静電容量式スイッチ

申请号 JP2013257240 申请日 2013-12-12 公开(公告)号 JP2014212100A 公开(公告)日 2014-11-13
申请人 株式会社デンソー; Denso Corp; 发明人 KATO ATSUSHI; SAHASHI YOSHIHIDE;
摘要 【課題】静電容量式スイッチの感度向上と誤作動抑制を図る。【解決手段】静電容量式スイッチは、ユーザの指先F(操作体)により 接触 操作される操作面11a、11bを形成する操作プレート10と、操作プレート10に対して操作面11a、11bの反対側に配置される電極板20と、を備える。さらに静電容量式スイッチは、指先Fと電極板20との間で生じる静電容量の変化に応じてオンオフ作動する。そして、操作プレート10に比べて誘電率の高い高誘電率材22が、電極板20の外周部20aに配置されている。【選択図】図1
权利要求
  • 操作体(F)により接触操作される操作面(11a、11b)を形成する操作プレート(10)と、前記操作プレートに対して前記操作面の反対側に配置される電極板(20、201、202、203、204)と、を備え、前記操作体と前記電極板との間で生じる静電容量の変化に応じてオンオフ作動する静電容量式スイッチにおいて、
    前記電極板の外周部(20a)に、前記操作プレートに比べて誘電率の高い高誘電率材(22、221、222、223、224)が配置されていることを特徴とする静電容量式スイッチ。
  • 前記高誘電率材は、前記外周部の全体に配置されて前記電極板を取り囲む形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量式スイッチ。
  • 前記高誘電率材は、前記電極板の板面と水平な方向のうち前記電極板から離れる向きに延出する延出部(22p)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量式スイッチ。
  • 前記操作プレートは、
    板状の基板(13)と、
    前記基板の表面に配置されて前記操作面を形成する、前記基板に比べて誘電率の高い第2高誘電率材(14)と、
    を備えて構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電容量式スイッチ。
  • 前記操作プレートは、板状の基板(13)と、前記基板に比べて誘電率の高い第3高誘電率材(15、16)との多色成形により樹脂で一体に形成され、
    前記第3高誘電率材は、前記電極板の投影範囲(13a)に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の静電容量式スイッチ。
  • 说明书全文

    本発明は、操作体(例えばユーザの指先)で接触操作することにより生じる静電容量変化に応じてオンオフ作動する、静電容量式スイッチに関する。

    特許文献1には、ユーザの指先により接触操作される操作面を形成する操作プレートと、操作プレートの裏側に配置される電極板とを備えた静電容量式スイッチが開示されている。 この静電容量式スイッチは、電極板と指先との間で生じる静電容量の変化に応じてオンオフ作動するものである。

    特開2008−305766号公報

    この種の静電容量式スイッチでは、電極板を操作面に近づけて配置すれば、操作面に指先を接触させている時の静電容量と非接触時の静電容量との違いが大きくなる。 そのため、指先を僅かに接触させるだけでもスイッチがオン作動するようにスイッチ感度を向上させることができる。 しかしながら、操作面に近づけて電極板を配置しなければならない、といった配置レイアウトの制約が生じるので、このような制約を軽減しつつ感度を向上させることが望まれている。

    また、上述の如く電極板を操作面に近づけて感度を向上させようとすると、操作プレートのうち操作面の近傍部分に指が触れるだけでオン作動するといった、誤作動の懸念が生じる。 特に、操作プレートに複数の操作面が密集して配置されている場合には、所望の操作面に指先を接触させた場合に、その隣の操作面に対向する電極板についても静電容量変化が大きく生じてしまい、誤ってオン作動することが懸念される。

    本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、その目的は、感度の向上と誤作動の抑制を図った静電容量式スイッチを提供することにある。

    開示されたひとつの発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。 なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、開示された発明の技術的範囲を限定するものではない。

    上記目的を達成する発明は以下の点を特徴とする。 すなわち、操作体(F)により接触操作される操作面(11a、11b)を形成する操作プレート(10)と、操作プレートに対して操作面の反対側に配置される電極板(20、201、202、203、204)と、を備え、操作体と電極板との間で生じる静電容量の変化に応じてオンオフ作動する静電容量式スイッチであることを前提とする。 そして、電極板の外周部(20a)に、操作プレートに比べて誘電率の高い高誘電率材(22、221、222、223、224)が配置されていることを特徴とする。

