Thermally-actuated short-circuit switch for short-circuiting battery cell

申请号 JP20444996 申请日 1996-08-02 公开(公告)号 JPH09167553A 公开(公告)日 1997-06-24
申请人 Agence Spatiale Europ; アジャンス・スパシアール・ユーローペエンヌ; 发明人 PIITAA FURECHIEBIRU GASUKOIN; JIEFURII JIYON DADORII;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a thermally-actuated short-circuit switch ensuring the highly reliable operation of a battery. SOLUTION: This switch has first contact elements 10, 20 and a second contact element 2 which are connected in parallel to a battery cell and provided independently from the electrode of a diode, and a thermally-actuating means for short-circuiting the first and second contact elements 10, 20, 2. The first and second contact elements 10, 20, 2 having mutually opposed movable contact 6 and fixed contact 3. The thermally actuating means is formed of a U-shaped metal wire 45 having a shape memory function, the end parts corresponding to the tips of both arms of the U-shaped are fixed to connecting terminal parts 41, 42, and the other end part 47 corresponding to the center part of the U-shaped is engaged with the semi-annular groove 39 of a rocking lever 30. The metal wire 45 generates heat by current-carrying, and contracts when it exceeds a transforming point to turn the rocking lever 30. Consequently, the movable contact 6 is pressed onto the fixed contact 3 by the engagement of a slot 34 with a protruding part 26.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 バッテリセルに並列に接続され、ダイオードの電極とは別個に設けられた第一接点要素および第二接点要素と、それら第一,第二接点要素を短絡させる熱作動手段とを備え、作動させられていない第一状態と、作動させられて前記第一接点要素と第二接点要素との間に短絡を発生させる第二状態とをとる熱作動短絡スイッチであって、 前記第一接点要素と前記第二接点要素とが互いに向かい合う第一部分および第二部分(6,59,118;3,
    75,107)を備え、前記熱作動手段(45,54,
    120)が当該スイッチの第一状態において少なくとも前記第一接点要素に機械的に連携させられていることを特徴とする熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項2】 前記熱作動手段が、前記第一接点要素(10,20)を保持する保持要素(30)と、形状記憶機能を有する形状記憶金属要素(45)とを含み、保持要素(30)が、形状記憶金属要素(45)の作動により、当該スイッチの第一状態に対応する第一位置と、
    当該スイッチの第二状態に対応する第二位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項3】 前記第一接点要素が、固定の第一端(8,18)と移動する第二端(6,26)とを備えた可撓性接点要素(10,20)を含み、前記形状記憶金属要素(45)が、長手形状を有し、固定の第一端(4
    1,42)と、第二端(47)とを備え、その第二端が、少なくとも当該スイッチの第一状態において前記第二端(6,26)を保持する揺動部分(34)を有する揺動体(30)に係合させられたことを特徴とする請求項2に記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項4】 前記形状記憶金属要素(45)が前記揺動体(30)に巻き掛けられたU字形ワイヤ(44,4
    7)であることを特徴とする請求項3に記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項5】 前記第一接点要素の前記第二端(26)
    が前記揺動体(30)の揺動部分(34)に係合させられたこと特徴とする請求項3または4に記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項6】 前記揺動体(30)が、当該スイッチの第二状態において、前記第一および第二接点要素(6,
    3)を接触させる向きに付勢するスプリング(36)を備えたことを特徴とする請求項5に記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項7】 前記第一接点要素(50)が、シリンダ部(52)と、そのシリンダ部(52)の内壁面に接触する変形可能導電性材料(59)とを含み、その変形可能導電性材料(59)が、前記第一接点要素の前記第一部分を構成し、前記シリンダ部が、前記第二接点要素(73)から隔たった位置において、前記熱作動手段を構成する熱膨張物質(54)で満たされた部分を含み、
    その熱膨張物質(54)の熱の作用に基づく膨張が前記変形可能導電性材料(59)を変形させることにより、
    当該スイッチを、前記第一接点要素(50,59)と前記第二接点要素(73)とが接触する前記第二状態とすることを特徴とする請求項1に記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項8】 前記熱膨張物質(54)と前記変形可能導電性材料(59)との間に設けられたガスケット(5
    5)を含むことを特徴とする請求項7に記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項9】 前記変形可能導電性材料(59)がインジウムから成ることを特徴とする請求項7または8に記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項10】 前記熱膨張物質がワックスであることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1つに記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項11】 前記シリンダ部(52)が導電性材料から成ることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1つに記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項12】 前記第二接点要素が前記変形可能導電性材料(59)に向かって長手方向に延びる突出部(7
    3)を含み、前記第一接点要素が、前記突出部の周囲を隙間を隔てて囲むシリンダ部(62)を有する要素(6
    0)を含み、前記変形可能導電性材料(59)が前記シリンダ部(62)内に押し出されることにより前記第二状態の短絡が発生させられることを特徴とする請求項7
    ないし11のいずれか1つに記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項13】 前記シリンダ部(62)の、前記変形可能導電性材料(59)に対向する端部に、変形可能導電性材料(59)側ほど大径であり、変形可能導電性材料(59)の押出しを容易にするフレア部(63)が形成されたことを特徴とする請求項12に記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項14】 前記第一接点要素が、前記熱作動手段を構成する金属材料(120)を収容したハウジング(117)を含み、前記第一および第二接点要素の前記第一および第二部分(115;104)がキャビティにより隔てられており、そのキャビティの高さが、前記第一接点要素(115)に収容された前記金属材料によりそのキャビティ内に形成され得る液体ドームの高さより低いことを特徴とする請求項1に記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項15】 前記ハウジングが、環状リング(11
    7)と、その環状リング(117)内に形成された平らな前面(118)とを含み、そのハウジングが第二接点要素(104)に対向していることを特徴とする請求項14に記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 【請求項16】 前記ハウジング(117)の少なくとも表面が、前記金属材料(120)が液状である状態において、その金属材料によって濡らされない材料(11
    6)から成っていることを特徴とする請求項14または15に記載の熱作動短絡スイッチ。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、バッテリセルに並列に接続され、ダイオードの電極とは別個に設けられた第一接点要素および第二接点要素と、それら第一,第二接点要素を短絡させる熱作動手段とを備え、作動させられていない第一状態と、作動させられて前記第一接点要素と第二接点要素との間に短絡を発生させる第二状態とをとる熱作動短絡スイッチに関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】従来においても、熱作動短絡スイッチをバッテリセルと並列に接続することは種々行われていた。 例えば、バッテリセルの故障により回路が開状態になると、その作動しないセルに直列に接続された他のバッテリセルの電流が流れ続けることを、バイパスダイオードにより可能とすることが一般的に行われていた。 上記ダイオードに電流が流れることによりダイオードの温度が上昇する。 第一のタイプのスイッチは、この温度上昇を利用してダイオードのアノードとカソードとの間に直接短絡を発生させるものである。

