Thermal overload relay

申请号 JP2009244394 申请日 2009-10-23 公开(公告)号 JP2011090936A 公开(公告)日 2011-05-06
申请人 Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd; 富士電機機器制御株式会社; 发明人 FURUHATA YUKIO; MORISHITA FUMIHIRO; KAMOSAKI TAKEO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a thermal overload relay stabilizing the characteristics of a reversing mechanism in automatic resetting by regulating the axial deflection of a reset bar in an automatic reset position. SOLUTION: The reset bar 43 is switched between a manual reset position where the reversing mechanism 21 is manually reset into an initial state before reversing by performing push-in operation, and the automatic reset position where the reset bar is held in a push-in state by push-turning operation from the manual reset position to automatically reset the reversing mechanism 21 into the initial position. The thermal overload relay includes axial deflection regulating parts 17b, 17d, 51, 46, 47 regulating the axial deflection of the reset bar 43 when the reset bar 43 is held in the automatic reset position. COPYRIGHT: (C)2011,JPO&INPIT
权利要求
  • ケース内に、過負荷電流による発熱で湾曲変位するバイメタルと、このバイメタルの変位量が規定値を超えると、反転動作して接点を切り替える反転機構と、前記ケースに形成した軸装着部に押し込み自在に装着され、押し込んだときに一端部が前記反転機構の可動部に係合する柱状のリセット棒と、このリセット棒の他端部が前記ケースから突出するように、前記リセット棒にばね力を作用する復帰ばね、とを備え、前記リセット棒は、押し込み操作を行なうことで前記反転機構を手動で反転前の初期状態に復帰させる手動リセット位置と、この手動リセット位置からの押し回し操作により押し込み状態に保持され、前記反転機構を自動的に前記初期状態に復帰させる自動リセット位置との間で切り替えられるようにした熱動形過負荷継電器において、
    前記リセット棒が自動リセット位置で保持されたときに前記リセット棒の軸振れを規制する軸振れ規制部を設けたことを特徴とする熱動形過負荷継電器。
  • 前記軸振れ規制部として、前記リセット棒の外周及び前記軸装着部の内壁の一方に膨出部を形成し、
    前記リセット棒が前記自動リセット位置で保持されたときに、前記膨出部が前記リセット棒の外周及び前記軸装着部の内壁の他方に当接し、前記リセット棒及び前記軸装着部の間に押付け力が発生することで前記リセット棒の軸振れを規制するようにしたことを特徴とする請求項1記載の熱動形過負荷継電器。
  • 前記リセット棒の長手方向に互いに離間した少なくとも2箇所の位置に前記軸振れ規制部を設け、前記リセット棒の軸振れを規制するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の熱動形過負荷継電器。
  • 前記復帰ばねが前記リセット棒にばね力を作用する方向は、前記リセット棒の軸線に対して偏心した方向であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱動形過負荷継電器。
  • 前記復帰ばねは、前記リセット棒の前記一端部の回動範囲に干渉しない位置で係合している板ばね部材であることを特徴とする請求項4記載の熱動形過負荷継電器。
  • 前記リセット棒の外周に自動リセット係合部を設け、
    前記ケース内に、押し込まれた前記リセット棒が前記自動リセット位置まで回転したときに、前記自動リセット係合部と係合することで前記リセット棒の押し込み状態を保持する係止板を設けるとともに、
    前記リセット棒を前記自動リセット位置までの回転途中で停止したときに、その位置で互いに当接する前記自動リセット係合部及び前記係止板の当接部は、前記リセット棒が前記自動リセット位置に回転する方向に向かって下り傾斜を付けて延在し、互いに面接触する傾斜面として形成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の熱動形過負荷継電器。
  • 说明书全文

    本発明は、バイメタルの温度上昇による湾曲特性を利用した熱動形過負荷継電器に係わり、リセット棒を自動リセット位置にセットする機構の改良に関する。

    熱動形過負荷継電器のリセット機構は、一般に、押し込み自在にケースに装着されているリセット棒を備え、このリセット棒を押し込むことにより、トリップに伴なって反転動作した反転機構を初期状態に復帰させるようになっている。 このリセット機構には、リセット棒をリセットの都度押し込み操作する手動リセットと、リセット棒を押し込み状態に保持しておくことにより、バイメタル冷却後に反転機構を自動的に初期状態に戻す自動リセットとがあり、それらは切り換え可能になっている。

