負荷時タップ切替装置、及びその蓄勢機構

申请号 JP2011204022 申请日 2011-09-20 公开(公告)号 JP5971674B2 公开(公告)日 2016-08-17
申请人 株式会社東芝; 发明人 宮本 泰志; 江口 直紀; 石川 拓;
摘要
权利要求

負荷時タップ切替装置に含まれ、電動操作機構から駆動を受けて遮断機構の切替動作を行う蓄勢機構であって、 バネと、 前記バネの一端と当接するとともに、前記バネの縮み方向にスライド可能な巻上げケースと、 前記バネの他端と当接するとともに、前記バネの伸び方向にスライド可能な蓄勢ケースと、 前記蓄勢ケースと当接し、前記蓄勢ケースのスライドと連動して軸回転するクランクと、 前記クランクと同軸に設けられ、前記遮断機構に回転力を伝達する駆動ロッドと、 前記巻上げケースが前記バネを圧縮するまで前記蓄勢ケース及び前記クランクを制止させるキャッチと、 前記バネ、前記巻上げケース、前記蓄勢ケース、及び前記キャッチが収容される領域の外側に設けられ、前記巻上げケースに外部から揺動継手を介して連結し、前記電動操作機構によって回転されることにより、前記揺動継手を介して前記巻上げケースをスライドさせる偏芯カムと、 前記偏芯カムの回転動作に連動して前記クランクを直接回転させる強制投入機構と、 を備え、 前記強制投入機構は、 前記偏芯カムの回転軌跡と同心円状に歯が穿設されたギアと、 前記ギアの回転によって前記クランクの回転接線方向に直線運動するとともに、前記クランクと連結されるスライダと、 を備えること、 を特徴とする蓄勢機構。前記強制投入機構は、 前記蓄勢ケースの裏側に配置され、前記ギアの回転が伝達されて駆動する第2のギアと、 前記第2のギアの回転軸回りに形成され、一部領域が当該回転軸から連続的に離れるカム山を有するカム溝と、 前記カム溝内を摺動するピンを有し、前記第2のギアの回転に伴って直線運動する第2のスライダと、 一端が前記第2のスライダと連結され、他端が前記スライダに連結され、前記第2のスライダの直線運動に伴って揺動し、前記スライダを直線運動させるレバーと、 を更に備えること、 を特徴とする請求項1記載の蓄勢機構。前記強制投入機構は、 前記ギアと前記第2のギアとに噛み合う第3のギアを更に備え、 前記ギアと前記第2のギアの歯数は同一であり、 前記ギアと前記第3のギアと前記第2のギアの各軸は、一直線上に配置されていること、 を特徴とする請求項2記載の蓄勢機構。蓄勢機構と、当該蓄勢機構を駆動させる電動操作機構と、前記蓄勢機構によって切り替えられる遮断機構とを有する負荷時タップ切替装置であって、 前記蓄勢機構は、 バネと、 前記バネの一端と当接するとともに、前記バネの縮み方向にスライド可能な巻上げケースと、 前記バネの他端と当接するとともに、前記バネの伸び方向にスライド可能な蓄勢ケースと、 前記蓄勢ケースと当接し、前記蓄勢ケースのスライドと連動して軸回転するクランクと、 前記クランクと同軸に設けられ、前記遮断機構に回転力を伝達する駆動ロッドと、 前記巻上げケースが前記バネを圧縮するまで前記蓄勢ケース及び前記クランクを制止させるキャッチと、 前記バネ、前記巻上げケース、前記蓄勢ケース、及び前記キャッチが収容される領域の外側に設けられ、前記巻上げケースに外部から揺動継手を介して連結し、前記電動操作機構によって回転されることにより、前記揺動継手を介して前記巻上げケースをスライドさせる偏芯カムと、 前記偏芯カムの回転動作に連動して前記クランクを直接回転させる強制投入機構と、 を備え、 前記強制投入機構は、 前記偏芯カムの回転軌跡と同心円状に歯が穿設されたギアと、 前記ギアの回転によって前記クランクの回転接線方向に直線運動するとともに、前記クランクと連結されるスライダと、 を備えること、 を特徴とする負荷時タップ切替装置。前記強制投入機構は、 前記蓄勢ケースの裏側に配置され、前記ギアの回転が伝達されて駆動する第2のギアと、 前記第2のギアの回転軸回りに形成され、一部領域が当該回転軸から連続的に離れるカム山を有するカム溝と、 前記カム溝内を摺動するピンを有し、前記第2のギアの回転に伴って直線運動する第2のスライダと、 一端が前記第2のスライダと連結され、他端が前記スライダに連結され、前記第2のスライダの直線運動に伴って揺動し、前記スライダを直線運動させるレバーと、 を更に備えること、 を特徴とする請求項4記載の負荷時タップ切替装置。前記強制投入機構は、 前記ギアと前記第2のギアとに噛み合う第3のギアを更に備え、 前記ギアと前記第2のギアの歯数は同一であり、 前記ギアと前記第3のギアと前記第2のギアの各軸は、一直線上に配置されていること、 を特徴とする請求項5記載の負荷時タップ切替装置。

