【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、静電容量センサーに関するものであり、特に、レジストに被覆された電極を導電ラバーで圧接することにより該導電ラバーの静電容量を変化させ、該静電容量の変化によって出力を変化させるように構成された静電容量センサーに関するものである。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の此種静電容量センサーを図4乃至図7に従って説明する。 図4に於て1はスイッチ装置であり、該スイッチ装置1は基板2上に一対の第1電極3,3が設けられ、該第1電極3,3の外周側方に離間して平面視C字型の第2電極4が配設されている。 そして、該第1電極3,3 と第2電極4はレジスト5で被覆され、該レジスト5の上面であって、且つ、前記第1電極3,3の上方に一対のカーボン電極6,6が設けられている。 【0003】更に、前記第1電極3,3及び前記第2電極4の上方に対峙してクリックラバー7が設けられる。 該クリックラバー7は略円筒体状本体8の下端外周部に下方に延長する可撓脚9を備え、且つ、該円筒状本体8 の下端中央部には略円板状の導電ラバー10が設けられている。 そして、該導電ラバー10と前記第1電極3, 3及び前記第2電極4とによって静電容量センサー13 が構成される。 更に、前記クリックラバー7の上面にボタン11が載置され、前記クリックラバー7の可撓脚9 の足部9aを上方から押圧する形で該クリックラバー7 の上部及び前記第1電極3,3及び前記第2電極4を被蔽する上カバー12が設けられ、該上カバー12の上部に開穿された開口部12aから前記ボタン11の上部が突出している。 【0004】図5は前記第1電極3,3及び前記第2電極4の詳細を示し、C字形状の該第2電極4の中央部に該第1電極3,3が離間して設けられ、該第1電極3, 3の上方に前記レジスト5を介して前記カーボン電極6,6が載置され、該カーボン電極6,6に夫々リード線14,14が接続されており、該リード線14,14 のうち1つのリード線14の他端はアースされている。 又、前記第2電極4にリード線15が接続されている。 尚、図に示す2点鎖線は前記導電ラバー10が接触する範囲を示している。 【0005】図6は前記スイッチ装置1の回路16を示し、該回路16はクロック電源17から延びる2つの回線に夫々抵抗18,19が接続され、該抵抗18,19 は夫々ENORゲート20の2つの入力端子に接続されている。 そして、該抵抗18と該ENORゲート20間に前記静電容量センサー13の一端が接続され、該静電容量センサー13はコンデンサ21とスイッチ22が直列に接続されて構成され、該静電容量センサー13の他端はアースされている。 【0006】尚、前記コンデンサ21は前記導電ラバー10と前記第1電極3,3及び前記第2電極4によって構成される回路に相当し、前記スイッチ22は前記導電ラバー10と前記カーボン電極6,6によって構成される回路に相当する。 【0007】而して、前記ボタン11を押下すると前記クリックラバー7の前記可撓脚9が屈曲し、該クリックラバー7の導電ラバー10が前記カーボン電極6,6に接触して該カーボン電極6,6間が導通し、更に、前記ボタン11の押下を続行すると該導電ラバー10が前記レジスト5を介して前記第1電極3,3及び前記第2電極4に圧接され、該圧接によって該導電ラバー10内の静電容量が変化し、該導電ラバー10からの出力も変化する。 【0008】即ち、前記回路16に於て前記スイッチ2 2が入った後、前記コンデンサ21の静電容量が変化することにより、前記ENORゲート20の出力が変化する。 【0009】図7は前記静電容量センサー13の押し圧と出力の関係を示すグラフであり、実線で示す如く押し圧の上昇に対して出力も略比例して上昇する。 【0010】然しながら、図7に於て、点線で示す如く前記出力にはバラツキがあり、該バラツキは前記静電容量センサー13の出力の不安定化を招き、静電容量センサー13としての信頼性を損なう虞がある。 【0011】そこで、静電容量センサーの出力のバラツキを低減し、出力の安定化を図るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、レジストに被覆された電極を導電ラバーで圧接することにより該導電ラバーの静電容量を変化させ、該静電容量の変化によって出力を変化させるように構成された静電容量センサーに於て、前記導電ラバーの圧接方向に直交する断面積が圧接面に於て最小となるように構成した静電容量センサー、 及び、上記導電ラバーは圧接部が逆截頭円錐形状に形成されている静電容量センサー、及び、上記導電ラバーは圧接部端面が面取りされている静電容量センサー、並びに、上記導電ラバーは圧接部が半球状に形成されている静電容量センサーを提供するものである。