検査装置および検査方法

申请号 JP2016099855 申请日 2016-05-18 公开(公告)号 JP2017207369A 公开(公告)日 2017-11-24
申请人 日本メクトロン株式会社; 发明人 新 田 朋 義; 長谷川 透;
摘要 【課題】オンポジションずれを考慮してメタルドームスイッチの良否判定を行う。 【解決手段】実施形態の検査装置1は、メタルドーム51を有するメタルドームスイッチ50を検査する検査装置であって、メタルドームスイッチ50が触覚的にオンしたときのメタルドーム51の変位量を示す触覚的オンポジションを検知する第1の検知部10と、 メタルドームスイッチ50が電気的にオンしたときのメタルドーム51の変位量を示す電気的オンポジションを検知する第2の検知部20と、触覚的オンポジションおよび電気的オンポジションに基づいてメタルドームスイッチ50の良否判定を行う判定部312と、を備える。 【選択図】図1
权利要求

メタルドームを有するメタルドームスイッチを検査する検査装置であって、 前記メタルドームスイッチが触覚的にオンしたときの前記メタルドームの変位量を示す触覚的オンポジションを検知する第1の検知部と、 前記メタルドームスイッチが電気的にオンしたときの前記メタルドームの変位量を示す電気的オンポジションを検知する第2の検知部と、 前記触覚的オンポジションおよび前記電気的オンポジションに基づいて前記メタルドームスイッチの良否判定を行う判定部と、 を備えることを特徴とする検査装置。前記第1の検知部は、前記メタルドームに加えられる荷重と前記メタルドームの変位との関係を示す荷重−変位曲線の極小点を検知することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。前記第2の検知部は、前記メタルドームの端部に電気的に接続された第1の端子と、前記メタルドームの変形により前記メタルドームの頂部に接触する第2の端子との間に電流が流れたことを検知することを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。前記触覚的オンポジションと前記電気的オンポジションとの差を算出するずれ量算出部をさらに備え、 前記ずれ量算出部は、前記差を式(1)により算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の検査装置。 ここで、d:前記差、V:前記メタルドームに荷重を加える押し込み部材の押し込み速度、T1:基準時刻から前記メタルドームの荷重が極小になるまでの時間、T2:前記基準時刻から前記メタルドームスイッチにオン電流が流れるまでの時間である。前記触覚的オンポジションと前記電気的オンポジションとの差を算出するずれ量算出部をさらに備え、 前記ずれ量算出部は、前記差を式(2)により算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の検査装置。 ここで、d:前記差、T1:基準時刻から前記メタルドームの荷重が極小になるまでの時間、T2:前記基準時刻から前記メタルドームスイッチにオン電流が流れるまでの時間である。前記判定部は、前記触覚的オンポジションと前記電気的オンポジションとの差が規定値以下の場合に前記メタルドームスイッチが良品であると判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の検査装置。前記判定部は、前記電気的オンポジションが前記触覚的オンポジションよりも小さい場合に前記メタルドームスイッチが不良品であると判定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の検査装置。前記メタルドームスイッチは、第1段階のオン状態および第2段階のオン状態を有する2段スイッチであり、 前記第1の検知部は、前記メタルドームスイッチが第1段階で触覚的にオンしたときの前記メタルドームの変位量を示す第1の触覚的オンポジションと、前記メタルドームスイッチが第2段階で触覚的にオンしたときの前記メタルドームの変位量を示す第2の触覚的オンポジションとを検知し、 前記第2の検知部は、前記メタルドームスイッチが第1段階で電気的にオンしたときの前記メタルドームの変位量を示す第1の電気的オンポジションと、前記メタルドームスイッチが第2段階で電気的にオンしたときの前記メタルドームの変位量を示す第2の電気的オンポジションとを検知し、 前記判定部は、前記第1および第2の触覚的オンポジションと、前記第1および第2の電気的オンポジションとに基づいて前記メタルドームスイッチの良否判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。前記判定部は、前記第1の触覚的オンポジションと前記第1の電気的オンポジションとの差が第1の規定値以下であり、かつ前記第2の触覚的オンポジションと前記第2の電気的オンポジションとの差が第2の規定値以下である場合に前記メタルドームスイッチが良品であると判定することを特徴とする請求項8に記載の検査装置。前記触覚的オンポジション、前記電気的オンポジション、前記触覚的オンポジションと前記電気的オンポジションとの差、および前記良否判定の結果のうち少なくともいずれか一つを表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の検査装置。メタルドームを有するメタルドームスイッチの検査方法であって、 第1の検知部が、前記メタルドームスイッチが触覚的にオンしたときの前記メタルドームの変位量を示す触覚的オンポジションを検知する工程と、 第2の検知部が、前記メタルドームスイッチが電気的にオンしたときの前記メタルドームの変位量を示す電気的オンポジションを検知する工程と、 判定部が、前記触覚的オンポジションおよび前記電気的オンポジションに基づいて前記メタルドームスイッチの良否判定を行う工程と、 を備えることを特徴とする検査方法。