    【0003】例えば、欧州特許EP−0,173,69
    0号(ヒューズ エアクラフト カンパニ,Hughes Air
    craft Company )は、半田成形物をウィック効果により作動させ、バイパスダイオードの電極を短絡させるか、
    あるいは、ダイオードに押圧された電極を機械的に変形させて、ダイオードの周囲の他の電極と短絡させるかの方法を提案している。 また、米国特許US−3,21
    3,345号(マロリー,Mallory )は、短絡位置においてダイオードのパッケージの外縁に向かって弾性的に付勢され、ダイオードを流れる大電流によって溶融させられる半田によってダイオードに半田付けされ、所望の短絡を発生させる電極を備えたバイパスダイオードを提案している。 最後に、独国特許DE−1,613,96
    8号(ブラウン ボフェリ,BrownBoveri)は、2つのアンチパラレルダイオードを含む装置を提案している。
    この装置は、バイパス電流によって合金が溶融させられることにより短絡が発生させられるものであるが、その短絡は、ダイオードの底部のキャビティにおいて発生し、周囲に短絡を発生させる。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各従来例には、ダイオードの電極の特定の形状に依存するという欠点があった。 つまり、欧州特許EP−0,17
    3,690号においては、ダイオードの外側を構成するリング上で短絡が行われるが、このことは、信頼性が高く、抵抗が低く、正規電流が大きい接点を得ることが困難であることを意味する。 米国特許US−3,213,
    345号は非常に小さな接点を提供するに過ぎない。 ダイオードに半田付けされた弾性を有する電極は、非常に大きなサイズにはなり得ないからである。 最後に、独国特許DE−1,613,968号において提案された解決手段は、ダイオードの周囲をシールすることを可能にするために、形状、特にダイオードの形状に密接に依存する。 また、溶融した合金の流れが重力により生じるため、ダイオードが鉛直姿勢に保たれなければならないことも暗示している。 この解決手段は、特に、人工衛星上での使用には適さない。

