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申请号 JP2009106749 申请日 2009-04-24 公开(公告)号 JP4723660B2 公开(公告)日 2011-07-13
申请人 京セラ株式会社; 发明人 恵 桑原; 淳一 氏井;
摘要
权利要求
  • 押圧荷重に応じて複数段階の入力を受け付ける入力装置であって、
    押圧による入力の押圧荷重を検出する荷重検出部と、
    前記荷重検出部が、第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出する毎に、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を設定するように制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする入力装置。
  • 前記制御部は、前記第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を、前記第1の荷重基準が満たされた後に前記荷重検出部が検出する押圧荷重に基づいて設定することを特徴とする、請求項1に記載の入力装置。
  • 前記荷重検出部が検出する押圧荷重の時間的な変化率を算出する荷重変化率算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部が前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後における押圧荷重の変化率が最初に所定値以下に減少した際の押圧荷重に基づいて、前記第2の荷重基準を設定する、請求項1または2に記載の入力装置。
  • 前記荷重検出部が押圧荷重を検出してから前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出するまでの間における押圧荷重の平均変化率を算出するとともに、前記荷重検出部が検出する押圧荷重の時間的な変化率を算出する荷重変化率算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部が前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後の所定期間における押圧荷重の変化率が、前記平均変化率と比べて所定値以上減少した際の押圧荷重に基づいて、前記第2の荷重基準を設定する、請求項1または2に記載の入力装置。
  • 前記荷重検出部が検出する押圧荷重の時間的な変化率を所定期間毎に算出する荷重変化率算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部が前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後の第1の所定期間における押圧荷重の変化率が、当該第1所定期間の直前の第2の所定期間における押圧荷重の変化率と比べて所定値以上減少した際の押圧荷重に基づいて、前記第2の荷重基準を設定する、請求項1または2に記載の入力装置。
  • 前記荷重検出部が検出する押圧荷重の時間的な変化率を算出する荷重変化率算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部が前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後における押圧荷重の変化率が、第1の所定値以下に減少してから第2の所定値以上に増大した際の押圧荷重に基づいて、前記第2の荷重基準を設定する、請求項1または2に記載の入力装置。
  • 前記荷重検出部が押圧荷重を検出してから前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出するまでの間における押圧荷重の平均変化率を算出するとともに、前記荷重検出部が検出する押圧荷重の時間的な変化率を算出する荷重変化率算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部が前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後の所定期間における押圧荷重の変化率が、第1の所定値以下に減少してから増大して、前記平均変化率との差が第2の所定値以内となった際の押圧荷重に基づいて、前記第2の荷重基準を設定する、請求項1または2に記載の入力装置。
  • 前記荷重検出部が検出する押圧荷重の時間的な変化率を所定期間毎に算出する荷重変化率算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部が前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後の第1の所定期間における押圧荷重の変化率が、第1の所定値以下に減少してから、当該第1の所定期間の直前の第2の所定期間における押圧荷重の変化率と比べて第2の所定値以上増大した際の押圧荷重に基づいて、前記第2の荷重基準を設定する、請求項1または2に記載の入力装置。
  • 音、振動、表示のうち少なくとも1つを用いた報知情報を発生する報知情報発生部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部により検出される押圧荷重が第1の荷重基準を満たした際に、前記報知情報発生部が前記報知情報を発生するように制御する、請求項1乃至8の何れか1項に記載の入力装置。
  • 押圧荷重に応じて複数段階の入力を受け付ける入力装置を用いる入力方法であって、
    押圧による入力の押圧荷重を検出する荷重検出ステップと、
    前記荷重検出ステップにおいて、第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準を満たす押圧荷重が検出される毎に、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を設定するように制御するステップと、
    を有することを特徴とする入力方法。
  • 说明书全文

    本発明は、入装置に関するものであり、特に、押圧荷重に応じて、入力を複数段階で受け付ける入力装置に関するものである。

    従来、携帯電話機やデジタルカメラ等をはじめとする各種の電子機器には、一般的に、操作者が操作入力を行うための入力装置として、タクトスイッチやメンブレンスイッチ等のメカスイッチ(メカニカルスイッチ)が使用されている。 特に、最近では、小型の端末機器に種々の多彩な機能が搭載されていることが多く、そのような端末機器の筐体表面には、各種のスイッチで構成されるキーやボタンなどが配設されている。

    このようなスイッチは、通常、1つのスイッチに対して1つの動作(またはプログラム)が割り当てられている。 例えば、携帯電話機の場合、テンキーに対して押圧入力が検知されると、各キーに対応する数字が出力されたり、またメニューキーに対して押圧入力が検知されると、メニュー画面が表示されたりする。

    しかしながら、複数の動作を連続して行いたい場合などに、ひとつひとつの動作を、それぞれの動作が割り当てられた別個のスイッチを用いて行うと、非常に手間がかかり面倒な操作となる場合もある。 そこで、1つのスイッチを使用して、そのスイッチに入力が検知されるたびに複数の動作が順番に実行されるような設定も考えられるが、このような入力方式の場合、動作が実行される順番を予め規定しなければならない。 そのため、操作者が所望する任意の動作が即座に実行されるような操作を行うことはできない。

    以上のような問題に対処し得るものとして、1つのスイッチに対する入力の態様に応じて、複数の動作を割り当てることができる入力装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

    この特許文献1に記載の入力装置は、操作を行う際の入力にかかる押圧荷重に応じて、入力を2段階で受け付けることができる。

    図8は、特許文献1に記載の操作装置100の内部構造を概略的に示す断面図である。 図8に示すように、この操作装置100は、第1の検出手段200および第2の検出手段300共にメンブレンスイッチで構成されており、第1の検出手段200の(押圧する方向の)下方に、第2の検出手段300を設けている。 操作者の指Fが直接触れる部分は可撓性の部材で構成され、操作者が操作装置100を押圧すると、この可撓性部材が撓むことにより、その押圧荷重を第1の検出手段200に伝達する。 操作者が指Fを低加重(第1の操作力)で第1の接点S3に対応する位置を押し下げると、第1の上側導電部201cと第1の下側導電部202cとが互いに接触して第1の接点S3が導通し、これを第1段階の入力としている。 さらに、前記低加重よりも大きな高加重(第2の操作力)をかけて指Fを押し下げると、第2の上側導電部301cと第2の下側導電部302cとが接触して第2の接点T3が導通し、これを第2段階の入力としている。 なお、図8においては、操作装置100に対して操作者の指Fの第2の操作力による押圧が行われたことにより、第1の接点S3が第1段階の入力を検知したのみならず、第2の接点T3が第2段階の入力まで検知した様子を示している。

    このような入力装置は、操作者の入力の押圧荷重に応じて入力を2段階で受け付けることにより、これらの各段階に異なる動作を割り当てることができる。 このような入力装置を用いることにより、操作者は、1つのスイッチ(入力装置)を用いて、このスイッチに対して押圧入力を行うという1つの動作を行う際の押圧力を調整することにより、複数の入力を区別して行うことができる。

    すなわち、このような2段階の入力を受け付ける入力装置によれば、操作者が弱い押圧力によってボタンを押圧する状態を保つことにより、1段目の入力を行うことができる。 このような入力状態は、「半押し」とも称され、以下、「第1段階の入力」と記す。 また、このような入力装置によれば、操作者が第1段階の入力よりも強い押圧力によってボタンを押し込むことにより、2段目の入力を行うことができる。 このような入力状態は、「全押し」とも称され、以下、「第2段階の入力」と記す。

    このようなメカスイッチにより、押圧荷重に応じて2段階で入力を受け付ける入力装置の典型的な用途の例として、カメラのシャッターボタンが存在する。 通常、デジタルカメラなどの機能を搭載した携帯端末などにおいては、操作者が第1段階の入力を行う「半押し」の入力を行うことにより、AE(Auto Exposure(自動露出))やAF(Auto Focus(オートフォーカス))を調整する機能をオンにすることができる。 その状態で、操作者が第2段階の入力を行う「全押し」の入力を行うことにより、シャッターを切る動作を行うことができる。 このように、第1段階の入力と、第2段階の入力とで異なる動作を割り当てることができ、なおかつ、操作者は、その異なる動作を所望に応じて区別して操作することができる。

    なお、押圧荷重に応じて複数段階の入力を受け付ける入力装置は、メカスイッチに限定されるものではない。 例えば、表示装置と位置入力装置とを組み合わせて構成したタッチパネル式の入力装置においても、ソフトウェアによる処理を行うことにより、押圧荷重に応じて複数段階の入力を受け付ける入力装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。