说明书全文

本発明は、検査装置および検査方法に関し、より詳しくは、メタルドームスイッチの良否を検査するための検査装置および検査方法に関する。

従来、携帯電話やデジタルカメラ等、各種の電子機器において、メタルドームを有するメタルドームスイッチ(Metal Dome Switch:MDS)が使用されている。このメタルドームスイッチは、操作者がメタルドームを押下し、変形させることで、メタルドームの頂部とスイッチ端子接触してオンするように構成されている。例えば特許文献1には、メタルドームを押圧可能な操作部材を有するメタルドームスイッチが記載されている。

また、特許文献2には、メタルドームスイッチの良否判定を明確に行うことを目的とした検査装置が記載されている。具体的には、荷重−変位曲線から検出された特徴点に基づいて良否判定を行っている。

特開2005−116475号公報

特開平5−273083号公報

ここで、メタルドームスイッチの荷重−変位特性について図11を参照して説明する。図11は、メタルドームスイッチの荷重−変位曲線を示している。曲線C1はスイッチオフからスイッチオンになるときの荷重−変位曲線を示し、曲線C2はスイッチオンからスイッチオフになるときの荷重−変位曲線を示している。極大点F1においてメタルドームが変形し始め、極小点F2において操作者はオンしたと知覚する。

メタルドームスイッチでは、操作者が触覚的にオンしたと感じるポジション(メタルドームの変位量)と、スイッチが実際に電気的にオンするポジション(メタルドームの変位量)との間にずれ(以下、「オンポジションずれ」ともいう。)が無いことが理想的である。

しかしながら、メタルドームスイッチの加工精度や組み付け精度により、オンポジションずれが生じることがある。換言すれば、図11に示す曲線C1のように、操作者がスイッチオンしたと知覚する極小点F2と、メタルドームがスイッチ端子に接触する点F3とが一致しないことがある。

オンポジションずれが大きい場合、操作者がスイッチをオンしたと感じても、実際にはスイッチがオンしていないという不具合が発生する。このことについて、図12を参照してより詳しく説明する。

図12(a)は触覚的にオンしたメタルドームスイッチ150の断面図を示し、図12(b)は電気的にオンしたメタルドームスイッチ150の断面図を示している。メタルドームスイッチ150は、メタルドーム151と、絶縁基板152と、端子153,154とを有する。端子153は、環状の端子であり、メタルドーム151の端部に電気的に接続されている。端子154は、端子153に囲まれた領域に配置された島状の端子である。

図12(a)の場合は、触覚的なオン状態になっているものの、メタルドーム151と端子154が接触していないため、端子153と端子154は電気的に接続されていない。すなわち、操作者がスイッチをオンしたと感じても、メタルドームスイッチは電気的にオンしていない。一方、図12(b)の場合は、触覚的なオン状態においてメタルドーム151は端子154に接触し、端子153と端子154は電気的に接続される。