    図12から図15は、手動リセットと自動リセットに切替え可能な従来の熱動形過負荷継電器を示すものである(例えば、特許文献1)。
    この熱動形過負荷継電器は、図12に示すように、通電電流による発熱で湾曲変位するバイメタル2と、バイメタル2の変位量が規定値を超えると、反転機構4を反転動作させて切り替わる接点5及び6とを備えている。

    バイメタル2は湾曲すると図12の右方向に変位し、この動きはシフタ8を介して釈放レバー9に伝えられ、釈放レバー9は軸10を支点に反時計方向に回動する。 一方、ケース1に固定された支持片11の一端のV溝11aに、可動板14が一端を支点にして突き当てられ、その他端と支持片11の他端11bとの間に引っ張りばね13が架けられている。 そして、可動板14には反転板12が固着されている。

    図12の初期状態では、引っ張りばね13からのばねが反転板12を時計方向に回動させるように作用し、反転板12が図示状態に突き当てられて停止している。 そして、この初期状態では、ケース1に片持ち支持された固定接点板ばね5aの先端に常閉接点5の固定接点5bが取り付けられており、この固定接点5bは、反転板12に取り付けた可動接点5cに接触しているとともに、ケース1の上面近傍で片持ち支持された固定接点板ばね6aの先端に常開接点6の固定接点6bが取り付けられ、固定接点板ばね6aと略平行に片持ち支持された可動接点板ばね6cの先端に、固定接点板ばね6aと対向するように可動接点6dが取り付けられている。

    そして、通電電流による発熱でバイメタル2が湾曲変位すると、釈放レバー9が反時計方向に回動し、この釈放レバー9の回動が、引っぱりバネ13及び反転板12を反時計方向に回動させ、図13に示すように、常閉接点5(5b,5c)が開離し、また常開接点6(6b,6d)が閉成してトリップ状態となる。 なお、釈放レバー9,反転板12,引っ張りばね13、常閉接点5及び常開接点6が反転機構4を構成する。

    熱動形過負荷継電器がトリップ状態となって電磁接触器の通電電流が遮断されると、バイメタル2は冷却されて初期状態に復帰する。 しかし、反転した反転機構4はリセット動作を加えなければ初期状態に復帰しない。 そのため、ケース1の上面から突出するように、リセット棒16が設けられている。
    リセット棒16は、図15に示すように、大径頭部16aと小径軸部16bとからなる段付き円柱部材であり、図16に示すように、ケース1に設けたリセット棒保持穴3に軸方向にスライド自在に、かつ回動自在に装着されている。 なお、リセット棒保持穴3は、リセット棒16の大径頭部16aが内部に押し込まれる大径穴部3aと、この大径穴部3aと同軸に形成されて小径軸部16bを摺動自在に保持する小径穴部3bとで構成されている。

    大径頭部16aの上面には、リセット棒16を回すためのマイナスドライバなどの工具を挿入する溝穴16cが設けられている。 また、小径軸部16bには、係合片16dが弾性的に突出形成され、この係合片16dに対して90°ずれた位置の先端に、傾斜面と鉛直面によりく字状に切り欠かれた切欠部16eが形成されている。 そして、図12に示すように、リセット棒16の切欠部16eに、上述した固定接点板ばね6aに一体化された板ばね6eが当接している。

    リセット棒保持穴3に装着されたリセット棒16は、小径軸部16bに挿入された圧縮スプリングからなる復帰スプリング7により、ケース1から突出する向きに付勢されており、図12,図13はリセット棒16が手動リセット位置にあり、復帰スプリング7のばね力を受けるリセット棒16は、図12に示すように、係合片16dがケース1の段部1aと係合して軸方向に位置決めされ、頭部がケース1の上面を閉塞する表示カバー18から突出している。 図13のトリップ状態において、リセット棒16を押し込み操作すると、切欠部16eの傾斜面は固定接点板ばね6aと一体の板ばね6eを切欠部16eから押し出す。 これにより、固定接点板ばね6aは右方向に湾曲し、可動接点板ばね6cを介して可動板14を右に押す。 その結果、反転状態の反転板12は時計方向に回転駆動され、引っ張りばね13の作用が死点を越えると初期状態に反転復帰する。

