発電装置

申请号 JP2014541926 申请日 2013-10-07 公开(公告)号 JPWO2014061225A1 公开(公告)日 2016-09-05
申请人 パナソニックIpマネジメント株式会社; 发明人 容明 松本; 容明 松本; 傑 大石; 傑 大石; 浩一 長原; 浩一 長原;
摘要 発電装置は、押しボタンと、スライダと、第一ばねと、発電部とを備える。第一ばねの第一端は、押しボタンと係合し、第二端はスライダと係合している。発電部は、第一ヨーク部材と、第二ヨーク部材と、コイルとを有する。第二ヨーク部材は、第一可動部材と、第二可動部材とで構成されている。第一可動部材は、第一の永久磁石を含み、スライダ内に保持されている。第二可動部材は、第二の永久磁石を含み、スライダ内に保持されている。第一ヨーク部材は、第一可動部材と第二可動部材との間に配置されている。コイルは、第一ヨーク部材の外周に配置されている。
权利要求

押しボタンと、 前記押しボタンが押される方向に配置されたスライダと、 第一端が前記押しボタンと係合し、第二端が前記スライダと係合している第一ばねと、 第一の永久磁石を含み、前記スライダ内に保持された第一可動部材と、 第二の永久磁石を含み、前記スライダ内に保持された第二可動部材と、 前記第一可動部材と、前記第二可動部材との間に配置された第一ヨーク部材と、 前記第一ヨーク部材の外周に配置されたコイルと、 を有する発電部と、 を備え、 前記押しボタンの動きに応じて蓄積された前記第一ばねの復元により、前記スライダと共に前記第一可動部材と前記第二可動部材が移動して、前記第一ヨーク部材に対する前記第一可動部材と前記第二可動部材との位置が変化し、前記第一ヨーク部材に流れる磁束の方向が変化する 発電装置。前記第一可動部材の前記第一ヨーク部材に対する面の反対側、および前記第二可動部材の前記第一ヨーク部材に対する面の反対側に外ヨークが設置されている 請求項1記載の発電装置。前記第一可動部材は、第一の前ヨーク、第一の後ヨークをさらに有し、 前記第二可動部材は、第二の前ヨーク、第二の後ヨークをさらに有し、 前記第一可動部材と前記第二可動部材は、線対称に配置されている 請求項1記載の発電装置。前記第一の永久磁石と前記第二の永久磁石は、N極とS極が逆方向に配置されている 請求項1記載の発電装置。前記第一ばねは、捩りコイルばねである 請求項1記載の発電装置。前記第一ばねは、板ばねである 請求項1記載の発電装置。前記第一ばねの前記第一端と前記押しボタンとが係合している位置と、前記第一ばねの前記第二端と前記スライダとが係合している位置は、上下方向にずれている 請求項1記載の発電装置。前記スライダを覆うケースと、 第一端が前記押しボタンと接触し、第二端が前記ケースと接触している第二ばねと、 をさらに備えた 請求項1記載の発電装置。前記第二ばねの復元力により、前記押しボタンと前記スライダが移動する 請求項8記載の発電装置。前記押しボタンが押される前は、 前記第一可動部材は、前記第一ヨーク部材と離れており、 前記第二可動部材は、前記第一ヨーク部材と接触しており、 前記押しボタンが押された後は、 前記第一可動部材は、前記第一ヨーク部材と接触し、 前記第二可動部材は、前記第一ヨーク部材と離れる 請求項1記載の発電装置。

说明书全文

本技術分野は、各種電子機器に使用される発電装置に関する。

近年、照明機器などの電子機器を遠隔操作する壁用スイッチが開発されている。壁用スイッチとしては、電源ラインを介して電を電子機器に供給するスイッチが主流である。このようなスイッチに加え、発電装置を内蔵したスイッチが提案されている。発電装置を内蔵したスイッチにおいて、操作部である押しボタンが押し下げられることにより、発電装置が作動する。そして、発電装置によって得られた電力でリモコン信号が照明機器に送信され、照明機器が点灯、消灯する。

