Switch

申请号 JP31493894 申请日 1994-12-19 公开(公告)号 JP3016344B2 公开(公告)日 2000-03-06
申请人 三菱電機株式会社; 发明人 孝夫 三橋; 利和 上元; 健一 仁科; 和晴 加藤; 俊一 勝部; 昌二 山口; 悟 山崎; 伸示 山県; 和則 福谷; 逸雄 西山; 廣士 足達; 文明 馬場; 貢 高橋;
摘要 A highly flame-retardant organic and inorganic complex composition without corroding metal parts, and a compact switch with excellent insulation properties after opening and closing electrodes, are provided. An organic and inorganic complex composition wherein the resin content is at 15 to 70 wt % and the content of one or more inorganic compounds capable of dehydration at 150 DEG C or more is at 80 to 30 wt %. When the composition is exposed to combustion, inorganic compounds being capable of dehydration at 150 DEG C or more and being contained in the organic and inorganic complex composition generate steam, which then suppresses combustion. Simultaneously, endothermic reaction during steam generation deprives combustion heat. A switch having a molded article of which the entirety or a part is composed of an organic and inorganic complex composition is provided, wherein the base inside 2a of the base of a box is composed of for example an organic and inorganic complex composition with the resin content at 15 to 70 wt % and the content of one or more inorganic compounds capable of dehydration at 150 DEG C or more at 80 to 30 wt %.
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 熱可塑性樹脂と、200°C以上で脱水
    反応する1種類以上の無機化合物と、強化材とを含有す
    る成形品を、全体または一部に用いたことを特徴とする
    開閉器。
  • 【請求項2】 熱可塑性樹脂と、250°C以上で脱水
    反応する1種類以上の無機化合物と、強化材とを含有す
    る成形品を、全体または一部に用いたことを特徴とする
    開閉器。
  • 【請求項3】 熱可塑性樹脂と、340°C以上で脱水
    反応する1種類以上の無機化合物と、強化材とを含有す
    る成形品を、全体または一部に用いたことを特徴とする
    開閉器。
  • 【請求項4】 熱可塑性樹脂はナイロン6であることを
    特徴とする請求項2又は3のいずれか一項記載の開閉
    器。
  • 【請求項5】 無機化合物は水酸化マグネシウムである
    ことを特徴とする請求項1、2、4のいずれか一項記載
    の開閉器。
  • 【請求項6】 熱可塑性樹脂が35〜80wt%、無機
    化合物が50〜80wt%、強化材が5〜50wt%で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載
    の開閉器。
  • 【請求項7】 成形品が筐体、クロスバー、ハンドル、
    又はトッリプバーの少なくとも1つであることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか一項記載の開閉器。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】 本発明は、難燃性を有する有機無
    機複合組成物を用いた開閉器に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】従来、例えば実開平2−125943号公報には、ポリエステル、ガラス繊維、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、ハロゲン系難燃剤、酸化アンチモンを含有させた難燃性材料が記載されている。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】上記難燃性材料は十分な難燃性を有するが、ハロゲン系難燃剤を含有しているため、構造材料として使用した場合、経時的にハロゲン系難燃剤が材料中から析出し、金属部品を腐食する問題が生じた。 特に開閉器等に使用した場合には、接点腐食や電子部品腐食による導通不良などの問題があった。 また、難燃性材料として、高価である等の問題点もあった。

    【0004】また、従来、開閉器のアーク発生後の絶縁低下原因としては、消弧室を中心とした周辺部に熱分解した炭素が付着することによるものと考えられていた。

    【0005】しかしながら、発明者らが開閉器内部の付着物を詳細に分析した結果、上記遊離炭素以外に開閉器の電極開閉時に接点および開閉器内部構成金属部品より発生する昇華金属、ならびに飛散する溶融金属液滴よりなる金属層が形成されており、この付着金属層が絶縁抵抗低下に大きく寄与していることが判明した。 加えて、
    消弧室を中心とした周辺部のみならず、ハンドル、クロスバー、トリップバー、消弧室から離れた筐体からも遊離炭素が発生していることが判明した。

    【0006】したがって、開閉器電極開閉後の絶縁機能として、従来の付着炭素の付着抑制だけでは対策不十分であり、特に、開閉器の小型化、高遮断容量化を図る上では大きな障害となっている。

    【0007】この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、 金属腐食する成分が析出するこ
    とがなく、難燃性の優れるとともに、開閉器のアーク発
    生時に発生する遊離炭素並びに昇華金属や飛散する溶融
    金属液滴を、成形品から発生する分解反応性ガスによっ
    て絶縁体化することにより、アーク発生後の絶縁低下
    防止でき、絶縁性能の優れた開閉器を得るものである。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】 この発明に係る開閉器
    は、熱可塑性樹脂と、200°C以上で脱水反応する1
    種類以上の無機化合物と、強化材とを含有する成形品
    を、全体または一部に用いたものである。 また、熱可塑
    性樹脂と、250°C以上で脱水反応する1種類以上の
    無機化合物と、強化材とを含有する成形品を、全体また
    は一部に用いたものである。 また、熱可塑性樹脂と、3
    40°C以上で脱水反応する1種類以上の無機化合物
    と、強化材とを含有する成形品を、全体または一部に用
    いたものである。

    【0009】 また、熱可塑性樹脂はナイロン6である。
    また、無機化合物は水酸化マグネシウムである。 また、
    熱可塑性樹脂が35〜80wt%、無機化合物が50〜
    80wt%、強化材が5〜50wt%である。

    【0010】 さらにまた、成形品が筐体、クロスバー、
    ハンドル、又はトッリプバーの少なくとも1つである

    【0011】

    【作用】 この発明に係る開閉器は、電極開閉時に筺体お
    よび内部構成有機材料から発生する遊離炭素、並びに接
    点および内部構成金属部品より発生する昇華金属や飛散
    する溶融金属液滴を、有機無機複合組成物からなる成形
    品中に含有された200゜C以上で脱水反応をする無機
    化合物から発生する絶縁性付与ガスにより絶縁体化す
    る。 また、電極開閉時に筺体および内部構成有機材料か
    ら発生する遊離炭素、並びに接点および内部構成金属部
    品より発生する昇華金属や飛散する溶融金属液滴を、有
    機無機複合組成物からなる成形品中に含有された250
    ゜C以上で脱水反応をする無機化合物から発生する絶縁
    性付与ガスにより絶縁体化する。 さらにまた、電極開閉
    時に筺体および内部構成有機材料から発生する遊離炭
    素、並びに接点および内部構成金属部品より発生する昇
    華金属や飛散する溶融金属液滴を、有機無機複合組成物
    からなる成形品中に含有された340゜C以上で脱水反
    応をする無機化合物から発生する絶縁性付与ガスにより
    絶縁体化する。

    【0012】

    【実施例】実施例1. 本発明の有機無機複合組成物は、150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物と1種類以上の強化材と熱硬化性樹脂とを含有している。

