【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、特にマニュアルトランスミッションの車両用変速機の変速段検出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、車両においては、エンジンの燃料噴射量や噴射時期、又は駆動力配分など様々な制御で、 ドライバがどの変速段を選択したかによって、それぞれの制御が可変されるようになってきている。 【0003】そして、オートマチックトランスミッション車の場合では、トランスミッションケースに取り付けられ、セレクトレバーにより操作されるインヒビタスイッチにより、ドライバが選択したレンジ位置が検出されるが、マニュアルトランスミッション車の場合、新たにシフト位置を検出する装置が必要となる。 【0004】このようなシフト位置の検出装置としては、特開平6−293225号公報に開示されたものがある。 この検出装置は、シフトセレクトレバーの軸線方向の運動と回転方向の運動との組み合わせによって歯車の選択を行うようにしたトランスミッションにおいて、 シフトセレクトレバーと連結部材を介して連結される被検出用ロータの外周部に臨むように、その円周方向に3 列状に配設されたマグネットとその軸線方向に3列状に配設されたマグネットとを備えるとともに、被検出用ロータを受け入れる筒状のケースにその円周方向及び軸線方向に沿ってそれぞれ1列に配列されたホール素子を備えて構成している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先行技術では、前進5段後退1段のそれぞれのシフト位置を検出するために、マグネットとホール素子が、それぞれ6個必要となり、また、それぞれのホール素子に配線を施さなければならないため、部品点数が多く、検出装置自体が大型化すると共に、組立工数、コスト増加を招くという問題がある。 【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、マグネットとホール素子の数を少なく構成でき、部品点数が少なく、小型で、組立工数も少なく安価な車両用変速機の変速段検出装置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明による車両用変速機の変速段検出装置は、変速レバーを操作して、該変速レバーの動きに伴って軸方向にスライド自在且つ回動自在なロッドを介し、トランスミッションケース内に格納された変速機の変速段を可変自在な車両用変速機において、上記トランスミッションケース側と上記ロッドの一方に固定して磁気を発生するマグネット手段と、上記マグネット手段に対向して固設され、上記マグネット手段が発生する磁気を複数の位置で検出する複数の磁気検出手段と、上記トランスミッションケース側と上記ロッドの他方に固定し上記マグネット手段と上記磁気検出手段との間に摺動自在に位置して上記マグネット手段が発生する磁気を遮断する磁気遮断板と、上記磁気遮断板に形成して上記複数の磁気検出手段を上記変速機の変速段に応じた複数の組み合わせで磁気検出状態にさせる磁気通過手段とを備えたことを特徴とする。 【0008】すなわち、ドライバが変速機の所定の変速段を変速レバーを操作して選択すると、変速機を格納するトランスミッションケース側に対し、ロッドが軸方向にスライドあるいは回動させられる。 これにより、マグネット手段と複数の磁気検出手段とに対して磁気遮断板が相対的に摺動させられる。 すると、磁気通過手段は、 マグネット手段と複数の磁気検出手段に対する位置が相対的に移動される。 この結果、複数の磁気検出手段が、 ドライバの選択した所定の変速段に対応する組み合わせで磁気検出状態となり、この組み合わせから、ドライバの選択した所定の変速段を検出する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。 図1〜図6は本発明の実施の一形態を示し、図1は変速段検出装置の拡大説明図、図2は変速段検出装置の取付位置説明図、図3は図1のIII −III断面図、図4は図1のIV−IV断面図、図5 は変速段検出装置の外観斜視図、図6は各変速段における磁気検出状態の説明図である。 