Circuit breaker and wire harness unit using the same

申请号 JP31597199 申请日 1999-11-05 公开(公告)号 JP2001135217A 公开(公告)日 2001-05-18
申请人 Yazaki Corp; 矢崎総業株式会社; 发明人 YAMAGUCHI NOBORU;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an inexpensive circuit breaker that can improve safety and a wire harness unit by means of this. SOLUTION: This is equipped with 3 or more connecting terminals 11a-11n provided for 2 or more power supplies and 1 or more loads in one-to-one correspondence and connected to 2 or more power supplies and 1 or more loads, connecting members 26 with conductivity for mutually connecting the 3 or more connecting terminals 11a-11n, and a breaking means 28 that breaks more than 3 circuits by moving the connecting members 26 so as to separate from the more than 3 connecting terminals 11a-11n, based on external breaking signal at an abnormal occasion of a vehicle. Since every circuit is broken at a time with a single circuit-breaking unit, safety can be improved, as well as at a low cost.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 2以上の電源と1以上の負荷との間に設けられ、前記2以上の電源から前記1以上の負荷に電流を供給するとともに、車両の異常時に前記2以上の電源への2以上の回路及び前記1以上の負荷への1以上の回路からなる3以上の回路を遮断する回路遮断装置であって、 前記2以上の電源及び前記1以上の負荷に対して1対1
    対応で設けられ且つ前記2以上の電源側及び前記1以上の負荷側へ接続される3以上の接続端子と、 この3以上の接続端子を相互に接続させる導電性を有する接続部材と、 前記車両の異常時に外部からの遮断信号に基づいて、前記3以上の接続端子から切り離すように前記接続部材を移動させることにより前記3以上の回路を遮断する遮断手段と、を備えることを特徴とする回路遮断装置。
  • 【請求項2】 前記遮断手段は、前記接続部材に加熱剤が充填された加熱部と、 前記遮断信号により着火剤に着火することにより前記加熱剤を発熱させる着火部と、 この着火部及び前記加熱部を収納する外ケースと、 伸縮自在な弾性部材と、 この弾性部材を圧縮状態で取り付けるとともに前記外ケースに着脱自在であって、前記外ケースに装着されたときに前記加熱部の近傍または接触して配置されるとともに前記加熱剤の熱により溶融する着脱部材と、を備えることを特徴とする請求項1記載の回路遮断装置。
  • 【請求項3】 前記3以上の接続端子の内の前記2以上の電源側に接続される2以上の接続端子の各接続端子と前記着火部とに接触する熱伝導部材を備えることを特徴とする請求項2記載の回路遮断装置。
  • 【請求項4】 前記着火部は、前記車両の異常時に外部に設けられた制御部から入力された遮断信号により前記着火剤に着火して前記加熱剤を発熱させることを特徴とする請求項2または請求項3記載の回路遮断装置。
  • 【請求項5】 前記着火部は、一対の着火部端子と、この一対の着火部端子間に設けられた抵抗体と、この抵抗体の近傍または接触して配置された前記着火剤とを有し、前記一対の着火部端子の内の一方の着火部端子が前記熱伝導部材の一端に接触し、他方の着火部端子が前記制御部へ接続され、前記熱伝導部材の他端が前記一方の接続端子に接触してなることを特徴とする請求項4記載の回路遮断装置。
  • 【請求項6】 前記制御部は、前記遮断信号により励磁電流が流れる電磁コイルと、一端が前記他方の着火部端子に接続され他端がアースされ前記励磁電流によりオンするスイッチとを有することを特徴とする請求項5記載の回路遮断装置。
  • 【請求項7】 前記加熱部の端部には側壁部が形成され、前記3以上の接続端子のそれぞれの先端部と前記側壁部とを低融点材により接合したことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の回路遮断装置。
  • 【請求項8】 2以上の電源と1以上の負荷との間に設けられ、前記2以上の電源から前記1以上の負荷に電流を供給するとともに、車両の異常時に前記2以上の電源への2以上の回路及び前記1以上の負荷への1以上の回路からなる3以上の回路を遮断する回路遮断装置であって、 分岐点を含む分岐部から放射状に分岐するように配置され且つ前記2以上の電源及び前記1以上の負荷に対して1対1対応で設けられ前記2以上の電源側及び前記1以上の負荷側へ接続される3以上の接続端子と、 前記車両の異常時に外部からの遮断信号に基づいて、前記分岐部を切断させることにより前記3以上の回路を遮断する遮断手段と、を備えることを特徴とする回路遮断装置。
  • 【請求項9】 2以上の電源と1以上の負荷との間に設けられ、前記2以上の電源から電線を構成するワイヤーハーネスを介して前記1以上の負荷に電流を供給するとともに、車両の異常時に前記2以上の電源への2以上の回路及び前記1以上の負荷への1以上の回路からなる3
    以上の回路を遮断する回路遮断装置を備えたワイヤーハーネス装置であって、 前記回路遮断装置は、 前記2以上の電源及び前記1以上の負荷に対して1対1
    対応で設けられ且つ前記2以上の電源側及び前記1以上の負荷側へ接続される3以上の接続端子と、 この3以上の接続端子を相互に接続させる導電性を有する接続部材と、 前記車両の異常時に外部からの遮断信号に基づいて、前記3以上の接続端子から切り離すように前記接続部材を移動させることにより前記3以上の回路を遮断する遮断手段と、を備えることを特徴とするワイヤーハーネス装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、バッテリやオルタネータ等の電源から負荷への電流が過電流となったときに、短時間で回路を遮断する回路遮断装置及びこれを用いたワイヤーハーネス装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】車両に設けられる電装システムでは、パワーウインドウ等の負荷に何らかの異常が発生したり、
    バッテリーと各負荷とを接続している複数の電線によって構成されたワイヤーハーネス等に何らかの異常が発生したとき、バッテリーと、ワイヤーハーネスとの間に介挿されたヒューズ等を溶断させて、バッテリーと、ワイヤーハーネスとの間を遮断する各種の回路遮断装置が開発されている。