    次に、図12の手動リセット位置から図14の自動リセット位置にするには、図12において、リセット棒16の溝穴16cにマイナスドライバなどの工具の先端を挿入し、リセット棒16を突き当たるまで押し込んだ後、時計方向に90°回転させる。 これにより、復帰スプリング7から軸方向上方のばね力を受けるリセット棒16は、係合片16dがケース1の段部1bと係合して軸方向に位置決めされながら、押し込み状態に保持される。 この状態において、固定接点板ばね6aと一体の板ばね6eの先端は、リセット棒16の切欠部16eから押し出され、リセット棒16の小径軸部16bに乗り上げた状態となる。 これにより、図14の初期状態(非反転状態)においても、常開接点6の固定・可動接点6b,6d間の隙間が小さくなる。 その結果、通電電流が規定値を超え、反転機構4が反転動作を開始しても、反転板12が反転を完了する前に可動接点6dが固定接点6bに接触して反転しきれなくなる。 そのため、バイメタル2が冷却すると、反転機構4は自動的に初期状態に復帰する。

    特許第4088815号公報

    ところで、自動リセット位置のリセット棒16は、図16に示すように、大径頭部16aがリセット棒保持穴3の大径穴部3aの周面との間に隙間を設け、小径軸部16bもリセット棒保持穴3の小径穴部3bの周面との間に隙間を設けて配置されているので、リセット棒16全体が軸振れしやすい。
    このように、自動リセット位置でリセット棒16が軸振れすると、リセット棒16の小径軸部16bに板ばね6eを介して接触している固定接点板ばね6aの撓み量が変化し、常開接点6の固定・可動接点6b,6d間の隙間量も変化してしまうので、反転機構4が自動的に初期状態に復帰する自動リセットの特性が不安定となるおそれがある。
    そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、自動リセット位置でのリセット棒の軸振れを規制することで、自動リセット時の反転機構の特性を安定させる熱動形過負荷継電器を提供することを目的としている。

    上記目的を達成するために、本発明に係る熱動形過負荷継電器は、ケース内に、過負荷電流による発熱で湾曲変位するバイメタルと、このバイメタルの変位量が規定値を超えると、反転動作して接点を切り替える反転機構と、前記ケースに形成した軸装着部に押し込み自在に装着され、押し込んだときに一端部が前記反転機構の可動部に係合する柱状のリセット棒と、このリセット棒の他端部が前記ケースから突出するように、前記リセット棒にばね力を作用する復帰ばね、とを備え、前記リセット棒は、押し込み操作を行なうことで前記反転機構を手動で反転前の初期状態に復帰させる手動リセット位置と、この手動リセット位置からの押し回し操作により押し込み状態に保持され、前記反転機構を自動的に前記初期状態に復帰させる自動リセット位置との間で切り替えられるようにした熱動形過負荷継電器において、前記リセット棒が自動リセット位置で保持されたときに前記リセット棒の軸振れを規制する軸振れ規制部を設けている。
    この発明によると、軸振れ規制部が、自動リセット位置で保持されているリセット棒の軸振れを規制するので、リセット棒の一端部に係合している反転機構の可動部の位置が常に一定となり、反転機構が自動的に初期状態に復帰する自動リセット特性を安定させることができる。

    また、本発明に係る熱動形過負荷継電器は、前記軸振れ規制部として、前記リセット棒の外周及び前記軸装着部の内壁の一方に膨出部を形成し、前記リセット棒が前記自動リセット位置で保持されたときに、前記膨出部が前記リセット棒の外周及び前記軸装着部の内壁の他方に当接し、前記リセット棒及び前記軸装着部の間に押付け力が発生することで前記リセット棒の軸振れを規制するようにした。
    この発明によると、リセット棒が自動リセット位置で保持されたときに、膨出部がリセット棒の外周及び軸装着部の内壁の他方に当接することで、前記リセット棒及び前記軸装着部の間に押付け力が発生してリセット棒の軸振れが規制されるので、簡単な構成で軸振れ規制部を設けることができる。

    また、本発明に係る熱動形過負荷継電器は、前記リセット棒の長手方向に互いに離間した少なくとも2箇所の位置に前記軸振れ規制部を設け、前記リセット棒の軸振れを規制するようにした。
    この発明によると、リセット棒の長手方向に互いに離間した少なくとも2箇所の位置に軸振れ規制部を設けたことでリセット棒の軸振れ規制がさらに確実になり、自動リセット特性を高めることができる。

