静電容量型スイッチ装置

申请号 JP2015233813 申请日 2015-11-30 公开(公告)号 JP6059327B1 公开(公告)日 2017-01-11
申请人 バンドー化学株式会社; 发明人 米澤 昌弥;
摘要 【課題】 簡易な構成でスイッチ 信号 をワンショット出 力 することができる静電容量型スイッチ装置を提供する。 【解決手段】 静電容量型スイッチ装置1は、センサ出力に基づいてワンショットパルス信号を出力する第1信号出力部4と、スイッチ信号を出力するスイッチ部7とを、備えている。スイッチ部7は、ワンショットパルス信号の有無を閾値Thと比較判定することでスイッチ信号をワンショット出力する。第1信号出力部4は、センサ出力を微分することでワンショットパルス信号を生成する不完全微分回路25と、不完全微分回路25に対して、閾値Thよりも低い電圧を基準電圧として与えることで、ワンショットパルス信号の低レベルを閾値Thよりも低くする基準電圧供給回路27とを備えている。 【選択図】図4
权利要求

静電容量型センサのセンサ出に応じたスイッチ信号を出力する静電容量型スイッチ装置であって、 前記センサ出力に基づいてワンショットパルス信号を出力する第1信号出力部と、 前記スイッチ信号を出力するスイッチ部と、を備え、 前記スイッチ部は、前記ワンショットパルス信号の有無を第1の電圧と比較判定することで前記スイッチ信号をワンショット出力し、 前記第1信号出力部は、 前記センサ出力を微分することで前記ワンショットパルス信号を生成する微分回路と、 前記微分回路に対して、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧を基準電圧として与えることで、前記ワンショットパルス信号の低レベルを前記第1の電圧よりも低くする基準電圧供給回路と、を備えている 静電容量型スイッチ装置。前記微分回路によって生成される前記ワンショットパルス信号は、その高レベルが前記第1の電圧より小さくなるように設定され、 前記第1信号出力部は、前記微分回路によって生成される前記ワンショットパルス信号の高レベルが前記第1の電圧より大きくなるように前記ワンショットパルス信号を増幅して前記スイッチ部に与える増幅回路を備え、 前記基準電圧供給回路は、前記微分回路及び前記増幅回路に対して、前記第2の電圧を基準電圧として与える請求項1に記載の静電容量型スイッチ装置。前記静電容量型センサは、当該静電容量型センサの変形に応じて静電容量が変化するように構成され、前記静電容量型センサの変形を静電容量として出力する請求項1又は請求項2に記載の静電容量型スイッチ装置。前記センサ出力に基づいて、前記スイッチ部にスイッチ信号を連続出力させるための連続出力信号を出力する第2信号出力部と、 前記連続出力信号、及び前記ワンショットパルス信号のいずれか一方を前記スイッチ部に与える切替部と、をさらに備えている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の静電容量型スイッチ装置。前記スイッチ部は、前記連続出力信号のレベルを前記第1の電圧と比較判定することでスイッチ信号を連続出力する請求項4に記載の静電容量型スイッチ装置。

说明书全文

本発明は、静電容量型スイッチ装置に関する。

静電容量の変化を利用したスイッチ装置として、従来からタッチセンサを用いたものがある。 タッチセンサを用いたスイッチ装置は、人体が接触することにより生じる微小な静電容量変化をタッチセンサによって検出し、人体が接触しているか否かを判定するように構成されている。 このようなスイッチ装置では、タッチセンサの静電容量を電圧値として測定し、その静電容量を示す電圧値に基づいて、人体が接触しているか否かを判定するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。

特開2011−96369号公報

上記特許文献1のスイッチ装置では、静電容量を示す電圧値に対して予め所定の閾値を設定しておき、静電容量を示す電圧値が閾値以下である場合、人体が接触していないと判断してスイッチをオフとする信号を行い、静電容量を示す電圧値が閾値を超えると、人体が接触していると判断してスイッチをオンとする信号出力を行う。 よって、人体が接触していると判定する間だけ、スイッチをオンとする信号を連続出力するように構成されている。

ところで、スイッチ装置が接続される機器には、スイッチ信号をワンショット出力とする必要があるものもある。 これに対し、上記従来例のスイッチ装置では、スイッチをオンとする信号をワンショット出力することはできない。

また、上記従来のスイッチ装置では、大きな静電容量が接続された場合、静電容量が変化せずとも静電容量を示す電圧値が、そもそも所定の閾値を超えてしまい、所望の動作が得られないことがあった。つまり、接続できる静電容量が限られているという課題があった。

さらに、上記従来のスイッチ装置を利用してスイッチ信号をワンショット出力させようとする場合、上述と同様の課題を回避するために、静電容量を示す電圧値のレベルを調整する回路や、電圧値のレベルに応じて閾値を変更するための回路を設けなければならず、回路構成が複雑になり、設計上の制約が多くなるという課題があった。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でスイッチ信号をワンショット出力することができる静電容量型スイッチ装置を提供することを目的とする。

