高い機械的衝撃抵抗を有するパワーコンタクタ

申请号 JP2017124944 申请日 2017-06-27 公开(公告)号 JP2018010866A 公开(公告)日 2018-01-18
申请人 ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク; TE Connectivity Germany GmbH; 发明人 コッホ,ハリー; クレッカー,マティアス;
摘要 【課題】電気自動車においては、衝突の発生時、電気系統から主電池を切断しなければならないが、どのような形の衝突についても確実に切断するパワーコンタクトを提供する。 【解決手段】このパワーコンタクタ1は、2つのスイッチ 位置 を有する少なくとも1つのスイッチ要素15と、少なくとも1つのスイッチ要素を少なくとも開位置から閉位置へ切り替えることのできる電磁駆動ユニット13と、少なくとも閉位置で、開位置に向かってスイッチ要素にリセットモーメントを及ぼす少なくとも1つのリセット要素49とを含み、スイッチ要素が回転アーマチュア17として構成されることにより衝撃抵抗を大幅に高める。 【選択図】図1
权利要求

電気自動車の高電圧および/または高電流を切り替えるためのパワーコンタクタ(1)であって、 少なくとも1つのスイッチ要素(15)と、 前記少なくとも1つのスイッチ要素(15)を少なくとも開位置(3)から閉位置(79)へ切り替えることのできる電磁駆動ユニット(13)と、 少なくとも前記閉位置(79)で、前記開位置(3)に向かって前記スイッチ要素(15)にリセット(99)を及ぼす少なくとも1つのリセット要素(49)とを含み、 前記スイッチ要素(15)は回転アーマチュア(17)として構成されている、 ことを特徴とするパワーコンタクタ(1)。回転アーマチュア(17)がその周りで回転可能に支承される回転軸(19)が、前記回転アーマチュア(17)を通って、好ましくはその重心(75)を通って延びていることを特徴とする、 請求項1に記載のパワーコンタクタ(1)。ヨーク(5)が2つのヨーク脚部(7)を備え、 前記回転アーマチュア(17)は、前記ヨーク脚部(7)の端部部分(11)に配置された2つの対向する極面(27)間に位置していることを特徴とする、 請求項1または2に記載のパワーコンタクタ(1)。前記回転軸(19)は、前記2つの極面(27)間の空隙(25)の領域で前記回転アーマチュア(17)に交差していることを特徴とする、 請求項3に記載のパワーコンタクタ(1)。前記回転アーマチュア(17)は、 少なくとも1つの永久磁石(31)と、 少なくとも1つのアーマチュア板(33)と、を含むことを特徴とする、 請求項1から4のいずれか一項に記載のパワーコンタクタ(1)。前記永久磁石(31)は、前記ヨーク(5)の前記空隙(25)内に実質的に配置されていることを特徴とする、 請求項5に記載のパワーコンタクタ(1)。前記回転アーマチュア(17)は、少なくとも2つの止め部(69)を有し、 前記回転アーマチュア(17)は、前記開位置(3)および前記閉位置(79)の両方で、少なくとも1つの止め部(69)で少なくとも1つのヨーク脚部(7)に当接することを特徴とする、 請求項3から6のいずれか一項に記載のパワーコンタクタ(1)。少なくとも1つのアーマチュア板(33)が、少なくとも部分的に前記空隙(25)を越えて少なくとも1つのヨーク脚部(7)に向かって延びていることを特徴とする、 請求項5から7のいずれか一項に記載のパワーコンタクタ(1)。スペーシング要素(29)が、前記ヨーク(5)と前記回転アーマチュア(17)との間に配置されていることを特徴とする、 請求項3から8のいずれか一項に記載のパワーコンタクタ(1)。前記回転アーマチュア(17)は、前記開位置の回転度(71)および前記閉位置の回転角度(83)に回転可能であり、 回転角度(101)が、前記少なくとも1つのアーマチュア板(33)と前記2つの極面(27)間の最短直線接続線との間の角度に対応し、前記開位置の回転角度(71)は前記閉位置の回転角度(83)よりも大きいことを特徴とする、 請求項5から9のいずれか一項に記載のパワーコンタクタ(1)。前記開位置(3)と前記閉位置(79)との間の前記回転アーマチュア(17)の中間位置(109)、前記開位置(3)および前記中間位置(109)の前記回転角度(101)間における前記回転アーマチュア(17)の第1の角度領域(109a)、前記中間位置(109)および前記閉位置(79)の前記回転角度(101)間における前記回転アーマチュア(17)の第2の角度領域(109b)が設けられ、 前記リセット要素(49)は、少なくとも前記第2の角度領域(109b)で前記開位置(3)に向かって前記回転アーマチュア(17)にリセット力(99)を及ぼすことを特徴とする、 請求項10に記載のパワーコンタクタ(1)。前記開位置(3)に向けられたリセットモーメント(100)が、前記回転アーマチュア(17)の各回転位置(101)で前記回転アーマチュア(17)に作用することを特徴とする、 請求項11に記載のパワーコンタクタ(1)。前記回転アーマチュア(17)は、少なくとも1つのヒンジ軸(41)および少なくとも1つのコネクティングロッド(37、37a)を介してコンタクトブリッジ(45)にヒンジ連結されていることを特徴とする、 請求項1から12のいずれか一項に記載のパワーコンタクタ(1)。前記コンタクトブリッジ(45)は、少なくとも1つのリセット要素(49)を有し、 前記リセット要素(49)は、前記閉位置(79)で、前記開位置(3)に向かって前記回転アーマチュア(17)に作用するリセットモーメント(100)を発生させることを特徴とする、 請求項13に記載のパワーコンタクタ(1)。前記回転アーマチュア(17)に及ぼされる保持力(87a)が、少なくとも前記開位置(3)において、運動を伝達するように前記回転アーマチュア(17)に連結された運動要素(35)の重量の少なくとも100倍であることを特徴とする、 請求項1から14のいずれか一項に記載のパワーコンタクタ(1)。