【0010】図2において、符号1はマニュアルトランスミッション車の、縦置きのトランスミッションケースを示し、本実施の形態では、前進5段(1速、2速、3 速、4速、5速)、後退1段(リバース;R)のシフトパターンの図示しないマニュアルトランスミッションを格納している。 【0011】トランスミッションの各変速は、トランスミッションケース1内の複数のシフタレールに設けられたシフタフォークにより、それぞれの変速段に対応するギヤ(以上図示せず)の移動を行うことで実現されるようになっている。 そして、トランスミッションケース1 内で各シフタレールに作用する図示しないセレクタアームを備えたロッド2の後端部分が、トランスミッションケース1の後方からケース外側に突出されて、その後端がユニバーサルジョイント3を介してシフト伝動軸4に連結されている。 【0012】シフト伝動軸4の後端は、上方部が車室内に突出されて上端にシフトノブ5aが取り付けられた変速レバー5の中途部に上下方向に回動自在に連結されている。 変速レバー5の下端部は、ボールジョイント6を介して、車体側からトランスミッションケース1後部にかけて架設されたステー7の中途部に連結されている。 【0013】このため、変速レバー5は、ボールジョイント6を支点としてドライバにより操作され、変速レバー5の動きは、シフト伝動軸4、ユニバーサルジョイント3を介してロッド2に対して軸方向の動き、或いは、 回転方向の動きとして伝達される。 ここで、ドライバが変速レバー5を前方に倒すと、ロッド2は軸方向前方に移動され、変速段は、1速、3速、5速のいずれかになる。 逆に、ドライバが変速レバー5を後方に倒すと、ロッド2は軸方向後方に移動され、変速段は、2速、4 速、Rのいずれかになる。 そして、変速レバー5が、前後に倒されない中立位置ではニュートラル(N)状態になる。 また、ドライバが変速レバー5を左に倒すと、ロッド2は左方向に回動され、変速段は、1速、N、2速のいずれかになる。 逆に、ドライバが変速レバー5を右に倒すと、ロッド2は右方向に回動され、変速段は、5 速、N、Rのいずれかになる。 そして、変速レバー5 が、左右に倒されない中立位置では、変速段は、3速、 N、4速のいずれかになる。 すなわち、変速段は、変速レバー5を左前方に倒すと1速、左後方に倒すと2速、 中前方に倒すと3速、中後方に倒すと4速、右前方に倒すと5速、右後方に倒すとR、前後に倒さない中立位置では全てNとなる。 【0014】また、符号10は、変速段検出装置を示し、トランスミッションケース1の外側の、ロッド2後端のユニバーサルジョイント3の略直前位置に配設されている。 【0015】変速段検出装置10は、磁気遮断制御板1 1と磁気検出部本体12とから主に構成されており、磁気遮断制御板11はロッド2に固定されてロッド2と共に移動する一方、磁気検出部本体12はトランスミッションケース1に固定されている。 【0016】磁気遮断制御板11は、図5に示すように、ロッド2を回動中心とした円筒の一側面形状に形成されており、側面部11aの後端面には、ロッド2に固定した支持底面11bが形成されてロッド2と共に移動するようになっている。 【0017】また、磁気遮断制御板11の側面部11a は、磁気を遮断する材質で形成され、磁気検出部本体1 2により摺動自在に狭装される位置に配設されており、 側面部11aの、磁気検出部本体12により狭装される部分は、ロッド2の動きに応じて変わるようになっている。 そして、側面部11aには、後述する配置で、複数の磁気通過孔13が穿設されると共に、後端の右側(図5中上側)には切り欠き部(磁気通過切り欠き部)14 が形成されている。 すなわち、磁気遮断制御板11は磁気遮断板としてのもので、磁気通過孔13及び磁気通過切り欠き部14は磁気通過手段としてのものである。 【0018】磁気検出部本体12は、磁気遮断制御板1 1の側面部11a内側に配置されて側面部11aの内面に沿って側面部11a内側と対向する磁気発生部12a と、側面部11a外側に配置されて側面部11aの表面に沿って側面部11a外側と対向する磁気検出処理部1 2bとで主要に構成されており、磁気発生部12aと磁気検出処理部12bとは、側面部11aの前端側で連結され、共にトランスミッションケース1に固定されている。 