特許文献2の検査方法では、荷重−変位曲線の特徴点に基づいてメタルドームスイッチの良否判定を行うものの、オンポジションずれは考慮されていない。このため、オンポジションずれが大きいメタルドームスイッチを良品と判定するおそれがある。

そこで、本発明は、オンポジションずれを考慮してメタルドームスイッチの良否判定を行うことが可能な検査装置および検査方法を提供することを目的とする。

本発明に係る検査装置は、 メタルドームを有するメタルドームスイッチを検査する検査装置であって、 前記メタルドームスイッチが触覚的にオンしたときの前記メタルドームの変位量を示す触覚的オンポジションを検知する第1の検知部と、 前記メタルドームスイッチが電気的にオンしたときの前記メタルドームの変位量を示す電気的オンポジションを検知する第2の検知部と、 前記触覚的オンポジションおよび前記電気的オンポジションに基づいて前記メタルドームスイッチの良否判定を行う判定部と、 を備えることを特徴とする。

本発明に係る検査方法は、 メタルドームを有するメタルドームスイッチの検査方法であって、 第1の検知部が、前記メタルドームスイッチが触覚的にオンしたときの前記メタルドームの変位量を示す触覚的オンポジションを検知する工程と、 第2の検知部が、前記メタルドームスイッチが電気的にオンしたときの前記メタルドームの変位量を示す電気的オンポジションを検知する工程と、 判定部が、前記触覚的オンポジションおよび前記電気的オンポジションに基づいて前記メタルドームスイッチの良否判定を行う工程と、 を備えることを特徴とする。

本発明では、メタルドームスイッチが触覚的にオンしたときのメタルドームの変位量を示す触覚的オンポジションを検知し、メタルドームスイッチが電気的にオンしたときのメタルドームの変位量を示す電気的オンポジションを検知し、触覚的オンポジションおよび電気的オンポジションに基づいてメタルドームスイッチの良否判定を行う。これにより、本発明によれば、オンポジションずれを考慮してメタルドームスイッチの良否判定を行うことができる。

実施形態に係る検査装置1の概略的な構成を示す図である。

第1の検知部10の概略的な構成を示す図である。

(a)および(b)ともに、第2の検知部20の概略的な構成を示す図である。

(a)は1段スイッチとしてのメタルドームスイッチ50の平面図であり、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。

メタルドームスイッチ50を検査する方法を説明するためのフローチャートである。

メタルドームスイッチ50(良品)の検査結果の一例を示すグラフである。

メタルドームスイッチ50(不良品)の検査結果の一例を示すグラフである。

2段スイッチとしてのメタルドームスイッチ60の平面図である。

(a)、(b)および(c)のいずれも、図8AのA−A線に沿う断面図である。

メタルドームスイッチ60を検査する方法を説明するためのフローチャートである。

メタルドームスイッチ60(良品)の検査結果の一例を示すグラフである。

メタルドームスイッチの荷重−変位曲線を示すグラフである。

(a)は触覚的にオンしたメタルドームスイッチ150の断面図であり、(b)は電気的にオンしたメタルドームスイッチ150の断面図である。

以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。

<検査装置> 本発明の実施形態に係る検査装置1は、メタルドームを有するメタルドームスイッチの良否を検査するための装置である。検査装置1について説明する前に、検査対象であるメタルドームスイッチの一例について図4(a),(b)を参照して説明する。なお、メタルドームスイッチの構成は、図4(a),(b)に示すものに限られない。

メタルドームスイッチ50は、1段スイッチであり、メタルドーム51と、絶縁基板52と、端子53,54と、カバーフィルム55とを有する。絶縁基板52は、ポリイミドフィルムやPETフィルム等の可撓性を有する絶縁フィルムでもよいし、ガラスエポキシ基板等の硬質基板でもよい。端子53,54は絶縁基板52上に設けられている。

図4(a)に示すように、端子53は、環状の端子の一部が開いた形状を有する馬型の端子である。端子54は、馬蹄型の端子53に囲まれた領域に配置された島状の端子と、この島状の端子から延在し、端子53の開口部を通る配線とを有している。馬蹄型の端子53には、メタルドーム51の端部が電気的に接続されている。メタルドーム51が荷重を受けて変形することにより、端子54がメタルドーム51の頂部に接触する。これにより、端子53と端子54が電気的に接続される。