    【0013】前記樹脂が、エポキシ樹脂の場合には、当該エポキシ樹脂が15〜65wt%であり、前記150
    ゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、
    80〜30wt%含有され、かつ前記強化材が5〜55
    wt%である事が好ましい。 前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が30wt%未満の場合、または前記強化材が55wt%を越える場合、難燃性が不充分となる傾向がある。 前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が80wt%を越える場合、または前記強化材が5wt%未満の場合、
    耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0014】実施例2. 前記樹脂が、ポリエステルの場合には、当該ポリエステルが15〜40wt%であり、前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、80〜35w
    t%含有され、かつ前記強化材が5〜50wt%である事が好ましい。 前記150゜C以上で脱水反応をする1
    種類以上の無機化合物が35wt%未満の場合、または前記強化材が50wt%を越える場合、難燃性が不充分となる傾向がある。 前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が80wt%を越える場合、
    または前記強化材が5wt%未満の場合、耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0015】実施例3. 前記樹脂が、フェノール樹脂の場合には、当該フェノール樹脂が25〜60wt%であり、前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、70〜3
    5wt%含有され、かつ前記強化材が5〜40wt%である事が好ましい。 前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が35wt%未満の場合、または前記強化材が40wt%を越える場合、難燃性が不充分となる傾向がある。 前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が70wt%を越える場合、または前記強化材が5wt%未満の場合、耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0016】実施例4. 前記樹脂が、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンフェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂のいずれかの場合には、当該樹脂が30〜65wt%であり、前記150
    ゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、
    65〜30wt%含有され、かつ前記強化材が5〜40
    wt%である事が好ましい。 前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が30wt%未満の場合、または前記強化材が40wt%を越える場合、難燃性が不充分となる傾向がある。 前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が65wt%を越える場合、または前記強化材が5wt%未満の場合、
    耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0017】実施例5. 本発明の有機無機複合組成物は、200゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物と1種類以上の強化材と熱可塑性樹脂とを含有している。

    【0018】前記樹脂が、ポリアセタール、ポリアセタール系ポリマーアロイのいずれかの場合、樹脂が65〜
    80wt%であり、前記200゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、30〜15wt%含有され、かつ前記強化材が5〜20wt%である事が好ましい。 前記200゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、15wt%未満の場合、または前記強化材が20wt%を越える場合、難燃性が不充分となる傾向がある。 前記200゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が30wt%を越える場合、または前記強化材が5wt%未満の場合、耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0019】実施例6. 本発明の有機無機複合組成物は、250゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物と1種類以上の強化材と熱可塑性樹脂とを含有している。

    【0020】前記樹脂が、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロンMXD6のいずれかの場合および、これらのポリマーアロイのいずれかの場合、樹脂が45〜80wt%であり、かつ前記250゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、50〜15
    wt%含有され、かつ前記強化材が5〜40wt%である事が好ましい。 前記250゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、15wt%未満の場合、または前記強化材が40wt%を越える場合、難燃性が不充分となる傾向がある。 前記250゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が50wt%を越える場合、または前記強化材が5wt%未満の場合、耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0021】実施例7. 本発明の有機無機複合組成物は、340゜C以上で脱水反応する1種類以上の無機化合物と1種類以上の強化材と熱可塑性樹脂とを含有している。

    【0022】前記樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン66、ポリフェニレンサルファイド、ナイロン46、ナイロン6Tのいずれかの場合、およびこれらのポリマーアロイの場合には樹脂が35〜80wt%
    であり、かつ前記340゜C以上で脱水反応する1種類以上の無機化合物が45〜15wt%含有され、かつ前記強化材が5〜50wt%である事が好ましい。 前記3
    40゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が15wt%未満の場合、または前記強化材が50wt
    %を越える場合、難燃性が不充分となる傾向がある。 前記340゜C以上で脱水反応する1種類以上の無機化合物が45wt%を越える場合、または前記強化材が5w
    t%未満の場合、耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0023】前記各実施例1乃至7によれば、有機無機複合組成物が燃焼にさらされた際に、有機無機複合組成物中に含有された無機化合物が熱分解で発生する水蒸気によって燃焼を押さえ、同時に水蒸気が発生する際の吸熱反応によって、燃焼熱を奪い取るものである。

    【0024】すなわち、前記有機無機複合組成物が燃焼にさらされた場合、当該組成物の温度が徐々に上昇し、
    有機ポリマーが分解し、その分解ガスが燃焼に至る温度約400〜600゜Cに到達するまでの温度、つまり約150〜380゜Cで、150゜C以上で脱水反応する無機化合物が熱分解により、不燃性ガスである水蒸気を発生する。 同時に水蒸気が発生する際の吸熱反応によって、燃焼熱を奪い取る。 この事により、前記有機無機複合組成物は優れた難燃性を有するものである。

    【0025】また、通常の使用温度においては、前記有機無機複合組成物は、ハロゲン系難燃剤を含有していないため、析出物がなく、金属腐食を発生しない。

    【0026】上記各実施例において、150゜C以上で脱水反応する無機化合物の例としては、ホウ酸亜鉛(2
    ZnO,3B 23 ,3.5H 2 O)、ドーソナイト(N
    aAl(OH) 2 CO 3 )、水酸化アルミニウム(Al
    (OH) 3 )、水酸化カルシウム(Ca(OH) 2 )、カルシウムアルミネート(Ca 3 Al 2 (OH) 12 )、水酸化マグネシウム(Mg(OH) 2 )、ハイドロタルサイト類(Mg 4 Al(OH) 12 CO 3・3H 2 O)、塩基性炭酸マグネシウム(Mg 4 (CO 3 )3(OH) 2・4H 2
    O)、ポリリン酸アンモニウム((NH 4 PO 3n )などがあげられる。 これらは、粒子状、繊維状、リン片状などの形状を有する。

    【0027】これらのうち、ドーソナイト、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト類、塩基性炭酸マグネシウムが無毒という点から好ましい。

    【0028】また、水酸化アルミニウム(470cal
    /g)、カルシウムアルミネート(340cal/
    g)、水酸化マグネシウム(320cal/g)、塩基性炭酸マグネシウム(295cal/g)が、脱水反応時の吸熱量が比較的大きいという点から好ましい。

    【0029】また、熱硬化性樹脂に含有する場合、水酸化アルミニウムが成形材料として適度な粘性を有するため、好ましい。

    【0030】また、熱可塑性樹脂と混練する場合、混練時に前記無機化合物が脱水反応することを防止するために、前記無機化合物の脱水反応する温度は、200゜C
    以上であることが望ましい。

    【0031】200゜C以上で脱水反応する無機化合物は、ホウ酸亜鉛、ドーソナイト、水酸化アルミニウム、
    水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウムなどがあげられる。

    【0032】250゜C以上で脱水反応する無機化合物は、ホウ酸亜鉛、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、水酸化マグネシウムなどがあげられる。

    【0033】340゜C以上で脱水反応する無機化合物は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどがあげられる。

    【0034】これらのうち、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、水酸化マグネシウムが無毒という点から好ましい。

    【0035】前記水蒸気を発生する無機化合物は、単独で用いてもよく、また2種類以上併用してもよい。

    【0036】なお、前記水蒸気を発生する無機化合物の平均粒子径は特に限定はない。

    【0037】実施例8. 本発明の開閉器に用いられた有機無機複合組成物からなる成形品は、150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物と1種類以上の強化材と熱硬化性樹脂とを含有している。