    また、本発明に係る熱動形過負荷継電器は、前記復帰ばねが前記リセット棒にばね力を作用する方向は、前記リセット棒の軸線に対して偏心した方向である。
    この発明によると、リセット棒の軸に対して偏心した方向から復帰ばねのばね力が付与されることで、リセット棒には所定方向に回転しようとする力が作用する。 このリセット棒が回転しようとする力によって、リセット棒には自動リセット位置で押付けられる力が発生して軸振れがさらに規制されるので、自動リセット特性をさらに高めることができる。

    また、本発明に係る熱動形過負荷継電器は、前記復帰ばねが、前記リセット棒の前記一端部の回動範囲に干渉しない位置で係合している板ばね部材である。
    この発明によると、通常装置で使用しているリセット棒の外周に配置したコイルスプリングからなる復帰ばねと比較して、小型の熱動形過負荷継電器であって復帰ばねの配置スペースが小さくても、容易に配置することができる。

    さらに、本発明に係る熱動形過負荷継電器は、前記リセット棒の外周に自動リセット係合部を設け、前記ケース内に、押し込まれた前記リセット棒が前記自動リセット位置まで回転したときに、前記自動リセット係合部と係合することで前記リセット棒の押し込み状態を保持する係止板を設けるとともに、前記リセット棒を前記自動リセット位置までの回転途中で停止したときに、その位置で互いに当接する前記自動リセット係合部及び前記係止板の当接部は、前記リセット棒が前記自動リセット位置に回転する方向に向かって下り傾斜を付けて延在し、互いに面接触する傾斜面として形成した。

    この発明によると、リセット棒を自動リセット位置までの回転途中で停止したときに、自動リセット係合部の傾斜面が係止板の傾斜面上を摺動することで、自動リセット係合部と係止板との係止が解除されてリセット棒が手動リセット位置に復帰する。 したがって、リセット棒が手動リセット位置と自動リセット位置の中立位置で停止するという不具合を確実に防止することができる。

    本発明に係る熱動形過負荷継電器によれば、軸振れ規制部が、自動リセット位置で保持されているリセット棒の軸振れを規制するので、リセット棒の一端部に係合している反転機構の可動部の位置が常に一定となり、自動リセット時の反転機構の特性を安定させることができる。

    熱動形過負荷継電器の内部を示した要部断面図である。

    熱動形過負荷継電器の調整機構を分解した図である。

    調整ダイヤルに接触する調整機構を示した図である。

    熱動形過負荷継電器の反転機構を示した図である。

    (a)は初期状態の反転機構及び常開接点(a接点)を示す図、(b)はトリップ状態の反転機構を示す図である。

    (a)は初期状態の反転機構及び常閉接点(b接点)を示す図、(b)はトリップ状態の反転機構を示す図である。

    (a)はケースの軸装着部に装着されたリセット棒を示す図、(b)は(a)のB−B矢視図、(c)は(a)のC−C矢視断面図、(d)は(a)のD−D矢視図である。

    (a)は手動リセット位置でリセット棒を押し込んだ状態を示す斜視図、(b)はその内部を示す図である。

    (a)は自動リセット位置にリセット棒をセットした状態を示す斜視図、(b)はその内部を示す図、(c)は自動リセット位置のリセット棒を駒片側から示した図である。

    自動リセット位置まで回転する途中のリセット棒を示す斜視図である。

    図10の要部を示す簡略図である。

    従来の熱動形過負荷継電器の初期状態の内部を示す図である。

    従来の熱動形過負荷継電器のトリップ状態の内部を示す図である。

    従来の熱動形過負荷継電器の自動リセット位置でリセット棒を保持した状態を示す図である。

    従来の熱動形過負荷継電器のリセット棒の構造を示す図である。

    従来の熱動形過負荷継電器の自動リセット位置でリセット棒が軸振れを起こしている状態を示す概略図である。

    以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
    図1に示すように、本実施形態の熱動形過負荷継電器は、絶縁ケース17の上面に、調整ダイヤル28の調整部28aと、頭部45が突出したリセット棒43が設けられているとともに、絶縁ケース17内には、主バイメタル18の一端に係合したシフタ19の変位に従動する調整機構20と、調整機構20の動作により接点が切り替わる反転機構21とが配置されている。

    調整機構20は、図2に示すように、調整リンク22と、この調整リンク22に回動自在に支持された釈放レバー23と、この釈放レバー23に固定され、シフタ19に係合する温度補償バイメタル24とを備えている。 調整リンク22は、釈放レバー23を支持するリンク支持部25と、リンク支持部25の一側から下方に延在している脚部26とで構成されている。

