Power supply spd

申请号 JP2007127046 申请日 2007-05-11 公开(公告)号 JP4808673B2 公开(公告)日 2011-11-02
申请人 音羽電機工業株式会社; 发明人 真樹夫 田辺; 健一 西野; 智章 赤穂; 志郎 酒井;
摘要
权利要求
  • 酸化亜鉛形バリスタ素子と、前記バリスタ素子の電極引出し端子に低溶融金属合金で接合され、前記バリスタ素子の異常発熱による前記低溶融金属合金の溶融時に前記電極引出し端子から切り離されるばね力を有する切離し導体と、前記バリスタ素子と前記切離し導体を位置決めして収納する筐体を有する電源用SPDにおいて、
    前記切離し導体は帯板状の金属板で、前記筐体に位置決め保持される固定部と、その固定部の先端側から板厚方向に屈曲して延在する短冊状のばね部と、そのばね部の先端側からテーパ状に幅狭となって延在し、延在方向先端部分を前記バリスタ素子の最大サージ電流耐量を超えるサージ電流で溶断する断面積に設定した電流ヒューズ部と、その電流ヒューズ部の先端部分から幅広に延在して前記電極引出し端子に前記低溶融金属合金を介して面接合される端子接続部とを有することを特徴とする電源用SPD。
  • 前記端子接続部は先端部分に櫛歯状に複数の位置決め突起を一体に有し、前記電極引出し端子は先端部分に、前記複数の位置決め突起に位置決め係合される係合爪を一体に有することを特徴とする請求項1に記載の電源用SPD。
  • 前記端子接続部の前記複数の位置決め突起と対応する複数箇所に板厚方向に貫通させて前記低溶融金属合金が流入する接続補助孔を形成したことを特徴とする請求項2に記載の電源用SPD。
  • 前記端子接続部の前記ばね部と反対の後端部分に、前記筐体外に突出する電極端子部を一体に形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電源用SPD。
  • 说明书全文

    本発明は、酸化亜鉛形バリスタ素子で雷撃から電気機器を保護する電源用SPD(Surge Protective Device:サージ防護デバイス)で、詳しくは、酸化亜鉛形バリスタ素子の劣化等による異常時の発煙発火を防止する切離し機能付き電源用SPDに関する。

    単相交流電路や三相交流電路の分電盤に設置される電源用SPDは、電路間や電路と対地間に接続されて電気機器を雷撃から保護する。 電源用SPDは、酸化亜鉛形バリスタ素子を含む複数種類のサージ防護回路部品を矩形状の薄型絶縁性筐体に収納した本体と、本体を取付ける支持台を備えた構造が一般的である。 支持台は、交流電路と本体のサージ防護回路部品を接続する端子類を内蔵する。

    電源用SPDに使用される酸化亜鉛形バリスタ素子は、雷サージを繰り返し放電することで劣化する。 バリスタ素子が劣化すると、漏れ電流が増加して発熱する。 また、バリスタ素子は、サージ耐量を超える大きなサージ電流が流れると瞬時に短絡して、周囲の電気機器に悪影響を与える。 バリスタ素子が劣化や過大なサージ電流で発熱する前に、バリスタ素子を電路から自動的に切り離して発煙発火を防止することが行われている(例えば、特許文献1参照)。 また、バリスタ素子の劣化等の異常発生を表示し、警報することが行われている(例えば、特許文献2参照)。

    特開2006−179842号公報

    特開2003−102126号公報

    分電盤に使用される電源用SPDは、支持台の凹部に本体を嵌着して1ユニット化した状態で複数ユニットが工場出荷され、分電盤に固定されたDINレールに複数(通常2〜4)ユニットの支持台を並列に取り付けている。 分電盤に複数の電源用SPDを省スペースで設置するため、支持台と本体を同じ幅狭で扁平な構造としている。 本体は、幅狭な矩形の扁平型絶縁性筐体内に扁平な酸化亜鉛形バリスタ素子を位置決め収納している。 そのため、本体の絶縁性筐体の内部空間が狭く制限されて、筐体内にバリスタ素子と共にバリスタ素子の発煙発火を防止する切離し手段や異常表示手段などのサージ防御回路部品を、それぞれの機能を低下させることなく設置することが難しい。 また、切離し手段に市販の温度ヒューズや電流ヒューズが使用する場合、筐体内に設置するサージ防御回路部品の点数が多くなり、本体がコスト高となる。

    本発明の目的は、絶縁性筐体に酸化亜鉛形バリスタ素子と切離し手段をそれぞれ機能安定な状態で収納することが容易な切離し機能付電源用SPDを提供することにある。

    本発明の上記目的を達成するため、酸化亜鉛形バリスタ素子と、バリスタ素子の電極引出し端子に低溶融金属合金で接合され、バリスタ素子の異常発熱による低溶融金属合金の溶融時に電極引出し端子から切り離されるばねを有する切離し導体と、バリスタ素子と切離し導体を位置決め保持して収納する絶縁性筐体を有する電源用SPDにおいて、切離し導体は帯板状の金属板で、筐体に位置決め保持される固定部と、その固定部の先端側から板厚方向に屈曲して延在する短冊状ばね部と、そのばね部の先端側からテーパ状に幅狭となって延在し、延在方向先端部分をバリスタ素子の最大サージ電流耐量を超えるサージ電流で溶断する断面積に設定した電流ヒューズ部と、その電流ヒューズ部の先端部分から幅広に延在して電極引出し端子に低溶融金属合金を介して面接合される端子接続部とを有することを特徴とする。

