Force-detecting device

申请号 JP35264599 申请日 1999-12-13 公开(公告)号 JP2001165790A 公开(公告)日 2001-06-22
申请人 Nitta Ind Corp; Wacoh Corp; ニッタ株式会社; 株式会社ワコー; 发明人 OKADA KAZUHIRO; TANIGUCHI NOBUMITSU; MORIMOTO HIDEO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a force-detecting device with a function as a push button switch. SOLUTION: A middle displacement plate 120 made of a metal plate is arranged on a printed circuit board 110 with electrode patterns E1-E7, and a strain-generating body 130 made of silicon rubber is placed on it before being fixed by a mounting tool 140. When a displacement part 133 is pressed down, a connection part 130 is deflected, an electrode F0 comes into contact with the electrodes E1 and E2 for conducting electricity, and a push button switch is turned on. When the displacement part 133 is further pressed down, an elastic deformation part 134 is elastically deformed for collapsing, and the middle displacement plate 120 is pressed down. The capacitance value of capacity elements C1-C7 that are composed of the electrodes E3-E7 and the middle displacement plate 120 is changed according to the way how the middle displacement plate 120 is pressed down. By detecting the change, each axial component of three-dimensional axes of applied force can be detected.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 XYZ三次元座標系を定義したときに、
    上面がXY平面に含まれる位置に配置された基板と、 前記基板の上方に位置し外部からの力を受けて変位する変位部と、前記基板に固定された固定部と、前記変位部と前記固定部とを接続する接続部と、を有し、前記基板上面に取り付けられた作用体と、 前記変位部の下面に形成され、弾性変形する性質をもった弾性変形体と、 前記弾性変形体の下面に形成されたスイッチ用変位電極と、 前記基板の前記スイッチ用変位電極に対向する位置に形成されたスイッチ用固定電極と、 前記変位部の変位に起因して静電容量値が変化するように構成された容量素子と、 を備え、 前記接続部は可撓性を有しており、前記変位部に力が作用したときに、前記接続部が撓みを生じることにより、
    前記変位部が前記基板に対して変位を生じ、 前記変位部に力が作用していない場合には、前記スイッチ用変位電極と前記スイッチ用固定電極とが非接触な状態を保ち、前記座標系におけるZ軸方向を向いた所定量の力が前記変位部に作用した場合には、前記スイッチ用変位電極と前記スイッチ用固定電極とが接触状態となり、 前記Z軸方向を向いた更に大きな力が前記変位部に作用した場合には、前記弾性変形体が弾性変形を生じることにより、前記スイッチ用変位電極と前記スイッチ用固定電極とが接触状態を維持したまま、前記容量素子の静電容量値が変化するように構成され、 前記スイッチ用変位電極と前記スイッチ用固定電極とによりスイッチが構成されるようにし、両電極の接触状態を電気的に検出することにより、スイッチの状態を認識できるようにし、前記容量素子の静電容量値の変化を電気的に検出することにより、作用した力の所定方向成分の大きさを認識できるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項2】 請求項1に記載の力検出装置において、 椀状形態部を有する作用体を用意し、椀が伏せられた状態になるように、この作用体を基板上面に取り付け、椀の底部に相当する部分を変位部、椀の側部に相当する部分を接続部、椀の口部に相当する部分を固定部として用いることを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項3】 請求項2に記載の力検出装置において、 基板と作用体との間に中間変位板を配置し、この中間変位板の一部を変位板固定部として基板に固定し、この中間変位板の別な一部によって、変位部の変位もしくは接続部の変形によって変位が生じる変位板変位部を構成し、 基板上面に形成した容量素子用固定電極と、前記変位板変位部に形成した容量素子用変位電極と、によって容量素子を構成したことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項4】 請求項3に記載の力検出装置において、 椀状形態部を有する可撓性板状部材によって中間変位板を構成し、椀が伏せられた状態になるように、この中間変位板を基板上面に取り付け、椀の底部に相当する部分に弾性変形体を挿通するための開口窓を形成し、この開口窓の周囲の部分によって変位板変位部を構成し、椀の口部に相当する部分によって変位板固定部を構成し、変位部もしくは接続部の物理的な接触により変位板変位部が変位を生じるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項5】 請求項4に記載の力検出装置において、 中間変位板を金属材料によって構成し、この中間変位板自身を容量素子用変位電極として用いることを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項6】 請求項4に記載の力検出装置において、 中間変位板を合成樹脂材料によって構成し、その下面に形成した金属膜によって容量素子用変位電極を構成したことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項7】 請求項6に記載の力検出装置において、 中間変位板の上面に付加スイッチ用第1電極を形成し、
    変位部の下面の前記付加スイッチ用第1電極に対向する位置に付加スイッチ用第2電極を形成し、これら両電極により付加スイッチが構成されるようにし、両電極の接触状態を電気的に検出することにより、作用した力に関する付加的な情報を得ることができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項8】 請求項7に記載の力検出装置において、 変位部の中心にZ軸を定義したときに、正のX軸上方に位置する付加スイッチと、負のX軸上方に位置する付加スイッチとを設け、これら一対の付加スイッチの状態に基づいて、作用した力のX軸方向成分に関する情報を得ることができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項9】 請求項8に記載の力検出装置において、 更に、正のY軸上方に位置する付加スイッチと、負のY
    軸上方に位置する付加スイッチとを設け、これら一対の付加スイッチの状態に基づいて、作用した力のY軸方向成分に関する情報を得ることができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項10】 請求項7〜9のいずれかに記載の力検出装置において、 付加スイッチを構成する1組の対向電極のうち、一方の電極を単一の電極層により構成し、他方の電極を互いに電気的に独立した一対の電極層により構成し、前記一対の電極層間の導通状態を電気的に検出することにより、
    前記対向電極の接触状態を検出できるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項11】 請求項1または2に記載の力検出装置において、 基板上面に形成した容量素子用固定電極と、変位部の下面に形成した容量素子用変位電極と、によって容量素子を構成したことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項12】 請求項11に記載の力検出装置において、 容量素子用変位電極とスイッチ用変位電極とを導通させる配線を設けておき、 スイッチ用変位電極とスイッチ用固定電極とが接触状態となったときに、スイッチ用固定電極と容量素子用固定電極との間の静電容量値を測定することにより、容量素子の静電容量値の検出を行えるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項13】 請求項11または12に記載の力検出装置において、 変位部の中心にZ軸を定義したときに、正のX軸上方に位置する第1の容量素子と、負のX軸上方に位置する第2の容量素子とを設け、これら一対の容量素子の静電容量値の差に基づいて、作用した力のX軸方向成分の向きおよび大きさを求めることができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項14】 請求項13に記載の力検出装置において、 更に、正のY軸上方に位置する第3の容量素子と、負のY軸上方に位置する第4の容量素子とを設け、これら一対の容量素子の静電容量値の差に基づいて、作用した力のY軸方向成分の向きおよび大きさを求めることができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項15】 請求項11〜14のいずれかに記載の力検出装置において、 X軸およびY軸のいずれに関してもほぼ線対称となる形状をもった電極を有する容量素子を設け、この容量素子の静電容量値に基づいて、作用した力のZ軸方向成分の大きさを求めることができるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項16】 請求項11に記載の力検出装置において、 信号入力用容量素子および信号出力用容量素子なる2組の容量素子を設け、これら容量素子の各固定電極をそれぞれ電気的に独立した別個の電極によって構成し、これら容量素子の各変位電極を互いに電気的に導通した単一の電極によって構成し、 前記信号入力用容量素子の固定電極に周期信号を供給する周期信号供給手段と、前記信号出力用容量素子の固定電極に誘起される周期信号を検出する周期信号検出手段と、を設け、前記周期信号供給手段によって所定の大きさをもった周期信号を供給した状態において、前記周期信号検出手段によって検出される周期信号の大きさに基づいて、前記2組の容量素子の静電容量値の変化を求めるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項17】 請求項11〜16のいずれかに記載の力検出装置において、 容量素子用固定電極および容量素子用変位電極のいずれか一方または双方の表面に絶縁膜を形成したことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項18】 請求項1〜17のいずれかに記載の力検出装置において、 スイッチ用変位電極を単一の電極層により構成し、スイッチ用固定電極を互いに電気的に独立した一対の電極層により構成し、前記一対の電極層間の導通状態を電気的に検出することにより、前記スイッチ用変位電極と前記スイッチ用固定電極との接触状態を検出できるようにしたことを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかに記載の力検出装置において、 弾性変形部が、検出感度に応じた弾性係数をもつ材質から構成されていることを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項20】 請求項1〜19のいずれかに記載の力検出装置において、 弾性変形部に、検出感度に応じた溝が形成されていることを特徴とする力検出装置。
  • 【請求項21】 請求項1〜20のいずれかに記載の力検出装置において、 作用体および弾性変形部を、ゴムによって一体形成した起歪体によって構成したことを特徴とする力検出装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は検出装置に関し、
    特に、押しボタンスイッチとしての機能を併せもつ力検出装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】押しボタンスイッチは、様々な電化製品において、ON/OFF情報を入力する入力手段として利用されている。 特に、種々のリモコン、携帯電話機、
    ゲーム機器などの操作ボタンとしては、シリコンゴムを用いた安価な押しボタンスイッチが普及している。 通常、椀状形態を有するシリコンゴムを、電子基板上に伏せた状態で配置し、椀の底部を押し込むことにより基板上の電極パターンと接触させ、この接触状態を電気的に検出してON/OFF状態を認識するタイプのものが用いられている。 このようなタイプの押しボタンスイッチでは、椀状部分の高さに相当する大きなストロークが得られるとともに、椀状シリコンゴムの弾性変形に基づく特有のクリック感が得られる。 このため、操作者は、O
    N状態にあるかOFF状態にあるかを、触覚を通じて直感的に認識しやすくなり、極めて良好な操作性が得られる。