    この発明によれば、電極板のうち操作面の反対側(電極板の裏面)から出る電気線が、高誘電率材に引き寄せられ、操作面に向けて誘導されるようになる。 よって、操作面を貫く電気力線が増大するので、感度の向上を図ることができる。

    また、以下に詳述する理由により、本発明によれば誤作動の抑制を図ることもできる。 すなわち、例えば図3に示すように、本発明に反して高誘電率材を配置しない場合であっても、電極板20の裏面20rから出る電気力線の一部は、空気よりも誘電率の高い操作プレート10に引き寄せられて表面20f側に誘導される。 しかしながら、このように裏面20rから表側に誘導される電気力線は、操作面11aに比べて大きな範囲に広がる。 つまり、電気力線の操作面への指向性が弱い。 そのため、操作面に操作体を接触させていなくても、その近傍部分に操作体を接触させただけで、電極板による静電容量が大きく変化することとなり、誤作動の懸念が生じる。

    これに対し本発明によれば、電極板20の裏面20rから出る電気力線は、例えば図4に示すように、高誘電率材22に引き寄せられて表面20f側に誘導される。 そのため、電気力線が操作面11aへ向かう指向性が強くなるので、上述した誤作動の懸念を抑制できる。 また、このように指向性が強くなるので、操作面11aへの接触に対する感度も向上する。

    本発明の第1実施形態に係る静電容量式スイッチの全体図であって、図2のI−I断面図。

    図1のII矢視図。

    本発明とは異なり高誘電率材を配置しない場合の比較例を示す図。

    第1実施形態の構造において、電極板から出る電気力線の分布を示す図。

    本発明の第2実施形態に係る電極板単体を示す平面図。

    第2実施形態に係る電極板および高誘電率材を示す平面図であって、図7のVI矢視図。

    第2実施形態に係る静電容量式スイッチの断面図。

    本発明の第3実施形態において、電極板を裏面側から見た平面図。

    本発明の第4実施形態において、電極板を裏面側から見た平面図。

    本発明の第5実施形態において、電極板を裏面側から見た平面図。

    本発明の第6実施形態に係る静電容量式スイッチの断面図。

    本発明の第7実施形態に係る静電容量式スイッチの断面図。

    本発明の第8実施形態に係る静電容量式スイッチの断面図。

    本発明の第9実施形態において、スイッチ感度を上げるように閾値を調整する状況の一例を示す図。

    第9実施形態において、スイッチ感度を下げるように閾値を調整する状況の一例を示す図。

    以下、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。 尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。

    (第1実施形態)
    図1に示す操作プレート10は、透光性を有する樹脂で形成された板形状である。 操作プレート10を形成する樹脂材料の具体例としては、ポリカーボネート(PC)、アクリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)等が挙げられる。 操作プレート10の表面、つまり操作プレート10のうちユーザ側の面は、ユーザに視認される意匠面11である。 そして、意匠面11のうちの特定範囲A、Bが操作面11a、11bとして機能する。 操作面11a、11bは、ユーザの指先F(操作体)で接触操作されるものである。 操作面11a、11bには、操作対象を表した文字や記号等が印刷されている。

    意匠面11には、3つ以上の操作面が限られた範囲に密集して配置されているが、図1では2つの操作面11a、11bを図示している。 なお、図1の例では、2つの操作面11a、11bが並ぶ方向(図1の左右方向)において、2つの操作面11a、11bの間隔は、操作面11a、11bの長さよりも小さい。

    操作プレート10に対して意匠面11の反対側には、電極板20が配置されている。 電極板20は、透光性を有する樹脂で形成されたシート形状である。 電極板20を形成する樹脂材料の具体例としては、インジウム錫酸化物(ITO)やポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)等の導電性高分子が挙げられる。 電極板20の形状および大きさは、操作面11a、11bと同一である。

    電極板20は、フィルム材21の裏面、つまりフィルム材21のうち操作プレート10に対して反対側の面に、蒸着等の工法で塗布されている。 フィルム材21は可撓性および透光性を有する樹脂材料で形成されており、その樹脂材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。 フィルム材21の表面は、接着材30により操作プレート10の裏面12に貼り付けられている。 要するに、電極板20はフィルム材21(保持部材)により保持された状態で、操作プレート10の裏面12に取り付けられている。