(1)本発明は、静電容量型センサのセンサ出力に応じたスイッチ信号を出力する静電容量型スイッチ装置であって、前記センサ出力に基づいてワンショットパルス信号を出力する第1信号出力部と、前記スイッチ信号を出力するスイッチ部と、を備え、前記スイッチ部は、前記ワンショットパルス信号の有無を第1の電圧と比較判定することで前記スイッチ信号をワンショット出力し、前記第1信号出力部は、前記センサ出力を微分することで前記ワンショットパルス信号を生成する微分回路と、前記微分回路に対して、前記第1の電圧よりも低い第2の電圧を基準電圧として与えることで、前記ワンショットパルス信号の低レベルを前記第1の電圧よりも低くする基準電圧供給回路と、を備えている。

上記のように構成された静電容量型スイッチ装置によれば、微分回路の基準電圧を、スイッチ部が判定に用いる第1の電圧よりも低く設定したので、ワンショットパルス信号をスイッチ部における判定に際して適切なレベルに設定することができる。この結果、増幅回路で増幅されたワンショットパルス信号をそのままスイッチ部に与えることができ、スイッチ部にワンショットパルス信号の有無を適切に判定させることができる。 この結果、微分回路により生成されたワンショットパルス信号をそのままスイッチ部に与えるという簡易な構成で、スイッチ信号をワンショット出力することができる。

(2)上記静電容量型スイッチ装置において、前記微分回路によって生成される前記ワンショットパルス信号は、その高レベルが前記第1の電圧より小さくなるように設定され、前記第1信号出力部は、前記微分回路によって生成される前記ワンショットパルス信号の高レベルが前記第1の電圧より大きくなるように前記ワンショットパルス信号を増幅して前記スイッチ部に与える増幅回路を備え、前記基準電圧供給回路は、前記微分回路及び前記増幅回路に対して、前記第2の電圧を基準電圧として与えることが好ましい。

この場合、微分回路が生成したワンショットパルス信号の高レベルが第1の電圧よりも大きくなるようにワンショットパルス信号を増幅するので、微分回路においては当該微分回路が出力する信号のレベルを第1の電圧に応じて設定する必要がなく、センサ出力の変化に対するゲインをより小さく設定することができる。これにより、微分回路において当該微分回路が出力する信号のレベルを第1の電圧に応じて設定した場合と比較して、微分回路における時定数をより小さく設定することができ、微分回路のセンサ出力の変化に対する応答性を高めることができる。 この結果、センサ出力に変化が見られなくなった後における微分回路の信号出力の収束性を高めることができ、適切な特性のワンショットパルス信号を生成することができる。これにより、適切にスイッチ信号をワンショット出力することができる。

(3)上記静電容量型スイッチ装置において、前記静電容量型センサは、当該静電容量型センサの変形に応じて静電容量が変化するように構成され、前記静電容量型センサの変形を静電容量として出力するものとすることができる。

(4)上記静電容量型スイッチ装置において、前記センサ出力に基づいて、前記スイッチ部にスイッチ信号を連続出力させるための連続出力信号を出力する第2信号出力部と、前記連続出力信号、及び前記ワンショットパルス信号のいずれか一方を前記スイッチ部に与える切替部と、をさらに備えていることが好ましい。 この場合、切替部によって、スイッチ信号の出力態様をワンショット出力と、連続出力のいずれかを選択して切り替えることができる。この結果、汎用性が高まる。

(5)さらに、前記スイッチ部は、前記連続出力信号のレベルを前記第1の電圧と比較判定することでスイッチ信号を連続出力するように構成されていてもよい。 この場合、スイッチ部は、連続出力信号、及び前記ワンショットパルス信号を区別することなく判定を行い、スイッチ信号を出力することができる。この結果、簡易な構成で、 スイッチ信号の出力態様をワンショット出力と、連続出力のいずれかを切り替え可能とすることができる。

本発明によれば、簡易な構成でスイッチ信号をワンショット出力することができる。

一実施形態に係る静電容量型スイッチ装置の全体構成を示す図である。

(a)は、センサシートの一例を示す斜視図であり、(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。

検出部の構成の一例を示すブロック図である。

第1信号出力部、第2信号出力部、及びスイッチ部の構成例を示すブロック図である。

不完全微分回路、増幅回路、及び基準電圧供給回路の一例を示す回路図である。

(a)は、不完全微分回路が生成したワンショットパルス信号を示す図、(b)は、増幅回路が増幅したワンショットパルス信号を示す図、(c)は、不完全微分回路にてゲイン調整し、ワンショットパルス信号のHiレベルを閾値よりも大きくなるように設定したときの一例を示す図である。

リレー回路の回路図である。

(a)は、検出部からのセンサ出力に変化がないときの各部の電圧を示すグラフ、(b)は、検出部からのセンサ出力に変化があるときの各部の電圧を示すグラフである。

(a)は、静電容量型スイッチの静電容量を第1の値としたときの各部の電圧を示すグラフ、(b)は、静電容量型スイッチの静電容量を第2の値としたときの各部の電圧を示すグラフである。

