Earth leakage circuit breaker

申请号 JP2002363511 申请日 2002-12-16 公开(公告)号 JP4253700B2 公开(公告)日 2009-04-15
申请人 富士電機機器制御株式会社; 发明人 浩司 浅川; 久伸 浅野; 康弘 高橋;
摘要
权利要求
  • 過電流保護および地絡保護機能を備えた漏電遮断器であって、主接点,開閉機構,操作ハンドル,過電流引外し装置,および漏電検出回路を含む漏電引外し装置を一括して本体ケースに装備し、前記漏電検出回路の3相電源を、主回路にそれぞれ接続された電源線を介して給電するようにしたものにおいて、
    前記電源線の給電回路を入り,切りする手動操作式の耐電圧テスト用スイッチを備え、該耐電圧テスト用スイッチは、電源線の各線または3線のうち1線を除く各線に接続されており、前記耐電圧テスト用スイッチに該スイッチのON,OFF操作に従動するアクチュエータを設け、該アクチュエータを開閉機構のトリップクロスバーに連係し、該耐電圧テスト用スイッチのOFF操作により、トリップクロスバーをアクチュエータを介して駆動して開閉機構をトリップ動作させ、主接点を開極するとともに、該耐電圧テスト用スイッチのOFF位置で、前記アクチュエータを介してトリップクロスバーをラッチ釈放位置に拘束して主回路の投入を阻止するようにしたことを特徴とする漏電遮断器。
  • 請求項 に記載の漏電遮断器において、前記トリップクロスバーは、該トリップクロスバーをラッチ鎖錠位置に向けて付勢する復帰ばねを備え、該復帰ばねのばね力を耐電圧テスト用スイッチのオフ位置における機械的な保持力よりも小さく設定し、前記耐電圧テスト用スイッチのOFF操作により、前記アクチュエータを介してトリップクロスバーをラッチ釈放位置に駆動して開閉機構をトリップさせるとともに、前記耐電圧テスト用スイッチのアクチュエータによりトリップクロスバーを前記復帰ばねに抗してラッチ釈放位置に拘束して主接点の投入を阻止するようにしたことを特徴とする漏電遮断器。
  • 請求項 に記載の漏電遮断器において、耐電圧テスト用スイッチのOFF操作により、前記アクチュエータを介してトリップクロスバーをラッチ釈放位置に駆動して開閉機構をトリップさせ、前記耐電圧テスト用スイッチのアクチュエータによりトリップクロスバーをラッチ釈放位置に拘束するとともに、ハンドルのリセット操作によりトリップクロスバーを該ハンドルに連動させてラッチ鎖錠位置に駆動してラッチ機構をリセットさせると同時に、トリップクロスバーにより前記耐電圧テスト用スイッチのアクチュエータを駆動して耐電圧テストスイッチをONに復帰させるようにしたことを特徴とする漏電遮断器。
  • 請求項 または に記載の漏電遮断器において、耐電圧テスト用スイッチがスライドスイッチ,あるいはトグルスイッチであり、その操作ノブに連結した操作部材にアクチュエータを設けたことを特徴とする漏電遮断器。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、低電圧配電系統に適用する過電流保護および地絡保護機能を備えた漏電遮断器に関し、詳しくは漏電遮断器の耐電圧試験を行なう際に漏電検出回路を主回路から切り離す保護手段に係わる。
    【0002】
    【従来の技術】
    低電圧配電系統の保護機器として配線用遮断器,漏電遮断器が周知であり、国内に普及している漏電遮断器は過電流保護の機能と地絡保護機能を備えた構成のものが一般的である。 また、最近の漏電遮断器では、需要家サイドでの使い勝手性を高めるために、同じフレームの配線用遮断器,漏電遮断器は同じ外形サイズの本体ケースとした上で、主要部品をできるだけ共用化するように構成したものが主流となっている(例えば、特許文献1参照。)。
