Vibration sensing element and vibration detectors

申请号 JP5037095 申请日 1995-02-16 公开(公告)号 JP2743314B2 公开(公告)日 1998-04-22
申请人 北石産業株式会社; 株式会社日本アレフ; 发明人 和則 湯瀬; 宏二 織田; 務 菅原;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 振動を検知するための振動検知素子において、 密閉ケースと、 先端部が前記密閉ケース内に突出するよう前記密閉ケースに固着されている非磁性の導電性材料から成る固定電極部材と、 ばね性を有する導電性の磁性金属材料から成り、先端部が前記密閉ケース内に突出し且つ該固定電極部材に圧接するよう該密閉ケースに固着されている可動電極部材と、 前記可動電極部材に関して前記固定電極部材と反対側に前記可動電極部材と間隔をあけて対向配置された磁性部材とを備えて成ることを特徴とする振動検知素子。
  • 【請求項2】 振動を検知するための振動検知素子において、 密閉ケースと、 先端部が前記密閉ケース内に突出するよう前記密閉ケースに固着されている導電性材料から成る第1電極部材と、 該第1電極部材の先端部に固定された導電性の非磁性金属材料から成る固定接点部材と、 ばね性を有する導電性の磁性金属材料から成り、先端部が前記密閉ケース内に突出し且つ該固定接点部材に圧接するよう該密閉ケースに固着されている第2電極部材と、 前記第2電極部材に関して前記固定接点部材と反対側に前記第2電極部材と間隔をあけて対向配置された磁性部材とを備えて成ることを特徴とする振動検知素子。
  • 【請求項3】 被検出体に生じた振動を検出するための振動検知器において、前記被検出体に取り付けられるケーシングを有し、該ケーシング内に請求項1に記載の振動検知素子が設けられると共に樹脂モールドされていることを特徴とする振動検知器。
  • 【請求項4】 被検出体に生じた振動を検出するための振動検知器において、前記被検出体に取り付けられるケーシングを有し、該ケーシング内に請求項2に記載の振動検知素子が設けられると共に樹脂モールドされていることを特徴とする振動検知器。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、ガラス、金属等の物体に生じた機械的振動、特にそれらが破壊する場合に生じる特有の機械的振動を検知するのに好適な振動検知素子及びこの振動検知素子を用いた振動検知器に関する。

    【0002】

    【従来の技術】例えば、警備の目的で、ガラス板、金属板等が破壊する場合に生じる特有の機械的振動を電気的信号に変換するための振動検知器が広く使用されている。 従来のこの種の振動検知器は、実公昭62−395
    01号公報に見られるように、相対し且つ接近して設けられた2つの導電性金属板ばねの先端部の接点を軽く接触させて成る常閉スイッチを振動検知素子として有しており、ガラス板等を破壊した場合に生じるガラス板の振動に応答してこの常閉スイッチが短い周期で繰り返しオン、オフするように構成されている。 したがって、この常閉スイッチを所定の閉ループ回路に直列に接続しておくことにより、ガラス板等の破壊の際に生じる振動を短い周期でレベル変化する電気的パルス信号に変換して取り出すことができる。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】この種の従来の振動検知器は、上述の如く、2つの導電性金属ばねを弱い接点圧で接触させた常閉スイッチから成る振動検知素子が振動に応動して周期的にオン、オフ動作し、これにより、
    その振動に応じた電気的信号を取り出すことができるように構成されている。 したがって、その振動検出感度を高めるためには常閉スイッチの接点圧を小さくする必要がある。 しかし、接点圧を小さく設定すると、接点の汚れ、酸化、結露、湿度等により、そのオン抵抗が大きくなりがちであり、作動の信頼性が比較的低く、長期間に亙る安定な作動を期待することができないという問題点を生じる。

    【0004】この問題を解決するため、少なくとも常閉スイッチの接点部分を封止、密閉した構成が考えられる。 しかしながら、常閉スイッチの接点部分を封止、密閉する構成を採用する場合には、常閉スイッチの接点圧の検査が封止前に行われなければならず、封止後の接点圧が所定の値になっているのか否かを素子外部から正確に測定することが不可能となってしまう。 このことは品質管理上極めて不都合である。

    【0005】また、この種の振動検知素子を用いた振動検知器にあっては、その動作の信頼性を確保すると共に所定の性能を保持させるため、スイッチ部を容易にいじることができない構成とする必要がある。 しかし、上述の理由により、スイッチの接点部分の密閉が難しいため、従来では、振動検知素子等を収納しておく振動検知器のケーシングを密閉構造としなければならない上に、
    ケーシングのこじ開けが容易にできないようにする各種の工夫が施される必要がある。 この結果、従来の振動検知器は構成が複雑で、製造コストが高くならざるを得ないという問題があった。

    【0006】本発明の目的は、スイッチ部を密閉ケース内に収納した構成において、振動検知のためのスイッチ部の接点圧をその外部から正確に測定することができるようにした、密閉型の振動検知素子を提供することにある。

    【0007】本発明の他の目的は、ケーシングの構成を複雑とすることなしに、こじあけ等によるいたずらを有効に防止できるほか劣悪な環境下においても長期間に亙って安定した動作を期待することができる振動検知器を提供することにある。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の特徴は、振動を検知するための振動検知素子において、密閉ケースと、先端部が前記密閉ケース内に突出するよう前記密閉ケースに固着されている非磁性の導電性材料から成る固定電極部材と、ばね性を有する導電性の磁性金属材料から成り、先端部が前記密閉ケース内に突出し且つ該固定電極部材に圧接するよう該密閉ケースに固着されている可動電極部材と、前記可動電極部材に関して前記固定電極部材と反対側に前記可動電極部材と間隔をあけて対向配置された磁性部材とを備えて成る点にある。