なお、図4(a)に示すように、端子53,54の一部は、カバーフィルム55により被覆されている。これは、端子53と端子54が、メタルドーム51により短絡されるのを防ぐためである。

次に、検査装置1について図1〜図3を参照して詳しく説明する。

検査装置1は、図1に示すように、第1の検知部10と、第2の検知部20と、パソコン等の情報処理装置30とを備えている。まず、第1の検知部10および第2の検知部20について説明する。

第1の検知部10は、メタルドームスイッチ50が触覚的にオンしたときのメタルドーム51の変位量を示す触覚的オンポジションを検知するように構成されている。具体的には、第1の検知部10は、図2に示すように、荷重計11およびリニアゲージ12を有している。荷重計11は、押し込み棒(押し込み部材)11aでメタルドーム51に荷重を加えるとともに、加えた荷重を計測する。リニアゲージ12は、荷重に伴う変形により抵抗値が変化する素子を内蔵しており、この抵抗値によりメタルドーム51の変位を検出する。なお、リニアゲージ12による変位の検出精度は、例えば0.001mmである。

上記のように、第1の検知部10は、荷重計11によりメタルドーム51に荷重を加えつつ、加えた荷重と、メタルドーム51の変位とを検出する。これにより、第1の検知部10は、メタルドーム51に加えられる荷重とメタルドーム51の変位との関係を示す荷重−変位曲線を取得する。

そして、第1の検知部10は、荷重−変位曲線の極小点を検知し、検出信号を情報処理装置30に送信する。この検出信号は、基準時刻からメタルドーム51の荷重が極小になるまでの時間T1を示す信号である。基準時刻は、例えば、検査を開始した時刻、あるいはメタルドーム51に荷重を加え始めた時刻である。この時間T1が触覚的オンポジションとなる。なお、時間T1に押し込み棒11aの押し込み速度Vを乗じた値を触覚的オンポジションとしてもよい。

なお、第1の検知部10および第2の検知部20は、情報処理装置30から検査開始信号を受信した際に、各々が有する時計をリセットして基準時刻を合わせてもよい。あるいは、第1の検知部10および第2の検知部20が互いに通信を行って基準時刻を合わせてもよい。あるいは、情報処理装置30が、検査開始信号を送信してから経過した時間を計測しておき、第1の検知部10、第2の検知部20から検出信号を受信するまでの時間T1,T2を算出してもよい。

第2の検知部20は、メタルドームスイッチ50が電気的にオンしたときのメタルドーム51の変位量を示す電気的オンポジションを検知するように構成されている。具体的には、第2の検知部20は、図3(a)に示すように、バッテリーBと、抵抗Rと、この抵抗Rに直列接続された直流電流計21と、を有する。メタルドームスイッチ50が電気的にオンすると、直流電流計21に電流が流れる。第2の検知部20は、直流電流計21により、メタルドームスイッチ50の端子53と端子54との間に電流が流れたことを検知し、検出信号を情報処理装置30に送信する。この検出信号は、前述の基準時刻からメタルドームスイッチ50にオン電流が流れるまでの時間T2を示す信号である。この時間T2が電気的オンポジションとなる。なお、時間T2に押し込み棒11aの押し込み速度Vを乗じた値を電気的オンポジションとしてもよい。

なお、第2の検知部20は、直流電圧計を用いて構成してもよい。この場合、図3(b)に示すように、第2の検知部20は、バッテリーBと、抵抗Rと、この抵抗Rに並列接続された直流電圧計22と、を有する。メタルドームスイッチ50が電気的にオンすると、直流電圧計22で電圧が計測される。

情報処理装置30は、図1に示すように、制御部31と、表示部32とを有する。情報処理装置30は、検査開始の指示を受けると(例えば検査開始ボタンが押下されると)、第1の検知部10および第2の検知部20に検査開始信号を送信する。この信号を受信すると、第1の検知部10および第2の検知部20は検査を開始する。