    また、配電設備の多様な保護システムにも柔軟に対応させるために、配線用遮断器,漏電遮断器には付属装置として補助スイッチ,警報スイッチ,電圧引外し装置,不足電圧引外し装置などの各種付属品を組合せたものが一般化されている(例えば、特許文献2参照)。
    【0003】
    次に、従来における一般的な漏電遮断器(3相回路用)の回路図を図7に、またその構造を図8に示す。 まず、図7において、1はR,S,T相の主回路、2は主接点、3は主接点2の開閉機構部、4は操作ハンドル、5は主回路に流れる過負荷電流,短絡電流を検出して開閉機構をトリップ動作させる熱動式,電磁式の過電流引外し装置である。
    また、配電系統の地絡発生を検出して開閉機構をトリップ動作させる漏電引外し装置は、R,S,T相の主回路1を一次導体として主回路1の不平衡電流を検出する零相変流器6と、零相変流器6の二次出レベルから地絡発生を検知する漏電検出回路(ICを含む電子回路)7と、漏電検出回路7からの出力を受けて開閉機構をトリップさせるトリップコイルユニット8とからなる。 また、漏電検出回路7はその制御電源として、主回路1との間に配線した電源線9,整流回路10を介して主回路1の相間電圧を給電するようにしている。 なお、図示例では主回路1のR−T相の相間電圧を漏電検出回路7に給電しているが、R,S,T相の各相電圧を直流に変換して給電する場合もある。
    【0004】
    一方、図8において、11は下部ケース11aと上部カバー11bからなる二分割構造の本体ケース、12,13は電源側,負荷側の主回路端子(ねじ端子)、14は主回路端子12に連なる主接点の固定接触子、15は可動接触子、16は可動接触子15を支持した回動式の接触子ホルダ、17は消弧装置である。 また、開閉機構部3は良く知られているように、前記の接触子ホルダ16と操作ハンドル4との間を連繋するトグルリンク3a,開閉スプリング3bのトグルリンク機構,およびラッチ18,ラッチ受け19,トリップクロスバー20を組合せたラッチ機構との組立体からなり、トリップクロスバー20には前記した過電流引外し装置5,およびトリップコイルユニット8(図7参照)の操作端が対向している。 なお、図示のラッチ機構は一例を示したもので、これ以外にも様々な構造のラッチ機構が知られている。
    【0005】
    また、図8の図中には描かれてないが、本体ケース11には下部ケース11a、上部カバー11bに相間隔壁が形成されており、この相間隔壁で本体ケース内に組付けた各相の部品の相互間が隔離されている。 さらに、図7に示した漏電検出回路7はプリント板に実装し、本体ケース11の内部に組付けた上で、主回路1との間に配線した電源線9を半田付け(あるいはねじ止め)して接続している。 同様に、主回路1の各相に直列介装した過電流引外し装置5に対応するリード線、零相変流器6の二次出力側と漏電検出回路7の間,および漏電検出回路7とトリップコイルユニット8との間を接続するリード線も本体ケース11の内部に配線されている。
    【0006】
    上記の構成で、操作ハンドル4をON,OFF位置に移動操作すると、操作ハンドル4に連動して開閉機構部3のトグルリンク機構が反転動作し、可動接触子15が開閉動作する。 また、主接点が閉極(ON)している図示の投入状態では、ラッチ18がラッチ受け19に係止され、ラッチ受け19はこの位置でトリップクロスバー20に支持されている。 この状態から主回路に過負荷電流,短絡電流が流れて過電流引外し装置5が作動すると、トリップクロスバー20が反時計方向に回動してラッチ受け19とラッチ18との係合を釈放する。 これにより開閉機構部3がトリップ動作し、可動接触子15が固定接触子14から開離して主回路の電流を遮断する。 同様に図7の主回路1に地絡電流が流れて漏電引外し装置のトリップコイルユニット8が作動すると、トリップクロスバー20を釈放位置に駆動する。 これにより開閉機構部3がトリップ動作し、可動接触子15が開極して主回路1を断路する。 なお、トリップ動作後に遮断器を再投入するには、トリップ位置に停止している操作ハンドル4をトリップ位置から一旦RESET位置(OFF位置を若干超えた位置)に戻してラッチ機構をリセットさせた上で、さらに操作ハンドル4をOFFからON位置に移動することにより可動接触子15が閉極する。
