Insulator composing material for switchgear

申请号 JP31325994 申请日 1994-12-16 公开(公告)号 JPH08171831A 公开(公告)日 1996-07-02
申请人 Mitsubishi Electric Corp; 三菱電機株式会社; 发明人 KATSUBE SHUNICHI; UEMOTO TOSHIKAZU; YAMAZAKI SATORU; FUKUTANI KAZUNORI; NISHINA KENICHI; YAMAGATA NOBUJI;
摘要 PURPOSE: To provide an insulator composing material as a formed product which can stand pressure rise in the inside of a switchgear due to decomposed gases evolved from a box body, inner part composing organic materials at the time of shutting high capacity current of the switchgear, which has a function to prevent the switchgear box body and the inner part composing parts from being deformed, cracked, damaged, and at the same time which is made of an organic-inorganic compounded composition having high heat resistance, low humidity absorbance, good formability, and processibility by containing an impact moderating component in the insulator composing material as a formed product for a switchgear. CONSTITUTION: An insulator composing material as a formed product made of an organic-inorganic compounded composition consisting of 26wt.% of nylon 6, 24wt.% of nylon 66, 7wt.% of an ionomer of a polyolefine copolymer as an impact moderating component, and 43wt.% of a reinforcing material is used as a box body or an inner structural material of a switchgear. The organic-inorganic compounded composition may be an organic-inorganic compounded composition consisting of 35-39wt.% of nylon 6, 8-12-wt.% of nylon 66, 1-3wt.% of nylon MXD6, 7-9wt.% of ethylene-α-olefine copolymer, 40-45wt.% of a reinforcing material.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 ナイロン6が35〜39wt%、ナイロン66が8〜12wt%、ナイロンMXD6が1〜3w
    t%、エチレン/α−オレフィン共重合体が7〜9wt
    %、1種類以上の強化材が40〜45wt%である有機複合組成物の成形品からなることを特徴とする開閉器の絶縁構成物。
  • 【請求項2】 ナイロン6が26wt%、ナイロン66
    が24wt%、ポリオレフィンコポリマーのアイオノマーが7wt%、1種類以上の強化材が43wt%である有機無機複合組成物の成形品からなることを特徴とする開閉器の構成絶縁物。
  • 【請求項3】 強化材は周期律表1A族の金属(Li、
    Na、K、Rb、Cs、Fr)が金属酸化物(Na2
    O、K2O、Li2Oなど)のかたちになった化合物の前記強化材への合計含有量が0.6〜0.1%であることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の開閉器の構成絶縁物。
  • 【請求項4】強化材にガラス繊維が含まれていることを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の開閉器の構成絶縁物。
  • 【請求項5】 成形された構成絶縁物が開閉器の筐体であることを特徴とする請求項1、2、3、4のいずれかに記載の開閉器の絶縁構成物。
  • 【請求項6】 成形された構成絶縁物が開閉器内部の構成部品であるハンドルまたはクロスバーまたはトリップバーであることを特徴とする請求項1、2、3、4のいずれかに記載の開閉器の絶縁構成物。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、開閉器の遮断時に発生する開閉器内部の圧上昇による衝撃に耐える有機複合組成物の成形品からなる絶縁構成物に関する。 さらに詳しくは、開閉器における電流遮断電極開離時に開閉器の筐体および開閉器の内部構成有機部品から発生する分解ガスの爆発状膨張による開閉器内部の圧力上昇の衝撃を受けても、筐体および内部構成部品の変形、亀裂、破損のない成形品の絶縁構成物に関する。

    【0002】

    【従来の技術】図1は、一般の回路遮断器を示す外観概略図であり、図において、1はカバー、2はベース、5
    はハンドルである。 図2は、図1のカバーを取り外した概略図であり、3はクロスバー、4はトリップバー、6
    は可動接触子接点、7は固定接触子接点である。 クロスバー3、トリップバー4、ハンドル5は一般に有機複合組成物の成形品の絶縁構成物のが使用されている。

    【0003】回路遮断器等の開閉器において、通電時に可動接触子接点6と固定接触子接点7とを開離させると両者の間にアークが発生する。 このアークにより、接点周辺および開閉器内部構成有機材料が熱分解、膨張され、開閉器内部の圧力が急上昇する。 この圧力が開閉器を構成する筐体であるカバー1、ベース2及び内部構成部品であるハンドル5、クロスバー3、トリップバー4
    に衝撃を与える。