図15は、従来の発電装置の切欠き断面図である。図16は、従来の発電装置の切欠き斜視図である。

ケース1には押しボタン2がA1方向(図16参照)に押し下げ可能に配置されている。

回転部材5は、押しボタン2のA1方向への移動に応じて所定方向に回転する。回転部材5の回転が揺動アーム6に間欠的に伝達されて、揺動アーム6が支軸7を中心に矢印A2方向に揺動する。

ケース1内には電磁誘導式の発電部18が収容されている。図17、図18は、発電部18の平面図である。発電部18は、固定ヨーク10と、可動ヨーク12とを有している。固定ヨーク10は、永久磁石14から延出する二股状のアーム部19Aを有している。可動ヨーク12は延出する二股状のアーム部19Bを有している。可動ヨーク12のアーム部19Bの先端が、対応する固定ヨーク10のアーム部19Aの先端に接触するように、可動ヨーク12は平方向に移動する。そして、アーム部19A、19Bはコイル16A、16Bに挿通されている。なお、コイル16A、16Bには部材17A、17Bがそれぞれ設置されている。可動ヨーク12は、揺動アーム6に連結部8で連結されている(図15、16参照)。以上のように従来の発電装置は構成されている。次に、その動作について述べる。

押しボタン2をA1方向に押し下げると、回転部材5が回転し、揺動アーム6が間欠的に数回揺動する。可動ヨーク12は、揺動アーム6に連結部8で連結されているので、揺動アーム6の揺動に応じて可動ヨーク12が水平方向(矢印A3)に往復移動する(図17、18参照)。この往復移動によって発電部18から所定の起電力が得られる。

すなわち、可動ヨーク12が水平に往復移動して、固定ヨーク10のアーム部19Aの先端と可動ヨーク12のアーム部19Bの先端が接触した状態(図17参照)から離れた状態(図18参照)になる。あるいはその逆に、離れた状態から接触した状態になる。それに伴い、永久磁石14からの主な磁束の流れは、図17の矢印A4および図18の矢印A5に示したように変化する。この磁束の変化に応じてコイル16A、16Bから所定の起電力が得られる。

なお、この出願に関連する先行技術文献として、特許文献1、特許文献2が知られている。

特開2010−283970号公報

特開2010−283948号公報

発電装置は、押しボタンと、押しボタンが押される方向に配置されたスライダと、第一ばねと、発電部とを備える。第一ばねの第一端は、押しボタンと係合し、第二端はスライダと係合している。発電部は、第一ヨーク部材と、第二ヨーク部材と、コイルとを有する。第二ヨーク部材は、第一可動部材と、第二可動部材とで構成されている。第一可動部材は、第一の永久磁石を含み、スライダ内に保持されている。第二可動部材は、第二の永久磁石を含み、スライダ内に保持されている。第一ヨーク部材は、第一可動部材と第二可動部材との間に配置されている。コイルは、第一ヨーク部材の外周に配置されている。押しボタンの動きに応じて蓄積された第一ばねの復元力により、スライダと共に第一可動部材と第二可動部材が移動し、第一ヨーク部材に対する第一可動部材と第二可動部材との位置が変化し、第一ヨーク部材に流れる磁束の方向が変化する。