以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。 〔システムの全体構成について〕 図1は、一実施形態に係る静電容量型スイッチ装置の全体構成を示す図である。図中、静電容量型スイッチ装置1は、センサシート2と、検出部3と、第1信号出力部4と、第2信号出力部5と、切替部6と、スイッチ部7とを備えている。 センサシート2は、面状に形成されたエラストマー製の誘電層と、誘電層を挟むように当該誘電層の表裏面に形成されている一対の電極層と備えており、面状に形成された容量素子を構成している。 このセンサシート2は、当該センサシート2の表裏面に平行な方向(面方向)に沿って変形(伸縮)可能に形成されている。センサシート2は、面方向に変形する際、誘電層の面方向の変形に追従して電極層の面積に変化が生じる。このため、センサシート2の静電容量は、当該センサシート2の変形に応じて変化する。 センサシート2は、その静電容量が当該センサシート2の変形に応じて変化するという特性を利用して、例えば、測定対象物の可動部分に取り付けられて、その可動部分の可動状態を把握するセンサとして用いられる。

センサシート2は、測定対象物の可動部分に、当該可動部分の可動に応じて変形するように取り付けられる。センサシート2は、可動部分が可動すると、それに応じて自身も変形し、その変形に応じて静電容量が変化する。 よって、センサシート2が取り付けられた状態で可動部分を可動させ、可動部分の可動状態と、センサシート2の静電容量との相関関係を予め把握しておけば、センサシート2の静電容量に基づいて測定対象物の可動状態を把握することができる。 このように、センサシート2は、当該測定対象物の可動部分の可動状態を示す情報を静電容量として出力するように構成されている。つまり、このセンサシート2は、外部からの入力に応じて変形することで静電容量が変化する静電容量型センサを構成している。

検出部3は、センサシート2に電圧を印加し、センサシート2の静電容量を検出する機能を有している。検出部3は、センサシート2の静電容量を電圧信号として取得し、取得した電圧信号を後段の第1信号出力部4及び第2信号出力部5に与える。 第1信号出力部4は、スイッチ部7にスイッチ信号をワンショット出力させるためのワンショットパルス信号を出力する機能を有している。 また、第2信号出力部5は、スイッチ部7にスイッチ信号を連続出力させるための連続出力信号を出力する機能を有している。

切替部6は、第1信号出力部4からのワンショットパルス信号及び第2信号出力部5からの連続出力信号が与えられ、ワンショットパルス信号、及び連続出力信号のいずれか一方をスイッチ部7に与える機能を有している。 スイッチ部7は、当該スイッチ部7に接続される装置に対してスイッチ動作を行わせるためのスイッチ信号を出力する機能を有している。スイッチ部7は、ワンショットパルス信号、及び連続出力信号に基づいてスイッチ信号を出力する。よって、スイッチ部7は、センサシート2の出力に応じたスイッチ信号を出力することができる。 スイッチ信号が与えられる装置は、このスイッチ信号に基づいて動作の切り替え等を行う。

〔センサシートの構成について〕 図2(a)は、センサシート2の一例を示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。 図2(a)及び(b)に示すように、センサシート2は、シート状の誘電層11と、誘電層11の表面(おもて面:図2中、上側)に形成された表側電極層12Aと、誘電層11の裏面(図2中、下側)に形成された裏側電極層12Bと、一端が表側電極層12Aに連結された表側配線13Aと、一端が裏側電極層12Bに連結された裏側配線13Bと、表側配線13Aの他端に取り付けられた表側接続端子14Aと、裏側配線13Bの他端に取り付けられた裏側接続端子14Bと、誘電層11の表側及び裏側のそれぞれに積層された表側保護層15A及び裏側保護層15Bと、裏側保護層15Bに積層された粘着層18とを備える。

誘電層11は、エラストマー製のシート状物であり、その厚みは、例えば、10〜1000μmに設定されている。誘電層11は、表側電極層12Aと裏側電極層12Bとの間に介在しており、容量素子における誘電体としての機能を有している。 誘電層11は、エラストマーと他の任意成分とを含むエラストマー組成物を用いて形成されており、その表裏面の面積が変化するように可逆的に変形することができる。 上記エラストマーとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、素添加ニトリルゴム、ウレタンゴム等が用いられ、これらのなかではウレタンゴムやシリコーンゴムが好ましく、ウレタンゴムがより好ましい。

両電極層12A、12Bは、導電材料を含有する導電組成物からなる。両電極層12A、12Bは、互いに同一組成の導電性組成物から構成されていてもよいし、互いに異なる組成の導電性組成物から構成されていてもよい。 表側電極層12Aと裏側電極層12Bとは、同一の平面視形状を有しており、誘電層11を挟んで表側電極層12Aと裏側電極層12Bとは全体が対向している。センサシート2は、表側電極層12Aと裏側電極層12Bとの対向した部分が容量素子として機能する。 なお、表側電極層12Aと裏側電極層12Bとは、必ずしも誘電層を挟んでその全体が対向している必要はなく、少なくともその一部が対向していればよい。

上記導電材料としては、例えば、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンナノホーン、カーボンファイバー、導電性カーボンブラック、グラファイト、金属ナノワイヤー、金属ナノ粒子、導電性高分子等を単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。上記導電材料としては、カーボンナノチューブが好ましい。導電性及び伸縮性に優れた電極層を形成するのに適しているからである。 上記導電性組成物は、カーボンナノチューブ等の導電材料以外に、例えば、バインダー成分を含有していてもよい。 上記バインダー成分はつなぎ材料として機能し、上記バインダー成分を含有させることにより、誘電層との密着性、及び、電極層自体の強度を向上させることができる。