    【0009】可動電極部材の固有振動数をガラス等の破壊時に生じる振動の周波数に合わせることにより周波数選択特性を持たせ、ガラス、金属等の物体が破壊する場合に生じる特有の機械的振動に対して感度を合わせることができる構成としてもよい。 この構成によれば、目的の物体に例えば単にボールが当たったことにより生じる振動には応答しないが、その破壊により生じた振動にはよく応答する検知特性とすることができる。

    【0010】密閉ケースは、非磁性の金属性又は樹脂性の材料から成るものでもよいが、ガラスを用いて構成することができる。 その内部に封入される電極等の酸化、
    電極等への結露等を防止するため、密閉ケース内には適宜の不活性ガス、例えば窒素ガス、アルゴンガス等を封入する構成とするのが望ましい。 しかし、このような特殊なガスを封入することなしに、単に密閉、封止して、
    固定電極部材と可動電極部材とにより構成されるスイッチの接点部分を外部環境と遮断するだけの構成としてもよい。 また、この目的は、内部の空気を真空引きするなどして抜気しただけでも達成される。 更には、適宜の不活性ガスに素を混入した混合ガスを密閉ケース内に封入し、これにより接点部分の放熱効果をも図るようにした構成でもよい。

    【0011】可動電極部材と固定電極部材との間の接点圧は用途、目的に応じて適宜に定めることができる。 接点圧が小さい程感度は高く、接点圧が大きい程感度は低くなる。

    【0012】可動電極部材及び磁性部材は何れも磁性材料から成っているので、外部から磁界を与えることにより可動電極部材と磁性部材との間に磁気吸引を生じる。 一方、固定電極部材は非磁性であるので、外部から磁界を与えても可動電極部材と固定電極部材との間には磁気吸引力を生じることがない。 この結果、外部から磁界を与えると、可動電極部材のばね性による力に抗して可動電極部材を固定接点部材から引き離し、可動電極部材を磁性部材に接触させることができる。 このための磁界は、例えば密閉ケースの外側にコイルを設け、このコイルに電流を流すことにより生じさせることができる。
    この場合、可動電極部材が固定電極部材から離れて磁性部材に接触したときの電流値が、可動電極部材と固定電極部材との間の接点圧と密接に関連しており、電流値と接点圧との間には所定の関数関係が成立する。 したがって、この関数関係を予め調べておけば、組立後の密封状態においても、振動検知素子における可動電極部材と固定電極部材との間の接点圧を容易に且つ精度よく測定することができる。

    【0013】磁性材料から成る各部材がこの測定によって磁化するのを極力避けるため、可動電極部材と磁性部材とは、パーマロイの如き軟磁性材料とするのが好ましい。

    【0014】上記課題を解決するための本発明の他の特徴は、振動を検知するための振動検知素子において、密閉ケースと、先端部が前記密閉ケース内に突出するよう前記密閉ケースに固着されている導電性材料から成る第1電極部材と、該第1電極部材の先端部に固定された導電性の非磁性金属材料からなる固定接点部材と、ばね性を有する導電性の磁性金属材料から成り、先端部が前記密閉ケース内に突出し且つ該固定接点部材に圧接するよう該密閉ケースに固着されている第2電極部材と、前記第2電極部材に関して前記固定接点部材と反対側に前記第2電極部材と間隔をあけて対向配置された磁性部材とを備えて成る点にある。

    【0015】第2電極部材の固有振動数をガラス等の破壊時に生じる振動の周波数に合わせることにより周波数選択特性を持たせ、ガラス、金属等の物体が破壊する場合に生じる特有の機械的振動に対して感度を合わせることができる構成としてもよい。 この構成によれば、目的の物体に例えば単にボールが当たったことにより生じる振動には応答しないが、その破壊により生じた振動にはよく応答する検知特性とすることができる。

    【0016】密閉ケースは、非磁性の金属性又は樹脂性の材料から成るものでもよいが、ガラスを用いて構成することができる。 その内部に封入される電極等の酸化、
    電極等への結露等を防止するため、密閉ケース内には適宜の不活性ガス、例えば窒素ガス、アルゴンガス等を封入する構成とするのが望ましい。 しかし、このような特殊なガスを封入することなしに、単に密閉、封止して、
    固定電極部材と可動電極部材とにより構成されるスイッチの接点部分を外部環境と遮断するだけの構成としてもよい。 また、この目的は、内部の空気を真空引きするなどして抜気しただけでも達成される。 更には、適宜の不活性ガスに水素を混入した混合ガスを密閉ケース内に封入し、これにより接点部分の放熱効果をも図るようにした構成でもよい。