    この特許文献2に記載のタッチパネル式入力装置は、表示画面の表面部に設けられるタッチパネルの押圧操作位置を検出する位置検出手段と、タッチパネルに対する押圧操作力を検出する圧力検出手段とを備えている。 この入力装置は、タッチパネルの1回の押圧操作により、位置検出手段の検出位置に応じた入力と、圧力検出手段の検出に応じた多段階の入力との2系統の入力を行うことができる。

    この入力装置によれば、操作者が表示画面上のタッチパネルを押圧操作した際に、その押圧操作位置によって、第1系統の入力を行うことができ、同時に、その際のタッチパネルに対する押圧力によって、第2系統の入力を行うことができる。 このとき、タッチパネルに対する押圧力に応じて、多段階、すなわち3段階以上の選択が可能となる。 したがって、操作者は、タッチパネルに1回の押圧操作を行うことにより、2系統の入力を行うことができ、押圧操作を行う回数を低減することができる。

    このように、メカスイッチを用いた入力装置においても、またタッチパネルを用いた入力装置においても、押圧荷重に応じて複数段階で入力を受け付けることができる。 このような入力装置では、押圧荷重に応じて入力を複数段階に区別して受け付けることにより、複数の機能を1つのボタンやキーに集約できるため、操作入力に係るキーやボタンの数を低減することができる。 特に、携帯端末のような小型の端末の場合には、端末の筐体が小型であるため、あまり多くのキーやボタンを端末本体に配設することは困難である。 したがって、携帯端末において、少ないキーやボタンを用いることにより複数の機能を使い分けることができれば、端末本体に配設しなければならないキーやボタンを減らすことというメリットがある。

    特開2006−134609号公報

    特開2006−039745号公報

    しかしながら、特許文献1に記載の操作装置100においては、第1の検出手段200のメンブレンスイッチおよび第2の検出手段300のメンブレンスイッチのそれぞれの配置構成などの各仕様は、設計時または製造時に既に規定されているものである。 また、メンブレンスイッチを構成する部材の可撓性の度合いなども、製品製造時に決まるものであり、このような構成の仕様を後から変更することは一般に困難である。

    そのため、このような入力装置において、どの程度の押圧荷重により第1段階の入力が受け付けられ、またどの程度の押圧荷重により第2段階の入力が受け付けられるのかは、操作者が実際に入力操作を行い、試行錯誤により感覚的に把握するしかない。 すなわち、入力装置が要求する規定された押圧荷重に、それぞれの操作者が、自らの押圧力を適合させるより仕方ないのである。

    一般に、細かい作業や、手先の微妙な力加減の調整は、操作者の得手不得手による個人差が激しい。 したがって、手先の器用な人にとっては特別な困難なく自然に行うことができるような態様の入力操作であっても、一般的な全ての操作者がそのような入力操作に即座に対応できるとは限らない。

    そのため、操作者は入力装置に第1段階の入力のみに留めたいにもかかわらず、微妙な力加減の適切な調整ができずに押圧荷重を加え過ぎてボタンやキーを一気に押し込んでしまい、意図せずに第2段階の入力までしてしまう恐れがある。 特に、押圧荷重を行う際の荷重の程度は、操作者が目視できるものではないため、操作者はどの程度の押圧荷重を加えれば、各段階の入力が受け付けられるのかを正確に把握することは困難である。

    このような事情は、上記特許文献2の場合においても同様である。 特許文献2に記載のタッチパネル式入力装置は、圧力検出手段が受け付ける押圧荷重の閾値を予め設定しておかなければ、押圧荷重に応じて複数段階で入力を区別して受け付けることはできない。 したがって、入力装置が要求する規定された押圧荷重に、それぞれの操作者が、自らの押圧力を適合させなければならない。 そのため、操作者によっては、やはり微妙な力加減の適切な調整ができずに押圧荷重を加え過ぎてしまい、第1段階の入力で留めたいにもかかわらず、意図せずに第2段階の入力までしてしまうという問題が残る。

    なお、上記特許文献2に記載のタッチパネル式入力装置は、メカスイッチを用いているのではなく、圧力検出手段が受け付ける押圧荷重に基づいて、制御部がソフトウェア的に制御を行うことができる。 そのため、制御部における設定の変更により、圧力検出手段が押圧荷重を受け付ける閾値を後から変更することも、不可能ではないと考えられる。

    しかしながら、操作者を変更するたびに、その操作者に合わせて、圧力検出手段が押圧荷重を受け付ける閾値を変更し直すことは、極めて煩雑な作業となる。 さらに、同じ操作者が操作する場合であっても、操作者が操作を行う際の押圧荷重は、その操作を行う場合によって変動するのが普通である。 したがって、やはり、入力装置に押圧荷重を加え過ぎてしまい、第1段階の入力で留めたいにもかかわらず、意図せずに第2段階の入力までしてしまうという問題は解消することはできない。

    このように、操作者の意図しない入力がなされてしまうと、このような操作入力は、入力装置にとっては正当な処理手順にしたがって動作を行っているだけであるが、操作者にとっては誤動作でしかない。 例えば、上記した入力装置をカメラのシャッターボタンに適用した場合、操作者の押圧力の調整が適切になされずに、第1段階の入力を超えて一気に第2段階の入力まで受け付けてしまうと、AE、AF機能が適切に動作する前にシャッターを切ってしまう。 この場合、AE、AF機能が適切に動作せずに、ピント外れの画像が撮影されたりする恐れがある。 また、上述したような、入力装置が検知する押圧力に応じて何かの量などを調整する処理を行う場合や、押圧力に応じた段階的な処理を割り当てる場合も、一気に第2段階の入力まで受け付けてしまうと、操作者の意図しない動作が行われる不都合が想定される。

    したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、押圧荷重に応じた複数段階の入力を、操作者の操作ごとに異なる押圧力にて受け付けることができる入力装置を提供することにある。

    上記目的を達成する請求項1に係る発明は、
    押圧荷重に応じて複数段階の入力を受け付ける入力装置であって、
    押圧による入力の押圧荷重を検出する荷重検出部と、
    前記荷重検出部が、第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出する毎に、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を設定するように制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするものである。

    請求項2に係る発明は、請求項1に記載の入力装置において、
    前記制御部が、前記第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を、前記第1の荷重基準が満たされた後に前記荷重検出部が検出する押圧荷重に基づいて設定することを特徴とするものである。

    請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の入力装置において、
    前記荷重検出部が検出する押圧荷重の時間的な変化率を算出する荷重変化率算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部が前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後における押圧荷重の変化率が最初に所定値以下に減少した際の押圧荷重に基づいて、前記第2の荷重基準を設定するものである。

    請求項4に係る発明は、請求項1または2に記載の入力装置において、
    前記荷重検出部が押圧荷重を検出してから前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出するまでの間における押圧荷重の平均変化率を算出するとともに、前記荷重検出部が検出する押圧荷重の時間的な変化率を算出する荷重変化率算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部が前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後の所定期間における押圧荷重の変化率が、前記平均変化率と比べて所定値以上減少した際の押圧荷重に基づいて、前記第2の荷重基準を設定するものである。

    請求項5に係る発明は、請求項1または2に記載の入力装置において、
    前記荷重検出部が検出する押圧荷重の時間的な変化率を所定期間毎に算出する荷重変化率算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部が前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後の第1の所定期間における押圧荷重の変化率が、当該第1所定期間の直前の第2の所定期間における押圧荷重の変化率と比べて所定値以上減少した際の押圧荷重に基づいて、前記第2の荷重基準を設定するものである。

    請求項6に係る発明は、請求項1または2に記載の入力装置において、
    前記荷重検出部が検出する押圧荷重の時間的な変化率を算出する荷重変化率算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部が前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後における押圧荷重の変化率が、第1の所定値以下に減少してから第2の所定値以上に増大した際の押圧荷重に基づいて、前記第2の荷重基準を設定するものである。

    請求項7に係る発明は、請求項1または2に記載の入力装置において、
    前記荷重検出部が押圧荷重を検出してから前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出するまでの間における押圧荷重の平均変化率を算出するとともに、前記荷重検出部が検出する押圧荷重の時間的な変化率を算出する荷重変化率算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部が前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後の所定期間における押圧荷重の変化率が、第1の所定値以下に減少してから増大して、前記平均変化率との差が第2の所定値以内となった際の押圧荷重に基づいて、前記第2の荷重基準を設定するものである。

