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Circuit breaker having a housing made by molding a high thermal conductivity, low shrinkage wet unsaturated polyester resin composition

申请号 JP14156592 申请日 1992-06-02 公开(公告)号 JP2925402B2 公开(公告)日 1999-07-28
申请人 三菱電機株式会社; 发明人 OCHIAI ATSUSHI; MURAKAMI SADATOSHI; HOSOGAI SETSUO;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 平均粒子径1〜8μmの粒子と平均粒子
    径20〜90μmの焼結チッ化アルミニウム粉末とからなる
    高熱伝導性充填剤 および低収縮付与剤を含有する高熱伝導性低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂組成物 を成形
    してなる筐体を有する回路遮断器
  • 【請求項2】 平均粒子径1〜8μmの粒子としてチッ
    化アルミニウム粉末および(または)マグネシア粉末を
    使用する請求項 1記の回路遮断器。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は電気機器用絶縁性樹脂製筐体、たとえば配線用遮断器および配線用漏電遮断器のベース、カバー、熱遮へい部などに使用される熱放散性を改良した高熱伝導性低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂組成物を成形してなる筐体を有する回路遮断器に関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来の低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂組成物の配合および製法は、まず不飽和ポリエステル樹脂類、硬化剤およびポリスチレン粉末、ポリエチレン粉末などの低収縮付与剤をその合計として組成物中20
    〜28%(重量%、以下同様)、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムなどの離型剤、潤滑剤およびその他の添加剤を合計として組成物中1.2〜2.0%の割合で配合し、
    撹拌を行ない、ついで撹拌中に、この組成物に充填剤である炭酸カルシウム粉末を組成物中45〜60%の割合で投入し、数分後に着色剤であるカーボン粉末を微量添加して40分混練し、補強剤であるガラス繊維を組成物中25〜
    28%の割合で加えて5〜10分間最後の仕上混練を行なうものである。 成形品としての強度をうるため混練によるガラス繊維の破断をできるだけ軽減する必要があり、補強剤は最後に加え、混練材料の温度上昇を抑えるため撹拌ジャケットの温度を管理している。

    【0003】前記配合によりえられた組成物は、炭酸カルシウム粉末を45〜60%含有するため、成形品の熱伝導率は1.8×10 -3 cal/cm・sec.℃となる。

    【0004】前記低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂組成物の成形品を、回路遮断器の一種である漏電遮断器の筐体として用いたばあいを以下に示す。

    【0005】最近配線用遮断器と漏電遮断器を同じ外形寸法で製作するものが出現している。

    【0006】図2は従来の配線用漏電遮断器の一例を示す一部切り欠き図である。 図2において、1および2
    は、それぞれ前記低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂絶縁材料で成形されたカバー1およびベース2であり、
    5は後部端子板、6は電路を開閉するための開閉機構部、7および8は、それぞれ前記開閉機構部6により開閉される一対の接触子7と可動子8、9は前記可動子8
    と後部端子5とを電気的に接続する内部導体、10は過電流を検出し、開閉機構を駆動するバイメタル、11はバイメタルを彎曲させる熱源となるヒータである。 なお、前記配線用漏電遮断器は、その他外部電線(図示せず)を接続するための前部端子板(図示せず)などを備えている。

    【0007】前記配線用漏電遮断器においては、たとえば前述のカバー1およびベース2の樹脂成形品肉厚は充分に確保され、かつ通電電流に対し適切な断面積を有する各導電部材、たとえば前部端子板(図示せず)、後部端子板5などと充分な内部空間を有しているため、前記した従来の組成を有する成形品であっても、配線用漏電遮断器内部で発生するジュール熱は、すみやかに、かつ局部的な熱ストレスを残すことなく、全体に熱分散され、筐体の表面などから放熱される。