    【0004】従来の回路遮断器においては、フェノール樹脂系、ポリエステル系の絶縁構成物が用いられてきた。 フェノール樹脂系のものではフェノール樹脂50w
    t%、木粉30wt%、無機充填材15wt%、顔料および添加剤5wt%で構成されている。 また、ポリエステル系の開閉器用絶縁組成物として、例えば筐体については特開平5−202277号公報に示されたものがある。 このほか、筐体は不飽和ポリエステル25wt%、
    炭酸カルシウム60wt%、ガラス繊維15wt%で構成されている。 ハンドルは例えば、ポリブチレンテレフタレート70wt%、ガラス繊維30wt%で構成されている。 クロスバーは例えば、フェノール樹脂55wt
    %、ガラス繊維45wt%で構成されている。 トリップバーは例えば、ポリブチレンテレフタレート70wt
    %、ガラス繊維30wt%で構成されている。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】回路遮断器などの開閉器が、小型化、高遮断容量化になった場合、開閉器の電流遮断電極開離時に発生するアークによる接点周辺および開閉器内部構成有機材料の熱分解されるガスによる開閉器内部の圧力は、一般に考えられるより飛躍的に上昇する。 特に高容量遮断を行なった場合、アークガスは爆発に近い状況となる。 従って、上記従来の材料組成では、遮断後の筐体および内部構成部品の変形、亀裂、破損を防止するには不十分という問題が生じてた。

    【0006】本発明は、前記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、開閉器を構成する絶縁構成部品の材料に衝撃緩和成分を含有することにより、開閉器の高容量遮断時に筐体および内部構成部品の有機材料から発生する分解ガスによる開閉器内部の圧力上昇に耐え、遮断後の筐体および内部構成部品の変形、亀裂、破損を防止する機能を有する有機無機複合組成物の成形品からなる絶縁構成物を得ることを目的とする。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】この発明にかかる開閉器の絶縁構成物は、主樹脂をナイロン6が35〜39wt
    %、ナイロン66が8〜12wt%、ナイロンMXD6
    が1〜3wt%からなり、衝撃緩和成分にエチレン/α
    −オレフィン共重合体が7〜9wt%、強化材が40〜
    45wt%配合された有機複合組成物を成形品にしたものである。

    【0008】また、この発明にかかる開閉器の絶縁構成物は、主樹脂がナイロン6が26wt%、ナイロン66
    が24wt%からなり、衝撃緩和成分にポリオレフィンコポリマーのアイオノマーが7wt%、強化材が43w
    t%配合された有機複合組成物を成形品にしたものである。

    【0009】また、強化材に含まれる周期律表1A族の金属(Li、Na、K、Rb、Cs、Fr)が金属酸化物(Na2O、K2O、Li2Oなど)の含有量が0.6
    %以下にしたものである。

    【0010】さらに、強化材をガラス繊維を含んだものにしたものである。

    【0011】成形された構成絶縁物が開閉器の筐体、内部構成部品のハンドル、クロスバー、トリップバーとしたものである。

    【0012】

    【作用】この発明の請求項1の開閉器の成形品の絶縁構成物は、有機複合組成物の主樹脂がナイロン6とナイロン66とナイロンMXD6とを組合せたので、耐消弧性の一層の向上が図れると同時に、成形時の金型温度を低くして、射出成形する樹脂の表面を急冷することで、表面のナイロンMXD6を結晶化しにくくし、得られた成形品の外観光沢性の向上を図る。

    【0013】また、成形品がナイロン6、ナイロン6
    6、ナイロンMXD6からなる樹脂と、エチレン/α−
    オレフィン共重合体からなる衝撃緩和成分と、1種類以上の強化材とで構成されている有機複合組成物からなるため、耐衝撃性、耐消弧性が向上し、同時にマトリックスとなる樹脂が熱可塑性樹脂であるので、成形時の硬化時間の短縮と同時に、成形品が薄肉な場合の複雑な形状の成形が可能となる。

    【0014】さらに、有機複合組成物に吸湿性が極めて少ないエチレン/α−オレフィン共重合体を7〜9wt
    %、強化材を45〜40wt%含有しているため、成形品の絶縁構成物の吸湿性を低下させる。