    【0017】第2電極部材と固定接点部材との間の接点圧は用途、目的に応じて適宜に定めることができる。 接点圧が小さい程感度は高く、接点圧が大きい程感度は低くなる。

    【0018】第2電極部材及び磁性部材は何れも磁性材料から成っているので、外部から磁界を与えることにより第2電極部材と磁性部材との間に磁気吸引力を生じさせ、これにより、第2電極部材のばね性による力に抗して第2電極部材を固定接点部材から引き離し、第2電極部材をを磁性部材に接触させることができる。 このための磁界は、例えば密閉ケースの外側にコイルを設け、このコイルに電流を流すことにより生じさせることができる。 この場合、第2電極部材が固定接点から離れて磁性部材に接触したときの電流値が、第2電極部材と固定接点との間の接点圧と密接に関連しており、電流値と接点圧との間には所定の関数関係が成立する。 したがって、
    この関数関係を予め調べておけば、振動検知素子の組立後の密封状態においても、振動検知素子における第2電極部材と固定接点部材との間の接点圧を容易に且つ精度よく測定することができる。

    【0019】磁性材料から成る各部材がこの測定によって磁化するのを極力避けるため、第2電極部材と磁性部材とは、パーマロイの如き軟磁性材料とするのが好ましい。 この場合、第1電極部材の材料をもパーマロイとすると、ケースに取り付けられる3つの部材が同材質となってそれらの熱膨張率が揃うので、特にガラスケースを用いる場合の加熱処理工程での歩留りが向上するので好ましい。 第1電極部材の先端に固定接点部材を固定するようにした構成とする場合の利点は、上述の如く、第1
    電極部材の材料を、少なくとも第2電極部材の材料と同じにすることができること、好ましくは、第2電極部材及び磁性部材の各材料と同じにすることができることである。 この結果、それらの熱膨張率が一部、或いは全部揃うので、特にガラスケースを用いる場合の加熱処理工程での歩留りが向上するので好ましい。 しかし、他の適宜の非磁性導電性材料を用いて第1電極部材を構成しても勿論よい。

    【0020】第1電極部材の材質をパーマロイとした場合、これに取り付けられる固定接点の材料を燐青銅等の非磁性材料を使用して構成すれば、両者を例えばスポット溶接で固定することにより、固定接点を第1電極部材の先端部に確実に固定することができる。 勿論、他の材料の組合せを選択してもよい。

    【0021】本発明の別の特徴によれば、ガラス板等の被検出体に印加される振動を検知するための振動検知器において、被検出体に取り付けられるケーシング内に上述したいずれかの振動検知素子が設けられると共に樹脂モールドされる。

    【0022】

    【作用】本発明による振動検知素子によると、外部から振動が与えられていない場合には、可動電極部材の先端部は固定電極部材の先端部に圧接しており、可動電極部材と固定電極部材とは電気的導通状態にある。 外部から振動が与えられると、これにより可動電極部材が振動し、可動電極部材と固定電極部材との間の導通状態が間歇的に途切れ、周期的なオン、オフ動作が実行される。

    【0023】密閉ケースの外部から磁界を与えると、可動電極部材と磁性部材との間にその磁界の強さに応じた磁気吸引力が働き、その磁気吸引力が接点圧より大きくなった時点で可動電極部材の先端部が固定電極部材から離れる。 与えられる磁界の強さと接点圧との間には限定の関数関係が成立し、この関係を用いて接点圧を測定することができる。

    【0024】本発明による別の振動検知素子によると、
    外部から振動が与えられていない場合には、第2電極部材の先端部は固定接点部材に圧接しており、第1電極部材と第2電極部材とは電気的導通状態にある。 外部から振動が与えられると、これにより第2電極部材が振動し、第1電極部材と第2電極部材との間の導通状態が間歇的に途切れ、周期的なオン、オフ動作が実行される。

    【0025】密閉ケースの外部から磁界を与えると、第2電極部材と磁性部材との間にその磁界の強さに応じた磁気吸引力が働き、その磁気吸引力が接点圧より大きくなった時点で第2電極部材の先端部が固定接点部材から離れる。 与えられる磁界の強さと接点圧との間には限定の関数関係が成立し、この関係を用いて接点圧を測定することができる。

    【0026】本発明による振動検知器によると、振動検知器のケーシング内に設けられた振動検知素子は密閉型であるから、そのまま簡単に樹脂モールドすることができる。 樹脂モールドされた状態においては、振動検知素子は外部環境から良好に護られるほか、いたずらの防止にも極めて効果的である。 特に、電気的接続部分をも樹脂モールドする場合にあっては、その電気的接続部分を良好に保護することができる。

    【0027】

    【実施例】以下、図面を参照して、本発明の一実施例につき詳細に説明する。

    【0028】図1には、本発明による振動検知素子の一実施例が断面図にて示されている。 この振動検知素子1
    は密閉ケースとして働く管状のガラスケース2を有し、
    該ガラスケース2の一端部2Aには、非磁性の導電性材料(本実施例では燐青銅)を細長い板状に形成して成る固定電極3がガラスケース2に密着して固着されている。 固定電極3の先端部3Aはガラスケース2内に突出している。

    【0029】固定電極3の先端部3Aは肉厚とされ、これにより、先端部3Aに剛性を持たせてある。 この結果、ガラスケース2に振動が与えられても、固定電極3
    の先端部3Aがガラスケース2内で振動運動することがない。

    【0030】ガラスケース2の他端部2Bには、固定電極3と対をなす可動電極4がガラスケース2に密着して固着されている。 可動電極4は、磁性体で且つ導電性を有するパーマロイを全体として細長い板状に形成して成る電極であり、その基部をなす肉厚部4Aがガラスケース2の他端部2Bに固定されている。 可動電極4の肉厚部4Aからは、ばね性を持たせるために厚みを薄くした肉薄部4Bがガラスケース2内に延びており、肉薄部4
    Bの有するばね性によりその先端部4Cが固定電極3に軽く圧接している。