    【0038】前記樹脂が、エポキシ樹脂の場合には、当該エポキシ樹脂が15〜65wt%であり、前記150
    ゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、
    80〜30wt%含有され、かつ前記強化材が5〜55
    wt%である事が好ましい。 前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が30wt%未満の場合、または前記強化材が55wt%を越える場合、開閉器の電極開閉後の絶縁性能が不充分となる傾向がある。 前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が80wt%を越える場合、または前記強化材が5wt%未満の場合、耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0039】実施例9. 前記樹脂が、ポリエステルの場合には、当該ポリエステルが15〜40wt%であり、前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、80〜35w
    t%含有され、かつ前記強化材が5〜50wt%である事が好ましい。 前記150゜C以上で脱水反応をする1
    種類以上の無機化合物が35wt%未満の場合、または前記強化材が50wt%を越える場合、開閉器の電極開閉後の絶縁性能が不充分となる傾向がある。 前記150
    ゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が8
    0wt%を越える場合、または前記強化材が5wt%未満の場合、耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0040】実施例10. 前記樹脂が、フェノール樹脂の場合には、当該フェノール樹脂が25〜60wt%であり、前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、70〜3
    5wt%含有され、かつ前記強化材が5〜40wt%である事が好ましい。 前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が35wt%未満の場合、または前記強化材が40wt%を越える場合、開閉器の電極開閉後の絶縁性能が不充分となる傾向がある。 前記1
    50゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が70wt%を越える場合、または前記強化材が5wt
    %未満の場合、耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0041】実施例11. 前記樹脂が、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンフェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂のいずれかの場合には、当該樹脂が30〜65wt%であり、前記150
    ゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、
    65〜30wt%含有され、かつ前記強化材が5〜40
    wt%である事が好ましい。 前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が30wt%未満の場合、または前記強化材が40wt%を越える場合、開閉器の電極開閉後の絶縁性能が不充分となる傾向がある。 前記150゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が65wt%を越える場合、または前記強化材が5wt%未満の場合、耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0042】実施例12. 本発明の開閉器に用いられた有機無機複合組成物からなる成形品は、200゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物と1種類以上の強化材と熱可塑性樹脂とを含有している。

    【0043】前記樹脂が、ポリアセタール、ポリアセタール系ポリマーアロイのいずれかの場合、樹脂が65〜
    80wt%であり、前記200゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が30〜15wt%含有され、かつ前記強化材が5〜20wt%である事が好ましい。 前記200゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が15wt%未満の場合、または前記強化材が20wt%を越える場合、開閉器の電極開閉後の絶縁性能が不充分となる傾向がある。 前記200゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が30wt%を越える場合、または前記強化材が5wt%未満の場合、
    耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0044】実施例13. 本発明の開閉器に用いられた有機無機複合組成物からなる成形品は、250゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物と1種類以上の強化材と熱可塑性樹脂とを含有している。

    【0045】前記樹脂が、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロンMXD6のいずれかの場合および、これらのポリマーアロイのいずれかの場合、樹脂が45〜80wt%であり、かつ前記250゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、50〜15
    wt%含有され、かつ前記強化材が5〜40wt%である事が好ましい。 前記250゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が15wt%未満の場合、または前記強化材が40wt%を越える場合、開閉器の電極開閉後の絶縁性能が不充分となる傾向がある。 前記25
    0゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が50wt%を越える場合、または前記強化材が5wt%
    未満の場合、耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0046】実施例14. 本発明の開閉器に用いられた有機無機複合組成物からなる成形品は、340゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物と1種類以上の強化材と熱可塑性樹脂とを含有している。

    【0047】前記樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン66、ポリフェニレンサルファイド、ナイロン46、ナイロン6Tいずれかの場合、およびこれらのポリマーアロイの場合には、樹脂が35〜80wt%
    であり、かつ前記340゜C以上で脱水反応する1種類以上の無機化合物が45〜15wt%含有され、かつ前記強化材が5〜50wt%である事が好ましい。 前記3
    40゜C以上で脱水反応をする1種類以上の無機化合物が、15wt%未満の場合、または前記強化材が50w
    t%を越える場合、開閉器の電極開閉後の絶縁性能が不充分となる傾向がある。 前記340゜C以上で脱水反応する1種類以上の無機化合物が45wt%を越える場合、または前記強化材が5wt%未満の場合、耐圧強度が不充分となる傾向がある。

    【0048】前記実施例7乃至14によれば、開閉器の電極開閉時に接点間で発弧する際に、そのアークにより、開閉器筐体および開閉器内部構成有機材料から発生する遊離炭素、ならびに接点および開閉器内部構成金属材料から発生する昇華金属や飛散する溶融金属液滴を、
    同じくアークにより脱水反応する無機化合物から発生する絶縁性付与ガスにより絶縁体化するものである。

    【0049】すなわち、開閉器の電極開閉時に、電極の接点間でアークが発生し、通常4000〜6000゜C
    程度の温度になる。 この結果、電極、接点および開閉器内部構成金属材料が加熱され、当該金属から金属蒸気や溶融金属液滴が発生して飛散する。 この時、アークのみならず、これら金属蒸気や溶融金属液滴によって、開閉器筐体および開閉器内部構成有機材料が分解され、遊離炭素も発生する。 また有機無機複合組成物からなる成形品中に含有された無機化合物から絶縁性付与ガスが発生する。

    【0050】ここで、前記絶縁性付与ガスとは、遊離炭素、金属蒸気および溶融金属液滴を絶縁体化させる性質を有するガスの事である。

    【0051】前記遊離炭素、金属蒸気および溶融金属液滴と反応するガスが発生した場合には、かかるガスと遊離炭素、金属蒸気および溶融金属液滴とが反応し、当該ガスと遊離炭素、金属蒸気および溶融金属液滴との反応生成物が飛翔し、このように絶縁体化されたものや本来絶縁性のものが開閉器筐体内部表面や開閉器内部構成部品表面に付着する。

    【0052】このように、従来電気抵抗の低下に大きく寄与していた遊離炭素、金属蒸気および溶融金属液滴が絶縁体化され、電気抵抗の低下が防止され、アーク発生後の絶縁低下が抑制される。

    【0053】なお、遊離炭素、金属蒸気および溶融金属液滴が絶縁体化される際には、発生した絶縁性付与ガスは、アークによって高圧蒸気が発生し膨張するため、接点付近に近づく事ができず、当該接点部分には遊離炭素、金属蒸気および溶融金属液滴が絶縁体化した層は形成されず、通電を妨げることはない。

    【0054】前記150゜C以上で脱水反応する無機化合物の例としては、ホウ酸亜鉛(2ZnO,3B 23
    3.5H 2 O)、ドーソナイト(NaAl(OH) 2 CO
    3 )、水酸化アルミニウム(Al(OH) 3 )、水酸化カルシウム(Ca(OH) 2 )、カルシウムアルミネート(Ca 3 Al 2 (OH) 12 )、水酸化マグネシウム(Mg
    (OH) 2 )、ハイドロタルサイト類(Mg 4 Al(O
    H) 12 CO 3・3H 2 O)、塩基性炭酸マグネシウム(M
    4 (CO 3 )3(OH) 2・4H 2 O)、ポリリン酸アンモニウム((NH 4 PO 3n )などがあげられる。 これらは、粒子状、繊維状、リン片状などの形状を有する。