【0019】磁気発生部12aには、後端側に側面部1 1a内側、すなわち、磁気検出処理部12b内側に向けて、円周方向一列、等間隔に、磁気を発生するマグネット手段としての3つのマグネット15が臨まされている。 ここで、3つのマグネット15は、側面部11aの磁気通過切り欠き部14側から順に、マグネット15 R、マグネット15N、マグネット15Lとする。 【0020】また、磁気検出処理部12bには、後端側に側面部11a外側、すなわち、磁気発生部12a外側に向けて、円周方向一列、等間隔に、磁気発生部12a の各マグネット15R,15N,15Lに対向する位置に、各マグネット15R,15N,15Lからの磁気を検出する磁気検出手段としての3つのホール素子16が臨まされている。 ここで、ホール素子16は、マグネット15Rの磁気を検出するものはホール素子16R、マグネット15Nの磁気を検出するものはホール素子16 N、マグネット15Lの磁気を検出するものはホール素子16Lとする。 【0021】また、磁気検出処理部12bには、各ホール素子16R,16N,16Lからの信号を増幅して、 他の制御装置(ECU、TCU等)に出力する増幅回路17が備えられている。 【0022】そして、本実施の形態では、各ホール素子16R,16N,16Lの検出信号から、各ホール素子16R,16N,16Lの検出状態の組み合わせで、選択された変速段を検出する。 【0023】各ホール素子16R,16N,16Lの検出状態の組み合わせは、前記側面部11aに形成された磁気通過孔13及び磁気通過切り欠き部14の配置により変化させられる。 【0024】側面部11aに形成された磁気通過孔13 の配置を図6で説明する。 側面部11aには、前段(図6中上段)と後段(図6中下段)に、それぞれ横1列に磁気通過孔13が穿設されている。 前段の磁気通過孔1 3の列は、変速レバー5を後方に倒して側面部11aが後方に移動した際、磁気検出処理部12bのマグネット15−ホール素子16の列と重なる位置となり、マグネット15からの磁気を前段の特定の磁気通過孔13を介して対応するホール素子16が検出可能な位置となっている。 【0025】また、後段の磁気通過孔13の列は、変速レバー5を前方に倒して側面部11aが前方に移動した際、磁気検出処理部12bのマグネット15−ホール素子16の列と重なる位置となり、マグネット15からの磁気を後段の特定の磁気通過孔13を介して対応するホール素子16が検出可能な位置となっている。 【0026】尚、変速レバー5が前後に倒されない位置では、磁気通過孔13は穿設されていないので、全てのホール素子16R,16N,16Lは各マグネット15 R,15N,15Lからの磁気を検出できない状態となる。 【0027】前段の磁気通過孔13は、4個(左から順に13f1、13f2、13f3、13f4)設けられ、後段の磁気通過孔13は、2個(左から順に13r 1、13r2)設けられている。 【0028】そして、マグネット15Lによるホール素子16LのON(磁気検出)は、磁気通過孔13f1、 13f2、13r1の何れかにより行われ、マグネット15Nによるホール素子16NのON(磁気検出)は、 磁気通過孔13f3、13f4、13r2の何れかにより行われ、マグネット15Rによるホール素子16RのON(磁気検出)は、磁気通過切り欠き部14により行われる。 【0029】各磁気通過孔13f1、13f2、13f 3、13f4、13r1、13r2と磁気通過切り欠き部14による各変速段ごとの各ホール素子16L、16 N、16RのON−OFF状態(図6中、ONを1、O FFを0で示す)は以下の通りに設定されて、各磁気通過孔13と磁気通過切り欠き部14が設けられている。 【0030】1速の場合、磁気通過切り欠き部14によりホール素子16RがONとなり、他のホール素子16 N、16LはOFFとなって、各ホール素子16L,1 6N,16Rの検出状態の組み合わせ信号は001となる(図6(a))。 