    【0031】可動電極4、特にその肉薄部4Bの固有振動数は、ガラス等の破壊時に生じる約1000〜150
    0Hz程度の振動周波数範囲に入るように定められており、この種の振動が印加されると、肉薄部4Bが振動して大きく変位し、その先端部4Cと固定電極3との接触状態が断続的になり、従来のこの種の振動検知素子と同様にして、所望の振動を検知することができる。

    【0032】可動電極4と固定電極3との間の接点圧の大きさは、肉薄部4Bの厚みや形状、又はそり具合等を適宜に調節する等して目的に適した値とすることができる。

    【0033】可動電極4と固定電極3との間の接点圧の大きさを外部からチェックすることができるようにするため、磁性材料から成る磁性部材5が、ガラスケース2
    の一端部2Aに、可動電極4に関し固定電極3と反対側であって、固定電極3と所要の間隔をあけるようにして設けられている。 この結果、後述するように、ガラスケース2の外側からこの振動検知素子1に磁界を与えた場合、可動電極4と磁性部材5との間に生じる磁気吸引力により可動電極4がそれ自身のばね力に抗して固定電極3から離れ、磁性部材5に接触する。 なお、磁性部材5
    は、振動検知素子1に振動が与えられた場合に可動電極4、特にその肉薄部4B、の振幅が大きくなって損傷するのを防止するためのストッパの役目をも有している。

    【0034】本実施例では、磁性部材5は軟磁性材料であるパーマロイから成る細長い平板状の部材として固定電極3と同様の形状に形成され、固定電極3と所定の間隔をあけて略平行に延びるように、ガラスケース2の一端部2Aに密着して固定されている。 磁性部材5の先端部5Aはガラスケース2内に突出しており、肉薄に形成されてはいるが、ストッパとしての機能を果たすことができるように所定の剛性を有している。 したがって、固定電極3の先端部3Aと同様に、通常の使用状態の下で振動検知素子1に加えられる程度の振動によっては、磁性部材5の先端部5Aが振動することがない構成となっている。

    【0035】上記説明から判るように、固定電極3及び可動電極4によってオン、オフスイッチが構成されており、その要部はガラスケース2によって形成される密閉空間2C内において、塵、有害ガス、湿気等から護られる。 さらに、密閉空間2C内には不活性ガスであるアルゴンガスが充填されており、固定電極3と可動電極4との各先端部により形成される接点部の酸化等による劣化を長期間に亙って有効に防止することができる。 密閉空間2C内には、アルゴンガスに代えて他の適宜の不活性ガス、例えば窒素ガスを封入してもよい。 また、ガラスケース2内にこのような特殊ガスを封入する構成のほか、ガラスケース2を単に封止して密閉するだけでもよいし、ガラスケース2内の密閉空間2Cを抜気して略真空状態に近い状態とした構成でもよい。 さらには、不活性ガスに水素を混入した混合ガスを封入し、これにより接点の劣化防止と同時に放熱の促進を図る構成でもよい。 上述したいずれの構成によっても、その内部に構成されるスイッチ機構を、塵、酸化、有害ガス、湿気等から有効に護ることができる。

    【0036】固定電極3は導電性を有する非磁性の適宜の材料であればよく、また、可動電極4の材質は、ばね性と導電性と磁性とを備えた適宜の材料であればよい。
    磁性部材5の材質は磁性を有していればよく、必ずしも導電性を必要とはしない。 しかし、磁性部材5として、
    パーマロイの如き磁性のみならず導電性をも有している材料を使用すると、可動電極4が固定電極3から離れたタイミング、すなわち、可動電極4が磁性部材5に接触したタイミングを、可動電極4と磁性部材5との導通状態から検知することができる。

    【0037】この構成によれば、振動検知素子1に外部から振動が加えられると、その振動はガラスケース2を介して可動電極4自身に伝達されるほか、固定電極3を介しても可動電極4に伝達される。 これにより、可動電極4の肉薄部4Bが振動し、可動電極4と固定電極3との間の電気的接触状態が断続的になる。 したがって、可動電極4と固定電極3とを、例えば、警備用の閉ループ回路中に直列に挿入しておき、且つ振動検知素子1を例えば窓ガラスに適宜の手段で取り付けておけば、窓ガラスの破壊により生じた振動により、可動電極4の肉薄部4Bが振動し、可動電極4の先端部4Cと固定電極3との間の電気的接続状態が断続的となる。 したがって、振動検知素子1を、閉ループ中に電気的パルス信号を発生させるガラス破壊検知センサとして利用することができる。

    【0038】すでに説明したように、可動電極4の肉薄部4Bは、その固有振動数が、ガラス等を破壊た場合に生じる振動の周波数帯に入るように作られている。 したがって、この振動検知素子1をガラス破壊検知センサとしての用途に用いた場合、その周波数選択特性のために、例えば手でガラスをたたいた場合に生じる比較的低い周波数の振動には応動しないが、ガラスを破壊した場合に生じる振動にはよく応動し、これらを確実に検知することができると言う効果を期待することができる。

    【0039】また、感振部材として働く可動電極4の肉薄部4Bの近傍に磁性体から成る磁性部材5を上述の如く配設したので、ガラスケース2の外側から与えられる磁界の強さを徐々に増加させ、可動電極4と磁性部材5
    との間に働く磁気吸引力により可動電極4の肉薄部4B
    が固定電極3から離れて磁性部材5に接触するときの磁界の強さを測定することにより、可動電極4と固定電極3との間の接点圧を測定することができる。