制御部31は、オンポジションずれを算出するずれ量算出部311と、メタルドームスイッチの良否判定を行う判定部312とを有する。なお、制御部31の各部は、情報処理装置30内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよい。

ずれ量算出部311は、触覚的オンポジションと電気的オンポジションとの差dを算出する。具体的には、ずれ量算出部311は、式(1)により差dを算出する。

ここで、d:触覚的オンポジションと電気的オンポジションとの差、V:押し込み棒11aの押し込み速度、T1:基準時刻からメタルドーム51の荷重が極小になるまでの時間、T2:基準時刻からメタルドームスイッチ50にオン電流が流れるまでの時間である。

なお、ずれ量算出部311は、押し込み速度Vを用いずにオンポジションずれに相当する値を算出してもよい。例えば、ずれ量算出部311は、式(2)により差を算出する。

判定部312は、触覚的オンポジションおよび電気的オンポジションに基づいてメタルドームスイッチ50の良否判定を行う。具体的には、判定部312は、触覚的オンポジションと電気的オンポジションとの差が規定値以下の場合にメタルドームスイッチが良品であると判定する。

すなわち、判定部312は、ずれ量算出部311により算出された差が規定値以下の場合にメタルドームスイッチ50が良品であると判定する。一方、当該差が規定値より大きい場合は、メタルドームスイッチ50が不良品であると判定する。ここで、規定値は、例えば、予め決められた公差である。

なお、判定部312は、電気的オンポジションが触覚的オンポジションよりも小さい場合にメタルドームスイッチ50が不良品であると判定してもよい。この場合、判定部312は、式(1)または式(2)により求められた差が負の値になった場合にメタルドームスイッチ50が不良品であると判定する。これにより、メタルドーム51内に金属粉等の異物が混入した不良品を判別することができる。

表示部32は、検査により得られたデータ(オンポジションずれの数値など)や検査結果を表示する。具体的には、表示部32は、後述の触覚的オンポジション、電気的オンポジション、触覚的オンポジションと電気的オンポジションとの差、およびメタルドームスイッチ50の良否判定の結果のうち少なくともいずれか一つを表示する。

上記のように、本実施形態に係る検査装置1では、第1の検知部10が触覚的オンポジションを検知し、第2の検知部20が電気的オンポジションを検知する。そして、判定部が、触覚的オンポジションおよび電気的オンポジションに基づいてメタルドームスイッチ50の良否判定を行う。これにより、本実施形態によれば、オンポジションずれを考慮してメタルドームスイッチの良否判定を行うことができる。その結果、オンポジションずれの大きいメタルドームスイッチを不良品として正確に検出することができる。

<メタルドームスイッチ50の検査方法> 次に、メタルドームスイッチ50の検査方法について図5のフローチャートを参照しつつ説明する。

まず、メタルドームスイッチ50を検査装置1にセットする(ステップS11)。すなわち、検査装置1の検査台(図示せず)上にメタルドームスイッチ50を固定する。

次に、第1の検知部10が、メタルドームスイッチ50が触覚的にオンしたときのメタルドーム51の変位量を示す触覚的オンポジションを検知する(ステップS12)。触覚的オンポジションは、基準時刻からメタルドーム51の荷重が極小になるまでの時間T1に押し込み棒11aの押し込み速度Vを乗じた値である。なお、触覚的オンポジションは、時間T1であってもよい。

次に、第2の検知部が、メタルドームスイッチ50が電気的にオンしたときのメタルドーム51の変位量を示す電気的オンポジションを検知する(ステップS13)。電気的オンポジションは、基準時刻からメタルドームスイッチ50にオン電流が流れるまでの時間T2に押し込み棒11aの押し込み速度Vを乗じた値である。なお、電気的オンポジションは、時間T2であってもよい。

なお、ステップS12とステップS13の順序は、前後してもよい。例えば、メタルドーム内に金属粉等の異物が混入したメタルドームスイッチの場合、電気的オンポジションが触覚的オンポジションよりも先に検出される。

