【考案の詳細な説明】 【考案の属する技術分野】本考案は感知装置の分野に向けられたものであり、特に流体流量が所定の最少値を越えたことを指示する装置に関する。 本考案は、装置を流れるガスの流量が設定したレベルに達したときに電気信号を発生するガス流量スイッチとして用いられるのに特に適しており、そのためそれに関連して説明するが、本考案は例えば機械的または空気的出力信号を与える他の装置においても実施できるものである。 【従来の技術】一般の形式のガス流量インジケータ(指示装置)は知られており、例えば米国特許第2,96 3,563号明細書、第4,181,835号明細書および第4,313,111号明細書に開示されている。 これらの特許の各々に示されたインジケータは磁界応答性スイッチを作動するように円筒状ガス流路内に摺動自在に取付けられた円筒状磁石ピストンを用いている。 一般に、ピストンはピストンと流路との間の狭い環状流路スペースを与えるように流路より直径においてわずかに小さく寸法決めされている。 装置を流れるガスの流量が所定のレベルに達すると、ピストンの上端に作用する圧力の増加がばねまたは重力押圧力に抗してピストンを下流に移動させるのに充分となる。 磁石ピストンの移動は関連するリードスイッチ等を作動し、所定の流量レベルを示す出力信号を出す。 【考案が解決しようとする課題】これらの先行技術の装置には問題が存在した。 例えば、装置にはしばしば不一致が存在した。 特に、リードスイッチを作動するために磁石を用いるとき、磁石の強度の小さい変化またはリードの方向のわずかな差が作動が生じる点における無視できない差を生じさせた。 ある先行技術装置においては問題がさらに増加している。 その理由は、作動方向のピストンの移動が流量の絞りの長さを減少するように装置の設計がなされているからである。 ピストンが作動点に向かって移動し始めるとき、一層多量の流量がピストンの移動を保持するために要する。 このことはピストンの移動の減衰を生じさせる傾向にあり、スイッチが切換えられる点の不一致を導き出すことになる。 前述のことに加えて、先行技術の装置は流路中の流量制限絞りとして働き、それによって最少流量指示が発生される点を越えて流量のレベルを無視できないほど阻止する。 このことはあるシステムにおいては望ましくないことである。 例えば、ある製造および処理システムにおいては、ある最少ガス流量がシステム操作の1つの段階に対して必要であるが、操作の次の段階またはシステムの洗浄に対しては多量の流量が必要となる場合がある。 この多量の流量差を達成するために、先行技術の装置では、バイパス配管系、多重弁マニホルド等を設けることがしばしば必要となった。 本考案は一般的な形式のガス流量インジケータ(指示装置)の著しい改良を提供することにある。 本考案によって構成されたインジケータは操作において極めて矛盾しないものであり、最少流量指示点をかなり越える流量を取扱うことができる。 【課題を解決するための手段】一般に、本考案は、ガス入口端およびガス出口端を有する円筒状流路を形成する内壁を有するハウジングを含むガス流量インジケータから成る。 入口端および出口端にそれぞれ面する軸線方向に離れた第一および第二端面を有する円筒状ピストンが所定の最少レベルを越える流路を通る流量に応答して入口端に隣接した第一位置から出口端に隣接する第二位置に軸線方向に移動するように流路内に摺動自在に取付けられている。 円周方向に連続した計量リングは内壁から半径方向内方に延び、第一および第二端の中間の流路中に軸線方向に狭い小さい直径の断面を形成している。 リングは、ピストン部材の周囲にあり、環状流路をそれらの間に形成しているように軸線方向に位置決めされるが、ピストンは、ピストン部材が第二位置にあるときリングが流路の入口端およびピストン部材の第一端面の間にあるように構成されている。 前述のように位置決めされた計量リングの使用によって、流量およびピストンのまわりを通過する流体に対する圧力降下は、第一位置から第二位置に向かうピストンの運動中著しく変化しない。 すなわち、ある先行技術の装置に現れるようなピストンが第二位置または指示位置に向かって移動し始めるときの流量の少しづつの増加は存在しない。 その結果、 本考案の装置では、ピストンの移動は減衰されず、実質的にはスナップ作用で行われる。 ピストンが第二位置にあるとき、ピストンはもはや計量リング内にはなく、流体は計量リングの全内径を通って流れることができる。 