How to extend the adjustment range of the overload protection device, overload protection device, and its use

申请号 JP2008550701 申请日 2007-01-23 公开(公告)号 JP4705999B2 公开(公告)日 2011-06-22
申请人 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft; 发明人 アンドレアス クレツシュマー; ウォルフガング ファイル; フリッツ ポール;
摘要
权利要求
  • 予め決められた電流調整範囲が設けられた過負荷保護素子の調整範囲を拡張する方法であって、前記過負荷保護素子は、熱レリーズの電流枝路同士の並列接続のために、電流を流すのに使用される予め決められた電気抵抗値の要素及び付随するコンタクト手段を含む前記電流調整範囲内の動作電流に前記過負荷保護素子の動作電流を設定する手段を有し、この場合において 所定調整範囲を達成するために、
    前記予め決められた電流調整範囲を複数の調整範囲に分割し、
    特定の調整範囲を前記抵抗要素及び付随する前記コンタクト手段を用いて選択し、
    前記選択された調整範囲は低い方の電流設定値及び高い方の電流設定値により限定されるという特徴を有し、
    前記過負荷保護素子の電気的動作の間、前記調整範囲を予め設定することが可能であり、前記調整範囲の選択は、予め決められた抵抗を有する並列電流枝路をオン及びオフにスイッチングすることによるインピーダンス の整合による抵抗整合 によってなされるか、又は予め決められた抵抗を有する並列導電枝路における電力損失を熱レリーズ としてのバイメタル板に与えることによる電力整合 によってなされることを特徴とする方法。
  • 前記予め決められた電流調整範囲は第1調整範囲と第2調整範囲とに分けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 記第1調整範囲と前記第2調整範囲と は所定間隔離れていることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  • 前記第1調整範囲及び前記第2調整範囲は、前記第1調整範囲及び前記第2調整範囲が重なるように選択されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  • 前記第1調整範囲及び前記第2調整範囲は、前記第1調整範囲及び前記第2調整範囲が隣接するように選択されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  • 前記2つの調整範囲が連続する 所定調整範囲を形成することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1つに記載の方法。
  • 前記コンタクト手段は、前記第1調整範囲から前記第2調整範囲にスイッチングするために取り付けられていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1つに記載の方法。
  • 前記コンタクト手段は、前記第1調整範囲から前記第2調整範囲にスイッチングするためにスイッチングされることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1つに記載の方法。
  • 多極スイッチング素子において使用され、前記調整範囲は前記多極スイッチング素子において手動で予め選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 多極スイッチング素子において使用され、前記調整範囲は前記多極スイッチング素子に よって自動設定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記所定調整範囲内の動作電流に設定され、過負荷電流が流れる場合に電流 時間特性に従いトリップする熱リレーズ及びトリップ部材が前記所定調整範囲を設定するために使用されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  • 前記導電要素は、過負荷電流値以下ゼロ以上の電流を流し、
    前記導電要素は、少なくとも1つの第1電流枝路及び少なくとも1つの第2電流枝路を含み、
    前記コンタクト手段は、前記少なくとも1つの第1電流枝路を第2電流枝路に電気的に並列接続させ、
    並列接続された前記少なくとも1つの電流枝路は、前記過負荷電流値とゼロとの間の電流成分を流し、
    前記少なくとも2つの電流枝路における抵抗値を予め設定することにより、前記並列接続された少なくとも1つの電流枝路における電流成分は前記動作電流の好ましい比率に設定され、
    前記異なる大きさの動作電流は、前記熱機械式過負荷保護素子における前記少なくとも1つの電流枝路のスイッチオン状態及びスイッチオフ状態に関係し、前記関係する動作電流は前記熱レリーズにおいてほぼ同一の熱出力を生じるような大きさであり、
    前記調整範囲は、前記少なくとも1つの電流枝路をオンにスイッチングすることにより、低い方の電流範囲から、いかなる間隔も無く前記低い方の電流範囲に隣接する高い方の電流範囲にスイッチングされて、 所定調整範囲を生成し、
    前記 所定調整範囲は 複数の並列電流枝路をオンにスイッチングすることにより 加えられたさらなる電流範囲を有することによって 、高い電流の方へ拡張されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の方法。
  • 前記導電要素は、過負荷電流の値の電流を流すか、又は電流を流さず、
    前記導電要素は少なくとも1つの第1電流枝路及び少なくとも1つの第2電流枝路を含み、
    前記少なくとも2つの電流枝路の少なくとも1つの電流枝路が前記過負荷電流を流し、
    前記コンタクト手段は、前記少なくとも1つの第1電流枝路を前記第2電流枝路に電気的に直列接続させ、
    直列接続された前記少なくとも1つの電流枝路も前記過負荷電流を流し、
    前記過負荷電流を流す前記電流枝路の熱出力は前記熱リレーズに全て与えられ、
    前記熱レリーズにおける熱出力は、直列接続され得る前記少なくとも2つの電流枝路の抵抗値を予め設定することにより設定され、
    前記少なくとも1つの電流枝路におけるスイッチオン状態及びスイッチオフ状態に関係する前記熱機械式過負荷保護素子の前記異なる大きさの動作電流は、前記関係する動作電流が前記熱レリーズにおいてほぼ同一の加熱力を生じるような大きさであり、
    前記調整範囲は、前記少なくとも1つの電流枝路をオンにスイッチングすることにより、高い方の電流範囲から、いかなる間隔も無く前記高い方の電流範囲に隣接する低い方の電流範囲へスイッチングされ、 所定調整範囲を生成し、
    前記 所定調整範囲は 複数の並列電流枝路をオンにスイッチングすることにより 加えられたさらなる電流範囲を有することによって、低い電流の方へ拡張されることを特徴とする請求項1乃至11に記載の方法。
  • 1つの並列電流枝路をオン及びオフにスイッチングすることにより、前記 所定調整範囲は、前記並列電流枝路がオフにスイッチングされているときの低い方の電流限界値Iuから前記並列電流枝路がオンにスイッチングされているときの高い方の電流限界値IOまで広がり、前記高い方の電流限界値は前記低い方の電流限界値の1.3倍と3倍との間であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  • 拡張された 所定調整範囲は2つの並列電流枝路をオン及びオフにスイッチングすることにより得られ、 所定調整範囲の前記高い方の電流限界値は前記低い方の電流限界値の1.8倍と5倍との間であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  • 前記熱レリーズは前記過負荷保護素子を流れる少なくとも一部の電流の加熱効果により加熱されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  • 請求項1又は請求項2乃至16のいずれか1つに記載された方法を実行する熱機械式過負荷保護素子であって、前記熱機械式過負荷保護素子は、過負荷電流から保護するために所定調整範囲を備え、動作電流を前記所定調整範囲内に設定する導電要素、熱レリーズ、及びトリップ部材を含み、過負荷電流が流れる場合に、予め決められた電流 時間特性に従いトリップし、
    前記導電要素はスイッチング手段(12)、電気抵抗材料(10)、及び導電体(12)を含み、
    前記導電要素は少なくとも2つの電流枝路(1、2)に分散され、
    前記少なくとも2つの電流枝路(1、2)の少なくとも1つの電流枝路(1)は前記スイッチング手段(1、2)によりオン及びオフにスイッチングされ、
