DC vacuum relay device

申请号 JP50970292 申请日 1992-03-26 公开(公告)号 JP2646292B2 公开(公告)日 1997-08-27
申请人 キロヴァック、コーパレイシャン; 发明人 PEREIRA JII SUTEIIUN; BUSHU BAANADO UI; KYUUTEIN RICHIADO ERU; MATSUKU PATORITSUKU EI;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】(イ)チェンバと、(ロ)このチェンバ中に延び、端部部材を持つ移動可能なアーマチュアシャフトと、前記端部部材とは反対側の端部において前記アーマチュアシャフトに固定され、このアーマチュアシャフトと共に移動可能な電磁気的に駆動されるプランジャとを備えたアーマチュアアセンブリと、(ハ)前記チェンバ内に設けられ、前記アーマチュアシャフトの端部部材に隣接して、前記アーマチュアシャフトを取り囲み、かつこのアーマチュアシャフトのまわりに回転可能なディスクを持つ可動接点手段と、(ニ)前記チェンバ内に前記可動接点手段によつて橋絡されるように取り付けられた固定接点と、(ホ)前記可動接点手段によつて前記固定接点がメークされるときに、前記可動接点手段の移動が停止した後、前記アーマチュアシャフトの前記端部部材を前記可動接点手段を越えて移動し続けさせる手段と、(ヘ)前記アーマチュアシャフト及びその端部部材を、前記固定接点をブレークする前に休止状態から加速した後、ブレークのときに前記可動接点手段を前記固定接点から遠ざかる方向に駆動するための衝撃ブレーク手段と、(ト)複数のメーク動作の間に前記可動接点手段と前記固定接点との間の接触位置を変えるための変更手段とを包含し、 前記衝撃ブレーク手段が、前記アーマチュアシャフトに設けたストップ部材と、前記可動接点手段との間に保持され、前記アーマチュアシャフトを取り囲むばねによつて、前記アーマチュアシャフトに弾性的に取り付けられた前記可動接点手段からなり、 前記ばねに、少なくとも1つの付着しない自由な浮動する端部を設け、 前記可動接点手段によって前記固定接点がメークされて後に、前記アーマチュアシャフト及びその端部部材が、
    前記可動接点手段を越えて延びるときに、前記ばねが圧縮され、 前記変更手段が、前記複数のメーク動作の間に、前記可動接点手段と前記固定接点との間の接触位置を変えるように、前記固定接点のメーク及びブレークの間に前記ディスクを回転させる手段を提供する前記ばねから成る、
    リレー装置。
  • 【請求項2】コアアセンブリと、前記チェンバ内に開放し、かつ前記コアアセンブリによつて取り囲まれた中央のアーマチュア移動キャビティとを備え、前記端部部材とは反対側の端部において、前記アーマチュアシャフトが前記アーマチュア移動キャビティ内に延びている請求項1記載のリレー装置。
  • 【請求項3】前記チェンバと、前記アーマチュァ移動キャビティとが、外部の雰囲気から気密に密封されている請求項2記載のリレー装置。
  • 【請求項4】前記チェンバと前記アーマチュア移動キャビティとが真空状態の下にある請求項3記載のリレー装置。
  • 【請求項5】前記アーマチュア移動キャビティ内に位置させられ、前記アーマチュアシャフトを取り囲み、キックオフばねとして作用する別のばねを備えた請求項2記載のリレー装置。
  • 【請求項6】前記リレー装置のすべての移動する部材を、外部の雰囲気から気密に密封した請求項1記載のリレー装置。
  • 【請求項7】前記ディスクが、前記アーマチュアシャフトが貫いて延びる穴を備え、前記アーマチュアシャフトの端部部材が、ブレークの際に前記可動接点手段に衝突し、この可動接点を前固定接点から遠ざかる向きに駆動するように、前記端部部材が、前記ディスクの穴の直径より大きい直径を備えた請求項1記載のリレー装置。
  • 【請求項8】前記固定接点が、本質的にタングステン及びモリブデンから成る群から選択された請求項1記載のリレー装置。
  • 【請求項9】前記固定接点が、前記可動接点手段のディスクに向き合う端部において平坦部分を備え、前記ディスクに、前記固定接点の平坦部分を越えて延びるが、前記固定端子の外側境界までは延びない直径を設けた請求項1記載のリレー装置。
  • 【請求項10】前記リレー装置が、高電圧/高電流直流接触器である請求項1記載のリレー装置。
  • 【請求項11】前記可動接点手段のディスクが、複数のメーク動作の後に、前記アーマチュアシャフトのまわりを完全に回動する請求項1記載のリレー装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 本発明の背景及び設計事項 電磁石の原理に基づいて動作する電気リレー装置は、
    多くの電気回路関連の用途において周知の広く用いられている部品である。 本発明のリレー装置は、直流接触器型のリレー装置である。 この種のリレー装置は、通常DC
    270ボルトレンジの電圧がかかる高電圧/高電流条件下で使用することができる。 リレーをこのような高圧で使用することに付随する主要な問題の1つは、それらのリレーが、通常、正常動作電流25〜1000アンペアの「活線開閉」(負荷時開閉、アーク放電を引き起こす)環境で使用されるということである。 また、リレーは、100〜2
    500アンペアの過負荷遮断容量を有するものがあるということ、及び5.0〜0.1ミリオームのオーダーの低い接触抵抗を維持することができるようになっているということも知られている。

    直流接触器型のリレーは、直流信号には、通電時にリレー接点が離れることにより生じるアークを遮断するよう作用する電流ゼロ点がないため、「活線開閉」(hot
    swiching)環境においては(交流信号の場合と比べて)問題が生じ易い。 接点「バウンス」または「メーク」(make)によるアーク放電は、パドリング(接点溶融)[puddling]を引き起こし、場合によっては接点が互いにくっついて離れない接点溶着を引き起こすこともある。 通常、接点表面間の接続、メーク、切り離し、またはブレーク時に発生するこれらのアークを消すことは困難である。