【0031】2速の場合、磁気通過孔13f4によりホール素子16NがONとなり、他のホール素子16R、 16LはOFFとなって、各ホール素子16L,16 N,16Rの検出状態の組み合わせ信号は010となる(図6(c))。 【0032】3速の場合、磁気通過孔13r2によりホール素子16NがON、磁気通過切り欠き部14によりホール素子16RがONとなり、ホール素子16LはO FFとなって、各ホール素子16L,16N,16Rの検出状態の組み合わせ信号は011となる(図6 (d))。 【0033】4速の場合、磁気通過孔13f2によりホール素子16LがON、他のホール素子16N、16R はOFFとなって、各ホール素子16L,16N,16 Rの検出状態の組み合わせ信号は100となる(図6 (f))。 【0034】5速の場合、磁気通過孔13r1によりホール素子16LがON、磁気通過切り欠き部14によりホール素子16RがONとなり、ホール素子16NはO FFとなって、各ホール素子16L,16N,16Rの検出状態の組み合わせ信号は101となる(図6 (g))。 【0035】リバースの場合、磁気通過孔13f1によりホール素子16LがON、磁気通過孔13f3によりホール素子16NがON、ホール素子16RはOFFとなって、各ホール素子16L,16N,16Rの検出状態の組み合わせ信号は110となる(図6(i))。 【0036】また、ニュートラルの場合、各ホール素子16L,16N,16Rは、前段の磁気通過孔13f 1、13f2、13f3、13f4と後段の磁気通過孔13r1、13r2との間に位置して全てOFFとなり、各ホール素子16L,16N,16Rの検出状態の組み合わせ信号は000となる(図6(b),(e), (h))。 【0037】次に上記構成による作用について説明する。 ここでは、ドライバが変速を行う一例として、現在の変速段が2速であり、3速に変更する場合について説明する。 【0038】すなわち、現在、変速レバー5は、左後方に倒された状態になっており、シフト伝動軸4及びユニバーサルジョイント3を介してロッド2は、軸方向後方に移動され、且つ、左方向に回動された状態となっている。 そして、ロッド2の前端側に設けられたセレクタアームが、2速に対応して所定のシフタレールに作用し、 シフタフォークにより2速のギヤ配置で、トランスミッションが動作している状態となっている。 【0039】また、変速段検出装置10においては、この2速の状態では、ロッド2が軸方向後方に移動され、 且つ、左方向に回動された状態であることから、磁気遮断制御板11の側面部11aは、支持底面11bを介してロッド2と共に左後方に移動された状態になっている。 【0040】このため、図6(c)に示すように、磁気遮断制御板11の磁気通過孔13f4を通じて、磁気発生部12aのマグネット15Nからの磁気により磁気検出処理部12bのホール素子16NがONとなり、他の磁気検出処理部12bのホール素子16R、16Lは磁気が遮断されてOFFとなる。 そして、各ホール素子1 6L,16N,16Rの検出状態の組み合わせ信号01 0は、増幅回路17で増幅されて他の制御装置(EC U、TCU等)に出力されている。 【0041】次いで、この2速の状態から3速の状態にするには、ドライバは、変速レバー5を前方に戻して前後方向に中立の位置とし、この中立位置で、変速レバー5を左右方向に中立の位置として、このニュートラル状態を経て3速とする。 【0042】ニュートラル状態では、先ず、変速レバー5が2速の状態から中立位置に戻されると、シフト伝動軸4及びユニバーサルジョイント3を介してロッド2 は、左方向に回動されたまま軸方向前方に移動される。 すると、トランスミッションに対して2速のギヤ配置を保つように作用していたセレクタアームが、シフタレール、シフタフォークを動作して、2速のギヤ配置を解除し、変速段の設定を行う如何なるギヤも噛み合わない状態、すなわち、エンジンからの駆動力が遮断された状態とする。 【0043】そして、この状態から、変速レバー5が左右方向に中立の位置に戻されると、ロッド2は、軸方向はそのままの位置で右方向に回動される。 