    【0003】図13は従来の回路遮断装置を備えたワイヤーハーネス装置の一例を示す回路構成図である。 図1
    3に示すワイヤーハーネス装置は、ヒュージブルリンクF/L1〜F/L4を有する回路遮断装置103を備え、この回路遮断装置103は、バッテリ101やオルタネータ108から負荷105へ電流を供給するとともに、負荷やワイヤーハーネスに何らかの異常が発生したときに負荷105への電流を遮断する。

    【0004】ワイヤーハーネス装置において、バッテリ101は、複数の電線から構成されるワイヤーハーネス(以下、W/Hと称する。)からなる回路102aを介してヒュージブルリンクF/L1の一端に接続され、ヒュージブルリンクF/L1の他端は、W/Hからなる回路102bを介してオルタネータ108に接続されている。

    【0005】ヒュージブルリンクF/L1の他端は、W
    /HaとヒュージブルリンクF/L2と電線からなる回路102cとを介してパワーウィンドウ等の負荷105
    aに接続され、且つW/HaとヒュージブルリンクF/
    L3と電線からなる回路102dとを介してサンルーフ等の負荷105bに接続される。 ヒュージブルリンクF
    /L1の一端は、W/HbとヒュージブルリンクF/L
    4と電線からなる回路102eとを介してファン等の負荷105cに接続されている。

    【0006】このような構成のワイヤーハーネス装置において、異常時に、ヒュージブルリンクF/L1の遮断により、回路102bと、W/Haの下流の回路102
    c,102dとが保護される。 また、ヒュージブルリンクF/L2の遮断により、回路102cが保護され、ヒュージブルリンクF/L3の遮断により、回路102d
    が保護され、ヒュージブルリンクF/L4の遮断により、回路102eが保護される。

    【0007】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13
    に示す従来のワイヤーハーネス装置にあっては、各負荷への回路を保護するために、各回路に対応してそれぞれヒュージブルリンクを設けなければならなかった。 すなわち、回路遮断装置103は、4つのヒュージブルリンクを設けていたため、かなりのコストを要していた。

    【0008】そこで、コストを低減する一つの方法として、例えば、ヒュージブルリンクF/L2を削除し、負荷105aが接続された回路102cを、回路102b
    に直接接続する方法が考えられる。

    【0009】しかしながら、このような接続を行うと、
    オルタネータ108と負荷105aとの間は、ヒュージブルリンク等の安全器がなくなることになり、負荷10
    5aへの回路102cを保護することができなくなる。
    このため、安全性に欠けるという問題がある。

    【0010】本発明は、安価で且つ安全性を向上することができる回路遮断装置及びこれを用いたワイヤーハーネス装置を提供することを課題とする。

    【0011】

    【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、以下の構成とした。 請求項1の発明は、図1の回路遮断装置の原理図に示すように、2以上の電源と1以上の負荷との間に設けられ、前記2以上の電源から前記1以上の負荷に電流を供給するとともに、車両の異常時に前記2以上の電源への2以上の回路及び前記1
    以上の負荷への1以上の回路からなる3以上の回路を遮断する回路遮断装置であって、前記2以上の電源及び前記1以上の負荷に対して1対1対応で設けられ且つ前記2以上の電源側及び前記1以上の負荷側へ接続される3
    以上の接続端子11a〜11nと、この3以上の接続端子11a〜11nを相互に接続させる導電性を有する接続部材26と、前記車両の異常時に外部からの遮断信号に基づいて、前記3以上の接続端子11a〜11nから切り離すように前記接続部材26を移動させることにより前記3以上の回路を遮断する遮断手段28とを備えることを特徴とする。

    【0012】請求項1の発明によれば、導電性を有する接続部材26は、3以上の接続端子11a〜11nを相互に接続させているので、通常では、2以上の電源から1以上の負荷に電流が供給される。 車両の異常時には、
    外部からの遮断信号に基づいて、遮断手段28が3以上の接続端子11a〜11nから切り離すように接続部材26を移動させることにより3以上の回路を遮断する。
    すなわち、1つの回路遮断装置により一度に全ての回路が遮断されるので、安価で且つ安全性を向上することができる。

    【0013】請求項2の発明は、請求項1記載の回路遮断装置において、前記遮断手段は、前記接続部材に加熱剤が充填された加熱部と、前記遮断信号により着火剤に着火することにより前記加熱剤を発熱させる着火部と、
    この着火部及び前記加熱部を収納する外ケースと、伸縮自在な弾性部材と、この弾性部材を圧縮状態で取り付けるとともに前記外ケースに着脱自在であって、前記外ケースに装着されたときに前記加熱部の近傍または接触して配置されるとともに前記加熱剤の熱により溶融する着脱部材とを備えることを特徴とする。

    【0014】請求項2の発明によれば、伸縮自在な弾性部材を圧縮状態で取り付けた着脱部材は、外ケースに装着されたときに加熱部の近傍または接触して配置される。 そして、外部からの遮断信号により着火部が着火すると、加熱部に充填された加熱剤が発熱し、その熱により着脱部材が溶融する。 圧縮されていた弾性部材が伸張して加熱部を跳ね上げるため、加熱部と3以上の接続端子との電気的接続が一度に遮断されるから、安価で且つ安全性を向上することができる。 また、着脱部材は、外ケースに着脱自在に構成されてなるため、着脱部材の着脱作業が簡単になる。 さらに、弾性部材を着脱部材で保持しているため、3以上の接続端子と加熱部との接合部に外が加わらなくなる。

    【0015】請求項3の発明は、請求項2記載の回路遮断装置において、前記3以上の接続端子の内の前記2以上の電源側に接続される2以上の接続端子の各接続端子と前記着火部とに接触する熱伝導部材を備えることを特徴とする。

