Key sheet

申请号 JP2006236482 申请日 2006-08-31 公开(公告)号 JP2007134309A 公开(公告)日 2007-05-31
申请人 Polymatech Co Ltd; ポリマテック株式会社; 发明人 KOYANO SHIGERU; NAKANISHI YUTAKA; OZAWA MOTOKI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a key sheet capable of efficiently diffusing local heats generated by devices mounted on a board.
SOLUTION: A base sheet 13 on a key sheet 12 is provided with heat diffusion sheets 6 and 23 each of which includes a graphite sheet 7, resin films 8a and 8b, and in some cases a thin metal plate 22. The base sheet 13 itself thus constitutes the diffusion sheets 6 and 23. Accordingly, even if no member for heat diffusion is provided between a board 15 and the key sheet 12, it is possible to diffuse local heat generated by a semiconductor device 15b in the planar direction of the base sheet 13. Thus, with the key sheet 12, it is possible to meet the requirement for heat diffusion to eliminate local heat storage in electronic apparatus, and to meet the requirement for reduction in thickness and further in weight of the electronic apparatus.
COPYRIGHT: (C)2007,JPO&INPIT
权利要求
  • キートップと、グラファイトシートを高分子保護層で被覆した熱拡散性シートでなり、該高分子保護層にキートップを配置するベースシートと、を備えるキーシート。
  • 熱拡散性シートが金属薄板をさらに備えるものである請求項1記載のキーシート。
  • 熱拡散性シートが、金属薄板よりもグラファイトシートをキートップ側に積層したものである請求項2記載のキーシート。
  • 高分子保護層がキートップを押圧変位可能に支持する可撓性を有し、
    グラファイトシートが該高分子保護層に対するキートップの配置部分と対応する部分に透孔を有する請求項1〜請求項3何れか1項記載のキーシート。
  • 熱拡散性シートが、厚み方向で貫通する孔を有するとともに該孔を充填するゴム状弾性体でなりキートップを押圧変位可能に弾性支持する浮動支持部を有する請求項1〜請求項3何れか1項記載のキーシート。
  • 高分子保護層がグラファイトシートの少なくとも片面を被覆する請求項1〜請求項5何れか1項記載のキーシート。
  • 高分子保護層がグラファイトシート全体を包んで被覆する請求項1〜請求項6何れか1項記載のキーシート。
  • 高分子保護層が樹脂フィルムである請求項1〜請求項7何れか1項記載のキーシート。
  • 高分子保護層が高分子塗膜である請求項1〜請求項7何れか1項記載のキーシート。
  • キートップが透光性樹脂でなり、浮動支持部が透光性のゴム状弾性体でなる請求項5〜請求項9何れか1項記載のキーシート。
  • 高分子保護層が基板に実装した照光用光源からの光を拡散させる光拡散層である請求項1〜請求項10何れか1項記載のキーシート。
  • 说明书全文

    本発明は、携帯電話、PDA等の携帯情報端末、車載用AV機器、リモコン、パーソナルコンピュータ等の各種電子機器に用いられる押釦スイッチ用のキーシートに関する。

    携帯電話やAV機器等の各種電子機器の押釦スイッチには、電子機器の筐体に形成された操作開口から、押圧による入操作を行うための押釦(キートップ)を表出させる構造のものが多い。 具体的にはキートップを有するキーシートを、接点スイッチを配置した基板上に載置し、キーシートの表面側から筐体を被せることで、キーシートを筐体に組み込んでいるのが通例である。

    ところで高機能化が進む電子機器では、機器の内部で発生する熱を放散する構造がとられている。 この熱は基板に高密度で実装されている半導体素子や電子部品等の実装素子から発生する。 とりわけ半導体素子については処理能力の向上、処理容量の増大に伴って発熱量も大きくなり、局所的な蓄熱を放置すると誤動作や故障を生じるおそれがある。 このため実装素子の周辺に発生した熱を局所的に留めることなく周辺に効果的に放散させる必要がある。