    リレーのアーク放電は、下記のような現象に起因する。 接点の動作は、閉回路の「メーク」位置または開回路の「ブレーク」位置から開始される。 これらの接点が互いに近づき始めるか、あるいは離れ始めるとき、接点表面どうしの間隔は極めて小さい。 従って、電界強度が非常に強く、電子はこれらの接点間のギャップを横断する方向に加速される。 これによって電子なだれ効果が起こり、その結果ギャップ内で粒子がイオン化(電離)される。 リレー接点を真空チェンバ内に保って、空気に触れないようにしても、やはりアーク放電は発生し得る。

    空気充填環境においても、排気した(真空)環境中においても、連続アーク放電は起こり、大量の熱が発生して、接点材料を溶融させることがある。 この高温のイオン化され易い材料は、接点が近づき続け、あるいは離れるとき、接点プラズマ(プラズマ)を生じる。 すると、
    アーク柱が生じ始める。 このアーク柱は、真空環境の場合は接点プラズマから生じ、空気充填環境の場合は接点プラズマとイオン化粒子から生じる。 接点材料プラズマ及び/またはイオン化粒子は成長して、接点間に帯電粒子の連続状飛跡を形成し、その後アークが発生する。 そのアークは、接点がくっつくか、あるいは接点が十分に離間すると、接点間の電界強度が接点材料の電子をイオン化するほど十分高くならず、最後には消える。

    アーク放電が起こると、接点表面の材料が、実際に溶融するパドリングとして知られた現象が発生する場合がある。 パドリングは、接点材料が溶け出した接点表面上の場所に、あるいは接点材料が粗面状に硬化したとき接点表面上にクレータを生じさせる。 さらに、パドリングは、接点を溶着させて、分離しにくくすることもある。

    溶着(welding)とは、接点間の溶融した接点材料の硬化によって微視的に、あるいはこれより肉視的に、接点どうしが接合することをいう。 アーク放電、及びこれに伴うパドリングまたは接点の溶着は、リレー接点の劣化、絶縁破壊に至り、最終的にはリレー故障につながるので、極めて好ましくない。

    直流接点リレーの真空中と空気中とにおける「活線開閉」の間の上記のような差異の他、真空中におけるリレーの「活線開閉」に関しては、下記の事項をも考慮すべきであろう。 真空は、1)はるかに大きい離隔電圧絶縁能を有するとともに、及び2)プラズマ形成が著しく少くなる。 このようなプラズマ形成は、これに対応する、空気充填チェンバ(chamber)中のイオン化粒子の形成に比べて約8桁少ない。 また、真空は、リレーの使用寿命を通して接触抵抗を増大させる汚染物質を除去し、酸化を引き起こし、接触抵抗を増大させるイオン化粒子を除去し、危険な環境においては爆発を防ぐとともに、接触抵抗の低さを犠牲にすることなく硬い接点材料の使用が可能となる。 接点摩耗が少なくなることによって、リレー寿命が増大する。

    真空または空気充填環境において、荷重をかけてリレー接点を効果的に接続しようとすると、接点が閉成時に「バウンス(跳ね返る)」ことがよくある。 ここで、2
    つの接点を互いに接続することによって電気的接続をなすことを接点メークまたは[メーク]と称し、これらの接点を切り離すことまたは分離することを接点ブレークまたは「ブレーク」と称する。

    接点「ブレーク」が望ましいときには常にリレー接点を互いに完全に切り離すことができるように、アーク放電、パドリング及び/または接点材料の間の溶着はすべてなくすことが必要である。

    本発明の直流接触器型リレーの設計においては、真空チェンバを採用するなどにより空気を排除して粒子のイオン化を最小限に抑えることにより、またイオン化しにくい耐熱材料製の接点を用いることによって、イオン化粒子または接点プラズマの形成及び/または発生を少なくすることが可能である。 また、接点ブレーク時には、
    アークを維持するのに必要な十分な量の接点プラズマ及びまたは/イオン化粒子がギャップ内に形成される前に接点ギャップを大きくすることができるように、接点ギャップはす速く大きくすることが望ましい。 さらに、真空中では、開回路電圧に達するのに必要なギャップ距離が短くなるということも重要である。

    アークを維持するのに必要な電圧を高くするために他の付加的手段を使用することも望ましい。 例えば、永久磁石を用いて接点間の磁場(磁界)を変えることによって、アークを持続させるイオン化粒子または接点プラズマを保ちにくくすることが可能である。 これによって、
    アークは消える。 接点間の直線経路からアークをそらす当技術分野においては周知のアークシュートを用いてこの機能を強化してもよい。

    また、リレー設計における真空技術を用いると、接触抵抗を低く保つために従来のように接点断面積を大きくする必要がないという点において、設計上相対立する要素が少なくなり、リレー性能が改善される。 すなわち、
    単位面積当たりの接触抵抗が小さくなり、従って、リレーが小型化、軽量化される。 さらに、真空は空気よりはるかにすぐれた絶縁体であるから、真空環境中においては、接点ギャップを大きくする必要がない。 この特徴によっても、リレーの小型化が容易になる。

    また、真空リレー装置を使用すると、可動接点に対する空気抵抗がないため、より高速で作動するアクチュエータが得られる。 さらに、空気が存在しなければ、より効率的なアーマチュア(接極子)設計を行うことが可能である。 上記の要素によってリレー装置の小型化・軽量化が達成される。 アークは真空中では空気中よりも100
    倍も速く移動するので、真空は迅速な消弧を促進する。
    この特徴も小型化に役立つ。

    本発明のリレー装置は、DC270Vの電圧下で大きな電流を遮断することが可能である。 これを可能にするためには、相対立する設計要素または特徴が関係して来る。 このような大電流を遮断するリレーは、大きい接点ギャップが必要であり、そのためにどうしても、リレーは物理的な寸法及び重量とも大きくなりがちである。 また、このようなリレーは、迅速に後退する接点が必要であり、
    それが接点重量を小さくすることを必要とする。 これらのリレーによる電力消費を小さくするという面においては、接触抵抗をできるだけ小さくすることが望ましい。
    それには、接点断面積を大きくする必要があり、そのために接点の寸法及び重量が大きくなりがちであり、その分コイルの寸法及び重量も大きくなる。 また、接触抵抗をできるだけ小さくするには、大きい接触力が必要であり、やはりコイルの寸法及び重量を大きくする必要がある。 電力消費は、コイルの加熱をできるだけ少なくすることによっても小さくすることが可能である。 それには、小さいアクチュエータコイルが必要であり、コイルが小型化、軽量化される。 電力消費は、パドリングを発生させることによってもさらに小さくすることができる。 それには、接点にかかるアクチュエータ力を大きくする必要があり、そのためにコイルの寸法及び重量が増大する。 最後に、電力消費は、より小さい部品を使用することによって小さくすることができ、小さい部品を使用すれば、リレー装置やコンポーネントの小型化、軽量化が可能である。