    【0015】この発明の請求項2の開閉器の成形品の絶縁構成物は、ナイロン6とナイロン66との組合せからなる樹脂と、ポリオレフィンコポリマーのアイオノマーからなる衝撃緩和成分と、強化材とで構成されている有機複合組成物であるので、耐衝撃性、耐消弧性が向上し、マトリックスとなる樹脂が熱可塑性樹脂であるため、成形時の硬化時間の短縮ができると同時に、成形品が薄肉の複雑な形状の成形も可能となる。

    【0016】また、成形品を構成する有機複合組成物にエチレン/α−オレフィン共重合体を7〜9wt%含有させているため、例えば成形品のタッピングネジを施行する場合の加工性を向上させ、また繰り返し耐衝撃疲労性が向上する。

    【0017】さらに、有機複合組成物に吸湿性が極めて少ないポリオレフィンコポリマーのアイオノマーを7w
    t%、強化材を43wt%を含有しているため、当該有機複合組成物からなる成形品の吸湿性を低下させる。

    【0018】この発明の請求項3では、強化材に周期律表1A族の金属(Li、Na、K、Rb、Cs、Fr)
    の金属酸化物(Na2O、K2O、Li2Oなど)含有量を0.6%以下にすることで、アークにより分解発生される導電性イオンを規制して、アークの消滅を阻害する導電性イオンの発生を抑制する。

    【0019】この発明の請求項4では、強化材をガラス繊維とすることで、衝撃緩和成分とあいまって剛性と強靭性が向上する。

    【0020】この発明の請求項5では、請求項1〜4のいずれかに記載の有機複合組成物からなる成形品を開閉器の筐体に用いることにより、高容量要遮断時のアークの爆発状の内圧上昇に対して遮断時の筐体の亀裂、変形、破損を防止する。

    【0021】この発明の請求項6発明では、請求項1〜
    4のいずれかに記載の有機複合組成物からなる成形品を開閉器のハンドル、クロスバー、トリップバーに用いることにより、開閉器の遮断時の耐衝撃性の向上と、開閉器の遮断後の各絶縁構成物の絶縁性の保持を行なう。

    【0022】

    【実施例】

    実施例1. 本発明の実施例1の開閉器の絶縁構成物は、
    主樹脂がナイロン6が35〜39wt%、ナイロン66
    が8〜12wt%、ナイロンMXD6が1〜3wt%からなる樹脂であり、衝撃緩和成分としてエチレン/α−
    オレフィン共重合体が7〜9wt%であり、かつ強化材が40〜45wt%である。 この有機複合組成物を金型により射出成形して各絶縁構成物が形成される。

    【0023】この有機複合組成物の特徴としては、ナイロン6とナイロン66とを組合せた樹脂は、芳香環を有さず消弧性能を向上させる。 また、ナイロン6とナイロン66とを組み合せることにより、樹脂の結晶化速度が遅くなり、得られた成形品の外観光沢性を損なわない点からも好ましい。 前記ナイロン6とナイロン66の組合せにナイロンMXD6を組合せた樹脂においては、絶縁構成物を射出成形する金型に急冷却装置を設けておいて、樹脂を射出すると同時に金型を冷却することで、絶縁構成物の表面の金型温度を低くすることで、ナイロンMXD6が結晶化しにくくなり、得られた成形品の外観光沢性の一層の向上ができるという点から好ましい。

    【0024】なお、ナイロンは、ポリアミドのうち線上の合成ポリアミドのことをいい、ナイロンmnは炭素数mのジアミン(NH2(CH2)mNH2)と炭素数nの2
    塩基酸(HOOC(CH2)n 2COOH)との重縮合物のことをいい、ナイロンnは炭素数nのω−アミノ酸(H2N(CH2)n 1COOH)またはラクタムの重合物のことをいう。

    【0025】そして、衝撃緩和成分としてエチレン/α
    −オレフィン共重合体で成形された絶縁構成物は、耐衝撃性、吸湿性低下、加工性向上が図れる。

    【0026】上記の有機複合組成物の配合比率を決定したのは、各種の組み合せ試験の結果つぎの理由による。
    有機複合組成物中の樹脂において、ナイロン66が12
    wt%を越えると前記特定有機複合組成物からなる成形品の外観が悪くなる傾向があり、ナイロン66が8wt
    %未満の場合、前記特定有機複合組成物からなる成形品の耐熱性が低下する傾向がある。