    前記スイッチング手段は前記少なくとも1つの電流枝路(1)を前記第2電流枝路(2)に電気的に並列接続し、
    前記過負荷保護素子がスイッチをオンにされて前記過負荷保護素子が動作中であるとき、前記所定調整範囲は抵抗(21、22、23)の並列接続のためのスイッチング素子をオンにスイッチングすることにより生成され、この場合、前記抵抗(21、22、23)から前記熱レリーズ(40)への電力の熱的な結合は無く、前記抵抗整合によってなされることを特徴とする熱機械式過負荷保護素子。
  • 請求項1又は請求項2乃至16のいずれか1つに記載された方法を行う熱機械式過負荷保護素子であって、前記熱機械式過負荷保護素子は、過負荷電流から保護するための所定調整範囲を備え、動作電流を所定調整範囲内に設定する導電要素、熱レリーズ、及びトリップ部材を含み、負荷電流が流れる場合に予め決められた電流 時間特性に従いトリップし、
    前記導電要素はスイッチング手段(12)、電気抵抗材料(10)、及び導電体(1、2)を含み、
    前記導電要素は少なくとも2つの電流枝路(1,2)に分散され、
    前記少なくとも2つの電流枝路(1、2)の少なくとも1つの電流枝路(1)は前記スイッチング手段(12)によりオン及びオフにスイッチングされ、
    前記スイッチング手段(12)は前記少なくとも1つの電流枝路(1)を前記第2電流枝路(2)に電気的に並列接続させ、
    前記過負荷保護素子がオン及びオフにスイッチングされるとき、前記所定調整範囲は抵抗器(41、43)の並列接続のためのスイッチング要素をオンにスイッチングすることにより生成され、前記抵抗器(41、43)から前記熱レリーズ(40)への電力の熱的な結合 により前記電力整合 がなされることを特徴とする熱機械式過負荷保護素子。
  • 単相構造により特徴付けられる請求項17に記載の過負荷保護素子。
  • 三相構造により特徴付けられる請求項17に記載の過負荷保護素子。
  • モジュール構造により特徴付けられる請求項16に記載の過負荷保護素子。
  • 前記 所定調整範囲は抵抗器(41、 43 )の並列接続により生成され、この場合、前記抵抗器(41、 43 )から前記熱的レリーズへ 前記電力 損失が熱によ って注入 されて、前記電力整合 がなされることを特徴とする請求項17に記載の過負荷保護素子。
  • 低インピーダンスのコンタクト手段が、バイメタル板(10)と前記並列枝路(2)における分流器(41、 43 )との熱的な結合のために選択され 、前記バイメタル板(10)と前記分流器(41、43)とが単相構造からなることを特徴とする請求項22に記載の過負荷保護素子。
  • 三相構造に拡張され得ることを特徴とする請求項23に記載の過負荷保護素子。
  • 前記熱レリーズ(40)は磁気的に瞬時に短絡する レリーズであり、当該レリーズの部分的なタッピングにより 前記所定調整範囲を生ぜしめることを特徴とする請求項17に記載の過負荷保護素子。
  • 前記所定調整範囲 毎のアンペアターン数 が一定であることを特徴とする請求項25に記載の過負荷保護素子。
  • 加熱巻線を含んでいないバイメタル板(10)を有する熱レリーズが設けられることを特徴とする請求項17に記載の過負荷保護素子。
  • 前記熱レリーズは、バイメタル板(10)及び少なくとも1つの熱的に結合された加熱巻線(12、21)を含むことを特徴とする請求項27に記載の過負荷保護素子。
  • 接続され得る前記電流枝路は、電気抵抗器(41、43)を有する並列電流枝路(2)であることを特徴とする請求項17乃至28のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 前記バイメタル板(10)を有する前記電流枝路(1)と前記並列電流枝路(2)とは共通のハウジングに収容されることを特徴とする請求項29に記載の過負荷保護素子。
  • 前記バイメタル板(10)を有する前記電流枝路(1)と前記並列電流枝路(2)とは別々のハウジングに収容されることを特徴とする請求項29に記載の過負荷保護素子。
  • 別々のハウジングを伴う前記並列電流枝路(2)は前記トリップ素子に接続され、前記並列電流枝路は前記バイメタル板電流枝路(1、10)に電気的に並列接続されることを特徴とする請求項31に記載の過負荷保護素子。
  • 前記スイッチング手段(12)は機械的に操作自在なコンタクト要素の形態であることを特徴とする請求項17乃至32のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 前記スイッチング手段は機械的に取り付けられ得るコンタクト要素の形態であることを特徴とする請求項17乃至33のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 前記スイッチング手段(12)は前記バイメタル用の加熱巻線(10)の 所定の部分 ブリッジ するために設けられることを特徴とする請求項17乃至34のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 複数の加熱巻線(41、42)がスイッチング手段(63)により互いに電気的に並列接続され得ることを特徴とする請求項17乃至35のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 各加熱巻 線は 、短絡 によって生じた 熱流を吸収できるだけの体積を有することを特徴とする請求項36に記載の過負荷保護素子。
  • 絡が生じた場合に各加熱巻線(41、42)により 前記バイメタル板(10)の温度が最大許容温度に達することを特徴とする請求項37に記載の過負荷保護素子。
  • 2つの加熱巻線があるとき、第2加熱巻線は、第1加熱巻線の熱容量の約25%の熱容量を有することを特徴とする請求項36乃至38のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 3つの加熱巻線が存在するとき、第3加熱巻線の熱容量は第1加熱巻線の熱容量の約11%の熱容量を有することを特徴とする請求項36乃至38のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 単極熱機械式トリップ素子(102)を含み、前記単極熱機械式トリップ素子は、単極スイッチング機構(110)をトリップさせるためにトリップ部材を操作することを特徴とする請求項17乃至40のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 多極熱機械式トリップ素子(102、102'、102”)を含み、前記多極熱機械式トリップ素子は多極スイッチング機構(110、110'、110”)をトリップさせるためにトリップ部材を操作することを特徴とする請求項17乃至40のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 前記スイッチング機構はラッチ機構(101)を含むことを特徴とする請求項17乃至42のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 前記スイッチング機構は電磁駆動部を含むことを特徴とする請求項17乃至43のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 前記スイッチング機構は電磁駆動部及びラッチ機構(101)を含むことを特徴とする請求項17乃至43のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 表示手段(105)が前記選択された動作電流を表示するために設けられることを特徴とする請求項17乃至45のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 前記設定電流値は情報バスにより調整され得る及び/又は読まれ得ることを特徴とする請求項46に記載の過負荷保護素子。
  • 前記情報バスは過負荷トリップを検出し、前記トリップ素子(102)がトリップした回路における前記スイッチング素子は前記情報バスを介してオフにスイッチングされることを特徴とする請求項47に記載の過負荷保護素子。
  • 前記トリップ素子(102)はスイッチング素子の前記ハウジング(100)に設置されていることを特徴とする請求項17乃至48のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 前記過負荷保護素子自体の製品ハウジングに 収容されていることを特徴とする請求項17乃至48のいずれか1つに記載の過負荷保護素子。
  • 請求項17乃至50のいずれか1つに記載の過負荷保護素子を使用した過負荷リレー。
  • 請求項17乃至50のいずれか1つに記載の過負荷保護素子を使用したモータ回路ブレーカ。
  • 請求項17乃至50のいずれか1つに記載の過負荷保護素子を使用した回路ブレーカ。
  • 说明书全文