    リンク支持部25は、上部に軸受穴25a1が形成されて互いに対向している一対の対向板25aと、これら1対の対向板25aの間を連結し、開口部25bを形成した連結板25cとを備えている。 脚部26は一対の対向板25aの一方から下方に延在しており、その下部に軸受穴26aが形成されている。
    そして、図1に示すように、絶縁ケース17の下部側の内壁には、支軸27が絶縁ケース17内に突出して設けられており、この支軸27の先端部が、前述した脚部26の軸受穴26aに挿入されることで、調整リンク22全体が、支軸27を中心として回動自在に絶縁ケース17に支持されている。

    調整機構20の釈放レバー23は、図2に示すように、基板23aと、基板23aの両端から同一方向に略同一の度で折曲された一対の折曲板23b,23cとを備えている。 そして、一方の折曲板23b側に、調整リンク22の一対の軸受穴25a1に挿入される一対の回動軸23d,23eが形成されている。 また、これら回動軸23d,23eを挟んで一方側の折曲板23bの端部に反転ばね押圧部23fが形成されており、他方側の折曲板23cにカム接触部23gが形成され、折曲板23b,23cが折曲されている方向に対して逆側の基板23aの裏面に、温度補償バイメタル24の端部をかしめて固定するかしめ固定部31が形成されている。

    そして、図1及び図3に示すように、釈放レバー23のカム接触部23gに、絶縁ケース17の上面に設けた調整ダイヤル28の偏心カム28bが当接しており、釈放レバー23の回動角度は、ドライバなどの工具の先端を調整部28aに係合して調整ダイヤル28を回転し、偏心カム28bの周面に当接するカム接触部23gの位置を変化させ、回動軸23d,23e回りに微小に回動させることで設定されている。

    反転機構21は、図4及び図5(a)に示すように、絶縁ケース17内に配置した反転機構支持部32と、この反転機構支持部32の近傍に配置され、絶縁ケース17の内壁に設けた支軸33に回動自在に支持された連動板34と、反転機構支持部32に当接した下部35aを支点として上部35bが揺動自在に配置されている可動板35と、可動板35の上部35b側に設けた係合穴35c及び下部35aの下方位置である反転機構支持部32のばね支持部32aの間に張架された引張りコイルばねからなる反転ばね36とを備えている。

    図5(a)に示すように、連動板34には、可動板35の反転動作、復帰動作とともに連動板34を支軸33回りに回動させる第1係合ピン39a及び第2係合ピン39bが、可動板35に係合可能に設けられている。 また、反転機構支持部32には、常開接点(a接点)側板ばね37が自由端を上方に延在した状態で並設されており、この板ばね37の自由端側にa接点38の固定接点38aが固定され、可動板35の上部35bに、固定接点38aに接続するa接点38の可動接点38bが固定されている。 ここで、a接点側板ばね37の上部の先端部は、リセット棒43の後述する駒片48に接触している。

    また、図6(a)に示すように、連動板34を間に挟んでa接点38に対する逆側の位置に、常閉接点(b接点)側板ばね40が自由端を上方に延在した状態で配置されているとともに、この板ばね40に対向した状態で接点支持板41が配置されている。 板ばね40は、自由端が連動板34の一部に係合しており、連動板34の回動とともに同一方向に回動する。 そして、板ばね40の自由端側にb接点42の可動接点42bが固定され、接点支持板41に、可動接点42bに接続するb接点42の固定接点42aが固定されている。

    リセット棒43は、図7(a)に示すように、絶縁ケース17に軸方向に移動自在、且つ軸回りに回動自在に支持されながら、リセット棒43の下側に配置した復帰ばね44により、頭部45が絶縁ケース17から外部に突出する方向に付勢されている。
    このリセット棒43は、円柱形状の頭部45と、頭部45の直径より縮径された円柱形状であって頭部45と同軸に形成された首部46と、頭部45に対して逆側位置の首部46の軸P方向端部に形成され、復帰ばね44が係合している略円板形状の復帰ばね係合部47と、復帰ばね係合部47から首部46に対して逆側位置の軸方向に突出して形成された駒片48とを備えている。

    頭部45の上面には、図7(b)に示すように、リセット棒43を略90°回すためにマイナスドライバなどの工具を挿入する溝穴49が形成されているとともに、上面近くの側周面に、リセット棒43の回転位置を示す指針部50が形成されている。
    頭部45の下部側外周には、図7(a),(c)に示すように、軸P方向に延在する突起部51が突出して形成されている。