说明书全文

本発明は、電気自動車の高電圧および/または高電流を切り替えるためのパワーコンタクタに関する。このパワーコンタクタは、少なくとも1つのスイッチ要素と、少なくとも1つのスイッチ要素を少なくとも開位置から閉位置へ切り替えることのできる電磁駆動ユニットと、少なくとも閉位置において、開位置に向かってスイッチ要素にリセットを及ぼす少なくとも1つのリセット要素と、を含む。

電気自動車の駆動電池(主電池とも呼ばれる)は数百から数千の個々のセルから構成され、主電池は数百ボルトの電圧を有するようになっている。主電池により供給される電流は、数百アンペアの電流を有することもできる。

電気自動車による事故の場合に、乗員または救助隊員が主電池からの電気的衝撃の危険に晒されないようにするために、いわゆる衝突前センサ、すなわち自動車の本体自体が変形する前に自動車のクランプルゾーンの圧縮を検出するセンサが、衝突の場合に電気系統から主電池を切断することが想定されている。

しかしながら、この点について、電気系統からの切断がどのような形の衝突についても確実に保証される必要がある。コンタクタは、衝撃を受けた場合に切替え状態を変化させるべきではない。

国際連合欧州経済委員会(UNECE)は、ECE−R100において、とりわけ単一衝撃に関して遵守すべき規則を記載している。

従来のソレノイドプランジャシステムでは、コンタクタが閉位置にあるときのみ28Gの必要な衝撃抵抗が得られる。閉位置に向かう衝撃により、コンタクタが開位置に切り替わる。したがって、先行技術の解決法は、互いに垂直に向き直列に接続された2つのコンタクタを使用して、少なくとも1つのコンタクタにより、確実に電気系統から主電池を安全に切断するようになっている。

したがって、本発明の1つの課題は、任意の空間方向への必要な衝撃抵抗を保証するパワーコンタクタを作ることである。

前述したタイプのパワーコンタクタは、スイッチ要素が回転アーマチュアとして構成される点においてこの課題を解決する。回転アーマチュアは、所定の方向に沿ってより直線的に動くことにより、この方向に沿った、またはこの方向と反対の質量慣性を有するのではなく、回転運動を及ぼすという利点を有する。

以下で、本発明によるパワーコンタクタの有利な構成についてそれぞれ個々に説明する。個々の構成の技術的特徴は、希望に応じて組み合わせることができ、かつ/または省略される技術的特徴により得られる技術的効果が重要でなければ、これを省略することができる。