    リレーは、基本的には流れる電流によって励磁されるコイルから成る。 コイルを流れる電流は電磁界(電磁場)を生じさせ、この電磁場が、少なくとも2つの電気導体または接点を互いに接続するようにアーマチュアを動かす。 その結果、これらの導体によって開閉される電気回路が閉じ、所望の回路に電流が流れる。 前述のアーク放電及びこれに付随する問題が発生するのは、これらの接点または導体の部分である。

    アーク放電は、交流リレーの場合より直流リレーの方がより激しい。 これは、交流信号が時間に対して正弦波状に周期的にかつゼロ点を通りながら変化し、それらのゼロ点で回路切断または「ブレーク」が行われることがあるためである。 アーク放電、パドリング及び溶着の作用は、完全にこれらをなくすことはできないかもしれないが、適切な設計概念によって少なくすることは可能である。 アーク放電、パドリングまたは溶着に付随する問題を解消あるいは軽減する1つの方法は、接点間の接続を断ちたいとき、あるいは分離(「ブレーク」)したいとき、そのブレーク動作期間中に相当大きな力を加えることである。 このように力を加えて接点ブレークを行うやり方は、当技術分野においては「衝撃ブレーク」法として知られている。 本発明は、この「衝撃ブレーク」を行なうのに、接点ブレーク前のアーマチュアシャフトの運動を利用するものである。

    「衝撃ブレーク」法を用いた直流接触器型のリレーには、多様なものがある。 本発明で用いる方法においては、可動アーマチュアの運動エネルギーを利用して、リレー装置の可動接点と固定接点との間の接続を「ブレーク」するのに必要な物理的力を得る。 これは、接点間の接続を切り離し、接点間に溶着があればそれを破壊するような急激な衝撃力を用いて達成される。

    本発明は、新規でかつ改良された「直線」衝撃ブレークリレーである。 コイルの励磁及びその後の磁場の発生と同時に、アーマチュアとプランジャは、リレーの固定接点へ向かうような方向(直線方向)に駆動される。 駆動力は、通常、固定子/アーマチュアアセンブリを結合する磁束により与えられ、それらの合力はアーマチュアを固定子の方へ移動させ、これによってアーマチュアに取り付けられたプランジャが起動される。 アーマチュアまたはプランジャは、導体または可動接点を、導体または可動接点が1つまたは2つ以上の固定接点と接触してリレーにより開閉される電気回路を閉じるまで、通常、
    アーマチュアまたはプランジャ自身の運動方向と同じ(直線)方向に駆動する。 この接点「メーク」と同時に、閉回路が形成され、動作状態となる。

    コイルが励磁解除されると、アーマチュアまたはプランジャは、通常、中立点から偏倚させたばねによって上記と反対方向に駆動され、これによってアーマチュアまたはプランジャにより駆動される可動接点を固定接点から離間させることによって、接点間の接続を「ブレーク」し、電気回路を開く。

    元の位置に復帰中のアーマチュアの力は、接点の「衝撃ブレーク」がアーマチュアの運動方向とそろった直線方向の力によって行われるように、接点に向けて直線方向に加えられる。

    本発明の概要 本発明は、直線「衝撃ブレーク」法を用いて接点ブレークを行う直流接触器型のリレー装置を提供するものである。 本発明のリレー装置は、コイルが励磁解除された開接点位置においては、ばねエレメントを用いてアーマチュアまたはプランジャがこれに取り付けられた可動接点を駆動して、固定接点に接触させるのを防止する。 アーマチュアの一端部には、リレー構造のコア部のベースに配置されたプランジャが固着されている。 キックオフばねを用いて、プランジャ及びアーマチュアを開接点状態に保つための偏倚力を得る。 アーマチュアはシャフトから成り、シャフトには、アーマチュアまたはプランジャアセンブリの他のすべてのコンポーネントが取り付けられている。 コアベースと反対側のアーマチュアシャフト端部には、アーマチュアシャフトの周りに回転可能な可動接点ディスクが取り付けられている。 可動接点ディスクは円形で、2つの固定接点と接触して、これらの接点により開閉される電気回路を形成することができる。
    アーマチュアシャフトの周りには、オーバートラベルばねが移動可能に取り付けられており、このばねは、アーマチュアシャフトの適切な位置に回転可能に取り付けられたストップワッシャと、やはり可動接点ディスクに固定可能に結合されたディスクワッシャアセンブリとの間に配置されている。

    可動接点ディスク及びこれに付属するワッシャもアーマチュアシャフトの周りに回転可能である。 ストップワッシャと可動接点ディスク/ディスクワッシャアセンブリとの間に配置されたオーバートラベルばねは、圧縮すると自由に回転する。

    リレーのコイルが励磁されると、コアのベース領域に配置されたプランジャは、キックオフばねの力に抗してコアセンター内に「引っ張られ」、これによってアーマチュアシャフトを駆動して、可動接点ディスクを固定接点と接触させる。 接点が最初に互いに接触した後においても、アーマチュア及びプランジャは、リレーコア領域内のコアセンター近辺の最終目標位置に達するまで固定接点の方へ移動し続ける。 従って、本発明のアーマチュア及びプランジャは可動接点ディスクより大きい運動の場を有する。 このように、アーマチュア及びプランジャが、可動接点ディスクが固定接触子と接触した後、アーマチュアシャフトと共に移動し続けると、オーバートラベルばねが圧縮される。 さらにオーバートラベルばねを圧縮することによって、アーマチュアシャフト及びその端部は、固定接点により拘束された状態にある可動接点とは独立に移動し続ける。 オーバートラベルばねは、アーマチュアの移動が止まるまで圧縮され続ける。 コイルの励磁解除と同時に、アーマチュア及びプランジャはコア領域から押し出され、元の位置へ戻る。 キックオフばね及びオーバートラベルばねは、アーマチュア及びプランジャをコアベースへ引き戻すための偏倚力を作用させる。 また、オーバートラベルばねは、十分に伸ばすことができ、これによりアーマチュアシャフトの端部を可動接点ディスクに強い力で衝突するまで可動接点ディスクの方へ引っ張って、十分な「衝撃ブレーク」力を与え、
    接点の接続をブレークするとともに、接点間に溶着がある場合はそれらの溶着を破壊する。