    【0040】この接点圧の測定は、所定のソレノイドコイル内に被試験体である振動検知素子を配置し、ソレノイドコイルに流す直流電流値を徐々に増加させ、可動電極4が固定電極3から離れ磁性部材5と接触したときの電流値を測定することにより容易に実現できる。 この測定原理については既に説明した通りである。

    【0041】ここで、可動電極4が固定電極3から離れ磁性部材5と接触したタイミングは、可動電極4が磁性部材5に磁気吸引力で当接した音から判断してもよいが、可動電極4と固定電極3との間の電気的導通状態が解除されたタイミングを電気的に検出する構成でもよい。 この場合には、磁性部材5がパーマロイから構成されている場合の如く導電性を有する材料から成っている必要がある。

    【0042】また、別の測定方法として、所定の永久磁石を振動検知素子に徐々に接近させ、永久磁石による磁界によって可動電極4が磁性部材5に磁気吸引されたときの永久磁石と振動検知素子との間の距離から、可動電極4と固定電極3との間の接点圧を測定する方法も可能である。

    【0043】図2には、本発明による振動検知素子の他の実施例が断面図にて示されている。 この振動検知素子10は密閉ケースとして働く管状のガラスケース11を有し、該ガラスケース11の一端部11Aには、導電性材料であるパーマロイを細長い板状に形成して成る第1
    電極12がガラスケース11に密着して固着されている。 第1電極12の先端部12Aはガラスケース11内に突出しており、先端部12Aに形成された段部12B
    には、燐青銅から成る板状の固定接点13がスポット溶接によりしっかりと固着されている。

    【0044】固定接点13は、比較的厚みのある矩形の板状に形成されており、これにより、固定接点13に剛性を持たせてある。 一方、第1電極12の先端部12A
    は、ガラスケース11内で振動運動を生じることがないように、その板厚に対して突出長が著しく長くならないように定められており、これにより、固定接点13をしっかりと支持するのに充分な剛性を持たせている。 この結果、固定接点13は第1電極12の先端部12Aによって、ガラスケース11内で振動運動を生じることがないように支持されるので、ガラスケース11に振動が与えられても、固定接点13及び第1電極12の先端部1
    2Aがガラスケース11内で振動運動を生じることがない。

    【0045】ガラスケース11の他端部11Bには、第1電極12と対をなす第2電極14がガラスケース11
    に密着して固着されている。 第2電極14もまた、パーマロイを全体として細長い板状に形成して成る電極であり、その基部をなす肉厚部14Aがガラスケース11の他端部11Bに固定されている。 第2電極14の肉厚部14Aからは、ばね性を持たせるために厚みを薄くした肉薄部14Bがガラスケース11内に延びており、肉薄部14Bの有するばね性によりその先端部14Cが固定接点13に軽く圧接している。

    【0046】第2電極14、特にその肉薄部14Bの固有振動数は、ガラス等の破壊時に生じる約1000〜1
    500Hz程度の振動周波数範囲に入るように定められており、この種の振動が印加されると、肉薄部14Bが振動して大きく変位し、その先端部14Cと固定接点1
    3との接触状態が断続的になり、従来のこの種の振動検知素子と同様にして、所望の振動を検知することができる。

    【0047】先端部14Cと固定接点13との間の接点圧の大きさは、肉薄部14Bの厚みや形状、又はそり具合等を適宜に調節する等して目的に適した値とすることができる。 なお、先端部14Cは固定接点13の先端付近迄しか延びておらず、先端部14Cと第1電極12の先端とは比較的大きな距離を保っている。

    【0048】第2電極14の先端部14Cと固定接点1
    3との間の接点圧の大きさを外部からチェックすることができるようにするため、磁性材料から成る磁性部材1
    5が、ガラスケース11の一端部11Aに、第2電極1
    4に関し固定接点13と反対側であって、固定接点13
    と接触している先端部14Cと所定の間隔をあけるようにして設けられている。 先端部14Cと磁性部材15との間に設けられる所定の間隔は、図2から判るように、
    先端部14Bと第1電極12の先端との間隔よりも充分大きく定められている。 この結果、後述するように、ガラスケース11の外側からこの振動検知素子に磁界を与えた場合、第2電極14と磁性部材15との間に生じる磁気吸引力に比べて、第1電極12と第2電極14との間に働く磁気吸引力は充分小さく、第2電極14と磁性部材15との間に生じる磁気吸引力による第2電極14
    の運動が妨害されることがない。 なお、磁性部材15
    は、振動検知素子10に振動が与えられた場合に、第2
    電極14、特にその肉薄部14B、の振幅が大きくなって損傷するのを防止するストッパとしての役目をも有している。

    【0049】本実施例では、磁性部材15はパーマロイから成る細長い平板状の部材として第1電極12と同様の形状に形成され、第1電極12と所定の間隔をあけて略平行に延びるように、ガラスケース11の一端部11
    Aに密着して固定されている。 磁性部材15の先端部1
    5Aはガラスケース11内に突出しており、肉薄に形成されてはいるが、ストッパとしての機能を果たすことができるように所定の剛性を有している。 したがって、第1電極12の先端部12Aと同様に、通常の使用状態の下で振動検知素子10に加えられる程度の振動によっては、磁性部材15の先端部15Aが振動することがない構成となっている。