前述したように、本発明によるパワーコンタクタは高電圧および/または高電流用に設計されている。高電流は数百アンペアの範囲の電流強度であると理解すべきであり、高電圧は数百ボルトであると理解すべきである。本発明によるパワーコンタクタを使用可能な電気自動車は、好ましくは、完全電動またはハイブリッド乗用車、電動スクータ、電動バス、または重量物運搬車である。

閉位置は、たとえば、パワーコンタクタが主電池と電気系統との電気接続を生じさせる、パワーコンタクタの位置であると理解すべきである。これに対して、開位置は、電気接続が切断された、パワーコンタクタの切換え状態を説明している。

事故の場合には、主電池からの電圧または電流による危険が乗員および/または救助隊員に及ばないようにするために、パワーコンタクタの開位置、すなわち、たとえば電気系統からの主電池の切断が、パワーコンタクタの所望の動作状態となる。

少なくとも1つのばね要素を、好ましくはリセット要素として使用することができる。しかしながら、互いに反発する2つの永久磁石をリセット要素として使用することも考えられる。閉位置において、リセット要素はリセットモーメントを回転アーマチュアに伝え、このリセットモーメントは回転アーマチュアの開位置に向けられる。以下、回転アーマチュアに作用する力に言及する場合、これらの力は回転アーマチュアの回転を生じさせることのできるトルクを発生させる。

本発明によるパワーコンタクタの1つの可能な構成において、回転アーマチュアがその周りで回転可能に支承される回転軸が、回転アーマチュアを通って、好ましくはその重心を通って延びている。これは、3つの空間方向の各々に沿った、または3つの空間方向からなる方向に沿った回転アーマチュアの加速度が、回転アーマチュアをその静止位置に残す、すなわち回転アーマチュアを直線的にも回転方向にも動かさないという利点を有する。

本発明によるパワーコンタクタのさらなる構成において、ヨークが少なくとも2つのヨーク脚部を備え、回転アーマチュアは、ヨーク脚部の端部部分に配置された2つの対向する極面間に位置している。ヨークは、電磁駆動ユニットにより発生する磁場を、回転アーマチュアにまたは回転アーマチュアを通して、的を絞って案内することができるという利点を有する。

本発明によるパワーコンタクタのさらなる構成において、回転軸は、空隙の領域で、特に2つの極面間の中心で回転アーマチュアに交差している。これが有利なのは、磁場電磁駆動ユニットにより発生する磁場が、一方では、回転アーマチュアに対称に作用し、すなわち回転アーマチュアに伝わるトルクが対称であり、他方では、回転アーマチュアが、最大限の(使用可能な)磁場強度の領域に少なくとも部分的に位置するからである。

パワーコンタクタのさらなる構成において、回転アーマチュアは、少なくとも1つの永久磁石と、少なくとも1つのアーマチュア板とを含む。永久磁石は、パワーコンタクタの電流が切られたときでも、回転アーマチュアの規定位置を可能にするという利点を有する。この位置合わせは、永久磁石と強磁性ヨークとの間の磁気引力によって行われる。

好ましくは、少なくとも1つのアーマチュア板が強磁性材料から作られ、一方では、多くの場合、非常に硬質であるため脆い永久磁石を衝撃から保護し、他方では、強磁性アーマチュア板を通して、永久磁石により発生する磁場を伝えるように機能する。

好ましくは、永久磁石を、互いに略平行に配置された2つのアーマチュア板によって少なくとも部分的に囲むことができる。アーマチュア板が、永久磁石を越えて少なくとも部分的に突出して、永久磁石が外部の機械的影響からある程度保護されるようになっていることも好ましい。

本発明によるパワーコンタクタのさらなる構成において、永久磁石は、ヨークの空隙内に実質的に配置されている。永久磁石の重心は、好ましくは回転アーマチュアの重心に対応して、永久磁石と回転アーマチュアが共にヨークの極面間の空隙に対称に配置されるようになっている。

さらに、この配置は、電磁駆動ユニットが最大の(使用可能な)磁場強度を発生させるパワーコンタクタの領域に永久磁石が位置するという利点を有する。

パワーコンタクタのさらなる構成において、回転アーマチュアが少なくとも2つの止め部を有し、回転アーマチュアは、開位置および閉位置の両方で、少なくとも1つの止め部で少なくとも1つのヨーク脚部に当接することが有利である。回転アーマチュアは、特に、少なくとも1つの止め部によりヨーク脚部の少なくとも1つの端部部分に当接することができる。これは、回転アーマチュアとヨークとの接触点を予め設定することができ、それに応じて準備し取り扱うことができるという利点を有する。

