指向性常開式小型振動センサ

申请号 JP2013116544 申请日 2013-06-01 公开(公告)号 JP2014235073A 公开(公告)日 2014-12-15
申请人 株式会社ジーデバイス; G Device:Kk; 发明人 SHIMASE TERUO;
摘要 【課題】構造が極めてシンプルな上、あらゆる方向の振動に対しても 精度 の高い検知が可能な無 指向性 の常開式小型振動センサの提供。【解決手段】成形絶縁物である筒状体10と、筒孔11の上下開口13、14に上下対称に先端部を所定幅の間隔を保って対向させた態様で嵌合し、該筒孔を気密に封止する蓋体を構成する略凸状の一対の固定電極20A、20Bと、該固定電極と前記筒孔の内壁15とにより画成される空室16内に転動自由に収納される導電性電球30とを具備し、前記空室の内壁15には横断面半径方向内方に僅かに凸起する凸条部17を少なくとも1個所以上備えていて、導電性球体30は静止状態では上下一方の固定電極20A又は20Bにのみ当接して前記両固定電極間を非導通とするとともに、振動するとその振動方向如何にかかわらず凸条部17により半径方向内方に押し出されて両固定電極20A、20Bに 接触 し、該固定電極相互を導通させる。【選択図】図5
权利要求
  • 上下両面に貫通して開口する横断面略円形状の筒孔を有する成形絶縁物である筒状体と、該筒孔の上下開口に上下対称に先端部を所定幅の間隔を保って対向させた態様で嵌合し、該筒孔を気密に封止する蓋体を構成する略凸状の一対の固定電極と、該固定電極と前記筒孔の内壁とにより画成される空室内に転動自由に収納される導電性電球とを具備し、前記空室の内壁には横断面半径方向内方に僅かに凸起する凸条部を少なくとも1個所以上備えていて、該導電性球体は静止状態では前記固定電極のうちの一方にのみ当接して前記両固定電極間を非導通とするとともに、振動するとその振動方向如何にかかわらず前記凸条部により半径方向内方に押し出されて前記両固定電極に接触し、該固定電極相互を導通させるように構成したこと、
    を特徴とする無指向性常開式小型振動センサ。
  • 前記凸条部の横断面は、所定の半径を有する円弧で形成されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の無指向性常開式小型振動センサ。
  • 前記固定電極は、先端部から頸部にかけての輪郭が頸部の端部に向かって円弧状の曲線を描いて裾広がりになるように形成されていること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無指向性常開式小型振動センサ。
  • 前記空室は、略ドーナツ状に形成されていること、
    を特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の無指向性常開式小型振動センサ。
  • 前記導電性球体の直径は、前記空室内での静止状態時に、前記一の固定電極の先端部より高くなるように形成されていること、
    を特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の無指向性常開式小型振動センサ。
  • 前記凸条部は、前記空室内に等間隔で3個所以上形成されていること、
    を特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の無指向性常開式小型振動センサ。
  • 前記筒孔は、その中央部が縦断面横長の卵型の楕円状に形成されているとともに、該中央部と連通している上下の開口部が、前記固定電極の頸部と嵌合するように形成されていること、
    を特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の無指向性常開式小型振動センサ。
  • 前記筒状体は耐熱性合成樹脂で全一体的に成形されたものであること、
    を特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の無指向性常開式小型振動センサ。
  • 前記導電性球体は、複数個収納されていること、
    を特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の無指向性常開式小型振動センサ。

  • 说明书全文

    本発明は、振動センサに係り、殊に家電製品、電子機器、その他の精密機器に組み込んでそれら製品、機器等の振動を電気的に検出するための小型振動センサに関するものである。

    この種の小型振動センサとしては、従前は特定方向の振動しか検出できないものが少なくなかったが、近時においては全方向の振動に対する検知が可能ないわゆる無指向性振動センサが出現するに至っている。

    しかしながら、このような無指向性振動センサにあっては、例えば、特開平10−21804号公報(特許文献1)、特開平10−154451号公報(特許文献2)に記載されているように、一般に、その構成に必要な部品の点数が多く、各種の組立工程を必要とするため、その組立加工に要する労や時間が嵩み、製造コストを安く抑えることが困難であるばかりでなく、構造が複雑となり、そのため近時における使用対象機器としての各種電子機器等の小型化に対応して小型化を推進することが困難であり、しかも例えば歩行やゴルフその他の運動等に伴って振動が頻繁に発生する電子腕時計等の小型携帯機器や振動の多い機器に組み込んで使用する場合、その振動に伴って移動変位を繰り返す導電性球体の構造部品との衝突によって加えられる衝撃等により、該球体の球面の損傷、電極部材の接点部分の変形や位置ずれ等検出感度不良ないし動作不良や早期摩耗を引き起こしやすいといった問題点があった。