    このような熱対策の一従来例としては、発熱する実装素子に熱伝導性シートや熱伝導性グリス等を介してヒートシンクや冷却フィン等の冷却部品を取付けることが行われている。 しかし基板の実装面側についてはこうした熱対策がなされても、その裏面側についてはこれまで十分な熱対策が行われておらず、発熱量が大きくなるにつれて基板の裏面側でも熱が局所的に蓄熱されてしまう問題がでてきている。

    局所的な蓄熱の問題は、例えば携帯電話機のような携帯用の電子機器では早急に解決すべき深刻な課題である。 すなわち携帯用の電子機器では、動画再生等の処理負荷の高い多くの機能が搭載されてきている。 このため理想的には前述のような熱対策を基板の両面で行うことが望まれる。 しかし、電子機器のより一層の薄型化が要請されている中で、キーシートと基板との間に冷却部品等の配置スペースを確保するのは難しい。 またキーシートがキートップの押圧操作により可動する可動部品であることも、キーシートと基板との間での熱対策を困難とする一要素となっている。

    この点、例えば特許文献1には、キーボードに内蔵する基板と入力操作するキートップとの間に介在させる金属製の輻射電磁波吸収用シールド板と、このシールド板に貼り付けたグラファイトシートとによる熱対策が提案されている。 しかしより一層の薄型化が求められる、特に携帯用の電子機器では前述のように基板とキーシートとの間に熱対策を施すことができるような大きな隙間をあける余裕がない。

    特開2000−311050号公報

    以上のような従来技術を背景としてなされたのが本発明である。 すなわち、本発明の目的は、基板の実装素子が発生する局所的な熱を効率的に拡散することのできる技術を提案することにある。

    上記課題を解決し上記目的を達成する本発明は以下のように構成される。

    本発明は、キートップと、グラファイトシートを高分子保護層で被覆した熱拡散性シートでなり、該高分子保護層にキートップを配置するベースシートと、を備えるキーシートである。

    これによれば、キートップを配置するベースシートそれ自体が熱拡散性シートであるため、基板とキーシートとの間に熱拡散用の部材を使わなくても、この熱拡散性シートによって基板の実装素子から発生する局所的な熱をベースシートの面方向へ拡散させることができる。 しかもグラファイトシートは熱伝導性が高いため効率的に熱拡散することができる。 したがって本発明のキーシートならば、熱拡散と電子機器の薄型化の双方の要請、更には電子機器の軽量化の要請にも対応することができる。

    またグラファイトシートは脆くて割れやすく欠けやすい。 しかし本発明のキーシートではグラファイトシートの脆さを高分子保護層でカバーすることで割れや欠けを抑制することができる。 また脆弱なグラファイトシート単独であるとキーシートの生産工程や電子機器への組立工程での取り扱いが難しいが、高分子保護層を被覆することで取扱性を向上できる。

    本発明は前記キーシートについて、熱拡散性シートが金属薄板を備える。 これによれば、熱伝導性を有する金属薄板によって脆弱なグラファイトシートの割れや欠けを抑えることができグラファイトの物理的な強度を補うことができる。 そして、高分子保護層を薄くすることもできる。 熱伝導性の低い高分子保護層を薄くしたり、金属薄板を備えたりすることで、実装素子から発生する熱が熱拡散性シートを伝わり易くなり、熱拡散を向上させることができる。 なお、金属薄板は、グラファイトシートに対し直接積層していても、高分子保護層を介して間接的に積層していても使用できる。

    前記熱拡散性シートは、金属薄板よりもグラファイトシートをキートップ側に積層したものとすることができる。 換言すれば、金属薄板をグラファイトシートよりも下面側に配置した熱拡散性シートとすることができる。

    金属薄板よりもグラファイトシートがキートップ側に積層している熱拡散性シートとしたため、グラファイトシートよりも金属薄板がキートップ側に積層している熱拡散性シートとした場合に比べて熱拡散効率を高めることができる。

    ところで、キートップの押圧操作方向でグラファイトシートが介在していても、グラファイトシートには可撓性があるため、キートップの押圧操作による接点スイッチの入力が可能である。 しかし、キートップを押圧操作するたびにグラファイトシートが変形すると、亀裂が生じて熱伝導が断絶するおそれがある。 このためキートップの押圧操作方向でグラファイトシートを介在させない技術的構成が要請される。