図1は、本実施の形態における発電装置の外観図である。

図2は、本実施の形態における発電装置の分解斜視図である。

図3は、本実施の形態における発電装置の下方から見た分解斜視図である。

図4は、本実施の形態における停止状態の発電部の上面図である。

図5は、本実施の形態における停止状態の発電装置の永久磁石とコイルを横切る位置で切断した断面図である。

図6は、本実施の形態における停止状態の発電装置の前ヨークと第一ヨーク部材を横切る位置で切断した断面図である。

図7は、本実施の形態における停止状態の発電装置の第一ばねと第二ばねを横切る位置で切断した断面図である。

図8は、本実施の形態における押しボタンが若干押された状態の発電装置の第一ばねと第二ばねを横切る位置で切断した断面図である。

図9は、本実施の形態における押しボタンが完全に押された状態の発電部の上面図である。

図10は、本実施の形態における押しボタンが完全に押された状態の発電装置の永久磁石とコイルを横切る位置で切断した断面図である。

図11は、本実施の形態における押しボタンが完全に押された状態の発電装置の前ヨークと第一ヨーク部材を横切る位置で切断した断面図である。

図12は、本実施の形態における押しボタンが完全に押された状態の発電装置の第一ばねと第二ばねを横切る位置で切断した断面図である。

図13は、本実施の形態による他の発電装置の断面図である。

図14は、本実施の形態における他の発電装置の分解斜視図である。

図15は、従来の発電装置の切欠き断面図である。

図16は、従来の発電装置の切欠き斜視図である。

図17は、従来の発電部の平面図である。

図18は、従来の発電部の平面図である。

図15、16に示す従来のスイッチでは、可動ヨーク12を作動させるために、回転部材5や揺動アーム6など多数の部材を組み合わせる必要がある。そのため、従来のスイッチは構造が複雑であり、構成部品数が多く、高価である。

図1は、本実施の形態における発電装置100の外観図である。図2は、本実施の形態における発電装置100の分解斜視図である。図3は、本実施の形態における発電装置100の下方から見た分解斜視図である。図4は、本実施の形態における停止状態の発電部200の上面図である。図5は、本実施の形態における停止状態の発電装置100の永久磁石41とコイル34を横切る位置で切断した断面図である。図6は、本実施の形態における停止状態の発電装置100の前ヨーク42、142と第一ヨーク部材30を横切る位置で切断した断面図である。図7は、本実施の形態における停止状態の発電装置100の第一ばね90と第二ばね95を横切る位置で切断した断面図である。図5〜図7は押しボタン80が押されていない停止状態を示している。

発電装置100は、押しボタン80と、押しボタン80が押される方向に配置されたスライダ50と、第一ばね90と、発電部200とを備える。第一ばね90の第一端は、押しボタン80と係合し、第二端はスライダ50と係合している。発電部200は、第一ヨーク部材30と、第二ヨーク部材40と、コイル34とを有する。第二ヨーク部材40は、第一可動部材210と、第二可動部材220とで構成されている。第一可動部材210は、永久磁石41(第一の永久磁石)を含み、スライダ50内に保持されている。第二可動部材220は、永久磁石141(第二の永久磁石)を含み、スライダ50内に保持されている。第一ヨーク部材30は、第一可動部材210と第二可動部材220との間に配置されている。コイル34は、第一ヨーク部材30の外周に配置されている。押しボタン80の動きに応じて蓄積された第一ばね90の復元力により、スライダ50と共に第一可動部材210と第二可動部材220が移動し、第一ヨーク部材30に対する第一可動部材210と第二可動部材220との位置が変化し、第一ヨーク部材30に流れる磁束の方向が変化する。

発電装置100は、さらに下ケース20、ターミナル36、上ケース60を有する。樹脂製の下ケース20は、上面から見て矩形状に形成されている。下ケース20の右側の上面には上方突起21が設けられている。ここで、図1、図2に示すように、押しボタン80の支持部62側(すなわち円柱軸82側)を右側とし、押しボタン80の操作側を左側とする。また、左右方向に対して直交する方向を前後方向とする。発電部200は下ケース20に搭載されている。第一ヨーク部材30は、上ケース60により前後左右方向への移動が規制されるように、上ケース60に配置されている。そして、第一ヨーク部材30は下ケース20の上方に配置されている。第二ヨーク部材40は可動である。

第一ヨーク部材30は磁性板で形成されている。第一ヨーク部材30は上面から見てほぼ矩形状で、中央部分の左右が内側にくびれている。第一ヨーク部材30のくびれた箇所には樹脂ホルダ32が嵌め合わせられている。第一ヨーク部材30と樹脂ホルダ32の周囲を巻くようにコイル34が配置されている。第一ヨーク部材30の長辺側が、下ケース20の中央の前後方向になるように、上ケース60が下ケース20に組み込まれて、第一ヨーク部材30は下ケース20の上方に位置している。