    上記のような問題点を解決するため、本願出願人は、その構成に不可欠な部品である可動電極としての導電性球体、電極部材及びその取付手段のうち、電極部材としてはシンプルな同一構成の電極部材を2個、その取付手段としては単体としての成形絶縁物ないし非導電性筒状体を1個、合計3点のみの部品をセンサ単体の構成部品とし、構造が極めて簡易で強固かつ信頼性の高い無指向性の常閉式小型振動センサを発明した(例えば、特許文献3、4)。

    しかしながら、常閉式(ノーマルクローズ)小型振動センサでは、常にスイッチがオンになっているために、電池等の電力を常に消費してしまい不経済である。 一方で、この種の無指向性小型振動センサにあっては、振動の検出感度を高くする必要があるために、常閉式が一般的であり、常開式(ノーマルオープン)では、その開発が困難であった。

    例えば、特許文献5(特開2000―21277)では、常開式(ノーマルオープン)小型振動センサについて開示している。 特許文献5の常開式小型振動センサでは、静止状態の場合には、すりばち状の傾斜面を形成する第二電極の底面に導電性球体が当接しており、振動により該導電性球体が前記傾斜面を上って第一電極に当接することによって、通電しスイッチがオンの状態になる。

    特開平10−21804

    特開平10−154451

    特開2003−161653

    特開2003−151415

    特開2000−21277

    しかしながら、上記小型振動センサにおいては、スイッチがオンの状態になるために導電性球体が第一電極の周面に沿って当接する必要があるため、平方向あるいは特定方向のみの振動に対しては検知できるが、その他の方向の振動に対しては検知できないという欠点がある。 また、振動が微動の場合には、導電性球体が第一電極まで到達せず、検知が難しい。 さらに、当該振動センサにおいては、内部構造に曲面が少ないため、振動による導電性球体の衝突によって受ける衝撃で導電性球体及び電極の双方が疲労しやすく、耐久性の面でも問題がある。

    本発明は、従来技術の有する上記の如き問題点に鑑みてなされたものであり、構成部品の数を最小限にするとともに、構造を極めてシンプルにして、組立作業を容易にする他、全体を小型化することができるとともに、量産性を高めて廉価で提供することができ、しかも耐久性ないし耐摩耗性に富むと同時にあらゆる方向の振動に対しても精度の高い検知が可能な無指向性の常開式小型振動センサを提供することをその主たる目的とするものである。

    上記目的を達成するため、本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第1の特徴は、上下両面に貫通して開口する横断面略円形状の筒孔を有する成形絶縁物である筒状体と、該筒孔の上下開口に上下対称に先端部を所定幅の間隔を保って対向させた態様で嵌合し、該筒孔を気密に封止する蓋体を構成する略凸状の一対の固定電極と、該固定電極と前記筒孔の内壁とにより画成される空室内に転動自由に収納される導電性電球とを具備し、前記空室の内壁には横断面半径方向内方に僅かに凸起する凸条部を少なくとも1個所以上備えていて、該導電性球体は静止状態では前記固定電極のうちの一方にのみ当接して前記両固定電極間を非導通とするとともに、振動すると振動方向如何にかかわらず前記導電性球体は前記凸条部に案内され、該凸条部により半径方向内方に押し出されて前記両固定電極に接触し、該固定電極相互を導通させるように構成したことを特徴とするものである。

    また、本発明に係る本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第2の特徴は、上記第1の特徴における前記凸条部の横断面が、所定の半径を有する円弧で形成されていることを特徴とするものである。

    さらに、本発明に係る本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第3の特徴は、上記第1又は第2の特徴における前記固定電極が、先端部から頸部にかけての輪郭が頸部の端部に向かって円弧状の曲線を描いて裾広がりになるように形成されていることを特徴とするものである。

    さらにまた、本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第4の特徴は、上記第1から第3のいずれか1の特徴における前記空室が、略ドーナツ状に形成されていることを特徴とするものである。

    また、本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第5の特徴は、上記第1から第4のいずれか1の特徴における前記導電性球体の直径が、前記空室内での静止状態時に、前記一の固定電極の先端部より高くなるように形成されていることを特徴とするものである。