    フィルム材21には、図示しない配線が設けられており、配線の一端は電極板20に接続されている。 配線の他端は、回路基板40に設けられたコネクタ41に接続されている。 これにより、電極板20から出力される検出信号は、回路基板40に実装されたマイクロコンピュータ(マイコン42)に入力される。 この検出信号は、指先Fと電極板20との間で生じる静電容量の変化に応じた、電圧変化の信号である。 なお、電極板20は、複数の操作面11a、11bの各々に対して配置されており、各々の電極板20から出力される検出信号がマイコン42に入力される。

    マイコン42は、検出信号の変化に基づき、操作面11a、11bに指先Fが接触したか否かを判定し、接触していると判定した場合には、操作対象に対してオン信号を出力し、操作対象が所望の作動をするように操作する。 操作対象の具体例としては、車両に搭載された空調装置の起動、風量設定、温度設定、車両に搭載されたオーディオ装置の音量設定、選曲、車両に搭載されたナビゲート装置の目的地設定等が挙げられる。

    また、上記判定の具体例としては、検出信号が基準電圧に対して所定値以上変化した場合に、接触していると判定することが挙げられる。 換言すれば、自己容量検出方式の原理にしたがって、先述した静電容量が所定量以上増大した場合に、接触していると判定する。

    より詳細に説明すると、操作面11a、11bに指先Fを接触させていない時には、電極板20の周辺にある回路基板40のグランドパターン等と電極板20との間に寄生容量が発生している。 そして、導体である人体が仮想グランドに接地されているため、操作面11a、11bに指先Fを近づけると、電極板20と指先Fとの間に静電容量が発生する。 これによる静電容量の増加量を測定する事により、指先Fの接近(接触操作)を感知する。

    電極板20に対して意匠面11の反対側には、発光ダイオード等の光源43が配置されている。 光源43は回路基板40の表側に実装されている。 光源43は、各々の電極板20に対向して配置されている。 光源43から出射した光は、図示しない導光部材により、対応する電極板20に導かれ、その電極板20、フィルム材21、接着材30および操作プレート10を透過する。 そして、複数の操作面11a、11bのうち対応する操作面を透過することで、その操作面を透過照明する。 なお、意匠面11のうち操作面11a、11b以外の部分には、遮光性を有する塗料が印刷されている。

    図1のII矢視図である図2では、接着材30およびフィルム材21の図示を省略している。 該図2に示すように、電極板20の外周部20aには、操作プレート10に比べて誘電率の高い材料で形成された高誘電率材22が配置されている。 具体的には、樹脂よりも高誘電率の物質、例えばガラスフィラー、カーボンフィラー等を、例えばポリカーボネート、アクリル、ABS等の樹脂に混入させて高誘電率材22を形成する。 さらに高誘電率材22は、フィルム材21と比べても誘電率が高い。

    また、「外周部20a」とは、電極板20の裏面20r、つまり電極板20のうち意匠面11の反対側の面のうち、電極板20の外周端面20bと隣接する所定範囲の部分のことを言う。 したがって、電極板20の外周部20aの形状は環状であり、本実施形態では、外周部20aの全体を覆うように高誘電率材22は配置されている。 但し、電極板20の裏面20rの中央部分であって、外周部20a以外の部分の一部については、高誘電率材22は配置されていない。 換言すれば、本実施形態に係る高誘電率材22は環状に形成されている。

    さらに厳密に説明すると、高誘電率材22は、電極板20の裏面20rと平な方向(図1の左右方向)のうち外周端面20bから離れる向きに延出する延出部22pを有する。 換言すれば、図2の如く電極板20の板面に垂直な方向から見て、高誘電率材22の外周端部22aは、電極板20の外周端面20bの外側に位置する。 また、高誘電率材22は、電極板20の外周端面20bの全体を覆う形状である。

    次に、高誘電率材22を配置することによる作用効果について、図3および図4を用いて説明する。 なお、図3中の点線は、本発明に反して高誘電率材を廃止した場合の電気力線分布を示し、図4中の点線は、本実施形態の場合における電気力線分布を示す。 両図に示すように、電極板20から出る電気力線は、表面20fと裏面20rの両方から出る。 表面20fから出る電気力線は、フィルム材21、接着材30、および操作プレート10を介して、電極として機能する指先Fに通じる。 一方、裏面20rから出る電気力線の一部は、空気中に出てから指先Fに向かう経路となる。