    その一例として本発明では、前記キーシートについて、高分子保護層がキートップを押圧変位可能に支持する可撓性を有し、グラファイトシートが該高分子保護層に対するキートップの配置部分と対応する部分に透孔を有するものとしている。 これによればキートップの押圧操作方向でグラファイトシートが介在しないため亀裂の発生を抑制できる。 またキートップの押圧操作により高分子保護層を撓ませて接点スイッチの入力を行える。

    他の例として本発明では、前記キーシートについて、熱拡散性シートが厚み方向で貫通する孔を有するとともに該孔を充填するゴム状弾性体でなりキートップを押圧変位可能に弾性支持する浮動支持部を有するものとしている。 これによれば、キートップの押圧操作方向でグラファイトシートが介在しないため亀裂の発生を抑制できる。 またゴム状弾性をもつ浮動支持部の弾性変形により、キートップの押圧操作方向でキートップを支持する浮動支持部を変位させて接点スイッチの入力を行える。

    本発明は、前記キーシートについて高分子保護層がグラファイトシートの少なくとも片面を被覆するものとして構成される。 これによればグラファイトシートの脆さを高分子保護層でカバーできる。 そしてグラファイトシートを両面で被覆するものと構成すれば、グラファイトシートのシート面が外部に露出しないため接触による割れや欠け等の損傷を防ぐことができる。

    本発明は、前記キーシートについて高分子保護層がグラファイトシート全体を包んで被覆するものとして構成される。 これによればグラファイトシートの両面だけでなく端部も覆われるので、グラファイトシートの脱落を完全に防止できる。

    本発明は、前記キーシートについて高分子保護層を樹脂フィルムとして構成される。 これによれば、繰り返し撓み変形させても容易には破損、裂損せず確実にグラファイトシートを保護することができ、またベースシートを薄型化、軽量化できる。

    本発明では、前記キーシートについて高分子保護層を塗膜とする。 これによれば、グラファイトシートを確実に保護することができ、またベースシートを薄型化、軽量化できる。

    本発明では、前記キーシートについてキートップを透光性樹脂で形成し、浮動支持部を透光性のゴム状弾性体で形成する。 これによれば、ベースシートを暗色系のグラファイトフィルムを有する熱拡散性シートとしても、基板に実装した照光用光源からの光を浮動支持部を通じてキートップ内部に導入し、キートップが照光する照光式キーシートを実現できる。

    本発明は、前記キーシートについて高分子保護層を基板に実装した照光用光源からの光を拡散させる光拡散層とする。 これによれば、暗色系のグラファイトシートへ光が到達する前に光拡散層が光を拡散するので、グラファイトシートによる光吸収を抑制することができる。 また、周囲に拡散させることでキートップが明るく照光する照光式キーシートを実現できる。

    本発明のキーシートではベースシートそれ自体が熱拡散性シートである。 このため基板とキーシートとの間に熱拡散用の部材を使わなくても、熱拡散性シートによって基板の実装素子から発生する局所的な熱を拡散させることができ、熱拡散と電子機器の薄型化の双方の要請、更には軽量化の要請にも対応することができる。 したがって本発明のキーシートによれば、発熱量の大きな小型の電子機器、特に携帯用電子機器について有効であり、実装素子の誤動作や故障といった不具合の発生を防止することができる。

    以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照しつつ説明する。 なお本実施形態では携帯電話機に備えるキーシートに本発明を適用する例を説明する。

    図1で示すように、携帯電話機1の筐体2の内部には本実施形態によるキーシート3が取付けられている。 キーシート3は複数のキートップ4とベースシート5を備えている。 本実施形態のキートップ4は透光性の硬質樹脂を材質としており、キートップ4に応じて図1、図2で示すように数字や記号等を表示する表示印刷層が形成される。 なお、文字や数字等を表示していないキートップ4については金属調めっき層や塗層などの加飾層が設けられいる。