    さらに、本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第6の特徴は、上記第1から第5のいずれか1の特徴における前記凸条部が、前記空室内に等間隔で3個所以上形成されていることを特徴とするものである。

    さらにまた、本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第7の特徴は、上記第1から第6のいずれか1の特徴における前記筒孔が、その中央部が縦断面横長の卵型の楕円状に形成されているとともに、該中央部と連通している上下の開口部が、前記固定電極の頸部と嵌合するように形成されていることを特徴とするものである。

    また、本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第8の特徴は、上記第1から第7のいずれか1の特徴における前記筒状体が、耐熱性合成樹脂で全一体的に成形されたものであることを特徴とするものである。

    また、本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第9の特徴は、上記第1から第8のいずれか1の特徴における前記導電性球体が、複数個収納されていることを特徴とするものである。

    本発明によれば、常閉式のように無駄な電力を消費することなく、センサに振動が加われば、その振動方向の如何にかかわらず導電性球体が両電極に接触して導通し、動作検知を全方位的に行うことができ、それによって使用対象機器の起動を可能にした無指向性の常開式振動センサを実現することが可能となる。

    また、構成部品が少なく、かつシンプルな構造とすることによって、組立作業の大部分を占める電極部材の取り付けが極めて容易であるばかりでなく、構造も極めて簡単かつ強固で、全体を大幅に小型化することができるとともに、量産性を高めて廉価で提供することができ、しかも耐久性ないし耐摩耗性に富むと同時に信頼性の高い無指向性の常開式小型振動センサを得ることができる。

    無指向性常開式小型振動センサ1の斜視図である。

    図1のA−A´線に沿って振動センサ1を断面にした縦断面図である。

    図2のB−B´線に沿って振動センサ1を断面にした横断面図である。

    図3のC−C´線に沿って振動センサ1を断面にした縦断面図である。

    筒状体10をD−D´線に沿って断面にした場合の振動センサ1の内部の状態を示す立体図である。

    筒状体10をA−A´線に沿って断面にした場合の縦断面図である。

    固定電極20A、20Bが導通している(スイッチがオンになっている)状態を示す振動センサ1の横断面図である。

    固定電極が導通している(スイッチがオンになっている)状態を示す振動センサ1のA−A´線縦断面図である。

    以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して下記の実施例を中心として詳細に説明する。

    図1は本発明の一の実施例としての無指向性常開式小型振動センサ1を示したもので、図1は振動センサ1の斜視図、図2は図1のA−A´線に沿って振動センサ1を断面にした縦断面図、図3は図2のB−B´線に沿って振動センサ1を断面にした横断面図、図4は図3のC−C´線に沿って振動センサ1を断面にした縦断面図、図5は振動センサ1の内部の状態を示す筒状体を断面にした立体斜視図、図6は筒状体をA−A´に沿って断面にした断面図、図7は振動センサ1が導通している場合を示す横断面図、図8は振動センサ1が導通している状態を示すA−A´線縦断面図である。

    これらの図面において10は、円筒状の筒状体である。 該筒状体10は、例えば、耐熱性合成樹脂等あるいはガラス等の成形絶縁物又は非導電性物質で一体形成されている。 また、上下両面に貫通して開口する横断面略円形状の筒孔11を有する。

    前記筒孔11は、その中央部12が縦断面横長の卵型の楕円状に形成されているとともに、該中央部と連通している上下の開口部13、14が、固定電極部材20A、20Bの頸部21A、21Bと嵌合するように形成されている。

    固定電極20A、20Bは、同一の形状及び寸法を有する一対の電極部材であり、水平方向360度の縦断面略凸状に形成されている。 該固定電極20A、20Bは、突起状の先端部22A、22Bから円盤状の頸部21A、21Bにかけての輪郭23A、23Bが頸部21A、21Bの端部に向かって円弧状の曲線を描いて裾広がりになるように形成されている。

    前記固定電極20A、20Bは、前記筒孔11の上部開口13及び下部開口14に上下対称に先端部22A、22Bを所定幅の間隔を保って対向させた態様で嵌合して固着され、該筒孔11を気密に封止する蓋体を構成する。 なお、前記上下の開口部13、14の直径は、前記固定電極20A、20Bの頸部21A、21Bの直径とほぼ一致させてある。