第二ヨーク部材40は、樹脂製のスライダ50の開口部内に保持されている。第二ヨーク部材40を構成する第一可動部材210は、前ヨーク42、永久磁石41、後ヨーク43が一体化されて形成されている。永久磁石41の前面に前ヨーク42が固定され、永久磁石41の後面に後ヨーク43が固定されている。一方、第二可動部材220は、前ヨーク142、永久磁石141、後ヨーク143が一体化されて形成されている。永久磁石141の前面に前ヨーク142が固定され、永久磁石141の後面に後ヨーク143が固定されている。永久磁石41、141は、ほぼ直方体である。前ヨーク42、142と後ヨーク43、143は磁性板であり、永久磁石41、141と同等の厚さであるのが好ましい。第一可動部材210と第二可動部材220は、線対称に配置されているのが好ましい。すなわち、前ヨーク42、永久磁石41、後ヨーク43と前ヨーク142、永久磁石141、後ヨーク143は、線対称に配置されているのが好ましい。

前方がN極、後方がS極の永久磁石41と、前方がS極、後方がN極の永久磁石141が、所定間隔をあけて配置されている。

スライダ50は上ケース60と下ケース20の間に収容されている。スライダ50は、下ケース20の上を図2における左右方向にスライドする。

押しボタン80は、押し下げ操作面となる上面部を有する。押しボタン80の右辺端部には、前後方向に伸びる円柱軸82が設置されている。また、押しボタン80の右辺の端部近傍には、下方に向けて突出する二つの下方突起84が設置されている(図3参照)。

押しボタン80の下面には、凹状の二つの第一係合部86が設けられている(図3参照)。スライダ50には、二つの突起状の第二係合部52が、第一係合部86の右側に設けられている(図2、図7参照)。上ケース60の上面部には、第一ばね90の中央の巻線部に対応する位置に逃げ孔66が設けられている。また、スライダ50の上面部には、第一ばね90の中央の巻線部に対応する位置に逃げ孔54が設けられている。

上ケース60は、下方突起84に対応する箇所に矩形状の貫通孔64を有している(図2、図3参照)。下方突起84は、上方から貫通孔64に挿入されて、押しボタン80の円柱軸82は支持部62に回動可能に嵌め込まれている。上ケース60は樹脂で形成されている。

上ケース60の右側の上面部には、上方に突出した一対の支持部62が設けられている。上ケース60の上面部の中央には、電子回路75(図1のみ図示し、その他の図面では記載を省略する)が設置可能である。電子回路75は、例えば、素子や電子部品などが実装された配線基板であり、発電部200から得られる電力で動作する。上ケース60の上面部には電子回路75を保持させるための保持用爪部67が設けられている。

樹脂ホルダ32の側面にはターミナル36を保持する2箇所の保持部が設けられている。2つのターミナル36が、2箇所の保持部にそれぞれ挿入されている。コイル34のコイル線の両端は、2つのターミナル36に半田付けされている。ばね性を有する金属製のターミナル36は、ほぼU字状に形成されている。ターミナル36の半円状の上板が上ケース60から上方に突出している(図5参照)。ターミナル36により、発電部200からの電力が外方に取り出される。なお、ターミナル36は下ケース20から下方に突出していてもよい。

上ケース60から上方に突出した、ターミナル36が電子回路75の所定位置に接触することにより、電子回路75が給電される。しかし、給電方法は、この構成に限らず、他の構成で発電部200から電子回路75に給電してもよい。また、電子回路75は必要に応じて配置すればよく、それに応じて保持用爪部67を配置すればよい。

第一ばね90は捩りコイルばねにより形成されている。図7に示すように、第一ばね90の第一端は、押しボタン80の第一係合部86に係合されている。第一ばね90の第二端は、スライダ50の第二係合部52に係合されている(図7参照)。第一ばね90の中央の巻線部は、やや圧縮された状態で逃げ孔66、54内に配置されている。

上ケース60には、矩形状で下方に開口された凹部68が貫通孔64に連なって形成されている(図3参照)。凹部68には、コイルばねからなる第二ばね95が少し縮んで収容されている。第二ばね95の左端は、押しボタン80の下方突起84の右側面に接触し、第二ばね95の右端は、上ケース60の凹部68の右側の内壁に接触している(図7参照)。