    【0007】
    ところで、前記した漏電遮断器の製品については、安全性の面から所定の絶縁耐力を備えていることが規格で規定されており、そのために製品ごとに耐電圧試験を行って絶縁破壊が生じないことを確認するようにしている。 この耐電圧試験は、規格で定めた試験方法にしたがって、主回路端子の相間に規定の試験電圧を印加して行なうようにしており、その試験電圧は漏電遮断器の定格電圧ごとに規定されており、例えば定格電圧300〜600Vの漏電遮断器での試験電圧は2500Vである。
    この耐電圧試験について、現在国内ではメーカーサイドで漏電遮断器を出荷する以前に試験を行なうようにしている。 この場合に、漏電遮断器の製品組立状態で漏電検出回路(IC)を主回路に接続したまま相間に高い試験電圧を印加すると、漏電検出回路が高電圧で破壊してしまう。 このために、耐圧試験を行なう場合は漏電検出回路の電源線を外した状態で実施していた。
    【0008】
    一方、海外の欧米諸国などでは国内の漏電遮断器と異なり、配線用遮断器に別構造の漏電検出ユニット(零相変流器,漏電検出回路などを装備してユニット化したもの)を組合せて使用するのが一般的である。 このことから、前記した耐電圧試験は、ユーザーサイドで配電設備の施工業者が配線用遮断器に漏電検出ユニットを組付けた状態で試験を行なうようにしている。 そこで、この耐電圧試験に対応させるために、漏電検出ユニットに例えば押しボタン式の耐電圧テスト用スイッチを設け、耐電圧試験を行なう際には耐電圧テスト用スイッチを操作して漏電検出回路を主回路から切り離し、耐電圧試験の終了後に耐電圧テスト用スイッチを操作して漏電回路を主回路に接続して通常の使用状態に戻すようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
    【0009】
    【特許文献1】
    特許第3246562号明細書【0010】
    【特許文献2】
    特許第3097368号明細書【0011】
    【特許文献3】
    米国特許出願公開第2001/0022713A1号明細書【0012】
    【発明が解決しようとする課題】
    ところで、前記した従来の漏電遮断器は、耐電圧試験との対応面で次記のような問題点がある。
    (1) 図8のように配線用遮断器の構成部品と漏電検出回路を含む漏電引外し装置を一括して単一の本体ケースに組み込んだ漏電遮断器の製品について、メーカーから海外への輸出などで出荷した後に、ユーザーサイドで耐電圧試験を実施しようとする場合には、本体ケースのカバーを外した上で、漏電検出回路と主回路との間に配線されている電源線のはんだ付け部,あるいはねじ止め部を一旦外して漏電検出回路を主回路から切り離す必要があり、試験の準備作業に大きな手間がかかる。
    【0013】
    (2) また、前記の特許文献3に開示されている漏電検知デバイスの構成では、耐電圧試験の実施に際して漏電検出ユニットに備えた耐電圧テスト用スイッチ(dielectric test switch) をOFF操作すると、漏電検出回路が主回路から切り離されると同時に、配線用遮断器(circuit breaker)がトリップ動作して主接点が開極する。 これにより、漏電検出回路を主回路から切り離して耐電圧試験を安全に行なうことができる。