    熱拡散性シート〔図3,図4〕 : ベースシート5には熱拡散性シート6を備えている。 熱拡散性シート6は図3の平面構造と図4の断面構造との組み合わせ方によって様々な形態で実施できる。 熱拡散性シート6の基本的な構成部材は、実装素子が発生する局所的な熱の拡散を促進するグラファイトシート7、脆弱なグラファイトシート7を保護する電気絶縁性の高分子保護層8、キートップ4を押圧変位可能に支持する浮動支持部9である。 熱拡散を促進する基材としてグラファイトシート7を利用するのは、他の材質と比べて熱伝導性が著しく優れており、しかも軽量かつ廉価で、耐薬品性、防食性、可撓性にも優れているためである。

    (1) 平面構造で示す熱拡散性シートの各種実施形態〔図3〕 : 熱拡散性シート6については、例えば図3で示すような平面構造をもつ形態で実施することができる。

    図3(A)は一枚のグラファイトシート7に高分子保護層8を被覆する形態である。 この形態ではグラファイトシート7に熱伝導を遮断する孔が無く、その全面を熱拡散に利用できるので最も効率的に熱拡散を行うことができる。

    図3(B)は高分子保護層8に対する各キートップ4の固着位置に対応させて、グラファイトシート7に孔10を設ける形態である。 高分子保護層8には孔10と連通する孔が形成されていない。 この形態ではキートップ4の押圧操作方向でグラファイトシート7が介在しない。 したがってキートップ4の押圧操作によるグラファイトシート7の大きな亀裂の発生、亀裂による熱伝導の遮断を回避できることができる。

    図3(C)の熱拡散性シート6は、グラファイトシート7と高分子保護層8に厚み方向で貫通する孔11を設け、その孔11を埋めるようにゴム状弾性体でなる前述の浮動支持部9を設ける形態である。 この浮動支持部9には、熱拡散性シート6の上面又は下面の少なくとも何れかにおける孔11の孔縁周辺を覆う孔縁被覆部9aが形成されている。 これにより接合面積が拡大して接合強度が高くなり、浮動支持部9が熱拡散性シート6から容易に脱離しないようにしている。 なお脱離の問題が無ければ、浮動支持部9は孔縁被覆部9aを設けずに孔11の孔壁内周面に対して接合してもよい。 このような浮動支持部9を備える熱拡散性シート6を得るには、抜き加工によって熱拡散性シート6に孔11を形成し、熱拡散性シート6をゴム状弾性体の成形金型のキャビティに移載する。 そしてゴム状弾性体を注入して型成形を行う。

    (2) 断面構造で示す熱拡散性シートの各種実施形態〔図4〕 : 以上のような平面構造の熱拡散性シート6は、例えば図4で示すような各種の断面構造をもつ形態で実施することができる。 なお図4ではグラファイトシート7と高分子保護層8とが積層する部分の断面構造である。 したがってグラファイトシート7の孔10の部分(図3(B))、熱拡散性シート6の孔11の部分や浮動支持部9の部分(図3(C))は図4と異なる断面構造になる。

    図4(A)はグラファイトシート7の下面を高分子保護層8で被覆する形態である。 この形態では、導電性のグラファイトシート7が基板に対して直接接触しない。 このため基板側の処置として、別途の絶縁性シートを使って基板面を被覆しなくても熱拡散性シート6をそのまま載置することができる。

    図4(B)はグラファイトシート7の上面を高分子保護層8で被覆する形態である。 この形態では、キートップ4を押圧してもグラファイトシート7と直接接触しないので、グラファイトシート7の損傷を防ぐことができる。

    図4(C)はグラファイトシート7の上面及び下面を高分子保護層8でそれぞれ被覆する形態である。 この形態では図4(A)(B)の利点が得られる。

    図4(D)はグラファイトシート7の全体を高分子保護層8としての2枚の樹脂フィルム8a,8bで上下から挟み込むように被覆する形態である。 この形態ではグラファイトシート7の全体が高分子保護層8により封止されるので、グラファイトシート7の端部の脱落を完全に防止できる。

    図4(E)はグラファイトシート7の全体を高分子保護層8としての塗層によって被覆する形態である。 この形態では図4(D)と同様にグラファイトシート7の端部の脱落を完全に防止できる。