以上のように、押しボタン80は、上ケース60に対して回動可能に配置されている。押しボタン80は、操作されていない停止状態では、第一ばね90と第二ばね95との付勢力によって左側部分が上ケース60から上方に突き出た状態になっている。上方位置規制部88が、円柱軸82から離れた位置で押しボタン80の下方に突出している。上方位置規制部88の先端爪が上ケース60に係止することにより、押しボタン80は、上方への位置が規制されて安定して停止している。なお、停止状態において、押しボタン80の下方突起84の左側面とスライダ50の右側面との間には若干の間隙が存在している(図7参照)。

本実施の形態では、第一ばね90が、押しボタン80への押し下げ時にスライダ50を右方向へ移動させる。また、第一ばね90や第二ばね95が、スライダ50や押しボタン80を元の位置に復帰させる。すなわち、従来のように多数の部材を組み合わせる必要がなく、単純な形状の第一ばね90や第二ばね95により、発電が可能となる。ここで第一ばね90や第二ばね95の復元力は発電部の吸引力を考慮して選択すればよい。次に発電部200の構成および発電装置100の動作について説明する。

図4に示すように、発電部200において第一ヨーク部材30は、第一可動部材210と第二可動部材220とに挟まれている。第一可動部材210の、第一ヨーク部材30の反対側には、外ヨーク45が固定されていてもよい。第二可動部材220の、第一ヨーク部材30の反対側には、外ヨーク145が固定されていてもよい。すなわち発電部200は、外ヨーク45と外ヨーク145を有していてもよい。外ヨーク45、145は磁性板で形成されている。

第一可動部材210の左側の端面は、外ヨーク45に吸着している。詳述すると、前ヨーク42の左側の端面および後ヨーク43の左側の端面は、外ヨーク45に吸着している。第一可動部材210右側の端面は、第一ヨーク部材30の端面から離れている。詳述すると、前ヨーク42の右側の端面および後ヨーク43の右側の端面は、第一ヨーク部材30の端面から離れている。

第二可動部材220の左側の端面は、第一ヨーク部材30に吸着している。詳述すると、前ヨーク142の左側の端面および後ヨーク143の左側の端面は、第一ヨーク部材30に吸着している。第二可動部材220の右側の端面は、外ヨーク145から離れている。詳述すると、前ヨーク142の右側の端面および後ヨーク143の右側の端面は、外ヨーク145から離れている。これらの吸着力によって、第二ヨーク部材40を保持したスライダ50は安定した停止状態を保っている。

発電部200において、第一ヨーク部材30に流れる磁束量などが発電量に依存する。このため、第二ヨーク部材40の永久磁石41、141としては磁力の強い磁石を用いるのが好ましい。また、第一ヨーク部材30から離れている第一可動部材210が外ヨーク45に吸着している。この構成により、第一ばね90に蓄積される力が小さい場合には、スライダ50は移動せずに安定している。

図7に示すように、停止状態では、第一ばね90および第二ばね95は少し圧縮された状態である。第一ばね90の復元力は押しボタン80およびスライダ50に作用し、第二ばね95の復元力は押しボタン80の下方突起84に作用している。第一ばね90と第二ばね95の復元力によって押しボタン80の左側が最上方の位置に停止している。また、組み合わせ誤差を考慮した上で、下方突起84の左側面とスライダ50の右側面との間に若干の間隙が生じるように、第一ばね90と第二ばね95のばね定数、ばねの長さ、縮められる量などが設定されている。押しボタン80の押し下げの操作に必要な力は主に第一ばね90と第二ばね95との復元力で決定されるため、操作力が均一な発電装置100が得られる。

図8は、押しボタン80が若干押された状態の発電装置100の第一ばね90と第二ばね95を横切る位置で切断した断面図である。図9は、押しボタン80が完全に押された状態の発電部200の上面図である。図10は、押しボタン80が完全に押された状態の発電装置100の永久磁石41とコイル34を横切る位置で切断した断面図である。図11は、押しボタン80が完全に押された状態の発電装置100の前ヨーク42、142と第一ヨーク部材30を横切る位置で切断した断面図である。図12は、押しボタン80が完全に押された状態の発電装置100の第一ばね90と第二ばね95を横切る位置で切断した断面図である。