次に、判定部312が、触覚的オンポジションおよび電気的オンポジションに基づいてメタルドームスイッチ50の良否判定を行う(ステップS14)。このステップS14は、より詳しくは、以下のフローにより実行される。

まず、ずれ量算出部311が、触覚的オンポジションと電気的オンポジションとの差を算出する(ステップS141)。この差は、前述の式(1)または式(2)を用いて算出される。

次に、判定部312が、ずれ量算出部311により算出された差が規定値以下であるか否かを判定する(ステップS142)。その結果、差が規定値よりも大きい場合(S142;No)、メタルドームスイッチ50は不良品であると判定する(ステップS145)。一方、差が規定値以下の場合(S142;Yes)、触覚的オンポジションが電気的オンポジションよりも小さいか否かを判定する(ステップS143)。その結果、触覚的オンポジションが電気的オンポジションよりも小さい場合(S143:Yes)、メタルドームスイッチ50は良品であると判定する(ステップS144)。一方、触覚的オンポジションが電気的オンポジションよりも大きい場合(S143;No)、メタルドーム51内に金属粉等の異物が混入している可能性があるため、メタルドームスイッチ50は不良品であると判定する(ステップS145)。

なお、ステップS143は省略してもよい。この場合、ずれ量算出部311により算出された差が規定値以下であるならば、直ちにメタルドームスイッチ50は良品であると判定する。

図6および図7は、情報処理装置30の表示部32に表示された検査結果を示している。図6は、メタルドームスイッチ50が良品である場合の荷重−変位曲線の一例を示している。図6の例では、触覚的オンポジションTOP(Tactile On Position)と電気的オンポジションEOP(Electrical On Position)との差は規定値以下である。すなわち、TOP=0.208mm、EOP=0.209mmであり、その差(0.001mm)は規定値(0.04mm)以下である。

これに対し、図7はメタルドームスイッチ50が不良品である場合の荷重−変位曲線の一例を示している。図7の例では、電気的オンポジションEOPが触覚的オンポジションTOPよりも小さい。

上記の説明では、メタルドームスイッチが1段スイッチの場合について説明したが、本発明は、メタルドームスイッチが2段スイッチの場合にも適用することが可能である。以下、この場合について説明する。

まず、2段スイッチのメタルドームスイッチの一例について図8Aおよび図8Bを参照して説明する。このようなメタルドームスイッチは、デジタルカメラのシャッターボタン等に使用される。なお、2段スイッチのメタルドームスイッチの構成は、図8Aおよび図8Bに示すものに限られない。

端子64,65,66は絶縁基板63上に設けられている。図8Aに示すように、端子64および端子65は、環状の端子の一部が開いた形状を有する馬蹄型の端子である。端子64は、メタルドーム61の端部に電気的に接続されている。端子65は、端子64に囲まれており、メタルドーム62の端部に電気的に接続されている。端子66は、馬蹄型の端子65に囲まれた領域に配置された島状の端子と、この島状の端子から延在し、端子64および端子65の開口部を通る配線とを有している。

なお、図8Aに示すように、端子64,65,66の一部は、カバーフィルム67により被覆されている。これは、端子64、端子65および端子66がメタルドーム61により短絡されること、並びに、端子65および端子66がメタルドーム62により短絡されることを防ぐためである。

図8B(a)は、オフ状態のメタルドームスイッチ60の断面図を示している。図8B(b)は、第1段階のオン状態におけるメタルドームスイッチ60の断面図を示している。図8B(c)は、第2段階のオン状態におけるメタルドームスイッチ60の断面図を示している。

メタルドームスイッチ60は、メタルドーム61と、メタルドーム62と、絶縁基板63と、端子64,65,66とを有する。絶縁基板63は、可撓性を有する絶縁フィルムでもよいし、硬質基板でもよい。