    ここで、バリスタ素子は扁平型の酸化亜鉛形バリスタ素子が適用され、絶縁性筐体内に位置決めされて固定される。 バリスタ素子の電極引出し端子は、電源用SPDが設置される交流電路の電源ラインまたはアースラインに切離し導体を介して接続されるもので、バリスタ素子に固定される。 電極引出し端子に切離し導体を低溶融金属合金で接合した状態で、バリスタ素子と共に切離し導体が筐体内に収納され、それぞれが位置決め固定される。 切離し導体は、バリスタ素子の電極引出し端子を交流電路に接続する電極端子を一体的に有する構造か、あるいは、別体の電極端子を電気的に接続した構造とすることが可能である。 また、帯板状金属板である切離し導体は、板厚方向に外力を加えて変形させることでばね性を持つ。 切離し導体の短冊状ばね部を板厚方向に屈曲変位させて筐体内に取り付けることで、ばね部に適正なばね性を持たせることができる。 このばね部の先端部と端子接続部の間に平板状で先端部を幅狭にした電流ヒューズ部を一体に形成する。 電流ヒューズ部は、その先細となる先端部分の断面積を過大サージ電流で溶断するように設定する。 このようにすることで、電流ヒューズ部はその先端部分のみが過大サージ電流で溶断し、この溶断時に電流ヒューズ部の先端部分より後方の部分はばね部の延長として残る。 1枚の金属板である切離し導体が、バリスタ素子の劣化発熱によってバリスタ素子を電路から切り離す温度ヒューズ機能と、過大サージ電流でバリスタ素子を電路から切り離す温度ヒューズ機能を兼備する。 そのため、特別な温度ヒューズや電流ヒューズが不要となり、扁平な小形の筐体内に収納するサージ防護回路部品の部品数が少なくなり、筐体内に各部品をスペース的余裕を持って収納することが容易になる。

    また、本発明においては、切離し導体の端子接続部は先端部分に櫛歯状に複数の位置決め突起を一体に有し、バリスタ素子の電極引出し端子は先端部分に複数の位置決め突起に位置決め係合される係合爪を一体に有する構造とすることができる。 さらに、端子接続部は、複数の位置決め突起と対応する複数箇所に板厚方向に貫通させて低溶融金属合金が流入する接続補助孔を形成した構造とすることができる。

    ここでの切離し導体の複数の位置決め突起は、金属板で形成した電極引出し端子の板厚の間隔で櫛歯状に並び、隣接する位置決め突起の間の歯溝に電極引出し端子の係合爪が嵌入されて係合する。 位置決め突起間に係合爪を係合させた状態で、電極引出し端子と切離し導体を低溶融金属合金で接合することで、常に正確な接合と接合作業が容易になり、低溶融金属合金が溶融したときの切離し性能が安定する。 また、筐体内における電極引出し端子と切離し導体の相対位置関係が段階的に変更される場合、電極引出し端子の係合爪が嵌入される位置決め突起間の歯溝の位置を変更することで、相対位置関係の変更に対処することができる。

    また、本発明においては、端子接続部のばね部と反対の後端部分に、筐体外に突出する電極端子部を一体に形成することができる。 ここでの電極端子部は、端子接続部の後端部分を板厚方向に折曲した形状とすることができる。 筐体に切離し導体を収納するときに、電極端子部を筐体外に突出させて、筐体外部の支持台などに設置した交流電路用端子に接続する。

    本発明の電源用SPDによれば、筐体内にバリスタ素子と共に収納される金属板の切離し導体は、バリスタ素子の劣化発熱によりバリスタ素子を電路から切り離す温度ヒューズ機能と、過大サージ電流でバリスタ素子を電路から切り離す電流ヒューズ機能の両機能を有するので、市販品の温度ヒューズや電流ヒューズが不要になり、筐体内に収納するバリスタ素子を含むサージ防護回路部品の部品数と電源用SPDの製作コストの低減が図れる。 かつ、筐体内に各種のサージ防護回路部品をスペース的余裕を持たせて、各部品の機能性を損なうことなく収納することが容易になり、性能の安定した電源用SPDの製作が容易になるという優れた効果を奏し得る。

    以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。

    図1に示す電源用SPDは、本体SP1と支持台SP2を備える。 本体SP1は扁平な矩形を成し、同じ幅の扁平な支持台SP2の上面中央部に形成した凹部53に真上から差込式にして挿脱可能に嵌着される。 支持台SP2は、図2および図3に示すように、分電盤54などに固定したDINレール55に着脱自在に取り付けられる。

    本体SP1は、矩形の絶縁性筐体1を有し、筐体1の内部に扁平型バリスタ素子10を位置決め収納する。 筐体1内には、バリスタ素子1の電極引出し用導体21,22と、バリスタ素子10の異常を外部に表示するための表示枠30を収納する。 表示枠30はコ字状の樹脂枠で、図1で右方向にスライド移動させるばね材31と共に筐体1内に収納される。

    筐体1は、上下で対向する天板部1a、底板部1bと、図1で左右で対向する側板部1c,1dと、図1に示される背板部1eを一体に有する。 筐体1の背板部1eと反対側の開口に、図2に示される矩形の絶縁性蓋板2が取り付けられる。 ここでの筐体1は蓋板2を含む。 天板部1aの中央部に、図4で示すような矩形の表示窓32が形成される。 左右の側板部1c,1dの一方の側板部1dに突起状の固定ガイド40が一体に突設され、他方の側板部1cの下部に本体SP1の種別を特定するための突起状の本体側可動ガイド41が形成される。 可動ガイド41は、本体SP1の種別変更に応じて位置変更できるもので、詳細は後述する。 底板部1bの図1で左右両端部分に電極端子取付用切込み24,25が形成され、底板部1bの図1で右側半分に矩形の切欠き26が形成される。 図27および図28に示すように、蓋板2の下辺に内方に直に延在する矩形板状の塞ぎ板部2aが一体に形成され、筐体1に蓋板2を装着したときに塞ぎ板部2aが切欠き26に嵌着されて塞ぐ。 塞ぎ板部2aの中央に矩形のレバー挿通穴2bが形成される。 また、背板部1eの内面に、図8に示す矩形筒状の枠板部1fが一体に突設される。 枠板部1fの内周面と背板部1eの内面で形成されるバリスタ素子収納空間に単品のバリスタ素子10が位置決め収納される。 収納空間には、バリスタ素子10を覆うように絶縁保護材12が充填される。 絶縁保護材12を固化させて、バリスタ素子10を固定する。

    なお、図8(A)(B)のバリスタ素子10は絶縁保護材12を示している。 電源用SPDに使用されるバリスタ素子10は、定格のバリスタ電圧が厚みに比例し、サージ耐量が面積に比例する。 バリスタ素子10には、定格のバリスタ電圧が100V、200V、400Vなどと相違する複数の種類がある。 このような複数種類のバリスタ素子10は、厚さが段階的に相違する。 図8(A)は、高圧用バリスタ素子10の場合で、背板部1eの内面から絶縁保護材12の表面までの高さh1がバリスタ素子10の厚さで決まる。 図8(B)は、図8(A)より低圧のバリスタ素子10の場合で、背板部1eの内面から絶縁保護材12の表面までの高さh2が図8(A)の高さh1より小さい。