    【0003】一方、力検出装置も、操作者の操作入力を電気信号に変換する装置として利用されている。 上述の押しボタンスイッチでは、ON/OFF情報しか入力できないのに対し、力検出装置では、操作者から加えられた力の大きさとして、所定のダイナミックレンジをもった操作量を入力することができる。 また、加えられた力を各方向成分ごとに分けて検出することが可能な二次元あるいは三次元力検出装置も利用されている。 特に、2
    枚の電極によって静電容量素子を形成し、電極間隔の変化に起因する静電容量値の変化に基づいて力の検出を行う容量型力検出装置は、構造を単純化しコストダウンを図るメリットが得られるため、種々の分野で実用化されている。 たとえば、特開平4−148833号公報、特開平4−249726号公報、特開平4−299227
    号公報、特開平4−337431号公報などには、容量型の多次元力検出装置が開示されている。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】上述のように、押しボタンスイッチと力検出装置とは、これまで別々の用途に利用されてきていたが、近年、これら両方の機能を有する装置の需要が見込まれている。 たとえば、ゲーム機器の入力装置としては、ON/OFF情報の入力を行うための押しボタンスイッチと、多次元方向の操作入力を行うための力検出装置(いわゆるジョイスティック)とのそれぞれを別個独立して組み込んだ装置が利用されている。 しかしながら、操作性を向上させるためには、ON
    /OFFの操作入力とともに、加えられた力の大きさを、単一の装置で検出できた方が好ましい。

    【0005】そこで本発明は、ON/OFFの操作入力を検出する押しボタンスイッチとしての機能を備えつつ、加えられた力の所定方向成分の大きさを認識することが可能な力検出装置を提供することを目的とする。 特に、本発明は、押しボタンスイッチとしては、十分なストロークおよび良好なクリック感が得られ、かつ、コストダウンを図ることができる力検出装置を提供することを目的とする。

    【0006】

    【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の態様は、力検出装置において、XYZ三次元座標系を定義したときに、上面がXY平面に含まれる位置に配置された基板と、この基板の上方に位置し外部からの力を受けて変位する変位部と、基板に固定された固定部と、変位部と固定部とを接続する接続部と、を有し、基板上面に取り付けられた作用体と、変位部の下面に形成され、弾性変形する性質をもった弾性変形体と、弾性変形体の下面に形成されたスイッチ用変位電極と、基板のスイッチ用変位電極に対向する位置に形成されたスイッチ用固定電極と、変位部の変位に起因して静電容量値が変化するように構成された容量素子と、を設け、接続部に可撓性をもたせ、変位部に力が作用したときに、接続部が撓みを生じることにより、変位部が基板に対して変位を生じるようにし、変位部に力が作用していない場合には、スイッチ用変位電極とスイッチ用固定電極とが非接触な状態を保ち、Z軸方向を向いた所定量の力が変位部に作用した場合には、スイッチ用変位電極とスイッチ用固定電極とが接触状態となり、Z軸方向を向いた更に大きな力が変位部に作用した場合には、弾性変形体が弾性変形を生じることにより、スイッチ用変位電極とスイッチ用固定電極とが接触状態を維持したまま、容量素子の静電容量値が変化するように構成し、スイッチ用変位電極とスイッチ用固定電極とによりスイッチが構成されるようにし、両電極の接触状態を電気的に検出することにより、
    スイッチの状態を認識できるようにし、容量素子の静電容量値の変化を電気的に検出することにより、作用した力の所定方向成分の大きさを認識できるようにしたものである。

    【0007】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
    の態様に係る力検出装置において、椀状形態部を有する作用体を用意し、椀が伏せられた状態になるように、この作用体を基板上面に取り付け、椀の底部に相当する部分を変位部、椀の側部に相当する部分を接続部、椀の口部に相当する部分を固定部として用いるようにしたものである。

    【0008】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第2
    の態様に係る力検出装置において、基板と作用体との間に中間変位板を配置し、この中間変位板の一部を変位板固定部として基板に固定し、この中間変位板の別な一部によって、変位部の変位もしくは接続部の変形によって変位が生じる変位板変位部を構成し、基板上面に形成した容量素子用固定電極と、変位板変位部に形成した容量素子用変位電極と、によって容量素子を構成するようにしたものである。

    【0009】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3
    の態様に係る力検出装置において、椀状形態部を有する可撓性板状部材によって中間変位板を構成し、椀が伏せられた状態になるように、この中間変位板を基板上面に取り付け、椀の底部に相当する部分に弾性変形体を挿通するための開口窓を形成し、この開口窓の周囲の部分によって変位板変位部を構成し、椀の口部に相当する部分によって変位板固定部を構成し、変位部もしくは接続部の物理的な接触により変位板変位部が変位を生じるようにしたものである。

    【0010】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第4
    の態様に係る力検出装置において、中間変位板を金属材料によって構成し、この中間変位板自身を容量素子用変位電極として用いるようにしたものである。

    【0011】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第4
    の態様に係る力検出装置において、中間変位板を合成樹脂材料によって構成し、その下面に形成した金属膜によって容量素子用変位電極を構成するようにしたものである。

    【0012】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第6
    の態様に係る力検出装置において、中間変位板の上面に付加スイッチ用第1電極を形成し、変位部の下面の付加スイッチ用第1電極に対向する位置に付加スイッチ用第2電極を形成し、これら両電極により付加スイッチが構成されるようにし、両電極の接触状態を電気的に検出することにより、作用した力に関する付加的な情報を得ることができるようにしたものである。

    【0013】(8) 本発明の第8の態様は、上述の第7
    の態様に係る力検出装置において、変位部の中心にZ軸を定義したときに、正のX軸上方に位置する付加スイッチと、負のX軸上方に位置する付加スイッチとを設け、
    これら一対の付加スイッチの状態に基づいて、作用した力のX軸方向成分に関する情報を得ることができるようにしたものである。

    【0014】(9) 本発明の第9の態様は、上述の第8
    の態様に係る力検出装置において、更に、正のY軸上方に位置する付加スイッチと、負のY軸上方に位置する付加スイッチとを設け、これら一対の付加スイッチの状態に基づいて、作用した力のY軸方向成分に関する情報を得ることができるようにしたものである。

    【0015】(10) 本発明の第10の態様は、上述の第7〜第9の態様に係る力検出装置において、付加スイッチを構成する1組の対向電極のうち、一方の電極を単一の電極層により構成し、他方の電極を互いに電気的に独立した一対の電極層により構成し、この一対の電極層間の導通状態を電気的に検出することにより、対向電極の接触状態を検出できるようにしたものである。

    【0016】(11) 本発明の第11の態様は、上述の第1または第2の態様に係る力検出装置において、基板上面に形成した容量素子用固定電極と、変位部の下面に形成した容量素子用変位電極と、によって容量素子を構成するようにしたものである。

    【0017】(12) 本発明の第12の態様は、上述の第11の態様に係る力検出装置において、容量素子用変位電極とスイッチ用変位電極とを導通させる配線を設けておき、スイッチ用変位電極とスイッチ用固定電極とが接触状態となったときに、スイッチ用固定電極と容量素子用固定電極との間の静電容量値を測定することにより、
    容量素子の静電容量値の検出を行えるようにしたものである。

    【0018】(13) 本発明の第13の態様は、上述の第11または第12の態様に係る力検出装置において、変位部の中心にZ軸を定義したときに、正のX軸上方に位置する第1の容量素子と、負のX軸上方に位置する第2
    の容量素子とを設け、これら一対の容量素子の静電容量値の差に基づいて、作用した力のX軸方向成分の向きおよび大きさを求めることができるようにしたものである。

    【0019】(14) 本発明の第14の態様は、上述の第13の態様に係る力検出装置において、更に、正のY軸上方に位置する第3の容量素子と、負のY軸上方に位置する第4の容量素子とを設け、これら一対の容量素子の静電容量値の差に基づいて、作用した力のY軸方向成分の向きおよび大きさを求めることができるようにしたものである。

    【0020】(15) 本発明の第15の態様は、上述の第11〜第14の態様に係る力検出装置において、X軸およびY軸のいずれに関してもほぼ線対称となる形状をもった電極を有する容量素子を設け、この容量素子の静電容量値に基づいて、作用した力のZ軸方向成分の大きさを求めることができるようにしたものである。

    【0021】(16) 本発明の第16の態様は、上述の第11の態様に係る力検出装置において、信号入力用容量素子および信号出力用容量素子なる2組の容量素子を設け、これら容量素子の各固定電極をそれぞれ電気的に独立した別個の電極によって構成し、これら容量素子の各変位電極を互いに電気的に導通した単一の電極によって構成し、信号入力用容量素子の固定電極に周期信号を供給する周期信号供給手段と、信号出力用容量素子の固定電極に誘起される周期信号を検出する周期信号検出手段と、を設け、周期信号供給手段によって所定の大きさをもった周期信号を供給した状態において、周期信号検出手段によって検出される周期信号の大きさに基づいて、
    2組の容量素子の静電容量値の変化を求めるようにしたものである。

    【0022】(17) 本発明の第17の態様は、上述の第11〜第16の態様に係る力検出装置において、容量素子用固定電極および容量素子用変位電極のいずれか一方または双方の表面に絶縁膜を形成するようにしたものである。

    【0023】(18) 本発明の第18の態様は、上述の第1〜第17の態様に係る力検出装置において、スイッチ用変位電極を単一の電極層により構成し、スイッチ用固定電極を互いに電気的に独立した一対の電極層により構成し、この一対の電極層間の導通状態を電気的に検出することにより、スイッチ用変位電極とスイッチ用固定電極との接触状態を検出できるようにしたものである。

    【0024】(19) 本発明の第19の態様は、上述の第1〜第18の態様に係る力検出装置において、弾性変形部を、必要な検出感度に応じた弾性係数をもつ材質によって構成し、所望の検出感度をもった力検出装置を構成できるようにしたものである。

    【0025】(20) 本発明の第20の態様は、上述の第1〜第19の態様に係る力検出装置において、弾性変形部に、必要な検出感度に応じた溝を形成するようにし、
    所望の検出感度をもった力検出装置を構成できるようにしたものである。