これにより、 セレクタアームも回動されるが、変速段の設定を行う如何なるギヤも噛み合わない状態が続き、エンジンからの駆動力は遮断された状態のままとなる。 【0044】一方、変速段検出装置10においては、変速レバー5が2速の状態から中立位置に戻されると、ロッド2が左方向に回動されたまま軸方向前方に移動されるため、磁気遮断制御板11の側面部11aもロッド2 と共に左方向に回動されたまま軸方向前方に移動される。 【0045】このため、図6(b)に示すように、磁気発生部12aの各マグネット15L,15N,15Rからのそれぞれの磁気は、磁気遮断制御板11の側面部1 1aにより全て遮断され、磁気検出処理部12bの全てのホール素子16L,16N,16RはOFFされる。 そして、各ホール素子16L,16N,16Rの検出状態の組み合わせ信号000が、増幅回路17で増幅されて他の制御装置に出力される。 【0046】そして、この状態から、変速レバー5が左右方向に中立の位置に戻されると、ロッド2は、軸方向はそのままの位置で右方向に回動されて、側面部11a もロッド2と共に前後方向はそのままの位置で右方向に移動される。 【0047】このため、図6(e)に示すように、磁気発生部12aの各マグネット15L,15N,15Rからのそれぞれの磁気は、磁気遮断制御板11の側面部1 1aにより全て遮断され、磁気検出処理部12bの全てのホール素子16L,16N,16RはOFFされたままとなる。 そして、各ホール素子16L,16N,16 Rの検出状態の組み合わせ信号000が、増幅回路17 で増幅されて他の制御装置に出力され続ける。 【0048】その後、上述のニュートラル状態から、変速レバー5を前方に倒すと、シフト伝動軸4及びユニバーサルジョイント3を介してロッド2は、軸方向前方に移動される(回動は行われない)。 そして、ロッド2のセレクタアームが、3速に対応して所定にシフタレールに作用し、シフタフォークによりギヤの移動が行われ、 3速のギヤ配置でトランスミッションが動作するようになる。 【0049】また、変速段検出装置10においては、ロッド2が軸方向前方に移動されることから、磁気遮断制御板11の側面部11aは、ロッド2と共に前方に移動される。 【0050】このため、図6(d)に示すように、磁気遮断制御板11の磁気通過孔13r2を通じて磁気発生部12aのマグネット15Nからの磁気により磁気検出処理部12bのホール素子16NがON、磁気遮断制御板11の磁気通過切り欠き部14を通じて磁気発生部1 2aのマグネット15Rからの磁気により磁気検出処理部12bのホール素子16RがONとなり、また、残りのホール素子16LはOFFとなる。 そして、各ホール素子16L,16N,16Rの検出状態の組み合わせ信号011は、増幅回路17で増幅されて他の制御装置に出力される。 その他の変速段の変更も上述と同様の手順で行われ、変速段検出装置10による変速段の検出が行われる。 【0051】このように、本実施の形態によれば、磁気発生部12aに設けた3つのマグネット15と、磁気検出処理部12bに設けた3つのホール素子16で前進5 段、後退1段、ニュートラルの検出が可能であり、部品点数が少なく、小型に形成できる。 そして、この結果、 ホール素子16の取付、配線等も少なく容易で、組立工数も低減でき、安価な検出装置が実現できる。 【0052】また、トランスミッションに係る仕様が変更された場合であっても、マグネット15及びホール素子16の位置的な変更をせず、磁気遮断制御板11の側面部11aの磁気通過孔13及び磁気通過切り欠き部1 4を変更するだけで対応することが可能である。 【0053】尚、本実施の形態では、磁気遮断制御板1 1の側面部11a内側にマグネット15を備えた磁気発生部12aに設け、側面部11a外側にホール素子16 を備えた磁気検出処理部12bを設けたが、側面部11 a内側にホール素子16を備えた磁気検出処理部12b を設け、側面部11a外側にマグネット15を備えた磁気発生部12aに設けるようにしても良い。 