    本発明のリレーは、真空チェンバ内に収容されるとともに、さらに、先端部に、可動接点ディスクとぴったり合わさる、あるいぱぴったり接続されるよう設計された平坦な部分を有する球面状の固定接点を用いることによって、アーク放電、パドリング及び溶着を少なくするのに役立ついくつかの特徴を有する。 可動接点ディスクの直径は、固定接点の球面の性質と共に、両者間のわずかな間隔で対向する部分の断面積ができるだけ小さくなるような特定の直径が選ばれ、これによってもアーク放電をさらに減少させ、プラズマ圧力を散失させることができる。 可動接点ディスクは、固定接点との接触点を平坦にすべきである。 さらに、固定接点は、溶融やパドリングに対する耐性を有する、より高強度の金属で形成される。 固定接点の内側には、プラズマ及び/またはイオン化粒子の形成を阻止し、アーク放電を消すために、永久磁石が設けられる。

    前述したように、アーク放電、パドリング、及び溶着は、接点の「メーク」及び「ブレーク」に依存するリレーにおいては、一般に起こりがちな現象である。 このような現象は、可動接点ディスクにクレータを生じさせ、
    これが同じ部分に経時的に繰り返されると、ディスクの劣化につながり、あるいはディスクの完全なバーンスルー、すなわちディスクに焼損による貫通孔が生じる欠陥に至ることがある。

    本発明は、アーク放電が可動接点ディスク表面上の異なる位置で発生し、ディスク表面の同じ場所で何回も繰り返されることがないように可動接点ディスクを回転させることによって、このクレータ形成の問題を著しく軽減したものである。 そのために、本発明においては、圧縮と同時に回転させられるオーバートラベルばねの回転によって回転する可動接点ディスクが設けられる。 このような回転は、一様でなく、不規則であるかも知れないが、その総合的効果としては、経時的にディスクを回転させて、アーク放電や溶着によって生じるクレータを可動接点ディスクの表面に沿って均等に分布させる。

    さらに、本発明のリレーは、アーマチュアアセンブリを含むすべての可動部を真空環境中に置く。 この非常に重要な特徴は、直線衝撃ブレークリレーのすべての可動部と真空中に置くものであり、真空外の可動部と真空中の可動部とを相互に接続する従来技術のベローズのような結合の弱い境界部品の使用を回避することができる。

    従って、本発明の目的は、電気回路に対して接点を開閉するための直線「衝撃ブレーク」式直流接触器型リレーにおいて、逐次起動の都度回転する可動接点ディスクを用い、可動接点ディスク上で発生するアーク放電、クレータ形成、または溶融のような現象の致命的作用を均等に分布させるようにしたリレーを提供することにある。

    本発明のもう一つの目的は、アーク放電の作用及びその影響を排除または軽減するよう、その接点の設計に関して最適の設計幾何学及び特性を用いた直線「衝撃ブレーク」式直流接触器型リレーを提供することにある。

    本発明のもう一つの目的は、固定接点の内側に永久磁石を設けて、アーク放電の発生を少なくするようにした直線「衝撃ブレーク」式直流接触器型リレー装置を提供することにある。

    本発明のもう一つの目的は、すべての可動部を真空中に置いた直線「衝撃ブレーク」式触流接触器型リレー装置を提供することにある。

    本発明のこれらの及び他の目的及び利点は以下の図面との関連で示される以下の本発明の好適な実施態様の説明により明らかになるであろう。

    図面の簡単な説明 図1は、開接点位置における本発明のリレー装置の側面図及び上面図である。

    図2は、リレーコイルの励磁直前の開接点位置における本発明のリレーの詳細な側面図である。

    図3は、アーマチュアが最終的にコアセンターに休止する前の初期接点メーク状態(中間接触状態)における本発明のリレーを示す。

    図4は、最終接点「メーク」位置、すなわち閉接点位置における本発明のリレーを示す。

    図5乃至7は、接点ブレークを行う際に、コイルの励磁解除に続いて本発明のリレー装置に逐次起こる一連の状態を示す。

    図8は、可動接点ディスク及びその表面のクレータの上面図で、アーク放電及びその影響によって生じるクレータがディスク表面に円形状に示されている。

    図9は、オーバートラベルばねが可動接点ディスクを回転させる機構を示す。

    図10は、オーバートラベルばねを圧縮する際これに作用する分力を示す説明図である。

    図11は、アーク放電を減少させるための固定接点及び可動接点の最適設計及び形状を示すための幾何学的設計の側面図である。

    図12A、12B及び12Cは、可動接点ディスクと固定接点との間の接点接続を行うのに可能な代替設計をそれぞれ示す。

    図13A及び13Bは、固定接点の内キャビティに設けた永久磁石を使用して固定接点と可動接点ディスクとの間に発生するアーク放電を消し、あるいは最小にする作用をそれぞれ示す。

    好適な実施態様の詳細な説明 図1は、本発明のリレー装置の側面図及び上面図を示す。 図1に全体を符号1によって示すリレー装置は、ベース領域またはコアアセンブリ2、及び以下に説明するリレーの他の構成成分を収容するガラスまたはセラミック構造3よりなる。

    本発明のリレー1は、排気することによって構造3内部が真空チェンバ16を形成する。 コアアセンブリ2は、
    さらに、コアセンター4、コアベース上部5、コア外壁6及びコアベース底部7よりなり、これらはすべて強磁性物質で形成されている。