    そして、空気は誘電率が極めて低いので、図4に示す如く電極板20の外周部20aに高誘電率材22が配置されていると、空気中の電気力線は高誘電率材22に強く引き寄せられることとなる。 そのため、裏面20rから出た電気力線がUターンして指先Fへ向かうにあたり、高誘電率材を廃止した図3の場合に比べて図4の場合にはUターンすることが促進される。 よって、裏面20rから出た電気力線の、対応する操作面11aに接触する指先Fへ向かう指向性が強くなるとともに、その指先Fに通じる電気力線の本数が増大する。

    以上により、本実施形態によれば、電極板20の外周部20aに高誘電率材22を配置することにより、裏面20rから出た電気力線の、対応する操作面11aへの指向性が強くなる。 そのため、隣の操作面11bに接触させている指先との間で電極板20の検出信号が変化することを抑制できる。 よって、ユーザの意図しない隣の操作面に対応する操作対象がオン作動するといった誤作動を抑制できる。

    しかも、上述の如く指向性が強くなることに起因して、対応する操作面11aに接触する指先Fに通じる電気力線の本数が増大するので、操作面11aに指先Fを接触した場合に生じる電極板20の検出信号の変化を大きくできる。 よって、操作面11aに軽く触れただけで、つまり、指先Fの操作面11aへの接触面積が小さい状態であっても、検出信号が基準電圧に対して所定値以上変化するようになる。 よって、スイッチの感度を向上できる。

    さらに本実施形態では、高誘電率材22を、外周部20aの全体に配置して電極板20を取り囲む形状に形成している。 そのため、外周部20aの一部にだけ高誘電率材22を配置した場合に比べて、先述した指向性向上および電気力線の本数増大の作用を大きくできる。 よって、誤作動抑制および感度向上の効果が促進される。

    さらに本実施形態では、高誘電率材22は、電極板20の外周端面20bから離れる向きに延出する延出部22pを有する。 そのため、延出部22pの裏面、つまり図4に示す延出部裏面22bと、指先Fとの間に電極板20が位置しなくなるので、延出部裏面22bから出る電気力線が直線的に指先Fへ向かうことを促進できる。 よって、高誘電率材22に引き寄せられた電気力線の、対応する操作面11aへの指向性を向上できる。 よって、誤作動抑制の効果が促進される。

    さらに本実施形態では、延出部裏面22bをフィルム材21に接触させているので、延出部裏面22bから出る電気力線は、空気中へ出ることなくフィルム材21、接着材30および操作プレート10を通じて指先Fに達する。 よって、延出部裏面22bから出て指先Fに達する電気力線の密度を向上でき、誤作動抑制および感度向上の効果が促進される。

    (第2実施形態)
    本実施形態では、上記第1実施形態に係る電極板20の形状を変形させており、それに伴い高誘電率材22の形状も変形させている。 他の構造については上記第1実施形態と同様である。 図5に示す本実施形態の電極板201は、中央に貫通穴20hが形成された形状である。 したがって、電極板201には外周部20aに加えて内周部20cが存在する。

    図6中の網点を付した部分が高誘電率材221、221aであり、外周部20aを覆う部分の高誘電率材221の形状および配置は、第1実施形態に係る高誘電率材22と同じである。 内周部20cを覆う部分の高誘電率材(内側高誘電率材221a)は、内周部20cの全体を覆うように配置されており、内周部20cに沿った環状に形成されている。

    さらに厳密に説明すると、図6に加えて図7にも示すように、内側高誘電率材221aは、電極板20の裏面20rと水平な方向のうち、電極板201の内周端面20dから離れる向きに延出する延出部22qを有する。 また、内側高誘電率材221aは、電極板20の内周端面20dの全体を覆う形状である。 この延出部22qの裏面も、延出部裏面22bと同様にしてフィルム材21に接触している。

    このように、貫通穴20hが形成された電極板201を用いた場合において、本実施形態によれば、電極板201の内周部20cについても高誘電率材(内側高誘電率材221a)を配置する。 よって、裏面20rから出た空気中の電気力線の一部が、内側高誘電率材221aでも引き寄せられることとなる。 そのため、先述した指向性向上および電気力線の本数増大の作用を増大でき、ひいては、誤作動抑制および感度向上の効果を促進できる。