    本発明は、熱機械式過負荷保護デバイスの調整範囲を拡張する方法に関する。 該熱機械式過負荷保護デバイスにおいては、電流設定値は使用者により予め決められ、所定のトリップ(tripping)特性(電流/時間トリップ曲線)が保護デバイスとして達成されるように意図されている。 さらに、本発明は、熱機械式過負荷保護デバイス、及びそれらの使用に関する。

    過負荷リレー又は過負荷レリーズ(release)は、例えばモータのような電気装置及び負荷を許容できない大きな動作電流から保護するために使用される。 非電子式の過負荷リレー又は過負荷レリーズは、例えばバイメタルストライプ(bimetallic strip)又はスナップ動作ディスク(snap action disks)等の熱トリップ部材を含み、動作電流が非常に大きくなるとき、付随する電流枝路がスイッチをオフにされることを確実にするメカニズムを(電流/時間トリップ特性に基づき)作動させる。 特に、このメカニズムは、ラッチメカニズム解除手段、制御スイッチコンタクト、又は警音器である。 前記メカニズムは、過負荷トリップを電流調整範囲内の動作電流値に設定するための更なる要素を含んでいる。 過負荷トリップに対する環境温度の影響を無くすために、該メカニズムは温度補正のための要素を通常含んでいる。

    米国特許公開第2629796A号は、スイッチングデバイスのための調整デバイスを開示しており、並列接続された分流器を有するU字状のバイメタルストライプを含んでいる。 該分流器は、異なる位置においてバイメタルストライプの2つの突起部(limb)を接続するが、溶接接合により恒久的に取り付けられている。 よって、電流はバイメタルストライプの所定の長さの要素だけを流れ、これはトリップ電流範囲を画定するのに使用される。 ディメンジョニング(dimensioning)すなわち過負荷レリーズのトリップ電流範囲の位置決めは、バイメタルストライプに電気的に並列接続され、該バイメタルストライプを加熱する加熱抵抗の断面積の関数として画定される。 過負荷レリーズのこの形態において、該過負荷レリーズの動作範囲は、10Aから200Aまでの電流範囲内であってもよい。 10Aと200Aとの間の固定された調整範囲は、生産技術的な観点から容易に製造され得る。

    さらに、独国特許第19516723C2号は、調節自在な熱電磁トリップデバイスを開示している。 該調整自在な熱電磁トリップデバイスは、ヒンジ形の可動接極子電磁レリーズを励起するバイメタルストライプ及び第1(バイメタル)分流器、並びにバイメタルストライプ及び第1分流器に並列接続された第2分流器を含んでいる。 第2分流器はトリップ値を設定するのに使用される。

    最後に、独国特許明細書第473338号は、コンタクト手段が設けられた電磁/熱過電流回路ブレーカを既に開示している。 これによって、応答感度のための不連続値が予め画定され得る。

    公知のデバイスは、公知の過負荷保護デバイスの動作電流を標準的な動作電流に合わせるために、予め決められた調整範囲(低い方の設定電流I と高い方の設定電流I との間の範囲)内の所望の動作電流I に設定され得る。 典型的な調整範囲(標準的な調整範囲と称される)は低い方の設定電流I の1.4乃至1.6倍の電流範囲をカバーしているだけである。 熱過負荷リレー及び回路ブレーカの装置範囲(equipment ranges)は、例えば12調整範囲型(12 adjustment range type)のデバイスにより1.8Aから25Aの電流範囲をカバーするために、わずかに重なり合って(narrow stagger)設計されている。

    多様なタイプのデバイスを減じるために、熱機械式過負荷保護デバイスの電流調整範囲を少なくともI =2*I に拡張することが望まれる。 しかし、単純に、調整範囲を拡張するために熱トリップ部材に大きな電流負荷を設けることは、電流の2乗に比例する抵抗の発熱及び抵抗の発熱による温度の上昇の故に上手くいかない。
    仏国特許第2790139A1号はスイッチデバイスを開示している。 前記スイッチングデバイスはコンタクト手段を含み、該コンタクト手段により、スイッチング手段が使用される前にコンタクトが選択的に行われる。 よって、調整範囲は要求されるように予め決められ得る。 しかし、この範囲はスイッチングデバイスの動作の間において変えることはできない。 さらなる従来技術は、欧州特許第0923101A号、仏国特許第2434474A1号、独国特許第951738C号、独国特許第2101456A1号、米国特許第4187482号、独国特許第6607433U号、及び仏国特許第1238258A号である。 この場合の目的は、スイッチングデバイスの反応性をほぼ要求されるように合わせることである。

    従来技術において、過負荷保護デバイスの値調整範囲は電子式過負荷リレー又は電子式過負荷レリーズにより典型的に与えられる。 この目的のために、過負荷電流は変流器を用いて検出され、トリップ信号は電子的に生成された電流/時間トリップ特性を用いて生成される。 この電子式の解決策の1つの利点は、「発熱」すなわち過負荷保護デバイスにおける電損失が、デバイスの動作と関係のない保護デバイスの導線抵抗における電力損失は別として、該過負荷保護デバイスの電流設定値に依存しないことである。