说明书全文

本発明の実施形態は、変圧器などに用いられる負荷時タップ切替装置及びその切替開閉器を駆動する蓄勢機構に関する。

負荷時タップ切替装置は、変圧器に負荷電流を与えたまま電圧を切り替える装置である。この負荷時タップ切替装置は、駆動ロッドを回転させることにより、真空バルブを開閉し、切替開閉器が通電接点を選択する。この駆動ロッドの回転に必要なトルクは、蓄勢機構により与えられる。

蓄勢機構は、バネによって駆動ロッドを回転させる(例えば、特許文献1参照。)。この蓄勢機構は、電動操作機構により回転させられる駆動軸と偏心カムを通して同期連動する巻上げケースと、巻上げケースとバネを通して連動する蓄勢ケース、蓄勢ケースと同期連動するクランク、バネ力蓄勢のために投入位置にてクランクの回転を押さえるキャッチで構成されている。

この蓄勢機構は、キャッチが投入位置にある時に、駆動軸が回転することで切り替えに必要なバネ力を蓄積し、そのバネ力を放勢することで切り換えを行う。しかし、イレギュラーな負荷動作による切り替えに必要な負荷トルクの増加が原因で、キャッチが投入位置に戻らない場合がある。そのため蓄勢機構には、駆動軸の回転トルクによりキャッチを強制的に投入位置へ送る強制投入機構が設けられる。

この強制投入機構について一例を挙げると、偏芯カムに鍔を取り付けておき、また蓄勢ケースにベアリングを取り付けておき、駆動軸に取り付けられた偏心カムの回転に伴い、鍔がベアリングを押し込むことで、蓄勢ケースがスライドする。この強制投入機構によってバネ力によるトルクに頼ることなくキャッチを投入位置に移動させることができる。

特開2008−258259号公報

このような蓄勢機構では、偏芯カムと駆動軸を巻上げケースと蓄勢ケースとが画成する内部領域に配置しなくてはならなかった。偏芯カムによって巻上げケースをスライドさせ、偏芯カムに取り付けられた鍔によって蓄勢ケースをスライドさせるためである。そうすると、この蓄勢機構が載置されるベース上には、下層にクランク及びキャッチが配置され、上層に偏芯カムと駆動軸が配置され、各部材が積層することとなり、蓄勢機構の厚みが増す要因となっていた。

昨今、負荷時タップ切替装置の省スペース化の要求が高まっている。そのため、負荷時タップ切替装置全体の高さや体積を損なわずに内部のデッドスペースを使って、各機構をレイアウトする必要が生じてきている。

また、真空容器中にある電極を外部から引き押しして開極、閉極を行う真空バルブ式では、一回の切換動作において複数の真空バルブが各々開極、閉極を行うことが通常であるため、比較的大きな負荷変動が生じ、衝突に近い現象を伴う場合はイレギュラーなピーク負荷も想定しなければならない要因となる。そのため、蓄勢エネルギーが動作の行程で大いに損なわれた場合にも確実に反転動作の待機位置までキャッチとクランクの位置を調整する強制投入機構は切換事故防止のために重要となる。