    矩形の扁平型バリスタ素子10は表裏両面に電極層を有し、各電極層に電極引出し用導体(端子)21,22が接続される。 バリスタ素子10の図1で手前側を表面側とすると、表面側電極層に固定された電極引出し端子11に一方の電極引出し用導体21が接続される。 この電極引出し用導体21が、本発明の請求項1に記載の切離し導体である。 以下、導体21を切離し導体21と称する。 バリスタ素子10の他の裏面側電極層に接続される電極引出し用導体22は、必ずしも切離し導体の構造にする必要がないことから、以下、電極引出し導体22と称する。 本体SP1を交流電路に使用する場合、切離し導体21が電源ラインに接続され、電極引出し導体22がアースラインに接続される。

    切離し導体21は、バリスタ素子10の表面側電極層に固定された電極引出し端子11に低溶融金属合金13で接合され、バリスタ素子10の異常発熱による低溶融金属合金13の溶融時に電極引出し端子11から切り離されるばね力を有する。 バリスタ素子10の電極引出し端子11の具体例を図6に示し、切離し導体21のばね力を有しない平常時の形状例を図7に示す。

    図6の電極引出し端子11は、熱伝導性のよい帯状金属板を門形に屈曲したものである。 電極引出し端子11は、バリスタ素子10の表面側電極層から絶縁保護材12を貫通して立ち上がる基端部11aを有する。 基端部11aの上端から枠板部1fを跨いで平板状の中間部11bが延在する。 中間部11bの先端から背板部1eに向けて平板状の導体接続部11cが屈曲する。 導体接続部11cは、枠板部1fに対して所定の角度で傾斜する。 導体接続部11cが傾斜して枠板部1fに近づく先端の上下両端部に一対の係合爪11d,11eが外側に向けて突設される。 一対の係合爪11d,11eは、バリスタ素子10の厚さ方向を上下方向とすると、上段と下段に位置して互いに平行に対向する。 中間部11bは、バリスタ素子10の異常時の発熱を導体接続部11cに速やかに伝導する長さ、形状にしてある。

    図7の切離し導体21は、帯板状の弾性金属板で、筐体1の底板部1b上に位置決めして保持される。 切離し導体21は、底板部1bの図1で左半分の位置に位置決め保持される平板状の固定部21aを有する。 固定部21aの先端側(図7で右側)に短冊状のばね部21bが延在する。 ばね部21bは板厚方向に屈曲する変位可能部分で、板厚方向に屈曲することでばね性を保有する。 ばね部21bの先端側からテーパ状に幅狭となる台形板状の電流ヒューズ部21cが延在する。 電流ヒューズ部21cの先端から幅広となる矩形平板状の端子接続部21dが延在する。 電流ヒューズ部21cの先端部分は、バリスタ素子10の最大サージ電流耐量を超えるサージ電流で溶断する断面積に設定される。 端子接続部21dは、電極引出し端子11の導体接続部11cに低溶融金属合金13を介し面接合される。 端子接続部21dは、先端側に櫛歯状に複数の位置決め突起21eを一体に突設する。 複数の位置決め突起21eは、電極引出し端子11の係合爪11d,11eと同様にバリスタ素子10の厚さ方向を上下方向とすると、上下複数段に櫛歯状に並ぶ。

    切離し導体21は、端子接続部21dの複数箇所に板厚方向に貫通させて接続補助孔14を有する。 接続補助孔14は、複数の位置決め突起21eと対応させた箇所に形成される。 接続補助孔14は、溶融した低溶融金属合金13が流入して端子接続部21dと導体接続部11cの電気的かつ機械的接合を良好にする。

    切離し導体21は、端子接続部21dのばね部21bと反対の後端部分に、端子接続部21dの板厚方向に折曲した電極端子部21fを一体に有する。 電極端子部21fは、金属板を菱形状に屈曲させた差込式の電極端子である。 電極端子部21fの端子接続部21dとの連結部分が筐体1の底板部1bの図1で左側切込み24に嵌挿されて、電極端子部21fが底板部1bから外部に突出する。 切離し導体21の固定部21aが底板部1b上に平行に位置決め保持される。 固定部21aの先端から延在するばね部21bが図1で上方向に屈曲して、端子接続部21dを電極引出し端子11の導体接続部11cから引き離す方向にばね力を保有する。

    切離し導体21の端子接続部21dと電極引出し端子11の導体接続部11cとの低溶融金属合金13による接合は、次の要領で行われる。 筐体1に収納されるバリスタ素子10は、厚さの相違する複数種類の中の1種類である。 電極引出し端子11と切離し導体21は、複数種類のバリスタ素子のいずれにも共通に使用でき、いずれの種類であっても同じ条件で接合できるようにしてある。 このことを図8(A)(B)で説明する。

    図8(A)に示す高さh1と図8(B)に示す高さh2が2段階的に相違する。 そのため、図8(A)(B)の各バリスタ素子10に同一寸法形状の電極引出し端子11を共通に使用すると、図8(A)(B)の各電極引出し端子11の相対的な高さ関係が2段階的に相違する。 この段階的な高さ関係の相違に対応して、切離し導体21の先端の櫛歯状位置決め突起21eの数、間隔を決める。 例えば、図8(A)の場合は、高さh1に対応した高さ位置にある電極引出し端子11の上段と下段の係合爪11d,11eで、切離し導体21の図8で最上段にある位置決め突起21eを挟むようにする。 この場合、上段の係合爪11dを最上段の位置決め突起21eに係合させ、下段の係合爪11eを最上段の位置決め突起21eと最上段から2段目の位置決め突起21'eとの間の歯溝に嵌入して係合させる。 この係合で電極引出し端子11と切離し導体21が相互に簡単、確実に位置決めされ、低溶融金属合金13による接合が容易、確実に行われる。

