Circuit breaker housing and circuit breaker using the same |
|||||||
申请号 | JP2012041010 | 申请日 | 2012-02-28 | 公开(公告)号 | JP2013177481A | 公开(公告)日 | 2013-09-09 |
申请人 | Idemitsu Kosan Co Ltd; 出光興産株式会社; | 发明人 | AOKI YUSUKE; TAKEUCHI TAKANAO; | ||||
摘要 | PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a resin-made circuit breaker housing having high impact resistance and flame retardancy under an environment of low temperature to high temperature, and to provide a circuit breaker using the housing.SOLUTION: A circuit breaker housing is made of a polycarbonate resin composition that contains a polycarbonate polyorganosiloxane copolymer and has a viscosity average molecular weight of a range of 18,000-25,000. A circuit breaker uses the circuit breaker housing. In the circuit breaker housing including polycarbonate resin, the polycarbonate resin composition contains 5-100 mass% of polycarbonate polyorganosiloxane copolymer that contains polycarbonate block and the polyorganosiloxane block in the main chain and where the content of the polyorganosiloxane block is in a range of 2-20 mass%, and 0-95 mass% of aromatic polycarbonate other than them. | ||||||
权利要求 | ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む、粘度平均分子量が18000〜25000の範囲内であるポリカーボネート樹脂組成物からなる電流遮断器筐体。 前記ポリカーボネート樹脂組成物が、主鎖中に、 式(I)で表される構造単位からなるポリカーボネートブロック及び式(II)で表される構造単位からなるポリオルガノシロキサンブロックを含み、前記ポリオルガノシロキサンブロックの含有量が2〜20質量%の範囲内である、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A−1) 5〜100質量%、及び (A−1)以外の芳香族ポリカーボネート(A−2) 0〜95質量% からなるポリカーボネート系樹脂(A)を含む請求項1に記載の電流遮断器筐体。 R 1及びR 2は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示し、 Xは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO 2 −、−O−又は−CO−を示し、 a及びbは0〜4の整数を示し、 R 3 〜R 6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示し、 Yは脂肪族鎖及び/又は芳香族環を含む2価の有機基を示し、 nはシロキサン基の平均繰り返し数であって、20〜600の整数を示す。 ] Yが、アリルフェノール又はオイゲノールから誘導された2価の有機基である請求項2に記載の電流遮断器筐体。 式(I)で表される構造単位が、ビスフェノールAから誘導された構造単位である請求項2又は3に記載の電流遮断器筐体。 式(II)で表される構造単位中のR 3及びR 4が共にメチル基である請求項2〜4のいずれかに記載の電流遮断器筐体。 さらに、前記(A)ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、(B)リン系酸化防止剤0.01〜1質量部、(C)有機スルホン酸のアルカリ金属塩及び/又は有機スルホン酸のアルカリ土類金属塩0.01〜0.15質量部、及び/又は(D)ポリテトラフルオロエチレン粒子及び有機系重合体粒子からなる混合粉体0.1〜1質量部を含む請求項2〜5のいずれかに記載の電流遮断器筐体。 請求項1〜6のいずれかに記載の電流遮断器筐体と電気回路を含む電流遮断器。 |
||||||
说明书全文 | 本発明は、電流遮断器筐体及びこれを用いた電流遮断器に関する。 近年、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の二酸化炭素削減、石油依存度の低減が期待できる次世代の自動車の開発が盛んに進んでいる。 これらの自動車には頻繁に大電流が流れており、事故等による火災や漏電、感電等の二次被害を防ぐためにも、電流を遮断する装置が必要となる。 これには火薬類を爆発又は燃焼させ、その発生圧力で電気回路を遮断するガス圧式電気回路遮断器が知られている(例えば、特許文献1)。 自動車に設置されるインフレーター使用ガス圧式電気回路遮断器は、ISO12097試験やこれに準拠した自動車メーカー独自の試験の要求を満足しなければならない。 例えば、ISO12097−3には−35℃、23℃、85℃での衝撃試験の要求が有る。 また、自動車部品のJIS規格であるJISD204にあるように極寒地を想定する場合−30℃又は−40℃での低温試験が要求される。 