    ベースのコアセンター4の周りには、コアセンター4、コアベース上部5、コア外壁6及びコアベース底部7によって形成される中空キャビティ40中にコイル26が巻装されている。 コイル26は、好ましくは、12〜18ワットの電力容量を有する。 コアセンター4内には、中空円筒状のアーマチュア移動キャビティ13が軸方向に形成されており、これを貫通してアーマチュアアセンブリ8が設けられている。 アーマチュアアセンブリ8は、アーマチュア移動キャビティ13を貫通して真空チェンバ(vacu
    um chamber)16内部に延びるアーマチュアシャフト(a
    rmature shaft)10を有する。 アーマチュアシャフト10
    の一端部には、プランジャ9が固着されている。 アーマチュアシャフト10のプランジャ9の反対側の端部には、
    アーマチュアシャフト10の直径より大きい直径を有する端部部材11が固定されている。

    プランジャ9とコアセンター4の間にはギャップ12が設けられている。 ギャップ12は、以下に説明するように、プランジャ9がリレー1の起動時に動くためのスペースになっている。 アーマチュアシャフト10は、アーマチュア移動キャビティ13内を移動する。 アーマチュア移動キャビティ13内には、コイルばねよりなるキックオフばね14が設けられ、プランジャ9側のその端部はクリップ15によってアーマチュアシャフト10に固定されている。 キックオフばね14のもう一方の端部は、図2に示すように、アーマチュア移動キャビティ13の内部においてブッシング17によりベースのコアセンター4に固定されている。 アーマチュアシャフト10の周りには、オーバートラベルばね18が設けられ、ばね18は、図2に示す位置にクリップ19Aによってアーマチュアシャフト10に回転可能に永久取り付けされたストップワッシュ19と可動接点ディスクワッシャ20の間に配置されている。 オーバートラベルのばね18もコイルばねである。 ストップワッシャ19及び可動接点ディスクワッシャ20は、アーマチュアシャフト10の周りに自由に回転可能である。 可動接点ディスク21及びそのワッシャ20は、どちらもアーマチュアシャフト10の周りに自由に回転可能であり、自由に動くことができる。 さらに、可動接点ディスク21及びそのワッシャ20は、アーマチュアシャフト10に沿って端部部材
    11とストップワッシャ19との間を移動可能であり、この運動はオーバートラベルばね18によってのみ規制される。 ストップワッシャ19及び可動接点ディスクワッシャ
    20は、どちらも、アーマチュアシャフト10の周りに回転することができるように上記シャフト10に緩く嵌合されている。 オーバートラベルばね18は、遊動自在であり、
    ストップワッシャ19及び可動接点ディスクワッシャ20のどちらにも永久取り付けされていない。 従って、以下に説明するように、オーバートラベルばね18は、圧縮されるとき、アーマチュアシャフト10の周りに自由に回転することができる。 さらに、ある瞬間、上述の構造に生じる固有の摩擦に応じて、オーバートラベルばね18は、可動接点ディスクワッシャ20及び可動接点ディスク21またはストップワッシャ19を回転させる。

    図2に示すチェンバ16の上端部(図の左側)には、固定接点22が配置されており、この固定接点は中空円筒状をなして、その内部には永久磁石30が設けられている。
    以下に説明するように、固定接点22及び可動接点ディスク21は、アーク放電を減少させるとともに、プラズマ圧力及びこれらに伴うパドリングや溶着のような効果を減少するために特別に採用された特殊な設計になっている。 固定接点22の内部に置かれる永久磁石30は、好ましくは、円筒形の小さい希土類型の磁石を用いる。

    本発明のリレー装置においては、真空チェンバ16内部の可動部はもとより、プランジャ9、アーマチュアシャフト10、初期状態においてプランジャ9とコアセンター4との間に存在するギャップ12、アーマチュア移動キャビティ13、キックオフばね14、クリップ15、及びブッシング17を含むアーマチュアアセンブリ8はすべて真空中に置かれている。 この非常に重要な特徴によれば、直線衝撃ブレークリレーのすべての可動部を真空中に置くことができ、真空外の可動部と真空中の可動部とを相互に接続する従来技術のベローズのような結合の弱い境界部品の使用を回避することができる。

    前述したように、図2は、可動接点21が固定接点22と接触していない開成回路または接点ブレーク状態を示す。 したがって、開回路状態が存在する。

    ここでは、リレー装置1の動作を図2乃至7を参照しつつ説明する。 図2において、コイル26が通電によって励磁されると、矢印50で示す方向の磁場27が形成される。 磁場27は、プランジャ9にキックオフばね14の偏倚力に打ち勝ってギャップ12を閉じさせる方向に作用し、
    上記プランジャ9をコアセンター4の方へ移動させ始める。 プランジャ9がこのように移動すると、キックオフばね14は、一端部がアーマチュアシャフト10に結合され、他端部がブッシング17に結合されているため、圧縮される。 従って、アーマチュアシャフト10は、これに固着されたプランジャ9によって駆動されて、さらに真空チェンバ16内へ移動する。 アーマチュアシャフト10の移動は、可動接点ディスク21が、図3に示すように、固定接点22に接触する(接点「メーク」]際にも続けられる。その後、プランシャ9及びアーマチュアシャフト10
    は、最初にプランジャ9とコアセンター4との間にあったギャップ12が完全に閉じられるまで固定接点22の方へ移動し続ける。 このプランジャ9/アーマチュアシャフト
    10の移動が続く間、可動接点ディスク21は固定接点22に接触した状態に保たれる。 従って、オーバートラベルばね18は、アーマチュアシャフト10が移動し続ける間、ストップワッシャ19と可動接点ディスクワッシャ20との間で圧縮されて、接点間の接触を維持する一方、固定接点
    22及び可動接点ディスク21に対する損傷を防止する。 オーバートラベルばね18が圧縮され続けると、アーマチュアシャフト10の端部に取り付けられた端部部材11は可動接点ディスク21から離れて図3に示すように、固定接点
    22の間の真空チェンバ16の開放空間中に伸び入る。 プランジャ9が、図4に示すように、コアセンター4との間のギャップ12を完全に閉じると、キックオフばね14及びオーバートラベルばね18は圧縮される。 それゆえに、コイル26が励磁されると、上に述べたように、キックオフばね14及びオーバートラベルばね18が圧縮して接点「メーク」状態を達成するのに十分な大きさの電磁力が発生する。