    請求項8に係る発明は、請求項1または2に記載の入力装置において、
    前記荷重検出部が検出する押圧荷重の時間的な変化率を所定期間毎に算出する荷重変化率算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部が前記第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後の第1の所定期間における押圧荷重の変化率が、第1の所定値以下に減少してから、当該第1の所定期間の直前の第2の所定期間における押圧荷重の変化率と比べて第2の所定値以上増大した際の押圧荷重に基づいて、前記第2の荷重基準を設定するものである。

    請求項9に係る発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の入力装置において、
    音、振動、表示のうち少なくとも1つを用いた報知情報を発生する報知情報発生部をさらに備え、
    前記制御部は、前記荷重検出部により検出される押圧荷重が第1の荷重基準を満たした際に、前記報知情報発生部が前記報知情報を発生するように制御するものである。

    また、請求項10に係る発明は、
    押圧荷重に応じて複数段階の入力を受け付ける入力装置を用いる入力方法であって、
    押圧による入力の押圧荷重を検出する荷重検出ステップと、
    前記荷重検出ステップにおいて、第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準を満たす押圧荷重が検出される毎に、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を設定するように制御するステップと、
    を有することを特徴とするものである。

    本発明の入力装置によれば、荷重検出部が、第1段階の入力を受け付ける第1の基準を満たす押圧荷重を検出する毎に、第2段階の入力を受け付ける第2の基準が設定される。 すなわち、本発明の入力装置は、操作者がその都度操作を行う際に、第2段階の入力を受け付ける荷重の基準値を設定する。 したがって、本発明によれば、押圧荷重に応じた複数段階の入力を、操作者の操作ごとに異なる押圧力にて受け付けることができる。 これにより、操作者が入力装置に押圧荷重を加え過ぎてしまい、第1段階の入力で留めたいにもかかわらず、意図せずに第2段階の入力までしてしまうという問題は解消される。

    第1実施の形態に係る入力装置の内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。

    第1実施の形態に係る入力装置を構成する各機能部の実装構造の例を示す図である。

    第1実施の形態に係る入力装置による入力受付処理を説明するフローチャートである。

    第1実施の形態に係る入力装置の荷重検出部によって検出される押圧荷重が変化する様子を表したグラフである。

    第4実施の形態に係る入力装置の荷重検出部によって検出される押圧荷重が変化する様子を表したグラフである。

    本実施の形態に係る入力装置による入力受付処理を説明するフローチャートである。

    第7実施の形態に係る入力装置の荷重検出部によって検出される押圧荷重が変化する様子を表したグラフである。

    従来技術による操作装置の内部構造を概略的に示す断面図である。

    以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して説明する。 以下の各実施の形態においては、本発明の入力装置の一例として、携帯電話やPDAなどのような携帯端末であってタッチパネルを備えているものを想定して説明する。 しかしながら、本発明の入力装置は、これらの携帯端末に限定されるものではなく、例えば、デジタルカメラ、ポータブルオーディオプレーヤ、ノートPC、ミニノートPCなどの、入力装置を備える種々の端末とすることができる。 また、本発明の入力装置は、携帯端末に限定されるものでもなく、銀行のATMや駅の乗車券販売機など、入力装置を備える任意の端末とすることもできる。 さらに、本発明の入力装置は、後述するように、タッチパネルを有する端末に限定されるものでもない。 本発明は、操作者の操作入力を受け付けるタッチパネルまたは押しボタン(あるいはキー)などのスイッチと、そのスイッチにかかる押圧荷重を検出できる機能を有するものであれば、任意の入力装置に適用することができる。

    (第1実施の形態)
    図1は、本実施の形態に係る入力装置10の内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。 図1に示すように、入力装置10は、制御部20と、タッチパネル30と、荷重検出部40と、振動部50と、記憶部60と、音声出力部70と、を備えている。

    制御部20は、携帯端末10の各機能ブロックをはじめとして携帯端末10の全体を制御および管理する。 なお、この制御部20は、荷重検出部40が検出する押圧荷重の時間的な変化率を演算処理により算出する荷重変化率算出部22を備えている。

    本実施の形態では、タッチパネル30は、表示部32と、入力部34とを備えている。 このタッチパネル30は、操作者の入力を受け付ける入力部34を、表示部32の前面に重畳させて配設することにより構成する。

    タッチパネル30の表示部32は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイなどで構成する。 この表示部32は、各アプリケーションに対応する表示を行う他、入力部34への操作者の操作入力を受け付ける各種キーやボタンなどで構成するユーザインタフェースを所定の表示領域に描画して表示する。 以下、このように、タッチパネル30の入力部34に対する操作者の操作入力を受け付けるために、操作者が目視により認識できるように表示部32に表示する各種キーやボタンなどの画像を、単に「オブジェクト」と記す。 表示部32をタッチパネル30のユーザインタフェースとして使用する場合、この表示部32には、キーまたは押しボタンやスライドレバー等の、操作関連のオブジェクトを表示する。

    また、この表示部32の前面には、操作者の指などによる入力を受け付けるマトリクススイッチ等で構成した入力部34を配設する。 この入力部34は、操作者の指先などの接触(押圧)による入力を検知する(受け付ける)ことにより、当該接触(押圧)による入力が検知された位置に対応する信号を出力する。 このような構成により、タッチパネル30は、操作者からの操作入力を受け付けると共に、各アプリケーションに応じて入力結果など各種情報の表示を行うことができる。

    荷重検出部40は、タッチパネル30(または入力部34)に対する押圧荷重を検出するもので、例えば歪みゲージセンサを用いて構成する。 この荷重検出部40は、操作者が操作入力を行う際の押圧による入力の押圧荷重を検出する。

    振動部50は、タッチパネル30(または入力部34)に振動を伝えるもので、例えば、圧電素子または超音波振動子などを用いて構成する。 この振動部50が振動することにより、入力部34を押圧している操作者の指などに対して振動を伝えることができる。 この振動により、操作者の所定の入力がタッチパネル30に対して行われた際に、当該所定の入力が正常に受け付けられたことを操作者に報知することができる。 したがって、本実施の形態では、振動部50が報知情報発生部を構成する。 なお、報知情報発生部である振動部50が振動を発生することにより、ユーザに報知することができる所定の情報(振動による合図など)を、以下、「報知情報」と称する。

    記憶部60は、各種アプリケーションおよび入力された各種情報などを記憶するとともに、ワークメモリなどとしても機能する。 特に、本実施の形態では、記憶部60は、荷重検出部40が検出する操作者による押圧入力の押圧荷重や、荷重変化率算出部22が算出する押圧荷重の時間的な変化率などを、制御部20が処理するために一時的に保持する。

    以上のような構成により、荷重検出部40が検出する押圧荷重に段階的な閾値を設定すれば、入力装置10は、操作者による操作入力の押圧荷重に応じて、複数段階の入力を受け付けることができる。

    音声出力部70は、ブザーやスピーカなどで構成し、制御部20の制御により、操作者が聴覚により認識できるような音を発生する。 すなわち、音声出力部70は、所定の音などを出力することにより、入力部34を押圧している操作者に対して、音による情報を伝えることができる。 この音声出力部70から出力する音を、上述した振動部50が発生する振動の報知情報の代わりに、あるいは当該報知情報とともに用いることもできる。 振動とともに音も発生させることにより、操作者の所定の入力がタッチパネル30に対して行われた際に、当該所定の入力が正常に受け付けられたことを、一層確実に操作者に報知することができる。

    図2(A)は、図1に示した入力装置10のタッチパネル30、荷重検出部40、および振動部50の実装構造の一例を示す図である。 なお、図2(A)は、入力装置10の要部断面図を示す。

    図2(A)においては、操作者が、表示部32に表示されたボタンなどのオブジェクトの表示を押圧する際に、表示部32における当該オブジェクトの表示位置に対応する位置の入力部34を、指で押圧している様子を表している。 入力部34は、操作者の指による入力の押圧を検出することにより、当該入力の押圧位置を検出する。 また、荷重検出部40は、操作者が入力部34を押圧している力を検出する。 このため、荷重検出部40は、入力部34にかかる押圧荷重が伝達するように、入力部34を支持するように配置する。 振動部50は、荷重検出部40が検出した押圧荷重に基づいて、適切なタイミングで操作者の指に振動を与える。 このため、振動部50は、入力部34に振動を伝達できるように、例えば入力部34に接触するように配置する。 振動部50が発生する振動は、制御部20が、荷重検出部40により検出された押圧荷重に基づいて制御する。 この際、制御部20が行う制御については後述する。