なお、両電極層12A、12Bと、両接続端子14A、14Bとを接続している両配線13A、13Bも、両電極層12A、12Bと同様の導電性組成物から構成されている。

表側配線13Aを介して表側電極層12Aに接続されている表側接続端子14Aは、例えば、銅板等を用いて形成された板状の部材であり、外部に露出して設けられ、検出部3から延びる接続線が接続される。 また、裏側配線13Bを介して裏側電極層12Bに接続されている裏側接続端子14Bも、銅板等を用いて形成された板状の部材であり、外部に露出して設けられ、検出部3から延びる接続線が接続される。 センサシート2は、表側接続端子14Aによって検出部3から与えられる入力電圧を受け付け、裏側接続端子14Bから入力電圧に応じたセンサ出力を出力する。

両保護層15A、15Bは、電極層12A、12B等を電気的に絶縁し外部環境から保護するために設けられている。また、両保護層15A、15Bは、センサシート2全体としての強度や耐久性を高める補強部材としての機能も有している。 この保護層15A、15Bの材質は特に限定されず、その要求特性に応じて適宜選択することができる。保護層15A、15Bの材質の具体例としては、例えば、誘電層11の材質と同様のエラストマー組成物等が挙げられる。

粘着層18は、センサシート2を測定対象物に貼り付けるために設けられた層であり、測定対象物の可動部分表面に貼り付けられたときに、可動部分の動作に応じて変形可能な程度に貼り付くことができる程度の粘着力を有している。

センサシート2は、誘電層11がエラストマー製のため、上述のように、面方向に変形(伸縮)可能である。誘電層11が面方向に変形した際には、その変形に追従して表側電極層12A及び裏側電極層12B、並びに、表側保護層15A及び裏側保護層15Bが変形する。 そして、センサシート2の変形に伴い、上記検出部の静電容量が誘電層11の変形量と相関をもって変化する。よって、静電容量の変化を検出することで、センサシート2の変形状態を把握することができる。

〔検出部の構成について〕 図3は、検出部3の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、検出部3は、発振回路20と、整流回路21と、ローパスフィルタ(LPF)22と、増幅器23とを備えている。 発振回路20は、センサシート2に与える入力電圧を生成し、センサシート2に入力電圧を印加する。発振回路20は、矩形波の入力電圧を生成する。 発振回路20は、センサシート2の表側接続端子14Aに接続されており、表側接続端子14Aを介してセンサシート2に入力電圧を印加する。

センサシート2の裏側接続端子14Bには、整流回路21が接続されている。 センサシート2は、発振回路20からの入力電圧の印加に応じたセンサ出力を整流回路21に与える。センサシート2は、センサ出力を電流信号として整流回路21に与える。

整流回路21は、センサシート2から出力される電流信号であるセンサ出力を電圧信号に変換する機能を有している。整流回路21は、センサシート2から与えられるセンサ出力を整流する。 整流回路21は、平滑コンデンサ(図示省略)や、シャント抵抗(図示省略)も備えている。整流回路21は、平滑コンデンサによって整流したセンサ出力を平滑化する。 センサ出力の最大振幅は、センサシート2の静電容量に応じた電流値を示している。よって、整流回路21は、整流されたセンサ出力を平滑コンデンサによって平滑化することで、センサシート2の静電容量に応じた電流値を示す値を時間軸方向に沿って取得することができる。

シャント抵抗は、平滑コンデンサの両端に接続されており、シャント抵抗の両端電圧を測定することで、平滑化されたセンサ出力が示す電流値を求めることができる。 つまり、整流回路21は、センサシート2が出力した電流信号であるセンサ出力を、センサシート2の静電容量に応じた電流値を表す電圧信号に変換することができる。 整流回路21は、電圧信号に変換したセンサ出力を、後段のLPF22に与える。 LPF22は、センサ出力に表れるリップルノイズを抑圧する。 LPF22は、リップルノイズを除去した後のセンサ出力を、後段の増幅器23に与える。 増幅器23は、与えられたセンサ出力を増幅し、電圧信号であるセンサ出力を後段の第1信号出力部4及び第2信号出力部5に与える。

〔第1信号出力部、第2信号出力部、及びスイッチ部について〕 図4は、第1信号出力部4、第2信号出力部5、及びスイッチ部7の構成例を示すブロック図である。 図4中、第1信号出力部4は、検出部3からのセンサ出力が与えられる不完全微分回路25と、不完全微分回路25が生成する信号を増幅する増幅回路26と、不完全微分回路25及び増幅回路26に基準電圧を供給する基準電圧供給回路27とを備えている。

不完全微分回路25は、電圧信号であるセンサ出力を微分することでワンショットパルス信号を出力する機能を有している。 増幅回路26は、不完全微分回路25によって生成されるワンショットパルス信号を増幅し、切替部6に与える機能を有している。 基準電圧供給回路27は、不完全微分回路25及び増幅回路26に対して、基準電圧を与える機能を有している。

図5は、不完全微分回路25、増幅回路26、及び基準電圧供給回路27の一例を示す回路図である。 図5中、不完全微分回路25は、一端が検出部3に接続されセンサ出力が与えられる第1容量素子30と、一端が第1容量素子30の他端に接続された第1抵抗素子31と、一端が第1抵抗素子31の他端に接続された第2抵抗素子32と、反転入力端子に第2抵抗素子32の他端が接続されているオペアンプ33と、オペアンプ33の帰還抵抗として接続されている第3抵抗素子34と、第3抵抗素子34に並列に接続されている第2容量素子35とを備えている。オペアンプ33の出力端は、増幅回路26に接続されている。