    【0005】欧州特許出願EP−0,226,360号(パワープレックス テクノロジーズ,Powerplex Tech
    nologies)には、上述の第一のタイプと同様のスイッチであって、ツェナーダイオードをバッテリセルと並列に配置して使用するものが記載されている。 バッテリセルが故障した場合には、ダイオードのパッケージが破壊されることがない限り、バッテリの電流はツェナーダイオードを溶解させてそこを通って流れる。 この短絡は、十分に理解されていないメカニズムを使用して行われるため、実際上、接触抵抗値の制御、特にそれの再現性の制御が困難である。 以上のことから、バイパスダイオードの電極間に直接短絡を発生させることにより、第一のタイプの短絡スイッチを構成することは、一見魅力的であるが、実行する上で非常にシビアな欠点および/あるいは制限に遭遇することになる。

    【0006】第二のタイプのスイッチはバッテリセルに直接短絡を生じさせるものである。 PCT出願WO 8
    8/00400号(ヒューズ エアクラフト カンパニ,Hughes Aircraft Company )は、セルの電解液に溶解する電極の使用を提案している。 この解決手段は、所望の短絡が電極にニッケルがデポジットされることによって生じさせられるために、実施が困難である。 その上、短絡による接触抵抗と大電流の許容可能性とが保証されない。

    【0007】第三のタイプのスイッチは、バイパスダイオードの接点を直接短絡させることなく短絡回路を形成するものである。 このスイッチは、オプションとしてバイパスダイオードの電極に接続することも可能であり、
    多数の先行文献に記載されている。 米国特許US−5,
    025,119号(ヒューズ エアクラフト,Hughes A
    ircraft )には、電磁コイルに制御されて自身で半田付け可能な(self-solderable )弾性ブレード接点を備えた短絡スイッチが記載されている。 このことは、センサによりバッテリセルの非作動が検出され、電磁コイルが作動させられることを暗示している。 すなわち、この装置の作動は外部の回路の信頼性に依存しており、人工衛星に搭載されるシステムに使用する場合、非常に長い期間(例えば、5年以上、可能ならば15年間)作動する必要があるため、品質の点で問題がある。

    【0008】欧州特許出願EP−0,372,823号(ヒューズ エアクラフト,HughesAircraft )には、
    バッテリセルのバイパスダイオードと並列に接続され、
    サーマルスイッチにより制御される短絡装置が記載されている。 このサーマルスイッチは、それ自身が、故障したセルに直列に接続されている他のバッテリセルの電流の全てを流し得るメイン接点を作動させるために、リレーを使用する。 上述の場合と同様、採用可能か否かが幾つかの電子部品の信頼性に依存している。 米国特許US
    −4,061,955号(NASA)には、リレーと接続された破損検出半導体装置を含む短絡回路が記載されている。 上述のように、この技術は、破損を検出する電子回路を備えることに伴う信頼性の問題を有している。