    【0016】請求項3の発明によれば、熱伝導部材に接触した接続端子に過電流が流れると、過電流により接続端子の温度が上昇し、接続端子の熱が熱伝導部材を介して着火部に伝導されて、この熱により着火部が着火すると、加熱部に充填された加熱剤が発熱し、その熱により着脱部材が溶融し、弾性部材が伸張して加熱部を跳ね上げるため、加熱部と3以上の接続端子との電気的接続を遮断できる。

    【0017】請求項4の発明は、請求項2または請求項3記載の回路遮断装置において、前記着火部は、前記車両の異常時に外部に設けられた制御部から入力された遮断信号により前記着火剤に着火して前記加熱剤を発熱させることを特徴とする。

    【0018】請求項4の発明によれば、着火部は、車両の異常時に外部に設けられた制御部から入力された遮断信号により着火剤に着火して加熱剤を発熱させるため、
    遮断信号の入力によっても、回路を短時間で且つ確実に遮断することができる。 また、制御部等の故障により遮断信号が着火部に入力されないために回路が遮断できない場合であっても、接続端子の温度により回路を短時間で確実に遮断することができ、電気部品を保護することができる。

    【0019】請求項5の発明は、請求項4記載の回路遮断装置において、前記着火部は、一対の着火部端子と、
    この一対の着火部端子間に設けられた抵抗体と、この抵抗体の近傍または接触して配置された前記着火剤とを有し、前記一対の着火部端子の内の一方の着火部端子が前記熱伝導部材の一端に接触し、他方の着火部端子が前記制御部へ接続され、前記熱伝導部材の他端が前記一方の接続端子に接触してなることを特徴とする。

    【0020】請求項5の発明によれば、過電流により接続端子の温度が上昇し、温度上昇による熱は、接続端子、熱伝導部材、一方の着火部端子、抵抗体及び着火剤と伝導されるため、この熱により着火剤を着火することができる。 また、他方の着火部端子が制御部へ接続されているため、制御部からの遮断信号が他方の着火部端子を介して抵抗体に送られて抵抗体の発熱により着火剤を着火することができる。

    【0021】請求項6の発明は、請求項5記載の回路遮断装置において、前記制御部は、前記遮断信号により励磁電流が流れる電磁コイルと、一端が前記他方の着火部端子に接続され他端がアースされ前記励磁電流によりオンするスイッチとを有することを特徴とする。

    【0022】請求項6の発明によれば、制御部において、遮断信号により電磁コイルに励磁電流が流れると、
    この励磁電流によりスイッチがオンする。 このため、電源から、接続端子、熱伝導部材、一方の着火部端子、抵抗体、他方の着火部端子、スイッチ、アースの経路で電流が流れ、抵抗体の発熱により着火剤を着火することができ、接続端子側に有する電源を流用して回路を遮断することができる。

    【0023】請求項7の発明は、請求項2乃至請求項6
    のいずれか1項記載の回路遮断装置において、前記加熱部の端部には側壁部が形成され、前記3以上の接続端子のそれぞれの先端部と前記側壁部とを低融点材により接合したことを特徴とする。

    【0024】請求項7の発明によれば、3以上の接続端子のそれぞれの先端部と側壁部とを低融点材により接合したため、加熱剤の発熱により着脱部材及び低融点材が溶融すると、加熱部が跳ね上がり、3以上の接続端子と加熱部との電気的接続を遮断できる。

    【0025】請求項8の発明は、2以上の電源と1以上の負荷との間に設けられ、前記2以上の電源から前記1
    以上の負荷に電流を供給するとともに、車両の異常時に前記2以上の電源への2以上の回路及び前記1以上の負荷への1以上の回路からなる3以上の回路を遮断する回路遮断装置であって、分岐点を含む分岐部から放射状に分岐するように配置され且つ前記2以上の電源及び前記1以上の負荷に対して1対1対応で設けられ前記2以上の電源側及び前記1以上の負荷側へ接続される3以上の接続端子と、前記車両の異常時に外部からの遮断信号に基づいて、前記分岐部を切断させることにより前記3以上の回路を遮断する遮断手段とを備えることを特徴とする。

    【0026】請求項8の発明によれば、3以上の接続端子は、分岐点を含む分岐部から放射状に分岐するように配置されているので、通常では、2以上の電源から1以上の負荷に電流が供給される。 車両の異常時には、外部からの遮断信号に基づいて、遮断手段が分岐部を切断させることにより3以上の回路を遮断する。 すなわち、1
    つの回路遮断装置により一度に全ての回路が遮断されるので、安価で且つ安全性を向上することができる。

    【0027】請求項9の発明は、2以上の電源と1以上の負荷との間に設けられ、前記2以上の電源から電線を構成するワイヤーハーネスを介して前記1以上の負荷に電流を供給するとともに、車両の異常時に前記2以上の電源への2以上の回路及び前記1以上の負荷への1以上の回路からなる3以上の回路を遮断する回路遮断装置を備えたワイヤーハーネス装置であって、前記回路遮断装置は、前記2以上の電源及び前記1以上の負荷に対して1対1対応で設けられ且つ前記2以上の電源側及び前記1以上の負荷側へ接続される3以上の接続端子と、この3以上の接続端子を相互に接続させる導電性を有する接続部材と、前記車両の異常時に外部からの遮断信号に基づいて、前記3以上の接続端子から切り離すように前記接続部材を移動させることにより前記3以上の回路を遮断する遮断手段とを備えることを特徴とする。

    【0028】請求項9の発明によれば、ワイヤーハーネス装置に設けられた回路遮断装置において、車両の異常時には、外部からの遮断信号に基づいて、遮断手段が3
    以上の接続端子から切り離すように接続部材を移動させることにより3以上の回路を遮断する。 すなわち、1つの回路遮断装置により一度に全ての回路が遮断されるので、安価で且つ安全性を向上することができるワイヤーハーネス装置を提供することができる。