このため、インジケータ作動に必要な所定の最小値を著しく越えた流量がインジケータを通して直接流れることができる。 本考案の他の態様によれば、ピストン部材は流路を有しており、この流路は、端面の入口開口から、 計量リングおよび円筒状流路のガス出口端の間に位置決めされた出口開口に向かって延びている。 好ましくは、 計量オリフィスが流路中に形成されている。 ピストン流路およびその計量オリフィスを用いることによって、インジケータ作動が生じる流量レベルはピストンおよび計量リング間の環状流路の寸法だけによって決められるものではない。 このように、共通の寸法の本体、ピストン、および計量リングを持つインジケータはピストン流路中の計量オリフィスを単に変化することによって種々の異なった作動点を有することができる。 もちろん、このことは製造および在庫の要件を単純化する。 したがって、本考案の主要な目的は、比較的簡単な構造でありかつ広範囲の内の選択した流量の1つを指示するように製造されまたは調節されることができる流量インジケータを提供することにある。 本考案の他の目的は、ある所定の最小流量レベルにおいてスナップ作動指示を与え、かなり多量の流量を流すことができる前述の形式の流量インジケータを提供することにある。 【考案の実施の形態】次に、本考案の好ましい実施の形態を例示するためのものであり、制限するためのものではない図面を参照して、本考案を説明する。 図1は、考案の好ましい実施の形態にしたがって形成した流路指示装置の全体的な構造を示している。 一般に、図1の装置はステンレススチール等のような任意の適当な材料から形成した円筒状主要本体10を有する。 本体10は、下端面14から上端16に延びる軸線方向に整列した、ほぼ円筒状の貫通孔12を有している。 本考案の部分を形成しないが、本体10には入口および出口継手18および20が設けられている。 本考案の実施の形態においては、入口継手18は、例えば下端面14に形成したカウンタボア22に収容されて溶接することによって結合された溶接継手である。 出口継手20は、端面16から流路12の上端の周囲に外方に延びるボス24に溶接されるかまたは堅く結合されたねじ式継手として示される。 この実施の形態においては、貫通流路12はほぼ円筒状の形状を有し、入口継手18と連結する第一流路セクション26を有する。 第二のほぼ円筒状のセクション28 はセクション26と軸線方向に整列し、出口継手20に連結している。 セクション26および28の間に配置されているのは、比較的狭い、小さい直径の計量リングセクション(断面)30である。 計量リングセクション3 0の目的および機能は後に明らかになるが、現段階においては、計量リング30は貫通流路12の形成中に本体10と一体に形成されるか、または別個の部分として設けられることに留意すべきである。 貫通流路12内に支持されているのはピストン部材36である。 図示の実施の形態においては、ピストン部材36は、計量リングセクション30の開口内径よりわずかに小さい直径を持つ円筒状外壁38を有している。 ピストン36の下端は開口しており、内方に延びるカップ状室40を形成している。 室40の上端すなわち内端は横方向壁42によって形成されている。 ピストン部材36の上端は第二室44 を形成している。 室44は磁石部材46を含む。 室44 の上端は側壁38に溶接されるかまたは堅く結合された横方向端壁によって閉じられている。 流路12の上端に取付けられているのはガイド組立体50である。 ガイド組立体50は図3に最も良く示されており、下端から軸線方向内方に延びる円筒状開口54を有するほぼ正方形の本体52を有している。 開口54はピストン部材36 の側壁38の直径よりわずかに大きい。 図3に最も良く示すように、正方形本体52は、図示の位置において、 流路セクション28中に圧ばめされるか堅く位置決めされる。 本体の正方形形状は外周に4つの流路56を与える。 図1は低いまたは流れがない状態の装置を示す。 すなわち、ピストン部材36は最下部位置にあり入口継手18に着座している。 入口に入る流れは室40内に受入れられる。 室40からの流れは側壁38に形成した流量制御オリフィス60によって制御される。 オリフィス6 0を通る流量は、流量が所定の最小値を越えるまでは室40内の圧力の増加がピストンを上方に移動するのに充分でないように、決められる。 