    【0009】最後に、米国特許US−4,252,86
    9号(ダウ ケミカル,Dow Chemical)には、2つの電極、つまり、中央の電極とその周辺に同心に配設された電極とを短絡させる装置が記載されている。 バッテリセルが作動しなくなり、電流の通過により熱が発生すると、導電性液を内包するアンプルが破壊されて、導電性液が上記2つの電極間に短絡を生じさせる。 この装置は重力下でのみ作動可能であり、人工衛星上の無重力状態においては使用できない。

    【0010】

    【課題を解決するための手段,作用および発明の効果】
    本発明によれば、バッテリセルに並列に接続されるべく構成され、ダイオードの電極とは別個に設けられた第一接点要素と第二接点要素とを備える上記第三のタイプの新規な熱作動短絡スイッチが得られる。 付属の電子部品,電子回路を含まず、信頼性の高い作動を行うことができ、小さい抵抗値で大電流を流すことができる短絡接点を実現することができるのであり、本発明の熱作動短絡スイッチは人工衛星での使用にも適している。 第一に、無重力状態で作動可能であり、第二に、宇宙飛行計画に対応する長い期間、例えば5〜15年間、信頼性の高い作動を保証することができるからである。

    【0011】そのために、本発明に係る短絡スイッチにおいては、第一接点要素と第二接点要素とが互いに向かい合う第一部分と第二部分とを備え、熱作動手段がスイッチの第一状態において少なくとも第一接点要素に機械的に連携させられる。 このように第一接点要素と第二接点要素とが互いに向かい合うように配置されることにより、良好な接触領域を得ることができ、高性能の接点を実現することができる。 熱作動手段が機械的に第一接点要素に連携させられることにより、付属のエレクトロニクスとは独立の熱作動手段を加熱することによって所望の短絡を生じさせることができる。 本発明に係る装置は、単純な機械的および/または物理的現象を利用するものなのであり、長期間の宇宙飛行計画においても高い信頼性を保証することができる。

    【0012】本発明の一態様においては、上記熱作動手段が、第一接点要素を保持する保持要素と、形状記憶機能を有する形状記憶金属要素とを含むものとされ、保持要素が、形状記憶金属要素の作動により当該スイッチの第一状態に対応する第一位置と当該スイッチの第二状態に対応する第二位置との間を移動可能とされる。 望ましい形態においては、第一接点要素が固定の第一端と移動する第二端とを有する可撓性接点要素とされる。 そして、形状記憶金属要素が、長手形状を有し、固定の第一端と、第二端とを備えたものとされ、その第二端が、少なくとも当該スイッチの第一状態において上記第二端を保持する揺動部分を有する揺動体に係合させられる。 上記形状記憶金属要素は揺動体に巻き掛けられたU字形ワイヤとされることが望ましい。 この場合には、第一の固定端においてワイヤの両端にアクセス可能となるため、
    加熱が容易になる。 第一接点要素の第二端が揺動体の揺動部分に係合させられることが望ましい。 望ましい形態においては、この揺動体が、スイッチの第二状態において、第一および第二接点要素を接触させる向きに付勢するスプリングを備えたものとされる。

    【0013】本発明の別の態様においては、第一接点要素が、シリンダ部と、そのシリンダ部の内壁面に接触する変形可能導電性材料とを含み、その変形可能導電性材料が、第一接点要素の第一部分を構成し、シリンダ部が、第二接点要素から隔たった位置において、前記熱作動手段を構成する熱膨張物質で満たされた部分を含み、
    その熱膨張物質の熱の作用に基づく膨張が上記変形可能導電性材料を変形させることにより、スイッチを、第一接点要素と第二接点要素とが接触する第二状態とする。
    変形可能導電性材料は、例えばインジウムにより形成される。 熱膨張物質はワックスとされることが望ましい。
    また、熱膨張物質と変形可能導電性材料との間にガスケットが設けられることが望ましい。 シリンダ部を導電性材料で形成することも可能である。 第二接点要素が変形可能導電性材料に向かって長手方向に延びる突出部を含み、第一接点要素が、突出部の周囲を隙間を隔てて囲むシリンダ部を有する要素を含み、変形可能導電性材料がシリンダ部内に押し出されることにより前記第二状態の短絡が発生させられるようにすることができる。 変形可能導電性材料に対向するシリンダ部の端部に、変形可能導電性材料側ほど大径であり、変形可能導電性材料の押出しを容易にするフレア部を形成することが望ましい。