    【0055】これらの無機化合物は、150゜C以上でなければ脱水反応しないため、金型温度が約140゜C
    付近で成形される熱硬化性樹脂に含有されても分解せず、成形品が消弧用絶縁材料組成物としての前記機能を十分発揮できる。

    【0056】これらのうち、ドーソナイト、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト類、塩基性炭酸マグネシウムが無毒という点から好ましい。

    【0057】また、熱硬化性樹脂と混練する場合、水酸化アルミニウムが成形材料として適度な粘性を有するため、好ましい。

    【0058】また、熱可塑性樹脂と混練する場合、混練時に前記無機化合物が脱水反応することを防止するために、前記無機化合物の脱水反応する温度は、200゜C
    以上であることが望ましい。 さらには、250゜C以上である事が好ましい。 さらには、340゜C以上である事が好ましい。

    【0059】200゜C以上で脱水反応する無機化合物は、ホウ酸亜鉛、ドーソナイト、水酸化アルミニウム、
    水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウムなどがあげられる。

    【0060】250゜C以上で脱水反応する無機化合物は、ホウ酸亜鉛、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、水酸化マグネシウムなどがあげられる。

    【0061】340゜C以上で脱水反応する無機化合物は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどがあげられる。

    【0062】これらのうち、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、水酸化マグネシウムが無毒という点から好ましい。

    【0063】前記遊離炭素、金属蒸気および溶融金属液滴と反応する絶縁性付与ガスを発生する無機化合物は、
    単独で用いてもよく、また2種類以上併用してもよい。

    【0064】なお、前記絶縁性付与ガスを発生する無機化合物の平均粒子径は特に限定はない。

    【0065】次に、上記実施例1乃至14において用いられる強化材について以下説明する。 強化材とは、ガラス繊維、無機鉱物、セラミック繊維からなる群から選択された1種類以上のものである。

    【0066】前記強化材は、耐圧強度および消弧性能向上のために用いられる。

    【0067】前記強化材は、周期律表1A族の金属(L
    i、Na、K、Rb、Cs、Fr)の化合物がM2O
    (Na2O、Li2Oなど)のかたちになっている金属の化合物の合計含有量が1%以下である。 1%を越えて含有する場合には、消弧性能が低下する。 前記金属の化合物の合計含有量は0.6%以下、さらには0.15%
    以下であるのが消弧性能の点からは好ましい。

    【0068】ガラス繊維は、ガラスからなる繊維状物のことをいい、前記周期律表1A族の金属の化合物の合計含有量を満足していれば、特に限定はされない。 ガラス素材としては、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラスまたはシリカガラスなどがあげられる。

    【0069】ガラス繊維製品としては、長繊維、短繊維またはグラスウールなどがあげられる。 熱可塑性樹脂の強化材としては短繊維が好ましい。 熱硬化性樹脂の強化材としては、特に限定はしないが、シート状のポリエステル樹脂などに用いる場合は特に長繊維が、材料製造過程に繊維が切断されにくい点や、成形品の耐圧強度を向上させる点から好ましい。

    【0070】ガラス繊維の直径が6〜13μm、アスペクト比が10以上であることが耐圧強度の点から好ましい。 また、ガラス繊維には、シランカップリング剤などの処理剤が加工されているのが、耐圧強度の点から好ましい。

    【0071】無機鉱物の具体例としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、過酸化バリウム、酸化アルミニウム、ジルコン、コーディエライト、ムライト、
    ウォラストナイト、白雲母、炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、フッ化亜鉛、フッ化マグネシウムなどが、挙げられ、熱変形温度、寸法安定性を向上させるという利点を有する。

    【0072】なお、前記周期律表1A族の金属の化合物の合計含有量を満足しているという点からは、炭酸カルシウム、タルク、ウォラストナイト、過酸化バリウム、
    酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、
    フッ化亜鉛、フッ化マグネシウムなどが好ましい。

    【0073】炭酸カルシウムは、ステアリン酸をはじめとする脂肪酸などの表面改質剤により、樹脂中への分散性を向上させたものが耐圧強度の点から好ましい。

    【0074】セラミック繊維は、セラミック繊維状物のことをいい、前記周期律表1A族の金属の化合物の合計含有量を満足していれば、特に限定はされない。 セラミック繊維の具体例としては、ケイ酸アルミニウム繊維、
    ホウ酸アルミニウム繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、アルミナウィスカなどが、消弧性能の向上、耐圧強度の点から好ましい。

    【0075】セラミック繊維の直径が1〜10μm、アスペクト比が10以上であることが、耐圧強度の点から好ましい。

    【0076】前記強化材は、1種類または2種類以上が用いられる。 2種類以上が用いられる場合には、前記ガラス繊維と前記無機鉱物、前記ガラス繊維と前記セラミック繊維、前記無機鉱物と前記セラミック繊維、前記ガラス繊維どうし、前記無機鉱物どうし、前記セラミックス繊維どうし、前記ガラス繊維と前記無機鉱物と前記セラミック繊維との組合せがあり、特に限定はしないが、
    前記ガラス繊維と前記無機鉱物との組合せが、原料コストが安価であるという利点がある。

    【0077】次に樹脂について説明する。 前記樹脂は、
    熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂である。

    【0078】前記熱硬化性樹脂は、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンフェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂からなる群から選択された1種である。

    【0079】前記熱硬化性樹脂は、耐圧強度、耐熱形状保持性、消弧性の向上を図るために用いられる。

    【0080】ユリア樹脂、メラミン樹脂は、構造内に芳香環を有さないため、消弧性の向上が図れ、耐熱形状保持性を満足するために用いられる。

    【0081】メラミンフェノール樹脂は、メラミンを構造内に有するため、消弧性の向上が図れると同時に耐圧強度、耐熱形状保持性の向上を図るために用いられる。

    【0082】ジアリルフタレート樹脂は、耐圧強度、耐熱形状保持性の向上を図るために用いられる。 強化剤として、ガラス繊維を用いると一層の耐圧強度、耐熱形状保持性の向上が得られる。

    【0083】フェノール樹脂は、耐圧強度、耐熱形状保持性の向上を図るために用いられる。 フェノール樹脂内に木粉や布などを添加する事により、材料コストが安価になるという利点も有する。

    【0084】ポリエステル樹脂は、耐圧強度、耐熱形状保持性の向上を図るために用いられる。 特にシート状の原材料とした場合は、長繊維のガラス繊維の含有も可能で耐圧強度、耐熱形状保持性の一層の向上が可能である。

    【0085】前記熱硬化性樹脂には、前記の樹脂を主成分とするものであるが、エラストマーあるいはゴムを、
    ブレンドまたは共重合する場合がある。

    【0086】当該ブレンドまたは共重合に用いられるエラストマーあるいはゴムは耐衝撃性の向上を図るために用いられる。

    【0087】当該ブレンドまたは共重合に用いられるエラストマーとしては、ポリオレフィン系エラストマー、
    ポリエステル系エラストマーなどがあるが、なかでもポリオレフィン系エラストマーが耐圧強度の点から好ましい。