このような要求を満足させる為に自動車用ガス圧式電気回路遮断器の筐体には、金属やセラミックが使用されている。 しかし、自動車を軽量化し省燃費化を達成する為には、金属やセラミックからなる部材を樹脂製に置き換えること(樹脂化)が課題となる。 樹脂化に当たっては、耐熱性が100℃以上の一般的なエンジニアリングプラスチックであれば、85℃での環境下の試験要求には満足できるが、同時に−35〜−40℃といった低温環境下での試験要求も満足することが求められる。 加えて、万一の発火の際に備えて高度な難燃性が要求される場合もある。 本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、低温から高温までの環境下での耐衝撃性及び難燃性に優れる樹脂製の電流遮断器筐体及びこれを用いた電流遮断器を提供することを目的とする。 本発明によれば、以下の電流遮断器筐体及び電流遮断器が提供される。
1及びR 2は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示し、
2 −、−O−又は−CO−を示し、
3 〜R 6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示し、
3及びR 4が共にメチル基である2〜4のいずれかに記載の電流遮断器筐体。
本発明によれば、低温から高温までの環境下での耐衝撃性、及び難燃性に優れる樹脂製の電流遮断器筐体、及びこれを用いた電流遮断器が提供できる。 一般に、衝撃特性を発現させるためには、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含むポリカーボネート樹脂組成物の粘度平均分子量は大きい方が有効であるが、粘度が大きくなるため製造時の生産性が低下する他、成形も困難となるおそれがある。 成形温度を上げることにより、樹脂組成物の粘度を下げることも可能であるが、その場合、成形サイクルが長くなり経済性に劣るほか、温度を上げすぎると樹脂組成物の熱劣化により生産安定性が低下する。 本発明者らは、電流遮断器筐体を形成する、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含むポリカーボネート樹脂組成物の粘度平均分子量(Mv)を、18000〜25000の範囲内とすることで、衝撃特性と生産安定性等が両立できることを見出した。 粘度平均分子量が18000未満であると成形品の強度が不十分となるおそれがあり、25000を超えると共重合体の粘度が大きくなるため製造時の生産性・安全性が低下するおそれがある他、成形も困難となるおそれがある。 ポリカーボネート樹脂組成物の粘度平均分子量(Mv)は、好ましくは18300〜24700の範囲内、より好ましくは18600〜24400の範囲内である。 ここで、粘度平均分子量(Mv)は、20℃における塩化メチレン溶液の極限粘度〔η〕を測定し、Schnellの式(〔η〕=1.23×10 −5 ×Mv0.83)より算出した値である。 以下、本発明の電流遮断器筐体を製造するために用いることができるポリカーボネート樹脂組成物について説明する。 式(I)中、R 1及びR 2は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。 式(II)中、R 3 〜R 6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。 本発明で用いるポリカーボネート樹脂組成物は、上記成分(A−1)及び(A−2)からなるポリカーボネート系樹脂(A)の他、要求に応じて各種の任意添加成分を含有することができる。 任意添加成分の具体例としては、リン系酸化防止剤(B)、有機スルホン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩(C)、ポリテトラフルオロエチレン粒子及び有機系重合体粒子からなる混合粉体(D)等が挙げられる。 任意添加成分の詳細は後述する。 以下、本発明で用いるポリカーボネート樹脂組成物中の各成分について詳細に説明する。 上記式(II)で表される構造単位からなるポリオルガノシロキサンブロックの鎖長(シロキサン基の平均繰り返し数n)は20〜600、好ましくは、30〜300、更に好ましくは50〜300であり、20未満であると衝撃強度が十分ではなくなるおそれがあり、600を超えるとPC−PDMS共重合体(A−1)を製造する際の取扱い性が困難になり経済性に劣るおそれがある。 PC−PDMS共重合体(A−1)の粘度平均分子量(Mv)は、成形品の強度及び生産性とのバランスの観点から、好ましくは12,000〜50,000であり、より好ましくは14,000〜30,000であり、更に好ましくは16,000〜25,000である。 PC−PDMS共重合体(A−1)は、下記式(1)で表される二価フェノールと、下記式(2)で表されるポリオルガノシロキサンと、ホスゲン、炭酸エステル又はクロロホーメートとを共重合させて得られる。 式(1)中、R 1及びR 2 、X、a及びbは、上記式(I)と同じである。 本発明で用いるポリカーボネート樹脂組成物において、PC−PDMS共重合体(A−1)の原料として用いる、式(1)で表される二価フェノールとしては、特に限定されないが、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称:ビスフェノールA)が好適である。 二価フェノールとしてビスフェノールAを用いた場合、式(I)において、Xがイソプロピリデン基であり、かつa=b=0のPC−PDMS共重合体(A−1)となる。 ビスフェノールA以外の二価フェノールとしては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4'−ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類、4,4'−ジヒロキシジフェニル等のジヒドロキシジフェニル類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のジヒドロキシジアリールフルオレン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等のジヒドロキシジアリールアダマンタン類、4,4'−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9−アントロン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2,3−ジオキサペンタエン等が挙げられる。 