    前記一対の固定電極20A、20Bが前記筒状体10に固着されると、該電極20A、20Bと前記筒孔11の内壁15とにより空室16が画成される。 該内壁15は縦断面略半球凹面状に形成されている。 また、空室16内部には導電性電球30が転動自在に収納される。

    前記空室16の内壁15には横断面半径方向内方に僅かに凸起する凸条部17が該内壁15の上部から下部にかけて形成されており、図示の例では等間隔で3個所設けられている。 前記凸条部17は、横断面が所定の半径を有する円弧で形成されていて、他の内壁15の周縁部と曲線で滑らかに連続している。 なお、前記凸条部17は、一個所以上あればよく、数は特に限定されない。

    前記各電極20A、20Bは、図示の例にあっては、黄銅製ブロックをプレス加工によってそれぞれ同一の形状、寸法に成型したものであって、その全表面には金メッキ等の導電性皮膜(図示していない)が施されている。 また、金属球体である前記導電性球体30は、例えばタングステン球、ステンレス球、鋼球等の全表面に金メッキ等の導電性皮膜が施されたものである。 これにより導通性を良好ならしめるととともに、腐食を防止するようにしてある。

    また、図示の例にあっては、前記筒状体10は、熱変形温度が高くて耐熱寸法安定性の点で優れていると共に、量産性に富むPPS樹脂その他のエンジニアリングプラスチックから射出成形機等で全一体的に成型されている。 なお、筒状体10は、その外形を円筒状のほか、形又は直方形としてもよい。

    前記導電性球体30の直径は、図3における空室16の中心から内壁15までの短軸の長さより小で、該短軸を2分した線分の長さより大に形成されるとともに、空室16内にあるとき、固定電極20Aの先端部22Aより高くなるように形成されている。 また、導電性球体30は、図示の例では空室16内に1つ収納されているが、複数収納されてもよい。 導電性球体30が複数の場合には、1つの場合に比べて少し小さめに導電性球体30を形成してもよい。 導電性球体30の大きさや数は、振動の感知精度の程度に応じて適宜調整するのが望ましい。

    本発明における振動センサ1は、ノーマルオープン型、すなわち常開式の振動センサとして構成されており、該振動センサ1が水平状態にある場合には、図2から4にあるように、導電性球体30が前記固定電極20Aの頸部21Aの上面にのみに当接しており、固定電極20Aと固定電極20Bとがオープンの状態、すなわち非導通の状態となっている。

    該振動センサ1に振動が加わる場合、その振動に伴って導電性球体30が前記空室16内において飛び跳ねたり、左右に激しく転動したり、前記内壁15に沿って円周方向に沿って回転したりする。 その際、前記凸条部17に導電性球体30が乗り上げたり、衝突したりすると、該導電性球体30は、該凸条部17に案内されて、半径方向内方へ押し出され、図7及び8に示すように前記固定電極20A及び20Bの先端部22A及び22B双方に当接し、該電極20A及び20B間がクローズ状態となり、スイッチ回路がオンになる。 すなわち、前記凸条部17により、振動の検知の精度が高くなる。

    また、前記空室16の内壁15は半球凹面状を呈しており、また電極20A及び20Bの輪郭23A、23Bが円弧状に形成されているため、空室16が略ドーナツ状を形成し、センサ1が振動した場合の導電性球体30の転動が円滑となるばかりでなく、該球体30が飛び跳ねたり、跳ね返ったりして内壁15、凸条部17や輪郭23A、23Bに衝突しても、衝突の際の両者の接触が半球凹面または凸条半球面との接触となるため、衝突の際の局部的衝撃が弱められる。 また、特定の個所で繰り返し接触することもない。 従って、電極側及び球体側のいずれの金メッキ層にも傷がつきにくくなると共に、電極側の接点部分としての先端部21A、21Bの凹凸変形の発生も有効に防止することができ、その変形ないし傷に起因して発生する接触不良の早期発生を防止することが可能となる。

    なお、図示のセンサはそのままプリント基板等に半田付けすることができるが、各電極の円形頸部21A、21Bの外端側に適宜加工を施してその加工個所に端子をそれぞれ取り付け(図示せず)、該端子を介して電源回路接続することができるようにすることも可能である。

    本実施例における無指向性常開式小型傾斜センサ1にあっては、高さが約2.1mmで直径幅が約4.5mmで形成されている。 その場合、図3における前記空室16の最大直径は約3.4mmであり、前記固定電極20Aの頂部の直径は約0.4mmで、前記凸条部17の円弧は半径約1.7mmのもので形成されている。 なお、上記寸法は本発明に係る無指向性常開式小型傾斜センサ1の一例であって、設計変更により適宜変更可能である。 例えば、無指向性常開式小型傾斜センサ1自体をもう少し小型化してもよく、例として高さが約1.9mmで直径幅を約3.6mmとして形成することもできる。