    【0029】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の回路遮断装置及びこれを用いたワイヤーハーネス装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。

    【0030】(第1の実施の形態)図2は本発明のワイヤーハーネス装置の実施の形態の回路構成図である。 図3は図2に示すワイヤーハーネス装置に備えられた第1
    の実施の形態の回路遮断装置の上面図である。 図4は第1の実施の形態の回路遮断装置のA−A間の遮断前の断面図である。 図5は第1の実施の形態の回路遮断装置のA−A間の遮断前後の断面図及びその周辺回路図である。

    【0031】図2において、バッテリ1は、回路遮断装置3に接続され、この回路遮断装置3は、ヒューズ4により構成される。 このヒューズ4は、多回路2a〜2e
    に接続される。 回路aは、バッテリ1に接続され、回路2bはオルタネータ8に接続され、回路2cは、負荷5
    aに接続され、回路2dは、負荷5bに接続され、回路2eは、負荷5cに接続される。

    【0032】回路遮断装置3は、通常時には、バッテリ1またはオルタネータ8から負荷5a,5b,5cに電流を供給し、車両異常時には、1つのヒューズ4(安全器)により多回路2a〜2eを一度に遮断する。 このため、回路遮断装置3は、5つの回路2a〜2eに1対1
    対応で接続端子としての5つのバスバーを有する。

    【0033】ここでは、説明を簡単にするために、図3
    乃至図5に示す回路遮断装置3は、例えば、回路2a,
    回路2b,回路2cに対応して、第1のバスバー11
    a,第2のバスバー11b,第3のバスバー11cを有するものとして説明する。 なお、ここでは、3つのバスバーを設けたが、4以上の回路に対応して、4以上のバスバーを設けても良い。

    【0034】図3に示す回路遮断装置3の上面図において、第1乃至第3のバスバー11a〜11cのそれぞれは、板状をなし、例えば、銅または銅合金からなり、分岐点Oから一定距離離れ且つ分岐点Oを中心として略1
    20°等間隔に配置されている。 第1のバスバー11a
    は回路2aを介してバッテリ1に接続され、第2のバスバー11bは回路2cを介して負荷5aに接続され、第3のバスバー11cは、回路2bを介してオルタネータ8に接続されている。

    【0035】第1乃至第3のバスバー11a〜11cにはこれらに対応して、電線を固定するための丸穴部12
    a〜12cが形成され、第1乃至第3のバスバー11a
    〜11cのそれぞれは、上方に略直に折り曲げられており、折り曲げられた部分が樹脂ケース14bを挿通している。 この樹脂ケース14bにはキャップ14aが被せられ、キャップ14a及び樹脂ケース14bは、外ケースを構成し、樹脂(熱可塑性樹脂)等の絶縁材料の容器からなる。

    【0036】樹脂ケース14bには、円筒状の接続部材としてのテルミットケース26が収納されており、このテルミットケース26には、加熱剤27とリード線31
    が接続された着火部29とが収納されていて、加熱剤上部には上蓋24が被せられている。

    【0037】テルミットケース26は、熱伝導度が良く、加熱剤27の発熱で溶けない、例えば、黄銅、銅、
    銅合金、ステンレス等を用いると良い。 テルミットケース26は、金属の絞り加工等により成形され、円筒または直方体からなる。

    【0038】着火部29は、図示しない着火剤を有し、
    車両の衝突事故等の車両の異常時にリード線31に流れる電流によって発生する発熱により着火剤を点火して加熱剤27にテルミット反応熱を発生させるようになっている。

    【0039】第1乃至第3のバスバー11a〜11cのそれぞれの先端に形成されたバスバー先端部13a〜1
    3cは、ハンダ(例えば、融点が200℃〜300℃)
    等の低融点材としての低融点金属23により、テルミットケース26の左右の側壁部に接合され、低融点金属2
    3及びテルミットケース26を介して第1乃至第3のバスバー11a〜11cが相互に電気的に接続されている。

    【0040】低融点金属23としては、例えば、Sn、
    Pb、Zn、Al及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属からなる。 加熱剤27は、例えば、酸化鉄(Fe
    23 )等の金属酸化物の粉末、アルミニウムの粉末とによって構成され、リード線31の発熱によりテルミット反応を起こして高熱を発生するテルミット剤である。 このテルミット剤は、防湿対策として金属製の容器であるテルミットケース26に封入される。 なお、酸化鉄(F
    23 )を用いる代わりに、酸化クロム(Cr 23 )、
    酸化マンガン(MnO 2 )などを用いても良い。 加熱剤27としては、B、Sn、FeSi、Zr、Ti及びA
    lの中から選ばれる少なくとも1種の金属粉末と、Cu
    O、MnO 2 、Pb 34 、PbO 2 、Fe 34およびFe
    23の中から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物と、
    アルミナ、ベントナイト、タルク等からなる添加剤の少なくとも1種の混合物を用いても良い。

    【0041】また、樹脂ケース14bの開口内にあって且つテルミットケース26の下部には、樹脂部材からなるリテーナ40が配置されている。 このリテーナ40
    は、圧縮バネ39aを圧縮状態で取り付けるとともに樹脂ケース14bに着脱自在であって、樹脂ケース14b
    に装着されたときにテルミットケース26の近傍または接触して配置されるとともに加熱剤27の熱により溶融する着脱部材を構成している。

    【0042】また、回路遮断装置3は、図5に示すように、第1乃至第3のバスバー11a〜11cのそれぞれに流れる電流を検出する電流センサ41と、車両の衝突を検出する衝突センサ(Gセンサ)44と、電流センサ41で検出した検出電流値がしきい値以上になった場合に駆動制御信号を駆動回路47に出力またはGセンサ4
    4で検出した検出加速度値が所定値以上になった場合に駆動制御信号を駆動回路47に出力する制御回路45
    と、制御回路45からの駆動制御信号により着火部29
    内のヒータ49に回路を遮断させるための遮断信号(異常信号)を印加する駆動回路47とを有している。