式(2)で表されるポリオルガノシロキサンは、オレフィン性の不飽和炭素−炭素結合を有する基で置換されたフェノール類、好適にはビニルフェノール、アリルフェノール、オイゲノール、イソプロペニルフェノール等を所定の重合度(シロキサン基の平均繰り返し数n)を有するポリオルガノシロキサン鎖の末端に、ハイドロシラネーション反応させることにより容易に製造することができる。 上記フェノール類は、アリルフェノール又はオイゲノールであることがより好ましい。 この場合、成分(A−1)中の式(II)におけるYがアリルフェノール又はオイゲノールから誘導された2価の有機基となる。 式(2)で表されるポリオルガノシロキサンとしては、R 3及びR 4が共にメチル基であるものが好ましい。 上記式(3)〜(11)中、R 3 〜R 6及びnは式(II)と同じである。 これらの中でも、重合の容易さの観点においては、式(3)に示すフェノール変性ポリオルガノシロキサンが好ましい。 また、入手の容易さの観点においては、式(4)に示す化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、式(5)に示す化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンが好ましい。 上記フェノール変性ポリオルガノシロキサンは、公知の方法により製造することができる。 製造法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。 また、この段階では、低分子量の環状ポリオルガノシロキサンや過剰量の上記フェノール化合物が不純物として残存するために、減圧下で加熱し、これらの低分子化合物を留去することが好ましい。 〔成分(A−1)以外の芳香族ポリカーボネート(A−2)〕 芳香族ポリカーボネート(A−2)の製造に使用される二価フェノール系化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称:ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4'−ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類、4,4'−ジヒロキシジフェニル等のジヒドロキシジフェニル類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のジヒドロキシジアリールフルオレン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等のジヒドロキシジアリールアダマンタン類、4,4'−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9−アントロン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2,3−ジオキサペンタエン等が挙げられる。 これらの二価フェノールは、単独で又は二種以上を混合して用いてもよい。 芳香族ポリカーボネート(A−2)の製造に当たっては、必要に応じて、分子量調節剤、末端停止剤等を用いてもよい。 これらは、通常、ポリカーボネート樹脂の重合に用いられるものであれば、各種のものを用いることができる。 具体的な分子量調節剤としては、一価フェノールとして、例えば、フェノール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−イソブチルフェノール、m−イソブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、m−t−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、o−n−ペンチルフェノール、m−n−ペンチルフェノール、p−n−ペンチルフェノール、o−n−ヘキシルフェノール、m−n−ヘキシルフェノール、p−n−ヘキシルフェノール、p−t−オクチルフェノール、o−シクロヘキシルフェノール、m−シクロヘキシルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−n−ノニルフェノール、m−ノニルフェノール、p−n−ノニルフェノール、o−クミルフェノール、m−クミルフェノール、p−クミルフェノール、o−ナフチルフェノール、m−ナフチルフェノール、p−ナフチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジクミルフェノール、3,5−ジクミルフェノール、p−クレゾール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、平均炭素数12〜35の直鎖状又は分岐状のアルキル基をオルト位、メタ位又はパラ位に有するモノアルキルフェノール、9−(4−ヒドロキシフェニル)−9−(4−メトキシフェニル)フルオレン、9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4−(1−アダマンチル)フェノール等が挙げられる。 これらの一価フェノールの中では、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−フェニルフェノール等が好ましい。 また、これらの化合物は、単独で又は二種以上の化合物を併用して用いることができる。 末端停止剤としては、一価のカルボン酸とその誘導体や、一価のフェノールを用いることができる。 