メタルドーム61に荷重を加えていくと、メタルドーム61が変形することにより、図8B(b)に示すように、メタルドーム61はメタルドーム62の頂部に接触する。これにより、端子64と端子65が電気的に接続される。さらにメタルドーム61に荷重を加えると、図8B(c)に示すように、メタルドーム62がメタルドーム61とともに変形して端子66に接触する。これにより、端子64、端子65および端子66が互いに電気的に接続される。

次に、メタルドームスイッチ60を検査する検査装置1について説明する。なお、検査装置1の基本構成はメタルドームスイッチ50を検査する場合と同じである。すなわち、同じ検査装置1により、メタルドームスイッチ50およびメタルドームスイッチ60のいずれのタイプのスイッチも検査することが可能である。

第1の検知部10は、メタルドームスイッチ60が第1段階で触覚的にオンしたときのメタルドーム61の変位量を示す第1の触覚的オンポジションを検知する。さらに、第1の検知部10は、メタルドームスイッチ60が第2段階で触覚的にオンしたときのメタルドーム61の変位量を示す第2の触覚的オンポジションを検知する。例えば、第1の触覚的オンポジションは、基準時刻からメタルドーム61の荷重が最初に極小になるまでの時間であり、第2の触覚的オンポジションは、基準時刻からメタルドーム61の荷重が2番目に極小になるまでの時間である。

第2の検知部20は、メタルドームスイッチ60が第1段階で電気的にオンしたときのメタルドーム61の変位量を示す第1の電気的オンポジションを検知する。さらに、第2の検知部20は、メタルドームスイッチ60が第2段階で電気的にオンしたときのメタルドーム61の変位量を示す第2の電気的オンポジションを検知する。例えば、第1の電気的オンポジションは、基準時刻から端子64および端子65間に電流が流れるまでの時間であり、第2の電気的オンポジションは、基準時刻から端子64および端子66間(または、端子65および端子66間)に電流が流れるまでの時間である。

ずれ量算出部311は、第1の触覚的オンポジションと第1の電気的オンポジションとの差d1、および第2の触覚的オンポジションと第2の電気的オンポジションとの差d2を算出する。例えば、ずれ量算出部311は、式(3)および式(4)によりこれらの差を算出する。

ここで、d1:第1の触覚的オンポジションと第1の電気的オンポジションとの差、V:押し込み棒11aの押し込み速度、T21:基準時刻から端子64および端子65間に電流が流れるまでの時間、T11:基準時刻からメタルドーム61の荷重が最初に極小になるまでの時間である。

ここで、d2:第2の触覚的オンポジションと第2の電気的オンポジションとの差、V:押し込み棒11aの押し込み速度、T22:基準時刻から端子64および端子66間(または、端子65および端子66間)に電流が流れるまでの時間、T12:基準時刻からメタルドーム61の荷重が2番目に極小になるまでの時間である。

判定部312は、第1および第2の触覚的オンポジションと、第1および第2の電気的オンポジションとに基づいてメタルドームスイッチ50の良否判定を行う。具体的には、判定部312は、差d1が第1の規定値以下であり且つ差d2が第2の規定値以下である場合にメタルドームスイッチ60が良品であると判定する。なお、第1の規定値と第2の規定値は異なる値であってもよい。

上記のように、本実施形態に係る検査装置1によれば、2段スイッチのメタルドームスイッチについても、オンポジションずれを考慮してメタルドームスイッチの良否判定を行うことができる。その結果、オンポジションずれの大きい2段スイッチタイプのメタルドームスイッチを不良品として正確に判定することができる。

<メタルドームスイッチ60の検査方法> 次に、メタルドームスイッチ60の検査方法について図9のフローチャートを参照しつつ説明する。

まず、メタルドームスイッチ60を検査装置1にセットする(ステップS21)。すなわち、検査装置1の検査台(図示せず)上にメタルドームスイッチ60を固定する。

次に、第1の検知部10が、メタルドームスイッチ60が第1段階で触覚的にオンしたときのメタルドーム61の変位量を示す第1の触覚的オンポジションを検知する(ステップS22)。第1の触覚的オンポジションは、前述の時間T11に押し込み棒11aの押し込み速度Vを乗じた値である。なお、第1の触覚的オンポジションは、時間T11であってもよい。