    本発明は上述の如く構成されているので、可動電極としての導電性球体、電極部材としてはシンプルな同一構成の電極部材を2個、及び単体としての成形絶縁物ないし非導電性筒状体を1個、合計3点の部品をセンサ本体の構成部品として必要とするのみであって、組立作業の大部分を占める電極部材の取り付けが極めて容易であるばかりでなく、構造も極めて簡単かつ強固で、全体を大幅に小型化することができるとともに、量産性を高めて廉価で提供することができ、しかも耐久性ないし対摩耗性に富むと同時に今までできなかった信頼性の高い無指向性の常開式小型振動センサを得ることができるものである。

    以上、本発明の実施例につき図面や表など参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載した構成の範囲内において様々な態様で実施することができる。

    本発明によれば、一般の家電製品や電子機器等に組み込んでそれらの製品、機器の振動を検出することができる。 特に、スマートフォンやタッチパネル式の携帯端末においては、不使用時は不要な電力を使わないので、省電力可が可能となり、充電等の頻度を少なくできるほか、手に取ればその振動により自動で起動し、他のキーを押すことなくすぐに使用が可能となる。 すなわち、機器を使用するときにのみ、使用機器のスイッチが自動でオンになるため、電池の消耗を防ぎ、省電力化を図ることが可能となる。

    1 無指向性常開式小型振動センサ 10 筒状体 11 筒孔 15 内壁 16 空室 17 凸条部 20A、20B 固定電極 30 導電性球体

    本発明は、振動センサに係り、殊に家電製品、電子機器、その他の精密機器に組み込んでそれら製品、機器等の振動を電気的に検出するための小型振動センサに関するものである。

    この種の小型振動センサとしては、従前は特定方向の振動しか検出できないものが少なくなかったが、近時においては全方向の振動に対する検知が可能ないわゆる無指向性振動センサが出現するに至っている。

    しかしながら、このような無指向性振動センサにあっては、例えば、特開平10−21804号公報(特許文献1)、特開平10−154451号公報(特許文献2)に記載されているように、一般に、その構成に必要な部品の点数が多く、各種の組立工程を必要とするため、その組立加工に要する労力や時間が嵩み、製造コストを安く抑えることが困難であるばかりでなく、構造が複雑となり、そのため近時における使用対象機器としての各種電子機器等の小型化に対応して小型化を推進することが困難であり、しかも例えば歩行やゴルフその他の運動等に伴って振動が頻繁に発生する電子腕時計等の小型携帯機器や振動の多い機器に組み込んで使用する場合、その振動に伴って移動変位を繰り返す導電性球体の構造部品との衝突によって加えられる衝撃等により、該球体の球面の損傷、電極部材の接点部分の変形や位置ずれ等検出感度不良ないし動作不良や早期摩耗を引き起こしやすいといった問題点があった。

    上記のような問題点を解決するため、本願出願人は、その構成に不可欠な部品である可動電極としての導電性球体、電極部材及びその取付手段のうち、電極部材としてはシンプルな同一構成の電極部材を2個、その取付手段としては単体としての成形絶縁物ないし非導電性筒状体を1個、合計3点のみの部品をセンサ単体の構成部品とし、構造が極めて簡易で強固かつ信頼性の高い無指向性の常閉式小型振動センサを発明した(例えば、特許文献3、4)。

    しかしながら、常閉式(ノーマルクローズ)小型振動センサでは、常にスイッチがオンになっているために、電池等の電力を常に消費してしまい不経済である。 一方で、この種の無指向性小型振動センサにあっては、振動の検出感度を高くする必要があるために、常閉式が一般的であり、常開式(ノーマルオープン)では、その開発が困難であった。

    例えば、特許文献5(特開2000―21277)では、常開式(ノーマルオープン)小型振動センサについて開示している。 特許文献5の常開式小型振動センサでは、静止状態の場合には、すりばち状の傾斜面を形成する第二電極の底面に導電性球体が当接しており、振動により該導電性球体が前記傾斜面を上って第一電極に当接することによって、通電しスイッチがオンの状態になる。