例えば、p−tert−ブチル−フェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、p−パーフルオロノニルフェノール、p−(パーフルオロノニルフェニル)フェノール、p−(パーフルオロキシルフェニル)フェノール、p−tert−パーフルオロブチルフェノール、1−(P−ヒドロキシベンジル)パーフルオロデカン、p−〔2−(1H,1H−パーフルオロトリドデシルオキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル〕フェノール、3,5−ビス(パーフルオロヘキシルオキシカルボニル)フェノール、p−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロドデシル、p−(1H,1H−パーフルオロオクチルオキシ)フェノール、2H,2H,9H−パーフルオロノナン酸、1,1,1,3,3,3−テトラフロロ−2−プロパノール等が挙げられる。 更に、上記の二価フェノール系化合物に対して、分岐化剤を用いて、分岐化ポリカーボネートとすることもできる。 この分岐化剤の添加量は、上記の二価フェノール系化合物に対して、好ましくは0.01〜3モル%、より好ましくは0.1〜1.0モル%である。 分岐化剤としては、例えば、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、α,α',α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α',α'−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フロログリシン、トリメリト酸、イサチンビス(o−クレゾール)等の官能基を3つ以上有する化合物が挙げられる。 成分(A−1)及び成分(A−2)からなるポリカーボネート系樹脂(A)[以下、樹脂混合物(A)と略記すことがある]において、成分(A−1)の含有量は、5〜100質量%の範囲内であることが必要であり、好ましくは30〜100質量%であり、より好ましくは45〜100質量%、さらに好ましくは60〜100質量%である。 成分(A−1)の含有量が5質量%未満、即ち、成分(A−2)の含有量が95質量%を超えた場合、樹脂混合物(A)中のポリオルガノシロキサンブロックの含有量を多くし、低温衝撃強度を向上させるために、成分(A−1)の製造時に、式(II)で表される構成単位であるポリオルガノシロキサンブロックの含有量を多くする必要がある。 しかし、成分(A−1)の製造時に式(II)で表される構成単位であるポリオルガノシロキサンブロックの含有量を多くすると、重合工程で反応の均一性が低下することがあり、また重合物の洗浄工程で重合物と洗浄水との分離性が悪化することがあるため、成分(A−1)の生産性が大きく低下するおそれがある。 式(II)の構成単位であるポリオルガノシロキサンブロックの含有量は、成分(A−1)及び成分(A−2)からなる樹脂混合物(A)中、2〜10質量%の範囲内であることが必要であり、好ましくは2.5〜8質量%、より好ましくは3〜6質量%である。 2質量%以上であれば耐衝撃強さ向上の効果が十分であり、一方、10質量%以下であれば十分な耐熱性を有する。 〔(B)リン系酸化防止剤〕 本発明においては、これらのリン系酸化防止剤(B)は一種を単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。 また、ポリカーボネート樹脂組成物中のリン系酸化防止剤(B)の含有量は、ポリカーボネート系樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜1質量部の範囲内であり、好ましくは0.02〜0.3質量部、更に好ましくは0.04〜0.2質量部である。 リン系酸化防止剤(B)を上記範囲で含有することにより、充分な酸化防止効果が得られる。 〔有機スルホン酸のアルカリ(土類)金属塩(C)〕 成分(C)を構成する有機スルホン酸としては、パーフルオロアルカンスルホン酸やポリスチレンスルホン酸等が挙げられる。 成分(C)としては、パーフルオロアルカンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が好ましい。 パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ(土類)金属塩として、下記式(12)で表されるものが挙げられる。 式(12)で表される、パーフルオロアルカンスルホン酸の具体例としては、例えば、パーフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロメチルブタンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸及びパーフルオロオクタンスルホン酸等を挙げることができる。 特に、これらのカリウム塩が好ましく用いられる。 その他、アルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ジフェニルスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸及びこれらのフッ素置換体並びにポリスチレンスルホン酸等の有機スルホン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等が挙げられる。 これらの中でも、特に、有機スルホン酸として、パーフルオロアルカンスルホン酸及びジフェニルスルホン酸が好ましい。 ポリスチレンスルホン酸のアルカリ(土類)金属塩としては、下記式(13)で表されるスルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂のアルカリ(土類)金属塩が挙げられる。 式(13)中、Qはスルホン酸塩基を示し、R 9は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を示す。 sは1〜5の整数を示し、tはモル分率を示し、0<t≦1である。 有機スルホン酸のアルカリ(土類)金属塩(C)の含有量は、樹脂混合物(A)100質量部に対して、0.01〜0.15質量部であることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.13質量部、さらに好ましくは0.03〜0.12質量部である。 