    首部46の復帰ばね係合部47側の外周には、図7(a)に示すように、自動リセット係合部52が突出して形成されており、この自動リセット係合部52の頭部45を向く面に、軸方向に直交する係合面52aと、この係合面52aに連続して復帰ばね係合部47に向かう方向に下り傾斜を付けた傾斜面52bとが形成されている。
    復帰ばね係合部47は、図7(d)に示すように、軸Pからの半径をR1として形成した第1外周面47aと、第1外周面47aの半径R1より大きな軸Pからの半径R2(R2>R1)で形成した第2外周面47bとを有する略円板形状の部位である。

    そして、復帰ばね係合部47の下面(首部46に対して逆側の面)の第1外周面47aに沿う略90°の範囲に駒片48が形成されており、この駒片48の外周面は、復帰ばね係合部47から離間する方向に徐々に縮径された傾斜面となっている。 この駒片48は、リセット棒43を略90°回すことにより、即ち、図7(d)において時計方向に略90°回すことにより、2点鎖線で示す位置まで軸P回りに移動する。

    復帰ばね44は、図7(a),(d)に示すように、絶縁ケース17の内部に設けた支持壁17eに片持ち状態で固定された板ばねであり、自由端のばね先端部44aが復帰ばね係合部47に当接することで、頭部45が絶縁ケース17から突出する方向にリセット棒43にばね力を付与する部材である。 この復帰ばね44の自由端が延在している方向は、軸Pに偏心した方向であって、駒片48の回動位置(図7(d)の実線及び2点鎖線で示す駒片48の位置)に干渉しない方向である。 また、復帰ばね44のばね先端部44aは、復帰ばね係合部47に向けて突出する球面形状に形成されている。
    また、リセット棒43の突起部51及び自動リセット係合部52は、頭部45に形成した指針部50に対して周方向の逆側(周方向に略180°離間した位置)に形成されている。

    そして、図7(a)に示すように、リセット棒43は、絶縁ケース17の上部に形成された切欠き部を有する第1切欠き穴17aに頭部45の周面が摺動自在に当接し、絶縁ケース17の内部に設けた係止板17bの切欠き部を有する第2切欠き穴17cに首部46の周面が摺動自在に当接し、絶縁ケース17の側部内壁17dの下部に復帰ばね係合部47の周面が摺動自在に当接し、復帰ばね係合部47に復帰ばね44のばね先端部44aが当接してばね力が付与されることで、頭部45が絶縁ケース17から突出して押し込み自在な手動リセット位置に配置されている。 また、手動リセット位置に配置されているリセット棒43の駒片48の傾斜面(外周面)には、前述した反転機構21を構成するa接点側板ばね37の先端部37aが接触している(図1参照)。

    ここで、図7(a)に示すように、絶縁ケース17の係止板17bに形成した第2切欠き穴17cの径方向の開口縁部には、復帰ばね係合部47に向かう方向に下り傾斜を付けたリセット棒戻り傾斜面17c1が設けられており、自動リセット位置にセットすべきリセット棒43を回転途中で停止すると、上方移動したリセット棒43の自動リセット係合部52の傾斜面52bが、リセット棒戻り傾斜面17c1に面接触するようになっている。

    さて、上記構成の熱動形過負荷継電器に過負荷電流が流れると、図1に示すように、過負荷電流によってヒータ18aが発熱し、このヒータ18aを巻回した主バイメタル18が湾曲し、その自由端の変位によってシフタ19が図1の符号Qの矢印方向に変位する。 変位したシフタ19によって温度補償バイメタル24の自由端が押圧されると、温度補償バイメタル24に一体化された釈放レバー23が、調整リンク22に支持された回動軸23d,23e(図2参照)回りに時計方向に回動していき、釈放レバー23の反転ばね押圧部23fが反転ばね36を押圧する。

    そして、釈放レバー23の時計方向の回動が進行し、反転ばね押圧部23fの押圧力が反転ばね36のばね力を上回ると、可動板35が下部35aを支点として反転動作を行なう。 また、この可動板35の反転動作とともに、第1係合ピン39aを介して可動板35の反転動作が伝達された連動板34も、支軸33回りに回動する。
    これにより、図5(a)の開状態となっていたa接点38の固定接点38a及び可動接点38bが接続し(図5(b)参照)、図6(a)の閉状態となっていたb接点42の固定接点42a及び可動接点42bが離間し(図6(b)参照)、反転機構21の接点が切り替わって熱動形過負荷継電器がトリップ状態となる。 そして、熱動形過負荷継電器のa接点38及びb接点42の情報を基に、例えば主回路に接続した電磁接触器(不図示)を開極動作させて過負荷電流を遮断する。