増幅回路26は、一端がオペアンプ33の出力端に接続された第4抵抗素子38と、反転入力端子に第4抵抗素子38の他端が接続されているオペアンプ39と、オペアンプ39の帰還抵抗として接続されている第5抵抗素子40とを備えている。 オペアンプ39の出力端は、切替部6に接続されている。

オペアンプ33の非反転入力端子及びオペアンプ39の非反転入力端子には、基準電圧供給回路27が有するオペアンプ42の出力端が接続されている。 基準電圧供給回路27は、オペアンプ42と、一端が電源供給端43に接続された第6抵抗素子44と、一端が第6抵抗素子44の他端に接続され他端が接地されている第7抵抗素子45とを備えている。オペアンプ42の非反転入力端子には、第6抵抗素子44及び第7抵抗素子45の間から延びている線路が接続されている。

本実施形態において、電源供給端43からは、+3.3Vが供給されており、第6抵抗素子44は、第7抵抗素子45の10倍の抵抗値に設定されている。これによって、基準電圧供給回路27は、約0.33Vの電圧を基準電圧として、オペアンプ33の非反転入力端子及びオペアンプ39の非反転入力端子に与える。

不完全微分回路25は、第1容量素子30の一端から与えられるセンサ出力に変化が生じると、その変化量に応じて基準電圧に対して値を増加させパルス信号(ワンショットパルス信号)を生成する。つまり、ワンショットパルス信号は、センサ出力に変化が生じると、不完全微分回路25によって生成される。

不完全微分回路25は、センサ出力の信号変化に含まれる周波数が一定以上になると、ゲインを抑制するように設定されている。不完全微分回路25の最大ゲインは、第1容量素子30、第1抵抗素子31、第3抵抗素子34、及び第2容量素子35によって設定される。 例えば、本実施形態の不完全微分回路25は、ワンショットパルス信号の最大電圧変化が約1Vとなるように最大ゲインの設定がなされている。 また、不完全微分回路25のオペアンプ33には、基準電圧供給回路27から約0.33Vの基準電圧が与えられる。 よって、不完全微分回路25が生成するワンショットパルス信号は、Hiレベル(高レベル)が約1V、Loレベル(低レベル)が約0.33Vに設定されている。なお、不完全微分回路25は、Hiレベルがマイナス側となるように出力する。

不完全微分回路25によって生成されるワンショットパルス信号は、増幅回路26に与えられて増幅される。 増幅回路26は、第4抵抗素子38と第5抵抗素子40との抵抗値の比率によって定まる増幅率でワンショットパルス信号を増幅する。 増幅回路26のオペアンプ39には、不完全微分回路25と同様、基準電圧供給回路27から約0.33Vの基準電圧が与えられる。よって、増幅回路26が出力するワンショットパルス信号は、Hiレベル(高レベル)が所定の増幅率で増幅された電圧、Loレベル(低レベル)が約0.33Vに設定されている。なお、増幅回路26は、反転増幅回路として構成されているので、Hiレベルがマイナス側となるように不完全微分回路25から出力されたワンショットパルス信号を反転し、Hiレベルがプラス側となるように出力する。

ここで、本実施形態のスイッチ部7は、後に説明するように、当該スイッチ部7に与えられる信号のレベル判定を行う際の閾値Thが約2Vに設定されている。スイッチ部7はワンショットパルス信号の有無をこの閾値Th(第1の電圧)と比較判定することでスイッチ信号の出力を行う。

増幅回路26は、ワンショットパルス信号のHiレベルが閾値Thよりも大きくなるようにワンショットパルス信号を増幅するように設定されている。 図6(a)は、不完全微分回路25が生成したワンショットパルス信号、図6(b)は、増幅回路26が増幅したワンショットパルス信号を示す図である。 なお、図6(a)では、理解を容易とするため、ワンショットパルス信号のHiレベルを、増幅回路26による増幅後のワンショットパルス信号と同じ符号側に表している。

図6(a)に示すように、不完全微分回路25が生成した増幅前のワンショットパルス信号は、Hiレベルが閾値Thよりも小さくなるように設定されている。Loレベルは、上述のように約0.33Vに設定されており、閾値Thよりも十分に低い値に設定されている。

図6(b)に示すように、増幅回路26により増幅されたワンショットパルス信号は、Hiレベルが閾値Thよりも大きくなるように増幅されている。さらに、Loレベルは、約0.33Vに設定されており、閾値Thよりも十分に低い値に設定されている。

上記のように構成された静電容量型スイッチ装置1によれば、不完全微分回路25及び増幅回路26の基準電圧を、スイッチ部7が判定に用いる第1の電圧である閾値Thよりも低く設定したので、ワンショットパルス信号をスイッチ部7における判定に際して適切なレベルに設定することができる。この結果、増幅回路26で増幅されたワンショットパルス信号をそのままスイッチ部7に与えることができ、スイッチ部7にワンショットパルス信号の有無を適切に判定させることができる。 この結果、微分回路により生成され増幅回路で増幅されたワンショットパルス信号をそのままスイッチ部7に与えるという簡易な構成とすることができる。