0.01質量部以上であって、0.15質量部以下であれば、難燃性を十分に向上させることができる。 〔(D)ポリテトラフルオロエチレン粒子を含む混合粉体〕 <ポリテトラフルオロエチレン粒子> ポリテトラフルオロエチレン粒子の乳化重合の際、ポリテトラフルオロエチレンの特性を損なわない範囲で、共重合成分としてヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン及びパーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィン、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。 <有機系重合体粒子> 有機系重合体粒子を製造するための単量体の具体例としては、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−クロルスチレン、o−クロルスチレン、p−メトキシスチレン,o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができる。 特に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体の使用が好ましい。 尚、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体とは、アクリル酸アルキルエステル系及びメタクリル酸アルキルエステル系の両方の単量体を指す。 これらの単量体を重合することにより、有機系重合体粒子が得られる。 上記単量体は、1種又は2種以上混合して用いることができる。 有機系重合体粒子としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体からなる粒子が好ましい。 有機系重合体粒子は、例えば有機系重合体粒子の水性分散液として調製される。 有機系重合体粒子の水性分散液の製造法は、特に制限はないが、例えば、イオン性乳化剤を用いる乳化重合法、イオン性重合開始剤を用いるソープフリー乳化重合法等を挙げることができる。 イオン性乳化剤としては、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤及び両性イオン乳化剤のいずれも用いることができる。 又、これらのイオン性乳化剤と共に、ノニオン性乳化剤を併用することもできる。 アニオン性乳化剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、脂肪族アミン及び脂肪族アマイドの硫酸塩類、脂肪族アルコールリン酸エステル塩類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類及びホルマリン縮合物のナフタリンスルホン酸塩類等を挙げることができる。 イオン性重合開始剤としては、過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウム)、アゾビス(イソブチロニトリルスルホン酸塩)、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアニオン性重合開始剤、2,2'−アゾビス(アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2'−アゾビスイソブチルアミド二水和物等のカチオン性重合開始剤を挙げることができる。 本発明における有機系重合体粒子の粒子径dとしては、特に制限はないが、ポリテトラフルオロエチレン粒子との凝集状態の安定性の観点から、ポリテトラフルオロエチレン粒子の粒子径Dに対して次式の範囲が好ましい。 <混合粉体の調製> 凝集粒子は、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体粒子とが一体となった構造を有するが、そのモルフォロジーは両粒子の混合比や粒子径により様々なものがある。 即ち、ポリテトラフルオロエチレン粒子の周りを有機系重合体が取り囲んだ形態、その反対に有機系重合体粒子の周りをポリテトラフルオロエチレン粒子が取り囲んだ形態及び1つの粒子に対して数個の粒子が凝集した形態等が存在する。 上記水性分散液の混合の際の凝集速度を低下させるために、混合前に、ノニオン性乳化剤をポリテトラフルオロエチレン粒子及び/又は有機系重合体粒子の表面上に吸着させておくこともできる。 ノニオン性乳化剤としては、特に制限はなく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びアルキルセルロース等を挙げることができる。 そして、上記のようにして混合した水性分散液を、例えば塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固した後に乾燥、又は、スプレードライにより粉体化することができる。 混合した水性分散液中で乳化重合させるエチレン性不飽和単量体としては、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−クロルスチレン、o−クロルスチレン、p−メトキシスチレン,o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン単量体;ブタジエン、イソプレン、プレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができる。 これらの単量体は、1種又は2種以上混合して用いることができる。 混合粉体(D)中のポリテトラフルオロエチレンの含有量は、得られる樹脂組成物のアンチドリッピング効果による難燃性、及び成形品の外観や、ウェルド強度等の観点から、通常0.1〜90質量%であり、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜90質量%である。 本発明で用いるポリカーボネート樹脂組成物におけるポリテトラフルオロエチレン粒子及び有機系重合体粒子からなる混合粉体(D)の含有量は、ポリカーボネート系樹脂(A)100質量部に対して、通常0.1〜1質量部であり、好ましくは0.1〜0.9質量部、より好ましくは0.2〜0.8質量部である。 