    以上のうち図4(A)〜(C)で示す高分子保護層8は樹脂フィルムや塗層により形成することができる。 図4(A)〜(C)の高分子保護層8を樹脂フィルムとする場合、また図4(D)の樹脂フィルム8a,8bは、グラファイトシート7との対向面や樹脂フィルム8a,8bどうしの対向面に接着剤や粘着剤を塗布して相互に貼り合わせて接合される。

    また、図4(A)(C)(D)のようにグラファイトシート7の下面に高分子保護層8がある場合、その高分子保護層8についてはグラファイトシート7の保護機能だけでなく、光拡散層としての機能をもたせることができる。 キーシート3を、基板に実装したLEDチップなどの照光用光源からの光を受けて暗所でも明確にキートップ4を視認できる照光式キーシートとする場合、暗色のグラファイトシート7の光吸収により照光輝度が低下するおそれがある。 このような場合には、高分子保護層8を光拡散層としても機能させることで、光を周辺へと分散させてキートップ4の照光輝度を高めることができる。

    (3) 熱拡散性シートの各部材の形態 : 高分子保護層8は、それを樹脂フィルムや塗層とする場合に耐屈曲性に優れる樹脂を素材とする。 例えば樹脂フィルムとする場合には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルムを利用できる。 グラファイトシート7との一体化は、粘着層又は接着層による接合やドライラミネートにより行える。 塗層とする場合には、ウレタン系塗料、エポキシ系塗料、イミド系塗料、アクリル系塗料、フッ素系塗料、シリコーン系塗料等を使用することができ、これらをグラファイトシート7に対して浸漬、塗布、印刷の何れかによって形成できる。

    高分子保護層8を光拡散層としても機能させる場合には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の材料に白色顔料、ガラスビーズ、樹脂ビーズ等の光拡散性フィラーを配合してなる樹脂フィルムを使用できる。 この場合、表面にブラスト加工やエンボス加工を施して光拡散性を向上させた樹脂フィルムも使用できる。 また、ブラスト加工やエンボス加工を施した透明な樹脂フィルムを使用できる。 さらに、光拡散性フィラーを配合した塗料やインキを浸漬、塗布、印刷してなる塗層としてもよい。 高分子保護層8はこうした樹脂フィルムや塗層によってその全面を光拡散層として機能させることができる一方で、部分的に光拡散層として機能させることもできる。 例えば図3(B)のごとくグラファイトシート7に孔10がある場合には、高分子保護層8としての透明な樹脂フィルムにおけるグラファイトシート7の被覆部分だけに前述のブラスト加工やエンボス加工を行う。 こうするとその部分だけを光拡散層として機能させることができ、孔10の部分は光透過性の良い透明なままにすることができる。

    浮動支持部9を形成するゴム状弾性体の材質は、反発弾性の高いゴム又は熱可塑性エラストマーが好ましい。 例えば、ゴムの場合、天然ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム等を利用でき、また熱可塑性エラストマーの場合には、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、ブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、イソプレン系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等を利用できる。 これらのうち、シリコーンゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマーは、反発弾性に加え耐久性にも優れている点で好ましい素材である。

    キーシートの実施形態〔図5〜図8〕 : 次にキーシート3の実施形態の例を説明する。 なお、熱拡散性シート6については図3の平面構造と図4の断面構造との組み合わせによる実施形態のうちの幾つかを取り上げて、具体的にキーシート3として構成する例を説明する。 勿論、ここで取り上げて例示する平面構造と断面構造以外の組み合わせによりキーシート3を構成することも可能である。

    (1) 第1実施形態〔図5〕 : 第1実施形態によるキーシート12のベースシート13は、図3(A)の平面構造をもち図4(C)の断面構造をもつ熱拡散性シート6を有する。 すなわち熱拡散性シート6は、グラファイトシート7の上面と下面にそれぞれ樹脂フィルム8a,8bを接着して構成されている。 熱拡散性シート6の上面すなわち樹脂フィルム8aには、接着層14によりキートップ4が固着されている。 熱拡散性シート6の下面すなわち樹脂フィルム8bには、基板15の接点皿ばね15aを押圧する硬質樹脂製の押し子16が接着接合されている。 キーシート12の外周にはゴム状弾性体でなる弾性外縁17が形成されており、基板15と筐体2の保持部2aによって押圧状態で挟持される。 これによって筐体2の内部に対する液密なシールが形成される。 熱拡散性シート6の外縁は樹脂フィルム8a,8bでは封止されないが、この弾性外縁17によって封止される。