少なくとも2つの止め部は、回転アーマチュアの別個の要素であっても、あるいはその一部であってもよい。少なくとも2つの止め部は、たとえば材料の硬化、被覆などの特定の処理を受けていてもよい。

好ましくは、少なくとも2つの止め部は少なくとも1つのアーマチュア板に位置することができ、2つのアーマチュア板を有する回転アーマチュアの構成において、アーマチュア板の各々が少なくとも1つの止め部を有することができると好ましい。

好ましくは、止め部はアーマチュア板からヨーク側を向くことができる。

本発明によるパワーコンタクタのさらなる構成において、少なくとも1つのアーマチュア板が、少なくとも部分的に空隙を越えて少なくとも1つのヨーク脚部に向かって突出している。言い換えると、少なくとも1つのアーマチュア板は、少なくとも1つのヨーク脚部を少なくとも部分的に覆っている。

永久磁石がヨークの極面間に配置されることが好ましいため、かつ回転アーマチュアが2つのアーマチュア板により構成されたときに特徴的な形状を有するため、これはH型アーマチュアとも呼ばれる。

アーマチュア板の少なくとも1つが少なくとも部分的に空隙を越えて少なくとも1つのヨーク脚部に向かって突出することにより、空隙への機械的アクセスを少なくとも部分的に防止して、回転アーマチュアの妨害の危険を低下させるようになっている。

パワーコンタクタのさらなる構成において、スペーシング要素がヨークと回転アーマチュアとの間に配置される。

電流がパワーコンタクタに供給されているときに、電磁駆動ユニットにより回転アーマチュアをスペーシング要素まで押すことができる。スペーシング要素は、特に閉位置の止め部側を向いた電流板であってよい。スペーシング要素を、強磁性または非強磁性材料から構成することができる。好ましくは、スペーシング要素を金属から作ることができ、薄型のスペーシング要素のために誘電材料を使用してもよい。

さらに、2つのスペーシング要素を設けることができ、好ましくは、これらのスペーシング要素は、閉位置の回転アーマチュアとヨークの端部部分との間の所定のスペーシングを保証する。

同様に、回転軸と対称であり、2つのアーマチュア板を有する回転アーマチュアを使用するときに、たとえば2つのスペーシング要素を回転軸に対して軸対称に配置してもよい。この配置において、スペーシング要素はヨークの内方を向き、第2のスペーシング要素は外方を向くことができる。

さらに、本発明によるパワーコンタクタの一構成において、回転アーマチュアは開位置の回転度および閉位置の回転角度に回転可能であり、回転角度が、少なくとも1つのアーマチュア板と2つの極面間の最短直線接続線との間の角度に対応する。開位置の回転角度は、閉位置の回転角度よりも大きい。閉位置または開位置の異なる回転角度により、パワーコンタクタを単安定(monostable)させることができる。これは、パワーコンタクタの電流が切られたときに常に規定の状態をとるべきである場合に望ましい。

アーマチュア板がヨークの端部部分に平行である回転アーマチュアの配置を、以下で、ゼロ度位置(zero-degree position)についての言及として使用する。開位置または閉位置の回転角度は、0°の回転角度から時計方向または反時計方向への回転アーマチュアの回転に対応する。したがって、開位置の回転角度は、閉位置の回転角度に対する反対方向の回転を使用して測定される。

パワーコンタクタのさらなる構成において、開位置と閉位置との間の回転アーマチュアの中間位置、開位置および中間位置の回転角度間における回転アーマチュアの第1の角度領域、ならびに中間位置および閉位置の回転角度間における回転アーマチュアの第2の角度領域が設けられる。リセット要素は、少なくとも第2の角度領域で開位置に向かって回転アーマチュアにリセット力を及ぼす。

したがって、中間位置は回転アーマチュアの回転角度を特徴付け、閉位置に向かってさらに回転したときに、リセット要素はこの回転角度から閉位置へのさらなる回転に対抗する。

回転アーマチュアは単安定して構成され、電流がパワーコンタクタに供給されない状態で、回転アーマチュアは閉位置から、特に第2の角度領域から開位置へ回転するようになっている。