混合粉体(D)の含有量が0.1質量部以上ではドリップ性能が良好であり、難燃性が達成できる。 一方、1質量部以下であれば、組成物中の有機系重合体の割合が増加しすぎることがなく、難燃性が達成できる。 本発明で用いるポリカーボネート樹脂組成物には、成形性、耐衝撃性、外観改善、耐候性改善及び剛性改善等の目的で、上記成分(A)〜(D)に加え、その他の合成樹脂、エラストマー、無機フィラーを含有させることができる。 特に、低温衝撃強度を改良の目的には、シリコーン系のエラストマーが好適である。 又、熱可塑性樹脂に常用されている添加剤を必要により含有させることもできる。 本発明で用いるポリカーボネート樹脂組成物を構成する上記各成分及びそれらの原料は、市販品を用いることもできる。 本発明で用いるポリカーボネート樹脂組成物は次のように製造することができる。 次に、本発明の電流遮断器筐体は、上記のようにして製造した樹脂ペレットを、射出成形等することによって製造することができる。 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。 製造例1 管型反応器を出た反応液は後退翼を備えた内容積40Lのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここに更にビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を2.8L/hr、25質量%水酸化ナトリウム水溶液を0.07L/hr、水を17L/hr、1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64L/hrの流量で添加して反応を行った。 槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。 (2)ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体(Si−PC−1)の製造 邪魔板、パドル型攪拌翼及び冷却用ジャケットを備えた50L槽型反応器に上記で製造したポリカーボネートオリゴマー溶液15L、塩化メチレン9.0L、ジメチルシロキサン単位の繰返し数が90であるアリルフェノール末端変性ポリジメチルシロキサン(PDMS)393g及びトリエチルアミン8.8mLを仕込み、攪拌下でここに6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液1389gを加え、10分間ポリカーボネートオリゴマーとアリルフェノール末端変性PDMSとの反応を行った。 この重合液に、p−t−ブチルフェノール(PTBP)の塩化メチレン溶液(PTBP140gを塩化メチレン2.0Lに溶解したもの)、BPAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH577gと亜ジチオン酸ナトリウム2.0gを水8.4Lに溶解した水溶液にBPA1012gを溶解させたもの)を添加し50分間重合反応を行った。 こうして得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の塩化メチレン溶液を、その溶液に対して順次、15容積%の0.03mol/LNaOH水溶液、0.2モル/L塩酸で洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が0.01μS/m以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。 得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の核磁気共鳴(NMR)により求めたPDMS残基量(PDMS共重合量)は6.0質量%、ISO1628−4(1999)に準拠して測定した粘度数は46.9、粘度平均分子量Mv=17400であった。 製造例2〜6 得られたポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の組成、粘度及び粘度平均分子量Mvを表1に示す。 実施例1〜8及び比較例1〜4 (物性評価) ・粘度平均分子量(Mv) ・流動性(Q値)測定 得られたペレットを120℃で5時間乾燥した後、Q値(流れ値)測定を行った。 ・成形性 図1に示す、厚み2mmの箱型形状の自動車用電流遮断器モデル成形品(40mm×60mm×15mm)を東芝機械製電動射出成形機EC100SXでシリンダー温度320℃、金型温度80℃の条件で成形し、次の基準に従って成形性を評価した。 ・耐衝撃性評価 図1に示す、厚み2mmの箱型形状の自動車用電流遮断器モデル成形品(40mm×60mm×15mm)を東芝機械製電動射出成形機EC100SXでシリンダー温度320℃、金型温度80℃の条件で成形し、このモデル成形品2つを組合せネジ止めし、ISO12097−3準拠の衝撃試験(−35℃、23℃、85℃)を実施し、○:合格(損傷なし)及び×:不合格(損傷あり)に分類して評価した ・難燃性評価 UL規格94に準じて作製した、試験片(12.7mm×127mm×2.0mm)を用いて垂直燃焼試験を行い、5VB〜V−2に分類して評価した。 難燃性は5VB>V−0>V−1>V−2の順で優れている。 *1)金属塩:有機スルホン酸のアルカリ金属塩及び/又は有機スルホン酸のアルカリ土類金属塩 *2) PTFE:ポリテトラフルオロエチレン粒子及び有機系重合体粒子からなる混合粉体 表2より、実施例1〜8では、比較例1〜4よりも優れた特性を示すことがわかる。 即ち、実施例1〜8は−35℃、23℃、80℃において優れた耐衝撃性を有する筐体であることを示している。 尚、実施例6及び7は優れた難燃性を有する筐体であることを示している。 一方、比較例1及び2の筐体では−35℃での衝撃性に劣り、比較例3及び4では粘度平均分子量が25000以上の樹脂を用いており成形性に劣っていることを示している。 本発明の電流遮断器筐体は、頻繁に大電流が流れる電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等において、電流を遮断する装置の構成部品として有用である。 |