    【0008】

    【発明が解決しようとする課題】しかし電気機器筐体、
    たとえば前記配線用漏電遮断器においては、近年小形高機能化または高遮断容量化にともない、導電回路部から発生するジュール熱は高いものとなり、この温度上昇を抑えるため従来から行なわれていた手法、たとえば導電部の容積拡大、空隙の利用、断熱処理技術などでは対応不可能な状況になっている。 そのため機器固有に設定された温度上昇規格への適合が困難な状況にある。

    【0009】その具体的な例として、前記配線用漏電遮断器の外形寸法(取付寸法)を変えることなく、配線用漏電遮断器内部に集積回路を有する地絡検出装置を内蔵するにあたり、筐体の機械的強度を低下させることなく、かつ各導電部の通電容量を減少させることもなく、
    前記地絡検出装置を収納させたいなどの要請がある。

    【0010】したがって前記漏電遮断器内部の各部材の収納密度が高まり、遮断器内部の空間は減少し、かつ各導電部材は近接配置されることになる。

    【0011】この結果、従来の組成を有する成形品を筐体として使用したばあい、各部材間の熱的干渉により、
    たとえばバイメタルの彎曲条件が変化したり、さらには、熱的ストレスに敏感な、たとえば集積回路などが影響を受け正常な機能を果たさない原因にもなるなどの問題点がある。

    【0012】前記問題点の一つは、筐体または発熱体支持部などに使用されている低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂組成物の成形品の熱伝導性が充分に高くないため、熱放散が充分に行なわれず、熱が筐体内部にこもり、温度上昇が避けられないことであると考えられる。
    前記問題点を解決するためには、従来の低収縮湿式不飽和ポリエステル樹脂を高熱伝導性とし、熱放散をよくする必要がある。

    【0013】

    【課題を解決するための手段】本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、従来の低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂組成物に使用する充填剤の相当部を高熱伝導性充填剤で置換することにより、高熱伝導性低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂組成物(以下、高熱伝導性樹脂組成物という)をうることを一つの目的とする。

    【0014】また、本発明は、従来品と同一取付寸法で互換性を持つ、前記高熱伝導性樹脂組成物からなる配線用漏電遮断器などの回路遮断器用の筐体を回路遮断器に使用することにより、収納密度を高め、かつ性能を満足する回路遮断器をうることを他の一つの目的とする。

    【0015】すなわち、本発明は、 平均粒子径1〜8μ
    mの粒子と平均粒子径20〜90μmの焼結チッ化アルミニウ
    ム粉末とからなる高熱伝導性充填剤および低収縮付与剤
    を含有する高熱伝導性低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂組成物を成形してなる筐体を有する回路遮断器およ<br>び平均粒子径1〜8μmの粒子としてチッ化アルミニウ
    ム粉末および(または)マグネシア粉末を使用する請求項1記の回路遮断器に関する。

    【0016】

    【作用】本発明の高熱伝導性樹脂組成物を成形した成形品の高熱伝導性は、高熱伝導性充填剤であるマグネシア粉末、チッ化アルミニウム粉末、焼結チッ化アルミニウム、球形アルミナ粉末などの無機セラミックスなどと補強剤であるガラス繊維などによって付与される。 さらにこれら充填剤粉末の粒子形状と平均粒子経およびガラス繊維が重要な因子として前記高熱伝導性の効果に影響する。 すなわち、従来から使用している炭酸カルシウム粉末の一部を置換する前記の高熱伝導性の無機質充填剤は平均粒子径20〜90μmの焼結チッ化アルミニウム粉末と平均粒子径数μmの微粉末の組合せが好ましく、粒子形状、粒子の前処理と配合組成の関係がとくに重要であり、充填剤とガラス繊維との均一性、充填剤粒子の最密充填がとくに高熱伝導性、外観、強度に影響する。

    【0017】したがって、配合順序、混練時間および混練時の温度管理は製造上守らねばならない条件である。
    また高熱伝導性充填剤および従来から使用されている充填剤である炭酸カルシウムなどとポリエステル樹脂の親和性を高いものとするために、シランカップリング剤などの表面改質剤を添加して機械的強度の低下を防止することができる。