    図8(B)の場合は、高さh2に対応した高さ位置にある電極引出し端子11の上段の係合爪11dと下段の係合爪11eを、切離し導体21の複数の位置決め突起21eの内の図8で下段側にある2つの位置決め突起21'e,21'eを挟むように突起間の歯溝に嵌入して係合させる。 図8(B)の場合も、図8(A)と同じ条件で電極引出し端子11と切離し導体21が簡単、確実に位置決めされて、低溶融金属合金13による接合が容易、確実に行われる。 また、電極引出し端子11と切離し導体21を複数種類のバリスタ素子に共通に使用することで、筐体1や蓋板2なども共通化できる。 この共通化でバリスタ素子で種類分けされる複数種類の本体SP1の外形寸法を同一とし、支持台SP2を複数種類の本体SP1に共通に使用される構造とすることができる。

    切離し導体21と対を成す電極引出し導体22は、筐体1の図1で右側の側板部1dの内面に沿って配置される帯板状の金属板である。 この電極引出し導体22の図1で上部がバリスタ素子10の裏面側電極層に固定され、下部に電極端子部22fが一体に形成される。 電極端子部22fは、切離し導体21の電極端子部21fと対を成す差込式の電極端子で、筐体1の底板部1bの図1で右側切込み25に嵌挿されて外部に突出する。 底板部1bの下面の両端で電源ライン側とアースライン側の一対の電極端子部21f,22fが平行に対向する。 このような一対の電極端子部21f,22fの一方を切離し導体21に一体に形成することで、本体SP1に実装する部品点数が少なくでき、コスト低減が図れる。

    筐体1内にバリスタ素子10は、例えば次のように組み付けられる。 バリスタ素子10に切離し導体21と電極引出し導体22を組付け、バリスタ素子10を筐体1内に挿入する。 このとき、切離し導体21のばね部21bを屈曲させて、固定部21aを筐体1の底板部1bに位置決めする。 同時に電極引出し導体22を筐体1に取付ける。 その後、バリスタ素子10を覆うように絶縁保護材12を充填して固化させる。 次に、筐体1内に表示枠30をばね材31と共に収納して、筐体1に蓋板2を嵌め込み式に取付けて、本体SP1を組み立てる。

    図11と図12で切離し導体21の動作を説明する前に、切離し導体21と関連して動作する表示枠30を図9と図10を参照して説明する。

    図11に示される表示枠30は、筐体1内に図1で左右方向にスライド移動可能に収納される。 表示枠30は樹脂製の絶縁体で、平板状の絶縁板30aと異常表示板30bを連結枠30cで一体に連結している。 絶縁板30aは、筐体1の底板部1bと平行な矩形板で、切離し導体21の固定部21aに接近させて配置される。 図10に示すように、絶縁板30aの両側端部が筐体1の背板部1eと蓋板2の内面に形成したガイド溝35,36に嵌挿される。 ガイド溝35,36は、図1で左右方向に直線状に延び、絶縁板30aの前後移動をガイドする。 絶縁板30aの図9で左側の後端部に後方に突出させて棒状のばね保持30dが一体に形成される。 ばね保持30dにコイル状のばね材31が挿入されて、ばね材31が軸方向伸縮可能に保持される。 筐体1内に絶縁板30aを挿入するとき、絶縁板30aの後端と筐体1の側板部1eの間に圧縮したばね材31が挿入されて、絶縁板30aを図1で右方向の前進方向に附勢する。 絶縁板30aの前端が、切離し導体21の変位可能部分である凹状に屈曲したばね部21bの凹面側に係止する。 ここでのばね部21bは、ばね材31で附勢される絶縁板30aの前進を止めるストッパーとして作用する。 また、絶縁板30aによる屈曲したばね部21bの附勢力は、ばね部21bから先端側の端子接続部21dを電極引出し端子11から引き離す方向へのばね力として作用し、後述する切離し導体21の切離し動作をより確実なものにする。 屈曲したばね部21bが屈曲前の平坦な状態に変位すると、絶縁板30aの先端との係止が外れ、絶縁板30aがばね材31の附勢で前進する。 この前進で絶縁板30aが切離し導体21と電極引出し端子11の中間位置に移動する。

    表示枠30の異常表示板30bは、絶縁板30aと平行に対向する矩形の平板である。 異常表示板30bと絶縁板30aの図9で手前側の側端後部に連結枠30cの両端が一体に連結される。 異常表示板30bは、筐体1の天板部1aと枠板部1fの間の隙間gに嵌挿されて保持される。 隙間gは、異常表示板30bを図1で左右方向の前後移動をガイドする。 異常表示板30bの上面は、例えば白色部31と赤色部32に色分けされる。 絶縁板30aが切離し導体21のばね部21bに係止されて定位置にあるとき、異常表示板30bの白色部31が筐体1の表示窓32を塞ぐ。 表示枠30の全体が図1で右方向に前進すると、異常表示板30bの赤色部32が筐体1の表示窓32を塞ぐ。 筐体1の外から表示窓32の中の色を視認することで、本体SP1にバリスタ素子劣化などの異常が発生しているか否かが一目で分かる。

    本体SP1を支持台SP2の凹部53に嵌挿することで、本体SP1と支持台SP2が電気的かつ機械的に接続され、1ユニットの電源用SPDが構成される。 支持台SP2は、本体SP1の異常を遠隔地に送信する機能を備える。 支持台SP2の詳細説明の前に、本体SP1の異常発生時の動作を図11と図12で説明する。

    図11は、バリスタ素子10が劣化して発熱したときの異常発生を示す。 バリスタ素子10の劣化による発熱が電極引出し端子11を伝導し、低溶融金属合金13が溶融する。 すると、切離し導体21の屈曲したばね部21bのばね力で端子接続部21dが電極引出し端子11の導体接続部11cから切り離され、ばね部21bとその先端部分が筐体1の底板部1bと平行になる位置へと変位する。 この変位で電極引出し端子11と切離し導体21間の電気的接続が遮断され、バリスタ素子10が電路から切り離されて発煙発火が防止される。

    同時に表示枠30が定位置から図11で右方向に定ストロークで前進する。 この前進で異常表示板30bの赤色部32が筐体1の表示窓32まで移動して、異常発生を外部に表示する。 また、表示枠30の前進で、絶縁板30aが電極引出し端子11の導体接続部11cと切離し導体21の端子接続部21dの間に挿入され、その位置で前進が停止する。 図11の異常発生時に、電極引出し端子11と切離し導体21が最も接近する導体接続部11cと端子接続部21dの中間に表示枠30の絶縁板30aが移動することで、導体接続部11cと端子接続部21dの絶縁が確実になる。 また、絶縁板30aが前進することで切離し導体21のばね部21bとその前方部分の変位動作が助勢され、切離し導体21の切り離し動作が確実に行われる。

