【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明はゲーム用コントローラ入力装置に関するものであり、特に、小形で且つ、 簡単なトリガボタン状スイッチによってデジタル出力及びアナログ出力を合わせて出力可能にしたゲーム用コントローラ入力装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の此種ゲーム用コントローラ入力装置を図5に従って説明する。 図に於いて1はゲーム用コントローラ入力装置であり、該ゲーム用コントローラ入力装置1は一対の電極2及び3を固着された基板4と、 該基板4上に固設された後述するクリックラバー5と、 該クリックラバー5上に載置されたボタン6と、該クリックラバー5及び該ボタン6をカバーするケース7とから成る。 該ケース7は略逆有底円筒形状を有し、上端部に開口部7aが開穿されている。 又、前記クリックラバー5は弾性体から成り、略円柱形状に形成された円柱状本体5aと、該円柱状本体5aの下方斜めに延長する延長部5bと、該延長部5bの下端に配設された脚部5c とから形成され、前記円柱状本体5aの下端部には導電体5dが固着されている。 【0003】更に、該脚部5cは前記基板4に固設されていると共に前記ケース7の下端部を支持している。 又、前記ボタン6は前記開口部7aより小径に形成された円筒状の上部小径部6aと、前記開口部7aより大径に形成された円筒状の下部大径部6bからなり、該上部小径部6aは前記ケース7に設けられた前記開口部7a を貫通し、且つ、該ケース7の上部に突設して配設され、前記下部大径部6bは前記ケース7の上端部の内側に配設され、前記クリックラバー5により上方向に付勢されている。 【0004】而して、前記ボタン6を下方に押下すると、該ボタン6に押されて前記クリックラバー5の前記延長部5bが変形して該クリックラバー5の前記円柱状本体5aが下方に移動し、更に前記ボタン6を下方に押下すると該延長部5bが瞬間的に大きく変形して前記円柱状本体5aの下端部に固着された前記導電体5dが前記電極2及び3と接触して該電極2と電極3とを導通させる。 尚、前記延長部5bが瞬間的に大きく変形したとき前記ボタン6操作者はクリック感を体感することができ、該クリック感により該ボタン6操作者は前記電極2 と電極3とが導通したことを確認することができる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記従来例のゲーム用コントローラ入力装置は、ボタンを下方に押下すると、 該ボタンに押されて該ボタンの下方に位置するクリックラバーが変形し、該クリックラバーの円柱状本体が下方に移動すると共に、該円柱状本体に固着した導電体が基板上に設けられた一対の電極を導通させるが、このゲーム用コントローラ入力装置は該電極の「ON」,「 OFF」 の切替機能のみしか有していないため、ゲーム用コントローラ入力装置として機能的に不充分であった。 【0006】そこで、ボタン式ゲーム用コントローラ入力装置に於いて、ボタン操作により「ON」,「 OFF」操作を行うと共に、該ボタンの押下操作に応じたアナログ出力を発生させることができるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、ボタンの押下動作により変形するクリックラバーをケース内に備え、該クリックラバーの変形移動により基板上の電極を導通させるように構成されたゲーム用コントローラ入力装置に於いて、前記基板上の一方の電極を被包するレジストを設け、該レジスト上に他方の電極が固着され、且つ、カーボン入りシリコーンラバーから成る静電容量式のシリコーンラバーセンサーを配設し、前記ボタンの押下操作により前記クリックラバーを変形移動させ、且つ、該シリコーンラバーセンサーを前記レジストと共に押圧することにより、前記電極間に前記ボタンの押下操作に応じたアナログ出力を発生させるように構成したゲーム用コントローラ入力装置を提供するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図1乃至図4に従って詳述する。 図1乃至図3は請求項1 記載の発明を示す。 図1に於いて11はゲーム用コントローラ入力装置であり、該ゲーム用コントローラ入力装置11は一方の電極12を固着された基板13と、該基板13上に固着され、且つ、前記電極12を被包するレジスト14と、該レジスト14上に設けられると共に、 他方の電極15が固着され、且つ、カーボン入りシリコーンラバーから成る静電容量式のシリコーンラバーセンサー16と、該シリコーンラバーセンサー16上に離間して配設され、且つ、弾性体から成るクリックラバー1 7と、該クリックラバー17上に載置されるボタン18 と、前記シリコーンラバーセンサー16及び前記クリックラバー17並びに前記ボタン18をカバーするケース19とから成る。 【0009】前記シリコーンラバーセンサー16は逆有底円筒形状に形成され下端部に鍔部16aを有し、該鍔部16aに電極15が設けられている。 又、前記クリックラバー17は略円柱形状をした円柱状本体17aと、 該円柱状本体17aの下方斜めに延長する延長部17b と、該延長部17bの下端に配設される脚部17cとから形成されている。 そして、該脚部17cは前記基板1 3上に固設されていると共に前記ケース19の下端部1 9aを支持している。 更に、前記ボタン18は円筒状の上部小径部18aと円筒状の下部大径部18bとから成る。 