    【0043】なお、回路遮断装置3は、過電圧を検出する電圧センサ42、温度を検出する温度センサ43を設け、電圧センサ42からの出力、温度センサ43からの出力を制御回路45に出力してもよい。

    【0044】次に、このように構成された第1の実施の形態の回路遮断装置の動作を図面を参照して説明する。

    【0045】まず、通常の状態では、第1乃至第3のバスバー11a〜11cのそれぞれは、低融点金属23及びテルミットケース26を介して相互に電気的に接続されているため、例えば、バッテリ1から回路2a、第1
    のバスバー11a、第2のバスバー11b及び回路2c
    を介して負荷5aに電流が供給される。 また、例えば、
    オルタネータ8から回路2b、第3のバスバー11c、
    第2のバスバー11b及び回路2cを介して負荷5aに電流が供給される。

    【0046】次に、車両に異常が発生して第1乃至第3
    のバスバー11a〜11cのいずれかに過電流が流れると、電流センサ41がその電流を検出し、電流センサ4
    1で検出した検出電流値がしきい値以上になった場合には、制御回路45は、駆動制御信号を駆動回路47に出力し、駆動回路47は、制御回路45からの駆動制御信号により着火部29内のヒータ49に遮断信号を印加する。 このため、リード線31を通って着火部29のヒータ49へ電流が流れる。

    【0047】すると、電流によりヒータ49が発熱し、
    着火部29が発火するため、加熱剤27が以下の反応式によりテルミット反応熱を発生する。

    【0048】Fe 23 +2AL→AL 23 +2Fe+3
    86.2Kcalこのテルミット反応熱によりテルミットケース26が加熱され、加熱剤27の発熱とテルミットケース26の熱により低融点金属23が溶融すると同時に、圧縮バネ39aを圧縮した樹脂性のリテーナ40
    の係止部分が前記熱によって溶融する。 すると、図5に示すように、圧縮バネ39aが伸張するため、テルミットケース26がキャップ14aの方向に跳ね上がる(テルミットケース26′で示す。)。

    【0049】このため、テルミットケース26と、第1
    乃至第3のバスバー11a〜11cとの電気的接続が切断されるので、回路2a,2b,2cの全ての回路が一度に遮断される。 すなわち、1つのヒューズ4により、
    多回路を一度に短時間で且つ確実に遮断することができ、電気部品を保護することができる。 これによって、
    安価で且つ小型でしかも安全性を向上することができる。

    【0050】また、自動車等の車両には、バッテリ1とオルタネータ8との2つの電源が配置されているので、
    これら2つの電源から下流の回路を保護するためには、
    通常2つ以上の安全器が必要であるが、第1の実施の形態の回路遮断装置によれば、回路に対する安全器は1つで済むようになった。

    【0051】また、圧縮バネ39aをリテーナ40により保持しているため、第1乃至第3のバスバー11a〜
    11cとテルミットケース26との接合部、すなわち、
    低融点金属23に外力を加えることがなくなる。 このため、接合部の信頼性を向上することができる。

    【0052】また、樹脂ケース14bにキャップ14a
    を被せるため、回路遮断時におけるテルミットケース2
    6がキャップ14aから飛び出すことがなくなり、これによって、熱による火傷等を防止することができる。

    【0053】次に、第1の実施の形態の回路遮断装置の変形例を2つ例示して説明する。 図6は第1の実施の形態の回路遮断装置の第1の変形例の上面図である。 図7
    は第1の実施の形態の回路遮断装置の第1の変形例のA
    −A間の遮断前の断面図である。

    【0054】図6に示す回路遮断装置の上面図において、第1乃至第3のバスバー11d〜11fのそれぞれは、板状をなし、例えば、銅または銅合金からなり、分岐点Oを含む分岐部としての被切断部51から放射状に配置されている。 すなわち、バスバーは、分岐点Oを中心として略120°等間隔に3分岐して配置されている。 第1のバスバー11dは、回路2aを介してバッテリ1に接続され、第2のバスバー11eは回路2cを介して負荷5aに接続され、第3のバスバー11fは、回路2bを介してオルタネータ8に接続されている。

    【0055】第1乃至第3のバスバー11d〜11f
    は、略直角に折り曲げられており、折り曲げられた折曲部50が樹脂ケース14dを挿通している。 この樹脂ケース14dにはキャップ14cが被せられ、このキャップ14cと樹脂ケース14dとの間に形成された空洞部59には、第1乃至第3のバスバー11d〜11fのバスバー先端部である平坦状の被切断部51が配置されている。

    【0056】また、樹脂ケース14dの開口には、リード線31が接続された発熱手段としてのヒータ49とこのヒータ49の熱により爆発する火薬53とを収納した火薬収納部55が配置され、この火薬収納部55の上部には先端部が尖り且つ被切断部51の略中央に配置され車両異常時に被切断部51を切断するための切断部材5
    7が設けられている。 キャップ14cの内壁には、被切断部51を挟んで切断部材57に対向する位置に、切断部材57の先端部の形状と略同一形状をなす溝部58が形成されている。

    【0057】次に、このように構成された第1の実施の形態の回路遮断装置の第1の変形例の動作を説明する。
    まず、通常の状態では、第1乃至第3のバスバー11d
    〜11fは、分岐点Oから3分岐するとともに、相互に電気的に接続されているため、例えば、バッテリ1から回路2a、第1のバスバー11d、第2のバスバー11
    e及び回路2cを介して負荷5aに電流が供給される。
    また、例えば、オルタネータ8から回路2b、第3のバスバー11f、第2のバスバー11e及び回路2cを介して負荷5aに電流が供給される。