    (第3実施形態)
    先述した図6に示す第2実施形態では、電極板201が矩形であり、電極板201の外周部20aおよび内周部20cは矩形形状である。 これに対し、図8に示す本実施形態では、電極板202が円形(厳密には楕円形)であり、電極板202の外周部20aおよび内周部20cは円形である。 したがって、内周部20cの全体を覆うように配置された内側高誘電率材222aは円形であり、外周部20aの全体を覆うように配置された高誘電率材222は円環形状である。 なお、図8中の網点を付した部分が高誘電率材222、222aである。

    このように、電極板201の形状が円形であっても、上記第2実施形態と同様に高誘電率材222、222aを配置することができ、第2実施形態と同様の効果を発揮させることができる。

    (第4実施形態)
    上記各実施形態では、複数の操作面11a、11bの各々に対して1つの電極板20、201、202を配置している。 これに対し、図9に示す本実施形態では、1つの操作面に対して複数の電極板203を配置している。 そして、複数の電極板203は高誘電率材223により連結されている。 なお、上記各実施形態の高誘電率材22、221、222は、電極板20、201、202の外周部20aの全体を覆うように配置されているが、本実施形態に係る高誘電率材223は外周部20aの一部を覆うように配置されている。

    このように、1つの操作面に対して複数の電極板203を配置した場合であっても、図9に示すように高誘電率材222、222aを配置して、指向性向上および電気力線の本数増大を図ることができる。 よって、誤作動抑制および感度向上の効果を発揮させることができる。

    (第5実施形態)
    先述した図8に示す第3実施形態では、電極板202が、貫通穴20hを有する円形形状であり、高誘電率材222は、電極板202の外周部20aの全体を覆うように配置されている。 これに対し、図10に示す本実施形態では、電極板204が、貫通穴を有していない円形形状であり、高誘電率材224は、電極板204の外周部20aの一部を覆うように配置されている。

    このように、図10に示す形状の電極板204であっても、図示されるように高誘電率材224を配置して、指向性向上および電気力線の本数増大を図ることができ、誤作動抑制および感度向上の効果を発揮させることができる。

    (第6実施形態)
    図11に示す本実施形態では、図1に示す第1実施形態の構造に、以下に説明する第2高誘電率材14をさらに追加したものである。

    本実施形態に係る操作プレート10は、板状の基板13および第2高誘電率材14を備えて構成されている。 基板13は、ABS等の樹脂で形成された板形状である。 第2高誘電率材14は、基板13に比べて誘電率の高い、透光性を有した材質で形成されている。 第2高誘電率材14には高誘電率材22と同じ樹脂材料が用いられている。

    第2高誘電率材14は、基板13の操作面側の面(意匠面11)のうち電極板20の各々に対応する部分に塗布(ポッティング)されており、平坦形状の意匠面11からユーザの側に盛り上がっている。 そして、図1に示す第1実施形態では、意匠面11の一部を操作面11a、11bとして機能させているのに対し、図11に示す本実施形態では、第2高誘電率材14の表面を操作面11a、11bとして機能させている。 なお、操作対象を表した文字や記号等は、意匠面11のうち第2高誘電率材14が配置されて部分に印刷されている。

    また、第2高誘電率材14は、意匠面11のうち電極板20の投影範囲13aの全面を覆うように配置されている。 「投影範囲13a」とは、電極板20の裏面20rから、該裏面20rに対して垂直な方向に操作プレート10を見た場合において、意匠面11のうち電極板20と重なる範囲のことである。 したがって、投影範囲13aの形状および大きさは、電極板20と同一である。 なお、図11の例では、第2高誘電率材14も、電極板20と同一の形状および大きさである。

    以上により、本実施形態では、意匠面11に第2高誘電率材14を配置し、その第2高誘電率材14の表面を操作面11a、11bとして機能させる。 そのため、電極板20から出た電気力線は、第2高誘電率材14に引き寄せられて指先Fに通じるようになるので、電極板20と指先Fとを結ぶ電気力線の本数を増大させることができ、スイッチ感度を高めることができる。 また、電極板20から出た電気力線のうち、その電極板20に対応する操作面11aの隣に位置する操作面11bへ向かう電気力線が、操作面11aを形成する第2高誘電率材14へ引き寄せられるようになる。 よって、電極板20の裏面20rから出た電気力線の、対応する操作面11aに接触する指先Fへ向かう指向性が強くなるので、誤作動抑制の効果が促進される。