    なお、上述したように、本実施の形態に係る入力装置は、タッチパネルを有するものに限定されない。 図2(B)は、タッチパネルを用いずに構成した本実施の形態に係る入力装置10の実装構造の一例を示す図である。 なお、図2(B)は、タッチパネルを用いない場合の入力装置10の要部断面図を示す。

    図2(B)においては、入力装置10は、タッチパネルを用いないため表示部32が存在せず、入力結果などの情報を表示する必要がある場合には、表示部を別に設ける。 したがって、図2(B)に示す入力装置10においては、操作者は、表示部に表示されたオブジェクトに対して押圧による入力(押圧入力)をするのではなく、物理的に存在するボタンまたはキーに対して押圧入力を行う。 このように、入力部34を用いない構成においては、荷重検出部40が入力部34を兼ねるものとすることができる。 すなわち、この場合、荷重検出部40が押圧荷重を検出していれば入力部34に対する入力がオンであるとして扱い、また荷重検出部40が押圧荷重を検出していなければ入力部34に対する入力がオフであるとして扱うことができる。

    図2(B)に示す例では、入力装置10の筐体(ベース部材)の凹部に荷重検出部40を設置して、荷重検出部40の上に振動部50を配置している。 したがって、振動部50の上側表面は、操作者の押圧入力を直接受け付けることができ、荷重検出部40は、振動部50が受け付ける押圧入力の押圧荷重を検出する。 また、振動部50は、荷重検出部40が検出した押圧荷重に基づいて、適切なタイミングで操作者の指に直接振動を与える。 この場合、振動部50の上側表面はボタンまたはキーなどと同様の働きをするため、操作者の押圧入力を受け付ける振動部50の形状は、ボタンのキートップの形状とし、そのキートップに当該ボタンの機能などを明記することにより、当該機能を示すことができる。

    なお、本実施の形態において、タッチパネルを用いない入力装置10の構造は、図2(B)に示したような構造に限定されるものではない。 本実施の形態においては、入力装置10の入力に係る機能部としては、少なくとも、操作者の押圧による入力の押圧荷重を検出する荷重検出部40と、操作者に振動による報知情報を発生する報知情報発生部としての振動部50と、があればよい。 したがって、例えば、従来のメカスイッチに荷重検出部40および振動部50を付加することにより、あるいはこれらの機能を有する従来のスイッチを用いることにより、本発明の入力装置の入力に係る機能部を構成することもできる。

    次に、本実施の形態に係る入力装置10による入力受付処理について説明する。 図3は、本実施の形態に係る入力装置10による入力受付処理の流れを説明するフローチャートである。 なお、本実施の形態において、入力装置10を用いた入力受付処理を行うに際し、この入力装置10の操作者は、入力装置10が押圧荷重に応じて少なくとも2段階の複数段階の入力を受け付ける入力装置であることを認識しているものとする。

    入力装置10において、制御部20は、入力部34に対して操作者の押圧入力がなされたことにより、荷重検出部40が押圧荷重を検出したか否かを監視している。 入力装置10による入力受付処理は、荷重検出部40が押圧荷重を検出した時点から開始する。 入力装置10による入力受付処理が開始すると、制御部20は、操作者の押圧入力による押圧荷重が増すことにより、荷重検出部40が、第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出したか否かを判定する(ステップS11)。

    なお、第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準とは、基準となる所定の押圧荷重の閾値である。 この閾値を超える押圧荷重を荷重検出部40が検出した場合、制御部20は、入力装置10において規定された第1段階の入力が受け付けられたものとして処理する。 また、この第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準は、予め設定された所定の押圧荷重を閾値とするが、後から操作者の好みに応じて変更できるようにしてもよい。

    ステップS11において、第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準を満たす押圧荷重が検出されない場合は待ち状態となる。 一方、ステップS11において第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準を満たす押圧荷重が検出された場合、制御部20は、報知情報発生部が所定の報知情報を発生するように制御する(ステップS12)。 すなわち、本実施の形態においては、制御部20は、振動部50が所定の態様の振動を発生するように制御する。 振動部50が振動を発生させる際、制御部20は、予め記憶部60に記憶してある波形などの情報を読み出すことにより、振動部50が発生する振動の態様を制御する。 これにより、操作者は、振動が発生した時点で、第1段階の入力が入力装置10に正常に受け付けられたことを認識することができる。

    また、このような処理とともに、制御部20は、第1段階の入力を受け付けたことに応じて、入力装置10において規定された第1段階の入力に対応する動作を行うように処理を行う(ステップS13)。 例えば、入力装置10がカメラのシャッターボタンに適用されている場合、ステップS13の処理は、入力装置10が「半押し」された場合の動作、すなわちAEやAFを調整する機能をオンにする動作を行うことに相当する。

    図4は、荷重検出部40によって検出される、操作者の押圧入力の押圧荷重が変化する様子を表したグラフである。 X軸方向は時間の推移を表し、Y軸方向は荷重検出部40が検出する押圧荷重を表す。 図4(A)において、操作者がタッチパネル30の入力部34に触れた時点がA0であり、そのときの押圧荷重がP0であることを示している。 この後、操作者が入力する押圧力を増大させたため、荷重検出部40が検出する押圧荷重は徐々増大し、ある時点A1において、第1段階の入力を受け付けるべく予め定めた第1の荷重基準P1に達した様子を表している。

    この時、振動の発生により第1段階の入力が正常に受け付けられたことを認識した操作者は、一気に第2段階の入力まで行われないようにしようとする意識が働くため、入力を行う押圧力を維持する(つまり押圧力の増大を抑制する)動作を行う。 ここで、第1段階の入力が正常に受け付けられたことは、振動の発生により、どのような操作者であっても認識できる。 しかしながら、第1段階の入力が受け付けられたと操作者が認識した後、その入力の押圧力を維持する際の押圧力は、操作者によってかなりの個人差がある。

    例えば、図4(A)に示す押圧荷重のグラフにおいては、押圧荷重がP1に達したA1の時点からも、操作者は押圧力を抑制させずにそのまま増大させてから、Arの時点で押圧力を(増大させずに)維持させている。 普段からボタンなどを強く押圧する傾向のある操作者の場合、第1段階の入力が受け付けられて振動部50による振動が発生してすぐに押圧力を維持させたつもりでも、比較的大きな押圧力で押圧入力を維持することが想定される。

    一方、図4(B)に示す押圧荷重のグラフにおいては、操作者は、押圧荷重がP1に達したA1の時点から比較的すぐに押圧力の増大を抑制し、Arの時点で押圧力を維持させている。 普段からボタンなどを弱く押圧する傾向のある操作者の場合、第1段階の入力が受け付けられて振動部50による振動が発生すると、すぐに押圧力を維持させることが想定される。

    図4(A)に示すArの時点における押圧荷重Prと、図4(B)に示すArの時点における押圧荷重Prとを比較すると、図4(B)の押圧荷重Prの方がかなり小さな値であることがわかる。 このように、第1段階の入力が受け付けられたと認識した後、操作者がその入力の押圧力を維持する際の押圧力は、かなり個人差があることがわかる。 また、同じ操作者においても、操作の度に、第1段階の入力の押圧力を維持する際の押圧力は変動することが想定される。

    そこで、本実施の形態では、第1段階の入力が受け付けられたと操作者が認識した後、操作者が入力の押圧力を維持する時点Arにおける押圧荷重Prを基準として、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準P2を設定する。 すなわち、制御部20は、第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準を満たす押圧荷重P1を荷重検出部40が検出する毎に、第1の荷重基準が満たされた後に荷重検出部40が検出する押圧荷重Prに基づいて、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準P2を設定する。 この時、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準P2は、第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準P1より大なる値とする。

    このような処理を行うために、制御部20は、操作者が入力の押圧力を維持する時点Arにおける押圧荷重Prの決定を行う(ステップS14)。 本実施の形態において、荷重変化率算出部22は、荷重検出部40が検出する押圧荷重の時間的な変化率を算出する。 そこで、荷重検出部40が第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出した後であるステップS14において、制御部20は、荷重変化率算出部22が算出する押圧荷重の変化率が最初に所定値以下に減少した際の押圧荷重を、押圧荷重Prとして決定する。 したがって、制御部20は、荷重検出部40が第1の荷重基準を満たす押圧荷重P1を検出した後、荷重変化率算出部22が算出する押圧荷重の変化率が最初に所定値以下に減少した際の押圧荷重Prに基づいて、第2の荷重基準P2を設定する。