    しかしながら、その耐電圧テスト用スイッチは配線用遮断器の開閉動作とは連動していなく、ON復帰は当該スイッチのボタン操作により単独で行なうようにしており、耐電圧試験終了後は耐電圧テスト用スイッチをONに戻してない状態でも、配線用遮断器のハンドル操作により主接点を投入させることが可能である。 このために、耐電圧試験後に耐電圧テスト用スイッチをONに復帰操作するのを忘れ、配線用遮断器の操作ハンドルで主接点を投入して配線用遮断器を使用状態に戻すおそれがある。 しかも、耐電圧試験の終了後に耐電圧テスト用スイッチの入れ忘れがあると、漏電検出回路が主回路から切り離されたままとなるので、その後の使用状態で配電線路に地絡が発生した場合に漏電保護機能が働かなくなるといった事態が生じる。
    【0014】
    本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、図8のように単一の本体ケースに配線用遮断器の構成部品と漏電検出,引外し装置の構成部品を一括して組み込んだ構成の漏電遮断器を対象に、製品の出荷後にユーザーサイドで耐電圧試験を実施する場合でも、簡単な操作で漏電検出回路を主回路から切り離して耐電圧試験が安全に行なえるように改良した漏電遮断器を提供することを目的とする。
    【0015】
    【課題を解決するための手段】
    上記目的を達成するために、本発明によれば、過電流保護および地絡保護機能を備えた漏電遮断器であって、主接点,開閉機構,操作ハンドル,過電流引外し装置,および漏電検出回路を含む漏電引外し装置を一括して本体ケースに装備し、前記漏電検出回路の3相電源を、主回路にそれぞれ接続された電源線を介して給電するようにしたものにおいて、
    前記電源線の給電回路を入り,切りする手動操作式の耐電圧テスト用スイッチを備え、該耐電圧テスト用スイッチは、電源線の各線または3線のうち1線を除く各線に接続されており、前記耐電圧テスト用スイッチに該スイッチのON,OFF操作に従動するアクチュエータを設け、該アクチュエータを開閉機構のトリップクロスバーに連係し、該耐電圧テスト用スイッチのOFF操作により、トリップクロスバーをアクチュエータを介して駆動して開閉機構をトリップ動作させ、主接点を開極するとともに、該耐電圧テスト用スイッチのOFF位置で、前記アクチュエータを介してトリップクロスバーをラッチ釈放位置に拘束して主回路の投入を阻止するようにする。 また、具体的な実施態様として次記のように構成することができる。
    【0018】
    (1)トリップクロスバーは、該トリップクロスバーをラッチ鎖錠位置に向けて付勢する復帰ばねを備え、該復帰ばねのばね力を耐電圧テスト用スイッチのオフ位置における機械的な保持力よりも小さく設定し、前記耐電圧テスト用スイッチのOFF操作により、前記アクチュエータを介してトリップクロスバーをラッチ釈放位置に駆動して開閉機構をトリップさせるとともに、前記耐電圧テスト用スイッチのアクチュエータによりトリップクロスバーを前記復帰ばねに抗してラッチ釈放位置に拘束して主接点の投入を阻止するように構成する(請求項 )。
    (2) 耐電圧テスト用スイッチのOFF操作により、前記アクチュエータを介してトリップクロスバーをラッチ釈放位置に駆動して開閉機構をトリップさせ、前記耐電圧テスト用スイッチのアクチュエータによりトリップクロスバーをラッチ釈放位置に拘束するとともに、ハンドルのリセット操作によりトリップクロスバーを該ハンドルに連動させてラッチ鎖錠位置に駆動してラッチ機構をリセットさせると同時に、トリップクロスバーにより前記耐電圧テスト用スイッチのアクチュエータを駆動して耐電圧テストスイッチをONに復帰させるように構成する(請求項 )。
    【0019】
    (3) 前項(1),(2) において、耐電圧テスト用スイッチにスライドスイッチ,あるいはトグルスイッチを用い、その操作ノブに連結した操作部材にアクチュエータを設けてトリップクロスバーに連係させる(請求項 )。