    しかしながら、いくつかある不利益の中のある不利益は、変流器及び電子部品から生ずる増大したコスト並びに直流又は直流成分をモニタするのに不適切であることである。 単純な解決策が過負荷保護デバイスに広い調整範囲を実現するために要求される。 過負荷保護デバイスは、多様な最新の種類のデバイスと比較すると、比較的低い定格電流(例えば、=40A)の範囲内では低コストで製造され、製造者及び使用者に金銭的な利点を提供している。

    上記の従来技術の背景に対して、本発明の目的は、熱トリップ部材が特定の動作範囲(前述の熱レリーズの標準的な調整範囲の電流/時間トリップ特性は維持されているが、予め決められた電流調整範囲は望まれるように拡張されている範囲)において動作することを可能にする技術的な解決策を明らかにすることであり、過負荷保護デバイスを提供することである。 この場合、電力損失の増加が、過負荷保護デバイスの全ての動作モードにおいて効率的に制限されるか防止されるように企図されている。

    本発明のさらなる目的は、レリーズに所定の電流/時間トリップ特性を常時提供することである。 最終的な目的は、上述した過負荷レリーズの電流設定値の関数として短絡瞬時(short circuit quick action)レリーズの応答値の整合を改良することである。

    本発明によれば、上記目的は請求項1において最初に説明されたタイプの方法により達成される。 特に、請求項12及び13は過負荷保護のための別の方法を示している。 あるいは、過負荷保護デバイスは、他の独立請求項17及び18に記載された発明である。 方法、過負荷保護デバイス、及びその使用の発展形がさらなる請求項に記載されている。

    よって、本発明は、特定の調整範囲が、電気抵抗及び/又は所定の熱流により、予め決められた広い調整範囲にされるかされないかを電気的コンタクト手段により可能にする。 必要ならば、特定の電流設定値が追加の調整手段により固定されてもよい。

    本発明による方法は、電流を流すための予め決められた電気抵抗値の要素及び付随するコンタクト手段を用いることが好ましい。 コンタクト手段は、取り付けられ得るか又はスイッチングされ得るように設計されてもよい。 コンタクト手段を使用することにより、下限値及び上限値を有する第1調整範囲と、異なる下限値及び上限値を有する別の第2調整範囲とに広い調整範囲を分けることが可能になる。

    特に、本発明による方法の目的のために、2つの異なる調整範囲を予め設定することが可能である。 該2つの異なる調整範囲は、所定の間隔だけ離されてもよく、重なっていてもよく、又は好ましくは互いに直接隣接していてもよく、これによって該2つの異なる調整範囲は広い調整範囲を画定する。

    よって、本発明はスイッチングデバイスの使用者が適切な調整範囲を各条件に従い予め選択することを可能にする。 動作電流範囲をカバーする広い調整範囲が実質的に非常に単純な技術手段により与えられる。 詳しくは、これはスイッチ装置製造者及び使用者が異なる種類のデバイスを少しだけ用意しておけばよいことを意味している。

    非電子式の過負荷保護デバイスに広い調整範囲を与えるために、本発明は熱トリップ部材を使用する。 本発明によれば、導電要素が該熱トリップ部材に接続され得る。 この場合、スイッチ操作は、詳しくは、機械的に操作自在なスイッチコンタクト又は機械的に取り付けられ得るコンタクト要素により行われてもよい。 コンセプトの違いは、調整範囲を選択するために再び取り付けられ得る機械的に取り付けられ得るコンタクト要素により確実に使用を中止された過負荷保護デバイス及びモニタされるスイッチングデバイスと比較すると、過負荷保護デバイス及び該過負荷保護デバイスによりモニタされるスイッチングデバイスの動作の間の機械的に操作自在なスイッチコンタクトによる任意の時間におけるスイッチングが容易であることである。

    上記において説明された利点は2つの異なる方法(2つの異なる原理)により達成され得る。 2つの設計形態は、バイメタルストライプのための熱出力が広い調整範囲の全ての調整範囲における同一の相対的な動作電流I r、relに対し同一の値を有するという共通の特徴を有している。

    この目的のために、少なくとも1つのスイッチングデバイスを有する並列電流経路が、バイメタルストライプの電流経路と並列に設置され、該バイメタルストライプの電流経路は加熱導体を追加的に含んでいてもよい。 並列枝路におけるスイッチが閉成しているとき、全電流の所定の割合の電流が、追加の分流器及び/又は経路の抵抗の故に、並列枝路を経て流れる。

    並列枝路の開放/閉成により、低い方の範囲の低い方の設定電流I ulと高い方の範囲の高い方の設定電流I o2との間に2つの調整範囲がもたらされる。 スイッチが開放しているとき、I ulからI Olまでの(低い方の)範囲は変わらず、この場合、I ol 〜1.4I ul乃至1.6I ulである。 スイッチが閉成しているとき、高い方の範囲はI u2 〜I ol及びI o2 〜(1.4 乃至1.6 )I ulにより与えられることが好ましい。 これは、I ulからI o2まで線形的に変化する広い調整範囲及び1.4 乃至1.6 =1.96乃至2.56の高い方の設定係数をもたらす。

    第1構造(抵抗整合原理)において、並列枝路におけるインピーダンスは、高い方の調整範囲が選択されたとき、該並列枝路が動作電流I の相対的な電流成分(I u2 −I u1 )/I u1を流すように整合される。 バイメタルストライプは相対的な電流成分I u1 /I u1だけ加熱される。 低い方の調整範囲及び高い方の調整範囲においてバイメタルストライプの加熱が変化しないことは、過負荷保護デバイスのトリップ特性が変化しないことを意味している。 これは、図1を参照しつつ以下においてさらに説明する。

    本発明の目的のために、後者の原理は、特に多相器具のために、以下のように拡張され得る、すなわち、
    a)電流及び調整範囲は、いかなる時間においても繰り返され、さらに動作中においてもリセット又はセットされ得る。
    b)複数の並列枝路が、切り替えスイッチを用いてステップ状に接続され、ステップ毎に累乗分だけ調整範囲を増やす(ステップ1:低い方の調整範囲の2乗、ステップ2:低い方の調整範囲の3乗等)。
    c)温度補正が中央ポイントにおいて全ての相について同様になされる。
    d)中心メカニズムが存在し、前記中心メカニズムは全ての相における並列経路のためのコンタクト手段を同時に動作させる。
    e)相の不均衡及び相欠損から保護する基本となるトリップメカニズム(バイメタルストライプ、加熱導体、トリップ部材/ラッチメカニズムへのバイメタルストライプの機械的な結合)は変化しない。
    f)コンタクト手段及び電流経路抵抗を含む並列経路は、基本となるデバイスを大きく変更せずに、モジュール形態でデバイスにプラギングされ得る。