    ここで、押圧荷重の変化率が所定値以下に減少する場合の「所定値」とは、例えばゼロに近い小さな値などにして、操作者が入力の押圧力の増大を抑制して押圧力を維持している時点Arを特定できるようにするのが好適である。 なお、図4のグラフに示した曲線の接線の傾きは、荷重検出部40が検出する押圧荷重の時間的な変化率を表している。 したがって、本実施の形態では、図4において、荷重検出部40が押圧荷重P1を検出した時点A1の後、最初にグラフの接線の傾きがゼロに近くなる、すなわちY軸とほぼ平行になるような時点Arにおける押圧荷重を押圧荷重Prとして決定する。

    ステップS14において、押圧荷重Prが決定されたら、制御部20は、押圧荷重Prに所定の加算幅の値を加えたものを、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準P2として設定する(ステップS15)。 このようにして設定された第2の荷重基準P2は、図4(A)および(B)を対比すれば明らかなように、同じ加算幅の値を付加しても、操作者が入力の押圧力を維持した時点Arにおける押圧荷重Prに応じて異なるものになる。

    この後、制御部20は、操作者の押圧入力による押圧荷重が増すことにより、荷重検出部40が、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を満たす押圧荷重を検出したか否かを判定する(ステップS16)。

    第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準とは、上述の処理により設定した所定の押圧荷重の閾値である。 このように第2の荷重基準が設定された後、この閾値を超える押圧荷重を荷重検出部40が検出した場合、制御部20は、入力装置10において規定された第2段階の入力が受け付けられたものとして処理する。

    ステップS16において、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を満たす押圧荷重が検出されない場合は待ち状態となる。 一方、ステップS16において第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を満たす押圧荷重が検出された場合、制御部20は、報知情報発生部が所定の報知情報を発生するように制御する(ステップS17)。 すなわち、制御部20は、振動部50が所定の態様の振動を発生するように制御する。 これにより、操作者は、振動が発生した時点で、第2段階の入力が入力装置10に正常に受け付けられたことを認識することができる。 なお、この第2段階の入力を受け付けた際の報知情報は、上述した第1段階の入力を受け付けた際の報知情報と異なる態様の振動にすれば、操作者は入力の段階を容易に区別することができる。

    また、このような処理とともに、制御部20は、第2段階の入力を受け付けたことに応じて、入力装置10において規定された第2段階の入力に対応する動作を行うように処理を行う(ステップS18)。 例えば、入力装置10がカメラのシャッターボタンに適用されている場合、ステップS18の処理は、入力装置10が「全押し」された場合の動作、すなわちAE、AF機能が適切に動作した後にシャッターを切る動作を行うことに相当する。

    このように、本実施の形態によれば、第1の荷重基準が満たされた後の押圧荷重に基づいて、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を設定する。 したがって、操作者が初めて入力装置10を操作する場合でも、押圧力の加減がわからずに、いきなり「全押し」をしてしまうリスクはない。 また、複数の異なる操作者が同じ入力装置10を用いても、入力装置10が、それぞれの操作者の入力操作時の押圧力に順応して、適切な押圧荷重の第2の荷重基準を設定する。 したがって、それぞれの操作者が入力装置10の要求する押圧荷重に合わせて操作を行う必要はない。

    また、本実施の形態の入力装置10は、操作者が一旦押圧力を維持する動作を行わないと(すなわちArの時点における押圧荷重Prが決定されないと)、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準が設定されない。 そのため、入力装置10は、第1段階の入力の処理を開始してから終了するまでに、すなわち第2段階の入力を受け付けるまでに、十分な時間を取ることが可能である。 したがって、操作者がいきなり「全押し」の操作を行ったために、第1段階の入力に係る処理が正常に完了する前に第2段階の入力に係る処理が開始してしまう、という不都合を回避することもできる。

    (第2実施の形態)
    次に、本発明の第2実施の形態に係る入力装置について説明する。 本発明の第2実施の形態は、上述した第1実施の形態において、図3で説明したステップS14における押圧荷重Prの決定の仕方を変更する。 それ以外の点については、第1実施の形態とほぼ同様に実施することができる。 第2実施の形態に係る入力装置は、第1実施の形態で説明した入力装置10と同じ構成により実施することができ、制御部20(および荷重変化率算出部22)の処理および動作が異なるものである。 したがって、上述した第1実施の形態と同じ説明は適宜省略する。

    第2実施の形態に係る入力装置10において、荷重変化率算出部22は、荷重検出部40が検出する押圧荷重の時間的な変化率を算出することは、第1実施の形態と同じである。 第2実施の形態においては、荷重変化率算出部22はさらに、荷重検出部40が押圧荷重を検出してから第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出するまでの間における押圧荷重の平均変化率を算出する。 すなわち、荷重変化率算出部22は、図4において、操作者の押圧入力による押圧荷重P0を荷重検出部40が検出した時点A0から、操作者が入力する押圧力を増大させて押圧荷重が第1の荷重基準P1に達した時点A1までの押圧荷重の平均変化率を算出する。 以上の処理が、図3におけるステップS11において行われる。

    この後、ステップS12における報知情報の発生により、操作者は、ステップS13における第1段階の入力受付処理が行われることが認識できるため、入力を行う押圧力を維持しようとする(つまり押圧力の増大を抑制する)。

    第2実施の形態では、このように、荷重検出部40が第1の荷重基準を満たす押圧荷重P1を検出した後(つまりA1の後)、荷重変化率算出部22は、所定期間の変化率を算出する。 この「所定期間」とは、荷重変化率算出部22が押圧力の時間的な変化率を算出するのに好適な、例えば0.1秒間隔などの期間を適当に規定する。 操作者が入力を行う押圧力を維持しようとする時点Ar付近においては、荷重変化率算出部22が算出する上述の所定期間における押圧荷重の変化率は、A0の時点からA1の時点までの押圧荷重の平均変化率に比べて、急激に減少する。

    したがって、本実施の形態では、ステップS14において、制御部20が、上述した所定期間における押圧荷重の減少する変化率と、荷重変化率算出部22が算出した上述の平均変化率とを比較する。 この比較の結果、制御部20は、上記所定期間における押圧荷重の変化率が、上記平均変化率よりも所定値以上減少した際の押圧荷重を、押圧荷重Prとして決定する。 すなわち、本実施の形態では、図4において、A0の時点からA1の時点までのグラフの平均の傾きと比べて、その後の所定期間における曲線の接線の傾きが所定値以上に大きく減少した時点Arにおける押圧荷重を押圧荷重Prとして決定する。

    なお、この本実施の形態において「所定値」とは、あまり僅少な値を設定すると、操作者が入力を行う押圧力を維持しようとしていないにもかかわらず、その時点がArと扱われて、その時点における押圧荷重が押圧荷重Prとして決定されてしまう。 したがって、この「所定値」は、ある程度の大きさを持つようにして、あまり僅少な値は設定しないようにする。

    このように、本実施の形態においても、操作者が入力の押圧力を維持していると想定される時点Arにおける押圧荷重Prの決定を適切に行うため、上述した第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。

    (第3実施の形態)
    次に、本発明の第3実施の形態に係る入力装置について説明する。 本発明の第3実施の形態は、上述した第2実施の形態同様に、第1実施の形態において、図3で説明したステップS14における押圧荷重Prの決定の仕方を変更する。 第3実施の形態に係る入力装置は、第1実施の形態で説明した入力装置10と同じ構成により実施することができ、制御部20(および荷重変化率算出部22)の動作が異なるものである。 したがって、上述した第1および第2実施の形態と同じ説明は適宜省略する。

    第3実施の形態に係る入力装置10においては、荷重変化率算出部22は、荷重検出部40が検出する押圧荷重の時間的な変化率を所定期間毎に算出する。 この「所定期間」は、操作者の入力による押圧荷重が大きく変化した場合に、直前の所定期間と比較して当該変化を検出できるような、例えば0.2秒間隔などの期間を適当に規定する。

    第3実施の形態では、図3のステップS11において、荷重検出部40が第1の荷重基準を満たす押圧荷重P1を検出した後(つまりA1の後)、荷重変化率算出部22は、所定期間毎の変化率を算出する。 操作者が入力を行う押圧力を維持しようとする時点Ar付近においては、荷重変化率算出部22が算出する上述の所定期間における押圧荷重の変化率は、その直前の所定期間における押圧荷重の変化率に比べて、急激に減少する。