本発明によるパワーコンタクタのさらなる構成において、開位置に向けられたリセットモーメントが、回転アーマチュアの各回転位置で回転アーマチュアに作用する。

回転アーマチュアに作用する力を個々に考慮すると、永久磁石は、開位置の回転角度と逆転角度との間で、回転アーマチュアの開位置に向かって磁気開放力を及ぼし、逆転角度と閉位置の回転角度との間で、閉位置に向かって回転アーマチュア上に磁気閉鎖力を及ぼす。逆転角度と閉位置の回転角度との間のすべての回転角度について、リセット要素のリセット力は磁気閉鎖力より大きくてよい。これは、パワーコンタクタが単安定挙動を有する、すなわち電流が切られたときに常に開位置に戻るという利点を有する。

たとえば、無電流状態にあり、リセット要素の効果がないパワーコンタクタを考えると、そのように構成されたパワーコンタクタは双安定挙動(bistable behaviour)を有する。開位置および閉位置の両方で、永久磁石はヨークの端部部分を引き付け、回転アーマチュアをこの位置に保持する。磁気引力に対抗力が打ち勝つ限り、2つの位置の一方からの回転アーマチュアの回転が可能である。

逆転角度は、回転アーマチュアが不安定な平衡にある回転アーマチュアの回転角度として理解すべきである。これは、2つの端部部分に対する永久磁石の磁気引力が同一であることを意味する。したがって、回転アーマチュアの小さい偏向により、対応する位置への回転アーマチュアの偏向が生じる。

そのような不安定な平衡を回避するために、回転アーマチュアの逆転角度が中間位置の回転角度と異なっていることが有利である。回転アーマチュアの逆転角度で、リセット要素により開位置に向かって回転アーマチュアにリセット力をすでに及ぼすことができる。したがって、これにより、回転アーマチュアの第1の角度領域および第2の角度領域の両方で、磁気開放力または結果として生じるリセット要素のリセット力のベクトル和および永久磁石の磁気閉鎖力が、回転アーマチュアを開位置へ動かすことが可能になる。

本発明によるパワーコンタクタのさらなる構成によれば、回転アーマチュアは、少なくとも1つの軸および少なくとも1つのコネクティングロッドを介してコンタクトブリッジにヒンジ連結されている。少なくとも1つの軸および少なくとも1つのコネクティングロッドを介したコンタクトブリッジの連結は、接触領域、すなわち、2つのコンタクト要素間の電気接続がコンタクトブリッジにより生じる領域を、絶縁体により電磁駆動ユニットから空間的に分離できるという利点を有する。

閉状態で伝わる電流の電流強度は、通常、パルス幅変調(PWM)により調整される。高電流PWMの発生中、電流の増減のこの急峻なフランク(flank)は、電気接続点に高周波調波を生じさせ、この高周波調波は、近くに位置する低圧系統の電気接続内に結合する可能性がある。次いで、これらの干渉はすべての回線にわたって広がり、たとえば最終的に通信システムまたは無線に干渉し得る。

この構成により、ソレノイドプランジャシステムの場合、高圧系統と低圧系統とが非常に近接することにより、強い結合を生じさせる。このために、このような誘発された干渉を、これらのリレー用のコンタクタの駆動回路においてブロックしなければならない。

電磁駆動ユニット、すなわち本発明によるパワーコンタクタのコイルは、たとえば、コンタクトブリッジから空間的に分離して配置することができるため、切替えプロセスにより生じる誘発電磁干渉を最小化し、または完全になくすことができる。

この構成は、切替え時のノイズの発生を抑えるという利点も有する。切替え時の音量は、動いた質量、力、および構造によりもたらされるノイズの減衰によって決まる。大きい切替え能力用のソレノイドプランジャシステムは重いアーマチュアを有し、剛性の鉄回路を介して大きい力およびノイズを環境に伝えることがある。結果として、そのようなコンタクタは大音量になる。回転アーマチュアを有する同等のシステムでは、アーマチュアの質量と、レバーの並進運動により経路とを小さくすることができる。したがって、吸収され衝撃時に音として部分的に放出される運動エネルギーが小さくなる。

パワーコンタクタは2つのコネクティングロッドを有することができ、これらのコネクティングロッドは、回転軸に平行に配置されたヒンジ軸によって互いに連結可能である。コネクティングロッドは、互いに略90°の角度を有することができる。好ましくは、コンタクトブリッジが直接または間接的に固定されるコネクティングロッドを、ヨークの端部部分に平行に配置することができる。