    【0026】(21) 本発明の第21の態様は、上述の第1〜第20の態様に係る力検出装置において、作用体および弾性変形部を、ゴムによって一体形成した起歪体によって構成するようにしたものである。

    【0027】

    【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。 §1. 第1の実施形態の構成図1は、本発明の第1の実施形態に係る力検出装置の構造を示す側断面図である。 この力検出装置の主たる構成要素は、基板110と、中間変位板120と、起歪体1
    30と、取付具140と、である。 ここでは、説明の便宜上、図示のとおり、XYZ三次元座標系を定義し、この座標系を参照しながら各部品の配置説明を行うことにする。 すなわち、図1では、基板110の上面中央部に原点Oが定義され、図の右平方向にX軸が、図の上垂直方向にZ軸が、紙面に垂直な方向にY軸がそれぞれ定義されている。 ここで、基板110の上面は、XY平面に含まれる面になり、基板110、中間変位板120、
    起歪体130の中心にZ軸が通ることになる。

    【0028】基板110は、一般的な電子回路用のプリント回路基板であり、この例ではガラスエポキシ基板が用いられている。 もちろん、ポリイミドフィルムなどのフィルム状の基板を基板110として用いてもかまわないが、フィルム状の基板の場合は可撓性を有しているため、十分な剛性をもった何らかの支持基板上に配置して用いるのが好ましい。 図2は、基板110の上面図である。 図1の側断面図との位置関係については、各座標軸を参照してほしい。 図2の上面図に示す基板110をX
    軸に沿って切断した断面が、図1の側断面図に示されていることになる。 なお、便宜上、図2の上面図では、基板110の周囲の一部分の図示が省略されている。 図2
    の円形破線は、中間変位板120(図3に上面図、図4
    に側断面図が示されている)の配置位置を示しており、
    図2の矩形破線は、起歪体130(図5に上面図が示されている)の配置位置を示している。

    【0029】図2に示されているように、基板110の上面には、回路パターンが印刷されている。 すなわち、
    原点Oの直近には一対の電極E1,E2が形成されており、その外側には、4組の扇形の電極E3,E4,E
    5,E6が形成されており、これらの中間部分には、ほぼ環状の電極E7が形成されている。 後述するように、
    電極E1,E2は、この装置のスイッチとしての動作に利用される電極であり、以下、スイッチ用固定電極と呼ぶことにする。 また、電極E3〜E7は、容量素子を構成することにより力検出の動作に利用される電極であり、以下、容量素子用固定電極と呼ぶことにする。 より具体的には、X軸上に配置された容量素子用固定電極E
    3,E4は、作用した力のX軸方向成分の検出に利用され、Y軸上に配置された容量素子用固定電極E5,E6
    は、作用した力のY軸方向成分の検出に利用され、ほぼ環状の容量素子用固定電極E7は、作用した力のZ軸方向成分の検出に利用される。 配線層L1〜L7は、これら各電極E1〜E7を、各端子T1〜T7へと電気的に接続するための導電層であり、各端子T1〜T7は、外部の電子回路へと接続されることになる。 各電極E1〜
    E7,各配線層L1〜L7,各端子T1〜T7は、いずれも基板110上に形成された導電性のパターンであり、この基板110は、従来の一般的なプリント基板形成技術を用いて量産することができる。 なお、図1の側断面図では、図が繁雑になるのを避けるため、配線層L
    1〜L7および端子T1〜T7についての図示を省略してある。

    【0030】中間変位板120は、図3の上面図に示されているように、ほぼ円形の金属板から構成される。 ただ、図4の側断面図に示されているように、その中央部分は、椀を伏せたようなドーム状の形態をなしている。
    ここでは、この中間変位板120の椀の口の部分およびその周囲の平板部分を変位板固定部121と呼び、ドーム状に盛り上がった椀状形態部分を変位板変位部122
    と呼ぶことにする。 この中間変位板120の4か所には、変位板取付爪123が形成されている。 この変位板取付爪123は、円形の金属板の一部を切り欠いて下方に折り曲げることにより形成されている。 図2に示すように、基板110の上面には、この4組の変位板取付爪123を挿通するためのスリット状の変位板取付穴H1
    が設けられており、この変位板取付穴H1に変位板取付爪123を挿通することにより、中間変位板120を基板110上に取り付けることができる。 なお、変位板取付穴H1の外側に設けられている円形の穴は、後述するように、起歪体取付穴H2である。 中間変位板120を基板110に固定する場合には、基板110の下面側において、変位板取付爪123を折り曲げるようにすればよい。

    【0031】このように、中間変位板120は、基板1
    10の上面に、椀を伏せたような形態で取り付けられることになる。 ここで、椀の底部に相当する部分には、円形の開口窓H3が形成されている。 基板110に対しては、変位板固定部121によって固定された状態となっているものの、この中間変位板120は、可撓性板状部材(この例の場合、金属板)から構成されているため、
    変位板変位部122に物理的な力が作用すると、部分的な撓みが生じ、変位が生じることになる。 特に、開口窓H3の周囲の部分は自由端を構成しているため、十分な変位を生じさせることができる。 このような形態をもった中間変位板120は、1枚の金属板に対するプレス加工により、容易に量産可能である。

    【0032】一方、起歪体130の構造を図5の上面図に示す。 この例に示す起歪体130は、固定部131,
    接続部132,変位部133,弾性変形部134から構成されており、シリコンゴムの一体成型品として供給することができるため、やはり量産に適している。 固定部131は、基板110の上面に固定される部分であり、
    その下面からは、4本の起歪体取付ピン135が突出している。 図2に示すように、基板110には、4つの起歪体取付穴H2が設けられており、4本の起歪体取付ピン135をこの起歪体取付穴H2に挿入することにより、起歪体130を基板110の上面に固定することができる。 変位部133は、この起歪体130の中央に位置する部分であり、図1に示すように、基板110の中心部に定義された原点Oの直上に配置され、外部からの力を受けて変位を生じる部分である。 固定部131と変位部133とは、接続部132によって接続されている。 接続部132は可撓性を有しており、変位部133
    に力が作用したときに、この接続部132が撓みを生じることにより、変位部133が基板110に対して変位することになる。

    【0033】この例では、固定部131,接続部13
    2,変位部133,弾性変形部134は、いずれもシリコンゴムから構成されているため、いずれの部分も撓みおよび弾性変形を生じる性質を有しているが、特に、接続部132はその肉厚が薄くなっているため、弾性変形を生じやすく、最も撓みやすい部分となっている。 なお、本願では、「可撓性」なる語と「弾性変形性」なる語とは、ほぼ同義語として用いており、撓みの性質に着目するか、弾性変形の性質に着目するか、によってこれらの語を適宜使い分けることにする。 ここで、接続部1
    32に要求される「可撓性」とは、操作者の操作によって、変位部133が押しボタンスイッチとしての動作に十分な変位を生じる程度の撓み易さということになる。
    一方、弾性変形部134は、図5に破線で示されているように、Z軸を中心軸とする円柱状の構成要素であり、
    変位部133の下面に形成されている。 弾性変形部13
    4は、弾性変形する性質を有している必要がある。 ここで、弾性変形部134に要求される「弾性変形性」とは、操作者の操作によって、力検出装置としての動作に十分な変形を生じる程度の変形性ということになる。

    【0034】この弾性変形部134の底面には、図1に示すように、電極F0が形成されている。 この電極F0
    は、基板110の上面側に形成されたスイッチ用固定電極E1,E2に対向する電極であり、変位部133の変位とともに変位を生じる電極であるため、ここでは、スイッチ用変位電極と呼ぶことにする。 このスイッチ用変位電極F0は、この例では、導電性ゴムによって構成されているが、導電性インクの層によって構成すれば、より製造コストを低減させることができる。

    【0035】なお、ここに示す例では、起歪体130全体をシリコンゴムの一体成型品として用意しているが、
    機能的には、この起歪体130のうちの固定部131,
    接続部132,変位部133の3つの部分が変位を生成させる作用を果たしているため、この3つの部分の総称として、「作用体」という言葉を用いることにする。 すなわち、作用体は、固定部131,接続部132,変位部133の3つの部分から構成されており、この作用体と弾性変形部134とによって、起歪体130が構成されることになる。

    【0036】図1に示すように、この第1の実施形態に係る力検出装置では、基板110上に中間変位板120
    が配置され、更にその上に起歪体130が配置され、最終的に取付具140によって、これらが基板110上に取り付けられている。 別言すれば、椀状形態部を有する作用体を用意し、椀が伏せられた状態になるように、この作用体を基板110の上面に取り付け、椀の底部に相当する部分を変位部133、椀の側部に相当する部分を接続部132、椀の口部およびその周囲の部分を固定部131として用いていることになる。 また、弾性変形部134は、ちょうど中間変位板120に設けられた開口窓H3に挿通する位置に配置されており、要するに、弾性変形部134の変位を妨げない程度の大きさの開口窓H3が形成されていることになる。

    【0037】 §2. 第1の実施形態の動作続いて、この第1の実施形態に係る力検出装置の動作について述べる。 この装置は、ON/OFFの操作入力を検出する押しボタンスイッチとしての動作と、加えられた力の各軸方向成分の大きさを認識することが可能な三次元力検出装置としての動作と、の2通りの動作を行うことが可能である。 図1に示す構造は、変位部133に何ら力が作用していないときの状態を示している。 この状態において、操作者が変位部133に対して基板11
    0側へ押し下げるような力(−Z軸方向への力)を加えた場合を考えると、図6の側断面図に示されているように、接続部132が弾性変形を生じて撓み、変位部13
    3は弾性変形部134とともに下方へと変位し、やがて弾性変形部134の底面に形成されているスイッチ用変位電極F0が、基板110の上面に形成されている一対のスイッチ用固定電極E1,E2に接触することになる。 ここで、操作者が変位部133を更に押し下げるような力(−Z軸方向への力)を加えると、図7の側断面図に示されているように、今度は、弾性変形部134が弾性変形を生じて潰れた状態となる。 これにより、変位部133は更に下方へと変位することになり、接続部1
    32の変形部分(あるいは変位した変位部133の底面)が中間変位板120に物理的に接触し、変位板変位部122を下方へと変位させることになる。