    図12は、バリスタ素子10にサージ耐量を超える過大サージ電流が流れたときの異常発生を示す。 バリスタ素子10の電路にサージ耐量を超える過大サージ電流が瞬時に流れると、この過大サージ電流が切離し導体21の電流ヒューズ部21cに流れ、電流ヒューズ部21cの先端部分が溶断して端子接続部21dから切り離される。 電流ヒューズ部21cの溶断は瞬時に行われるので、低溶融金属合金13は溶融しない場合がある。 電流ヒューズ部21cの溶断で、切離し導体21の屈曲したばね部21bが筐体1の底板部1bと平行になる位置へと変位する。 この変位で電極引出し端子11と切離し導体21間の電気的接続が遮断され、バリスタ素子10が電路から切り離されて発煙発火が防止される。 同時に表示枠30が定位置から図12で右方向に定ストロークで前進する。 この前進で異常表示板30bの赤色部32が筐体1の表示窓32まで移動して、異常発生を外部に表示する。 また、表示枠30の前進で、絶縁板30aが電極引出し端子11の導体接続部11cに残った端子接続部21dと切離し導体21のばね部21bの先端部分との間に挿入されて停止する。 図12の異常発生時においても、電極引出し端子11と切離し導体21の間に絶縁板30aが移動することで、導体接続部11cと端子接続部21dの絶縁が確実になる。 また、絶縁板30aが前進することで切離し導体21のばね部21bの変位を助勢し、電流ヒューズ機能を確実にする。

    なお、図11と図12の鎖線は、後述する変位連動部材70である。 変位連動部材70は支持台SP2の内部に上下揺動可能に設置される。 複数の本体SP1を並列に配置して使用するときに、隣接する本体SP1の変位連動部材同士が連結される。

    次に、支持台SP2の詳細を説明する。

    図1に示す支持台SP2は、本体SP1の筐体1に対応させた樹脂成形品の筐体51を備える。 以下、本体側の筐体1を第一筐体1、支持台側の筐体51を第二筐体51と称する。 第二筐体51は、縦断面コ字状で横長箱形の基台部B1と、基台部B1の長さ方向両端部から真上に延在する横断面コ字状の垂設部B2,B3を備える。 基台部B1は、縦断面コ字状に連続する上板部B1a、裏板部B1b、下板部B1cを有する。 基台部B1の内部に変位連動部材70が設置される。 垂設部B2は、縦断面逆U字状に連続する内壁部B2a、天面部B2b、外壁部B2cと、基台部B1の裏板部B1aを延長させた裏板部B2dを有する。 他方の垂設部B3は、縦断面逆U字状に連続する内壁部B3a、天面部B3b、外壁部B3cと、基台部B1の裏板部B1aを延長させた裏板部B3dを有する。 各垂設部B2,B3の内部に端子機構80が設置される。 第二筐体51の図1で手前側を前面側、反対側を後面側とすると、第二筐体51の前面側が開口し、この開口端に1枚の蓋板52が取り付けられる。 第二筐体51の後面側は連続した裏板部B1b,B2d,B3dである。

    基台部B1の内部中央に、変位連動部材70が上下に揺動可能に設置される。 基台部B1と垂設部B2に接点出力機構56が設置される。 接点出力機構56は、本体SP1のバリスタ素子10の異常発生時にオン・オフの接点動作をしてバリスタ素子10の異常発生を電気信号で遠隔地に送信する手段を構成することができる。 接点出力機構56は、接点動作をする接点部品56aと、接点部品56aに配線された接点出力部品56bを有する。 接点部品56aは例えばリミットスイッチで、第二筐体51の基台部B1内に変位連動部材70に連接して固定される。 接点部品56aは、変位連動部材70の揺動に連動してオン・オフの接点動作をする。 接点出力部品56bは、垂設部B2の外壁部B2cの下部に固定される。 接点出力部品56は、本体SP1に異常が発生して接点部品56aがオン動作をすると、遠隔地の管理センター(図示せず)に異常発生の電気信号を送信する手段を構成することができる。 接点部品56aと接点出力部品56bは、市販品が適用できる。

    基台部B1の片端部の下面にレール取付部品58が、図1で左右方向に移動可能に設置される。 図2に示すように、支持台SP2をDINレール55に取り付けたとき、レール取付部品58の内側の先端がDINレール55の側端部下面に係止する。 レール取付部品58を図2で右方向に手動で移動させると、DINレール55との係止が外れて支持台SP2が取り外される。 基台部B1の裏板部B1bの左右2箇所にボルト取付穴101,102が形成され、蓋板52の下部左右2箇所にボルト挿通穴103,104が形成される。 ボルト挿通穴103,104は円筒状で、先端開口が対応するボルト取付穴101,102と連通する。 これらの各穴は、図23と図24に示すように、複数台(図面では3台)の支持台SP2を並列に接触させて一連に連結する際に2本の連結ボルト(図示せず)の挿通穴として使用される。

    第二筐体51の凹部53に真上から本体SP1が挿脱可能に嵌挿される。 凹部53の対向する両内壁面は、本体SP1が挿脱し易いように上方に若干開くテーパー面にしてある。 また、この両内壁面は、図13に示すように、嵌挿される本体SP1の方向性を規制する縦溝状の本体方向規制用固定ガイド60と、本体SP1の種類を特定するための縦溝状の種別特定用可動ガイド61を有する。 これに対応して本体SP1の第一筐体1は、両側面の一方であるアースライン側の側面に突起状の固定ガイド40を縦方向に有し、電源ライン側の側面に突起状の種別特定用可動ガイド41を縦方向に有する。 突起状の本体側固定ガイド40が溝状の支持台側固定ガイド60のみに嵌挿され、支持台側可動ガイド61には嵌挿されないようにしてある。 同様に突起状の本体側可動ガイド41が溝状の支持台側可動ガイド61のみに嵌挿され、支持台側固定ガイド60には嵌挿されないように、各ガイドの数、幅、形成箇所が決めてある。 例えば、突起状の本体側固定ガイド40は、第一筐体1の側面の幅方向中央から外れた1箇所に形成される。 これに対応して第二筐体51の溝状の固定ガイド60は、垂設部B3の内壁部B3aの幅方向中央から外れた1箇所に形成される。 本体側可動ガイド41と支持台側可動ガイド61の具体例を、図13〜図19を参照して説明する。