また、本実施形態の静電容量型スイッチ装置1において、不完全微分回路25によって生成されるワンショットパルス信号は、そのHiレベルが閾値Thより小さくなるように設定され、第1信号出力部4は、不完全微分回路25によって生成されるワンショットパルス信号のHiレベルが閾値Thより大きくなるようにワンショットパルス信号を増幅してスイッチ部7に与える増幅回路26を備えている。

これにより、本実施形態では、不完全微分回路25が生成したワンショットパルス信号のHiレベルが閾値Thよりも大きくなるように、ワンショットパルス信号が増幅されるので、不完全微分回路25においては、センサ出力の変化に対するゲインをより小さく設定することができる。従って、不完全微分回路25において当該不完全微分回路25が出力する信号レベルを閾値Thに応じて設定した場合と比較して、不完全微分回路25における時定数をより小さく設定することができる。 具体的には、第1容量素子30の静電容量や、第1抵抗素子31及び第3抵抗素子34の抵抗値を調整することにより不完全微分回路25が出力する信号レベルが閾値Thよりも大きくなるようにした場合、不完全微分回路25における時定数が非常に大きくなってしまう。これに対して、本実施形態では、ゲインの小さい不完全微分回路25が出力する信号を増幅回路26で増幅する構成としたので、不完全微分回路25のセンサ出力の変化に対する応答性を高めることができる。

図6(c)は、不完全微分回路25にてゲイン調整してワンショットパルス信号のHiレベルを閾値Thよりも大きくなるように設定したときの一例を示す図である。 この場合、不完全微分回路25の時定数が大きくなるため、応答性が低下してしまう。この結果、図6(c)に示すように、センサ出力に変化が見られなくなったタイミングであるt1の後、ワンショットパルス信号がLoレベルまで収束するまでに必要な期間Tが、図6(b)の場合と比較して長時間となり、ワンショットパルス信号の収束性が悪化してしまう。

このように、ワンショットパルス信号がLoレベルまで収束するまでに必要な期間Tが長時間となると、それ以下の期間でワンショット出力することが困難となり、スイッチ信号をワンショット出力する際の制御性が悪化し、スイッチ信号をワンショット出力する際の特性に影響を与えてしまう。

一方、本実施形態では、センサ出力の変化に対する不完全微分回路25のゲインを小さく設定することができるので、不完全微分回路25において当該不完全微分回路25が出力する信号レベルを閾値Thに応じて設定した場合と比較して、不完全微分回路25における時定数をより小さく設定することができ、不完全微分回路25のセンサ出力の変化に対する応答性を高めることができる。 この結果、センサ出力に変化が見られなくなった後における不完全微分回路25の信号出力の収束性を高めることができ、さらに増幅回路26によって増幅することで、適切な特性のワンショットパルス信号を生成することができる。これにより、適切にスイッチ信号をワンショット出力することができる。

図4に戻って、第2信号出力部5は、検出部3からのセンサ出力が与えられる調整部50と、調整部50が調整したセンサ出力について判定を行う判定部51と、判定部51が生成した連続出力信号が与えられる遅延回路52とを備えている。

調整部50は、電圧信号であるセンサ出力のレベルを調整可能であり、適切にレベル調整したセンサ出力を判定部51に与える。 判定部51は、センサ出力に対する予め設定された判定値を記憶しており、この判定値に基づいて、スイッチ部7にスイッチ信号を連続出力させるための連続出力信号を生成する。 判定部51は、例えば、センサ出力が判定値よりも大きければHiレベルの信号を出力し、センサ出力が判定値よりも低ければLoレベルの信号を出力し、連続出力信号を生成するように構成されている。 このように、判定部51は、センサ出力に応じてHiレベル及びLoレベルとされた連続出力信号を生成する。

調整部50は、検出部3からのセンサ出力のレベルを調整することで、センサ出力と、判定部51における判定値との間の相対的な関係を調整する。具体的には、例えば、検出部3から与えられたセンサ出力が判定値よりも高い電圧値V1である場合に、調整部50は、電圧値V1のセンサ出力を判定値よりも低い電圧値V2となるようにセンサ出力を減衰させる。これにより、判定部51は、本来Hiレベルの信号を生成するところ、Loレベルの信号を生成することができる。

静電容量型スイッチ装置1は、第1信号出力部4に与えられるセンサ出力と同じセンサ出力を第2信号出力部5に与えるが、この調整部50によって、判定部51におけるHiレベルとLoレベルとの切り替りのタイミングを必要に応じて調整することができる。

遅延回路52は、判定部51が生成した連続出力信号について、センサ出力の変動に起因するノイズを除去する機能を有している。遅延回路52は、ノイズを除去した連続出力信号を切替部6に与える機能を有している。

切替部6は、静電容量型スイッチ装置1の操作者による設定に基づいて、ワンショットパルス信号、及び連続出力信号のいずれか一方を選択的にスイッチ部7に与える。

スイッチ部7は、信号判定部55と、出力部56とを備えている。 信号判定部55は、閾値Thに基づいて、第1信号出力部4から与えられるワンショットパルス信号についての判定を行う。また、信号判定部55は、閾値Thに基づいて、第2信号出力部5から与えられる連続出力信号についての判定を行う。