    そして、熱動形過負荷継電器がトリップ状態となって電磁接触器の過負荷電流が遮断され、所定時間の経過後に、冷却された主バイメタル18は湾曲が矯正されて初期状態に復帰する。 しかし、接点が切り替わった反転機構21はリセット動作を加えなければ初期状態(a接点38の固定接点38a及び可動接点38bが開状態、b接点42の固定接点42a及び可動接点42bが閉状態)に復帰しない。
    そこで、図8(a)、(b)に示すように、手動リセット位置に配置されているリセット棒43の押し込み操作をすることで手動リセットを行なう。
    この際、リセット棒43の頭部45の外周に形成した突起部51は、第1切欠き穴17aの切欠き部を通過し、首部46の復帰ばね係合部47側に形成した自動リセット係合部52は、第2切欠き穴17cの切欠き部を通過する。

    リセット棒43の押し込み操作により駒片48が下方に移動することで、駒片48の傾斜面に接触しているa接点側板ばね37は、反転状態の可動板35を押圧しながら復帰ばね係合部47に乗り上げて接触する。 その結果、反転状態の可動板35は初期位置側に移動していき、反転ばね36の作用が死点を超えた時点で可動板35が復帰動作を行なう。 これにより、熱動形過負荷継電器は、初期状態(a接点38の固定接点38a及び可動接点38bが開状態、b接点42の固定接点42a及び可動接点42bが閉状態)に復帰する。

    次に、頭部45が絶縁ケース17から突出した手動リセット位置のリセット棒43を自動リセット位置にセットする手順及び作用効果について説明する。
    図9(a),(b)に示すように、先ず、リセット棒43の溝穴49にマイナスドライバなどの工具の先端を挿入し、頭部45が係止板17bに突き当たるまで押し込んだ後、時計方向に90°回転させる。
    この際、押し込まれたリセット棒43の指針部50が図の右方を向くことで、指針部50に対して周方向の逆側に位置した突起部51及び自動リセット係合部52が、絶縁ケース17の側部内壁17d側に移動する。
    そして、自動リセット係合部52の係合面52aが係止板17bに係合することで、リセット棒43の押し込み状態が保持される。 また、突起部51は、絶縁ケース17の側部内壁17dの上部に当接し、この側部内壁17dの上部に対して押付け力F1(図9(b)参照)を作用する。

    また、リセット棒43の押し込み及び時計方向の90°回転により、駒片48は、下方に移動しながら、復帰ばね44に干渉しない位置まで回転する。 この駒片48の傾斜面に接触していたa接点側板ばね37は、復帰ばね係合部47に乗り上げた状態となり、可動板35に近接する位置まで移動する。 これにより、可動板35が反転動作を行なっていない初期状態であっても、a接点側板ばね37に固定されているa接点38の固定接点38aと、可動板35に固定されているa接点38の可動接点38bの間の隙間が小さくなる。 その結果、リセット棒43を自動リセット位置にセットすると、通電電流が規定値を超え、反転機構21が反転動作を開始しても、可動板35が反転動作を完了する前に可動接点38bが固定接点38aに接触して反転しきれなくなる。 そのため、主バイメタル18が冷却すると、反転機構21は自動的に初期状態(a接点38の固定接点38a及び可動接点38bが開状態、b接点42の固定接点42a及び可動接点42bが閉状態)に復帰する。

    ここで、自動リセット位置にセットされたリセット棒43は、図9(b)に示すように、リセット棒43の突起部51が絶縁ケース17の側部内壁17dの上部に押付け力F1を作用することで、リセット棒43自身が押付け力F1による反力を受け、復帰ばね係合部47が絶縁ケース17の側部内壁17dの下部に押付け力F2を作用し、首部46が係止板17bの第2切欠き穴17cに押付け力F3を作用する。

    これにより、自動リセット位置にセットされたリセット棒43は、長手方向の両端側に同一方向の押付け力F1,F2を作用し、長手方向の中央部に、前記押付け力F1,F2に対して逆方向の押付け力F3を作用しながら絶縁ケース17にセットされているので、軸振れが規制される。
    このように、自動リセット位置のリセット棒43の軸振れが規制されると、復帰ばね係合部47に係合しているa接点側板ばね37の位置が常に一定であり、a接点38の固定接点38a及び可動接点38bの間の隙間も一定になるので、反転機構21が自動的に初期状態に復帰する自動リセット特性を安定させることができる。