    次に、図5乃至7を参照して、本発明のリレー装置の動作を、接点切り離し、または接点「ブレーク」を行う場合について説明する。 コイル26が励磁解除されると、
    図5に示すように、磁束場27が衰微し、プランジャ9に作用する磁場がなくなる。 磁束場27が存在しないと、プランジャ9及びアーマチュアシャフト10は、キックオフばね14及びオーバートラベルばね18の偏倚力に屈して、
    図示のように、上記と反対の方向、すなわち真空チェンバ16及び固定接点22から遠ざかる方向に移動し始める。
    従って、プランジャ9は、コアセンター4から離れる方向に移動し、これによってプランジャ9とコアセンター4との間にギャップ12が再び形成される。 その結果、キックオフばね14が急速に伸びることによって、アーマチュアシャフト10及びプランジャ9を上記方向に押しやる。 このようにアーマチュアシャフト10が移動し続けるとき、オーバートラベルばね18は、急速に伸びて、アーマチュアシャフト10の端部に取り付けられた端部部材11
    を可動接点ディスク21に向けて十分な力で引き寄せ、強制的にこれに接触させる。 可動接点ディスク21に対するアーマチュアシャフト10の相対運動によって、端部部材
    11は可動接点ディスク21に強い力で強制的に衝突させられ、これによって図6に示すようなディスク21と固定接点22と接触が「ブレーク」される。 この動作は、これらの接点を切り離すとともに、接点間に溶着があれば、破壊する。 このように、可動接点ディスク21への端部部材
    11の衝突は、アーマチュアシャフト10の移動方向と同じ直線方向の「衝撃ブレーク」効果を生じさせる。 アーマチュアシャフト10及びプランジャ9は、図7に示すように、プランジャ9がリレーのコアアセンブリ2中の移動端に達して、リレー装置1がその開接点位置となるまで移動し続ける。

    前に説明したように、アーク放電、パドリング及び溶着は、本発明の直流接触器型リレーのような直流リレーにおいては大きな問題である。 上に述べたように、可動接点ディスク21及び固定接点22は、本発明のリレーがほとんど常にその中で用いられることが多い「活線開閉」
    環境中で「メーク」または「ブレーク」されると、パドリングや溶着の原因となるアーク放電が発生する。 その結果、接点、特に可動接点ディスク21の表面にクレータが生じることがある。 これらのクレータは、電気的接続(接点「メーク」)を不十分にし、可動接点ディスク21
    の同じ部分で何度も発生するままにしておくと、接点劣化につながり、あるいは全面的な接点バーンスルーにより可動接点ディスク21に穴が生じることもある。

    本発明は、可動接点ディスク21の表面の同じ部分がいつも固定接点22に接触するのを効果的に防止するようにアーマチュアシャフト10の周りに回転する可動接点ディスク21を設けることによって、アーク放電、パドリング及び溶着の効果を減少しようとするものである。 そのような構成のための好ましい実施態様について、以下説明する。

    可動接点ディスク2の表面上のクレータ形成については、図8に示されている。 本発明の好適な実施態様において、可動接点ディスク21の直径は、好ましくは1.125
    インチである。 固定接点22の接触面を好ましくは、0.07
    5インチとすると(この値の選択については以下により詳細に説明する)、可動接点ディスク21の中心の周りに直径1.000インチとなるように設計により選択された円周方向に対称状の部分に沿って、可動接点ディスク21の表面上に0.050乃至0.100インチの範囲の直径を有するクレータが形成される。 後述するように、固定接点22の表面は、好ましくは互いに1.000インチ離間させる。 これらのクレータは、本発明の可動接点ディスク21を用いることによって、同じ点に繰り返し発生するのを防ぐことができ、これによって「メーク」に電気的接触が不十分になったり、より重大な場合には完全な接点バーンスルーに至ったりするのを防止することが可能である。 これらのクレータは、可動接点ディスク21が1回転する間に互いに重なることもある。 可動接点ディスク21の直径が
    1.125インチで、クレータ円の直径が1.000インチの場合、クレータ円の円周は約3.000インチである。 その結果、可動接点ディスク21の接触面上には、多少なりとも互いに重なる40もの完全なクレータが形成され得る。 アーク放電は、回転する可動接点ディスク21を用いることによって、可動接点ディスク21上の同じ点では発生しなくなり、従って、可動接点ディスク21の使用寿命をより長くすることが達成できる。

    次に、図9を参照しつつ可動接点ディスク21を回転させる機構についてさらに詳細に説明する。 図9には、アーマチュアシャフト10、及びその可動接点ディスク21に近い側の端部に固着された端部部材11が示されている。
    可動接点ディスクワッシャ20は、可動接点ディスク21に接しているが、これに固定されていない。 ストップワッシャ19も、アーマチュアシャフト10の所定位置に取り付けられており、シャフト10の周りに自由に回転可能である。 オーバートラベルばね18は、図9に示すように、アーマチュアシャフト10の周りに、そしてストップワッシャ19と可動接点ディスクワッシャ20との間に配置されている。 上に述べたように、可動接点ディスク21及び可動接点ディスクワッシャ20は互いに固定的に連結されていなくて、どちらもアーマチュアシャフト10に沿って自由に移動可能であり、かつシャフト10の周りに自由に回転可能である。 ストップワッシャ19は、クリップ19Aによってアーマチュアシャフト10の所定位置に取り付けられ、やはりアーマチュアシャフト10の周りに自由に回転可能である。 オーバートラベルばね18は、遊動自在のコイルばねであり、ストップワッシャ19にも可動接点ディスクワッシャ20にも全く結合されていない。 従って、オーバートラベルばね18は、2つのワッシャ19と20の間でアーマチュアシャフト10の周りに自由に回転することができる。