好ましくは、このコネクティングロッドの動きは、ヨークの平面で行うことができる。

本発明によるパワーコンタクタのさらなる構成において、スイッチブリッジは少なくとも1つのリセット要素を有し、このリセット要素は、閉位置で、開位置に向かって回転アーマチュアに作用するリセット力を発生させる。これは、少なくとも1つのリセット要素を回転軸または回転アーマチュア自体に取り付ける必要がないという利点を有する。したがって、リセット要素を、好ましくは螺旋または板ばねの形のパワーコンタクタの外側に配置することができる。これにより、たとえば、リセット要素の簡易なメンテナンスまたは簡単な交換が可能になる。

スイッチブリッジのリセット要素から開位置に向かって回転アーマチュアに作用するリセット力を、1つまたは複数のコネクティングロッドおよびヒンジ軸を介して回転アーマチュアに伝えることができる。

スイッチブリッジをスイッチブリッジ支持部により保持することができ、スイッチブリッジはリセット要素によりスイッチブリッジ支持部に当たることができる。

本発明によるパワーコンタクタのさらなる構成において、回転アーマチュアに及ぼされる保持力が、少なくとも開位置において、運動を伝達するように回転アーマチュアに連結された運動要素の重量の少なくとも100倍である。これは、電気部品の衝撃抵抗について国際連合欧州経済委員会により定められた規則を満たすことができるという利点を有する。運動要素は、2つのコネクティングロッドおよびこれらのコネクティングロッドを連結するヒンジ軸、ならびにコンタクトブリッジ、またはコンタクトブリッジ、リセット要素、およびコンタクトブリッジホルダから構成されたシステムであってよい。

パワーコンタクタが開位置にある場合、たとえば、運動要素の慣性が閉位置に向かって作用するトルクを回転アーマチュアに及ぼすようにパワーコンタクタが加速される場合、加速度は少なくとも100Gであってよく、磁気開放力、すなわち保持力により発生するトルクを越えることはない。好ましくは、パワーコンタクタは、より大きい加速度でも、回転アーマチュアの開位置を維持することができる。

以下で、添付図面を使用して、本発明によるパワーコンタクタについて説明する。図面はパワーコンタクタの有利な構成を示し、図示した構成の技術的特徴は、希望に応じて組み合わせることができ、かつ/または省略される技術的特徴により得られる技術的効果が重要でなければ、これを省略することができる。明確にするために、同じ技術的特徴および同じ技術的効果を有する技術的特徴は、同じ参照符号で示す。

本発明によるパワーコンタクタの斜視図である。

開位置における本発明によるパワーコンタクタの側面図である。

開位置における本発明によるパワーコンタクタの上面図である。

閉位置における本発明によるパワーコンタクタの側面図である。

閉位置における本発明によるパワーコンタクタの上面図である。

本発明によるパワーコンタクタの回転角度/力特性曲線を示す図である。

図1は、開位置3におけるパワーコンタクタ1の斜視図である。

パワーコンタクタ1は、2つのヨーク脚部7、ヨークベース9および2つの端部部分11、電磁駆動ユニット13およびスイッチ要素15から構成されたヨーク5を含む。

スイッチ要素15は、回転アーマチュア17として構成され、回転軸19に回転可能に支承される。

電磁駆動ユニットは、コイル21の形に構成され、その巻線23はヨークベース9の周りに巻き付けられる。

ヨーク5は、回転アーマチュア17が少なくとも部分的に位置する空隙25を除いて自蔵式(self-contained)であり、空隙25側、すなわち図1において回転アーマチュア側を向いた極面27を端部部分11に有する。

スペーシング要素29が端部部分11に取り付けられる。

さらに、図1は、回転アーマチュア17が永久磁石31とこの永久磁石31を囲む2つのアーマチュア板33とを含むことを示す。

パワーコンタクタ1は、さらにコネクティングロッド37、ヒンジ39、およびヒンジ軸41として構成された運動要素35をさらに含む。

コンタクトブリッジ45を支承するコンタクトブリッジキャリア43はコネクティングロッド37aに固定され、コンタクトブリッジキャリア43はつる巻きばね47の形に構成されたリセット要素49を含み、このリセット要素49により、コンタクトブリッジ45はコンタクトブリッジキャリア43に当たる。コンタクトブリッジ45は、2つの電気コンタクト51に向かってコンタクトブリッジキャリア43の支持部53に当たる。