    また、図9(b),(c)に示すように、自動リセット位置のリセット棒43は、軸Pに対して偏心した方向から復帰ばね44のばね力が付与されているので、所定方向に回転しようとする力が作用する。 この回転しようとする力によって、リセット棒43は自動リセット位置で押付けられる力が発生し、リセット棒43の軸振れがさらに規制されるので、自動リセット特性の安定を向上させることができる。

    また、復帰ばね44は、駒片48の回動位置(図7(d)参照)に干渉しない復帰ばね係合部47の下面側まで延在させて配置した板ばねであり、通常装置で使用しているリセット棒の外周に配置したコイルスプリングからなる復帰ばねと比較して、小型の熱動形過負荷継電器であって復帰ばね44の配置スペースが小さくても、容易に配置することができる。

    さらに、復帰ばね44の先端部44aは球面形状に形成され、復帰ばね係合部47の下面と接触する先端部44aの接触面積が小さく設定されており、復帰ばね係合部47及び復帰ばね44の接触部の摺動摩擦を低減した構造としているので、リセット棒43の動作を阻害することがない。
    さらに、リセット棒43を手動リセット位置から自動リセット位置にセットする操作を途中で停止した場合について説明する。

    例えば、図10に示すように、頭部45が係止板17bに突き当たるまで押し込んだ後、時計方向に90°回転させる途中(例えば45°程度)でリセット棒43の回転を停止したとする。
    リセット棒43の押し込み状態を解除すると、図11に示すように、復帰ばね44のばね力によりリセット棒43が上方(頭部45が絶縁ケース17から突出する方向)に移動し、自動リセット係合部52の傾斜面52bがリセット棒戻り傾斜面17c1に面接触する。 上方向の力が加わっている自動リセット係合部52は、傾斜面52bがリセット棒戻り傾斜面17c1上を摺動しながら、半時計方向に回転しながら上方に移動していく(図1の矢印方向)。

    そして、自動リセット係合部52が第2切欠き穴17cの切欠き部を通過し、係止板17bの上方に位置することで、リセット棒43は、頭部45が絶縁ケース17から突出した手動リセット位置に復帰する。
    このように、リセット棒43を自動リセット位置にセットする操作を途中で停止した場合には、傾斜面52bが係止板17bのリセット棒戻り傾斜面17c1に摺動することで、自動リセット係合部52と係止板17bとの係合が解除されてリセット棒43が手動リセット位置に復帰するので、リセット棒43が手動リセット位置と自動リセット位置の中立位置で停止するという不具合を確実に防止することができる。

    17…絶縁ケース(ケース)、17a…第1切欠き穴、17b…係止板、17c…第2切欠き穴、17c1…リセット棒戻り傾斜面(傾斜面)、17d…側部内壁、17e…支持壁、18…主バイメタル(バイメタル)、18a…ヒータ、19…シフタ、20…調整機構、21…反転機構、22…調整リンク、23…釈放レバー、23a…基板、23b,23c…折曲板、23d,23e…回動軸、23f…反転ばね押圧部、23g…カム接触部、24…温度補償バイメタル、25…リンク支持部、25a…対向板、25a1…軸受穴、25b…開口部、25c…連結板、26…脚部、26a…軸受穴、27…支軸、28…調整ダイヤル、28a…調整部、28b…偏心カム、31…かしめ固定部、32…反転機構支持部、32a…ばね支持部、33…支軸、34…連動板、35…可動板、35a…可動板の下部、35b…可動板の上部、35c…係合穴、36…反転ばね、37…a接点側板ばね、37a…a接点側板ばねの先端部、38…a接点、38a…固定接点、38b…可動接点、39a…係合ピン、39b…係合ピン、40…b接点側板ばね、41…接点支持板、42…b接点、42a…固定接点、42b…可動接点、43…リセット棒、44…復帰ばね、44a…ばね先端部、45…頭部、46…首部(リセット棒の他端部)、47…復帰ばね係合部、47a…第1外周面、47b…第2外周面(膨出部)、48…駒片(リセット棒の一端部)、49…溝穴、50…指針部、51…突起部(膨出部)、52…自動リセット係合部、52a…係合面、52b…傾斜面、P…リセット棒の軸

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