信号判定部55は、与えられる信号が閾値Thを超えている間、スイッチ信号を出力するように判定する。 よって、第1信号出力部4からワンショットパルス信号が与えられる場合、信号判定部55は、ワンショットパルス信号が閾値Thを超えている期間でスイッチ信号を出力するように判定する。よって、この場合、出力部56は、ワンショットパルス信号に応じて、スイッチ信号をワンショット出力する。

一方、第2信号出力部5から連続出力信号が与えられる場合、センサ出力が前記判定値を超えていれば、閾値Thよりも大きいHiレベルの信号が連続出力信号として与えられ、信号判定部55は、スイッチ信号を連続的に出力するように判定し、センサ出力が前記判定値を超えていなければ、閾値Thよりも小さいLoレベルの信号が連続出力信号として与えられ、信号判定部55は、スイッチ信号を出力しないように判定する。 よって、第2信号出力部5から連続出力信号が与えられる場合、出力部56は、連続出力信号に応じて、スイッチ信号を連続出力する。

このため、切替部6の設定が、第1信号出力部4からのワンショットパルス信号をスイッチ部7に与えるように選択されている場合、静電容量型スイッチ装置1は、スイッチ信号をワンショット出力し、第2信号出力部5から連続出力信号が与えられるように選択されている場合、スイッチ信号を連続出力する。

このように本実施形態の静電容量型スイッチ装置1では、第1信号出力部4の他、センサ出力に基づいてスイッチ部7に連続出力信号を出力する第2信号出力部5を備え、さらに連続出力信号、及びワンショットパルス信号のいずれか一方をスイッチ部7に与える切替部6を備えているので、スイッチ信号の出力態様をワンショット出力と、連続出力のいずれかを選択して切り替えることができ、この結果、静電容量型スイッチ装置1の汎用性が高まる。

さらにスイッチ部7は、連続出力信号のレベルを、ワンショットパルス信号の有無を判定するための閾値Thで比較判定することでスイッチ信号を連続出力するように構成されている。つまり、スイッチ部7は、連続出力信号、及びワンショットパルス信号を区別することなく、1つの閾値Thを用いて判定するだけで、スイッチ信号を出力することができる。この結果、簡易な構成で、スイッチ信号の出力態様をワンショット出力と、連続出力のいずれかを切り替え可能とすることができる。

〔その他〕 本発明は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態では、静電容量型センサとしてセンサシート2を用いた場合を例示したが、他の静電容量型センサを用いてもよい。他の静電容量型センサとしては、外部環境の変化に応じて静電容量が変化するように構成され、外部環境の変化を静電容量として出力するセンサ、例えば、タッチセンサ等を用いることができる。

また、上記実施形態では、第1信号出力部4に不完全微分回路25を用いた場合を例示したが、微分回路において当該微分回路のゲインを調整するための構成を備えていれば、不完全微分回路のみでなく、一般的な微分回路を用いてもよい。

〔検証試験について〕 次に、静電容量型スイッチ装置1における動作について検証した結果について説明する。 検証試験には、上述の静電容量型スイッチ装置1を用いた。 静電容量型スイッチ装置1のスイッチ部7後段には、本検証試験のためのリレー回路を接続した。 図7は、リレー回路の回路図である。 図7中、リレー回路60は、スイッチ信号が与えられるコイル60aと、スイッチ60bとを備えており、電源61から例えば3Vの電源電圧の供給を受けて動作する。 スイッチ60bの第1端子60b1は、抵抗素子62を介して電源61に接続されている。また、スイッチ60bの第2端子60b2は、接地されている。スイッチ60bは、第1端子60b1と第2端子60b2との間を繋ぐことで接続状態となり、第1端子60b1と第3端子60b3とを接続することで切断状態となる。

リレー回路60は、コイル60aにスイッチ信号が与えられていない状態では、スイッチ60bの第1端子60b1と第3端子60b3とを接続し、切断状態を維持する。 一方、コイル60aにスイッチ信号が与えられると、リレー回路60は、スイッチ60bの第1端子60b1と第2端子60b2とを接続し、接続状態に切り替える。

本試験では、図7中、第1端子60b1の電圧(以下、地点Dの電圧ともいう)の他、 図4中、地点A、地点B、及び地点Cの電圧を測定し、静電容量型スイッチ装置1がスイッチ信号をワンショット出力する場合と、連続出力する場合の両方について動作の検証を行った。

センサシート2を模擬する静電容量としては、静電容量が既知のコンデンサを組み合わせたものを代用して用いた。 静電容量が既知のコンデンサを組み合わせ、第1の値として450pF、第2の値として550pFを設定し、第1の値の設定と第2の値の設定との間を切り替えることで、センサ出力に生じる変化を擬似的に再現した。

図8(a)は、検出部3からのセンサ出力に変化がないときの各部の電圧を示すグラフである。図中横軸は時間を示している。また、図8(a)では、静電容量型スイッチの静電容量を第1の値に固定し、センサ出力として445mVの電圧が第1信号出力部4に与えられている場合を示している。

図8(a)に示すように、センサ出力に変化がなく一定であれば、第1信号出力部4の不完全微分回路25はワンショットパルス信号を生成しないので、地点Bの電圧は、Loレベルで一定となっている。 また、地点Bの電圧がLoレベルで一定であるので、スイッチ部7は、スイッチ信号を出力しない。よって、リレー回路60は切断状態を維持しているため、地点Dにおいては3Vの電圧で一定となっている。