    この構造は単極過負荷保護デバイスと多極過負荷保護デバイスとに使用され得る。 しかし、この構造においても、電流の流れは、高い方の調整範囲において、並列電流枝路におけるさらなる電力損失をもたらす。 この電力損失は適切な熱的な絶縁によりバイメタルストライプから取り除かれる。

    第2構造(電力整合原理)において、追加の電力損失の不利益が防止される。 理想的には、並列枝路において生ずる電力損失分の電力がバイメタルストライプに全て与えられる。 この目的のために、並列枝路は、並列枝路がスイッチをオンにされたときの高い方の調整範囲におけるバイメタルストライプ枝路及び並列枝路による電力損失の総和が、並列枝路が開放されたときの低い方の調整範囲におけるバイメタルストライプ枝路による電力損失に等しいようなインピーダンスを有する。

    並列枝路からバイメタルストライプに電力損失分の電力を与えるために、並列枝路における分流器はバイメタルストライプに非常に近く物理的に接続されなければならない。 この目的のために、分流器は、加熱巻線として若しくは間接的に加熱する形態でバイメタルストライプに熱的に接続される。

    上記において説明した追加の特徴a)乃至e)はこの構造においても保持されている。 必要な全てのことは、追加された分流器を有するバイメタルストライプを変更することである。

    第2構造のある変形例において、広い調整範囲として予め設定された電流調整範囲は、接続され得る並列電流枝路により分けられず、電気的に直列接続され得る追加の加熱導体により分けられる。 追加の加熱導体は、該追加の加熱導体の熱出力が熱機械的アクチュエータにほぼ全て伝達されるように、過負荷レリーズに熱的に結合される。 追加の加熱導体が直列接続されるとき、広い調整範囲の低い方の範囲が選択される。 追加の加熱導体の抵抗値は、低い方の調整範囲(指標1)内の動作電流による両加熱導体の熱出力が、オフにスイッチングされ、高い方の調整範囲(指標2)内の動作電流が電流係数(I u2 /I u1 )により増大されたときの直流枝路による熱出力と同じ値を有するような大きさである。 予め決められた電流調整範囲は、直列接続され得るさらなる加熱導体によりさらなる調整範囲に分けられ得る。 これは、低い方の設定電流の方へ拡張された広い調整範囲をもたらす。 単一ステージの直列回路の場合、広い調整範囲は、設定電流I =I からI *1.5 (=I )までをカバーし、複数のステージ(=n)を有する直列回路の場合はI =I からI *1.5 n+1 (=I )までをカバーする。 もし、固定された予め決められた上限値が広い調整範囲の設定電流に設定されているならば、これは、電流係数1.5の場合のnステージ直列回路の下限値I =I /1.5 n+1を生ずる。

    本発明の範囲内のさらなる方法(measure)は、所定の電流/時間トリップ特性を提供することである。 該所定の電流/時間トリップ特性は、特に小さい過負荷電流が流れる場合においては熱伝導率により熱的に影響を与えられ、特に大きい過負荷電流が流れる場合においては熱容量により熱的に影響を与えられる。 前記熱伝導率及び熱容量は、バイメタルストライプの能動要素(つまり電流経路)の両方、幾つかの場合においては、加熱導体、コンタクト要素、並びに取付部材、ハウジング、及び周囲の大気のような受動デバイスの熱伝導率及び熱容量である。

    本発明の目的のために、この問題は、以下のような前記構造の機能として解決される。 抵抗整合原理すなわち並列枝路における電力損失分の電力がバイメタルストライプに与えられない場合、並列枝路の要素つまりコンタクト手段及び分流器は、デバイスの異なる領域において熱的に絶縁された構造部、又はプラギングされ得る特定のモジュールに配置される。 電力整合原理、すなわち並列枝路からの電力損失のほぼ全てがバイメタルストライプに与えられる場合、並列枝路における分流器とバイメタルストライプとの間に熱的に近いコンタクトが存在する。 分流器における短絡電流負荷は、並列枝路がオフにスイッチングされているときのバイメタルストライプ枝路における短絡電流負荷未満であるので、加熱導体を任意に含んでいるいくつかの場合では、分流器の幾何学的寸法は小さく、よって熱容量を非常に減じるように設計され得る。 この場合、高い電気抵抗率を有する材料を使用すると有利である。 銅/ニッケル又はクロム/アルミニウム合金がこの目的のために使用され得る。

    この構造の更なる特徴は、コンタクト手段の抵抗値ができる限り低くされていることである。 高い接触力を有する広い面積のコンタクト部が特に適切であり、該高い接触力を有する広い面積のコンタクト部は、例えば差し込み式の接続部(バナナプラグ、竪琴状(lyre)の接続部、又はブレード接続部)であり、例えば、銀ニッケル若しくは微粒子(fine grain)の銀のような銀(Ag)合金、又は酸化銀のような銀(Ag)複合材料のような特に低インピーダンスコンタクト材料によるコンタクト部である。

    最後に、本発明は、短絡瞬時レリーズの応答値の整合を上記において説明した過負荷レリーズの設定値の関数として改善する。

    回路ブレーカの場合において、短絡瞬時レリーズは過負荷レリーズの調整により同時に調整されることが知られている。 これは、短絡瞬時レリーズが、変動する動作電流(応答電流)の特定(しかし所定の)倍数の電流で動作するようになることを意味しいている。

    特にモータ回路ブレーカの場合において、短絡瞬時レリーズの応答値は通常調整されない。 なぜなら、従来技術によれば、これらデバイスは狭い電流調整範囲においてのみ動作するからである。 応答値は、最大設定値I の所定の倍数(典型的には、8乃至15倍)である。

    とI との間に非常に大きな差を有する広い調整範囲を導入することにより、短絡瞬時レリーズの応答時間は、短絡が生じ且つ低い設定電流I の場合に装置がもはや適切に保護されないような広い範囲に拡張されるようになる。 本発明の範囲では、この問題は、例えば短絡瞬時レリーズの部分的なタッピング(tapping)により解決され得る。 この場合、上記において説明され且つ接続され得る並列枝路は、調整範囲毎(並列枝路が接続されているか、接続されていないか)のアンペアターン数が一定であるように、短絡瞬時レリーズのコイルに電気的に接続される。 これは、各場合において常に同じである高い方の設定値のI を生じ、これに合わせて、短絡瞬時リレーズの応答値のための選択された調整範囲も生じる。