    図13に示す支持台側可動ガイド61は、3種類の本体SP1に対応させたものである。 支持台側可動ガイド61は、第二筐体51の垂設部B2の内壁面上部で縦横十文字状に交叉する2条の可動ガイド溝64を有する。 垂設部B2の内壁面下部に、縦方向に3条の平行な固定ガイド溝63が形成される。 これら各ガイド溝63,64の溝幅は、突起状の本体側可動ガイド41が嵌挿できるよう同一にしてある。 内壁部B2aの上部に可動ガイド溝64が縦横に位置変更可能に形成される。 この可動ガイド溝64は、図14に示すような正方形の樹脂製切換板66の前面に形成される。 切換板66は、内壁部B2aの上部に形成された正方形の取付溝65に真上から挿脱可能に嵌挿される。 図15(A)(B)に示すように、取付溝65に切換板66を嵌挿すると、切換板66の十文字に交差する可動ガイド溝64の縦方向にある1条の溝が3条の固定ガイド溝63の中央の1条と連通する。 図15(A)の切換板66を取付溝65から真上に引き抜いて右に90°回転させ、そのまま取付溝65に嵌挿したのが図16(A)(B)である。 図16の場合、切換板66の縦方向にある1条の溝が3条の固定ガイド溝63の図16で右端の1条と連通する。 図15の切換板66を取付溝65から引き抜いて左に90°回転させて取付溝65に嵌挿すると、切換板66の縦方向にある1条の溝が3条の固定ガイド溝63の左端の1条と連通する。

    第一筐体1の可動ガイド41は、図18および図19に示す樹脂製ガイド部品67と、図20〜図22に示すような樹脂製スペーサ部品68を備える。 ガイド部品67は、コ字状のガイド突起部67aと、ガイド突起部67aとで矩形の枠を形成する取付基部67bと、取付基部67bから直交方向に延在する門形のスライド部67cを有する。 ガイド部品68に対応して第一筐体1の側板部1cに、図20で示すような2条の平行な取付スリット4が形成される。 ガイド部品67のガイド突起部67aと取付基部67bで形成される縦長の取付穴69を2条の取付スリット4の間の側板部1'cに挿入し、ガイド突起部67aを側板部1cの外面側に突出させ、スライド部67cを側板部1cの内面側にスライドさせて、取付スリット4にガイド部品67が挿脱可能に嵌挿される。

    図20に示すように、2条の取付スリット4にスペーサ部品68を挿入し、次にガイド部品67を挿入して、最後に第一筐体1に蓋板2を取付ける。 蓋板2の側端に蓋板裏面側に一体に突設した2条の押え爪部3を取付スリット4に嵌挿して、取付スリット4にスペース部品68とガイド部品67を位置決め保持する。 図20の取付手順の場合、図17(A)(B)に示すように、ガイド部品67のガイド突起部67aが側板部1cの中央に位置決めされて、本体側可動ガイド41となる。 図17の状態にある第一筐体1は、図15の状態にある第二筐体51のみに挿脱可能となる。

    図20の取付手順において、図20に示すガイド部品68を横に180°回転させて取付スリット4に挿入すると、図21に示すようになる。 この場合、ガイド部品67のガイド突起部67aが側板部1cの中央より右側の定位置に位置決めされて、本体側可動ガイド41となる。 また、図20の取付手順の際に、取付スリット4にガイド部品68をスペース部品68より先に挿入すると、図22に示すようになる。 図22の場合、ガイド部品67のガイド突起部67aが側板部1cの中央より左側の定位置に位置決めされて、本体側可動ガイド41となる。 この図22の状態にある第一筐体1は、図15の状態にある第二筐体51のみに挿脱可能となる。

    第一筐体1を有する本体SP1は、製作過程でバリスタ素子の種類により種別特定される。 本体製作の段階で、第一筐体1の片側面から突出させるガイド部品67のガイド突起部67aの位置を決める。 また、支持台SP2に取付ける本体SP1の種類が決まっている場合、その種類に合わせて第二筐体51の切換板66の方向を決める。 このようにすれば支持台SP2に異なる種類の本体SP1が挿入できず、支持台SP2と本体SP1の相互間の種別特定が正確に行える。

    次に、支持台SP2の第二筐体51に設置される変位連動部材70と、端子機構80を順に説明する。

    変位連動部材70は、複数の支持台SP2を並列に並べて使用するときに機能する。 図23および図24は、3台の支持台SP2を互いに接合させて並列に設置したもので、各々が同じ単相交流電路の電源ラインとアースラインの間に配置される。 図23においては3台並列の支持台SP2の内、中央の1台のみが接点出力機構56とレール取付部品58を装備している。 3台並列の各支持台SP2の第二筐体51には同一構造の変位連動部材70が設置され、隣接するもの同士が互いに連結される。 3台の支持台SP2の各変位連動部材70が一連に連結されて、本体SP1の異常発生時に同じ動作をする。

    なお、図24の符号90はアース端子板で、3台並列の支持台SP1に図24で手前側から挿脱可能に嵌挿される。 アース端子板90は、後述するように3台の支持台SP1のアース端子に共通に接続される。

    図25および図26で変位連動部材70を説明する。 変位連動部材70は、全体が樹脂成形品で、直線状のレバー本体部70aと、レバー本体部70aの先端部から上方に延在するレバー操作部70bを有する。 レバー本体部70aの中央部両側方にピン状の連結バー部70cと筒状のバー挿入部70dが一体に形成される。 バー挿入部70dは、連結バー部70cの先端部が挿脱自在に挿入される内径の連結穴71を有する。 連結穴71と連結バー部70cの各中心線は一致する。 レバー本体部70aの中央部下方に接点操作部70eが形成される。 レバー本体部70aの後端部両側方に一対の支ピン部70fが互いに180°反対方向に突出する。