次に、第2の検知部が、メタルドームスイッチ60が第1段階で電気的にオンしたときのメタルドーム61の変位量を示す第1の電気的オンポジションを検知する(ステップS23)。第1の電気的オンポジションは、前述の時間T21に押し込み棒11aの押し込み速度Vを乗じた値である。なお、第1の電気的オンポジションは、時間T21であってもよい。

次に、第1の検知部10が、メタルドームスイッチ60が第2段階で触覚的にオンしたときのメタルドーム61の変位量を示す第2の触覚的オンポジションを検知する(ステップS24)。第2の触覚的オンポジションは、前述の時間T12に押し込み棒11aの押し込み速度Vを乗じた値である。なお、第2の触覚的オンポジションは、時間T12であってもよい。

次に、第2の検知部が、メタルドームスイッチ60が第2段階で電気的にオンしたときのメタルドーム61の変位量を示す第2の電気的オンポジションを検知する(ステップS25)。第2の電気的オンポジションは、前述の時間T22に押し込み棒11aの押し込み速度Vを乗じた値である。なお、第2の電気的オンポジションは、時間T22であってもよい。

なお、ステップS22とステップS23の順序は前後してもよい。同様に、ステップS24とステップS25の順序は前後してもよい。

次に、判定部312が、第1および第2の触覚的オンポジションと、第1および第2の電気的オンポジションとに基づいてメタルドームスイッチ60の良否判定を行う(ステップS26)。このステップS26は、より詳しくは、以下のフローにより実行される。

まず、ずれ量算出部311が、第1の触覚的オンポジションと第1の電気的オンポジションとの第1の差、および、第2の触覚的オンポジションと第2の電気的オンポジションとの第2の差を算出する(ステップS261)。この差は、例えば、前述の式(3)および式(4)を用いて算出される。

次に、判定部312が、第1の差が第1の規定値以下であり且つ第2の差が第2の規定値以下であるか否かを判定する(ステップS262)。その結果、第1の差が第1の規定値以下であり且つ第2の差が第2の規定値以下である場合(S262;Yes)、メタルドームスイッチ60は良品であると判定する(ステップS263)。一方、第1の差が第1の規定値より大きい、または第2の差が第2の規定値よりも大きい場合(S262;No)、メタルドームスイッチ60は不良品であると判定する(ステップS264)。

なお、図5のフローチャート(ステップS143)で説明したように、触覚的オンポジションが電気的オンポジションよりも小さいか否かを判定し、良否判定を行ってもよい。より詳しくは、第1の触覚的オンポジションが第1の電気的オンポジションよりも大きい場合、または、第2の触覚的オンポジションが第2の電気的オンポジションよりも大きい場合に、メタルドームスイッチ60は不良品であると判定してもよい。

図10は、メタルドームスイッチ60の荷重−変位曲線の一例を示している。この例では、第1の差(=TOP1−EOP1)および第2の差(=TOP2−EOP2)のいずれも規定値(0.04mm)以下であり、メタルドームスイッチ60は良品と判定された。

上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。

1 検査装置 10 第1の検知部 11 荷重計 11a 押し込み棒 12 リニアゲージ 20 第2の検知部 21 直流電流計 22 直流電圧計 30 情報処理装置 31 制御部 311 ずれ量算出部 312 判定部 32 表示部 50 メタルドームスイッチ(1段SW) 51 メタルドーム 52 絶縁基板 53,54 端子 55 カバーフィルム 60 メタルドームスイッチ(2段SW) 61,62 メタルドーム 63 絶縁基板 64,65,66 端子 67 カバーフィルム 150 メタルドームスイッチ(1段SW) 151 メタルドーム 152 絶縁基板 153,154 端子 B バッテリー C1,C2 荷重−変位曲線 F1 極大点 F2 極小点 F3 点 R 抵抗 TOP 触覚的オンポジション EOP 電気的オンポジション T1,T2 時間

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