    さらに本実施形態では、意匠面11のうち電極板20の投影範囲13aの全面を覆うように第2高誘電率材14は配置されている。 そのため、投影範囲13aの一部を覆うように配置された場合に比べて、先述した指向性向上および電気力線の本数増大の作用を大きくできる。 よって、誤作動抑制および感度向上の効果が促進される。

    さらに本実施形態では、第2高誘電率材14は、基板13の操作面側の面(意匠面11)のうち電極板20の各々に対応する部分に塗布されており、平坦形状の意匠面11からユーザの側に盛り上がった形状である。 そのため、第2高誘電率材14に指先Fを接触させているユーザは、その接触部位が操作面11a、11bであることを触覚で認識でき、ブラインド操作が可能になる。

    (第7実施形態)
    図12に示す本実施形態では、図1に示す第1実施形態の構造に、以下に説明する第3高誘電率材15、16および低誘電率材17をさらに追加したものである。

    本実施形態に係る操作プレート10は、板状の基板13、第3高誘電率材15、16および低誘電率材17を備えて構成されている。 基板13は、ABS等の樹脂で形成された板形状である。 第3高誘電率材15、16は、基板13に比べて誘電率の高い、透光性を有した材質で形成されている。 第3高誘電率材15、16には高誘電率材22と同じ樹脂材料が用いられている。 低誘電率材17は、基板13に比べて誘電率の低い材質で形成されている。

    また、第3高誘電率材15、16、低誘電率材17および基板13は、多色成形により樹脂で一体に形成されている。 多色成形とは、異材質(材料)どうしを組み合わせて一体に成形する工法である。 詳細には、金型内のうち基板13となる部分へ溶融樹脂を射出し、金型内で成形させ、その後、基板13が残った状態の同一の金型内へ、第3高誘電率材15、16および低誘電率材17の溶融樹脂を射出する。 これにより、異なる材質である第3高誘電率材15、16、低誘電率材17および基板13が一体に樹脂成形される。

    第3高誘電率材15、16は、操作プレート10のうち電極板20の投影範囲13aの全面を覆うように配置されている。 「投影範囲13a」とは、電極板20の裏面20rから、該裏面20rに対して垂直な方向に操作プレート10を見た場合において、電極板20と重なる範囲のことである。 したがって、投影範囲13aの形状および大きさは、電極板20と同一である。 なお、図12の例では、第3高誘電率材15、16も、電極板20と同一の形状および大きさである。

    図示される一方の第3高誘電率材15は、基板13の板厚方向の全体に亘って配置されている。 図示される他方の第3高誘電率材16は、操作プレート10のうち意匠面11を形成する側の面には露出しないように配置されている。 したがって、一方の第3高誘電率材15に対応する操作面11aは、第3高誘電率材16の表面により形成され、他方の第3高誘電率材16に対応する操作面11bは、基板13の表面により形成されている。 なお、低誘電率材17は、操作プレート10のうち隣り合う第3高誘電率材15、16の間に配置され、かつ、基板13の板厚方向の全体に亘って配置されている。

    以上に説明した本実施形態によれば、第3高誘電率材15、16と基板13との多色成形により操作プレート10を一体に形成し、第3高誘電率材15、16を、電極板20の投影範囲13aに配置する。 そのため、電極板20から出た電気力線は、第3高誘電率材15、16に引き寄せられて指先Fに通じるようになるので、電極板20と指先Fとを結ぶ電気力線の本数を増大させることができ、スイッチ感度を高めることができる。 また、電極板20から出た電気力線のうち、その電極板20に対応する操作面11aの隣に位置する操作面11bへ向かう電気力線が、その電極板20の投影範囲13aに配置されている第3高誘電率材15へ引き寄せられるようになる。 よって、電極板20の裏面20rから出た電気力線の、対応する操作面11aに接触する指先Fへ向かう指向性が強くなるので、誤作動抑制の効果が促進される。

    さらに本実施形態では、第3高誘電率材15、16に加えて低誘電率材17も多色成形し、隣り合う第3高誘電率材15、16の間に低誘電率材17を配置する。 そのため、電極板20から出た電気力線が所望の操作面11aに向かうように指向性を強くすることを促進できる。