    上記の構成において、耐電圧試験の際に耐電圧テスト用スイッチをOFF操作すると、漏電検出回路が主回路から切り離されるとともに、このスイッチ操作に連動して開閉機構がトリップ動作し、主接点が開極する。 これにより、耐電圧試験の準備が整い、漏電検出回路を主回路から切り離した状態で耐電圧試験を安全に行なうことができる。
    【0020】
    しかも、耐電圧テスト用スイッチのOFF状態では、トリップクロスバーがラッチ釈放位置に拘束保持される。 これにより、耐電圧テスト用スイッチをONに復帰操作せずに、操作ハンドルをON位置に移動して主接点を再投入しようとしても、ラッチ機構がリセットされなので主接点を閉極することができず、これにより、試験の終了後に耐電圧テスト用スイッチを入れ忘れて漏電検出回路を主回路から切り離したまま、主接点を閉極して漏電遮断器を使用状態に戻すようなことを回避できる。
    また、操作ハンドルのリセット操作によりトリップクロスバーを戻してラッチ機構をリセットさせる同時に、トリップクロスバーを介して耐電圧テストスイッチをONに復帰させるようにインターロックして構成することにより、前記と同様に試験の終了後に耐電圧テスト用スイッチの入れ忘れを防止できる。
    【0021】
    【発明の実施の形態】
    以下、本発明の実施の形態を図1〜図6に示す実施例に基づいて説明する。 なお、実施例の図中において図7,図8に対応する部材には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
    〔実施例1〕
    図1〜図3は本発明の実施例の構成図である。 この実施例の漏電遮断器は図7,図8に示した従来構成と基本的に同じであるが、図1の回路図で示すように、主回路1との間に電源線9を配線した漏電検出回路7の給電回路に対して、該回路に新たに耐電圧テスト用スイッチ21が介装されている。 この耐電圧テスト用スイッチ21は、主接点2の開閉動作に連動して前記給電回路を入り,切りするように動作するスイッチであり、この実施例においては、後記のように漏電遮断器の付属品として本体ケース11に搭載した補助スイッチが採用されている。 また、図示実施例では主回路1と漏電検出回路7との間にR,S,T相の各相に対応する3本の電源線9を配線し、3相電源を直流に変換(3相ブリッジ整流回路10を用いる)して漏電検出回路7に給電するようにしており、この電源線9の配線に合わせて前記耐電圧テスト用スイッチ21が三つの接点(三個のマイクロスイッチ)を備えている。
    【0022】
    なお、図1では耐電圧テスト用スイッチ21がR,S,T相の各電源線9に対応して三つの接点を備えているが、3相のうちの2相分に相応した二つの接点を備えて実施することもできる。 また、図7で示すように主回路1と漏電検出回路7との間に2本の電源線9を配線してR−T相の相間電圧を給電する2相電源の場合には、耐電圧テスト用スイッチ21の接点を二つ,あるいはR,Tいずれかの相に接点を一つ備えるものとする。
    図2は、前記の耐電圧テスト用スイッチ21として、漏電遮断器の付属品である補助スイッチを採用した漏電遮断器の構成図(上部カバーは外してある)であり、補助スイッチ22は操作ハンドル4の側方に並べて本体ケースの付属品収納部に外部から挿脱可能に組み込まれている(特許文献2参照)。 ここで、補助スイッチ22は、図1の耐電圧テスト用スイッチ21に対応して3個のマイクロスイッチを備えており、そのマイクロスイッチが次記のように主接点の開閉動作に合わせてON,OFF動作する。
    【0023】
    次に、前記した補助スイッチ22(耐電圧テスト用スイッチ21)の開閉機構および動作を図3(a),(b) で説明する。 図3において、補助スイッチ22はその操作端と可動接触子15の接触子ホルダ16との間をインターロックするように支軸23aを揺動支点としたレバー式のアクチュエータ23を備えており、このアクチュエータ23の先端が接触子ホルダ16に対峙している。