    【0038】ここで、接続部132の弾性変形性を、弾性変形部134の弾性変形性よりも高めておけば(具体的には、図示のように、接続部132の肉厚を薄くしておけばよい)、操作者にとって、上述の押圧操作は、2
    段階の操作として感じられることになる。 すなわち、第1段階の操作は、従来の一般的な押しボタンスイッチをONにする操作と同様に、変位部133を比較的軽い力で押し込む操作である。 この操作は、比較的大きなストロークと、良好なクリック感を与えることになる。 この第1段階の操作により、接続部132が撓みを生じ、装置の構造は、図1に示す状態から図6に示す状態に変化する。 第2段階の操作は、この押しボタンスイッチをO
    Nにした後、変位部133を更に強い力で押圧する操作に対応する。 この操作のストロークは小さく、クリック感は生じない。 この第2段階の操作により、弾性変形部134が弾性変形して潰れ、装置の構造は、図6に示す状態から図7に示す状態に変化する。

    【0039】図8は、この第1の実施形態に係る力検出装置の等価回路を示す回路図である。 図8(a) は、ON
    /OFFの操作入力を検出する押しボタンスイッチとしての動作に関与する部分の等価回路を示しており、上述の第1段階の操作により動作する。 すなわち、スイッチ用固定電極E1,E2は、図1に示す状態においては、
    互いに電気的に絶縁状態となっているため、端子T1,
    T2間は絶縁状態になっている。 ところが、Z軸方向(符号を考慮した場合は、−Z軸方向)を向いた所定量の力が変位部133に作用すると、図6に示す状態(あるいは、図7に示す状態でも同様であるが)になり、スイッチ用変位電極F0がスイッチ用固定電極E1,E2
    に接触する。 このため、スイッチ用固定電極E1,E2
    間が短絡し、端子T1,T2間は導通状態になる。 結局、変位部133の上下方向の変位は、図8(a) に示す回路におけるスイッチSWのON/OFF動作に相当することになり、端子T1,T2間の導通状態を外部の回路によってモニタすることにより、ON/OFFの操作入力の検出が可能になる。

    【0040】一方、図8(b) は、変位部133に加えられた力の各軸方向成分の大きさを認識する三次元力検出装置としての動作に関与する部分の等価回路を示しており、主として、上述の第2段階の操作により動作する。
    図2に示すように、基板110上には、5枚の容量素子用固定電極E3〜E7が形成されており、金属板から構成される変位板変位部122が、これらの電極の上方位置において対向している。 したがって、図8(b) の等価回路に示すように、5組の容量素子C3〜C7が形成されていることになる。 ここで、変位板変位部122を、
    容量素子用変位電極と呼ぶことにすれば、これらの容量素子C3〜C7は、共通の容量素子用変位電極(変位板変位部122)と、個別の容量素子用固定電極E3〜E
    7とによって構成される容量素子ということになる。 そして、各容量素子C3〜C7の静電容量値は、変位板取付爪123と、各端子T3〜T7との間の静電容量値として、それぞれ独立して測定することが可能である。

    【0041】上述した第2段階の操作を行うと、図7に示すように、接続部132の変形によって(あるいは変位部133の変位によって)、変位板変位部122が下方に変位するため、容量素子C3〜C7の電極間隔が変化し、各静電容量値が変化することになる。 このように、容量素子C3〜C7は、変位部133の変位に起因して静電容量値が変化するように構成された容量素子ということになる。 この第2段階の操作では、図8(a) に示す等価回路に関する変化は生じず、スイッチSWは閉じた状態(ON状態)のままであるが、図8(b) に示す等価回路に関しては、各容量素子C3〜C7の静電容量値に変化が生じることになり、この変化を検出することにより、作用した力の各軸方向成分(X軸方向成分、Y
    軸方向成分、Z軸方向成分)をそれぞれ独立して求めることができる。 その原理は、前掲の各公報にも詳述されているが、次のとおりである。

    【0042】まず、第2段階の操作において、X軸正方向の力Fxが加えられた場合を考える。 ここで、この第2段階の操作は、スイッチ用変位電極F0とスイッチ用固定電極E1,E2とが接触状態を維持したままになっているという前提の操作であり、当然、この第2段階の操作を行う際には、Z軸負方向の力−Fzも作用した状態になっている。 したがって、操作者の行う操作としては、押しボタンを押し込む操作(第1段階の操作)を行った上で、更にX軸正方向に力Fxを加える操作ということになる(通常は、Z軸負方向への力−Fzを更に増大させる操作が伴う)。 このように、X軸正方向の力F
    xが加わると、変位板変位部122のうち、X軸正方向の部分の下方への変位量が、X軸負方向の部分の下方への変位量よりも大きくなるので、容量素子C3の電極間隔は、容量素子C4の電極間隔よりも小さくなる。 したがって、容量素子C3の静電容量値は、容量素子C4の静電容量値よりも大きくなる。 そこで、各静電容量値を各容量素子と同じ符号を用いて示すことにすれば、「C
    3−C4」なる差分演算によりX軸正方向に作用した力の大きさを求めることができる。 逆に、X軸負方向の力−Fxが作用した場合には、静電容量値の大小関係が逆転することになるので、結局、「C3−C4」なる差分値は、その符号がX軸正方向または負方向のいずれの向きかを示し、その絶対値がX軸方向成分の力の大きさを示す値となる。

    【0043】これは、Y軸方向に関しても同様であり、
    容量素子C5,C6の静電容量値の差分値「C5−C
    6」により、Y軸方向の力±Fyの向きおよび大きさを求めることができる。 要するに、正のX軸上方に位置する第1の容量素子C3と、負のX軸上方に位置する第2
    の容量素子C4とを設けておけば、これら一対の容量素子の静電容量値の差に基づいて、作用した力のX軸方向成分の向きおよび大きさを求めることができ、また、正のY軸上方に位置する第3の容量素子C5と、負のY軸上方に位置する第4の容量素子C6とを設けておけば、
    これら一対の容量素子の静電容量値の差に基づいて、作用した力のY軸方向成分の向きおよび大きさを求めることができることになる。

    【0044】一方、Z軸負方向に加えられた力は、容量素子C7の静電容量値C7によって求めることができる。 本発明に係る力検出装置の場合、操作者が変位部1
    33に対して下方に押圧力を作用させて操作入力を行うことを前提としているため、Z軸方向に加えられる力は必ず負方向の力−Fzということになる。 既に、第1段階の操作によって、ある程度の大きさの力−Fzが加えられており、図6に示すように、スイッチ用変位電極F
    0はスイッチ用固定電極E1,E2に接触した状態になっている。 しかしながら、容量素子C7によって求められるZ軸方向の力は、この図6の状態から、更に加えられたZ軸負方向の力ということになる。 このようなZ軸負方向への更なる力が加えられると、図7に示すように、変位板変位部122は均等に下方変位し、容量素子C7の電極間隔が小さくなり、静電容量値C7は増大することになる。 よって、この静電容量値C7に基づいて、Z軸負方向に作用した力の大きさを求めることができる。

    【0045】結局、図8(b) に示す等価回路において、
    変位板取付爪123と、各端子T3〜T7との静電容量値を外部回路によってモニタすれば、XYZすべての軸方向の力成分の検出が可能になる。 なお、検出結果に、
    他の軸方向成分の値が干渉しないようにするためには、
    各容量素子用固定電極E3〜E7の形状を次のような形状にしておくのが好ましい。 まず、容量素子用固定電極E3,E4については、図2に示すように、X軸に関して線対称となる形状にするのが好ましい。 そうすれば、
    Y軸方向成分の力の影響は相殺されることになる(Z軸方向成分の力の影響は、差分演算により相殺される)。
    同様に、容量素子用固定電極E5,E6については、図2に示すように、Y軸に関して線対称となる形状にするのが好ましい。 そうすれば、X軸方向成分の力の影響は相殺されることになる(Z軸方向成分の力の影響は、差分演算により相殺される)。 また、容量素子用固定電極E7については、図2に示すように、X軸およびY軸のいずれに関しても線対称となる形状にするのが好ましい。 そうすれば、X軸方向成分の力の影響およびY軸方向成分の力の影響は相殺されることになる。 もっとも、
    実用上は、配線層などを設ける必要があるため、完全な対称形にすることが困難な場合も少なくない。 したがって、現実的には、できるだけ対称形となるような設計を行えば十分である。

    【0046】以上述べたように、本実施形態に係る力検出装置では、ON/OFFの操作入力を検出する押しボタンスイッチとしての機能を備えつつ、加えられた力のXYZ三次元方向成分の向きおよび大きさを認識することが可能になる。 すなわち、操作者が、第1段階の操作として、変位部133を下方に押し沈めるような操作を加えると、十分なストロークおよび良好なクリック感をもったON/OFF操作入力を行うことができ、ON/
    OFF状態は、図8(a) に示す等価回路における端子T
    1,T2間の導通状態として検出することができる。 その状態から、操作者が、第2段階の操作として、変位部133に対して更に下方(Z軸負方向)への押圧力を加えたり、それとともに横方向(X軸もしくはY軸方向)
    への押圧力を加えたりすれば、当該押圧力の各座標軸方向成分を、図8(b) に示す等価回路における各容量素子の静電容量値に基づいて検出することができる。

    【0047】 §3. 第1の実施形態の変形例以下、上述した第1の実施形態に関するいくつかの変形例を示しておく。 まず、上述の実施形態では、中間変位板120を金属材料によって構成し、この中間変位板1
    20の一部(変位板変位部122)をそのまま容量素子用変位電極として用いていたが、中間変位板120は必ずしも金属板によって構成する必要はない。 図9は、合成樹脂材料を用いて構成した中間変位板120Aの一例を示す側断面図である。 この例では、PETあるいはポリイミドなどの合成樹脂材料によって、ベース構造体1
    25Aを構成し、その下面に金属膜124Aを形成することにより、中間変位板120Aとしたものである。 ベース構造体125A自身は絶縁体であるが、下面に形成された金属膜124Aが容量素子用変位電極として機能する。 PETやポリイミドなどの合成樹脂材料はコストが低く、加工も容易であり、大量生産に向いている。 金属膜124Aは、アルミニウムなどの金属を蒸着することにより、容易に形成することができる。 また、既に金属膜が蒸着された状態のPETフィルムも市販されているので、このような市販材料を用いれば、プレス加工を行うだけで図9に示すような構造をもった中間変位板1
    20Aを得ることができる。