図8は、第一ばね90に蓄積される復元力が小さい状態を示している。停止状態から、押しボタン80の上面部に押し下げ力を加えると、押しボタン80は円柱軸82の中心軸線を中心として左側が下がるように回動する。この動きに応じて押しボタン80の中央部も回動し下がる。これにより、第一ばね90が撓み、第二ばね95も押しボタン80の下方突起84で押されて縮む。なお、この初動時にスライダ50は移動することなく停止状態のままであるので、下方突起84とスライダ50の右側面との間隔は広がる。

第一ばね90に蓄積される復元力Fの水平方向への分力F1が、スライダ50を右へ移動させる方向に作用する。第一ばね90の第一端と押しボタン80の係合部を左上方に設定し、第二端とスライダ50の係合部をそれよりも右下方に設定している。このように、第一ばね90の第一端と第二端を上下にずらした位置で係合させることにより、上記のような作用が生じる。

復元力Fは、右斜め下方向に向けてスライダ50に作用している。そして、第一ばね90に蓄積された復元力Fの水平方向への水平分力F1が、発電部200における吸着力の和とスライダ50に生じている摩擦力とを加えた力よりも大きくなると、発電部200における前ヨーク42と後ヨーク43は、外ヨーク45から離れる。また、前ヨーク142と後ヨーク143は、第一ヨーク部材30から離れる。それと同時に、第一ばね90に蓄積した復元力Fが開放され、スライダ50は、第一ばね90の復元力Fの水平分力F1で右方向にスライドする。そのスライドの途中からは、第一ヨーク部材30と前ヨーク42、後ヨーク43との吸引力、および外ヨーク145と前ヨーク142、後ヨーク143との間の吸引力も加わる。そのため、スライダ50は右方向に水平にスライドする。その後、前ヨーク42、後ヨーク43が第一ヨーク部材30に吸着した状態になると共に、前ヨーク142、後ヨーク143が外ヨーク145に吸着した状態になる。つまり、発電部200が、図4の状態から図9の状態になり、図9の状態では、スライダ50は停止している。

このように発電部200の吸着の状態が切り換わる時に、第一ヨーク部材30に流れる磁束の方向が180度変化する。つまり、発電部200において、第一ヨーク部材30と第二ヨーク部材40の吸着の状態が切り換わると、第一ヨーク部材30の磁束の流れが切り換わる。すなわち第一ヨーク部材30に対する第一可動部材210と第二可動部材220との位置が変化し、第一ヨーク部材30に流れる磁束の方向が変化する。その結果、第一ヨーク部材30の外周に設置されているコイル34に起電力が生じる。その起電力がターミナル36から電子回路75に給電され電子回路75が作動する。

押しボタン80は、押し切り位置まで回動して停止する。なお、一定の位置で押しボタン80を止めるために、発電装置100にストッパー(図示せず)を設けてもよい。ここで、ストッパーを設ける位置やそのストッパーが接触する部材は特に限定はされない。

本実施の形態では、外ヨーク45、145を下ケース20に固定しておき、第一可動部材210が外ヨーク45に、第二可動部材220が外ヨーク145に吸着するようにしている。この構成により、第一ヨーク部材30から離れた、第一可動部材210と外ヨーク45、または第二可動部材220と外ヨーク145で閉じた磁束が形成される。その結果、第一ヨーク部材30から離れた第一可動部材210または第二可動部材220の磁束が第一ヨーク部材30に対して影響しにくくなる。そのため、発電部200は、外ヨーク45、145を有しているのが好ましい。

以上のように、本実施の形態では、押しボタン80の押し下げ操作により、第一ばね90に蓄積される復元力Fの水平分力F1を基に発電部200が作動する。なお、押し下げ操作時には、発電部200の動作と第一ばね90の動作に応じて所定の節度感が得られる。そのため、使用者は節度感によっても操作状態を認識できる。

なお、図12に示すように、押しボタン80の押し下げ後にスライダ50が停止した状態においても、押しボタン80の下方突起84とスライダ50の右側面との間には所定の間隙が設けられている。間隙を設けることにより、スライダ50の移動時に下方突起84がスライダ50に接触しないため好ましい。