    【0018】本発明における高熱伝導性樹脂組成物で成形した成形品は、配線用遮断器、配線用漏電遮断器などの回路遮断器、マグネットスイッチなどのベース、カバーをはじめ、筐体の温度上昇を抑制する必要のあるハウジング類に使用し、熱放散によりそれらの機器の温度上昇を防止することが出来る。

    【0019】また、本発明の回路遮断器を構成する筐体であるベース、カバー、熱遮へい部材などの部材が高熱伝導性樹脂組成物の成形品からなる回路遮断器では、回路遮断器中の筐体が、筐体として必要とする機械特性、
    電気特性、外観などを損なうことなく成形品として製造されており、導電部分から発生するジュール熱を放散し、電子部品の熱劣化と端子部の温度上昇を規定値以下に押えることを可能にするものである。

    【0020】

    【実施例】本発明における高熱伝導性低収縮湿式ポリエステル系組成物は、充填剤の一部が高熱伝導性充填剤からなり、さらに不飽和ポリエステル、硬化剤、低収縮付与剤、着色剤、補強剤、その他添加剤などを含有する。

    【0021】前記高熱伝導性充填剤としては、たとえばチッ化アルミニウム、マグネシア、アルミナ、チッ化ホウ素、炭化ケイ素などがあげられるが、熱伝導性が0.08
    ×10 -3 cal/cm・sec ℃以上と高く電気的に絶縁物であるチッ化アルミニウム、アルミナ、マグネシアなどのセラミックが好ましい。

    【0022】さらに高熱伝導性充填剤は、平均粒子径1
    〜8μm、さらには2〜5μmの粒子(微粉末)と、平均粒子径20〜90μm、さらには50〜80μmの焼結チッ化アル
    ミニウム粉末とを組合せたものが、充填剤粒子径と空隙率、充填剤粒子径と分散状態、空隙の少ない最密充填の点から好ましい。 また、平均粒子径1〜8μmの粒子10
    〜25%および平均粒子径20〜90μmの粒子75〜90%のものが好ましい。

    【0023】なお、前記平均粒子径は、累積重量百分率(%)で50%の位置での粒子径を示し,球形粒子とは粒子1個の形状が長径と短径の比がほぼ1/1程度の球形で自己凝集の少ないそれぞれが独立した球形の粒子から構成されているものである。

    【0024】とくに平均粒子径が数μmのチッ化アルミニウム粉末(および)またはマグネシア粉末と平均粒子径が20〜90μmの球形焼結チッ化アルミニウム粉末との組合わせが、樹脂組成物中での分散がよく成形品の熱伝導性が向上するため好ましい。 さらに補強剤であるガラス繊維自体の熱伝導性も0.03cal/cm・sec・℃位あり、そのガラス繊維の長さを従来の3/8インチから1/2インチ程度に長くし、添加量も一般の従来の低収縮湿式不飽和ポリエステル配合組成物より多く25〜28%とすることが強度の維持の点からも好ましい。 また添加する着色剤であるカーボン粉末も熱伝導性には好都合である。

    【0025】本発明における組成物においては、充填剤の一部、好ましくは60〜80%、さらに好ましくは65〜70
    %が前記高熱伝導性充填剤からなるため、外観、強度、
    成形性などの諸特性を損なうことなく、高熱伝導性の不飽和ポリエステル樹脂組成物とすることができる。

    【0026】前記高熱伝導性充填剤とともに用いられる他の充填剤としては、不飽和ポリエステル系樹脂組成物の充填剤として使用されている炭酸カルシウム粉末、ウォラストナイト粉末などがあげられる。