    ここで、図3(a) は可動接触子15の接点15aが固定接触子14の接点14aに接触している主接点1(図1参照)の閉極状態を表している。 この状態では、前記アクチュエータ23は接触子ホルダ16から離間していて、補助スイッチ22の各マイクロスイッチはONとなって図1に示した漏電検出回路7の電源回路を導通状態に保っている。
    【0024】
    この状態から、耐電圧試験の実施に際して主接点を開極するために、操作ハンドル4をONからOFFの位置に移動すると、図7で説明したように開閉機構部3のトグルリンク機構が反転動作して可動接触子15が開極するとともに、この動作に連動して接触子ホルダ16の後端がアクチュエータ23を押す。 これにより、アクチュエータ23は反時計方向に回動して補助スイッチ22から離脱し、これに応動して補助スイッチの各マイクロスイッチがOFFとなる。 つまり、図1における耐電圧テスト用スイッチ21が開いて、漏電検出回路7と主回路1との間の電源回路が断路される。 したがって、この状態で耐電圧試験を行なえば、漏電検出回路7を試験電圧から保護できる。
    【0025】
    なお、試験の終了後に操作ハンドル4を図3(a) のON位置に戻して主接点を閉極すると、接触子ホルダ16が反時計方向に回動してアクチュエータ23から離脱し、これにより補助スイッチ23は自動的にONに切り換わって漏電検出回路7が主回路1から給電を受ける定常状態に復帰する。
    この実施例によれば、耐電圧テスト用スイッチ21として付属スイッチ22を用いたので、漏電遮断器を大幅に変更するこしとなしに簡単な構成で実施することができる。 なお、図2の構成では補助スイッチ22を本体ケース11の付属品収納部に収納するようにしているが、補助スイッチの設置場所は図示例に限定されるものではなく、トリップクロスバーの近傍であれば、本体ケースの外部側に設置するようにしてもよい。
    【0026】
    〔実施例2〕
    次に、本発明の他の実施例の構成,動作を図4〜図7で説明する。
    この実施例は、図1における耐電圧テスト用スイッチ21について、その機能をさらに発展させたものである。 すなわち、この実施例では耐電圧テスト用スイッチ21を手動操作式スイッチとした上で、このスイッチを後記のように開閉機構3のトリップクロスバーに連係させる。 そして、耐電圧試験の際に耐電圧テスト用スイッチ21を手動でOFF操作し、主回路1と漏電検出回路7との間に配線した電源線9の給電回路を断路すると、これに連動して開閉機構部3がトリップして主接点1が開極し、これで耐電圧試験の準備が整う。 また、耐電圧試験の終了後に漏電遮断器を通常の使用状態に戻す場合には、耐電圧テスト用スイッチ21をON位置に復帰操作するか、あるいは操作ハンドル4をRESET位置に移動操作しない限り、ラッチ機構をリセットできないようにして主接点の投入を阻止し、耐電圧テスト用スイッチ21の入れ忘れを防ぐようにしている。
    【0027】
    このために、図4で示すように、前記した手動操作式の耐電圧テスト用スイッチ21が操作ハンドル4の側方に並べて開閉機構のトリップクロスバー20の上方位置に装着されている。 また、本体ケースの上部カバー11bには、耐電圧テスト用スイッチ21を外部からON,OFF操作できるようにするために、スライド式の小カバー11b-1を備えている。