    【0088】当該ブレンドまたは共重合に用いられるゴムとしては、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリル酸ゴム、ニトリルブタジエンゴムなどがあるが、なかでもニトリルブタジエンゴムが耐圧強度の点から好ましい。

    【0089】前記ブレンドまたは共重合比率は、熱硬化性樹脂100部(重量部、以下同様)に対して、耐熱性、耐圧強度の点からエラストマーおよびゴムいずれの場合も、5〜30部さらには10〜25部が好ましい。

    【0090】次に、前記熱可塑性樹脂について説明する。

    【0091】前記熱可塑性樹脂は、特に限定はしないが、開閉器の使用環境や使用条件を考慮すると、耐油性のある材料が好ましい。 具体的には、ポリアセタール、
    ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイドおよび、これらのポリマーアロイ材料が耐熱性、耐圧強度の点から好ましい。

    【0092】前記熱可塑性樹脂の中において、ポリアセタール、ポリアミドが芳香環を有さないため、消弧性の向上の点では特に好ましい。

    【0093】前記熱可塑性樹脂は、耐圧強度、消弧性能の向上を図ると同時に、部品の薄肉化、複雑形状に対応が可能であり、成形時間の短縮を図るために用いられる。

    【0094】以下、上記実施例8〜14における各種の有機無機複合組成物からなる成形品として、開閉器の構成部品である筺体、クロスバー、ハンドル、トリップバーに適用した例について説明する。

    【0095】実施例15. 図1は回路遮断器の外観を示す概略斜視図、図2はカバーを取り除いた状態を示す概略斜視図である。 図において、1は筺体で、ベース2とカバー3とで構成されている。 4は各極の固定接点(図示せず)とそれぞれ接離する可動接触子で、いずれもクロスバー5に共通に支持されている。 6は可動接触子4の前方に設けられた消弧装置で、消弧板6aと消弧側板6bとで構成されている。
    7は筺体1から外部へ突出されたハンドルで、開閉機構部8を介して可動接触子4を開閉操作するものである。
    9は引き外し装置10を構成するトリップバーである。
    図3は圧縮2重成形により形成されたベースの一部を切断した状態を示す概略斜視図である。 図において、ベース2は開閉機構部8、両方の接触子、消弧装置6およびトリップバー9を収容する部分が2重成形され、本発明の有機無機複合組成物で形成されたベース内側2aと、
    構造用組成物で形成されたベース外側2bを有している。 ここで、構造用組成物とは、例えば熱硬化性樹脂か
    らなる材料で形成されたものであり、有機無機複合組成
    物に比較し、強度に優れるとともに廉価である。

    【0096】この実施例によれば、開閉器の電極開閉時に、電極の接点間でアークが発生し、内部構成有機材料から発生する遊離炭素および内部構成金属部品から発生する金属蒸気や溶融金属液滴が、ベース内側2aを形成している有機無機複合組成物に含有している150゜C
    以上で脱水反応する無機化合物から発生する絶縁性付与ガスにより絶縁体化される。 これにより、ベース内面の電気抵抗の低下が防止され、開閉器の電極相互間の電極開閉後の絶縁性能が向上する。 また、同時にアークによって発生した高圧蒸気による筐体のベースの破損を、ベース外側2bを形成している構造用組成物により防止するという利点がある。

    【0097】実施例16. 図4は、本発明のシート状有機無機複合組成物を用いた筺体のベースの圧縮2重成形方法を示す概略説明図である。 図において、11はシート状有機無機複合組成物、
    12はシート状構造用組成物、13aは下型、13bは上型である。 まず、シート状有機無機複合組成物11を下型13aに載置し、その上からシート状有機無機複合組成物11を完全に覆うようにシート状構造用組成物1
    2を設置すれば良い。 この製造方法により、ベース内側2aが本発明の有機無機複合組成物、ベース外側2bが構造用組成物からなる筺体のベース2が容易に得られる。 また、カバーも同様な方法を用いて得ることができる。

    【0098】実施例17. 図5はトランスファー成形により形成されたクロスバーの一部を切断した状態を示す概略斜視図である。 図において、クロスバー5は本発明の有機無機複合組成物で形成された表層部5aと構造用組成物で形成された内層部5bを有している。

    【0099】この実施例によれば、開閉器の電極開閉時に電極の接点間でアークが発生する事によって生じる遊離炭素、金属蒸気、溶融金属液滴が、クロスバー表層部5aを形成している有機無機複合組成物に含有している150゜C以上で脱水反応する無機化合物から発生する絶縁性付与ガスにより絶縁体化される。 これにより、開閉器相間にかかるクロスバー表面も電気抵抗の低下が防止され、開閉器相間の絶縁性が向上するという利点がある。 同時にアークによって発生した高圧蒸気によるクロスバーの破損をクロスバーの内層部5bを形成している構造用組成物により防止するという利点もある。

    【0100】実施例18. 図6はトランスファー成形により形成されたトリップバーの一部を切断した状態を示す概略斜視図である。 図において、トリップバー9は本発明の有機無機複合組成物で形成され表層部9aと、構造用組成物で形成され内層部9bを有している。

    【0101】この実施例によれば、開閉器の電極開閉時に電極の接点間でアークが発生する事によって生じる遊離炭素、金属蒸気、溶融金属液滴が、トリップバー表層部9aを形成している有機無機複合組成物に含有している150゜C以上で脱水反応する無機化合物から発生する絶縁性付与ガスにより絶縁体化される。 これにより、
    開閉器相間にかかるトリップバー表面も電気抵抗の低下が防止され、開閉器相間の絶縁性が向上するという利点がある。 同時にアークによって発生した高圧蒸気によるトリップバーの破損をトリップバーの内層部9bを形成している構造用組成物により防止するという利点もある。

    【0102】実施例19. 図7はトランスファー成形により形成されたハンドルの一部を切断した状態を示す概略斜視図である。 図において、ハンドル7は、本発明の有機無機複合組成物で形成され表層部7aと、構造用組成物で形成された内層部7
    bを有している。

    【0103】この実施例によれば、開閉器の電極開閉時に電極の接点間でアークが発生する事によって生じる遊離炭素、金属蒸気、溶融金属液滴が、ハンドル表層部7
    aを形成している有機無機複合組成物に含有している1
    50゜C以上で脱水反応する無機化合物から発生する絶縁性付与ガスにより絶縁体化される。 これにより、ハンドル7の表面も電気抵抗の低下が防止され、開閉器の絶縁性が向上するという利点がある。 同時にアークによって発生した高圧蒸気によるハンドルの破損をハンドルの内層部7bを形成している構造用組成物により防止するという利点もある。

    【0104】実施例20. 図8は射出2色成形により形成されたハンドルの一部を切断した状態を示す概略斜視図である。 図において、ハンドル7は本発明の有機無機複合組成物で形成された内側部71aと、構造用組成物で形成された外側部71b
    を有している。 電極の接点間でアークが発生する事によって生じる遊離炭素、金属蒸気、溶融金属液滴が付着し、電気抵抗を低下させる部分は、主に開閉器内部である。 開閉器内部に面するハンドル71a以外を構造用組成物で形成する事により、ハンドルの開閉繰り返し強度を向上させる利点がある。