    【0027】 前記高熱伝導性樹脂組成物における前記高熱伝導性充填剤および従来からの充填剤の配合量の合計は、高熱伝導性樹脂組成物中40〜60%、さらには45〜55
    %が好ましい。 以下、他の成分について説明するが、それらの配合量は高熱伝導性樹脂組成物中の配合割合である。

    【0028】本発明に用いる不飽和ポリエステルとしては、電気機器筐体に用いられているいかなるものも使用することができるが、たとえば分子量を従来よりも高くした粘度2000センチポイズ位のエピビス系ポリエステル樹脂を用いることが、強度の上から好ましい。 前記不飽和ポリエステル樹脂の配合割合は、17〜21%が好ましい。

    【0029】本発明で用いられる硬化剤は、通常一般に用いられている過酸化物である。 前記硬化剤の配合割合は0.3〜0.5%が好ましい。

    【0030】本発明で用いられる低収縮付与剤としては、一般に用いられている熱可塑性樹脂の分子量を従来品の約2倍にあげたポリスチレン粉末、ポリエチレン粉末をスチレンモノマーに溶解したものなどがあげられる。 前記低収縮付与剤の配合割合は4〜6%が好ましい。

    【0031】本発明で用いられる離型剤としては、たとえば高級脂肪酸石鹸であるステアリン酸カルシウム、高純度ステアリン酸などがあげられる。 前記離型剤の配合割合は0.5〜1.5%が好ましい。

    【0032】本発明で用いられる着色剤としては、カーボン粉末、カーボンブラック粉末などがあげられる。 前記着色剤の配合割合は0.2〜0.4%が好ましい。

    【0033】本発明で用いられる補強剤としては、フラン処理を行ない樹脂との密着性を向上した1/2インチの長さで13μm径数百本を束ね接着剤(エポキシ系)で処理したガラス繊維が好ましい。 前記補強剤の配合割合は、25〜28%が好ましい。

    【0034】本発明には、さらに必要に応じて表面改質剤としてシランカップリング剤を添加することで強度の低下が抑制される。 前記表面改質剤の配合割合は0.1〜
    0.5%が好ましい。

    【0035】 前記高熱伝導性樹脂組成物を用いて電気機器筐体、たとえば小型遮断器のベース、カバーなどを成形し、側壁破壊強度および取付板への熱伝導性を測定したところ、従来の低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂成形材料による成型品とほぼ同一の側壁破壊強度がえられ、しかも従来の樹脂組成物からなる筐体に比べて取付板の温度を5〜10℃高くする熱伝導性がえられた。 このように本発明における高熱伝導性樹脂組成物が優れた物性を有するため、本発明者らはさらに前記樹脂組成物を用いた回路遮断器を開発した。

    【0036】そこで、つぎに本発明の回路遮断器について説明する。

    【0037】本発明の回路遮断器としては、たとえば配線用漏電遮断器、配線用遮断器などがあげられる。

    【0038】本発明の回路遮断器は、前記高熱伝導性樹脂組成物の成形品が、回路遮断器を構成する筐体であるベース、カバー、熱遮へい部材およびその他の部材として用いられている。

    【0039】前記筐体は、従来品と比較しても機械特性、電気特性、外観などが損なわれておらず、しかも熱伝導性に優れるため、小形化したり従来の部品にさらに地絡装置などを追加して収納密度を高めても、前記回路遮断器の温度上昇を防ぐことができる。

    【0040】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみに限定されるものではない。

    【0041】 [実施例1〜2] 表1または表2に示す組成の高熱伝導性樹脂組成物を下記のように調製した。

    【0042】

    【表1】

    【0043】

    【表2】

    まず、不飽和ポリエステル樹脂、硬化剤、低収縮付与剤、離型剤、潤滑剤および表面改質剤などを外周部を冷却し温度管理可能なジャケット方式のニーダー(混練機)を用いて、ニーダー温度40℃で撹拌しながら、つぎに充填剤として炭酸カルシウム微粉末、マグネシア微粉末またはチッ化アルミニウム微粉末、および焼結チッ化アルミニウム粉末を添加して40℃で5分間撹拌し、ついで着色剤であるカーボン粉末を加えてニーダー温度40℃