流量制御オリフイス60 を通る流れはピストン部材36の外部を通り、前述の通路56を通り流路12の出口端に流れる。 流量が所定の最小値を越えると、ピストン部材36が上方に移動し始め流入する流れの少量がピストン38の外部を通り、ピストンの外部計量リングセクション30との間の環状スペースを通って流れる。 環状スペースは軸線方向に狭いので、この領域を通る流量はピストン36の上方移動にわたってほぼ一定のままである。 すなわち、ピストンの外部と組合わさって計量リングによって与えられる流量の絞りは、計量リングの下方の環状スペース内で出合う絞りよりも著しく大きい。 その結果、流量が所定の最小値を越えたとき、ピストン部材の下の流体圧力の比較的急速な増加があり、図2に示す上部位置にスナップ作用でピストン部材を急速に移動させる。 計量オリフィス6 0の位置は、計量リングが図1に示すようにオリフィス60の常に上流にあるように、計量リングセクションに関連されている。 ピストン部材36が完全に開放位置に移動すると、ピストンの下端は計量リング部分30の上方にくる。 その結果、このとき、流れはピストンの下縁をまわり、ピストンの外部に直接まわり、出口流路56 に流れる。 その結果、最小流路レベルが一旦越えられると、計量リングセクションおよび計量オリフィス60のいずれも流量を制限していないので、装置は多量の流量レベルを取扱うことができる。 最少流量レベルが越えられたことを指示する有効な出力を与えるために、本装置は磁石作動式リードスイッチ70を用いており、リードスイッチは図示のように本体10中にほぼ縦方向に延びるボア72内に適当に取付けられている。 リードスイッチ70は、図1の流量のない位置から図2の全流量の位置までのピストンの移動によって、使用するリードスイッチの特定の形式によって磁石46がリードスイッチを開くまたは閉じるように、配置されている。 近接スイッチのような他の形式の作動指示手段等が等しく用いられることができる。 本考案の重要点は、簡単な流体作動式ピストン部材が完全に開放した位置にスナップ作用で移動させられる配列であり,そのとき、装置を流れる流量はユニットの作動を生じさせるのに要する流量の何倍にもなることである。 図5は本考案の第二の実施の形態を示している。 図5の実施の形態は図1〜図4の実施の形態と多くの点でほぼ同一である。 このため、ダッシュ(')が付けられて区別された同一の参照数字は対応する部品を識別するために用いられている。 そのような部品の記載は特に明示しない限り他の部品にも適用できるものである。 図5の実施の形態において、ガイド組立体50は多孔性の、焼結した粉末材料から形成したほぼカップ状の本体51を有する。 本体51は、図示のようにピストン部材36'と接近してしかし自由に収容するような形状の中央開口74を有している。 本体51の外部は流路12'に収容されるような寸法である。 明らかに、本体51は圧ばめまたは適当に結合されることによって図示の位置に固定されている。 部材51が形成される材料を適当に選ぶことによって、流量インジケータはガイド機能に加えてフィルタ機能を達成することもできる。 【図面の簡単な説明】 【図1】図1は、本考案の好ましい実施の形態にしたがって形成した流量指示装置の縦方向断面図である。 【図2】図2は、流量インジケータが最少流量指示位置に移動された後の装置を示す図1と同様な図である。 【図3】図3は、図1の線3−3上の断面図である。 【図4】図4は、図1の線4−4上の断面図である。 【図5】図5は、図2と同様な縦断面図であるが第二の実施の形態を示す図である。 【符号の説明】 10 本体 12 流路 14 下端面 16 上端 18 入口継手 20 出口継手 22 カウンタボア 24 ボス 26 第一流路セクション 28 第二流路セクション 30 計量リングセクション 36 ピストン部材 40 カップ状室 46 磁石部材 50 ガイド部材 70 リードスイッチ ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭52−84855(JP,U) 実開 昭61−14323(JP,U) 実開 昭58−140420(JP,U) 実開 昭60−46028(JP,U) 実公 平2−28455(JP,Y2) 米国特許4181835(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) G01F 1/28 |