図2aおよび図2bは、図1のパワーコンタクタ1の側面図55および上面図57であり、主電池59と電気系統61とに接続された電気コンタクト51間には電気接続がない。したがって、主電池59は電気系統61から切断されている。電気スイッチ63は、機械的回路切断65に加えて電気的回路切断67をもたらす。

上面図57で、回転アーマチュア17の構造、すなわち2つのアーマチュア板33と永久磁石31とから構成された回転アーマチュア17の構成が、回転軸19の周りで対称に見られる。さらに、図2aおよび図2bは、アーマチュア板33の各々が、止め部69によりヨーク5のそれぞれの端部部分11に載置されていることを示す。

2つの止め部69は、回転軸19に対して点対称に配置され、開位置の回転角度71を定義する。これは、補助軸73とコネクティングロッド37との間に示されるが、アーマチュア板33とヨーク5の端部部分11との間にも見られる。

回転アーマチュア17は空隙25内に配置され、回転軸19は回転アーマチュア17の重心75である。

極面27は永久磁石31側を向き、互いに平行に位置合わせされる。

さらに、図2aおよび図2bは、アーマチュア板33が少なくとも部分的に空隙25を越えてそれぞれのヨーク脚部7の端部部分11に向かって突出することを示す。これは領域77に示される。

図3aおよび図3bは、閉位置79にあるパワーコンタクタ1の側面図55および上面図57を示す。

閉位置79で、コンタクトブリッジ45は2つの電気コンタクト51間の電気接続を確立する。これにより、つる巻きばね47が圧縮されて緊張状態81になる。これは、上面図57から、コンタクトブリッジ45がコンタクトブリッジキャリア43の支持部53に当たらなくなったことにより識別することができる。

図示した閉位置79において、回転アーマチュア17は閉位置の回転角度83を有し、この回転角度は補助軸73とコネクティングロッド37との間またはアーマチュア板33とヨークの端部部分11との間で測定される。

回転アーマチュア17の止め部69が載置されるスペーシング要素29により、図3bの閉位置の回転角度83は図2bに示す開位置の回転角度71よりも小さい。

補助軸73は、コネクティングロッド37bが補助軸73に沿って正確に位置合わせされたときに回転アーマチュア17が不安定な平衡にある状態(図示せず)で、逆転角度85をさらに特徴付ける。この状態において、磁気開放力87(図2b参照)と磁気閉鎖力89とは互いに打ち消し合う。磁気開放力87または磁気閉鎖力89は曲線矢印で示されるが、これは、これらの力が回転アーマチュア17の回転を引き起こすからである。磁気力87、89の正確な作用方向は、ベクトル場により記載する必要があるため図示せず、回転アーマチュア17への有効な作用方向のみ図示する。

逆転角度85における不安定な平衡を回避するべきであるため、コネクティングロッド37aが逆転角度85を越えておよそ逆距離95だけ接触方向93へ動くように、スペーシング要素29の厚さ91が選択される。

逆距離95は、つる巻きばね47が圧縮されるばね張力経路97よりも小さい。したがって、つる巻きばね47の弛緩により、コネクティングロッド37aが逆転角度85を越えて開位置3に向かって動き、コンタクトブリッジ45が支持部53に達すると、回転アーマチュア17は磁気閉鎖力89よりも大きい磁気開放力87(図2b参照)を有する。その結果、閉位置79に向かう力が電磁駆動ユニット13により回転アーマチュア17に及ぼされない場合、回転アーマチュアは開位置3へ動く。したがって、リセットモーメント99aを発生させるつる巻きばね47のリセット力99により、パワーコンタクタ1が単安定挙動を示す。

磁気開放力87は保持力87aに対応する。

図4では、パワーコンタクタ1の回転角度/力特性曲線が示される。回転角度101は横軸にプロットされ、回転角度101に応じて力103が回転アーマチュア(図示せず)に及ぼされる。力103は横軸にプロットされる。

図4は、スペーシング要素29がない場合に回転アーマチュア17が最大限傾斜可能な2つの最大偏向105を示す。図4は、開位置の回転角度71と閉位置の回転角度83を共に示し、閉位置の回転角度83は、図示したスペーシング要素29により、開位置の回転角度71よりも小さい。