    で40分中練りを行ない、補強剤であるガラス繊維の切断を少なくするため最後にガラス繊維を加えて、ニーダー温度40℃で10分間仕上げ混練し、成形用材料をえた。

    【0044】えられた成形用材料を用いて通常の湿式不飽和ポリエステル系樹脂成形材料の成形条件でJIS K691
    1に定める曲げ強さ試験片を金型を用いて成形し、曲げ強さを測定したところ、曲げ強さ(平均)13Kgf/mm 2の値がえられた。 また温度傾斜法およびレーザフラッシュ法で熱伝導率を測定したところ、マグネシア粉末と焼結チッ化アルミニウム(球形粒子)のもので2.7×10 -3 cal
    /cm・sec ℃、チッ化アルミニウム微粉末と焼結球形チッ化アルミニウムのもので3.0×10 -3 cal/cm・sec ℃という値がえられた。

    【0045】[比較例1]表3に示す組成の低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂組成物を下記のように調製した。

    【0046】

    【表3】

    まず、不飽和ポリエステル樹脂、低収縮付与剤、離型剤、潤滑剤および硬化剤を、外周部を冷却し温度管理可能なジャケット方式のニーダー(混練機)に計量投入し、ニーダー温度40℃で撹拌しながら、つぎに充填剤として炭酸カルシウム粉末を添加してニーダー温度40℃で


    40分間撹拌を行ない、最後に補強剤であるガラス繊維を加えて40℃で10分間仕上げ混練し、成形用材料をえた。

    【0047】えられた成形材料を実施例1〜2と同様に評価した結果、曲げ強さは13.4Kgf/mm 2 、熱伝導率は1.8
    ×10 -3 cal/cm・sec・℃であった。

    【0048】実施例1〜2および比較例1の結果から、
    本発明における組成物からの成形品の熱伝導率は通常の低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂組成物からの成形品の約1.5〜1.7倍でシリコン放熱ラバーとほぼ同等の値であった。

    【0049】また本発明における組成物配合組成と外観、曲げ強さ、高熱伝導性の関係を試作実験により確認したところ、従来から用いられている充填剤である炭酸カルシウムなどは外観、黒色着色性、曲げ強さの保持には欠かせないが、逆に量の増加につれて熱伝導性は低下する傾向にあり、熱伝導性の向上にはマグネシア粉末、
    チッ化アルミニウム粉末、焼結球形チッ化アルミニウム粉末、球形アルミナ粉末などの高熱伝導性充填剤の量および粒子形状の効果が大きかった。

    【0050】[実施例3]本発明の回路遮断器の一種である配線用漏電遮断器の一実施例を図1により説明する。

    【0051】図1に示されるように、配線用漏電遮断器は,実施例2で製造された高熱伝導性樹脂組成物を用いて成形されたカバー1、ベース2、外部電線3を接続するための前部端子板4、後部端子板5、電路を開閉する開閉機構部6、前記開閉機構部6により開閉される一対の接触子7と可動子8、前記可動子8と後部端子板5とを接続する内部導体9、過電流を検出し、開閉機構を駆動するバイメタル10、前記バイメタル10を彎曲させる熱源となるヒータ11、地絡を検出する地絡検出装置12、前記ヒータ11を機械的に保持するとともに、ヒータ11の発生熱を地絡検出装置12と熱遮へいするための熱遮へい部材13から構成される。 前記熱遮へい部材も前記高熱伝導性樹脂組成物が使用されている。

    【0052】前記配線用漏電遮断器において、小形化高性能化されているために前部端子板4、後部端子板5、
    可動子8、内部導体9などの断面積は従来のものに比べ、縮小されている。 また地絡検出装置12なども高密度で収納されている。