    【0027】前記特定有機複合組成物からなる成形品は、成形時の金型温度が120℃未満の場合、前記特定有機複合組成物中の樹脂中のナイロンMXD6が非晶質となり、成形品外観が良好になるが、ナイロンMXD6
    が1wt%未満では、外観良好性が低下する傾向がある。 ナイロンMXD6が3wt%を越える場合、ナイロンMXD6中に含まれる芳香環の影響で、遮断後の絶縁性能が低下する傾向にある。

    【0028】前記特定のエチレン/α−オレフィン共重合体が9wt%を越える場合、または強化材が40wt
    %未満の場合は、前記特定の有機複合材料からなる成形品の剛性が不十分となる傾向がある。 前記特定のエチレン/α−オレフィン共重合体が7wt%未満の場合、または前記特定の1種類以上の強化材が45wt%を越える場合は、前記特定の有機複合材料からなる成形品の耐衝撃性が不十分となる傾向がある。

    【0029】実施例2. 本発明の実施例2の開閉器の絶縁構成物は、主材がナイロン6が26wt%、ナイロン66が24wt%からなる樹脂であり、衝撃緩和成分としてポリオレフィンコポリマーのアイオノマーが7wt
    %であり、かつ強化材が43wt%の有機複合組成物からなる。

    【0030】この有機複合組成物の特徴としては、マトリックスとなる樹脂がナイロン6及びナイロン66の熱可塑性樹脂であり、成形時に硬化時間の短縮を図る事ができると同時に、成形品が薄肉な場合でも複雑な形状の成形も可能である。 そして、衝撃緩和成分として配合それるポリオレフィンコポリマーのアイオノマーがエラストマー成分として作用して耐衝撃性、消弧性の向上ができる。

    【0031】また、開閉器を構成する成形品を上記有機複合組成物にすれば、吸湿性が極めて少ないポリオレフィンコポリマーのアイオノマーを7wt%、強化材を4
    3wt%を含有しているため、開閉器に用いる成形品の絶縁構成物の吸湿の低下が図かれる。

    【0032】また、開閉器に用いる成形品の絶縁構成物は、ポリオレフィンコポリマーのアイオノマーを7wt
    %含有させているため、有機複合組成物からなる成形品の物理的加工性の向上を図ることができる。 例えば、有機複合組成物からなる成形品にタッピングネジを施行する場合の加工性は一層の向上が図れる。 また、ポリオレフィンコポリマーのアイオノマーを配合することで繰り返し耐衝撃疲労性も向上する。

    【0033】つぎに強化材について説明する。 本発明の開閉器の絶縁構成物は、樹脂と衝撃緩和成分と1種類以上の強化材とを含有する有機複合組成物からなる成形品であり、強化材は耐圧強度、剛性向上および消弧性能向上のために用いられ、強化材とはガラス繊維、無機鉱物、セラミック繊維からなる群から選択された1種類以上のものである。

    【0034】強化材として組み合せる無機鉱物の具体例としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、
    過酸化バリウム、酸化アルミニウム、ジルコン、コーディエライト、ムライト、ウォラストナイト、白雲母、炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、フッ化亜鉛、フッ化マグネシウムなどがあげられ、これらは熱変形温度、寸法安定性を向上させるという利点を有する。

    【0035】セラミック繊維は、セラミック繊維状物のことをいい、後述の周期律表1A族の金属の化合物の合計含有量を満足していれば、特に限定はされない。 セラミック繊維の具体例としては、ケイ酸アルミニウム繊維、ホウ酸アルミニウムウイスカ、アルミナウイスカなどが、消弧性能の向上、耐圧強度の点から好ましい。

    【0036】セラミック繊維の直径が1〜10μm、アスペクト比が10以上であることが、耐圧強度の点から好ましい。

    【0037】実施例3. 開閉器の絶縁構成物の強化材に不純物として含まれる物質は、高容量電流遮断時のアークの高温により分解され分子状のガスになる。 このとき不純物の中で周期律表1A族の金属(Li、Na、K、
    Rb、Cs、Fr)の金属酸化合物はアーク熱により導電性イオンガスになる。 この導電性イオンはアーク消滅を妨げ、開閉器の消弧性能を低下させる。 また、導電性イオンが周囲に発生された他のイオンガスと化合物質となって、開閉器の内部へ付着する。 この付着物は導電性を有するため、開閉器の遮断後の絶縁性能の劣化にもなっていた。