    【0050】上記説明から判るように、第1電極12、
    固定接点13及び第2電極14によってオン、オフスイッチが構成されており、その要部はガラスケース11によって形成される密閉空間11C内において、塵、有害ガス、湿度等から護られる。 さらに、密閉空間11C内には不活性ガスであるアルゴンガスが充填されており、
    固定接点13と先端部14Cとにより形成される接点部の酸化等による劣化を長期間に亙って有効に防止することができる。 密閉空間11C内には、アルゴンガスに代えて他の適宜の不活性ガス、例えば窒素ガスを封入してもよい。 また、ガラスケース11内にこのような特殊ガスを封入する構成のほか、ガラスケース11を単に封止して密閉するだけでもよいし、ガラスケース11内の密閉空間11Cを抜気して略真空状態に近い状態とした構成でもよい。 さらには、不活性ガスに水素を混入した混合ガスを封入し、これにより接点の劣化防止と同時に放熱の促進を図る構成でもよい。 上述したいずれの構成によっても、その内部に構成されるスイッチ機構を、塵、
    酸化、有害ガス、湿気等から有効に護ることができる。

    【0051】第1電極12は導電性を有する適宜の材料であればよく、必ずしも磁性を有する必要はない。 しかし、第1電極12を磁性体をも有する材料、特に、第2
    電極14及び磁性部材15と同一の導電性を有する磁性材料、例えばパーマロイとする場合の利点は、次の通りである。 すなわち、ガラスケースにこれらの部材を密着して取り付ける場合、第1電極12、第2電極14及び磁性部材15が同一の熱膨張率であるため、それらをガラスケースへ固着するための処理工程の歩留りが改善されることである。 また、第2電極14の材質は、ばね性と、導電性と、磁性とを備えた適宜の材料でよく、磁性部材15の材質は、磁性のみを備えた材料でもよい。 しかし、磁性部材15として、パーマロイの如き磁性のみならず導電性をも有している材料を使用すると、第2電極14が固定接点13から離れたタイミング、すなわち、第2電極14が磁性部材15に接触したタイミングを、第2電極14と磁性部材15との導通状態から検知できる。

    【0052】上述の如く構成された振動検知素子10によれば、振動検知素子10に外部から振動が加えられた場合、その振動はガラスケース11を介して第2電極1
    4自身に伝達されるほか、第1電極12及び固定接点1
    3を介しても第2電極14に伝達される。 これにより、
    第2電極14の肉薄部14Bが振動し、第2電極14と固定接点13との間の電気的接触状態が断続的になる。
    したがって、第1電極12と第2電極14とを、例えば、警備用の閉ループ回路中に直列に挿入しておき、且つ振動検知素子10を例えば窓ガラスに適宜の手段で取り付けておけば、窓ガラスの破壊により生じた振動により、第2電極14の肉薄部14Bが振動し、第2電極1
    4の先端部14Cと固定接点13との間の電気的接触状態が断続的となり、振動検知素子10を閉ループ中に電気的パルス信号を発生させるガラス破壊検知センサとして利用することができる。

    【0053】すでに説明したように、第2電極14の肉薄部14Bは、その固有振動数が、ガラス等を破壊た場合に生じる振動の周波数帯に入るように作られている。
    したがって、この振動検知素子をガラス破壊検知センサとしての用途に用いた場合、その周波数選択特性のために、例えば手でガラスをたたいた場合に生じる比較的低い周波数の振動には応動しないが、ガラスを破壊した場合に生じる振動にはよく応動し、これらを確実に検知することができると言う効果を期待することができる。

    【0054】また、感振部材として働く第2電極14の肉薄部14Bの近傍に磁性体から成る磁性部材15を上述の如く配設したので、ガラスケース11の外側から与えられる磁界の強さを徐々に増加させ、第2電極14と磁性部材15との間に働く磁気吸引力により第2電極1
    4の肉薄部14Bが固定接点13から離れて磁性部材1
    5に接触するときの磁界の強さを測定することにより、
    第2電極14と固定接点13との間の接点圧を測定することができる。

    【0055】この接点圧の測定は、所定のソレノイドコイル内に被試験体である振動検知素子を配置し、ソレノイドコイルに流す直流電流値を徐々に増加させ、第2電極14が固定接点13から離れ磁性部材15と接触したときの電流値を測定することにより容易に実現できる。
    この測定原理については既に説明した通りである。

    【0056】ここで、第2電極14が固定接点13から離れ磁性部材15と接触したタイミングは、第2電極1
    4が磁性部材15に磁気吸引力で当接した音から判断してもよいが、第1電極12と第2電極14との電気的導通状態が解除されたタイミングを電気的に検出する構成でもよい。 また、磁性部材15がパーマロイから構成されている場合の如く導電性を有する材料から成っている場合には、磁性部材15と第2電極14との間の電気的導通状態が生じたタイミングを電気的に検出する構成とすることができる。

    【0057】また、別の測定方法として、所定の永久磁石を振動検知素子に徐々に接近させ、永久磁石による磁界によって第2電極12が磁性部材15に磁気吸引されたときの永久磁石と振動検知素子との間の距離から、第2電極14と固定接点13との間の接点圧を測定する方法も可能である。

    【0058】図3乃至図5には、図2に示した振動検知素子10を用いたガラス破壊センサの一構成例が示されている。 ガラス破壊センサ20は、ケーシング21及びこれに対応するカバー22を有し、これらは、電気的絶縁材料である合成樹脂を成形して作られている。 ケーシング21には、一対の接続端子23、24が設けられており、各接続端子23、24にはL字型端子25、26
    が対応して設けられている(図4参照)。