無電流状態における回転アーマチュアの力経路、すなわち、逆転角度85で力効果の符号、すなわち回転アーマチュア17が力を受ける方向を変化させる無電流力経路107がさらに示される。

図示した偏向力特性曲線において、力103の正の値は磁気閉鎖力89を表し、力103の負の値は磁気開放力87を表す。

回転アーマチュア17は中間位置109を有し、この中間位置109でコンタクトブリッジ45が電気コンタクト51(図3aおよび図3b参照)に接触することを特徴とする。閉位置の回転角度83に向かう回転角度101の変化により、つる巻きばね47が圧縮され、リセットモーメント99aを回転アーマチュア17に及ぼす。このリセットモーメント99aは開位置3に向けられ、図4に示される。

中間位置109は、第1の角度領域109aを第2の角度領域109bから分離する。

図4で逆転角度85の右に示す磁気閉鎖力89はリセット力99により過補償されて、磁気閉鎖力89とリセット力99とのベクトル和の後、合力111が得られるようになっている。これは図4に示される。

合力111が、中間位置109の領域で磁気開放力87の曲線の進行と合流し、すなわち回転角度101を表す横軸に交差しないことに留意することが重要である。この曲線の進行は、各々の可能な回転角度101について、負の力103が回転アーマチュア17に作用することにより、回転アーマチュア17を開位置3に向かって動かすことを意味する。

回転アーマチュア17を開位置3から閉位置79へ動かすために、永久磁石31により及ぼされる磁気開放力87を補償すること、または磁気開放力87を過補償して磁気閉鎖力89にすることが必要である。このことは、永久磁石31の磁場に向けられる磁場を発生させる電磁駆動ユニット13に電圧を印加し、または電流を供給して、回転アーマチュア17が閉位置79に向かって動くようにすることによって達成される。

電流の供給を受けている力経路113が、図4に破線の形で示されている。開位置3の領域における無電流力経路107の漸近的挙動115を補償するために、高電圧または高電流を電磁駆動ユニット13に印加または供給する必要があり得る。そのような電圧の増大または電流の増大により、力過剰117が生じる。力過剰117は、閉位置のリセット力99aにより低減した閉位置の磁気閉鎖力89aから生じる。明確にするために、電流の供給を受け、螺旋ばね37のリセット力99によって修正される力経路113は図示しない。

センサを使用して回転アーマチュア17が閉位置79に接近していることを検出することによって、力過剰117を回避することができる。この接近は制御要素により評価され、制御要素は、電磁駆動ユニット13に印加された電圧または供給された電流を低減させて、最小レベルの力過剰117のみで回転アーマチュア17を閉位置79に保持するようになっている。

図4に示す力経路99、107、113は単に、本発明によるパワーコンタクタ1の有効な原理を示すための比喩的な曲線であると理解すべきであり、すなわち、図示した回転角度/力特性曲線は縮尺通りとみなすべきではない。

1 パワーコンタクタ 3 開位置 5 ヨーク 7 ヨーク脚部 9 ヨークベース 11 端部部分 13 電磁駆動ユニット 15 スイッチ要素 17 回転アーマチュア 19 回転軸 21 コイル 23 巻線 25 空隙 27 極面 29 スペーシング要素 31 永久磁石 33 アーマチュア板 35 運動要素 37、37a コネクティングロッド 39 ヒンジ 41 ヒンジ軸 43 コンタクトブリッジキャリア 45 コンタクトブリッジ 47 つる巻きばね 49 リセット要素 51 電気コンタクト 53 支持部 55 側面図 57 上面図 59 主電池 61 電気系統 63 電気スイッチ 65 機械的回路切断 67 電気的回路切断 69 止め部 71 開位置の回転角度 73 補助軸 75 重心 77 領域 79 閉位置 81 緊張状態 83 閉位置の回転角度 85 逆転角度 87 磁気開放力 87a 保持力 89 磁気閉鎖力 89a 閉位置の磁気閉鎖力 91 厚さ 93 接触方向 95 逆距離 97 ばね張力経路 99 リセット力 99a 閉位置のリセット力 100 リセットモーメント 101 回転角度 103 力 105 最大偏向 107 無電流力経路 109 中間位置 109a 第1の角度領域 109b 第2の角度領域 111 合力 113 電流が供給されているときの力経路 115 漸近的挙動 117 力過剰

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