    【0014】本発明のさらに別の態様においては、第一接点要素が、前記熱作動手段を構成する金属材料を収容したハウジングを含み、第一および第二接点要素の第一および第二部分がキャビティにより隔てられており、そのキャビティの高さが、第一接点要素に収容された金属材料によりそのキャビティ内に形成され得る液体ドームの高さより低くされる。 これにより、第一接点要素に収容された金属材料が第二接点要素と毛管現象により接続され、良好な抵抗値での短絡が発生させられる。 ハウジングを、環状リングと、その環状リング内に形成された平らな前面とを含むものとし、そのハウジングを第二接点要素に対向させることが望ましい。 本態様の望ましい実施形態においては、ハウジングの少なくとも表面が、
    金属材料が液状である状態において、その金属材料によって濡らされない材料で形成される。

    【0015】

    【発明の実施の形態】本発明の他の特徴や利点は、添付の図面を参照した以下の説明により一層明瞭になるであろう。 人工衛星等の宇宙ビークルにおいては現在、ニッケルカドミウムバッテリに代えてニッケル素バッテリが使用されている。 ニッケル水素バッテリは、寿命がより長く、エネルギ密度がより大きい(約200kJ/kg
    )。 バッテリ1つ当たりの1個のセルの公称電圧は1.24Vであり、このことは、宇宙ビークル1機を駆動するのに必要な公称電圧28Vを得るために、20〜
    30個のセルが直列に接続されることを意味する。 各セル内には40バール程度の圧力で水素が封入されている。 この水素の漏れがセルの故障の最も大きな原因であり、結果としてセルの回路が開状態になる。 したがって、1個のみあるいは複数個のセルが作動しなくなった場合に全バッテリが作動しなくなることを回避するために、各セルに短絡スイッチを設けることが一般に行われている。

    【0016】短絡スイッチは、非常に僅かなエネルギ浪費で大電流を流すことができなければならない。 つまり、非常に小さな接触抵抗が保証されなければならない。 さらに、全作動期間中、例えば5年間から15年間、開状態を維持する能力があり、また、同様に5年間から15年間の全作動期間中閉状態を維持する能力もなければならない。 つまり、信頼性,容積および大電流が流れる際の熱浪費が重要なファクタとなるのである。

    【0017】上述のように、短絡スイッチが作動させられる必要がないか、あるいはいかなる方法による検査も行われない長期間内での信頼性の問題によって、補助回路の使用が排斥される。 補助回路自体が予期せぬ故障に見舞われる可能性があるからである。 本発明が、宇宙ビークルが遭遇する無重力状態あるいは適当である場合には非常に小さい重力下においてもそれらの状態に左右されない、機械的および/または物理的に単純な現象を利用する短絡スイッチを追求する理由はここにある。

    【0018】一般的な人工衛星の構成の一例を以下に挙げる。 1)2個のニッケル水素バッテリが搭載される静止通信衛星。 したがって、一方のバッテリが一時的に非接続状態になることが許容される。 2)ニッケル水素バッテリが1個のみ搭載される静止通信衛星。 この場合、非常に短い間だけ断状態となることのみが許容される。 3)1回の周回時間が90分である低軌道地上監視衛星。 周回毎に35分間食軌道上にあり、4個のニッケル水素バッテリが搭載される。 バッテリは食軌道上にある間(35分間)電力を供給し、それ以外の軌道上にある間(55分間)再充電される。 このシステムの軌道上での寿命は、低軌道上においては5年、静止軌道上では15年である。 上記各寿命はそれぞれ、41,000と5,500との充放電サイクルに対応する。