    したがって、本実施の形態では、ステップS14において、制御部20は、荷重変化率算出部22が算出する第1の所定期間における押圧荷重の変化率と、当該第1の所定期間の直前の第2の所定期間において荷重変化率算出部22が算出した押圧荷重の変化率とを比較する。 この比較の結果、制御部20は、第1の所定期間の変化率が、第2の所定期間に比べて所定値以上減少した際の押圧荷重を、押圧荷重Prとして決定する。 すなわち、本実施の形態では、図4において、A1の時点以降の所定期間における曲線の接線の傾きが、その直前の所定期間における曲線の接線の傾きと比べて、所定値を超えて大きく減少した時点Arにおける押圧荷重を押圧荷重Prとして決定する。

    なお、この本実施の形態において「所定値」とは、あまり僅少な値を設定すると、操作者が入力を行う押圧力を維持しようとしていないにもかかわらず、その時点がArと扱われて、その時点における押圧荷重が押圧荷重Prとして決定されてしまう。 したがって、この「所定値」は、ある程度の大きさを持つようにして、あまり僅少な値は設定しないようにする。

    このように、本実施の形態においても、操作者が入力の押圧力を維持していると想定される時点Arにおける押圧荷重Prの決定を適切に行うため、上述した第1および第2実施の形態と同様の効果を得ることができる。

    (第4実施の形態)
    次に、本発明の第4実施の形態に係る入力装置について説明する。 上述した第1〜第3実施の形態では、図4に示したように、荷重検出部40が第1の荷重基準を満たす押圧荷重P1を検出した後(A1の後)、操作者が押圧力を維持しようとする時点Arにおける押圧荷重Prに基づいて、第2段階の入力を受け付ける押圧荷重を設定した。 本発明の第4実施の形態は、図5に示すように、Arの時点の後、操作者が入力を行う押圧力を維持しようとしていた状態から再び押圧力を増大させる時点Ar'における押圧荷重Pr'に基づいて、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準A2'を設定する。 それ以外の点については、第1〜第3実施の形態とほぼ同じように実施することができる。 本実施の形態に係る入力装置は、第1〜第3実施の形態で説明した入力装置10と同じ構成により実施することができ、制御部20(および荷重変化率算出部22)の動作が異なるものである。 したがって、上述した各実施の形態と同じ説明は適宜省略する。

    図5(A)に示すように、第1段階の入力がA1の時点で受け付けられたと操作者が認識した後、Arの時点から入力の押圧力を維持しようとしていても、以降の押圧荷重が変動することも考えられる。 これは、入力装置10に対して、いわゆる「半押し」の状態で押圧力を維持するためであり、操作者は一定の押圧力を維持したつもりであっても、実際には、その押圧力が徐々に逃げてしまうことも考えられる。

    図5(A)に示す押圧荷重のグラフでは、操作者はArの時点から入力の押圧力を維持しているつもりであるが、その押圧力が徐々に逃げてしまい、荷重検出部40が検出する押圧荷重が徐々に減少している様子を示している。 図5(A)においては、Arの時点で操作者が入力の押圧力を維持して第1段階の入力が受け付けられたと認識した後で、再び押圧力を増大させる時点Ar'までに(操作者が意図せずに)減少した押圧荷重を、「変動幅」として示してある。

    一方、図5(B)に示すように、第1段階の入力がA1の時点で受け付けられたと操作者が認識した後、Arの時点から入力の押圧力を維持しようとしていても、以降の押圧荷重が徐々に増大することも考えられる。 これは、操作者は一定の押圧力を維持したつもりであっても、実際には、その押圧力が意図せずに徐々に強まってしまうことも考えられるからである。

    図5(B)に示す押圧荷重のグラフでは、操作者はArの時点から入力の押圧力を維持しているつもりであるが、その押圧力が徐々に強まってしまい、荷重検出部40が検出する押圧荷重が徐々に増大している様子を示している。 図5(B)においては、Arの時点で操作者が入力の押圧力を維持して第1段階の入力が受け付けられたと認識した後で、再び押圧力を増大させる時点Ar'までに(操作者が意図せずに)増大した押圧荷重を、「変動幅」として示してある。

    このように、操作者の押圧力が意図せず徐々に弱まっている(または強まっている)場合、操作者は自らの押圧力を一定に維持しているという意識があると考えられる。 そのため、このような場合に、押圧力の維持が開始されるArの時点における押圧荷重Prに基づいて第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を設定すると、この第2の荷重基準は、操作者の予測に反して重く(または軽く)感じられる恐れがある。

    すなわち、例えば、図5(A)のArの時点における押圧荷重Prに基づいて第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を設定すると、実際にはその後操作者の押圧力が若干弱まっているため、操作者にとって、第2の荷重基準を満たす押圧荷重は重く感じられる。 一方、図5(B)のArの時点における押圧荷重Prに基づいて第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準を設定すると、実際にはその後操作者の押圧力が若干強まっているため、操作者にとって、第2の荷重基準を満たす押圧荷重は軽く感じられる。 あるいは、この場合、徐々に強まっている押圧力が、押圧荷重Prに基づいて設定された第2の荷重基準に達してしまい、操作者の意図に反して第2段階の入力が受け付けられてしまう恐れもある。

    したがって、本実施の形態では、操作者が押圧力の維持を開始する時点Arにおける押圧荷重Prではなく、操作者が押圧力を再び増大させる時点Ar'における押圧荷重Pr'に基づいて、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準P2'を設定する。

    第4実施の形態に係る入力装置10においては、荷重変化率算出部22は、荷重検出部40が検出する押圧荷重の時間的な変化率を算出する。 したがって、制御部20は、荷重検出部40が第1の荷重基準を満たす押圧荷重P1を検出した後、荷重変化率算出部22が算出する押圧荷重の変化率に基づいて、押圧荷重の維持が開始される時点Arの後で、押圧荷重の増大が開始される時点Ar'を決定する。

    すなわち、制御部20は、荷重変化率算出部22が算出する押圧荷重の変化率がArの時点で一旦第1の所定値以下に減少(Ar)してから第2の所定値を超えて増大した際(Ar')における押圧荷重Pr'に基づいて、第2の荷重基準P2'を設定する。 ここで、上述の「第1の所定値」は、第1実施の形態で説明した、押圧荷重の変化率が所定値以下に減少する場合の「所定値」と同様の技術的思想に基づいて設定する。 また、「第2の所定値」は、操作者が押圧力を再び増大させて押圧荷重が急激に変化する時点Ar'を適切に決定できるように、例えば図5(B)に示したAr〜Ar'間のように押圧荷重が徐々に増大する際の変化率とは明確に区別できるような適当な値を設定する。

    次に、本実施の形態に係る入力装置10による入力受付処理について説明する。 図6は、本実施の形態に係る入力装置10による入力受付処理の流れを説明するフローチャートである。 図6に示すフローチャートは、説明した第1〜第3実施の形態にて説明した図3のフローチャートにおいて、ステップS14とステップS15との間に、新たにステップS21を挿入したものである。 すなわち、ステップS14において、操作者が入力を行う押圧力を維持しようとしている時点Arにおける押圧荷重Prが決定されたら、次に、制御部20は、押圧荷重Pr'が決定されたか否かを判定する(ステップS21)。

    ステップS21において、押圧荷重Pr'が決定されない場合は待ち状態となる。 一方、ステップS21において押圧荷重Pr'が決定された場合、制御部20は、ステップ15以降の処理を続行する。 すなわち、ステップS21において、押圧荷重Pr'が決定されたら、制御部20は、押圧荷重Pr'に所定の加算幅の値を加えたものを、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準P2'として設定する(ステップS15)。 以降の処理は、図3のフローチャートにて説明したものと同様になるため、説明を省略する。

    このように、本実施の形態によれば、押圧力を再び増大させる時点Ar'における押圧荷重Pr'に基づいて、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準A2'を設定する。 このため、例えば図5(A)に示すように、操作者が押圧力の維持を開始したArの時点から意図せずに押圧力を徐々に弱めてしまった場合でも、再び押圧力の増大を開始したAr'の時点の押圧荷重Pr'に本来の加算幅を付加して第2の荷重基準P2'とする。 また、例えば図5(B)に示すように、操作者が押圧力の維持を開始したArの時点から意図せずに押圧力を徐々に強まってしまった場合でも、再び押圧力の増大を開始したAr'の時点の押圧荷重Pr'に本来の加算幅を付加して第2の荷重基準P2'とする。 そのため、これらのどちらの場合であっても、操作者がArの時点から維持しているつもりでも実際には変動してしまった押圧力に基づいて、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準P2'が設定される。 したがって、操作者は、自らの押圧力が意図せずに変動してしまった場合でも、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準が操作者の予測に反して重く(または軽く)感じられることはなくなり、違和感のない操作を行うことができる。