    【0059】接続端子23は、導電性の板部材23Aをねじ23Bでケーシング31に締め付けることができる公知の構成であり、ケーシング31に適宜の手段で固定されているL字型端子25の図示しない端部が板部材2
    3Aと電気的に接続される構成になっている。 他方の接続端子24側の構成も、同様に、導電性の板部材24A
    をねじ24Bでケーシング31に締め付けることができる公知の構成であり、ケーシング31に適宜の手段で固定されているL字型端子26の図示しない端部が板部材24Aと電気的に接続される構成となっている。

    【0060】L字型端子25、26の各接続端部25
    A、26Aはケーシング21の基部21Aから垂直に延びており、振動検知素子10の第1電極12はスポット溶接により接続端部25Aに電気的及び機械的に接続されている。 その第2電極14も同様に、スポット溶接により接続部26Aに電気的及び機械的に接続されている。 なお、この実施例では、磁性部材15は、ガラスケース11の外部に突出していない。

    【0061】接続端子23の板部材23Aとケーシング31との間に接続ワイヤW1の先端を差し込んで23B
    を締め付けることにより、接続ワイヤW1を振動検知素子10の第1電極に電気的に接続することができる。 同様に、接続端子24の板部材24Aとケーシング31との間に接続ワイヤW2の先端を差し込んでねじ24Bを締め付けることにより、接続ワイヤW2を振動検知素子10の第2電極14に電気的に接続することができる。

    【0062】このガラス破壊センサ20は、ケーシング21の底面に例えばエポキシ系の接着剤を塗布し、ケーシング21を窓ガラス板の適宜の箇所に接着することにより窓ガラス板に取り付けることができ、これにより、
    窓ガラス板に生じる振動を振動検知素子10に良好に伝達させることができる。 したがって、特に、ケーシング21の材質は、振動を良好に伝えることができる。 硬い合成樹脂とするのが好ましい。

    【0063】なお、ガラス破壊センサ20は、ガラス破壊検知以外の目的にも使用できる。 したがって、被検出体によっては、ケーシング21の基部21Aに設けられている取付け用のねじ孔27A、27B(図4参照)を利用してその取付けを行うことができる。 図3乃至図5
    に基づく上記の説明は、振動検知素子10の代わりに図1に示した振動検知素子1を用いた場合にもそのままあてはまることは勿論である。

    【0064】図6及び図7には、図2に示した振動検知素子10を用いた本発明による振動検知器の一実施例が示されている。 本発明により構成された検知器であるガラス破壊センサ30は、電気的絶縁材料である合成樹脂を形成して成る略矩形のケーシング31を有し、このケーシング31内には、図2に示されている振動検知素子10が収納される収納部32がケーシング31と一体に形成されている。 収納部32には、振動検知素子10を受け入れるためのU字状の溝32Aが形成されており、
    振動検知素子10はこの溝32A内に置かれている。 ケーシング31の材質は、振動を良好に伝えることができる。 硬い合成樹脂とするのが好ましい。

    【0065】振動検知素子10の第1電極12と第2電極14とには、リード線33、34の各一端33A、3
    4Aがそれぞれ電気的に接続されており、これらのリード線33、34には絶縁チューブ35が被されている。
    リード線33、34は絶縁チューブ35と共にケーシング31の切り欠き部31Aから図6に示される状態で外部に引き出されている。

    【0066】ケーシング31内に設けられた振動検知素子10、リード線33、34、及び絶縁チューブ35を図6に示す状態にてケーシング31内に固定するため、
    ケーシング31内には適宜の樹脂が充填され、これにより振動検知素子10とリード線33、34がケーシング31内において樹脂モールドされている。 振動検知素子10は密閉型であるから、樹脂モールドを極めて簡単に行うことができる。 図7において符号36で示されるのは、樹脂モールドのために充填されて硬化した樹脂である。 なお、このようにして振動検知素子10が樹脂モールドされたケーシング31には、図示しないカバーが取り付けられ、ケーシング31内に納められた各部品が、
    このカバーによって更に機械的に保護される構成となっている。

    【0067】ケーシング31の底面31Bには、例えばエポキシ系の接着剤が塗布され、これによりケーシング31がガラス板の適宜の箇所に接着される。 この結果、
    そのガラス板に生じる振動がケーシング31を介して樹脂モールドによってケーシング31と機械的に一体にされている振動検知素子10に効果的に伝達される。 したがって樹脂モールドのための樹脂材質は、硬化後に振動を良好に伝達することができる硬質の合成樹脂となる材料、例えば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂等を用いるのが好ましい。

    【0068】図6及び図7に基づく上記の説明は、振動検知素子10の代わりに図1に示した振動検知素子1を用いた場合にもそのままあてはまることは勿論である。

    【0069】図8及び図9には、本発明による振動検知器の他の実施例が示されている。 図8及び図9に示されている振動検知器40は、略円形のケーシング41を有し、このケーシング41もまた図6及び図7に示したケーシング31の材料と同じ材料を用いて形成されている。 ケーシング41内には、図2に示した振動検知素子10が収納される収納部42がケーシング41と一体に形成されており、収納部42に形成されたU字状の溝4
    2A内に振動検知素子10が置かれている。