    【0038】実験の結果では、強化材に周期律表1A族の金属(Li、Na、K、Rb、Cs、Fr)の金属酸化合物(Na2O、K2O、Li2Oなど)のかたちになっている金属化合物の含有量が1%を越えて含有する場合には、消弧性能が大きく低下する。 消弧性能に影響を与えない範囲としては、前記金属の化合物の強化材単独での含有量は0.6%以下、さらには0.15%以下であることが望ましい。 しかし、前記周期律表1A族の金属酸化合物を取り除くには、強化材の精製コストが高くなる。 消弧、絶縁性能を大きく損なわない範囲で精製コストも高くならない含有量として0.6〜0.1%がであることが好ましい。

    【0039】なお、前記周期律表1A族の金属の化合物の合計含有量を所定値以下に満足しているという点からは、炭酸カルシウム、タルク、ウォラストナイト、過酸化バリウム、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、フッ化亜鉛、フッ化マグネシウムなどが好ましい。

    【0040】炭酸カルシウムは、ステアリン酸をはじめとする脂肪族などの表面改質剤により、樹脂中への分散性を向上させたものが耐圧強度の点から好ましい。

    【0041】実施例4. 成形品の絶縁構成物に配合される強化材としては成形品の強度、靭性を強化するために繊維状のものが望ましい。 とくにガラス繊維は、以下の点でこの発明の成形品の絶縁構成物には良好である。 ガラス繊維は主樹脂のナイロン6、ナイロン66との混合性がよく、成形品に均一に配合され、部分的な脆弱部がなくなり耐衝撃性が良く、またガラスそのものが耐熱性のよい材質であるので成形品の絶縁構成物の耐熱性も良く、アークの爆発状ガス圧、熱に強い開閉器の成形絶縁構成物を得ることができる。

    【0042】ガラス繊維は、ガラスからなる繊維状物のことをいい、後述の周期律表1A族の金属の化合物の合計含有量を満足していれば、特に限定はされない。 ガラス素材としては、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラスまたはシリカガラスなどがあげられる。

    【0043】ガラス繊維製品としては、長繊維、短繊維またはグラスウールなどがあげられる。 熱可塑性樹脂の強化材としては短繊維が好ましい。 熱硬化性樹脂の強化材としては、特に限定はしない。

    【0044】ガラス繊維の直径が6〜13μm、アスペクト比が10以上であることが耐圧強度の点から好ましい。 また、ガラス繊維には、シランカップリング剤などの処理剤が加工されているのが、耐圧強度の点から好ましい。

    【0045】前記強化材は、1種類または2種類以上が用いられ、2種類以上が用いられる場合には、前記ガラス繊維と前記無機鉱物、前記ガラス繊維と前記セラミック繊維、前記無機鉱物と前記セラミック繊維、前記ガラス繊維どうし、前記無機鉱物どうし、前記セラミック繊維どうし、前記ガラス繊維と前記無機鉱物と前記セラミック繊維との組合せがあり、特に限定はしないが、前記ガラス繊維と前記無機鉱物との組合せが、原料コストが安価であるという利点がある。

    【0046】実施例5. 本発明の有機複合組成物で筐体、クロスバー、ハンドル、トリップバーなどの開閉器の絶縁構成部品を製造形成する場合、射出成形などで容易に成形できる。 この成形品の絶縁構成物として、試作試験した筐体としてカバーの例を示す。

    【0047】有機複合組成物は実施例1で説明したものであり、主樹脂はナイロン6とナイロン66とナイロンMXD6との組合せのものを用いた。 衝撃緩和成分は、
    エチレン/α−オレフィン共重合体を用い、強化材は、
    ガラス繊維、セラミック繊維、ウォラストナイトを用いた。 また、得られたカバーを組み込んだ回路遮断器について、下記に示す遮断試験を行った。

    【0048】(遮断試験)閉成状態において、3相46
    0V/30KAの過剰の電流を流して、可動接点を開離させ、アーク電流を発生させ、遮断後に回路遮断器の筐体、内部部品の破損や亀裂がないことをもって合格とする試験。 この結果を表1に示す。