    特開平10−21804

    特開平10−154451

    特開2003−161653

    特開2003−151415

    特開2000−21277

    しかしながら、上記小型振動センサにおいては、スイッチがオンの状態になるために導電性球体が第一電極の周面に沿って当接する必要があるため、水平方向あるいは特定方向のみの振動に対しては検知できるが、その他の方向の振動に対しては検知できないという欠点がある。 また、振動が微動の場合には、導電性球体が第一電極まで到達せず、検知が難しい。 さらに、当該振動センサにおいては、内部構造に曲面が少ないため、振動による導電性球体の衝突によって受ける衝撃で導電性球体及び電極の双方が疲労しやすく、耐久性の面でも問題がある。

    本発明は、従来技術の有する上記の如き問題点に鑑みてなされたものであり、構成部品の数を最小限にするとともに、構造を極めてシンプルにして、組立作業を容易にする他、全体を小型化することができるとともに、量産性を高めて廉価で提供することができ、しかも耐久性ないし耐摩耗性に富むと同時にあらゆる方向の振動に対しても精度の高い検知が可能な無指向性の常開式小型振動センサを提供することをその主たる目的とするものである。

    上記目的を達成するため、本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第1の特徴は、上下両面に貫通して開口する横断面略円形状の筒孔を有する成形絶縁物である筒状体と、該筒孔の上下開口に上下対称に先端部を僅かな間隔を保って対向させた態様で嵌合し、該筒孔を気密に封止する蓋体を構成する水平方向360度の縦断面略凸状の一対の固定電極と、該固定電極と前記筒状体の縦断面略半球凹面状に形成された内壁とにより画成される空室内に転動自由に収納される導電性電球とを具備し、 前記固定電極は先端部から頸部にかけての輪郭が頸部の端部に向かって円弧状の曲線を描いて裾広がりになっていて、前記筒状体の内壁とともに前記空室を縦断面略円形又は略楕円形の略円環状に形成していること、及び前記筒状体の内壁には曲線で滑らかに連続して横断面半径方向内方に僅かに凸起する横断面円弧状の凸条部を少なくとも1個所以上備えていて、該導電性球体は静止状態では前記固定電極のうちの一方にのみ当接して前記両固定電極間を非導通とするとともに、振動するとその振動方向如何にかかわらず前記縦断面略円形又は略楕円形の空室内を転動することにより、又は前記凸条部により半径方向内方に押し出されて前記両固定電極に接触し、該固定電極相互を導通させるように構成したことを特徴とするものである。

    また、本発明に係る本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第2の特徴は、上記第1の特徴における前記導電性球体の直径が、前記空室内での静止状態時に、前記一の固定電極の先端部より高くなるように形成されていること を特徴とするものである。

    さらに、本発明に係る本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第3の特徴は、上記第1又は第2の特徴における前記凸条部が、前記空室内に等間隔で3個所以上形成されていることを特徴とするものである。

    さらにまた、本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第4の特徴は、上記第1から第3のいずれか1の特徴における前記筒孔が、その中央部が縦断面横長の卵型の楕円状に形成されているとともに、該中央部と連通している上下の開口部が、前記固定電極の頸部と嵌合するように形成されていることを特徴とするものである。

    また、本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第5の特徴は、上記第1から第4のいずれか1の特徴における前記筒状体が、耐熱性合成樹脂で全一体的に成形されたものであることを特徴とするものである。

    さらに、本発明に係る無指向性常開式小型振動センサの第6の特徴は、上記第1から第5のいずれか1の特徴における前記導電性球体が、複数個収納されていることを特徴とするものである。

    本発明によれば、常閉式のように無駄な電力を消費することなく、センサに振動が加われば、その振動方向の如何にかかわらず導電性球体が両電極に接触して導通し、動作検知を全方位的に行うことができ、それによって使用対象機器の起動を可能にした無指向性の常開式振動センサを実現することが可能となる。

    また、構成部品が少なく、かつシンプルな構造とすることによって、組立作業の大部分を占める電極部材の取り付けが極めて容易であるばかりでなく、構造も極めて簡単かつ強固で、全体を大幅に小型化することができるとともに、量産性を高めて廉価で提供することができ、しかも耐久性ないし耐摩耗性に富むと同時に信頼性の高い無指向性の常開式小型振動センサを得ることができる。