    【0058】車両の異常時には、遮断信号がリード線3
    1を介してヒータ49に印加されるため、このヒータ4
    9の発熱により火薬53が爆発する。 この爆発力により切断部材57が上方に溝部58まで跳ね上がるため、被切断部51が切断される。 このため、第1乃至第3のバスバー11d〜11fのそれぞれが一度に相互に分離される。 すなわち、1つのヒューズにより多回路を一度に遮断することができる。 従って、第1の実施の形態の回路遮断装置の第1の変形例によっても第1の実施の形態の回路遮断装置の効果と同様な効果が得られる。

    【0059】図8は第1の実施の形態の回路遮断装置の第2の変形例の上面図である。 図9は第1の実施の形態の回路遮断装置の第2の変形例のA−A間の遮断前の断面図である。

    【0060】図8に示す回路遮断装置の上面図において、第1乃至第3のバスバー11g〜11iのそれぞれは、板状をなし、例えば、銅または銅合金からなり、分岐点Oから一定距離離れ且つ略120°等間隔に配置されている。

    【0061】第1のバスバー11gは、回路2aを介してバッテリ1に接続され、第2のバスバー11hは回路2cを介して負荷5aに接続され、第3のバスバー11
    iは、回路2bを介してオルタネータ8に接続されている。

    【0062】第1乃至第3のバスバー11g〜11i
    は、略直角に折り曲げられており、折り曲げられた部分が樹脂ケース14fを挿通している。 この樹脂ケース1
    4fにはキャップ14eが被せられている。

    【0063】また、樹脂ケース14fの開口には、リード線31が接続されたヒータ49とこのヒータ49の熱により爆発する火薬53とを収納した火薬収納部55が配置され、この火薬収納部55の上部には、円筒状の段部62が形成された可動部材61が配置されている。 段部62の外周面には全周にわたって導電性を有する可動接点63が形成され、この可動接点63は、第1乃至第3のバスバー11g〜11iの先端であるバスバー先端部13a〜13cに圧接している。

    【0064】次に、このように構成された第1の実施の形態の回路遮断装置の第2の変形例の動作を説明する。
    まず、通常の状態では、第1乃至第3のバスバー11g
    〜11iは、可動接点63を介して相互に電気的に接続されているため、例えば、バッテリ1から回路2a、第1のバスバー11g、第2のバスバー11h及び回路2
    cを介して負荷5aに電流が供給される。 また、例えば、オルタネータ8から回路2b、第3のバスバー11
    i、第2のバスバー11h及び回路2cを介して負荷5
    aに電流が供給される。

    【0065】車両の異常時には、遮断信号がリード線3
    1を介してヒータ49に印加されるため、ヒータ49の発熱により火薬53が爆発する。 この爆発力により可動部材61が上方に跳ね上がるため、可動接点63がバスバー先端部13a〜13cから切断される。 このため、
    第1乃至第3のバスバー11g〜11iのそれぞれが一度に相互に分離される。 すなわち、1つのヒューズにより多回路を一度に遮断することができる。 従って、第1
    の実施の形態の回路遮断装置の第2の変形例によっても第1の実施の形態の回路遮断装置の効果と同様な効果が得られる。

    【0066】(第2の実施の形態)図10は第2の実施の形態の回路遮断装置の遮断前の断面図である。 図11
    は第2の実施の形態の回路遮断装置に設けられた熱伝導端子及びその周辺部の詳細図である。 図12は第2の実施の形態の回路遮断装置に接続される制御部の回路構成図である。 第2の実施の形態の回路遮断装置は、制御部等の故障により着火部に遮断信号が入力されないために回路が遮断できない場合でも過電流によるバスバーの温度上昇の熱により回路を遮断することを特徴とする。 第2の実施の形態の回路遮断装置の上面図は、図3に示す回路遮断装置の上面図と同一であり、図10では、図3
    に示す回路遮断装置のA−A間の断面図を示している。

    【0067】図10に示す回路遮断装置において、樹脂ケース14bの開口内にあって且つテルミットケース2
    6の下部には樹脂部材からなるリテーナ40aが配置されている。 リテーナ40aは、先端に形成された一対のリテーナ係止部67を有し、一対のリテーナ係止部67
    が樹脂ケース14bに装着されるようになっている。 リテーナ40aには圧縮バネ39aが圧縮された状態で挟み込まれている。

    【0068】着火部29は、一対の着火部端子30c,
    30d、この一対の着火部端子30c,30d間に設けられた抵抗体30b、この抵抗体30bの近傍または接触して配置された着火剤30aを有する。

    【0069】また、バッテリ1側に接続される第1のバスバー11aの折り曲げ部分と着火部端子30cとに接触する熱伝導部材としての例えば、銅、銅合金等からなる熱伝導端子32が設けられている。 この熱伝導端子3
    2は、図11に示すように、略L字状をなしており、熱伝導端子本体32aと、第1のバスバー11aに圧接するために円弧状に突起したバスバー接触片32cと、着火部端子30cに面接触する着火部接触片32bとが形成されてなり、樹脂ケース14bの下方から挿入されるようになっている。 着火部端子30dは、リード線31
    を介して図12に示す制御部70へ接続されている。

    【0070】また、オルタネータ8側に接続される第3
    のバスバー11cの折り曲げ部分と着火部端子30cとに接触する熱伝導部材としての例えば、銅、銅合金等からなる熱伝導端子32が設けられている(図示せず)。
    第2のバスバー11bは、負荷5a側に接続される。

    【0071】制御部70は、図12に示すように、第1
    乃至第3のバスバー11a〜11cのそれぞれに流れる電流を検出する電流センサ71と、Gセンサ73と、電流センサ71で検出した検出電流値がしきい値以上になった場合に駆動制御信号を遮断信号として駆動回路77
    に出力またはGセンサ73で検出した検出加速度値が所定値以上になった場合に駆動制御信号を電磁リレー77
    に出力する制御回路75と、制御回路75からの駆動制御信号により動作する電磁リレー77とを有している。