    1台の支持台SP2の第二筐体51に単品の変位連動部材70が、次のように取り付けられる。 第二筐体51の裏板部B1bの内面に突設した筒状のピン受部72に変位連動部材70の一方の支ピン部70fを挿入する。 レバー本体部70aを第二筐体51の上板部B1aに近づけ、レバー操作部70bを上板部B1aに形成した矩形のレバー挿通穴72に挿通し、上板部B1aより突出させる。 このとき接点操作部70eが接点部品56aに連接される。 第二筐体51に蓋板52を嵌着するとき、蓋板52の内面に突設した筒状のピン受部73を他方の支ピン部70fに挿入する。 変位連動部材70のバー挿入部70dの先端面を第二筐体51の裏板部B1bに形成した連結用穴74に対向させる。 連結バー部70cのピン状先端部分を蓋板2に形成した連結用穴75から突出させる。

    3台の支持台SP2を電源ライン側(またはアースライン側)が同一方向になるように方向性を揃えて並列に接合させ、並列方向に連結ボルト(図示せず)を貫通させて一連に連結する。 このとき、図25に示すように、隣接する2台の支持台SP2の一方から突出する連結バー部70cの先端部を他方の支持台SP2のバー挿入部70dの連結穴71に挿入して連結する。 図25に示すように、3台の支持台SP2を連結すると、左右いずれか端の1台の支持台SP2から連結バー部70cが突出する。 このような突出部分は、図25の鎖線で示すように最終的に切断して除去すればよい。

    図23と図24は、並列に連結された3台の支持台SP2の凹部53それぞれに本体SP1を嵌着したときのものである。 3台の各本体SP1のバリスタ素子10は正常であり、切離し導体21のばね部21bは上方に屈曲した正常な状態にある。 支持台SP2の凹部53の底面に、変位連動部材70のレバー操作部70bが所定長さで突出した状態にある。 凹部53に本体SP1を定位置まで嵌着すると、図2で部分的に示すように、凹部53の底面から突出したレバー操作部70bの先端が本体SP1内の屈曲したばね部21bの下面に接触または接近する。

    3台の支持台SP2の図23で上側にある端部は交流電路の電源ライン側に配線され、下側にある端部がアースライン側に配線される。 3台の支持台SP2で支持される3台の本体SP1のいずれか1台に異常が発生すると、異常発生支持台SP2の切離し導体21が図11または図12で説明した電路切離し動作をする。 このとき、切離し導体21のばね部21bが下方に変位して、変位連動部材70のレバー操作部70bを押し下げる。 この押し下げでレバー本体部70aが支ピン部70fを支点に下方に揺動する。 3台の支持台SP2の各変位連動部材70が互いに連結された状態にあるため、いずれか1台の支持台SP2の本体SP1が異常発生で上述のように変位連動部材70が揺動すると、残り2台の支持台SP2の本体SP1が正常な状態にあっても、この残り2台の支持台SP2の変位連動部材70も一体的に揺動する。

    図23で示す3台の支持台SP2は、中央の1台の支持台SP2のみに接点出力機構56を配備する。 3台の支持台SP2のいずれか1台の本体SP1に異常が発生すると、3台の支持台SP2の各変位連動部材70が一体となって同じ揺動をする。 中央の支持台SP2の変位連動部材70のレバー本体部70aが下方に揺動すると、接点操作部70eが接点出力機構56の接点部品56aをオン動作させ、接点出力部品56aから遠隔地(管理センター)に異常発生の電気信号が送信される手段を構成することができる。 この異常信号は、3台の本体SP1のいずれかに異常が発生したことを遠隔地に通知するもので、3台の本体SP1のいずれに異常が発生したかといった情報は含まない。 3台の本体SP1は交流電路に1ユニットとして組み込まれ、3台のいずれか1台で異常が発生すると、本体取り替えといった点検、管理が行われる。 そのため、3台の内のいずれに異常が発生したかの情報送信は必ずしも必要としない。

    また、3台の支持台SP2のいずれにも接点出力機構56を配備することができる。 この場合、3台の支持台SP2のいずれか1台の変位連動部材70が揺動すると、残り2台の変位連動部材70も一体に揺動して、3台の支持台SP2それぞれから同じ本体異常発生の電気信号を遠隔地に送信する手段を構成することができる。 この3台からの異常発生の電気信号送信の内容は、1台のみからの送信内容と同じである。 そのため、3台の支持台SP2それぞれに接点出力機構56を装備させる必要性が無く、3台の内の少なくとも1台のみに接点出力機構56を装備させればよい。 このように1台の支持台SP2のみに接点出力機構56を装備させることで、3台1ユニットのSPDの部品点数低減が図れ、最小数の接点出力機構56の配線作業が容易になる。

    次に、図1に示す支持台SP2の端子機構80を説明する。 第二筐体51の図1で左右の垂設部B2,B3に同一構造の端子機構80,80が左右対称に設置される。 図1で左側の端子機構80を説明する。 この端子機構80の部分の端子取付時の拡大側断面図を図29に示す。

    端子機構80は、第二筐体51の垂設部B2の裏板部B2dに一体に立設された端子受板B2eに沿って嵌挿された電極端子板81を備える。 電極端子板81は、帯板状の金属板を板厚方向に蛇行状に屈曲させたもので、平坦な外側端部81aとU字状に屈曲させた内側端部81bを有する。 電極端子板81の外側端部81aに交流電路の電源ラインからの端子板(図示せず)を締め付けて接続するねじ端子82が螺合される。 電極端子板81の内側端部81bは、第二筐体51の基台部B1内に設置され、基台部B1の上板部B1aに形成した端子接続穴110(図13参照)に対向する。 端子接続穴110は、本体SP1の下面から突出する一方の電極端子部21fが挿脱できる矩形穴である。 端子接続穴110に挿入された電極端子部21fが電極端子板81のU字状内側端部81bに圧入されて、端子間の電気的かつ機械的接続が行われる。 ねじ端子82は頭部82aと棒状ねじ部82bを有し、ねじ部82bに2枚のワッシャ83,84が挿通されて、ねじ部82bの下端部が電極端子板81の外側端部81aに螺合される。 また、端子機構80は、図30に示すようなねじ保持ばね85を備える。