    無指向性常開式小型振動センサ1の斜視図である。

    図1のA−A´線に沿って振動センサ1を断面にした縦断面図である。

    図2のB−B´線に沿って振動センサ1を断面にした横断面図である。

    図3のC−C´線に沿って振動センサ1を断面にした縦断面図である。

    筒状体10をD−D´線に沿って断面にした場合の振動センサ1の内部の状態を示す立体図である。

    筒状体10をA−A´線に沿って断面にした場合の縦断面図である。

    固定電極20A、20Bが導通している(スイッチがオンになっている)状態を示す振動センサ1の横断面図である。

    固定電極が導通している(スイッチがオンになっている)状態を示す振動センサ1のA−A´線縦断面図である。

    以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して下記の実施例を中心として詳細に説明する。

    図1は本発明の一の実施例としての無指向性常開式小型振動センサ1を示したもので、図1は振動センサ1の斜視図、図2は図1のA−A´線に沿って振動センサ1を断面にした縦断面図、図3は図2のB−B´線に沿って振動センサ1を断面にした横断面図、図4は図3のC−C´線に沿って振動センサ1を断面にした縦断面図、図5は振動センサ1の内部の状態を示す筒状体を断面にした立体斜視図、図6は筒状体をA−A´に沿って断面にした断面図、図7は振動センサ1が導通している場合を示す横断面図、図8は振動センサ1が導通している状態を示すA−A´線縦断面図である。

    これらの図面において10は、円筒状の筒状体である。 該筒状体10は、例えば、耐熱性合成樹脂等あるいはガラス等の成形絶縁物又は非導電性物質で一体形成されている。 また、上下両面に貫通して開口する横断面略円形状の筒孔11を有する。

    前記筒孔11は、その中央部12が縦断面横長の卵型の楕円状に形成されているとともに、該中央部と連通している上下の開口部13、14が、固定電極部材20A、20Bの頸部21A、21Bと嵌合するように形成されている。

    固定電極20A、20Bは、同一の形状及び寸法を有する一対の電極部材であり、水平方向360度の縦断面略凸状に形成されている。 該固定電極20A、20Bは、突起状の先端部22A、22Bから円盤状の頸部21A、21Bにかけての輪郭23A、23Bが頸部21A、21Bの端部に向かって円弧状の曲線を描いて裾広がりになるように形成されている。

    前記固定電極20A、20Bは、前記筒孔11の上部開口13及び下部開口14に上下対称に先端部22A、22Bを僅かな間隔を保って対向させた態様で嵌合して固着され、該筒孔11を気密に封止する蓋体を構成する。 なお、前記上下の開口部13、14の直径は、前記固定電極20A、20Bの頸部21A、21Bの直径とほぼ一致させてある。

    前記一対の固定電極20A、20Bが前記筒状体10に固着されると、該電極20A、20Bと前記筒状体10の内壁15とにより空室16が画成される。 該内壁15は縦断面略半球凹面状に形成されている。 また、空室16内部には導電性電球30が転動自在に収納される。

    前記筒状体10の内壁15には横断面半径方向内方に僅かに凸起する凸条部17が該内壁15の上部から下部にかけて形成されており、図示の例では等間隔で3個所設けられている。 前記凸条部17は、横断面が所定の半径を有する円弧で形成されていて、他の内壁15の周縁部と曲線で滑らかに連続している。 なお、前記凸条部17は、一個所以上あればよく、数は特に限定されない。

    前記各電極20A、20Bは、図示の例にあっては、黄銅製ブロックをプレス加工によってそれぞれ同一の形状、寸法に成型したものであって、その全表面には金メッキ等の導電性皮膜(図示していない)が施されている。 また、金属球体である前記導電性球体30は、例えばタングステン球、ステンレス球、鋼球等の全表面に金メッキ等の導電性皮膜が施されたものである。 これにより導通性を良好ならしめるととともに、腐食を防止するようにしてある。

    また、図示の例にあっては、前記筒状体10は、熱変形温度が高くて耐熱寸法安定性の点で優れていると共に、量産性に富むPPS樹脂その他のエンジニアリングプラスチックから射出成形機等で全一体的に成型されている。 なお、筒状体10は、その外形を円筒状のほか、角形又は直方形としてもよい。

    前記導電性球体30の直径は、図3における空室16の中心から内壁15までの短軸の長さより小で、該短軸を2分した線分の長さより大に形成されるとともに、空室16内にあるとき、固定電極20Aの先端部22Aより高くなるように形成されている。 また、導電性球体30は、図示の例では空室16内に1つ収納されているが、複数収納されてもよい。 導電性球体30が複数の場合には、1つの場合に比べて少し小さめに導電性球体30を形成してもよい。 導電性球体30の大きさや数は、振動の感知精度の程度に応じて適宜調整するのが望ましい。