    次に、耐電圧テスト用スイッチ21の具体的な組立構造を図5(a),(b) に示す。 すなわち、耐電圧テスト用スイッチ21は、その接点数に対応した数のスライドスイッチ24と、このスライドスイッチ24を左右に並べて収容する皿形のスイッチケース25と、該スイッチケース25の上に被せてスライドスイッチ24の操作ノブ24aに係合し、各スライドスイッチ24を一括してON,OFF操作するスライド式のスイッチカバー26との組立体からなり、かつスイッチカバー26には下方に延在する脚片状のアクチュエータ26aが一体形成されている。 なお、図示例では3相の漏電遮断器用として2個のスライドスイッチ24を備えているが、単相漏電遮断器ではスライドスイッチ24を1個とする。
    【0028】
    そして、この耐電圧テスト用スイッチ21を図4で示す位置に組付けると、この位置で前記のアクチュエータ26aの先端が開閉機構のトリップクロスバー20に対峙し、図6(a),(b) で示すようにアクチュエータ26aとトリップクロスバー20との間がインターロックされる。
    図6(a) は図5に示した耐電圧テスト用スイッチ21について、そのスイッチカバー26を右方向にスライド操作してスライドスイッチ24をON位置に保持し、かつ操作ハンドル4をON位置にセットして可動接触子15を閉極した定常の主回路通電状態を表しており、図1における耐電圧テスト用スイッチ21の接点が閉じて主回路1から電源線9を介して漏電検出回路7に給電している状態に対応している。 また、この状態では、図6(a) のようにトリップクロスバー20はアクチュエータ26aの拘束を受けずに開閉機構3のラッチ18を係止保持している。
    【0029】
    この状態から、耐電圧試験を行なうには、外部からの操作で耐電圧テスト用スイッチ21のスイッチカバー26をOFF位置にスライドする。 これにより、スライドスイッチ24の接点がOFFとなって図1に示した漏電検出回路7の電源回路を断路して主回路1から切り離すと同時に、図6(b) で表すようにスイッチカバー26に設けたアクチュエータ26aがトリップクロスバー20を背後から押し、その支軸20aの回りで反時計方向に回動させる。 これにより、いままでトリップクロスバー20に係止保持されていたラッチ18が釈放されて開閉機構部3がトリップ動作し、可動接触子15が開極して主接点2がOFFとなる。 そして、この状態で耐電圧試験を行なえば、漏電検出回路7が主回路1から切り離されていて主回路1の相間に印加する高い試験電圧から安全に保護できる。
    【0030】
    また、耐電圧テスト用スイッチ21をOFF位置にスライド操作した図6(b) の状態では、該スイッチのアクチュエータ26aに押されたトリップクロスバー20がラッチ18の釈放位置に保持されている。 したがって、耐電圧試験の終了後は、耐電圧テスト用スイッチ21を元のON位置に戻さない限りは、操作ハンドル4をトリップ位置からRESET位置に移動操作してもラッチ機構部がリセットされないので、主接点1を再投入することができない。 これにより、耐電圧テスト用スイッチ21の入れ忘れが原因で漏電遮断器の地絡検出,漏電保護機能が働かなくなるといった事態を未然に防止できる。
    【0031】
    なお、開閉機構部3のトリップクロスバー20は比較的弱い復帰ばね(図示せず)のばね力でラッチ18との係合位置(リセット位置)に向けて時計方向に付勢されている。 そこで、図4に示したスライドスイッチ24のON,OFF位置における機械的な保持力をトリップクロスバー20の復帰ばね力よりも強くしておくように設定しておけば、耐電圧テスト用スイッチ21を図6(b) のようにOFF位置にスライド操作した状態では、トリップクロスバー20が復帰ばねに抗してラッチ釈放位置に保持される。 したがって、耐電圧試験の終了後に、耐電圧テスト用スイッチ21をOFFからON位置に戻さない限りはトリップクロスバー20が復帰しないので、操作ハンドル4をTRIP位置からりリセット操作してもラッチ18がリセットされることがなく、これにより主回路接点を投入することができない。 これにより、耐電圧試験の終了後に漏電遮断器を通電状態に戻す際に、耐電圧テスト用スイッチ21の戻し忘れミスを防止できる。