    電磁トリップの整合が、本発明による4つの異なる方法により行われ得る、すなわち、
    1. 負荷軽減電流枝路の並列接続部がソレノイドコイルに接続され得る。 1.5の電流係数の場合、電流成分0.5の電流が負荷軽減電流枝路を介して流され、ソレノイドコイルは電流成分1の電流を流す。
    2. 関係する磁力の比例係数〜(電流)*(電流)が整合され得る。 ソレノイドコイルの場合、これは、巻線の全磁気励起が、例えば1.5の電流係数の相対的な電流成分1に対応するように巻線をタッピングすることにより行われ得る。 つまり、相対的な電流1のためにタップ(tap)がオフにスイッチングされたときのアンペアターン数は、相対的な電流1.5のためにオンにスイッチングされたタップのアンペアターン数に等しい大きさになる。 この目的のために、巻線の所定の部分がブリッジされ、磁気的に有効にされる。 部分的なブリッジの代わりに、巻線は、巻線の全磁気励起が、相対的な電流1.5の相対的な電流成分1に再び対応するように一部の電流を引き出すためにタッピングされ得る。
    3. アンペアターン数による整合の代わりに、比例係数が、可動磁石鉄片と対向する磁極との間のエアギャップの幅により整合され得る。 同様に、これは、1から1.5に応答電流を大きくするために、係数1.5まで相対的な単位で増大される。
    4. 磁石鉄片の制止力が調節される。 磁石鉄片は、閉成動作及びこれに関連するトリップのために制止力に打ち勝たねばならない。 制止力はバネ要素により通常生成される。 バネの力は、バネ定数とバネの変位量(movement)との積により画定される。 1.5*1.5の係数までバネの変位量を増大することにより、1.5の電流係数についての磁力の増加分が相殺される。

    電磁トリップは、過負荷トリップのためのコンタクト手段と同一のコンタクト手段を用いて、広い調整範囲内の低い方の電流調整範囲から高い方の電流調整範囲まで設定される、追加的に又は代替的に、機械的要素が、ばねの変位量のnギャップ幅を調整するために、コンタクト手段に結合され得る。

    本発明のさらなる詳細及び利点は、特許請求の範囲と共に図面を参照する典型的な実施例の図面の説明から明らかとなる。

    詳しくは、各実施例が図面に簡略に示されている。

    本発明による広い調整範囲の様々な変形例の装置が、以下において説明される。 該装置は、まずバイメタルストライプ及び加熱巻線を有する過負荷リレーの実施例を用いて説明される。 各実施例の異なる構造が、各場合において別々に説明され、その後、これらの機能は組み合わされて説明される。

    それぞれの図面において、参照符号1は第1電流枝路を示し、参照符号2は第2電流枝路を示している。 当該第2電流枝路は当該第1電流枝路と並列接続される。 さらに参照符号10は、従来技術において周知であるような温度依存性のスイッチング機能を有するバイメタルストライプを示している。

    図1は抵抗整合の原理を示している。 斜線の領域(areas underneath)は、バイメタルストライプ枝路と並列枝路との間の熱的な絶縁を示している。 詳しくは、加熱導体12を有するバイメタルストライプ11が電流枝路1の領域に配置され、分流器21が電流枝路2の領域に配置されている。 並列枝路2はスイッチ25を介して接続され得る。

    図2は、メークコンタクトとブレークコンタクトとを含む制御コンタクト15を有する装置を示している。 制御コンタクト15は、バイメタルレリーズ10により間接的に機械的に操作される。 あるいは、バイメタルレリーズ10はラッチメカニズムを操作し得る。 さらに、図1に示したように、スイッチコンタクト25及び図1において示した分流器に対応する抵抗器21が、図1に対応するように、並列電流枝路2に配置される。

    図2に示したような実施例についてのディメンジョニング(dimensioning)の例は以下の通りである。 この目的のために、過負荷リレーの標準的な調整範囲は11Aと16Aとの間であると仮定される。 加熱導体を有するバイメタルストライプの電気抵抗値R bimetallicは約8.6mΩである。 16Aから16/11*16A=23Aに調整範囲を拡張するために、7A(=23A−16A)の電流が、接続され得る並列抵抗によりバイメタルストライプから取り除かれる。

    このため、経路抵抗及び接触抵抗を含むので、並列抵抗は R parallel =R bimetallic *11A/5A〜19mΩ(1)
    の抵抗値を有する。

    並列抵抗は、バイメタルストライプ及び加熱導体のための接続端子に対する電力供給源に電気的に接続され、接続経路は機械的に操作され得るスイッチコンタクトを介して繋げられる。 一例として、これはバナナプラグコンタクトの形状であり、該バナナプラグコンタクトのプラグは、開口部バネに対抗して、管状ガイド内のバナナソケット内に差し込まれ得る。 該バナナプラグコンタクトのスイッチオン及びオフ位置は適切な留め具により固定され得る。 並列抵抗は、低温度係数及び適切に高い適用温度を有する抵抗材料からなることが好ましい。

    通常のディメンジョニングの式(dimensioning formula)が、標準的な調整範囲(いかなるギャップも無い単一ステップ部の広い調整範囲の低い方の設定電流i 及び高い方の設定電流i 、並びにバイメタルストライプ抵抗値R bimetallicに対する並列抵抗値R parallelのための高い方の広い設定電流(upper wide set current)i O.W.を有する)から以下のように見積もられ得る、すなわち、
    O. =i /i (2)
    並列抵抗の電流成分は i O. ,i =i O. −i (3)
    であり、
    parallel =i /(i O.W −i )*R bimetallic (4)
    である。 同等の関係式は R parallel =i /(i O.W −i )*R bimetallic ) (5)
    である。

    この関係式において、R bimetallicは並列電流枝路の接続点同士の間のバイメタルストライプ電流枝路の抵抗値である。

    3極過負荷リレーのための広い調整範囲は、共通のラッチ操作要素により選択される。 該ラッチ操作要素は、交差手段(crossmember)を介して3つのスイッチコンタクトに係合し、該交差手段により、バイメタルストライプ電流枝路が、該バイメタルストライプ電流枝路に付随する並列電流枝路と並列接続される。 付随するスイッチコンタクト及び並列抵抗を有する並列電流枝路はバイメタルストライプとは別に過負荷リレーのハウジング領域に配置されてもよい。 これは、相互の熱影響を最小化し、過負荷トリップ特性が変化しないように保つ。