    キーシート12は基板15に載置される。 基板15の上面には前述の接点皿ばね15aと図外の接点回路とによって接点スイッチが構成される。 基板15の下面には発熱する半導体素子15bが実装されている。

    次に本実施形態のキーシート12の作用・効果を説明する。 筐体2の内部では半導体素子15bから発生する熱が半導体素子15bを中心として局所的に留まる。 その熱は次第に周囲に伝達し、その一部は基板15の板厚を通じてキーシート12に伝達する。 キーシート12に伝達した熱は、熱伝導性に優れるグラファイトシート7を通じて熱拡散性シート6(ベースシート13)の面方向へと拡散される。 これにより筐体2の内部に発生する局所的な蓄熱が効率的に解消される。 そしてこのような熱拡散は、キーシート12と基板15との間に熱放散用の別部材を取付けなくても、キーシート12それ自体(グラファイトシート7)によって行うことができる。 したがってこのキーシート12によれば、熱拡散と携帯電話機1の筐体2の薄型化の双方の要請と、さらに軽量化の要請にも応えることができる。

    弾性外縁17はベースシート13の端面を被覆する。 このためグラファイトシート7の端部が樹脂フィルム8a,8bの間から脱離するのを阻止できる。 この弾性外縁17は筐体2の内部に対する密なシールを形成する。 したがって筐体2の内部への雨水や塵埃の浸入を防止できる。

    (2) 第2実施形態〔図6〕 : 第2実施形態によるキーシート18のベースシート19は、図3(B)の平面構造をもち図4(C)の断面構造をもつ熱拡散性シート6を有する。 すなわち熱拡散性シート6は、孔10を貫通形成したグラファイトシート7の上面と下面にそれぞれ樹脂フィルム8a,8bを接着して構成されている。 なお貫通する孔10の部分では樹脂フィルム8a,8bどうしが接着している。

    本実施形態のキーシート18は基板15に実装したLEDチップなどのバックライト15cからの光によってキートップ4が光る照光式キーシートである。 したがってキートップ4、接着層14、樹脂フィルム8a,8b、押し子16はいずれも透光性樹脂で形成されている。 このうちバックライト15cと対向する樹脂フィルム8bは光拡散層として機能する材質のものである。

    本実施形態のキーシート18は、第1実施形態のキーシート12と同様に熱拡散と携帯電話機1の筐体2の薄型化、軽量化を実現できる。 さらに本実施形態のキーシート18では次の作用・効果を発揮する。 バックライト15cが発する光は光拡散層として機能する樹脂フィルム8bによって周囲に拡散される。 すなわち暗色のグラファイトシート7に到達する前に樹脂フィルム8bが光を拡散し、グラファイトシート7による光吸収が抑制される。 拡散光は実質的にグラファイトシート7の孔10の樹脂フィルム8a,8bのみを通過してベースシート19の上面側へと到達する。 そして接着層14を通じてキートップ4を底面側から明るく照らす。 このように本実施形態のキーシート18では、グラファイトシート7による光吸収を抑制することができ、グラファイトシート7の孔10が光の伝達路となる。 したがってキートップ4を高輝度で照光させることができる。

    (3) 第3実施形態〔図7〕 : 第3実施形態によるキーシート20のベースシート21は、図3(C)の平面構造をもち図4(C)の断面構造をもつ熱拡散性シート6を有する。 すなわち熱拡散性シート6は、グラファイトシート7の上面と下面に、第2実施形態と同じ樹脂フィルム8a,8bが接着されており、且つ厚み方向で貫通する孔11に透光性のゴム状弾性体でなる浮動支持部9を有するものとして構成されている。