    ねじ保持ばね85は線ばねで、半円弧状のねじ係合部85aと、ねじ係合部85aの両端から平方向に延在してから上方に逆ハ字状に延在する一対の端部85b,85cを有する。 ねじ係合部85aは、ねじ端子82のねじ部82bに弾性変形して嵌着されると復元して、ねじ部82bに係合される。 ねじ係合部85aは、ねじ部82bの例えば上下のワッシャ83と84の間に嵌挿される。 ねじ保持ばね85の両端部85b,85cが第二筐体51の垂設部B2の裏板部B2dに沿い、両端部85b,85cの先端部が垂設部B2の内壁部B2aと外壁部B2cのテーパー内面に弾圧係止する。 このばね両端の係止で垂設部B2内にねじ保持ばね85が保持され、ねじ端子82の後述する抜け落ちを防止する。

    図29は、垂設部B2の上板部B2bに形成したねじ操作穴111からプラスドライバー112を挿通して、ねじ端子82を緩めたときのものである。 このねじ端子82をプラスドライバー112で締め付けると、ワッシャ83がねじ保持ばね85のねじ保持部85aを押し付け、ねじ保持部85aがワッシャ84を押し付け、ワッシャ84が電極端子板81の外側端部81aを押し付けて、端子間の電気的かつ機械的接続が行われる。 ねじ端子82をプラスドライバー112で緩めると、垂設部B2内でねじ端子82が少しずつ上移動し、この上移動に応じてねじ保持ばね85が上移動する。 ねじ端子82の緩めが電極端子板81から外れる直前まで過度になると、ねじ端子82が抜け落ちすることがあるが、このとき、ねじ保持ばね85がねじ端子82を保持して、抜け落ちを防ぐ。

    以上は、第二筐体51の図1で左側の垂設部B2に設置された端子機構80で、交流電路の電源ライン側に接続される。 図1で右側の垂設部B3に設置される端子機構80も同様な構造を成すことから、その詳細説明は省略する。 この垂設部B3の端子機構80は、交流電路のアースライン側に接続される。 また、図23および図24で説明したように3台の支持台SP2を並列に連結したとき、この3台のアースライン側垂設部B3に差込式に1枚のアース端子板90が取り付けられる。 アース端子板9は、各垂設部B3の端子機構80に接続されて、3台に共通のアース端子として使用される。

    アース端子板90は、図31に示すような蛇行状に屈曲した帯板状金属板で、同一平面状に並ぶ3つの端子接続部90aと、隣接する2つの端子接続部90aから下方に屈曲させたU字状の屈曲部90bを一連に有する。 3つの各端子接続部90aには、同一方向に切欠き状のねじ挿通用取付溝91が形成される。 このアース端子板に対応して支持台SP2の両端部にアース端子板取付用スリット93,94が形成される。 一方のスリット94は第二筐体51の両端部の各裏板部B2d,B3dに水平方向に形成される。 他方のスリット93は、蓋板52の両端部に水平方向に形成される。 両スリット93,94は、電極端子板81の外側端部81aより低い位置に互いに対向させて形成される。

    図32に示すように、垂設部B3の端子機構80のねじ端子82を緩めた状態にして、垂設部B3アース端子板90の屈曲部90bをスリット93,94に挿入し、端子接続部90aの取付溝91をねじ端子82のねじ部82bに挿入する。 端子接続部90aを電極端子板81の外側端部81a上まで挿入して、ねじ端子82を締め付ける。 このように支持台SP2にアース端子板90を取付ける作業時に、緩めたねじ端子82に振動やマイナスドライバーによる外力が加わる。 この場合、ねじ端子82がねじ保持ばね85で保持されているので、アース端子板取付作業時にねじ端子82が抜け落ちする心配が無くなり、取付作業性が良くなる。

    3台の支持台SP2のアースライン側電極を1枚のアース端子板9で共通に接続するため、3台の支持台SP2のアースライン側への配線が1工程ででき、配線作業が容易になる。 また、アース端子板90の隣接する2つの端子接続部90aの間に屈曲部90bを設けることで、隣接端子接続部90a間の沿面距離を長くすることができる。

    なお、本発明の電源用SPDは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

    本発明の実施の形態を示すもので、本体SP1と支持台SP2からなる電源用SPDの一部省略部分を含む組立時の側面図である。

    図1のSPDの組立後の側面図である。

    図1のSPDの別方向からの側面図である。

    図2のSPDの平面図である。

    図2のSPDの右正面図である。

    図1の本体SP1内の電極引出し端子の斜視図である。

    図1の本体SP1内の切離し導体の斜視図である。

    (A)、(B)は、本体SP1の部分断面図である。

    本体SP1内の表示枠の斜視図である。

    本体SP1の部分断面図である。

    本体SP1の異常発生時の状態を説明する側面図である。

    本体SP1の他の異常発生時の状態を説明する側面図である。

    支持台SP2の拡大斜視図である。

    図13支持台SP2の部分斜視図である。

    (A)および(B)は図13支持台SP2の部分正面図および平面図である。

    (A)および(B)は図13支持台SP2の異なる状態の部分正面図および平面図である。

    (A)および(B)は図13支持台SP2の異なる状態の部分正面図および平面図である。

    図17(A)のt−t線に沿う拡大断面図である。

    図18のガイド部品の斜視図である。

    本体SP1の部分分解正面図である。

    本体SP1の部分正面図である。

    本体SP1の異なる状態を示す部分正面図である。

    図1のSPDを3台連結したときの平面図である。

    図23のSPDの正面図である。

    図23のSPDの部分断面図である。

    図25における変位連動部材の斜視図である。

    図1の本体SP1と支持台SP2の部分拡大断面図である。

    図27の部分での分解断面図である。

    図1の支持台SP2の部分拡大断面図である。

    図29に示すねじ保持ばねの斜視図である。

    図24に示すアース端子板の斜視図である。

    図1の支持台SP2のアース端子板取付時の部分側面図である。

    符号の説明

    1 筐体 2 蓋板10 バリスタ素子11 電極引出し端子12 絶縁保護材13 低溶融金属合金14 接続補助孔21 切離し導体21a 固定部21b ばね部21c 電流ヒューズ部21d 端子接続部21f 電極端子部30 表示枠32 表示窓40 固定ガイド41 可動ガイドSP1 本体SP2 支持台

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