    【0049】表1に示すように、従来品には損傷をきたしたが、この試料は亀裂損傷は見られない。 また、この試料は実施例1で説明した組成の成形品であるが、実施例2の組成の成形品も同様に亀裂や損傷ははなく良好であった。

    【0050】

    【表1】

    【0051】実施例6. 図3に示すハンドル、図4に示すクロスバー、図5に示すトリップバーを成形品で作製した。 有機複合組成物は実施例2で説明したものであり、主樹脂はナイロン6とナイロン66との組合せを用いた。 衝撃緩和成分は、ポリオレフィンコポリマーのアイオノマーを用いた。 強化材は、ガラス繊維、セラミック繊維、ウォラストナイトを用いた。

    【0052】試料1〜9で得られた本発明の有機複合組成物からなるハンドル、クロスバー、トリップバーは、
    遮断試験後に目視観察したところ、亀裂や破損はなく良好であった。 この結果をハンドルについて表2、クロスバーについて表3、トリップバーは表4に示す。 なお、
    実施例1で説明した配合の有機複合組成物で、ハンドル、クロスバー、トリップバーの絶縁構成物を成形品で作製した場合の試験も同様に良好な結果が得られた。

    【0053】

    【表2】

    【0054】

    【表3】

    【0055】

    【表4】

    【0056】

    【発明の効果】この発明の請求項1は、主樹脂がナイロン6とナイロン66とナイロンMXD6とを組合せ、衝撃緩和成分としてエチレン/α−オレフィン共重合体を配合し、強化材とで構成されている有機複合組成物からなるため、成形品の外観光沢性の向上、耐衝撃性、消弧性が向上し、また吸湿性も低い開閉器の成形品の絶縁構成物を得ることができる。

    【0057】この発明の請求項2は、主樹脂がナイロン6とナイロン66の組合せ、衝撃緩和成分としてポリオレフィンコポリマーのアイオノマーを配合し、強化材とで構成されている有機複合組成物からなるため、成形品へのタッピングネジを施行する場合の加工性の向上、成形時の硬化時間の短縮、繰り返し耐衝撃疲労性、耐衝撃性、消弧性が向上し、また吸湿性も低い開閉器の成形品の絶縁構成物を得ることができる。

    【0058】この発明の請求項3では、強化材に周期律表1A族の金属(Li、Na、K、Rb、Cs、Fr)
    の金属酸化物(Na2O、K2O、Li2Oなど)の含有量を0.6%以下にすることで、アークにより分解発生される導電性イオンを規制して、アークの消滅を阻害する導電性イオンの発生を抑制し、開閉器の消弧性能が確保される。

    【0059】また、強化材にガラス繊維を組み合わすことで、衝撃緩和成分とあいまって剛性と強靭性がある開閉器の成形品の絶縁構成物を得ることができる。

    【0060】そして、請求項1〜3のいずれかに記載の有機複合組成物からなる成形品を開閉器の筐体に用いることにより、高容量要遮断時のアークの爆発状の内圧上昇に対して遮断時の筐体の亀裂、変形、破損のない、開閉器の筐体を得ることができる。

    【0061】この発明の請求項5発明では、請求項1〜
    3のいずれかに記載の有機複合組成物からなる成形品を開閉器のハンドル、クロスバー、トリップバーに用いることにより、開閉器の遮断時の耐衝撃性の向上と、開閉器の遮断後の絶縁劣化のないハンドル、クロスバー、トリップバーをることができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 回路遮断器の外観を示す概略斜視図である。

    【図2】 カバーを取り除いた状態を示す概略斜視図である。

    【図3】 ハンドルを示す斜視図である。

    【図4】 クロスバーを示す斜視図である。

    【図5】 トリップバーを示す斜視図である。

    【図6】 カバーを示す斜視図である。

    【符号の説明】

    1 カバー、 2 ベース、 3 クロスバー 4 トリップバー、 5 ハンドル。

    フロントページの続き (72)発明者 福谷 和則 福山市緑町1番8号 三菱電機株式会社福 山製作所内 (72)発明者 仁科 健一 福山市緑町1番8号 三菱電機株式会社福 山製作所内 (72)発明者 山県 伸示 福山市緑町1番8号 三菱電機株式会社福 山製作所内

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