    (第5実施の形態)
    次に、本発明の第5実施の形態に係る入力装置について説明する。 第5実施の形態に係る入力装置は、第4実施の形態で説明した入力装置10と同じ構成により実施することができ、制御部20(および荷重変化率算出部22)の動作が異なるものである。 したがって、上述した第4実施の形態と同じ説明は適宜省略する。

    本発明の第5実施の形態は、上述した第4実施の形態と同様に、操作者が押圧力を再び増大させる時点Ar'における押圧荷重Pr'に基づいて、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準A2'を設定する。 第5実施の形態では、上述の第4実施の形態における押圧荷重Pr'の決定の仕方を変更する。 ここで、本実施の形態において押圧荷重Pr'の決定の仕方を変更するに際しては、上述した第2実施の形態で第1実施の形態における押圧荷重Prの決定の仕方を変更したのと同様の手法により行う。

    第5実施の形態に係る入力装置10において、荷重変化率算出部22は、荷重検出部40が検出する押圧荷重の時間的な変化率を算出することは、第4実施の形態と同じである。 第5実施の形態においては、荷重変化率算出部22はさらに、荷重検出部40が押圧荷重を検出してから第1の荷重基準を満たす押圧荷重を検出するまでの間における押圧荷重の平均変化率を算出する。 すなわち、荷重変化率算出部22は、図5において、操作者の押圧入力による押圧荷重P0を荷重検出部40が検出した時点A0から、操作者が入力する押圧力を増大させて押圧荷重が第1の荷重基準P1に達した時点A1までの押圧荷重の平均変化率を算出する。 以上の処理が、図6におけるステップS11において行われる。

    この後、図6のステップS12における報知情報の発生により、操作者は、ステップS13における第1段階の入力受付処理が行われることが認識できるため、入力を行う押圧力を維持しようとする(つまり押圧力の増大を抑制する)。

    第5実施の形態では、このように、荷重検出部40が第1の荷重基準を満たす押圧荷重P1を検出した後(つまりA1の後)、荷重変化率算出部22は、所定期間の変化率を算出する。 この「所定期間」とは、荷重変化率算出部22が押圧力の時間的な変化率を算出するのに好適な、例えば0.1秒間隔などの期間を適当に規定する。 操作者が入力を行う押圧力を維持しようとする時点Ar付近においては、荷重変化率算出部22が算出する上述の所定期間における押圧荷重の変化率は、A0の時点からA1の時点までの押圧荷重の平均変化率に比べて、一旦急激に減少する。

    したがって、本実施の形態では、ステップS14において、制御部20は、荷重変化率算出部22が算出した上述の所定期間における押圧荷重の変化率が、第1の所定値以下まで減少したか否かを判定する。 すなわち、本実施の形態では、ステップS14において、図5に示すA1の時点以降のグラフの傾きが第1の所定値以下まで大きく減少した時点Arを決定する。 ここで、押圧荷重の変化率が第1の所定値以下に減少する場合の「第1の所定値」とは、第1実施の形態で説明した「所定値」と同様の技術的思想に基づいて、例えばゼロに近い小さな値などにして、操作者が入力の押圧力の増大を抑制して押圧力を維持している時点Arを特定できるようにする。

    ステップS14にて押圧荷重Prが検出される時点Arが決定されたら、制御部20は、荷重変化率算出部40が算出する所定期間の変化率がその後増大する時点Ar'の押圧荷重Pr'を決定する(ステップS21)。 本実施の形態では、このAr'の時点の決定の際、制御部20は、上述した所定期間における押圧荷重の変化率と、荷重変化率算出部22が算出した上述の平均変化率とを比較する。 この比較の結果、制御部20は、上記所定期間における押圧荷重の変化率と、上記平均変化率との差が第2の所定値以内となった際の押圧荷重を、押圧荷重Pr'として決定する。 すなわち、本実施の形態では、図5において、Arの時点以後の所定期間における曲線の接線の傾きが増大して、A0の時点からA1の時点までのグラフの平均の傾きと比べて、両者の差が第2の所定値以内となった時点Ar'における押圧荷重を押圧荷重Pr'として決定する。 つまり、Arの時点以後の所定期間における曲線の接線の傾きが増大して、A0の時点からA1の時点までのグラフの平均の傾きと例えばほぼ同じになった時点Ar'における押圧荷重を、押圧荷重Pr'として決定する。

    なお、本実施の形態において「第2の所定値」とは、例えばゼロに近い小さな値などにして、A0の時点からA1の時点までの押圧荷重の平均変化率と、Arの時点以後の所定期間における変化率とがほぼ同じになった時点をAr'として決定できるようにする。

    このように、本実施の形態においても、操作者が入力の押圧力を維持していると想定される時点Ar'における押圧荷重Pr'の決定を適切に行うため、上述した第4実施の形態と同様の効果を得ることができる。

    (第6実施の形態)
    次に、本発明の第6実施の形態に係る入力装置について説明する。 第6実施の形態に係る入力装置は、第4および第5実施の形態で説明した入力装置10と同じ構成により実施することができ、制御部20(および荷重変化率算出部22)の動作が異なるものである。 したがって、上述した第4および第5実施の形態と同じ説明は適宜省略する。

    本発明の第6実施の形態は、上述した第4および第5実施の形態と同様に、操作者が押圧力を再び増大させる時点Ar'における押圧荷重Pr'に基づいて、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準A2'を設定する。 第6実施の形態でも、上述の第4実施の形態における押圧荷重Pr'の決定の仕方を変更する。 ここで、本実施の形態において押圧荷重Pr'の決定の仕方を変更するに際しては、上述した第3実施の形態で第1実施の形態における押圧荷重Prの決定の仕方を変更したのと同様の手法により行う。

    第6実施の形態に係る入力装置10においては、荷重変化率算出部22は、荷重検出部40が検出する押圧荷重の時間的な変化率を所定期間毎に算出する。 この「所定期間」は、第3実施の形態で説明した「所定の期間」と同様に、操作者の入力による押圧荷重が大きく変化した場合に、直前の所定期間と比較して当該変化を検出できるような、例えば0.2秒間隔などの期間を適当に規定する。

    第6実施の形態では、図6のステップS11において、荷重検出部40が第1の荷重基準を満たす押圧荷重P1を検出した後(つまりA1の後)、荷重変化率算出部22は、所定期間毎の変化率を算出する。 操作者が入力を行う押圧力を維持しようとする時点Ar付近においては、荷重変化率算出部22が算出する上述の所定期間における押圧荷重の変化率は、その直前の所定期間における押圧荷重の変化率に比べて、一旦急激に減少する。

    したがって、本実施の形態でも、第5実施の形態と同様に、ステップS14において、制御部20は、荷重変化率算出部22が算出した上述の所定期間における押圧荷重の変化率が、第1の所定値以下まで減少したか否かを判定する。 すなわち、ステップS14において、図5に示すA1の時点以降のグラフの傾きが第1の所定値以下まで大きく減少した時点Arを決定する。 ここで、上記「第1の所定値」とは、第5実施の形態と同様に、例えばゼロに近い小さな値などにして、操作者が入力の押圧力の増大を抑制して押圧力を維持している時点Arを特定できるようにする。

    ステップS14にて押圧荷重Prが検出される時点Arが決定されたら、制御部20は、荷重変化率算出部22が算出する第1の所定期間における押圧荷重の変化率と、当該第1の所定期間の直前の第2の所定期間における押圧荷重の変化率とを比較する。 この比較の結果、制御部20は、第1の所定期間の変化率が、第2の所定期間に比べて第2の所定値以上増大した際の押圧荷重を、押圧荷重Pr'として決定する(ステップS21)。 すなわち、本実施の形態では、図5において、A1の時点以降の所定期間における曲線の接線の傾きが、その直前の所定期間における曲線の接線の傾きと比べて、第2の所定値を超えて大きく増大した時点Ar'における押圧荷重を押圧荷重Pr'として決定する。