    【0048】図10に示す中間変位板120Bは、やはりPETあるいはポリイミドなどの合成樹脂材料によって、ベース構造体125Bを構成し、その下面に金属膜124Bを形成して容量素子用変位電極として利用するとともに、その上面にも金属膜からなる電極群を形成したものである。 図11に、この中間変位板120Bの上面図を示す。 図3に示す中間変位板120とほぼ同様に、周囲の変位板固定部121Bと、椀状の変位板変位部122Bと、を有し、変位板取付爪123Bによって基板に取り付けられる。 また、両端には、配線部126
    Bが形成されており、端子T11〜T18が配置されている。 椀状の変位板変位部122Bには、図示のとおり、8枚の電極E11〜E18が形成されている。 ここでは、これらの電極を、付加スイッチ用第1電極と呼ぶことにする。 付加スイッチ用第1電極E11〜E18
    は、配線層L11〜L18によって、端子T11〜T1
    8に接続されている。 これら各電極、配線層、端子は、
    いずれもベース構造体125B上へのスクリーン印刷の手法によって形成することが可能である。 図10に示す側断面図は、図11に示す中間変位板120BをX軸に沿って切断した状態を示している。

    【0049】このような中間変位板120Bを利用する場合には、これに応じた起歪体130Bを用いる必要がある。 図12は、この起歪体130Bの中心部分の下面図である(起歪体130Bは、図5に示す起歪体130
    とほぼ同様の形態を有するが、図示の便宜上、図12には、接続部132Bよりも内側の部分のみを示す)。 図13は、図10および図11に示すような中間変位板1
    20Bと、図12に示すような起歪体130Bとを利用した力検出装置の側断面図である。 起歪体130Bの全体構造は、この図13に明瞭に示されているように、前述した起歪体130とほぼ同じである。 すなわち、起歪体130Bの周囲の部分である固定部131Bは、基板110Bに固定されており、可撓性を有する接続部13
    2Bによって、中央の変位部133Bが支持されている。 この変位部133Bの下面には、円柱状の弾性変形部134Bが形成されており、更に、この弾性変形部1
    34Bの下面にスイッチ用変位電極F0が形成されている。 ただし、変位部133Bの下面には、段差および4
    枚の電極F1〜F4が形成されており、この点が、上述した起歪体130とは異なっている。 4枚の電極F1〜
    F4の配置は、図12の下面図に示すとおりである。 ここでは、この4枚の電極F1〜F4を、付加スイッチ用第2電極と呼ぶことにする。 この付加スイッチ用第2電極F1〜F4は、導電性材料であればどのようなもので構成してもよいが、実用上は、スイッチ用変位電極F0
    と同様に、導電性ゴムや導電性インクで形成すればよい。

    【0050】一方、中間変位板120Bは、図13の側断面図に示されているとおり、両端の配線部126Bの部分が折り曲げられた状態で基板110B上に配置されている。 基板110B上には、端子T11〜T16と接触する位置に配線層LL11〜LL16が形成されている(図13には、配線層LL11,LL13のみが示されている)。 結局、図11に示す8枚の付加スイッチ用第1電極E11〜E18は、配線層L11〜L18および端子T11〜T18を介して、基板110Bの上面側に形成された配線層LL11〜LL18に接続されることになる。 また、図13には示されていないが、中間変位板120Bの下面に形成された金属膜124Bも、基板110Bの所定の配線層に接続されることになる。 このように、基板110B上に中間変位板120Bを載置し、その上に起歪体130Bを載置した状態で、取付具140Bによる固定が行われている。

    【0051】このような構成をもった力検出装置の基本動作は、図1に示す力検出装置と全く同様である。 すなわち、基板110B上に形成されたスイッチ用固定電極E1,E2と、スイッチ用変位電極F0との接触状態により、ON/OFF操作の検出が可能になり、基板11
    0B上に形成された容量素子用固定電極E3〜E7と、
    容量素子用変位電極として機能する金属膜124Bとによって構成される容量素子C3〜C7により、力の各軸方向成分の検出が可能になる。

    【0052】ただ、この変形例では、4つの付加的なスイッチが設けられているため、これら付加スイッチからの情報により、独立した操作入力を検出することが可能になる。 すなわち、図11に示す8枚の付加スイッチ用第1電極E11〜E18と、図12に示す4枚の付加スイッチ用第2電極F1〜F4とを対比すると、それぞれ互いに対向する組み合わせが形成されていることがわかる。 これら対向する第1電極と第2電極との接触状態を電気的に検出すれば、変位部133Bに作用した力に関する付加的な情報を得ることが可能になる。 具体的には、図11におけるXY両軸と、図12におけるXY両軸とを整合させた状態で、中間変位板120Bと起歪体130Bとを向かい合わせてみれば、一対の第1電極E
    11,E12については第2電極F1が対向しており、
    一対の第1電極E13,E14については第2電極F2
    が対向しており、一対の第1電極E15,E16については第2電極F3が対向しており、一対の第1電極E1
    7,E18については第2電極F4が対向していることがわかる。 これら各対向電極によってそれぞれ付加スイッチが形成されていることになる。

    【0053】したがって、正のX軸上方に位置する付加スイッチ(電極E11,E12,F1からなるスイッチ)がON状態になれば(端子T11,T12間が導通すれば)、X軸正方向を向いた所定以上の大きさの力F
    xが作用したことを検知することができる。 また、負のX軸上方に位置する付加スイッチ(電極E13,E1
    4,F2からなるスイッチ)がON状態になれば(端子T12,T14間が導通すれば)、X軸負方向を向いた所定以上の大きさの力−Fxが作用したことを検知することができる。 同様に、正のY軸上方に位置する付加スイッチ(電極E15,E16,F3からなるスイッチ)
    がON状態になれば(端子T15,T16間が導通すれば)、Y軸正方向を向いた所定以上の大きさの力Fyが作用したことを検知することができ、負のY軸上方に位置する付加スイッチ(電極E17,E18,F4からなるスイッチ)がON状態になれば(端子T17,T18
    間が導通すれば)、Y軸負方向を向いた所定以上の大きさの力−Fyが作用したことを検知することができる。

    【0054】なお、上述した付加スイッチでは、付加スイッチを構成する1組の対向電極のうち、一方の電極を単一の電極層により構成し、他方の電極を互いに電気的に独立した一対の電極層により構成し、この一対の電極層間の導通状態を電気的に検出することにより、対向電極の接触状態を検出できるようにしている。 たとえば、
    電極E11,E12,F1からなる付加スイッチの場合、一方の電極は単一の電極層F1から構成され、他方の電極は互いに電気的に独立した一対の電極層E11,
    E12から構成され、電極層E11,E12間の導通状態を電気的に検出することにより、対向電極の接触状態を検出している。 これは、配線層を一方の側だけに設ければよいようにするための配慮である。 すなわち、上述した付加スイッチの例の場合、配線は図11に示す中間変位板120B側の電極E11〜E18についてのみ行えば足り、図12に示す起歪体130B側の電極F1〜
    F4については何ら配線を行う必要はない。

    【0055】これは、ON/OFF操作を検知するためのスイッチ用固定電極E1,E2とスイッチ用変位電極F0との関係についても同様である。 すなわち、ここで述べる実施形態では、いずれも、スイッチ用変位電極F
    0を単一の電極層によって構成し、スイッチ用固定電極E1,E2を互いに電気的に独立した一対の電極層により構成してあるので、スイッチ用固定電極E1,E2間の導通状態を電気的に検出することにより、スイッチ用変位電極F0とスイッチ用固定電極E1,E2との接触状態が検出できる。 したがって、配線は、スイッチ用固定電極E1,E2側(別言すれば、基板側)についてのみ行えば足り、スイッチ用変位電極F0側(別言すれば、起歪体側)については何ら配線を行う必要はない。

    【0056】前述したように、基板側には、プリントパターンとして容易に配線を形成することができるのに対し、起歪体側は各部が変位したり変形したりするため、
    できるだけ配線を避けた方が好ましい。 上述のような電極構成は、このような状況に非常に適したものとなっている。 もちろん、上述のような電極構成は、本発明を実施する上で必須のものではないので、たとえば、スイッチ用固定電極として基板側に電極E1のみを設けておき、スイッチ用変位電極として起歪体側に電極F0のみを設けておき、両電極にそれぞれ配線を施すことにより、両電極の導通状態を直接観測するような手法を採ることは可能である。 ただ、実用上は、上述のような電極構成を採り、起歪体側の配線を省略するのが好ましい。

    【0057】 §4. 第2の実施形態の構成図14は、本発明の第2の実施形態に係る力検出装置の構造を示す側断面図である。 この力検出装置の主たる構成要素は、基板210および起歪体230と、起歪体2
    30を取り付けるための取付具240であり、これらの各構成要素は、図1に示す力検出装置における基板11
    0、起歪体130、取付具140とほぼ同等の機能を果たす。 ただし、図1に示す中間変位板120に相当する構成要素は存在せず、起歪体230の固定部231が基板210上に直接固定されている。 椀状形態を有する接続部232によって、円柱状の変位部233が支持されている点および変位部233の下面に、円柱状の弾性変形部234が形成されている点は、図1の力検出装置と同様である。 また、基板210の上面には、図2に示す電極パターンと同様の電極パターンが形成されており、
    スイッチ用固定電極E21,E22(図2のE1,E2
    に対応)および容量素子用固定電極E23〜E27(図2のE3〜E7に対応)が配置されている。 図15には、これら電極のパターンのみを示す(パターンを認識しやすいように、電極部分にハッチングを施して示し、
    配線層については図示を省略する)。