    本実施形態のキーシート20は、第1実施形態のキーシート12と同様に熱拡散と携帯電話機1の筐体2の薄型化、軽量化を実現できる。 また第2実施形態のキーシート18と同様にキートップ4を高輝度で照光させることができる。 さらに本実施形態のキーシート20では、キートップ4を押圧操作すると、ゴム状弾性をもつ浮動支持部9が押圧操作方向で変位して接点皿ばね16bを押圧する。 そして接点皿ばね16bが反転して基板16の接点回路と接触することで接点入力を行うことができる。

    (4) 各実施形態の変形例〔図8〕:第1〜第3実施形態のキーシート12,18,20では、ベースシート13,19,21に熱拡散性シート6を備える例を示したが、変形例としてグラファイトシート7の他に金属薄板22をさらに備える熱拡散性シート23を用いたキーシート24,25,26とすることもできる。 熱拡散性シート23は、例えば図8で示すような各種の断面構造をもつ形態で実施することができる。 なお、図8ではグラファイトシート7と高分子保護層8と金属薄板22とが積層する部分の断面構造を示す。 金属薄板22の材料としては、鉄、アルミニウム、銅、金、銀、錫、ニッケル、クロム、チタンなどの単一金属、又はこれらの合金を用いることができる。

    図8(A)〜図8(N)に示した種々の熱拡散性シート23について詳しく説明すると次のようになる。 図8(A)はグラファイトシート7の下面を高分子保護層8で被覆し、上面を金属薄板22で被覆する形態である。 この形態では、導電性のグラファイトシート7が基板に対して直接接触しない。 このため基板側の処置として、別途の絶縁性シートを使って基板面を被覆しなくても熱拡散性シート23をそのまま載置することができる。

    図8(B)はグラファイトシート7の上面を高分子保護層8で被覆し、下面を金属薄板22で被覆する形態である。 この形態では、キートップ4を押圧してもグラファイトシート7と直接接触しないので、グラファイトシート7の損傷を防ぐことができる。 また金属薄板22をグラファイトシート7の下面に積層すると、熱拡散性シート23の面方向への熱拡散性を高めることができる。

    図8(C)はグラファイトシート7の上面に金属薄板22を積層し、その上面及び下面を高分子保護層8でそれぞれ被覆する形態である。 この形態では図8(A)の利点に加え、キートップ4を押圧しても金属薄板22と直接接触しないので、金属薄板22の損傷を防ぐことができる。

    図8(D)はグラファイトシート7の下面に金属薄板22を積層し、その上面及び下面を高分子保護層8でそれぞれ被覆する形態である。 この形態では図8(B)の利点に加え、導電性の金属薄板22が基板に対して直接接触しない。 このため基板側の処置として、別途の絶縁性シートを使って基板面を被覆しなくても熱拡散性シート23をそのまま載置することができる。

    図8(E)はグラファイトシート7の上面に金属薄板22を積層し、その全体を高分子保護層8としての2枚の樹脂フィルム8a,8bで上下から挟み込むように被覆する形態である。 換言すれば、グラファイトシート7と金属薄板22の積層物の両面を高分子保護層8で被覆したものである。 この形態では図8(C)の利点に加え、グラファイトシート7の全体が高分子保護層8により封止されるので、グラファイトシート7の端部の脱落を完全に防止できる。

    図8(F)はグラファイトシート7の下面に金属薄板22を積層し、その全体を高分子保護層8としての2枚の樹脂フィルム8a,8bで上下から挟み込むように被覆する形態である。 換言すれば、グラファイトシート7と金属薄板22の積層物の両面を高分子保護層8で被覆したものである。 この形態では図8(D)の利点に加え、グラファイトシート7の全体が高分子保護層8により封止されるので、グラファイトシート7の端部の脱落を完全に防止できる。

    図8(G)はグラファイトシート7の上面に金属薄板22を積層し、その全体を高分子保護層8としての塗層によって被覆する形態である。 この形態では図8(E)と同様にグラファイトシート7の端部の脱落を完全に防止できる。

    図8(H)はグラファイトシート7の下面に金属薄板22を積層し、その全体を高分子保護層8としての塗層によって被覆する形態である。 この形態では図8(F)と同様にグラファイトシート7の端部の脱落を完全に防止できる。