図8(b)は、検出部3からのセンサ出力に変化があるときの各部の電圧を示すグラフである。図8(b)では、静電容量型スイッチの静電容量をタイミングt10において第1の値から第2の値となるように設定を切り替え、タイミングt10においてセンサ出力が445mVから523mVに上昇し変化した場合を示している。 図8(b)に示すように、タイミングt10以前では、図8(a)と同様の状態である。

一方、タイミングt10では、センサ出力に変化が生じているので、不完全微分回路25は、ワンショットパルス信号を生成する。このため、地点Bでは、Loレベルから閾値Thよりも高いレベルであるHiレベルに立ち上がる。 これによって、スイッチ部7はスイッチ信号を出力する。よって、リレー回路60は、接続状態に切り替わる。このため、図8(b)では、タイミングt10以降、地点Dの電圧は、3Vから0Vとなり、リレー回路60が接続状態に切り替わっていることを表している。

その後、タイミングt11で地点Bの電圧が閾値Thよりも低い電圧になると、スイッチ部7はスイッチ信号の出力を停止する。これにより、リレー回路60は、切断状態に切り替わる。このため、図8(b)では、タイミングt11以降、地点Dの電圧は、再度0Vとなり、リレー回路60が切断状態に切り替わっていることを表している。

このように、上記試験より、静電容量型スイッチ装置1は、タイミングt10とタイミングt11との間で、スイッチ信号をワンショット出力できることを確認することができた。なお、このタイミングt10とタイミングt11との間は、例えば、1〜2秒に設定される。

図9(a)は、静電容量型スイッチの静電容量を第1の値としたときの各部の電圧を示すグラフである。図中横軸は時間を示している。また、図9(a)では、静電容量型スイッチの静電容量を第1の値に固定することで、センサ出力として446mVの電圧が第2信号出力部5に与えられている場合を示している。

本試験における静電容量型スイッチ装置1の第2信号出力部5では、検出部3からのセンサ出力が約500mVのときにHiレベルとLoレベルとが切り替わるように調整部50を設定し、連続出力信号を生成するように設定している。

よって、図9(a)では、検出部3からのセンサ出力が判定値よりも小さいと判定され、第2信号出力部5の判定部51はLoレベルとされた連続出力信号を生成するので、地点Cの電圧は、Loレベルで一定となっている。 また、地点Cの電圧がLoレベルで一定であるので、スイッチ部7は、スイッチ信号を出力しない。よって、リレー回路60は切断状態を維持しているため、地点Dにおいては3Vの電圧で一定となっている。

図9(b)は、静電容量型スイッチの静電容量を第2の値としたときの各部の電圧を示すグラフである。図9(b)では、静電容量型スイッチの静電容量を第1の値に固定することで、センサ出力として535mVの電圧が第2信号出力部5に与えられている場合を示している。

図9(b)では、検出部3からのセンサ出力が判定値よりも大きいと判定され、第2信号出力部5の判定部51はHiレベルとされた連続出力信号を生成するので、地点Cの電圧は、Hiレベルで一定となっている。 また、地点Cの電圧がHiレベルで一定であるので、スイッチ部7は、スイッチ信号を出力する。よって、リレー回路60は、接続状態に切り替わる。このため、図9(b)では、地点Dの電圧は、3Vから0Vとなり、リレー回路60が接続状態に切り替わっていることを表している。

このように、上記試験より、静電容量型スイッチ装置1は、スイッチ信号を連続出力できることを確認することができた。 また、第2信号出力部5に、ワンショットパルス信号を生成する第1信号出力部4と同じレベルのセンサ出力を与えたとしても、第2信号出力部5においては連続出力信号を出力できることも確認できた。

以上、上記検証試験より、静電容量型スイッチ装置1は、センサ出力に基づいてワンショットパルス信号を出力するとともに、ワンショットパルス信号の有無を閾値Thと比較判定することでスイッチ信号をワンショット出力できること、及びワンショット出力と、連続出力のいずれかを選択して切り替えることができることを確認できた。

1 静電容量型スイッチ装置 2 センサシート 3 検出部 4 第1信号出力部 5 第2信号出力部 6 切替部 7 スイッチ部 11 誘電層 12A 表側電極層 12B 裏側電極層 13A 表側配線 13B 裏側配線 14A 表側接続端子 14B 裏側接続端子 15A 表側保護層 15B 裏側保護層 18 粘着層 20 発振回路 21 整流回路 22 ローパスフィルタ 23 増幅器 25 不完全微分回路 26 増幅回路 27 基準電圧供給回路 30 第1容量素子 31 第1抵抗素子 32 第2抵抗素子 33 オペアンプ 34 第3抵抗素子 35 第2容量素子 38 第4抵抗素子 39 オペアンプ 40 第5抵抗素子 42 オペアンプ 43 電源供給端 44 第6抵抗素子 45 第7抵抗素子 50 調整部 51 判定部 52 遅延回路 55 信号判定部 56 出力部 60 リレー回路 60a コイル 60b スイッチ 60b1 第1端子 60b2 第2端子 60b3 第3端子 61 電源 62 抵抗素子

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