    【0072】この電磁リレー77は、遮断信号(ここでは、駆動制御信号のこと)により励磁電流が流れる電磁コイル78と、一端aがリード線31を介して着火部端子30dに接続され他端bがアースされ励磁電流によりオンするスイッチ79とを有する。

    【0073】なお、回路遮断装置は、過電圧を検出する電圧センサ、温度を検出する温度センサを設け、電圧センサからの出力、温度センサからの出力を制御回路75
    に出力するようにしてもよい。

    【0074】遮断信号は、前記電流の値がしきい値以上になった場合に着火部29に入力され、第1のバスバー11aを介する熱伝導端子32からの熱により加熱剤2
    7が発熱するときの前記電流の値は、前記しきい値を超えた値に設定されている。

    【0075】次に、このように構成された第2の実施の形態の回路遮断装置の動作を図面を参照して説明する。

    【0076】まず、電流センサ71、Gセンサ73、制御回路75等が正常であり、車両の異常時に遮断信号が着火部29に送られてくる場合の動作を説明する。 車両に異常が発生して第1乃至第3のバスバー11a〜11
    cに過電流が流れると、電流センサ71がその電流を検出し、電流センサ71で検出した検出電流値がしきい値以上になった場合には、制御回路75は、駆動制御信号を電磁コイル78に出力するため、電磁コイル78に励磁電流が流れて、この励磁電流によりスイッチ79がオンする。

    【0077】すると、バッテリ1から、第1のバスバー11a、熱伝導端子32、着火部端子30c、抵抗体3
    0b、着火部端子30d、リード線31、スイッチ7
    9、アースの経路で電流が流れる。 このため、抵抗体3
    0bが発熱し、抵抗体30bの温度が350℃以上となると、着火剤が着火して、テルミット剤である加熱剤2
    7が以下の反応式によりテルミット反応熱を発生する。

    【0078】このため、低融点金属23が溶融すると同時に、樹脂性のリテーナ係止部67が溶融すると、圧縮バネ39aが伸張するため、テルミットケース26がキャップ14aの方向に跳ね上がる。 このため、テルミットケース26と、第1乃至第3のバスバー11a〜11
    cとの電気的接続が一度に切断される。 すなわち、第1
    の実施の形態の回路遮断装置の効果と同様な効果が得られる。 また、バッテリ1からの電源電圧を流用して、遮断信号による回路遮断を行うことができる。

    【0079】次に、電流センサ71、Gセンサ73の破損、制御回路75の断線等が発生し、車両の異常時に遮断信号が着火部29に送られない場合の動作を説明する。 この場合には、電磁リレー77に有するスイッチ7
    9はオフである。

    【0080】まず、第1のバスバー11aに前記しきい値を超える過電流が流れると、第1のバスバー11aの温度が上昇し、その温度が例えば、350℃以上となり、温度上昇による熱は、第1のバスバー11a、熱伝導端子32、着火部端子30c、抵抗体30b及び着火剤30aと伝導される。

    【0081】このため、この熱(例えば、温度が350
    ℃以上となったとき)により着火剤30aが着火して、
    加熱剤27が発熱して、この熱によりテルミットケース26が加熱され、加熱剤27の発熱とテルミットケース26の熱により低融点金属23が溶融すると同時に、リテーナ係止部67が溶融する。 すると、圧縮バネ39a
    が伸張するため、テルミットケース26がキャップ14
    aの方向に跳ね上がる。 このため、テルミットケース2
    6と、第1乃至第3のバスバー11a〜11cとの電気的接続が一度に切断される。

    【0082】すなわち、制御部70の故障等により回路を遮断することができない場合でも、過電流時のバスバーの温度上昇による熱により、回路を短時間で且つ確実に遮断することができる。

    【0083】また、電流センサ71等のセンサがなくても、温度検出によって回路を遮断することができる。 さらに、回路部材を溶断する方式に比較して、第2の実施の形態の回路遮断装置は、熱伝導端子32を用いているから、ヒューズの回路抵抗を小さくできるため、自然遮断等がなくなり、安全性を向上することができる。

    【0084】また、遮断信号は、電流の値がしきい値以上になった場合に着火部29に入力され、第1のバスバー11aを介する熱伝導端子32からの熱により加熱剤27が発熱するときの電流の値は、しきい値を超えた値に設定されてなるため、制御部70からの遮断信号により回路を遮断できない場合には、第1のバスバー11a
    を介する熱伝導端子32からの熱により回路を遮断できるとともに、遮断信号による回路遮断よりも先に、熱伝導端子32からの熱による回路遮断が行われることがなくなる。

    【0085】さらに、第1の実施の形態の回路遮断装置の第1の変形例において、着火部端子30cを熱伝導端子32を介して第1のバスバー11aに接触させ、着火部端子30dをリード線31を介して制御部70に接続するように構成しても良い。 また、第1の実施の形態の回路遮断装置の第2の変形例において、着火部端子30
    cを熱伝導端子32を介して第1のバスバー11aに接触させ、着火部端子30dをリード線31を介して制御部70に接続するように構成しても良い。 このように構成すれば、第2の実施の形態の回路遮断装置の効果と同様な効果が得られる。

    【0086】なお、本発明は前述した第1及び第2の実施の形態の回路遮断装置及びこれを用いたワイヤーハーネス装置に限定されるものではない。 第1及び第2の実施の形態の回路遮断装置では、圧縮バネ39a及び低融点金属23を設け、リテーナ40及び低融点金属23が溶融したときに回路を遮断したが、例えば、低融点金属23を設けることなくリテーナ40のみを設け、リテーナ40が溶融したときに回路を遮断しても良い。 また、
    第1及び第2の実施の形態では、リテーナ40として樹脂部材を用いたが、リテーナ40は、加熱剤27の熱により溶融するハンダ(例えば、融点が200℃〜300
    ℃)等の低融点金属を用いても良い。