    【0105】実施例21. 図9はベースの概略斜視図である。 図において、筺体のベース2は、3極開閉器の筺体のベースの接点周辺部位21aすなわち中央極部位を、本発明の有機無機複合組成物で形成し、ベースのその他の部分21bは構造用組成物で形成されている。

    【0106】この実施例によれば、3極の開閉器の場合、各極の接点間でアークが発生する事によって生じる遊離炭素、金属蒸気、溶融金属液滴が付着することに起因する電気抵抗の低下のみならず、元来、電気的に導通する金属材料で構成された開閉器の機構部が中央極にあるため、左右両極と比較して、中央極の電源側/負荷側の電気抵抗の低下が著しく悪い傾向にあった。 べースの接点周辺部位21aすなわち中央極部位を本発明の有機無機複合組成物で形成することにより、中央極の電源側/負荷側の絶縁抵抗の低下を向上させる利点がある。 同時にアークによって発生した高圧蒸気による筐体の破損を、筐体のその他の部分21bを形成している構造用組成物により防止するという利点がある。 なお、これは3
    極の開閉器に限定されたものではなく、2極や4極の開閉器でも同様の効果がある。

    【0107】なお、本発明の有機無機複合組成物からなる成形品は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。 あらかじめ成形していた接点周辺部位の成形品を射出2色成形する事により、容易に筺体のベースが得られる。 あるいは、有機無機複合組成物からなる材料または有機無機複合組成物からなる成形品を用いて、圧縮2
    重成形する事により容易に筺体のベースが得られる。

    【0108】実施例22. 図10は、接点周辺部位の有機無機複合組成物からなる成形品または有機無機複合組成物からなる材料21を圧縮成形用金型の接点周辺部位相当位置に設置し、熱硬化性樹脂の構造用組成物22をその他の位置に設置して成形する圧縮2重成形方法を示す概略説明図である。 この方法により、容易に筺体のベースが得られる。

    【0109】実施例23. 図11は、接点周辺部位の有機無機複合組成物からなる成形品または材料211を、圧縮成形用金型の接点周辺部位相当位置に設置し、熱硬化性樹脂からなるシート状の材料212 即ちシート状の構造用組成物で接点周辺部位の有機無機複合材料からなる成形品または材料211
    を覆って成形する圧縮2重成形方法を示す概略説明図である。 この方法により、容易に筺体のベースが得られ、
    同時に金型の接点周辺部位相当位置に設置した本発明の有機無機複合組成物が、筺体のベースの外側に現れることがなく、ベースの外側を熱硬化性樹脂からなるシート状の材料212 即ちシート状の構造用組成物で覆うため、アークによって発生した高圧蒸気による筐体の破損を防止する利点がある。

    【0110】実施例24. 図12はベースの概略斜視図である。 図において、筺体のベース2は電源側2cを本発明の有機無機複合組成物で形成している。

    【0111】この実施例によれば、ベースの電源側2c
    を本発明の有機無機複合組成物で形成する事により、電極の接点間でアークが発生する事によって生じる遊離炭素、金属蒸気、溶融金属液滴が付着することに起因する電気抵抗の低下を防止する利点があると同時に、開閉器の負荷側を材料単価が安価な構造用組成物で形成する事による経済性の利点も有する。

    【0112】実施例25. 本発明の有機無機複合組成物で筺体のベースの電源側を形成する製造方法について説明する。

    【0113】本発明の有機無機複合組成物は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。 あらかじめ成形していたベースの電源側の成形品を、射出2色成形する事により容易に筺体のベースが得られる。 また、有機無機複合組成物からなる成形品を、圧縮成形用金型の電源側に設置し、圧縮成形用金型の負荷側を熱硬化性樹脂からなる材料即ちシート状の構造用組成物を設置して成形する事により、容易に筺体のベースが得られる。 また、
    本発明の熱硬化性樹脂の有機無機複合組成物からなる材料を圧縮成形用金型の電源側に設置し、圧縮成形用金型の負荷側に熱硬化性樹脂からなる材料即ちシート状の構
    造用組成物を設置して成形する事により、容易に筺体のベースが得られるが、生産性の面からは、この製造方法が好ましい。

    【0114】次に、全体または一部が各種の有機無機複合組成物からなる筺体、クロスバー、ハンドル、トリップバーの少なくとも一つを有する開閉器について、次の遮断試験及びメグ測定試験を行った。

    【0115】(遮断試験) 閉成状態において、3相460V/30KAの過剰の電流を流して、可動接点を開離させ、アーク電流を発生させ、このアーク電流の遮断の成功、および遮断後に回路遮断器の内部部品、筐体の破損や亀裂がない事をもって合格とする試験。

    【0116】(メグ測定試験) 前記遮断試験後に、絶縁抵抗をJIS C1302に記載の絶縁抵抗計を用いて測定する試験。 結果は絶縁抵抗の最低値を示す。 実施試料が筐体の場合には、各端子間、各電源負荷間の絶縁抵抗を測定した。 実施試料がハンドルの場合には、カバーとハンドルとの間隙と、主回路間の絶縁抵抗を測定した。 実施試料がトリップバーまたはクロスバーの場合には、当該部品の各端子間の表層の絶縁抵抗を測定した。

    【0117】また、得られた有機無機複合組成物からなる試験片を用いて、次の燃焼性試験を行った。

    【0118】(燃焼性試験) UL94に記載の垂直燃焼試験および水平燃焼試験。 垂直試験に基づき、結果をV−0相当、V−1相当、V−
    2相当で示す。 水平試験結果に基づき、結果をHB相当で示す。

    【0119】まず、試料1〜試料14について説明する。 表1及び表2に記載した配合の有機無機複合組成物で図6に示すようなトリップバーを作製した。 樹脂は酸無水物系エポキシ樹脂を用いた。 150゜C以上で脱水反応する無機化合物は水酸化アルミニウムを用いた。 強化材はガラス繊維、炭酸カルシウムを用いた。 比較例として、樹脂がポリブチレンテレフタレートを70wt%
    含有し、強化材としてガラス繊維を30wt%含有した組成物のトリップバーを用いた。

    【0120】

    【表1】

    【0121】

    【表2】

    【0122】次に、試料作製方法について説明する。 まず、エポキシ樹脂の主剤および硬化剤、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ブラックカーボンを120゜C恒温槽にて約2時間、予備加熱した。 つぎに、エポキシ樹脂の主剤、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ガラス繊維を恒温槽から取り出し、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムとガラス繊維とが均一になるように十分撹拌し、当該混合品を再び120゜C恒温槽にて30分間再加熱を行った。 つづいて、当該混合品およびエポキシ樹脂の硬化剤を恒温槽から取り出し、エポキシ樹脂の硬化剤を当該混合品に加え、十分撹拌した。 このあとブラックカーボンを加え十分に撹拌した。
    このようにして得られた有機無機複合組成物を真空脱泡した。 つづいて、この有機無機複合組成物を、あらかじめ120゜C恒温槽で予備加熱していたトリップバーの金型に注ぎ、真空脱泡した。 つぎに120゜C恒温槽で24時間硬化させた。 金型からトリップバーの成形品を取り出し、更に120゜C恒温槽で24時間加熱し、試料とした。