    広い調整範囲を選択すると、トリップは、過負荷リレーにおいてより大きな電流、よってより大きな電力損失の方にシフトされる。 i=i =16A及びP el =R bimetallic *(16A) の場合の標準的な調整範囲における電力損失と比較すると、i=i =23Aの場合の広い調整範囲の電力損失は、
    el =R bimetallic *(16A) +R parallel *(7A) (6)
    であり、これは電力損失が7/16すなわち〜40%相対的に増大することを意味している。

    空間的な利点及び電力損失を低減することを提供する図2に示した実施例の有利な改良において、バイメタルストライプ電流枝路及び並列電流枝路は共通のハウジングに収容される。 この場合、並列抵抗は上記において説明された抵抗値よりも低い抵抗値を有するように設計される。 なぜなら、このようにバイメタルストライプにおいて低減された熱出力は、並列抵抗からの一定量の追加の発熱、つまり放射熱及び対流熱により補われるからである。

    特定の形態において、コンタクト部には、差し込まれ得る及び/又は回転させられ得るコンタクト取付部が設けられてもよい。 差し込み式コンタクト取付部の2次的な機能として、該差し込み式コンタクト取付部は、設置されていない状態のとき、過負荷リレーの制御コンタクトを適切な動作デバイスを用いて中断させる。 これは、過負荷リレー及び該過負荷リレーによりモニタされるスイッチングデバイスが、差し込み式コンタクト取付部が設置されるまで、動作不能にされることを確実にする。 例えば、ドライバ等の補助器具が差し込み式コンタクト取付部を設置するのに要求されてもよい。

    更なる変形例のように、3つのコンタクト要素が、回転し得る共通のコンタクト取付部において統合されてもよい。 コンタクト取付部の回転位置は固定され、予め決められた回転度が維持される。 広い調整範囲は、該予め決められた回転角度において、確実にスイッチをオンにされるか、確実にスイッチをオフにされる。 これを確実にするために、過負荷リレーの制御コンタクトは、所定の回転角度位置において中断されるか、又は中断されず、過負荷リレーが正しく設定されたときだけ動作するようにされている。

    通常、機械的に取り付けられ得るコンタクト要素は、操作自在なスイッチング要素よりも高い接触力を有し得る。 これは、該コンタクト要素を経てより高い動作電流を流すのに使用されると有利である。

    図2に示したような並列電流枝路を有するバイメタルストライプ電流枝路に対する変形例によれば、加熱導体は、広い調整範囲を生成するために部分的にブリッジされてもよい。 取り付けられるコンタクト要素は、比較的高い接触力を伴う比較的低い接触抵抗値を有し、限定された短絡電流の全電流を流し得る。 該コンタクト要素は広い調整範囲をオン及びオフにスイッチングするコンタクト部として使用するのに適している。 接触抵抗値は、電流の大部分がブリッジ電流経路を介して流れ、電流の少しの部分だけがブリッジされたバイメタルストライプ部分を介して流れるために、1mΩ未満であるべきでる。

    大まかに言うと、ブリッジ部の残りの熱出力は、加熱巻線に接続されたブリッジされたコンダクタによる熱の消失分の熱を補う。 図1における実施例と同じバイメタルストライプの加熱を達成するために、標準的な調整範囲及び16Aの電流が、広い調整範囲及び23Aの電流に変えられ、残っている加熱導体は(16/23) 〜0.5の相対的比率を除いてブリッジされるべきであり、0.5はブリッジされない。

    全電流を流す加熱導体からの熱出力の一部は、熱伝導によりブリッジされた部分に伝達され、バイメタルストライプは非均一に加熱されないことが予想され得る。 しかしながら、例えば、バイメタルストライプの末端の領域(foot area)における加熱導体のブリッジは、湾曲とレバーアーム(lever arm)との間の相互作用の故に、バイメタルストライプにおける他の点よりも撓みにより効果を有する。 これは、この例において、相対的な単位で(1−(16/23) )より短く加熱導体部をブリッジすることにより補われる。

    図3において、3つの並列接続された分流器21、22、及び23が第2電流枝路2の領域に配置され、対応する選択式切り替えスイッチ26がこの目的のために設けられる。 相対的な調整比EBが適切な分流器の接続により選択され得る。

    以下の値は、例えば以下の表に基づいた結果である。

    複数の並列ステップ部及び並列枝路の抵抗の値の例を有する抵抗整合の上記原理は異なる調整範囲EBを生ずる。 該異なる調整範囲EBの全てが、広い調整範囲WEBをWEB=(1.00乃至3.84)*Iuであるように画定する。

    図4及び図5は電力整合の原理を示している。 共通の領域はバイメタルストライプ枝路と並列枝路との間の熱的な結合を示している、図4は、メイン枝路1においてバイメタルストライプ11と加熱導体12とを示し、並列枝路2において並列接続された分流器と加熱導体とを示している。 さらに、タップがコイル40に設けられ、nレリーズと称される。

    すでに説明したように、これら要素は熱的に結合されており、熱伝達により要求される電力整合を確実にする。

    電力整合(図4乃至図6)の原理に基づいた実施例についての大きさの一例として、過負荷リレーの標準的な調整範囲は11Aと16Aとの間であると仮定される。 この調整範囲は、基本的な調整範囲GEB(かかる例においては、GEB=16/11)として参照される。 電力整合の原理に基づけば、バイメタルストライプ11における熱出力損失(thermal power loss)は全ての調整範囲において一定でなければならない。 この目的のために、並列枝路の抵抗R pzは、バイメタルストライプ枝路の所定の抵抗R BZのために、
    PZ =R BZ /(GEB −1) (7)
    ように設計されなければならない。

    (広い調整範囲により)仮定された最大動作電流(I =23.3A)において、I BZ =I /GEB=11Aの電流がバイメタルストライプ電流枝路を経て流れ、I PZ =I BZ *R BZ /(R BZ +R PZ )=12.3Aの電流が並列枝路を経て流れる。 これは、バイメタルストライプ枝路を経る電流が係数1/GEBだけ減じられることを意味する。 バイメタルストライプ枝路においてこのように減じられた熱出力損失分の熱は、並列枝路における熱出力損失分の熱により完全に補われる。 つまり、
    V,bimetallic = 一定 = I BZ *R BZ +I PZ *R PZ (8)
    である。

    この例において、低い方の調整範囲(並列枝路が開いている=通電していない)における動作電流I はI =11AとI =16Aとの間に設定され、高い方の調整範囲における動作電流I はI *(16/11)=16AとI *(16/11) =2.12*I =23.3Aとの間に設定され得る。