    【0019】バッテリは太陽電池のパネルにより充電される。 太陽電池は、一定数のセルが直列に接続されたもので、それらの特性曲線の定電流域で作動させられる。
    太陽電池パネルのエネルギが高い時にはバッテリ充電レギュレータがそのパネルの使用を可能にし、それによってバッテリの再充電が可能となる。 例えば静止衛星の場合、150Ahの容量のバッテリが使用され、12.4
    Aの電流で10時間充電され、94Aの公称電流で72
    分間の放電が行われる。 また、低軌道衛星の場合、容量75Ahのバッテリの使用が可能であり、35Aの充電電流で60分間充電され、50Aの公称電流で30分間の放電が行われる。

    【0020】バッテリセルをバイパスするために通常採用される手段は、セルに並列にかつ正方向をバッテリの充電方向として接続された3個の直列接続ダイオードおよび/またはセルに並列にかつ正方向を放電方向として接続された1個のダイオードを使用するものである。 本明細書の前文に記載された従来装置は、セルが故障した場合、上記ダイオード回路の使用により電流が維持される応答時間の経過後、セルの周囲に本物の短絡を生じさせるものである。

    【0021】本発明によれば、直線的な移動により真正面の直接接触が行われる幾何学的な配置によって低抵抗接点を実現することができ、接触抵抗が小さくなって、
    少ない熱浪費で大きな電流の流れを可能にする短絡スイッチが得られる。 さらに、本発明においては、熱作動手段が接点要素の1つに機械的に連携させられ、電子トリガーシステムのように外部の要素を必要とするトリガーシステムをなくすことができる。

    【0022】図1は本発明の一実施形態を示すものであり、メタルワイヤ45は形状記憶機能を有している。 形状記憶機能を有する金属は、温度が設定温度を超えて上昇した場合に状態を変えるのに適している。 この金属は、最終状態では初期状態におけるより寸法が小さくなるのであるが、特にメタルワイヤの場合には直線的に収縮することになる。

    【0023】図1に示す装置において、基板1には支持板2,5がねじ4,7によりそれぞれ固定されている。
    支持板2は半球状の固定接点3を備え、支持板5は、本実施形態においては、支持板2と同様に半球状の接点部分(可動接点)6を有する可動ブレード10を保持している。 可動接点6は接点部分(固定接点)3に対向する位置に設けられている。 さらに具体的には、可動接点要素は、重ね合わされた2つの弾性ブレード10,20を備えており、弾性ブレード10,20の各端部8,18
    が支持板5の突出部に固定されている。 また、各ブレード10,20には、U字形に曲げられたU字形部9,1
    9がそれぞれ形成されている。 接点部分(可動接点)6
    と支持板5に設けられた接続端子部とは銅ストリップ2
    5により電気的に接続されている。 銅ストリップ25
    は、例えば0.1mm幅の12枚の銅ストリップから成り、接点部分(可動接点)6と接続端子部との間に可撓性を有する電流路を形成する。 U字形部9,19により、銅ストリップ25に張力を及ぼすことなくブレード10,20を移動させることができる。

    【0024】支持板40は長手形状を成し、本実施形態においては、可撓ブレード(弾性ブレード)10,20
    の近くにおいて可撓ブレード(弾性ブレード)10,2
    0に平行に延びている。 支持板40には、その後端部4
    3に2つの接続端子部41,42が設けられ、メタルワイヤ45を加熱するために電流が供給される。 メタルワイヤ45は、側面形状がほぼU字形を成し、Uの字の両腕部44が互いに平行に延びる状態で絶縁材料製のガイド46により案内されている。 Uの字の中央部47は揺動レバー30の腕部の一端部32に係合させられている。 揺動レバー30は基板1の平面に直に設けられた支持軸31の軸線まわりに回動可能である。 揺動レバー30はほぼL字形を成す平板状の部材であり、その一方のアームの端部32に形成された半環状溝38に、メタルワイヤ45のU字形の中央部47が係合させられている。 メタルワイヤ45の反対側の端部は、例えば、ねじによって接続端子部41,42に固定されている。 揺動レバー30の他方のアーム33の先端部には切欠35が形成され、スロット34を経てアーム33の先端に向かって開口している。 スロット34は、可動ブレード(弾性ブレード)10,20の可動端に設けられた突出部2
    6を保持している。 突出部26は、本実施形態においては可動ブレード(弾性ブレード)20に固定である。 基板1にはさらに、ねじ38´により支持板37が固定されており、揺動レバー30の支持軸31まわりの回動に対するストッパとして機能する。