    【0032】
    また、前記実施例のように耐電圧テスト用スイッチ21のON,OFF保持力をトリップクロスバー20の復帰ばね力よりも強く設定する以外に、次記のようなインターロック機構で実施することもできる。 すなわち、耐電圧テスト用スイッチ21をOFF位置に移動操作すると、該スイッチをこのOFF位置に拘束保持し、耐電圧試験の終了後に操作ハンドル4をTRIP位置からRESET位置に移動操作すると、これに連動してトリップクロスバー20をリセット位置に戻すと同時に、トリップクロスバー20の復帰ばね力で耐電圧テスト用スイッチ21をON位置に復帰させるようにインターロックしておけば、前記実施例と同様に耐電圧試験の終了後に漏電遮断器を通電状態に戻す際に、耐電圧テスト用スイッチ21の入れ忘れミスを防止できる。
    【0033】
    なお、図示実施例では、耐電圧テスト用スイッチ21にスライドスイッチ24を採用しているが、これに限定されるものではなく、例えばトグルスイッチを採用して実施することもできる。
    【0034】
    【発明の効果】
    以上述べたように、本発明によれば漏電遮断器の製品について耐電圧試験を行なう際には、従来のように遮断器の本体ケースを開いて漏電検出回路の電源線を主回路から切り離すといった面倒な準備作業が必要なく手動操作式の耐電圧テスト用スイッチをOFFするだけで、漏電検出回路を主回路から切り離して安全に耐電圧試験を実施することができる。
    【0035】
    これにより、メーカーから出荷した漏電遮断器の製品について、現在諸外国で行われているようにユーザーサイドで耐電圧試験を実施する場合でも簡単操作で試験を安全に行なうことができる。 しかも、耐電圧試験の終了後に漏電遮断器を通常の使用状態に戻す場合に手動操作式の耐電圧テスト用スイッチをOFFからONに復帰操作する,あるいは操作ハンドルをリセット操作ない限りは主接点を投入できない。
    【0036】
    これにより、耐電圧試験後に漏電遮断器を通常の使用状態に戻す場合に、耐電圧テスト用スイッチの入れ忘れミスが原因で、主回路の通電状態で漏電遮断器の地絡検出,漏電保護が機能しなくなるといった異常な事態を未然に防ぐことができる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明の実施例による漏電遮断器の回路図【図2】図1における耐電圧テスト用スイッチとして補助スイッチを採用した本発明の実施例1に対応する漏電遮断器の内部を表す構成斜視図【図3】図2における補助スイッチの動作説明図で、(a),(b) はそれぞれ主接点のON,およびOFFに対応した動作状態を表す図【図4】図1における耐電圧テスト用スイッチとして手動操作式スイッチを採用した本発明の実施例2に対応する漏電遮断器の構成斜視図【図5】図4における耐電圧テスト用スイッチの組立構造図で、(a) は組立状態の斜視図、(b) は(a) の分解斜視図【図6】図5の耐電圧テスト用スイッチと遮断器本体の開閉機構部との連係構造,および開閉動作の説明図で、(a),(b) はそれぞれ耐電圧テスト用スイッチのON,OFFに対応した動作状態を表す図【図7】本発明の実施対象となる漏電遮断器の従来回路図【図8】図7に対応する漏電遮断器の構成断面図【符号の説明】
    1 主回路2 主接点3 開閉機構部4 操作ハンドル5 過電流引外し装置6 零相変流器7 漏電検出回路8 漏電引外し用のトリップコイルユニット9 電源線11 本体ケース11a 下部ケース11b 上部カバー14 固定接触子15 可動接触子16 接触子ホルダ18 開閉機構のラッチ20 トリップクロスバー21 耐電圧テスト用スイッチ22 補助スイッチ(漏電遮断器の付属品)
    24 スライドスイッチ26 スイッチカバー26a アクチュエータ

    QQ群二维码
    意见反馈