    オーバートラベルばね18として用いたようなコイルばねは、ばね自体が圧縮されるにつれて、端部が回転する性質がある。 このばね回転の現象は図10中の力の作用図を用いて説明することができる。 図10には、オーバートラベルばね18の上端の部分が示されている。 ここで、可動接点ディスク21から加えられる下向きの力Fは、オーバートラベルばね18の上端に一様に加えられる。 可動接点ディスク21からのこの力Fは、ばね18を強制的に圧縮する。 このようにばねを圧縮する際、オーバートラベルばね18の端部38に近いコイル部分40は、図10にf方向の矢印で示すように、コイル部分40の方向の力fを生じる。

    図10中の力の作用図に示すように、オーバートラベルばね18上の力fは、垂直なfy成分と平なfx成分に分解される。 その結果、オーバートラベルばね18のコイル部分40及び、ひいては、オーバートラベルばね18自体に水平力fxが作用し、この水平力が、オーバートラベルばね
    18が圧縮されるたびに、オーバートラベルばね18をアーマチュアシャフト10の周りに回転させようとする。

    図9の実施例においては、可動接点ディスク21と付随のディスクワッシャ20及びストップワッシャ19は、すべてアーマチュアシャフト10の周りにどちらの向きにも回転することができる。 従って、このばねは、圧縮されるたびに水平方向に回転することができ、可動接点ディスクワッシャ20を介して可動接点ディスク21を回転させるか、またはストップワッシャ19を回転させる。 ワッシャ
    19または20のどちらがオーバートラベルばね18によって回転させられるかは、各圧縮時の摩擦の性質及び発生の様子によって決まる。 オーバートラベルばね18が可動接点ディスクワッシャ20を回転させると、可動接点ディスク21が回転する。 これに対して、ストップワッシャ19が回転すると、可動接点ディスク21は回転しないことがある。

    ワッシャ19または20のどちらがオーバートラベルばね
    18によって回転させられるかは不確定であるから、可動接点ディスク21の回転は、一様でもなければ、安定したものでもなく、オーバートラベルばね18の回転が不安定なために、むしろ不規則である。 オーバートラベルばね
    18の回転は常にディスクワッシャ20に作用を及ぼす訳ではなく、ストップワッシャ19に対しても作用するということ、またアーマチュアシャフト10自体がどちらの方向にも独立に回転するということも、可動接点ディスク21
    の回転に影響を及ぼすと思われる。 また、ディスクの不規則な回転は、ワッシャ20及び19が各々の位置でスリップすることや、アーマチュアシャフト10が両方向に回転することが可能であること、さらには、これにワッシャのスリップの効果が加わる場合もあることなどの結果として生じる。

    このような可動接点ディスク21の回転は、不規則で、
    一様ではないが、経時的に平均化すると有用な回転となる。 ばね圧縮500〜5000回またはサイクル毎に可動接点ディスク21を1回転させることができるということが確認されている。

    また、ばね圧縮約50,000回または50,000サイクル後に、可動接点ディスク21の回転は、それ自体が平均化されて、可動接点ディスク21の表面上に形成されるクレータリングは、可動接点ディスク21の接触面部全体にわたって均等に分布するようになるということも確認されている。 その結果、より良好な電気的接触が確保されるとともに、リレーの寿命を伸ばすことができる。

    回転する可動接点ディスク21を利用することに加えて、本発明のリレー1は、さらにアーク放電を減少させ、プラズマ圧力及びそれらの劣化作用を減少する設計面の改良を利用するものである。 これらの設計面の改良としては、固定接点22として先端部に平坦な部分を有する球形シェル状の端部が形成された導体を使用すること、接点表面の溶融が少なく、従ってプラズマ生成を少なくすることができるタングステンまたはモリブデンのような硬質の金属で形成された固定接点22を用いること、わずかな距離だけしか離間していない接点表面部分を小さくするような長さ及び形状を有する可動接点ディスク21を用いること、固定接点と可動接点の間に生じ得るアーク柱を消弧するために、固定接点22の内部に設けた永久磁石30を利用すること、がある。

    図11は、固定接点22及び可動接点ディスク21の好適な構造を側方から見た図である。 これらの接点は、リレー1の真空チェンバ16内における開接点状態または接点「ブレーク」状態として示されている。 固定接点22は、
    端部の形状を好ましくは球形とし、好適な実施態様の場合、直径が0.420インチ、端部の半径Rが0.210インチとなるように設計される。 固定接点22は、図11に示すように、先端部の平坦な部分Aで可動接点ディスク21と接触する。 固定接点22の先端部の接触位置に平坦部分Aを設けるとともに、この部分における可動接点ディスク21の表面を平坦にすることによって、平坦な表面接触部を確保することができる。 その結果、「メーク」時の接点接続を改善することができ、従って、「メーク」及び「ブレーク」時に発生するアーク放電をより小さくすることができる。 固定接点22の先端部の平坦部分Aは、直径0.
    050インチ以上、0.100インチ以下とすべきである。 この実施例の場合、先端部の平坦部分Aは、直径0.075インチとすることが好ましい。 それは、表面接触部の面積が小さ過ぎると、接点は電気的接続操作を正しく行うことができないことがあるということに留意すべきであろう。 しかしながら、接触面が大き過ぎると、固定接点22
    と可動接点ディスク21の幾何学的特徴が2枚の平らなプレートの特徴と極めて近似し、そのために、接点間により多くのアーク放電が発生し易く、消弧しにくくなる場合がある。

    2つの固定接点22の先端部の平坦部分Aの中心は、互いに1.000インチ離間させることが好ましい。 このことは、可動接点ディスク21上には、直径1.000インチの円形状にクレータが生じる理由の説明ともなる。 前に述べたように、本発明においては、真空チェンバ16を用いるにもかかわらず、接点21と22の間の「活線開閉」から接点プラズマが生じる。 接触面積をより大きくすることによって、接点間のギャップ中にはより多くのプラズマを形成することができ、このようなプラズマは、これより生じるアーク放電、パドリング及び溶着から前述のような損傷が発生する前に消散させることがより困難になる。 従って、可能な限り(すなわち十分な大きさの接触面を確保しつつ)接点間でわずかな距離だけしか離間していない対向する接点表面部分の面積を小さくして、
    「活線開閉」時のプラズマ及びプラズマ圧力の消散を可能にすることが好ましい。