    なお、この本実施の形態における「第2の所定値」は、あまり僅少な値を設定すると、わずかな押圧荷重の変化により、その時点がAr'として扱われて、その時点における押圧荷重が押圧荷重Pr'として決定されてしまう。 この場合、操作者が入力を行う押圧力を維持しようとしているにもかかわらず、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準A2'が勝手に設定されてしまう。 したがって、この「第2の所定値」は、ある程度の大きさを持つようにして、あまり僅少な値は設定しないようにする。

    このように、本実施の形態においても、操作者が入力の押圧力を維持していると想定される時点Ar'における押圧荷重Pr'の決定を適切に行うため、上述した第4および第5実施の形態と同様の効果を得ることができる。

    (第7実施の形態)
    次に、本発明の第7実施の形態に係る入力装置について説明する。 第7実施の形態に係る入力装置は、第4〜第6実施の形態で説明した入力装置10と同じ構成により実施することができ、制御部20(および荷重変化率算出部22)の動作が異なるものである。 したがって、上述した第4〜第6実施の形態と同じ説明は適宜省略する。

    上述した第4〜第6実施の形態では、操作者が押圧力の維持を開始したArの時点から意図せずに押圧力を徐々に弱めてしまった場合でも、再び押圧力の増大を開始したAr'の時点の押圧荷重Pr'に本来の加算幅を付加して第2の荷重基準P2'を設定した。 しかしながら、押圧力の維持を開始したArの時点から、操作者が意図せずに押圧力をかなり弱めてしまった場合、この時点Ar'の押圧荷重Pr'に本来の加算幅を付加して第2の荷重基準P2'を設定すると、この荷重基準P2'も非常に小さな値となる。 このように、第1の入力が受け付けられた後で、第2の入力を受け付ける第2の荷重基準P2'があまりにも低い押圧荷重の値になると、操作者が入力を行う押圧力の微妙なブレなどにより、意図せずに第2の入力が受け付けられてしまう恐れもある。

    したがって、第7実施の形態では、図7に示すように、押圧力の増大が開始されたAr'の時点の押圧荷重Pr'があまりにも小さな値の場合、本来の加算幅に演算を加えて大きくしたものを第2の荷重基準P2''とする。 具体的には、Ar'の時点における押圧荷重Pr'に所定の加算幅を付加した押圧荷重P2'が第1の荷重基準P1を下回ってしまう場合、制御部20は、この加算幅が第1の荷重基準P1を超えるように加算幅を増大したものを第2の荷重基準P2''とする。

    このように、本実施の形態によれば、第1の入力が受け付けられた後で、操作者が押圧力をかなり弱めてしまった場合でも、操作者が入力を行う押圧力の微妙なブレなどにより、意図せずに第2の入力が受け付けられてしまうことはなくなる。 なお、この第7実施の形態において、Arの時点の後に、押圧荷重があまりにも減少してしまった場合には、もはや「半押し」として扱うことが適切でない場合もあり得る。 このような場合のために、一旦第1段階の入力がなされた後で、押圧荷重が例えばゼロに近いような小さな値になってしまった際は、一度受け付けた第1段階の入力がリセットされるような、下限の閾値を設定するのが望ましい。

    上述したような、操作者による押圧入力の押圧荷重に応じて入力を複数段階で受け付ける入力装置は、カメラのシャッター以外にも、種々の他の用途を想定することができる。 例えば、給湯器や給器などにおいて、給湯や給水の量を調整するスイッチとして、このような入力装置を用いることもできる。 すなわち、このような入力装置を給湯ボタンや給水ボタンとして用いれば、操作者がボタンを押圧する押圧荷重に応じて、供給される湯や水の量を調整することができる。 したがって、軽い押圧力による入力に対しては少量の湯や水が供給され、押圧力を増した入力に対しては湯や水の供給が増大するようにできる。

    その他、入力装置に対する押圧荷重に応じて、ライトの光の量を調整したり、モータの動力を調整したりするなどの各種動作を割り当てることも考えられる。

    また、例えばマウスなどの入力デバイスのボタンなどに、押圧荷重に応じて複数段階の入力を受け付ける入力装置を適用することもできる。 この場合、ボタンの「半押し」に対してはシングルクリックに対応する動作を、また「全押し」に対してはダブルクリックに対応する動作を割り当てることなどが考えられる。

    このように、押圧荷重に応じて複数段階の入力を受け付ける入力装置は、特に、押圧力に応じて何かの量などを調整する処理を行う場合や、押圧力に応じた段階的な処理を割り当てる場合の入力装置に用いるのに好適である。

    なお、本発明は、上述した各実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変更または変形が可能である。 例えば、上述した各実施の形態においては、各段階の入力が受け付けられた場合には、振動部50が振動することにより、操作者に報知情報を報知した。 しかしながら、この報知情報は、必ずしも振動である必要はなく、入力装置10に入力が正常に受け付けられたことを操作者に認識させる情報であれば、任意の形態の情報とすることができる。

    したがって、本発明に係る入力装置は報知情報発生部を備え、この報知情報発生部は、音、振動、表示のうち少なくとも1つを用いた報知情報を発生することにより、入力が正常に受け付けられたことを操作者に認識させる。 具体的には、制御部20が、荷重検出部40により検出される押圧荷重が第1の荷重基準を満たした際に、報知情報発生部が前記報知情報を発生するように制御する。 第2の荷重基準が満たされた際の報知情報についても同様である。 この報知情報発生部は、振動部50の他、例えば音声出力部70から所定の音などを出力したり、表示部32または他のディスプレイなどの表示部に視覚的に認識できるような表示を表示することにより、操作者に報知情報を報知することができる。 なお、上述したように、第1段階の入力を受け付けた際の報知情報と、第2段階の入力を受け付けた際の報知情報とを異なる態様の振動にすれば、操作者は入力の段階を容易に区別することができる。

    また、上述の各実施の形態において、第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準P1は予め定めた固定値とすることを想定して説明したが、この第1の荷重基準P1も可変にすることもできる。 この場合、例えば、制御部20は、操作者が荷重検出部40に対して日常的に押圧入力を行う際の押圧荷重の履歴を記憶部60に蓄積しておき、この押圧荷重の履歴に基づいて、第1段階の入力を受け付ける第1の荷重基準P1を設定することも考えられる。 また、この第1の荷重基準P1の値は、予め設定するだけでなく、必要に応じて、操作者が適宜変更または調整できるようにするのが望ましい。 このようにすれば、操作中に、操作者が第1の荷重基準P1の設定について違和感を持った場合、自然な操作ができるように、その場で適宜設定を変更することができる。

    なお、上述の説明では、荷重基準の値を「押圧荷重の閾値」に見立て、荷重基準の値に達した場合に「荷重基準を満たす」と判定する態様について説明した。 しかしながら、「荷重基準を満たす」と判定できる態様はこれに限定されるものではなく、いくつもの態様を含むことが想定できる。 例えば、入力装置10に対する操作者の押圧入力による押圧荷重が上記荷重基準の値を超えた場合に「荷重基準を満たす」と判定することもできる。 また、上記荷重基準の値を示す押圧荷重が荷重検出部40によって検出された場合に「荷重基準を満たす」と判定することもできる。

    また、上述の説明において、例えば、所定値「以上」または所定値「以下」のような表現の技術的思想が意味する内容は必ずしも厳密な意味ではなく、入力装置の仕様に応じて、基準となる値を含む場合または含まない場合の意味を包含するものとする。 例えば、所定値「以上」とは、増大する値が所定値に達した場合のみならず、所定値を超えた場合も含意し得るものとする。 また、例えば所定値「以下」とは、減少する値が所定値に達した場合のみならず、所定値を下回った場合、つまり所定値未満になった場合も含意し得るものとする。

    このように、本実施の形態では、第1段階の入力を受け付けるたびに(毎に)、第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準P2を新たに設定する。 つまり、新たな第1段階の入力を受け付ける前であって、荷重検出部により検出される押圧荷重が第2段階の入力を受け付ける第2の荷重基準P2を満たした際に、第2段階の入力を受け付けるようにする。 これにより、以前操作した際に第2段階の入力を受け付けた第2の荷重基準P2の設定が保持されることがないため、操作者が一気に押圧力を加えた場合であっても、第2段階の入力まで受け付けられてしまうという誤操作(操作者の意図しない操作)はなくなる。

    10 入力装置 20 制御部 22 荷重変化率算出部 30 タッチパネル 32 表示部 34 入力部 40 荷重検出部 50 振動部 60 記憶部

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