【0054】また、本実施の形態では、ロッド2に磁気遮断制御板11を設け、トランスミッションケース1側に磁気検出部本体12を設けているが、ロッド2に磁気検出部本体12を設け、トランスミッションケース1側に磁気遮断制御板11を設けるようにしても良い。 【0055】さらに、本実施の形態では、前進5段、後退1段のシフトパターンの例で記載したが、磁気遮断制御板11の磁気通過孔13及び磁気通過切り欠き部14 の配置、形状等を設計変更することで、前進6段、後退1段+ニュートラル等、合計8段(ニュートラルも含む)の範囲までを検出することが可能である。 【0056】また、磁気遮断制御板11の磁気通過孔1 3及び磁気通過切り欠き部14の配置、形状等は、磁気検出処理部12bの各ホール素子16のON−OFFの組み合わせが各変速段毎に固有のものとなれば良く、本実施の形態以外の配置、形状であっても良い。 【0057】さらに、本実施の形態では、縦置きマニュアルトランスミッションの例で説明したが、これに限定されることなく、例えば、横置きマニュアルトランスミッションにおいても、縦置きマニュアルトランスミッションと同様に、変速レバー5からリンク機構等を介してロッドを通じ変速操作するものであれば、本変速段検出装置10を採用することが可能である。 【0058】また、本実施の形態では、リンク機構を介して変速操作をするマニュアルトランスミッションで説明したが、これに限定されることなく、変速操作をケーブルにて行う場合にも装置が小型化できるため、トランスミッションケース内の変速操作を行うロッド(回転、 軸方向に摺動して変速操作するロッド)に本変速段検出装置10を採用することが可能である。 【0059】さらに、本実施の形態では、マグネット1 5を磁気検出部本体12の磁気発生部12aに設けたが、磁気検出部本体12に磁気発生部12aを形成せずにロッド2に直接設けても良い。 【0060】また、本実施の形態では、各マグネット1 5を各ホール素子16に対応するように3つに分けて設けたが、各ホール素子16に対して磁気を発生できれば、一本の帯状のマグネットで構成しても良い。 【0061】 【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、 トランスミッションケース側と変速レバーの動きに伴って軸方向にスライド自在且つ回動自在なロッドとの一方に磁気を発生するマグネット手段を固定し、このマグネット手段が発生する磁気をそれぞれの位置で検出する複数の磁気検出手段をマグネット手段に対向して固設し、 マグネット手段が発生する磁気を遮断自在な磁気遮断板をトランスミッションケース側とロッドの他方に固定してマグネット手段と磁気検出手段との間で摺動自在とし、この磁気遮断板に、複数の磁気検出手段を変速段に応じた複数の組み合わせで磁気検出状態にさせる磁気通過手段とを備えたので、マグネット手段と磁気検出手段の数を少なく構成でき、部品点数が少なく、小型で、組立工数も少なく安価に構成することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】変速段検出装置の拡大説明図 【図2】変速段検出装置の取付位置説明図 【図3】図1のIII−III断面図 【図4】図1のIV−IV断面図 【図5】変速段検出装置の外観斜視図 【図6】各変速段における磁気検出状態の説明図 【符号の説明】 1 トランスミッションケース 2 ロッド 5 変速レバー 10 変速段検出装置 11 磁気遮断制御板(磁気遮断板) 12 磁気検出部本体 13 磁気通過孔(磁気通過手段) 14 磁気通過切り欠き部(磁気通過手段) 15 マグネット(マグネット手段) 16 ホール素子(磁気検出手段) ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 雅之 大阪府大阪市淀川区塚本一丁目一五番二七 号 ダイヤモンド電機株式会社内 Fターム(参考) 3D036 CA04 CA07 CA15 3J052 AA18 AA19 AA20 EA09 GB03 GB06 GC71 HA01 KA14 LA01 3J067 AA05 AC02 AC53 DA01 EA21 FB45 FB81 FB83 FB90 GA01 |