    さらに本実施形態では、一方の第3高誘電率材15は、基板13の板厚方向の全体に亘って配置されている。 そのため、板厚方向の一部に配置されている場合に比べて、電極板20から出た電気力線が所望の操作面11aに向かうように指向性を強くすることを促進できる。

    さらに本実施形態では、他方の第3高誘電率材16は、操作プレート10のうち操作面を形成する側の面(意匠面11)には露出しないように配置されている。 そのため、第3高誘電率材16と基板13との境界線が意匠面11に露出しなくなるので、意匠面11の見栄えを向上できる。

    (第8実施形態)
    上記各実施形態では、電極板20をフィルム材21に塗布し、そのフィルム材21を操作プレート10に貼り付けている。 換言すれば、フィルム材21を介して電極板20を操作プレート10に取り付けている。 これに対し本実施形態では、図13に示すように、電極板20を操作プレート10に直接取り付けている。

    詳細には、操作プレート10に電極板20を塗布しており、塗布した電極板20の上から、高誘電率材22を塗布している。 これにより、電極板20の外周部aに高誘電率材22を配置している。 また、高誘電率材22の延出部22pの裏面は、操作プレート10に接触している。

    このように、電極板20を操作プレート10に直接取り付けた場合であっても、上記第1実施形態と同様に高誘電率材22を配置することができ、第1実施形態と同様の効果を発揮させることができる。

    (第9実施形態)
    図14および図15の上段は、電極板20から出力される検出信号の電圧値(信号強度)の、時間変化を示す。 信号強度が閾値THa、THb、THc、THdを超えて大きくなった場合に、図中の下段に示すようにマイコン42はオン判定する。 つまり、該当する操作面11a、11bが接触操作されているとマイコン42は接触判定する。 図14は、操作面11a、11bに指先Fを接触させた場合の信号強度の波形を示す。 図15は、指先Fを接触させずに操作面11a、11bに近づけた場合の信号強度の波形を示す。 例えば、隣に位置する操作面を接触操作した場合にはこの波形が現れる。

    なお、検出信号が基準電圧に対して所定値以上変化した場合に、オン判定することは先述した通りである。 図14および図15中の符号Vbは、操作面11a、11bに指先Fが近づいていない場合における信号強度の値(ベース値)を示す。 閾値THa、THb、THc、THdは、ベース値Vbを基準とした値である。

    図14の波形において、符号THaに示す閾値では設定が高すぎるため、接触操作しているにも拘わらず、信号強度が閾値THaを超えないのでオン判定されない。 例えば、指先面積の小さいユーザや乾燥肌のユーザが接触操作した場合、信号強度が上がりにくいので上記不具合が生じやすい。 この場合には閾値の設定を下げるように調整する必要があり、例えば符号THbに示す閾値に設定を下げれば、図14の下段に示すように正常にオン判定されるようになる。

    図15の波形において、符号THcに示す閾値では設定が低すぎるため、接触操作していないにも拘わらず、信号強度が閾値THcを超えてオン判定されてしまう。 例えば、指先面積の大きいユーザや汗かきのユーザが操作面に指先Fを近づけた場合、信号強度が上がりやすいので上記不具合が生じやすい。 この場合には閾値の設定を上げるように調整する必要があり、例えば符号THdに示す閾値に設定を上げれば、図15の下段に示すように正常にオフ判定が維持されるようになる。

    上記調整の必要性を鑑み、本実施形態に係るマイコン42は、ユーザ等の作業者が閾値を調整できる機能を有する。 具体的には、予め設定されたパターンで複数の操作面11a、11bが操作されると、調整可能な調整モードの状態になる。 上記パターンの具体例としては、複数の操作面11a、11bのうちの所定の組み合わせの操作面を同時に接触操作することが挙げられる。

    調整モードの状態になると、複数の操作面11a、11bのうちの一つが閾値を上げるスイッチとして機能し、他の一つが閾値を下げるスイッチとして機能するようになる。 したがって、これらのスイッチを操作して作業者は閾値を調整することができる。

    このように、本実施形態によれば、閾値を調整する機能をマイコン42が有するので、ユーザの指先の湿り具合や指先面積に応じて、スイッチの感度を調整することができる。 よって、接触操作しているにも拘わらず、感度不足によりオン判定されない不具合や、接触操作していないにも拘わらず、感度過剰によりオン判定されてしまう不具合が生じる機会を低減できる。