    【0058】一方、起歪体230側には、3種類の電極が形成されている。 すなわち、円柱状の弾性変形部23
    4の底面に形成されている円盤状の電極F20と、変位部233の底面(弾性変形部234が形成された部分の周囲に相当する部分)に形成されているワッシャ状の電極F28と、円柱状の弾性変形部234の側面に形成されている円筒状の電極F29である。 円盤状の電極F2
    0は、スイッチ用固定電極E21,E22に対向する電極であり、スイッチ用変位電極として機能する電極である(図1の力検出装置における電極F0に相当)。 ワッシャ状の電極F28は、容量素子用固定電極E23〜E
    27に対向する電極であり、容量素子用変位電極として機能する電極である(図1の力検出装置における変位板変位部122に相当)。 また、円筒状の電極F29は、
    単なる配線層として機能する電極であり、電極F20と電極F28とを短絡する役目を果たす。 なお、ここでは、説明の便宜上、電極F20,F28,F29をそれぞれ別個の電極として説明したが、実際には、変位部2
    33の下面ならびに弾性変形部234の側面および下面を覆う一体となった導電層によって、これら3種類の電極F20,F28,F29が形成されていることになる。 これらの電極は、導電性材料であれば、どのようなもので構成してもよいが、実用上は、導電性ゴムや導電性インクによって構成するのが好ましい。 また、電極2
    9は、配線層として機能すればよいので、必ずしも弾性変形部234の側面全面を覆う必要はない。

    【0059】この力検出装置におけるON/OFFの操作入力を検出する押しボタンスイッチとしての動作は、
    前述した第1の実施形態に係る力検出装置の動作と全く同じである。 すなわち、操作者が第1段階の操作として変位部233を下方へと押し込むと、接続部232が弾性変形し、スイッチ用変位電極F20が、スイッチ用固定電極E21,E22に接触することになり、電極E2
    1,E22間が導通する。 また、この力検出装置における第2段階の操作入力の検出も、その基本原理は前述した第1の実施形態の装置と同様である。 すなわち、基板210側に形成された容量素子用固定電極E23〜E2
    7と、起歪体230側に形成された容量素子用変位電極F28とによって、5組の容量素子C23〜C27が形成されることになり、これら容量素子の静電容量値の変化に基づいて、第2段階の操作で作用した力の三次元方向成分の検出が可能になる(検出原理は、§2で述べたとおりである)。

    【0060】図16は、図14に示す力検出装置の等価回路を示す回路図である。 この回路図では、基板210
    上に形成された電極E21〜E27が、配線層によって端子T21〜T27に接続されている状態が示されている。 電極F20は、電極E21,E22に対する接触/
    非接触の状態を変えることにより、スイッチSWとして機能することになる。 このスイッチSWのON/OFF
    状態は、端子T21,T22間の導通状態をモニタすることにより検出することができる。 上述したように、電極F20は、電極F29を介して電極F28に接続されており、電極F28は、基板210側の容量素子用固定電極E23〜E27に対向する容量素子用変位電極として機能し、5組の容量素子C23〜C27が形成される。

    【0061】ここに示す実施例の利点は、起歪体230
    側には何ら配線を施す必要がない点である。 上述したように、起歪体230側には、3種類の電極F20,F2
    8,F29が形成されているが、これらの電極に対しては、外部への配線を行う必要はない。 図16の回路図において、各端子T21〜T27は外部の回路に接続されることになるが、電極F20,F28,F29は、外部の回路には接続されず、浮いた状態となっている。 ただ、電極F20が電極E21,E22に接触した状態になれば、電極F28は、端子T21,T22に接続された状態になる。 たとえば、端子T21を所定の電位Vに固定しておけば(V=0として接地してもよい)、端子T22が等電位Vになったか否かによって、スイッチS
    WのON/OFF状態を認識することができる。 そして、スイッチSWがON状態となれば、電極F28も電圧Vに固定されることになり、もはや浮いた状態ではなくなる。 既に§2で述べたように、本発明に係る力検出装置では、第2段階の操作は、既に第1段階の操作を行い、スイッチSWがON状態を維持していることが前提となっているため、第2段階の操作によって作用する力を、容量素子C23〜C27の静電容量値に基づいて検出する場合には、必ず、スイッチSWがON状態となっていることになる。 したがって、電極F28に対する外部への配線が全く行われていなかったとしても、各容量素子の静電容量値を検出する必要があるときには、必ず、電極F28は端子T21,T22に接続された状態となっているため問題は生じない。 別言すれば、各容量素子C23〜C27の静電容量値は、端子T21(あるいはT22:スイッチ用固定電極)と、端子T23〜T
    27(容量素子用固定電極)との間の静電容量値として検出されることになる。

    【0062】もちろん、本発明は、起歪体230側に配線を設けない実施形態に限定されるものではなく、基板210側と起歪体230側との双方に配線を設けてもよい。 図17は、双方に配線を設けるようにした実施形態の側断面図である。 図14に示す実施形態との第1の相違点は、起歪体230側の電極F28について、配線層L28による配線が施されている点である。 この例では、接続部232の下面に沿って配線層L28が形成されており、基板210の上面には、この配線層L28の端部に接触する別な配線層LL28が形成されている。
    この基板210側の配線層LL28は、図示されていない端子T28に接続される。 第2の相違点は、基板21
    0上面に形成された電極パターンである。 図18に、この電極パターンを示す(パターンを認識しやすいように、電極部分にハッチングを施して示し、配線層については図示を省略する)。 図15に示すパターンにおけるスイッチ用固定電極E21,E22が、図18に示すパターンでは環状の電極E20に置き換わっている。 これは、起歪体230側に配線を施したため、基板側に形成するスイッチ用固定電極としては、単一の電極を設けておけば足りるためである。

    【0063】図19は、図17に示す力検出装置の等価回路を示す回路図である。 図16の回路との第1の相違点は、電極F28が、配線層L28,LL28を介して端子T28に接続されている点であり、第2の相違点は、一対の電極E21,E22が単一の電極E20に統合され、端子T21,T22も単一の端子T20に統合された点である。 ON/OFFの操作入力の検出は、端子T20と端子T28との間の導通状態をモニタすることにより行うことができる。 また、各容量素子C23〜
    C27の静電容量値の検出は、端子T28と、各端子T
    23〜T27との間の静電容量値を測定することにより行うことができる。

    【0064】この第2の実施形態に係る力検出装置は、
    §1で述べた第1の実施形態に係る力検出装置において必要であった中間変位板が不用になるため、構造は更に単純になり、一層のコストダウンを図ることができる。
    実用的には、§1で述べた装置と同様に、基板210をプリント基板で構成し、起歪体230をシリコンゴムで構成すれば、量産に適した構造が得られる。 この場合、
    基板210側の電極パターンは、プリント基板上の金属パターンとして形成すればよく、起歪体230側の電極パターンは、導電性ゴムや導電性インクで形成すればよい。 この第2の実施形態に係る力検出装置においても、
    十分なストロークおよび良好なクリック感をもった押しボタンスイッチとしての機能が得られ、しかも三次元の各軸方向成分の力検出が可能になる。

    【0065】なお、図14あるいは図17に示すように、変位部233に力が作用していない状態では、容量素子を構成する対向電極間の距離が比較的大きいため、
    この状態における静電容量値の実測値はほぼ零になる。
    したがって、起歪体230を構成するシリコンゴムの温度特性や変形時のヒステリシス特性によって、弾性変形部234の位置が多少変動したとしても、力が作用していない状態における出力は非常に安定したものとなる。

    【0066】 §5. 第3の実施形態の構成図20は、本発明の第3の実施形態に係る力検出装置の構造を示す側断面図である。 この力検出装置の主たる構成要素は、基板310および起歪体330と、起歪体3
    30を取り付けるための取付具340であり、これらの各構成要素は、第2の実施形態として述べた図14に示す力検出装置における基板210、起歪体230、取付具240とほぼ同等の機能を果たす。 すなわち、起歪体330は、固定部331、接続部332、変位部33
    3、その下面に配置された円柱状の弾性変形部334によって構成されている。 固定部331は、下面に設けられた起歪体取付ピン335によって、基板310上に位置決めされ、取付具340によって固定されることになる。 また、円柱状の変位部333は、椀状形態を有する接続部332によって支持されている。

    【0067】この図20に示す装置と図14に示す装置との大きな相違は、その電極パターンにある。 図20に示す装置の基板310上に形成された電極パターンを図21に示す(パターンを認識しやすいように、電極部分にハッチングを施して示し、配線層については図示を省略する)。 図示のとおり、基板310上には、4枚の電極E31〜E34しか形成されていない。 電極パターンがこのように単純な理由は、この装置は、ON/OFF
    の操作入力を検出する押しボタンスイッチとして機能する他は、専ら、Z軸方向の力を検出する一次元力検出装置としての機能しか有していないためである。 4枚の電極のうち、電極E31,E32はスイッチ用固定電極であり、電極E33,E34は容量素子用固定電極である。 一方、起歪体330側には、図20に示すように、
    2種類の電極が形成されている。 すなわち、円柱状の弾性変形部334の底面に形成されている円盤状の電極F
    30と、変位部333の底面(弾性変形部334が形成された部分の周囲に相当する部分)に形成されているワッシャ状の電極F35である。 円盤状の電極F30は、
    スイッチ用固定電極E31,E32に対向する電極であり、スイッチ用変位電極として機能する電極である。 ワッシャ状の電極F35は、容量素子用固定電極E33,
    E34に対向する電極であり、容量素子用変位電極として機能する電極である。