    【0087】

    【発明の効果】請求項1の発明によれば、車両の異常時には、外部からの遮断信号に基づいて、遮断手段が3以上の接続端子から切り離すように接続部材を移動させることにより3以上の回路を遮断する。 すなわち、1つの回路遮断装置により一度に全ての回路が遮断されるので、安価で且つ安全性を向上することができる。

    【0088】請求項2の発明によれば、伸縮自在な弾性部材を圧縮状態で取り付けた着脱部材は、外ケースに装着されたときに加熱部の近傍または接触して配置される。 そして、外部からの遮断信号により着火部が着火すると、加熱部に充填された加熱剤が発熱し、その熱により着脱部材が溶融する。 圧縮されていた弾性部材が伸張して加熱部を跳ね上げるため、加熱部と3以上の接続端子との電気的接続が一度に遮断されるから、安価で且つ安全性を向上することができる。 また、着脱部材は、外ケースに着脱自在に構成されてなるため、着脱部材の着脱作業が簡単になる。 さらに、弾性部材を着脱部材で保持しているため、3以上の接続端子と加熱部との接合部に外力が加わらなくなる。

    【0089】請求項3の発明によれば、熱伝導部材に接触した接続端子に過電流が流れると、過電流により接続端子の温度が上昇し、接続端子の熱が熱伝導部材を介して着火部に伝導されて、この熱により着火部が着火すると、加熱部に充填された加熱剤が発熱し、その熱により着脱部材が溶融し、弾性部材が伸張して加熱部を跳ね上げるため、加熱部と3以上の接続端子との電気的接続を遮断できる。

    【0090】請求項4の発明によれば、着火部は、車両の異常時に外部に設けられた制御部から入力された遮断信号により着火剤に着火して加熱剤を発熱させるため、
    遮断信号の入力によっても、回路を短時間で且つ確実に遮断することができる。 また、制御部等の故障により遮断信号が着火部に入力されないために回路が遮断できない場合であっても、接続端子の温度により回路を短時間で確実に遮断することができ、電気部品を保護することができる。

    【0091】請求項5の発明によれば、過電流により接続端子の温度が上昇し、温度上昇による熱は、接続端子、熱伝導部材、一方の着火部端子、抵抗体及び着火剤と伝導されるため、この熱により着火剤を着火することができる。 また、他方の着火部端子が制御部へ接続されているため、制御部からの遮断信号が他方の着火部端子を介して抵抗体に送られて抵抗体の発熱により着火剤を着火することができる。

    【0092】請求項6の発明によれば、制御部において、遮断信号により電磁コイルに励磁電流が流れると、
    この励磁電流によりスイッチがオンする。 このため、電源から、接続端子、熱伝導部材、一方の着火部端子、抵抗体、他方の着火部端子、スイッチ、アースの経路で電流が流れ、抵抗体の発熱により着火剤を着火することができ、接続端子側に有する電源を流用して回路を遮断することができる。

    【0093】請求項7の発明によれば、3以上の接続端子のそれぞれの先端部と側壁部とを低融点材により接合したため、加熱剤の発熱により着脱部材及び低融点材が溶融すると、加熱部が跳ね上がり、3以上の接続端子と加熱部との電気的接続を遮断できる。

    【0094】請求項8の発明によれば、3以上の接続端子は、分岐点を含む分岐部から放射状に分岐するように配置されているので、通常では、2以上の電源から1以上の負荷に電流が供給される。 車両の異常時には、外部からの遮断信号に基づいて、遮断手段が分岐部を切断させることにより3以上の回路を遮断する。 すなわち、1
    つの回路遮断装置により一度に全ての回路が遮断されるので、安価で且つ安全性を向上することができる。

    【0095】請求項9の発明によれば、ワイヤーハーネス装置に設けられた回路遮断装置において、車両の異常時には、外部からの遮断信号に基づいて、遮断手段が3
    以上の接続端子から切り離すように接続部材を移動させることにより3以上の回路を遮断する。 すなわち、1つの回路遮断装置により一度に全ての回路が遮断されるので、安価で且つ安全性を向上することができるワイヤーハーネス装置を提供することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の回路遮断装置の原理図である。

    【図2】本発明のワイヤーハーネス装置の実施の形態の回路構成図である。

    【図3】図2に示すワイヤーハーネス装置に備えられた第1の実施の形態の回路遮断装置の上面図である。

    【図4】第1の実施の形態の回路遮断装置のA−A間の遮断前の断面図である。

    【図5】第1の実施の形態の回路遮断装置のA−A間の遮断前後の断面図及びその周辺回路図である。

    【図6】第1の実施の形態の回路遮断装置の第1の変形例の上面図である。

    【図7】第1の実施の形態の回路遮断装置の第1の変形例のA−A間の遮断前の断面図である。

    【図8】第1の実施の形態の回路遮断装置の第2の変形例の上面図である。

    【図9】第1の実施形態の回路遮断装置の第2の変形例のA−A間の遮断前の断面図である。

    【図10】第2の実施の形態の回路遮断装置の遮断前の断面図である。

    【図11】第2の実施の形態の回路遮断装置に設けられた熱伝導端子及びその周辺部の詳細図である。

    【図12】第2の実施の形態の回路遮断装置に接続される制御部の回路構成図である。

    【図13】従来の回路遮断装置を備えたワイヤーハーネス装置の一例を示す回路構成図である。

    【符号の説明】

    1 バッテリ 3 回路遮断装置 5 負荷 8 オールタネータ 11a 第1のバスバー 11b 第2のバスバー 11c 第3のバスバー 13 バスバー先端部 14a キャップ 14b 樹脂ケース 23 低融点金属 24 上蓋 26 テルミットケース 27 加熱剤 29 着火部 30a 着火剤 30c,30d 着火部端子 31 リード線 32 熱伝導端子 39a 圧縮バネ 40 リテーナ

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