    【0025】本装置は、2つの安定した状態をとる。 接続端子部41,42に電圧あるいは電流が供給されることによって形状記憶ワイヤ(メタルワイヤ)45が加熱されない限り、本装置は図1に示す状態に維持される。
    バッテリセルが故障した場合には、バイパス電流が形状記憶ワイヤ(メタルワイヤ)45に流れる。 例えば、ワイヤ45がバッテリセルの放電方向を正方向とするバイパスダイオードに直列に接続されていれば、セルが故障した場合にワイヤ45が加熱され、変態点を超えるとワイヤ45が収縮し、揺動レバー30が反時計回りに回動させられて、第二状態に切り換えられる。 ブレード1
    0,20により構成される可動接点要素が、揺動レバー30の腕部33のスロット34に係合している突出部2
    6において駆動されることにより、矢印Fの方向に移動させられる。 さらに、一端が突出部26に受けられているスプリング36により発生させられる力が、可動ブレード(弾性ブレード)10,20を固定接点3に向かって矢印Fの向きに押し、その結果、可動接点6が固定接点3に押し付けられる。 それに対して、図1に示す位置関係においては、スプリング36の弾性力は、ほぼ可動ブレード(弾性ブレード)10,20の長手方向に作用する。

    【0026】図1に示す第一状態において、スプリング36は、可動ブレード10の突出部26を例えば2Nの力で押しているため、ブレード10が振動あるいは加速によって図示の第一位置から移動させられることはない。 本装置の作動時には、揺動レバー30が第一位置から第二位置へ回動させられる。 揺動レバー30がそれの死点である平衡位置を通過すると直ちに、スプリング3
    6が、揺動レバー30,ブレード10等の組立体を、接点6,3を閉じさせる作動位置に向かって付勢する状態となる。

    【0027】図2に本発明の別の実施形態を示す。 本短絡スイッチは、導電性材料から成る第一スリーブ50を備え、その第一スリーブ50の後端部には有底接続孔4
    9を有する円柱部51が形成されている。 また、先端部には円筒部52が形成されている。 円筒部52には、ワックスプラグ54、オプションで設けられる弾性ガスケット55、インジウム等の押出し可能な材料から成るプラグ59、接点部材60および絶縁スリーブ80等が設けられている。 接点部材60は外径が円筒部52の内径と実質的に等しくされており、かつ、シール部材61
    と、概して円筒状の中心孔62とを備えている。 絶縁スリーブ80は、円筒部52の後端部に嵌合され、面81
    において円筒部52に、面87において接点部材60にそれぞれ当接している。

    【0028】接点部材70の後端部は、有底接続孔79
    を有する円柱部71とされ、中央フランジ部72が面8
    4において絶縁スリーブ80に当接している。 接点部材70の先端部には、円柱状のフィンガ73が形成され、
    中心孔62に嵌入させられている。 フィンガ73は、円錐端75を先端に有する截頭円錐部74を備えている。
    熱膨張係数の大きいワックスプラグ54が加熱されることにより、押出し可能な材料(プラグ)59がフィンガ73の先端に向かって移動させられて、2つの接点が短絡させられる。 接点部材60の中心孔62は、フレア部63においてインジウムプラグ59側ほど大径のテーパ孔となっており、プラグ59の中心孔62への押出しの容易化が図られている。 さらに、フィンガ73の基端部の周囲に膨張キャビティ86が形成されて、インジウムプラグ59のさらなる膨張が許容されるようになっている。