又、前記ケース19は略逆有底円筒形状を有し、上端部に開口部19bが開穿されている。 尚、該開口部1 9bは前記ボタン18の前記上部小径部18aよりも大径であり、且つ、前記下部大径部18bより小径に形成されている。 そして、前記上部小径部18aは前記開口部19bを貫通して前記ケース19の上部に突出しており、前記下部大径部18bは前記ケース19の上端部の内側に位置し、前記クリックラバー17によって上方に付勢されている。 【0010】而して、前記ボタン18を下方に押下すると、該ボタン18に押され、前記クリックラバー17の前記延長部17bが変形して前記クリックラバー17の前記円柱状本体17aが下方に移動し、更に、前記ボタン18を下方に押下すると図2に示す如く、該延長部1 7bが瞬間的に大きく変形し、該円柱状本体17aの下端部17dが前記シリコーンラバーセンサー16に当接し、該シリコーンラバーセンサー16及び前記レジスト14を下方に押圧する。 この時点から該シリコーンラバーセンサー16及びレジスト14は静電容量式のコンデンサと同様に作用し、前記電極12と前記電極15との間に出力を発生する。 前記シリコーンラバーセンサー1 6が更に押圧されると、前記出力は該押圧力に略比例して増大する。 【0011】図3は前記ボタン18の変位量Sと、前記ボタン18操作者の体感荷重Pと、前記電極12及び1 5間の出力Vとの関係を示し、前記ボタン18を押下してその変位量Sが変位量0からS1に変化すると該変位量Sに略比例して体感荷重Pも体感荷重0からP1に変化する。 然し乍ら、該変位量Sが変位量S1からS2に変化すると、前記体感荷重Pは体感荷重P1からP2に急激に減少する。 これは、前記クリックラバー17の延長部17bが大きく変形したことに起因するものである。 そして、変位量Sが変位量S2から更に増大すると、該変位量Sの増加に略比例して前記体感荷重Pは体感荷重P2から更に増大する。 【0012】そして、変位量S2の時点で前記電極12 及び15に出力V1の出力Vが発生する。 更に、前記変位量Sの増加に略比例して該出力Vは出力V1から更に増大する。 該出力Vにより前記電極12及び15はデジタル出力としての「ON」出力と、前記ボタン18の押下操作に対応したアナログ出力とを発生することになる。 【0013】図4は請求項2記載の発明を示す。 図に於いて20はゲーム用コントローラ入力装置であり、該ゲーム用コントローラ入力装置20は上記ゲーム用コントローラ入力装置11の上記レジスト14及び上記シリコーンラバーセンサー16に代えて圧電センサー21を上記クリックラバー17の下方に配設するものであり、該圧電センサー21には一対の上記電極12及び15が固着されている。 この構成に於いて上記ボタン18を押下すると前記クリックラバー17が変形し、該クリックラバー17が前記圧電センサー21を押圧して、該圧電センサー21の前記電極12及び15に出力を発生させる。 そして、該圧電センサー21が更に押圧されると該押圧力に応じて該電極12及び15の出力も増大する。 従って、前記圧電センサー21を用いた場合に於いてもデジタル出力としての「ON」出力と、前記ボタン18の押下操作に対応したアナログ出力とを発生させることができる。 【0014】尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。 【0015】 【発明の効果】本発明は上記一実施の形態に詳述したように、請求項1記載の発明はボタン式のゲーム用コントローラ入力装置に於いて、基板上の一方の電極を被包するレジストを設け、該レジスト上に他方の電極が固着され、且つ、カーボン入りシリコーンラバーから成る静電容量式のシリコーンラバーセンサーを配設したから、ボタンの押下操作により前記クリックラバーを変形移動させ、且つ、該シリコーンラバーセンサーを前記レジストと共に押圧することにより、前記電極間に前記ボタンの押下操作に応じた出力を発生させることができる。 【0016】又、請求項2記載の発明は、上記請求項1 記載の発明の前記レジストと前記シリコーンラバーセンサーに代えて一対の前記電極を固着された圧電センサーを設けたので、前記ボタンの押下操作により前記クリックラバーを変形移動させ、且つ、該圧電センサーを押圧することにより前記電極間に前記ボタンの押圧力に応じた出力を発生させることができる。 【0017】斯くして、本発明はボタン式ゲーム用コントローラ入力装置に於いて、ボタン操作により「ON」, 「 OFF」操作を行うと共に、該ボタンの押下操作に応じてアナログ出力を発生させることができる等、正に著大なる効果を奏する発明である。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施の形態を示し、ゲーム用コントローラ入力装置の縦断面図。 【図2】本発明の一実施の形態を示し、ボタンが押下されてクリックラバーが大きく変形した状態を示すゲーム用コントローラ入力装置の縦断面図。 【図3】ボタンの変位量と、ボタン操作者の体感荷重と、電極の出力との関係を示すグラフ。 【図4】本発明の他の実施の形態を示し、ゲーム用コントローラ入力装置の縦断面図。 【図5】従来例を示し、ゲーム用コントローラ入力装置の縦断面図。 【符号の説明】 11,20 ゲーム用コントローラ入力装置 12,15 電極 13 基板 14 レジスト 16 シリコーンラバーセンサー 17 クリックラバー 18 ボタン 19 ケース 21 圧電センサー |