押しボタン80が押し下げられるに従い、下方突起84は右方に移動する。下方突起84の移動によって第二ばね95は縮められる。そして、図12に示すように、押しボタン80の押し切り時には、第二ばね95は最も縮んでいる。

そして、押しボタン80への押し下げ力を解除すると、第二ばね95が復元して下方突起84を左方向に向けて押し戻す。それによって押しボタン80は操作時とは逆の方向に向けて回動する。その途中から下方突起84がスライダ50に接触し、第二ばね95の復元力はスライダ50を左方に移動させる力として作用する。

第二ばね95の復元力は、発電部200内の吸着力よりも大きくなるように設定している。第二ばね95からの復元力はスライダ50を介して発電部200に伝わり、その復元力で発電部200の吸着している箇所が離れる。スライダ50が操作前の位置に押し戻され、発電部200も操作前の状態に切り換わる。また、その間に、第一ばね90の復元力が押しボタン80とスライダ50に作用し、押しボタン80が操作前の位置に戻る。

なお、この際も第一ヨーク部材30の外周に設置されたコイル34に生じる起電力を電力として取り出せる。ただし、復帰時のスライダ50の移動速度は、押しボタン80の押し下げ時よりも小さくなる場合がある。このため、復帰動作時に得られる電力は、押し下げ時に得られる電力よりも小さい場合がある。

発電装置100を照明機器の壁用スイッチとして用いる場合、発電装置100は、押しボタン80の押し下げ操作に応じて照明を点灯または消灯させるための無線信号を生成する。具体的には、電子回路75が、発電部200からの電力により無線信号を生成する。そして、発電装置100は、その無線信号を照明機器に送信する。照明機器は、その無線信号を受信して点灯または消灯を行う。なお、本実施の形態の発電装置100は、照明の点灯、消灯以外の無線信号を生成してもよく、また、照明機器以外の機器に用いてもよい。

以上のように、本実施の形態の発電装置100は、駆動機構として簡素なばねを用いている。そのため、安価であり、かつ、押しボタン80が設置された状態でも発電装置100は薄くなる。

なお、上記の説明では、第一ばね90として捩りコイルばねを用いたが、それ以外のばねを用いてもよい。

図13は、本実施の形態における発電装置110の断面図である。図14は、本実施の形態における発電装置110の分解斜視図である。図13、図14では、図1、図2の第一ばね90の代わりに板ばね92を用いている。板ばね92は、ばね性を有する金属板製で、その中央位置がU字状に曲げられたU字部を有している。板ばね92は、U字部が下方側に位置するように設置されている。板ばね92の第一端は、押しボタン80の第一係合部86に挿入されて係合されている。板ばね92の第二端は、スライダ50の第二係合部52に係合されている。それ以外は第一ばね90を用いた構成と同じであるので詳細な説明は省略する。

板ばね92を用いることにより、復元力のばらつきが捩りコイルばねを用いた場合よりも小さくなる。そのため押しボタン80の押し下げ時の操作力のばらつきが小さくなる。なお、板ばね92に折り返し部を設けて係合させるようにするとさらに好ましい。

なお、発電部200は、上記に説明した構成のものに限定されることはなく、押しボタン80の動作により、スライダ50が移動して起電力が得られればよい。さらに、本実施の形態では押しボタン80を復帰させるための部材として第二ばね95を使用したが、他の復帰手段に置き換えてもよい。

本発電装置は、簡素な構成であり、安価に製造できるので、各種電子機器等に有用である。

20 下ケース 21 上方突起 30 第一ヨーク部材 32 樹脂ホルダ 34 コイル 36 ターミナル 40 第二ヨーク部材 41,141 永久磁石 42,142 前ヨーク 43,143 後ヨーク 45,145 外ヨーク 50 スライダ 52 第二係合部 54,66 逃げ孔 60 上ケース 62 支持部 64 貫通孔 67 保持用爪部 68 凹部 75 電子回路 80 押しボタン 82 円柱軸 84 下方突起 86 第一係合部 88 上方位置規制部 90 第一ばね 92 板ばね 95 第二ばね 100 発電装置 110 発電装置 200 発電部 210 第一可動部材 220 第二可動部材

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