    【0123】このようにして得られたトリップバーを回路遮断器に取り付け、前記の遮断試験を実施した。 遮断試験後、トリップバーの外観状態の目視観察、各端子間のメグ測定を実施した。

    【0124】その結果、上記表1及び表2から明らかなように試料1〜14で得られた本発明の有機無機複合組成物からなるトリップバーは、遮断試験後に目視観察したところ、損傷がほとんどなく、メグ測定値も0.5M
    Ω以上あり、良好であった。

    【0125】次に、試料15〜31について説明する。
    下記の表3〜4に記載した配合の有機無機複合組成物で図7に示すようなハンドルを作製した。 樹脂はメラミン樹脂を用いた。 150゜C以上で脱水反応する無機化合物は水酸化アルミニウムを用いた。 強化材はガラス繊維、炭酸カルシウムを用いた。 比較例として、樹脂がポリブチレンテレフタレートを70wt%含有し、強化材としてガラス繊維を30wt%含有した組成物のハンドルを用いた。

    【0126】

    【表3】

    【0127】

    【表4】

    【0128】次に、試料作製方法について説明する。 まず、固体粉末状のメラミン樹脂、酸性触媒、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、炭酸カルシウムをポリエチレン袋に入れ、十分に混練した。 つぎに、当該混練物を100゜Cに保持したロールで5分間混練し、室温で冷却後、粗粉砕機で5分間、更に微粉砕機で5分間粉砕し、有機無機複合組成物を得た。

    【0129】次に、射出成形にてハンドルを成形した。
    このようにして得られたハンドルを回路遮断器に取り付け、前記遮断試験を実施した。 遮断試験後、ハンドルの外観状態の目視観察、メグ測定を実施した。

    【0130】その結果、上記表3及び表4から明らかなように試料15〜31で得られた本発明の有機無機複合組成物からなるハンドルは、遮断試験後に目視観察したところ、損傷がほとんどなく、各端子間のメグ測定値も0.5MΩ以上あり、良好であった。 なお、メラミン樹脂のかわりに、ユリア樹脂、メラミンフェノール樹脂、
    ジアリルフタレート樹脂を用いても同様の良好な結果が得られた。

    【0131】次に、試料32〜43について説明する。
    下記の表5〜6に記載した配合の有機無機複合組成物で図12に示す筺体のベースを作製した。 樹脂はノボラック系フェノール樹脂を用いた。 150゜C以上で脱水反応する無機化合物は水酸化アルミニウムを用いた。 強化材はガラス繊維、炭酸カルシウムを用いた。 比較例として、樹脂がポリエステルを25wt%、強化材としてガラス繊維を15wt%、同じく炭酸カルシウムを60w
    t%含有した組成物からなる筺体のベースを用いた。

    【0132】

    【表5】

    【0133】

    【表6】

    【0134】次に、試料作製方法について説明する。 まず、フェノール、ホルマリン、酸性触媒を100リットルの反応釜で温度80〜100゜Cで約6時間反応させた。 その後、前記反応釜の真空脱水を約1時間行い、液状のフェノールレジンを得た。 この液状フェノールレジンを空気中にて冷却し、固化させ粉砕した。 粉砕したフェノールレジン、ヘキサメチレンテトラアミン、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、炭酸カルシウムを、約40゜Cに保った100リットルのボールミルに入れ、10分間混合した。 次に、この混合物を110゜Cに保ったロール機で5分間混練し、粗粉砕機で5分間、更に微粉砕機で5分間粉砕し、有機無機複合組成物を得た。 つぎに図12に示す筺体のベースを作製した。

    【0135】このようにして得られた筺体のベースを用いて前記遮断試験を実施した。 遮断試験後、筺体のベースの外観状態の目視観察、各端子間のメグ測定実施した。

    【0136】その結果、上記表5及び表6から明らかなように試料32〜43で得られた本発明の有機無機複合組成物からなる筺体のベースは、遮断試験後に目視観察したところ、損傷がほとんどなく、各端子間のメグ測定値も0.5MΩ以上あり、良好であった。

    【0137】次に、試料44〜73について説明する。
    下記の表7〜9に記載した配合の有機無機複合組成物で図12に示す筺体のベースを作製した。 樹脂はポリエステルを用いた。 150゜C以上で脱水反応する無機化合物は水酸化アルミニウム用いた。 強化材はガラス繊維、
    炭酸カルシウム、タルク、ウォラストナイトを用いた。
    比較例として、樹脂がポリエステルを25wt%、強化材としてガラス繊維を15wt%、同じく炭酸カルシウムを60wt%含有した組成物の筺体のベースを用いた。

    【0138】

    【表7】

    【0139】

    【表8】

    【0140】

    【表9】

    【0141】次に、試料作製方法について説明する。 まず、不飽和ポリエステル、スチレンビーズ、スチレンモノマー、有機過酸化物、離型剤、増粘剤、カーボンブラック、炭酸カルシウムまたはタルクまたはウォラストナイトを40゜Cに保持したニーダーに入れ、40分間混練した。 その後、当該混練物にガラス繊維を加え、さらに5分間混練した。 つぎに、ニーダーから混練物を取り出し、室温で冷却した。 その後、冷却した混練物をポリエチレン袋で密閉し、20゜Cの恒温室で72時間保持し、これを有機無機複合組成物とした。 つぎに圧縮成形にて図12に示す筺体のベースを作製した。

    【0142】このようにして得られた筺体のベースを用いて前記の遮断試験を実施した。 遮断試験後、筐体の外観状態の目視観察、各端子間のメグ測定を実施した。

    【0143】その結果、上記表7〜9から明らかなように試料44〜73で得られた本発明の有機無機複合組成物からなる筺体のベースは、遮断試験後に目視観察したところ、損傷がほとんどなく、各端子間のメグ測定値も0.5MΩ以上あり、良好であった。

    【0144】次に、試料74〜78について説明する。
    下記の表10に記載した配合の有機無機複合組成物で図8に示すようなハンドルを作製した。 樹脂はポリアセタールを用いた。 200゜C以上で脱水反応する無機化合物はカルシウムアルミネートを用いた。 強化材はガラス繊維を用いた。 比較例として、樹脂としてポリブチレンテレフタレートを70wt%含有し、強化材としてガラス繊維を30wt%含有した組成物からなるハンドル用いた。

    【0145】

    【表10】

    【0146】次に、試料作製方法について説明する。 まず、ポリアセタールペレット(径2.5mm×長さ2.5
    mm)、カルシウムアルミネート、ガラス繊維、離型剤としてステアリン酸マグネシウム(0.2wt%)、安定剤(0.4wt%)をビニール袋に入れ、手動にて十分混合する。 当該混合物を2軸3条練り押し出し機に入れ、195゜Cで30秒間練る。 当該混練物を2軸3条練り押し出し機ノズルから出し、水槽にて冷却させながら、カッティングし、有機無機複合組成物のペレット(径1.5〜2.5mm×長さ2.5mm)を得た。 つぎに、当該有機無機複合組成物のペレットからなるハンドルを作製した。