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図1乃至図3に従って詳述する。 尚、説明の都合上、従来例と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。 図1に於いて、23はスイッチ装置であり、従来例のスイッチ装置(図4に於て1)の導電ラバー(図4に於て10)に代えて導電ラバー24を設けたものであり、該導電ラバー24と、第1電極3,3及び前記第2電極4とにより、静電容量センサー25が構成される。 そして、該導電ラバー24は該導電ラバー24 の圧接方向に直交する断面積が圧接面24aに於て最小となるように形成されている。 具体的には、図に示すように前記導電ラバー24の圧接部が逆截頭円錐形状に形成されている。 【0014】而して、ボタン11を押下すると前記導電ラバー24を備えたクリックラバー26の可撓脚9が屈曲し、該導電ラバー24がカーボン電極6,6に接触して該カーボン電極6,6間を導通させ、更に、前記ボタン11を押下すると該導電ラバー24がレジスト5を介して前記第1電極3,3及び前記第2電極4に圧接され、該圧接によって該導電ラバー24内の静電容量が変化し、該導電ラバー24の出力も変化する。 【0015】図2は前記静電容量センサー25の押し圧と出力の関係を示すグラフであり、実線で示す如く押し圧の上昇に対して出力も略比例して上昇するが、従来例に比較して該出力の上昇がやや緩慢となり、且つ、図中点線で示す如く該出力のバラツキは比較的少ないものとなる。 【0016】斯くして、前記静電容量センサー25は出力のバラツキが低減され、出力の安定化を図ることができる。 【0017】図3(a)に於て、27は導電ラバーであり、該導電ラバー27は圧接部端面が面取り27aされている。 該導電ラバー27によっても前記導電ラバー2 4と同様の効果が期待できる。 【0018】図3(b)に於て、28は導電ラバーであり、該導電ラバー28は圧接部が半球状に形成されている。 該導電ラバー28によっても前記導電ラバー24と同様の効果が期待できる。 【0019】尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。 【0020】 【発明の効果】本発明は上記一実施の形態に詳述したように、請求項1記載の発明はレジストに被覆された電極を導電ラバーで圧接することにより該導電ラバーの静電容量を変化させ、該静電容量の変化によって出力を変化させるように構成された静電容量センサーに於て、前記導電ラバーの圧接方向に直交する断面積が圧接面に於て最小となるように構成したから、該導電ラバーの構成により、静電容量センサーの出力のバラツキを低減し、出力の安定化を図ることができる。 【0021】又、請求項2記載の発明は上記導電ラバーの圧接部が逆截頭円錐形状に形成されているので請求項1記載の発明と同様の効果が期待できる。 【0022】更に、請求項3記載の発明は上記導電ラバーの圧接部端面が面取りされているから、請求項1記載の発明と同様の効果が期待できる。 【0023】更に又、請求項4記載の発明は上記導電ラバーの圧接部が半球状に形成されているので請求項1記載の発明と同様の効果が期待できる等、正に著大なる効果を奏する発明である。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施の形態を示し、スイッチ装置の縦断図。 【図2】静電容量センサーの押し圧と出力の関係を示すグラフ。 【図3】(a)本発明の他の実施の形態を示し、圧接部端面が面取りされている導電ラバーの縦断面図。 (b)本発明の更に他の実施の形態を示し、圧接部が半球状に形成されている導電ラバーの縦断面図。 【図4】従来例を示し、スイッチ装置の縦断図。 【図5】(a)従来例を示し、第1電極及び第2電極の平面図。 (b)従来例を示し、第1電極及び第2電極の縦断面図。 【図6】従来例を示し、スイッチ装置の回路図。 【図7】従来例を示し、静電容量センサーの押し圧と出力の関係を示すグラフ。 【符号の説明】 3 第1電極 4 第2電極 5 レジスト 24,27,28 導電ラバー 24a 圧接面 25 静電容量センサー |