    【0068】図22は、起歪体330の中心部分の下面図である(接続部332よりも内側の部分のみが示されている)。 この図22では、電極F30,F35のパターンがはっきりするように、これらの電極部分にハッチングを施して示してある。 この力検出装置におけるON
    /OFFの操作入力を検出する押しボタンスイッチとしての動作は、前述した第1の実施形態あるいは第2の実施形態に係る力検出装置の動作と全く同じである。 すなわち、操作者が第1段階の操作として変位部333を下方へと押し込むと、接続部332が弾性変形し、スイッチ用変位電極F30が、スイッチ用固定電極E31,E
    32に接触することになり、電極E31,E32間が導通する。 したがって、電極E31,E32間の導通状態をモニタしていれば、ON/OFFの操作入力の検出が可能になる。

    【0069】一方、この力検出装置における第2段階の操作入力を検出する原理は、これまで述べてきたものと若干異なっている。 図23は、図20に示す力検出装置における容量素子に関連した部分の等価回路を示す回路図である。 この回路図には、基板310上に形成された電極E33,E34が、配線層によって端子T33,T
    34に接続されている状態が示されており、更に、これらに対向する電極F35の存在により、一対の容量素子C33,C34が構成された状態が示されている。 ここでは、容量素子C33を信号入力用容量素子と呼び、容量素子C34を信号出力用容量素子と呼ぶことにする。
    これら2組の容量素子C33,C34は、結局、電気的に独立した固定電極E33,E34と、電気的に導通した単一の変位電極F35とによって構成されていることになる。

    【0070】図23の回路図に示されているように、信号入力用容量素子C33の固定電極E33には、周期信号供給手段M1から端子T33を介して所定の周期信号S33(たとえば、正弦波)が供給される。 この周期信号S33は、容量素子C33の容量結合を介して、変位電極F35側へと伝播し、更に、容量素子C34の容量結合を介して、信号出力用容量素子C34の固定電極E
    34へと伝播することになる。 そこで、この固定電極E
    34に誘起される周期信号S34を、端子T34を介して周期信号検出手段M2によって検出する。 このような回路を用いれば、周期信号供給手段M1によって所定の大きさをもった周期信号S33を供給した状態において、周期信号検出手段M2によって周期信号S34を検出することができ、この周期信号S34の大きさに基づいて、2組の容量素子C33,C34の静電容量値の変化を求めることが可能になる。 なぜなら、容量素子C3
    3,C34の静電容量値が大きければ大きいほど、容量結合の結合係数も大きくなり、誘起される周期信号S3
    4の振幅も大きくなるからである。

    【0071】上述したように、この力検出装置は、ON
    /OFFの操作入力を検出する押しボタンスイッチとしての機能と、Z軸方向の力を検出する一次元力検出装置としての機能しか有していない。 すなわち、操作者が第1段階の操作入力により、変位部333を基板310へ向かって押し下げる力を作用させると、電極F30が電極E31,E32に接触した状態になり、ON状態の操作入力が検出される。 操作者が、そのまま第2段階の操作入力に入り、変位部333を基板310へと更に押し下げるようにすると、弾性変形部334が弾性変形して潰れ、容量素子C33,C34の電極間隔が狭くなる。
    ここで、容量素子C33,C34の電極間隔が狭くなればなるほど、これらの静電容量値は増加し、検出される周期信号S34の振幅は増加することになる。 結局、周期信号供給手段M1によって、一定の振幅をもった周期信号S33を供給するようにしておけば、操作者の加えた力(Z軸負方向の力)の大きさは、周期信号検出手段M2が検出する周期信号S34の振幅値として検出されることになる。

    【0072】ここに示す実施例の利点は、やはり起歪体330側には何ら配線を施す必要がない点である。 図2
    2に示されているように、起歪体330の下面には、電極F30およびF35が形成されるが、これらの電極は導電性ゴムあるいは導電性インクで構成することができる。 変位部333は、その周囲を可撓性をもった接続部332に囲まれているため、電極F30やF35について配線を施すためには、配線層を接続部332に沿って設ける必要がある。 もちろん、図17に示した実施例のように、接続部に沿って、このような配線層を形成することは可能であるが、接続部が常に撓みを生じる部分であることを考慮すると、接続部に沿った配線層は断線のおそれがある。 したがって、実用上は、起歪体側に配線を施すことは、できるだけ避けるのが好ましい。 ここに示す実施例では、容量素子の容量結合を利用した検出を行っているため、起歪体側の配線が不用になるという利点が得られることになる。

    【0073】 §6. その他の変形例以上、本発明をいくつかの実施形態について述べたが、
    ここでは、これらの実施形態のすべてにあるいはその一部について適用可能な変形例について述べることにする。

    【0074】まず、弾性変形部についての変形例を述べておく。 本発明に係る力検出装置の特徴は、ON/OF
    Fの操作入力を検出する押しボタンスイッチとしての機能と、この機能によりON状態となった後、更に加えられた力の所定方向成分の大きさを検出する本来の力検出装置としての機能とを備えている点にある。 そして、この本来の力検出装置としての機能は、弾性変形部の弾性変形性と密接に関係している。 すなわち、本来の力検出装置の機能として検出される力(容量素子を用いて検出される力)は、弾性変形部を弾性変形させるために加えられた力に他ならない。 したがって、力検出装置の検出感度は、弾性変形部の弾性変形性に依存して定まることになる。 すなわち、わずかな力で弾性変形を生じるような弾性変形部を用意しておけば、比較的小さな力の検出に適した力検出装置(感度の高い力検出装置)を構成することができるし、逆に、かなり強い力を加えないと弾性変形を生じないような弾性変形部を用意しておけば、
    比較的大きな力の検出に適した力検出装置(感度の低い力検出装置)を構成することができる。

    【0075】弾性変形性を調節する1つの方法は、材質の選択である。 すなわち、弾性変形部を、検出感度に応じた弾性係数をもつ材質から構成することにより、所望の検出感度をもった装置を実現できる。 たとえば、図2
    4に側断面図を示す変形例は、弾性変形部434Aの部分だけ異なる材質を用いた例である。 この例は、基板4
    10上に起歪体430Aを、取付具440で取り付けた構造をもつ力検出装置についての例であり、§4あるいは§5で述べた実施形態に対応する例である。 なお、基板410側に形成される各電極および起歪体430A側に形成される各電極、ならびに配線層などについては、
    図示を省略してある。 起歪体430Aは、固定部43
    1、接続部432、変位部433からなる作用体と、弾性変形部434Aと、起歪体取付ピン435とによって構成されることになるが、これら各部のうち、弾性変形部434Aのみが別な材質から構成されている。 たとえば、シリコンゴムは、その成分を変えることにより硬さを調節することができる。 したがって、弾性変形部43
    4Aを、柔らかい性質を呈する成分を含んだシリコンゴムで構成すれば検出感度を高めることができ、逆に、硬い性質を呈する成分を含んだシリコンゴムで構成すれば検出感度を低くすることができる。

    【0076】弾性変形性を調節するもうひとつの方法は、形状の選択である。 たとえば、弾性変形部に、検出感度に応じた溝を形成するようにすれば、所望の検出感度をもった装置を実現できる。 たとえば、図25に側断面図を示す変形例は、側面部分に溝G1を有する弾性変形部434Bを用いた例である。 起歪体430Bは、固定部431、接続部432、変位部433からなる作用体と、弾性変形部434Bと、起歪体取付ピン435とによって構成され、これら各部はいずれも同一の材質、
    たとえば、シリコンゴムを用いて一体成型されている。
    しかしながら、弾性変形部434Bに形成された溝G1
    の大きさあるいは深さを調節することにより、弾性変形部434Bの弾性変形性を変えることができ、検出感度の調節を行うことができる。

    【0077】図26に側断面図を示す変形例は、力の特定の軸方向成分についての検出感度を調節する手法を示す例である。 ここに示す起歪体430Cには、弾性変形部434Cが用いられている。 この弾性変形部434C
    は、作用体(固定部431、接続部432、変位部43
    3)と同じ材質のもので構成してもよいし、異なる材質のもので構成してもよい。 弾性変形部434Cの特徴は、底面に円環状の溝G2が形成されている点である。
    図27(a) に、この弾性変形部434Cのみを抽出した側断面図を示し、図27(b) にその底面図を示す。 弾性変形部434Cは、中心部αと、肉薄部βと、周囲部γ
    とによって構成されている。 肉薄部βは、ちょうど円環状の溝G2が形成された領域に相当する。 なお、基板4
    10上に形成される容量素子用固定電極に対応する位置に溝G2を形成するようにすれば、弾性変形部434C
    の底面が基板410の上面に接触した場合であっても、
    容量素子用固定電極に対しては直接接触することはないので、容量素子を構成する対向電極同士の短絡を防ぐことができる。

    【0078】このような形状をもった弾性変形部434
    Cを用いると、X軸あるいはY軸方向に関する検出感度を高めることが可能になる。 すなわち、Z軸方向に関しては、ブロック状の中心部αを押し潰すのに十分な大きさの力が加わらないと、容量素子からは十分な検出出力が得られないが、X軸あるいはY軸方向に関しては、薄い壁状の周囲部γを押し潰すのに十分な大きさの力が加われば、容量素子から十分な検出出力が得られることになる。 もちろん、周囲部γを構成する壁の厚みを、X軸上の部分とY軸上の部分とで変えるようにすれば、X軸方向の検出感度とY軸方向の検出感度とを変えることも可能である。

    【0079】図28に示す例は、溝の幅をより狭くした例である。 すなわち、図28に示す溝G3は、図27に示す溝G2よりも幅が小さくなっている。 このため、周囲部γを構成する壁の厚みが増えることになり、X軸あるいはY軸方向に力が作用しても、周囲部γを構成する壁が潰れにくくなり、X軸あるいはY軸方向に関する検出感度が若干低下することになる。 図29に示す例は、
    逆に溝の幅を広くした例である。 すなわち、図29に示す溝G4は、図27に示す溝G2よりも幅が広くなっており、周囲部γを構成する壁が消滅してしまっている。
    このため、X軸あるいはY軸方向に関する検出感度はかなり向上することになる。