    【0053】したがって、外部電線接続部での発熱、前部端子板4、後部端子板5、可動子8、内部導体自身の発熱から地絡検出装置12、たとえば地絡検出装置12に内蔵される電子回路装置などへの熱的ストレスは回避しなければならない。

    【0054】とくに後部端子板5の温度はJIS C 8371により温度の上昇限度を50℃以下に抑える必要があり、また地絡検出装置12は、それを構成する各素子の許容温度をこえないようにする必要がある。 たとえば半導体(I
    C)などではその許容温度は85℃が一般的で、それ以上の高温下での使用は信頼性がおとる。

    【0055】したがって発生した熱は、すみやかに熱伝導などにより局部的な熱ストレスとなることなく、全体へ放散し、かつベース、カバーなどの筐体の表面積を利用して放熱する必要がある。

    【0056】本発明における高熱伝導性樹脂組成物は、
    前記実施例および比較例からわかるように、熱伝導率を従来の低収縮湿式不飽和ポリエステル樹脂組成物の値である1.8×10 -3 cal/cm・sec・℃から3.0×10 -3 cal/cm・sec・
    ℃に向上させることが出来るので、局部的な熱ストレスを解消でき、かつ高密度な内部構成が可能となり、漏電遮断器の小形化、高性能化をさらに進展させることが出来た。

    【0057】とくに本実施例で示される前記高熱伝導性樹脂組成物の熱遮へい部材13への利用は、ヒータとバイメタルの熱- 彎曲特性を変化させることなく、その内部に収納した地絡検出装置12の熱ストレスを緩和することが可能となった。

    【0058】

    【発明の効果】従来から使用されている充填剤である炭酸カルシウム粉末などの一部を高熱伝導性充填剤で置換した本発明の高熱伝導性低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂組成物での成形品は、高熱伝導性であり、熱放散性にすぐれているだけでなく、外観も従来のものと比較して変わらず、強度の低下も制御されている。

    【0059】また、本発明の回路遮断器では、前記回路遮断器を構成する筐体であるベース、カバー、熱遮へい部材などを従来の低収縮湿式不飽和ポリエステル系樹脂組成物から高熱伝導性樹脂組成物の成形品に替えることにより、機械的、電気的などの特性が低下することなく、熱伝導性が向上し、熱放散性が改良されるので、回路遮断器としての局部熱ストレスが解消でき、かつ高密度な内部構成が可能であり、回路遮断器の小形化、高性能化ができるという効果がある。

    【0060】本発明は配線用漏電遮断器、配線用遮断器を含む回路遮断器に適用されうる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の回路遮断器の一種である配線用漏電遮断器の一実施例を示す説明図である。

    【図2】従来の配線用漏電遮断器を示す一部切り欠き図である。

    【符号の説明】

    1 カバー 2 ベース 3 外部接続電線 4 前部端子板 5 後部端子板 6 開閉機構 7 接触子 8 可動子 9 内部導体 10 バイメタル 11 ヒータ 12 地絡検出装置 13 熱遮へい部材

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 FI C08K 3:28 7:18) (56)参考文献 特開 昭64−69661(JP,A) 特開 昭59−91137(JP,A) 特開 昭60−84361(JP,A) 特開 昭60−84362(JP,A) 特開 昭55−102636(JP,A) 特開 昭57−57436(JP,A) 特開 昭57−57435(JP,A) 特開 昭57−57438(JP,A) 特開 昭57−50734(JP,A) 特開 昭52−137601(JP,A) 特開 平4−272955(JP,A) 特開 昭63−77924(JP,A) 特開 昭61−35542(JP,A) 実開 昭57−99356(JP,U) 実開 昭57−125467(JP,U) 特公 昭54−4985(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl. 6 ,DB名) C08L 67/00 - 67/08 C08K 3/00 - 13/08 H01H 71/00 - 71/00 H01L 73/00 - 73/06

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