    本発明における振動センサ1は、ノーマルオープン型、すなわち常開式の振動センサとして構成されており、該振動センサ1が水平状態にある場合には、図2から4にあるように、導電性球体30が前記固定電極20Aの頸部21Aの上面にのみに当接しており、固定電極20Aと固定電極20Bとがオープンの状態、すなわち非導通の状態となっている。

    該振動センサ1に振動が加わる場合、その振動に伴って導電性球体30が前記空室16内において飛び跳ねたり、左右に激しく転動したり、前記内壁15に沿って円周方向に沿って回転したりする。 その際、前記凸条部17に導電性球体30が乗り上げたり、衝突したりすると、該導電性球体30は、該凸条部17に案内されて、半径方向内方へ押し出され、図7及び8に示すように前記固定電極20A及び20Bの先端部22A及び22B双方に当接し、該電極20A及び20B間がクローズ状態となり、スイッチ回路がオンになる。 すなわち、前記凸条部17により、振動の検知の精度が高くなる。

    また、前記筒状体10の内壁15は半球凹面状を呈しており、また電極20A及び20Bの輪郭23A、23Bが円弧状に形成されているため、空室16が縦断面略円形又は略楕円形である略円環状を形成し、センサ1が振動した場合の導電性球体30の転動が円滑となり、両固定電極20A、20Bと接触し易くなるばかりでなく、該球体30が飛び跳ねたり、跳ね返ったりして内壁15、凸条部17や輪郭23A、23Bに衝突しても、衝突の際の両者の接触が半球凹面または凸条半球面との接触となるため、衝突の際の局部的衝撃が弱められる。 また、特定の個所で繰り返し接触することもない。 従って、電極側及び球体側のいずれの金メッキ層にも傷がつきにくくなると共に、電極側の接点部分としての先端部21A、21Bの凹凸変形の発生も有効に防止することができ、その変形ないし傷に起因して発生する接触不良の早期発生を防止することが可能となる。

    なお、図示のセンサはそのままプリント基板等に半田付けすることができるが、各電極の円形頸部21A、21Bの外端側に適宜加工を施してその加工個所に端子をそれぞれ取り付け(図示せず)、該端子を介して電源回路接続することができるようにすることも可能である。

    本実施例における無指向性常開式小型傾斜センサ1にあっては、高さが約2.1mmで直径幅が約4.5mmで形成されている。 その場合、図3における前記空室16の最大直径は約3.4mmであり、前記固定電極20Aの頂部の直径は約0.4mmで、前記凸条部17の円弧は半径約1.7mmのもので形成されている。 なお、上記寸法は本発明に係る無指向性常開式小型傾斜センサ1の一例であって、設計変更により適宜変更可能である。 例えば、無指向性常開式小型傾斜センサ1自体をもう少し小型化してもよく、例として高さが約1.9mmで直径幅を約3.6mmとして形成することもできる。

    本発明は上述の如く構成されているので、可動電極としての導電性球体、電極部材としてはシンプルな同一構成の電極部材を2個、及び単体としての成形絶縁物ないし非導電性筒状体を1個、合計3点の部品をセンサ本体の構成部品として必要とするのみであって、組立作業の大部分を占める電極部材の取り付けが極めて容易であるばかりでなく、構造も極めて簡単かつ強固で、全体を大幅に小型化することができるとともに、量産性を高めて廉価で提供することができ、しかも耐久性ないし対摩耗性に富むと同時に今までできなかった信頼性の高い無指向性の常開式小型振動センサを得ることができるものである。

    以上、本発明の実施例につき図面や表など参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載した構成の範囲内において様々な態様で実施することができる。

    本発明によれば、一般の家電製品や電子機器等に組み込んでそれらの製品、機器の振動を検出することができる。 特に、スマートフォンやタッチパネル式の携帯端末においては、不使用時は不要な電力を使わないので、省電力可が可能となり、充電等の頻度を少なくできるほか、手に取ればその振動により自動で起動し、他のキーを押すことなくすぐに使用が可能となる。 すなわち、機器を使用するときにのみ、使用機器のスイッチが自動でオンになるため、電池の消耗を防ぎ、省電力化を図ることが可能となる。

    1 無指向性常開式小型振動センサ 10 筒状体 11 筒孔 15 内壁 16 空室 17 凸条部 20A、20B 固定電極 30 導電性球体

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