    【0080】以上、弾性変形部434の弾性変形性を調節することにより、力の検出感度を調節する手法を述べたが、接続部432の弾性変形性を調節すれば、ON/
    OFFの操作入力を検出する押しボタンスイッチのクリック感の調節を行うことが可能になる。 たとえば、接続部432の肉厚を薄くすれば、より軽いクリック感をもった押しボタンスイッチを構成することができるし、逆に、接続部432の肉厚を厚くすれば、より重いクリック感をもった押しボタンスイッチを構成することができる。 実際には、接続部432の弾性変形性と、弾性変形部434の弾性変形性との双方を考慮して、ON/OF
    Fのスイッチ動作および力の検出感度が最適になるように設計するのが好ましい。 たとえば、まず、比較的弱い力で変位部433を基板410へ向かって押すことにより、押しボタンスイッチをON状態とし、そのまま、変位部433を前後左右方向(X軸またはY軸)あるいは下方向(Z軸)へ動かす強い力を加えることにより、所望の方向へ所望の大きさの操作入力を与えることが可能になる。 このような操作入力は、ゲーム機器や携帯電話などの入力作業に適している。

    【0081】図30は、基板上に形成された容量素子用固定電極の表面に絶縁膜を形成した例を示す側断面図である。 ここに示されている基板210は、図14の装置に用いられていた基板210である。 この基板210上には、スイッチ用固定電極E21,E22と、容量素子用固定電極E23〜E27が形成されている。 ここで、
    スイッチ用固定電極E21,E22は、スイッチ用変位電極F20と電気的な接触をする必要があるので、そのまま露出状態にしておく必要がある。 しかしながら、容量素子用固定電極E23〜E27は、容量素子を構成する電極であるから、図示のように、何らかの絶縁膜Jで表面を覆うようにした方が好ましい。 もちろん、起歪体側に形成される容量素子用変位電極の表面を絶縁膜で覆うようにしてもよい。

    【0082】図31は、図3に示す中間変位板120の変形例を示す上面図、図32はその側断面図である。 図3に示す中間変位板120は、上面から見たときにほぼ円形をしていたが、図31に示す中間変位板120C
    は、上面から見たときにほぼ矩形をしている。 すなわち、左右両端に変位板固定部121Cが形成され、中央部分に変位板変位部122Cが形成されている。 この変位板変位部122Cは、図32に示すように、凸状に盛り上がった構造を有し、中心には開口窓H3が形成されている。 このような中間変位板120Cは、変位板取付爪123Cによって基板上に取り付けられることになる。 このように、これまで述べてきた種々の実施形態に用いられている各構成要素の形状は、設計上、適宜変更できるものである。

    【0083】また、これまで述べてきた実施形態では、
    容量素子を構成する際に、起歪体側あるいは中間変位板側に共通電極を設け、基板側に電気的に独立した個々の電極を設けるようにしていたが、逆に、起歪体側あるいは中間変位板側に電気的に独立した個々の電極を設け、
    基板側に共通電極を設けてもかまわない。 あるいは、共通電極を設けずに、両側ともに、それぞれ電気的に独立した個々の電極を設けるようにしてもかまわない。 しかしながら、実用上は、これまで述べてきた実施形態のように、複雑な配線パターンを形成することが容易な基板側に、電気的に独立した個々の電極を設け、起歪体側あるいは中間変位板側に共通電極を設けるようにした方が、配線を含めた全体構成を単純化することができるので好ましい。

    【0084】また、これまでに述べてきた種々の実施形態の装置は、一部の例外(§5で述べた第3の実施形態)を除いて、いずれも三次元力検出装置として機能する装置であった。 しかしながら、用途によっては、二次元力検出装置として機能すれば十分な場合もあるし、一次元力検出装置として機能すれば十分な場合もある。 このような場合は、検出に必要な容量素子のみを設けるようにすれば足りる。 たとえば、図2に示す例において、
    容量素子用固定電極として、電極E7のみを設けておけば、作用した力のZ軸方向成分は検出することが可能なので、Z軸方向に関する一次元力検出装置として利用することができる。 あるいは、容量素子用固定電極として、電極E3,E4の2枚のみを設けておけば、X軸上に配置された2組の容量素子C3,C4を構成することができ、これら2組の容量素子の静電容量値の差に基づいて力のX軸方向成分を検出することができるので、X
    軸方向に関する一次元力検出装置として利用することができる。 また、この後者の場合、2組の容量素子C3,
    C4の静電容量値の和に基づいて、力のZ軸方向成分を検出することも可能なので、X軸およびZ軸に関する二次元力検出装置として利用することも可能である。

    【0085】

    【発明の効果】以上のとおり本発明に係る力検出装置によれば、ON/OFFの操作入力を検出する押しボタンスイッチとしての機能を備えつつ、加えられた力の所定方向成分の大きさを認識することが可能な力検出装置を提供することが可能になる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の第1の実施形態に係る力検出装置の構造を示すX軸に沿った位置における側断面図である。

    【図2】図1に示されている力検出装置の基板110の上面図であり、この基板110をX軸に沿って切断した断面が図1に示されている。

    【図3】図1に示されている力検出装置の中間変位板1
    20の上面図であり、この中間変位板120をX軸に沿って切断した断面が図1に示されている。

    【図4】図3に示されている中間変位板120をX軸に沿って切断した断面を示す側断面図である。

    【図5】図1に示されている力検出装置の起歪体130
    の上面図であり、この起歪体130をX軸に沿って切断した断面が図1に示されている。

    【図6】図1に示されている力検出装置の変位部133
    に対して、−Z軸方向の力が加えられることにより、O
    N状態の操作入力が与えられた状態を示すX軸に沿った位置における側断面図である。

    【図7】図6に示されている状態から、更に強い−Z軸方向の力が加えられることにより、弾性変形部134が弾性変形により潰れ、Z軸方向に関する力検出が行われる状態を示すX軸に沿った位置における側断面図である。

    【図8】図1に示されている力検出装置の等価回路を示す回路図である。

    【図9】図4に示されている中間変位板120の変形例である中間変位板120Aを示すX軸に沿った位置における側断面図である。

    【図10】図4に示されている中間変位板120の更に別な変形例である中間変位板120Bを示すX軸に沿った位置における側断面図である。

    【図11】図10に示されている中間変位板120Bの上面図であり、この中間変位板120BをX軸に沿って切断した断面が図10に示されている。

    【図12】図10に示されている中間変位板120Bとともに用いる起歪体130Bの中心部分の下面図である。

    【図13】図10に示されている中間変位板120Bおよび図12に示されている起歪体130Bを用いた力検出装置の側断面図であり、それぞれをX軸に沿って切断した断面が示されている。

    【図14】本発明の第2の実施形態に係る力検出装置の構造を示すX軸に沿った位置における側断面図である。

    【図15】図14に示されている力検出装置の基板21
    0の上面に形成されている電極パターンを示す上面図である。

    【図16】図14に示されている力検出装置の等価回路を示す回路図である。

    【図17】図14に示されている力検出装置の変形例を示すX軸に沿った位置における側断面図である。

    【図18】図17に示されている力検出装置の基板21
    0の上面に形成されている電極パターンを示す上面図である。

    【図19】図17に示されている力検出装置の等価回路を示す回路図である。

    【図20】本発明の第3の実施形態に係る力検出装置の構造を示すX軸に沿った位置における側断面図である。

    【図21】図20に示されている力検出装置の基板31
    0の上面に形成されている電極パターンを示す上面図である。

    【図22】図20に示されている力検出装置の起歪体3
    30の中心部分の下面図である(電極F30,F35の部分にはハッチングを施して示してある)。

    【図23】図20に示されている力検出装置の等価回路を示す回路図である。

    【図24】弾性変形部の材質を変えた変形例を示すX軸に沿った位置における側断面図である。

    【図25】弾性変形部の側面に溝を形成した変形例を示すX軸に沿った位置における側断面図である。

    【図26】弾性変形部の底面に溝を形成した変形例を示すX軸に沿った位置における側断面図である。

    【図27】図26に示す弾性変形部434Cの側断面図および底面図である。

    【図28】図27に示す弾性変形部434Cの第1の変形例を示す側断面図および底面図である。

    【図29】図27に示す弾性変形部434Cの第2の変形例を示す側断面図および底面図である。

    【図30】基板上に形成された容量素子用固定電極上に絶縁膜Jを形成した変形例を示す側断面図である。

    【図31】図3に示す中間変位板の変形例を示す上面図である。

    【図32】図31に示す中間変位板120CのX軸に沿った位置における側断面図である。

    【符号の説明】

    110,110B…基板 120,120A,120B,120C…中間変位板 121,121B,121C…変位板固定部 122,122B,122C…変位板変位部 123,123B,123C…変位板取付爪 124A,124B…金属膜 125A,125B…ベース構造体 126B…配線部 130…起歪体 131,131B…固定部 132,132B…接続部 133,133B…変位部 134,134B…弾性変形部 135…起歪体取付ピン 140,140B…取付具 210…基板 230…起歪体 231…固定部 232…接続部 233…変位部 234…弾性変形部 240…取付具 310…基板 330…起歪体 331…固定部 332…接続部 333…変位部 334…弾性変形部 335…起歪体取付ピン 340…取付具 410…基板 430A,430B,430C…起歪体 431…固定部 432…接続部 433…変位部 434A,434B,434C…弾性変形部 435…起歪体取付ピン 440…取付具 C1〜C34…容量素子 E1〜E34…電極 F0〜F35…電極 G1〜G4…溝 H1…変位板取付穴 H2…起歪体取付穴 H3…開口窓 J…絶縁膜 L1〜L28…配線層 LL11,LL13,LL28…配線層 M1…周期信号供給手段 M2…周期信号検出手段 O…座標系の原点 S33,S34…周期信号 SW…スイッチ T1〜T34…端子 α…中心部 β…肉薄部 γ…周囲部

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 伸光 埼玉県上尾市菅谷四丁目73番地 株式会社 ワコー内 (72)発明者 森本 英夫 奈良県大和郡山市池沢町172 ニッタ株式 会社奈良工場内 Fターム(参考) 2F051 AA22 AB06 AC01 DA03 DB05 5G006 AA02 AA06 BA01 BB03 FB06

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