    複数のステップ部の調整範囲の場合、抵抗整合の原理(上記の表1を参照されたい)と比較すると、電力整合の原理は以下の値となる。

    図5において、2つの加熱導体がバイメタルストライプと並列に結合され、図4の短絡瞬時リレーズが図6に設けられている。

    図4は電力整合の原理を示している。 共通の領域は、バイメタルストライプと枝路と並列枝路との間の熱的な結合を示している。 図4において、バイメタルストライプ11と加熱導体12とが第1枝路1に設けられ、並列接続された分流器と加熱導体が第2枝路2に設けられている。 さらに、コイル40は、タップを設けられ、nレリーズと称される。

    すでに説明されたように、これら要素は熱的に結合されており、要求される電力整合が、熱伝導により確実になされる。

    広い調整範囲へのバイメタルストライプの加熱の整合に対する変形例は、実質的に同じ長さを有している該加熱導体の断面積を拡張し、抵抗を低減することである。 これは、例えば図7に示したように、標準的な加熱範囲の加熱導体71と第2加熱導体72とを並列接続することにより達成され、断面領域を効率的に増大させる。 図1における実施例のような目的のために要求されるスイッチコンタクトが、定格動作中と短絡が生じた場合とにおいて、電流の一部だけを流すことを必要とすると有利である。 不利益は、バイメタルストライプヒータの剛性が大きくなることと、加熱導体同士が接合接続部を除いて電気的に絶縁されなければならないので、個々の加熱導体とバイメタルストライプとの間の熱的な結合が異なることである。 これは、長いトリップ及びリセット時間の方へトリップ時間特性をシフトさせる。

    図5では、2つの加熱導体がバイメタルストライプと並列接続されており、図6には図4のnレリーズが設けられている。

    図7a、図7b、及び図7cは、図2の過負荷保護デバイス10におけるバイメタルストライプのための元々の加熱巻線を有していないバイメタルストライプ71に、並列枝路における巻線72又は分流器73若しくは74を熱的に結合させる別の実施例を示している。 これはよい熱的な結合をもたらす。 バイメタルストライプ71並びに分流器72、73、73は、例えばガラスファイバ、又はマイカにより、電気的に絶縁されている。

    図8a、図8b、及び図8cは、バイメタル71のための元々の加熱巻線76を有するバイメタルストライプに、並列枝路における巻線72又は分流器72若しくは分流器73を熱的に結合させる別の実施例を示している。 同様に、これも良い熱的な結合をもたらす。 加熱導体76は、ガラスファイバ又はマイカにより別の電流経路の要素から電気的に絶縁されている。

    log/log表現を用いて、図9及び図10は設定電流I の倍数の関数として過負荷レリーズのトリップ時間を示している。 つまり、トリップが起こる電流I の倍数が横座標にプロットされ、トリップ時間tが縦軸にプロットされている。 これに関連して、図9はトリップ特性としてグラフ91を示し、図10はグラフ91及びグラフ92を示している。

    広い調整範囲(I <=I <=2*I )の設定電流I では、低い方の調整範囲及び高い方の調整範囲はほぼ同じトリップ特性である。 過負荷トリップ特性91に加えて、図10は短絡トリップ特性92も示している。 短絡トリップ特性92は、選択された範囲の上限値の倍数として通常見積もられる。 短絡トリップ特性92は、低い方の調整範囲及び高い方の調整範囲について同じであり、短絡瞬時レリーズの部分的なタップをオン及びオフにスイッチングすることにより達成され得る。

    図11は、ラッチメカニズム101、3つのスイッチコンタクト110、110'、110”、及び付随する過負荷レリーズを有する3極スイッチ100を示している。一方に電熱過負荷レリーズ102、102'、102”が示され、他方に短絡レリーズ103、103'、103”が示されている。この場合、電熱レリーズ102、102'、102”は、電流枝路及び並列電流枝路にバイメタルストライプを含んでいる。 該電流枝路及び並列電流枝路におけるバイメタルストライプは、図1に示した抵抗若しくはスイッチ、又は図2乃至図10におけるさらに異なる実施例の抵抗若しくはスイッチにより接続され得る。 特に、並列電流枝路は、付随する“オン/オフ”指示器を有する機械的操作手段105により、手動でオン及びオフにスイッチングされ、上記において詳しく説明したように、広い調整範囲を提供する。 各範囲を自動で設定することも可能である。

    図12は、要素が同じ配置で示されているので、抵抗整合ではなく、どのように電力整合が熱的な結合により達成されるかを示している。 この目的のために図4乃至図8を参照しつつ上記において説明したような適切な手段が使用される。

    後者が図13においてより詳しく示されている。 この場合、各容器における加熱要素12を有するバイメタルストライプ11は、さらに直接結合された加熱巻線21を有し、熱的に結合された装置を形成する。 さらに、短絡瞬時レリーズのマグネットコイル40は、並列接続された加熱導体21によりタッピングされている。

    本発明は過負荷リレーについて特に説明されてきた。 別の好適な用途において、上述したデバイスは、広い調整範囲のモータ回路ブレーカ又は回路ブレーカに使用される。

    並列枝路を有し、熱的に結合されていない過負荷レリーズの形態を示す図である。

    並列電流枝路を有するバイメタルレリーズを示す図である。

    広い調整範囲内の複数の調整範囲をオン及びオフにスイッチングする図1に示した実施例を示す図である。

    複数の並列枝路、個々の枝路の熱的な結合、及び短絡瞬時レリーズのタップを有する過電流レリーズの形態を示す図である。

    2つの加熱巻線を有するバイメタル枝路を示す図である。

    n巻のトリップコイルを有する並列接続された図5に示した2つの加熱巻線を示す図である。

    並列枝路の分流器へのバイメタルストライプの熱的な結合の実施例を示す図である。

    バイメタルストライプ電流経路に追加の加熱導体を有する図7に示した熱的な結合の更なる例を示す図である。

    純粋な熱的なトリップ(過負荷レリーズ)のための電流/時間特性を示す図である。

    熱/電磁トリップ(過負荷/短絡瞬時レリーズ)の組み合わせのための電流/時間特性を示す図である。

    過負荷レリーズへの並列枝路の熱的な結合を防止する広い調整範囲を備えた手段を用いる3極スイッチを示す図である。

    過負荷レリーズへの並列枝路の熱的な結合を有する広い調整範囲を備えた手段を用いる3極スイッチを示す図である。

    リレーズ電磁コイルによりスイッチをオンにされるタップを有する図11又は図12に示したような広い調整範囲を備えた手段を有する3極スイッチである。

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