    【0070】この振動検知素子10の第1電極12と第2電極14とには、図6に示された実施例の場合と同様にしてリード線が接続されてケーシング41の外部に引き出されるが、図8、図9ではリード線を図示するのが省略されている。

    【0071】上述の如くしてケーシング41内に収納された振動検知素子10を固定するため、振動検知器30
    の場合と同様に、ケーシング41内には適宜の樹脂が充填され、これにより樹脂モールドされている。 図8において符号46で示されるのは、樹脂モールドのために充填されて硬化した樹脂である。

    【0072】図6及び図7に基づく上記の説明は、振動検知素子10の代わりに図1に示した振動検知素子1を用いた場合にもそのままあてはまることは勿論である。

    【0073】上記において、ケーシング内に設けられた振動検知素子が樹脂モールドされている振動検知器の実施例を2つ説明した。 いずれの実施例においても、樹脂モールドのための樹脂材料は、被検出体であるガラスに生じた振動がケーシング31又は31を介して効率よく振動検知素子10(又は振動検知素子1)に伝達されるよう、硬化した場合の硬度が大きいもの、例えば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂等を用いるのが好ましい。 また、このような樹脂モールドによると、振動検知素子をケース本体内の端子等に半田付けにより取り付けただけの構成に比べ、ガラス板等の振動を極めて効果的に拾うことができる。 被検出体がガラス以外の部材であっても同様である。

    【0074】振動検知素子10(又は振動検知素子1)
    は密閉型であるから、振動検知素子の特性を外部から変更するのを有効に防止することができるほか、振動検知素子をケーシング内に樹脂モールドして埋設してしまう構成を容易に実現することができる。 また、実施例に示したような樹脂モールド構成によると、振動検知器の主要部分が外部環境から遮断されるので、特に、電気的接続部分の耐腐食性の向上、防水防滴性の向上を図ることができるほか、外部から作用する力から各構成部品を有効に保護することができる。 さらに、樹脂モールド構成によると、振動検知器の改造をを極めて困難とし、実際に窓ガラス板等に振動検知器を取り付けた場合のいたずら防止に極めて効果的である。 したがって、この構成によれば、振動検知器を長期間に亙って環境劣悪な場所で使用しても、接続不良等の不具合を生じることがなく、
    長期間安定に動作することが期待できる上に、取付け後の改造防止に極めて効果的である。

    【0075】本発明による振動検知素子は、ガラス板に生じる振動を検知する目的でのみ使用されるものではなく、例えば金庫を構成する金属板に生じる振動を検出する等、各種の部材に生じる振動を検出する目的で使用することができる。 この場合、第2電極14の肉薄部14
    Bの固有振動数は、振動検出の対象物に応じた適宜の値に定める事により、目的の振動を確実に検出することができるようにすることが可能である。

    【0076】

    【発明の効果】本発明による振動検知素子は、上述の如く、振動によってオン、オフされる電気的接点が密閉ケース内に封入される密閉型の構成であるから、劣悪な環境下においても長期間安定に、作動することが期待できる。 そして、電気的接点の接点圧を密閉状態で外部から簡単且つ正確に測定することができるので、振動検知素子における接点圧が所定の値になっているか否か等の検査を完成品に対しても充分な精度で迅速に行うことができ、品質管理のレベルアップを期待することができる。
    さらに、振動検知素子の設置現場においてもその機能チェックを外部から簡単に行うことができ、保守、点検に著しく便利であるほか、樹脂モールドを簡単に行えるという利点を有している。

    【0077】さらに、この密閉型の振動検知素子をケーシング内に樹脂モールドする構成とすることにより、振動検知器の主要部分を外部環境から遮断することが可能である。 したがって、電気的接続部分をも振動検知素子と共に樹脂モールドすれば、その電気的接続部分の耐腐食性の向上、防水防滴性の向上を図ることができる。 樹脂モールド構成による他の利点は、外部から作用する力から各構成部品を有効に保護することができることである。 さらに、樹脂モールド構成によると、振動検知器の改造をを極めて困難とし、実際に窓ガラス板等の所要の被検出体に振動検知器を取り付けた場合のいたずら防止に極めて効果的である。 したがって、振動検知器を長期間に亙って環境劣悪な場所で使用しても、接続不良等の不具合を生じることがなく、長期間安定に動作することが期待できる上に、取付け後の改造防止に極めて効果的である。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明による振動検知素子の一実施例を示す断面図。

    【図2】本発明による振動検知素子の他の実施例を示す断面図。

    【図3】本発明による振動検知素子を用いたガラス破壊センサの構成例を示す斜視図。

    【図4】図3に示したガラス破壊センサのケース本体の正面図。

    【図5】図3に示したガラス破壊センサのケース本体の平面図。

    【図6】本発明による振動検知器の一実施例を示す平面図。

    【図7】図6のA−A線断面図。

    【図8】本発明による振動検知器の他の実施例を示す平面図。

    【図9】図8のB−B線断面図。

    【符号の説明】

    1、10 振動検知素子 2、11 ガラスケース 3 固定電極 4 可動電極 5、15 磁性部材 12 第1電極 12A 先端部 13 固定接点 14 第2電極 14B 肉薄部 14C 先端部 30、40 ガラス破壊センサ 31、41 ケーシング 36、46 樹脂

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 務 宮城県柴田郡川崎町大字今宿字銀杏木33 番地 株式会社日本アレフ 仙台工場内 (56)参考文献 実公 昭62−39501(JP,Y2) 実公 昭51−21325(JP,Y2)

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