 要は、上記作動部57の外面形状や第3接点55aおよび第4接点54bの形状として、アクチュエータ56の作動後においてその作動部57と第3接点55aや第4接点54bとの接触部分における十分な接触面積および十分な接触面圧を確保することのできる形状を採用すればよい。

    ・第2の実施の形態において、シリンダ部52や作動部57の形状は任意に変更することができる。 要は、アクチュエータ56の作動後において、第3接点55aと第4接点54bとの間に嵌り込むように作動部57を移動させることの可能な形状であればよい。

    ・第3の実施の形態では、内部をケーブル(給電ケーブル26やジェネレータケーブル28、モータケーブル30)が貫通するように回路遮断器を同ケーブルに取り付けるようにした。 これに代えて、二つの端子とそれら端子を連通する導線とを備えた回路遮断器を採用し、同回路遮断器を、その導線がケーブルの一部を構成するように二つの端子を用いて同ケーブルの途中に取り付けるようにしてもよい。 こうした構成によれば、カッター部69によって導線を切断するとともに、その切断部分のうちの一方(第1インバータ17、第2インバータ18、あるいはコンバータ19に接続される側の部分)のみを選択的にカッター部69の導通部69aに接続することができる。

    ・各実施の形態において、ジェネレータ回路遮断器29およびモータ回路遮断器31のうちのいずれか一方、または両方を省略してもよい。
    ・各実施の形態において、経路の切断と同経路の切断部分の接地とを一つのアクチュエータの作動を通じて行う回路遮断器に代えて、経路切断用のアクチュエータと経路接地用のアクチュエータとが各別に設けられた回路遮断器を採用してもよい。 また、給電回路遮断器27やジェネレータ回路遮断器29、モータ回路遮断器31を経路切断用の回路遮断器と経路接地用の回路遮断器との二つの回路遮断器によって構成するようにしてもよい。

    ・ジェネレータやモータ、インバータ、コンバータなどが設けられた車両に限らず、蓄電池からの供給電力によって作動する電気機器が設けられた車両であれば、本発明は適用することができる。

    10…車両、11…内燃機関、11a…出力軸、12…ジェネレータ、12a…回転軸、13…モータ、13a…回転軸、14…動力分割機構、15…車軸、16…駆動輪、17…第1インバータ、18…第2インバータ、19…コンバータ、20…蓄電池、21…電子制御装置、22…アクセルセンサ、23…ブレーキセンサ、24…速度センサ、25…衝突センサ、26…給電ケーブル、27…給電回路遮断器、28…ジェネレータケーブル、29…ジェネレータ回路遮断器、30…モータケーブル、31…モータ回路遮断器、41,51,61…ケース、42,52,62…シリンダ部、42a,52a…頂部、42b,52b…底部、43,53…第1端子、43a,53a…第1接点、44,54…第2端子、44a,54a…第2接点、45,55…第3端子、45a,55a…第3接点、54b…第4接点、65…端子、65a…接点、46,56,66…アクチュエータ、47,57,67…作動部、48,58,68…ガス発生部、69…カッター部、69a…導通部、69b…絶縁部。

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