    【0147】このようにして得られたハンドルを回路遮断器に取り付け、前記遮断試験を実施した。 遮断試験後、ハンドルの外観状態の目視観察、メグ測定を実施した。

    【0148】その結果、上記表10から明らかなように試料74〜78で得られた本発明の有機無機複合組成物からなるハンドルは、遮断試験後に目視観察したところ、損傷がほとんどなく、メグ測定値も0.5MΩ以上あり、良好であった。 なお、ポリアセタールのかわりにポリアセタール系ポリマーアロイを用いても同様の良好な結果が得られた。

    【0149】次に、試料79〜85について説明する。
    下記の表11に記載した配合の有機無機複合組成物で図8に示すようなハンドルを作製した。 樹脂はナイロン6
    を用いた。 250゜C以上で脱水反応する無機化合物は水酸化マグネシウムを用いた。 強化材はガラス繊維を用いた。 比較例として、樹脂がポリブチレンテレフタレートを70wt%含有し、強化材としてガラス繊維を30
    wt%含有した組成物からなるハンドルを用いた。

    【0150】

    【表11】

    【0151】次に、試料作製方法について説明する。 まず、ナイロン6ペレット(径2.5mm×長さ2.5m
    m)、水酸化マグネシウム、ガラス繊維、離型剤としてステアリン酸マグネシウム(0.2wt%)、安定剤(0.4wt%)をビニール袋に入れ、手動にて十分混合する。 当該混合物を2軸3条練り押し出し機に入れ、
    255゜Cで30秒間練る。 当該混練物を2軸3条練り押し出し機ノズルから出し、水槽にて冷却させながら、
    カッティングし、有機無機複合組成物のペレット(径1.5〜2.5mm×長さ2.5mm)を得た。 つぎに、当該有機無機複合組成物のペレットからなるハンドルを作製した。

    【0152】このようにして得られたハンドルを回路遮断器に取り付け、前記遮断試験を実施した。 遮断試験後、ハンドルの外観状態の目視観察、メグ測定を実施した。

    【0153】その結果、上記の表11から明らかなように試料79〜85で得られた本発明の有機無機複合組成物からなるハンドルは、遮断試験後に目視観察したところ、損傷がほとんどなく、メグ測定値も0.5MΩ以上あり、良好であった。 なお、ナイロンのかわりにポリブチレンテレフタレート、ナイロンMXD6、これらのポリマーアロイ、いずれを用いても同様の良好な結果が得られた。

    【0154】次に、試料86〜96について説明する。
    下記の表12に記載した配合の有機無機複合組成物で図8に示すようなハンドルを作製した。 樹脂はナイロン4
    6を用いた。 340゜C以上で脱水反応する無機化合物はカルシウムアルミネートを用いた。 強化材はガラス繊維を用いた。 比較例として、樹脂がポリブチレンテレフタレートを70wt%含有し、強化材としてガラス繊維を30wt%含有した組成物からなるハンドルを用いた。

    【0155】

    【表12】

    【0156】次に、試料作製方法について説明する。 まず、ナイロン46ペレット(径2.5mm×長さ2.5m
    m)、カルシウムアルミネート、ガラス繊維、離型剤としてステアリン酸マグネシウム(0.2wt%)、安定剤(0.4wt%)をビニール袋に入れ、手動にて十分混合する。 当該混合物を2軸3条練り押し出し機に入れ、330゜Cで30秒間練る。 当該混練物を2軸3条練り押し出し機ノズルから出し、水槽にて冷却させながら、カッティングし、有機無機複合組成物のペレット(径1.5〜2.5mm×長さ2.5mm)を得た。 つぎに、当該有機無機複合組成物のペレットからなるハンドルを作製した。

    【0157】このようにして得られたハンドルを回路遮断器に取り付け、前記遮断試験を実施した。 遮断試験後、ハンドルの外観状態の目視観察、メグ測定を実施した。

    【0158】その結果、上記表12から明らかなように試料86〜96で得られた本発明の有機無機複合組成物からなるハンドルは、遮断試験後に目視観察したところ、損傷がほとんどなく、メグ測定値も0.5MΩ以上あり、良好であった。 なお、ナイロン46のかわりにポリフェニレンサルファイド、ナイロン6T、ナイロン6
    6、ポリエチレンテレフタレート、これらのポリマーアロイ、いずれを用いても同様の良好な結果が得られた。

    【0159】

    【発明の効果】この発明はに係る開閉器は、 熱可塑性樹
    脂と、200°C以上で脱水反応する1種類以上の無機
    化合物と、強化材とを含有する成形品を、全体または一
    部に用いたので、金属部品を腐食せず難燃性の優れ、電
    極開閉後の絶縁性能が優れた小型な開閉器を得ることが
    できる。

    【0160】 また、水酸化マグネシウムは無毒である。

    【0161】 また、熱可塑性樹脂が35〜80wt%、
    無機化合物が50〜80wt%、強化材が5〜50wt
    %であるので、金属部品を腐食せず難燃性の優れ、電極
    開閉後の絶縁性能がより優れた小型な開閉器を得ること
    ができる。

    【0162】 さらにまた、成形品が筐体、クロスバー、
    ハンドル、又はトッリプバーの少なくとも1つであるの
    で、金属部品を腐食せず難燃性の優れ、電極開閉後の絶
    縁性能が優れた小型な開閉器を得ることができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】回路遮断器の外観を示す概略斜視図である。

    【図2】カバーを取り除いた状態を示す概略斜視図である。

    【図3】圧縮2重成形により形成された筺体のベースを示す、一部を切断した概略斜視図である。

    【図4】シート状有機無機複合組成物を用いた筺体のベースの圧縮2重成形方法を示す概略説明図である。

    【図5】トランスファー成形により形成されたクロスバーを示す、一部を切断した概略斜視図である。

    【図6】トランスファー成形により形成されたトリップバーを示す、一部を切断した概略斜視図である。

    【図7】トランスファー成形により形成されたハンドルを示す、一部を切断した概略斜視図である。

    【図8】射出2色成形により形成されたハンドルを示す、一部を切断した概略斜視図である。

    【図9】筺体のベースを示す概略斜視図である。

    【図10】筺体のベースの圧縮2重成形方法を示す概略説明図である。

    【図11】筺体のベースの圧縮2重成形方法を示す概略説明図である。

    【図12】筺体のベースを示す概略斜視図である。

    【符号の説明】

    1 筺体 2 ベース 3 カバー 5 クロスバー 7 トリップバー 9 ハンドル

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福谷 和則 福山市緑町1番8号 三菱電機株式会社 福山製作所内 (72)発明者 山県 伸示 福山市緑町1番8号 三菱電機株式会社 福山製作所内 (72)発明者 高橋 貢 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 加藤 和晴 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 山口 昌二 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (72)発明者 三橋 孝夫 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 足達 廣士 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 西山 逸雄 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (72)発明者 馬場 文明 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (72)発明者 山崎 悟 福山市緑町1番8号 三菱電機株式会社 福山製作所内 (56)参考文献 特開 昭56−106323(JP,A) 特開 昭56−106325(JP,A) 特開 平6−68768(JP,A) 特公 昭54−44682(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) H01H 73/18 H01H 73/06

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