    固定接点22の球形端部の半径Rは、最大のプラズマ消散効果が得られるように、固定接点22の全半径とすべきである。 この端部の半径より小さい半径(すなわち、本発明以外の場合は、矩形または円筒形の固定接点の隅部をわずかに丸める)では、平坦な可動接点ディスク21
    と並行な平端面部が過大になり、一方、端部の半径をより小さくすると、固定接点の端部は、曲率がほんのわずかな場合もあるので、平坦なプレート接点に近くなる。

    接点21と22のわずかな距離しか離間していない対向部分の面積を小さくするためには、可動接点ディスク21について、やはり図11に示すような特別な設計上の考慮が払われている。 図示のように、可動接点ディスク21は、
    0.050インチの厚さで、かつ断面端部の半径rが0.025インチであり、これによっても対向状の平坦な接点表面が最小限になる。

    可動接点ディスク21が可能接点22の先端部の平坦部分Aと重なり合う距離も重要である。 図12において、可動接点ディスク21の平坦な表面と固定接点22の先端部の平坦部分Aとが重なる距離Xは、図12Aに示すように、可動接点が平坦部分Aとかろうじて最小限に重なる状態と、図12Bに示すように、可動接点の全厚部分の端部からちょうど平坦部分Aの長さの部分が重なる状態との間の距離でなければならない。

    図12Aの構造は、適切な場合もあるが、可動接点ディスク21の全直径厚さ部分の端部からちょうど固定接点22
    の端部の平坦部分Aの長さに等しい部分が平坦部分Aと重なる図12Bの構造で得られるような最適の結果は得られない。 図12Aの構造では図12Bの構造と同様の最適結果を得ることができない理由は、図12Aの場合は、固定接点22の端部の平坦部分Aが可動接点ディスク21の表面と完全には接触しないからである。 むしろ、アーク放電やこれに付随する作用を誘起するようなギャップまたは空間が形成される。 図12Cの構造は、可動接点ディスク21
    の過大な部分が固定接点22の端部の平坦部分Aを越えて外側に延びているので、最適ではない。 この図12Cの構造は、固定接点と可動接点の表面が互いに接触していないこれらの接点間の図12Cの右側の空間でアーク放電が起こり、プラズマ消散効果はより低くなる。

    本発明においてアーク放電及び溶着をさらに減少させるためには、固定接点22を、硬質金属であり、従って「活線開閉」時にパドリングや溶融を起こしにくいタングステンやモリブデンのような金属で形成することが好ましい。 こうすることによって、プラズマ生成が少なくなり、従って、アーク放電も減少する。

    次に、図13Aに示す固定接点22及び可動接点ディスク2
    1によって、本発明のもう一つの特徴を説明する。

    リレー設計の技術分野において周知のように、リレー接点にある程度近接させて永久磁石を配置すると、接点の周囲の環境が乱されるため、アーク放電を消し、従って、その劣化作用を減少するのに役立つ。 本発明におけるこれらの磁石は、大きい単位容積電界強度を発生する希土類型のできるだけ小形の磁石とすることが望ましい。 本発明において、磁石は、アーク崩壊用の強い磁束がアーク放電が発生する場所のすぐ近くに生じるように、円筒状の固定接点22の中に配置される。 また、永久磁石30は、完全に固定接点22の内部に置くことによって、アーク放電による損傷から十分保護することができる。

    図13Aには、固定接点22の中の永久磁石30の配置が示されている。 永久磁石30は、その磁極の1つが固定接点
    22の端部の平坦部分Aの近傍に来るように垂直方向に配向されている。 永久磁石30を適切に配置すると、磁石の周辺に磁場が発生し、さらに接点21と22との間の領域中に延びる。 発生する磁力線はなるべく可動接点ディスク
    21に平行、従って、起こり得るアークに対して垂直であることが最適であるが、そのような設計では、図13Bに示すように、永久磁石30内で固定接点22を水平配置することが必要になる。 しかしながら、この配置は、固定接点22内の磁石の取り付け場所が、磁石30を、図13Bに示すように、水平に配置することができなければ、物理的に不可能な場合もある。 磁石30を図13Aに示すように適切に配置すると、すべての磁力線が可動接点ディスク21
    に平行、あるいは潜在的アークに対して垂直にならなくとも、アーク放電をある程度消すことが可能である。 ここで最も重要なのは、リレーの物理的寸法及び用いる永久磁石30の特性に応じて磁石30を図13Aに示すように配置すると、可動接点ディスク21と平行で、潜在的アーク放電に対して垂直な十分な磁束が得られない場合、アーク放電が強められる場合もあるということである。 従って、図13Aの設計は、それほど好ましくはないが、いくつかの場合には用途があるため、本願の一部として組み入れてある。

    上に述べたように、図13Bには、固定接点22内の永久磁石30を最高度に利用する実施態様が示されている。 図
    13Bにおいては、磁石30は、その磁極の両方共が固定接点22の最も近い側壁に近接して置かれるよう、水平方向に配置されている。 この構成においては、より多くの磁束線が可動接点ディスク21と平行になり、従って、潜在的なアークに対して垂直に通る。 そのため、図13Bの構成における潜在的なアーク放電は、いっそう効果的に消弧される。 従って、物理的寸法上の制約が許すならば、
    図13Bの構成が望ましい。

    以上、本発明をその好適な実施態様により詳細に説明したが、上記の説明は、単に本発明の例示説明のためのものであり、本発明に対し何ら制限的な意味を有するものではないということは理解できよう。 従って、本発明は、本発明により教示される原理の範囲及び精神に包括されるあらゆる修正、変更あるいは変形を含むものとする。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 キューティン,リチァド、エル アメリカ合衆国キャリフォーニア州キャ マリロ、ウエンデル・ストリート 2924 番 (72)発明者 マック,パトリック、エイ アメリカ合衆国キャリフォーニア州カー ピンテリア、ダーリア・コート・#47 1300番 (56)参考文献 特開 昭53−50461(JP,A) 実開 昭61−62327(JP,U) 特公 昭49−38910(JP,B1) 実公 昭41−17945(JP,Y1) 実公 昭43−12322(JP,Y1) 実公 昭63−26906(JP,Y2)

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