    図8(I)はグラファイトシート7の上面及び下面を高分子保護層8でそれぞれ被覆した熱拡散性シート6の上面に金属薄板22を積層する形態である。 この形態では、金属薄板22が上面に表出しているため、前述の図4(C)と比べ熱伝導性を高めることができる。

    図8(J)はグラファイトシート7の上面及び下面を高分子保護層8でそれぞれ被覆した熱拡散性シート6の下面に金属薄板22を積層する形態である。 この形態では、金属薄板22が下面に表出しているため、前述の図4(C)と比べ熱伝導性を高めることができ、特に熱拡散性シート23の面方向への熱拡散性を高めることができる。

    図8(K)はグラファイトシート7の全体を高分子保護層8としての2枚の樹脂フィルム8a,8bで上下から挟み込むように被覆した熱拡散性シート6の上面に金属薄板22を積層する形態である。 換言すれば、グラファイトシート7の両面を高分子保護層8で被覆したものと金属薄板22との積層物である。 この形態では、金属薄板22が上面に表出しているため、前述の図4(D)と比べ熱伝導性を高めることができる。

    図8(L)はグラファイトシート7の全体を高分子保護層8としての2枚の樹脂フィルム8a,8bで上下から挟み込むように被覆した熱拡散性シート6の下面に金属薄板22を積層する形態である。 換言すれば、グラファイトシート7の両面を高分子保護層8で被覆したものと金属薄板22との積層物である。 この形態では、金属薄板22が下面に表出しているため、前述の図4(D)と比べ熱伝導性を高めることができ、特に熱拡散性シート23の面方向への熱拡散性を高めることができる。

    図8(M)はグラファイトシート7の全体を高分子保護層8としての塗層によって被覆した熱拡散性シート6の上面に金属薄板22を積層する形態である。 この形態では、金属薄板22が上面に表出しているため、前述の図4(E)と比べ熱伝導性を高めることができる。

    図8(N)はグラファイトシート7の全体を高分子保護層8としての塗層によって被覆した熱拡散性シート6の下面に金属薄板22を積層する形態である。 この形態では、金属薄板22が下面に表出しているため、前述の図4(E)と比べ熱伝導性を高めることができ、特に熱拡散性シート23の面方向への熱拡散性を高めることができる。

    以上のようにグラファイトシート7に金属薄板22を積層することで、熱伝導性を有する金属薄板22によって脆弱なグラファイトシート7を保護することができ、加えて効率的な熱拡散性を実現することができる。 なお、金属薄板22を下面に積層する形態と上面に積層する形態を比較すると金属薄板22を下面に積層する形態の方が熱拡散効率を高めることができる。

    携帯電話機の平面図。

    図1の携帯電話機に備えるキーシートの平面図。

    平面構造で示す熱拡散性シート(ベースシート)の各種実施形態を示す平面図。

    断面構造で示す熱拡散性シート(ベースシート)の各種実施形態を示す断面図。

    図1SA−SA線に沿う第1実施形態のキーシートの断面図。

    第2実施形態のキーシートの断面図。

    第3実施形態のキーシートの断面図。

    断面構造で示す他の熱拡散性シート(ベースシート)の各種実施形態を示す断面図。

    第1実施形態のキーシートの変形例を示す図5相当の断面図。

    第2実施形態のキーシートの変形例を示す図6相当の断面図。

    第3実施形態のキーシートの変形例を示すの図7相当の断面図。

    符号の説明

    1 携帯電話機 2 筐体 2a 保持部 3 キーシート 4 キートップ 5 ベースシート 6 熱拡散性シート 7 グラファイトシート 8 高分子保護層 9 浮動支持部 9a 孔縁被覆部10 孔11 孔12 キーシート(第1実施形態)
    13 ベースシート(熱拡散性シート)
    14 接着層15 基板15a 皿ばね接点15b 半導体素子15c バックライト(照光用光源)
    16 押し子17 弾性外縁18 キーシート(第2実施形態)
    19 ベースシート(熱拡散性シート)
    20 キーシート(第3実施形態)
    21 ベースシート(熱拡散性シート)
    22 金属薄板23 熱拡散性シート24 キーシート(第1実施形態の変形例)
    25 キーシート(第2実施形態の変形例)
    26 キーシート(第3実施形態の変形例)

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