    【0029】1個あるいは複数個のダイオードがバッテリセルをバイパスさせる際に発生する熱によってワックス54が加熱されて温度が上昇すれば、弾性ガスケット55が移動させられて、プラグ59のインジウムがフレア部63内に押し出される。 フレア部63は、フィンガ73の円錐端75と共に前短絡部を構成する。 ワックス54の膨張がさらに続けば、インジウム(プラグ)59
    はフィンガ73の基端に向かうにつれて徐々に狭められつつ中心孔62を通過し、最終的に膨張キャビティ86
    へ膨出する。 このような構成により、接触抵抗の低い広い接触部を得ることができるため、本発明において意図される程度の大電流を流すことが可能となる。

    【0030】上記ワックス54としては、D-45764 マール(MARL,ドイツ)所在のヒュルスアーゲー(HULS AG
    )によりWESTOWAX DW 91/846の品番で販売されている膨張ワックスを使用することが望ましい。 弾性ガスケット55は山形紋状を成し、2つの円錐面57,58もしくは截頭円錐面が形成され、円錐面58がフィンガ73
    に対向している。

    【0031】図3に本発明のさらに別の実施形態を示す。 2つの電極100,110がスリーブ90内で対向している。 電極100は接続端子部101を、電極11
    0は接続端子部111をそれぞれ備えている。 電極10
    0は、円柱部102と、環状溝103と、前円柱部10
    4とを備えている。 前円柱部104は絶縁ワッシャ10
    8に当接しており、絶縁ワッシャ108は電極100の前円柱部104と電極110の(前)円柱部115とを分離している。 円柱部115は、環状凹部117により囲まれた平らな前面118を備えている。 低融点合金体120は、例えばインジウムとすずとの共晶合金(共融合金)により形成され、環状空間(環状凹部)117内に配設されている。 低融点合金体120にはまた、前壁部121と前面130とが形成され、前壁部121が前面118を覆っている。 低融点合金体120の一部12
    2が環状空間(環状凹部)117内に配設され、低融点合金体120が溶融した場合に液状の低融点合金により濡らされない材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE polytetrafluoroethylene)から成るリング11
    6により覆われている。

    【0032】前円柱部104の前面107と合金120
    の前面130との間に形成される空間は、前面118から前面107までの高さが、前面118上において環状空間(環状凹部)117内に収容された低融点合金体1
    20により空間内に形成され得る液体ドームの高さより低くなるように決定されている。 したがって、低融点合金体120がそれの融点を超えて加熱され、溶融すると、毛管現象(capillary forces)によって形成される液体ドームが、前円柱部104と前部114との各端面の間、つまり、2つの接点間に高品質の短絡を発生させる。 本発明において意図される程度の低い抵抗で、大電流を流すことが可能な短絡を得ることができるのである。

    【0033】図2および図3に示す本発明の各実施形態は熱源を必要とする。 バッテリの放電時に故障が発生した場合には、一時的バイパスダイオードにより発生させられる熱を利用することが可能である。 バッテリの充電時に故障が発生しそうな場合、あるいは一時的バイパスダイオードがシステム中に組み込まれていない場合には、問題のバッテリセルと並列に存在する抵抗を使用することも可能である。 図2の実施形態においては、その抵抗をワックス54内に設けることも可能である。 以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、この他にも、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で本発明を実施することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の一実施形態である熱作動短絡スイッチを示す平面図である。

    【図2】本発明の別の実施形態である熱作動短絡スイッチを示す正面断面図である。

    【図3】本発明のさらに別の実施形態である熱作動短絡スイッチを一部断面にして示す正面図である。

    【符号の説明】

    3 固定接点 6 可動接点 8 端部 10,20 弾性ブレード 26 突出部 30 揺動レバー 34 スロット 36 スプリング 44 腕部 45 メタルワイヤ 50 第一スリーブ 52 円筒部 54 ワックスプラグ 55 弾性ガスケット 59 プラグ 60 接点部材 62 中心孔 63 フレア部 73 フィンガ 75 円錐端 104 前円柱部 107 前面 115 円柱部 116 リング 117 環状凹部 118 前面 120 低融点合金体

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェフリー・ジョン・ダドリー オランダ国 2159 エル・エヌ・デ・カー フ マレイケラーン(番地なし)

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