    (他の実施形態)
    本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。 また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。

    ・上記各実施形態では、操作プレート10が肉厚均一の平板形状であるため、操作面11a、11bと電極板20との距離を均一に保つことができている。 これに対し、操作プレート10が肉厚不均一であったり、凹凸を有する形状であったりする場合の如く、操作面11a、11bと電極板20との距離を均一に保つことができない場合でも、本発明は適用可能である。 そして、このような場合には、高誘電率材22、221、222、223、224、第2高誘電率材14、または第3高誘電率材15、16の形状および大きさを調節することで、所望の静電容量変化になるように調整することができる。

    ・上記各実施形態では、導電性を有する樹脂で電極板20を形成しているが、金属で電極板20を形成してもよい。 また、透過照明を廃止して、透光性を有しない材料で電極板20を形成してもよい。 また、透過照明を廃止した場合、高誘電率材22、221、222、223、224および基板13を、透光性を有しない材料で形成してもよい。

    ・上記第1実施形態では、電極板20の形状および大きさが操作面11a、11bと同一であるが、異なっていても良い。 この場合、操作面11a、11bの投影範囲の全面を覆いつつ、その投影範囲よりも大きい形状に電極板20を形成してもよいし、投影範囲の一部を覆う形状に電極板20を形成してもよい。

    ・図2、図8、図9および図10に示す例では、高誘電率材22は電極板20の一部を覆う範囲に配置されているが、全面を覆う範囲に配置されていてもよい。

    ・上記第1実施形態では、高誘電率材22が延出部22pを有しており、高誘電率材22の外周端部22aが、電極板20の外周端面20bの外側に位置している。 これに対し、延出部22pを有していない高誘電率材22を用いて、外周端部22aを外周端面20bに位置させる、または外周端面20bの内側に位置させるようにしてもよい。

    ・本発明の実施にあたり、図11の構造と図12の構造を組み合わせて、高誘電率材22、第2高誘電率材14および第3高誘電率材15、16を備えるように構成してもよい。 なお、図12に示す低誘電率材17は廃止してもよい。

    ・図11に示す第2高誘電率材14は、基板13の平坦面からユーザの側に盛り上がった形状であるが、基板13に凹部を形成し、その凹部に第2高誘電率材14を埋め込んでもよい。 或いは、盛り上がっていることをユーザが認識できない程度に第2高誘電率材14を薄膜状に設け、第2高誘電率材14が実質的に意匠面11と同一の平坦面を形成するようにしてもよい。

    ・図12に示す低誘電率材17は、基板13の板厚方向の全体に亘って配置されているが、操作プレート10のうち意匠面11を形成する側の面には露出しないように低誘電率材17を配置してもよい。

    ・図12に示す第3高誘電率材15、16および低誘電率材17は、基板13の裏面に露出して接着材30またはフィルム材21に接触している。 これに対し、第3高誘電率材15、16および低誘電率材17を、基板13の裏面に露出しないように配置してもよい。

    ・図13に示す上記第8実施形態では、操作プレート10に電極板20を塗布しているが、電極板20を操作プレート10に接着材で貼り付けてもよいし、基板13と電極板20とを樹脂で一体に多色成形して操作プレート10を形成してもよい。

    ・上記各実施形態では、ユーザの指先Fを操作面11a、11bに接触させて操作することを想定しており、指先Fを操作体としている。 これに対し、例えばペン形状の操作部材をユーザが持ち、その操作部材を操作面11a、11bに接触させて操作することを想定し、人体以外の操作部材を操作体としてもよい。

    ・上記各実施形態では、操作面11a、11bが複数設けられた静電容量式スイッチに本発明を適用しているが、操作面が1つ設けられた静電容量式スイッチに本発明を適用してもよい。

    ・上記各実施形態では、静電容量に対応する信号強度を電圧値で表しているが、本発明は電圧値で静電容量の大きさを表すことに限定されない。 例えば、電極板20により形成される仮想キャパシタに対して充放電を繰り返す回路を備え、放電回数をカウントし、そのカウント値で静電容量を表してもよい。

    10…操作プレート、11a、11b…操作面、14…第2高誘電率材、15、16…第3高誘電率材、17…低誘電率材、20、201、202、203、204…電極板、20a…電極板の外周部、22、221、222、223、224…高誘電率材、22p…延出部、F…ユーザの指先(操作体)。

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