本発明の実施形態は、上記の課題を解消するために提案されたものであり、強制投入機構を有し、且つ省スペース化を実現した蓄勢機構及びこれを備えた負荷時タップ切替装置を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するために、実施形態の蓄勢機構は、負荷時タップ切替装置に含まれ、電動操作機構から駆動力を受けて遮断機構の切替動作を行う機構であり、以下の特徴を有する。 (1)バネを有する。 (2)バネの一端と当接するとともに、バネの縮み方向にスライド可能な巻上げケースを有する。 (3)バネの他端と当接するとともに、バネの伸び方向にスライド可能な蓄勢ケースを有する。 (4)蓄勢ケースと当接し、蓄勢ケースのスライドと連動して軸回転するクランクを有する。 (5)クランクと同軸に設けられ、遮断機構に回転力を伝達する駆動ロッドを有する。 (6)巻上げケースがバネを圧縮するまで蓄勢ケース及びクランクを制止させるキャッチを有する。 (7)バネ、巻上げケース、蓄勢ケース、及びキャッチが収容される領域の外側に設けられ、巻上げケースに外部から揺動継手を介して連結し、電動操作機構によって回転されることにより、揺動継手を介して巻上げケースをスライドさせる偏芯カムを有する。 (8)偏芯カムの回転動作に連動して前記クランクを直接回転させる強制投入機構を有する。 (9)強制投入機構は、偏芯カムの回転軌跡と同心円状に歯が穿設されたギアと、ギアの回転によってクランクの回転接線方向に直線運動するとともに、クランクと連結されるスライダを備える。

また、実施形態の負荷時タップ切替装置は、蓄勢機構と、当該蓄勢機構を駆動させる電動操作機構と、前記蓄勢機構によって切り替えられる遮断機構とを有し、以下の特徴を有する。 (1)バネを有する。 (2)バネの一端と当接するとともに、バネの縮み方向にスライド可能な巻上げケースを有する。 (3)バネの他端と当接するとともに、バネの伸び方向にスライド可能な蓄勢ケースを有する。 (4)蓄勢ケースと当接し、蓄勢ケースのスライドと連動して軸回転するクランクを有する。 (5)クランクと同軸に設けられ、遮断機構に回転力を伝達する駆動ロッドを有する。 (6)巻上げケースがバネを圧縮するまで蓄勢ケース及びクランクを制止させるキャッチを有する。 (7)バネ、巻上げケース、蓄勢ケース、及びキャッチが収容される領域の外側に設けられ、巻上げケースに外部から揺動継手を介して連結し、電動操作機構によって回転されることにより、揺動継手を介して巻上げケースをスライドさせる偏芯カムを有する。 (8)偏芯カムの回転動作に連動して前記クランクを直接回転させる強制投入機構を有する。 (9)強制投入機構は、偏芯カムの回転軌跡と同心円状に歯が穿設されたギアと、ギアの回転によってクランクの回転接線方向に直線運動するとともに、クランクと連結されるスライダとを備える。

本実施形態に係る負荷時タップ切替装置の一例を示す斜視図である。

本実施形態に係る蓄勢機構の構成を示す斜視図である。

本実施形態に係る蓄勢機構の動作中における最初の状態を示す図である。

本実施形態に係る蓄勢機構の動作中における第2番目の状態を示す図である。

本実施形態に係る蓄勢機構の動作中における第3番目の状態を示す図である。

本実施形態に係る蓄勢機構の動作中における最後の状態を示す図である。

以下、負荷時タップ切替装置、及びその蓄勢機構の実施形態について、図1乃至6を参照して具体的に説明する。

(構成) まず、本実施形態に係る負荷時タップ切替装置及びその蓄勢機構について図1乃至6を参照しつつ、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る負荷時タップ切替装置の一例を示す斜視図である。図2は、蓄勢機構2の構成を示す斜視図であり、(a)は上側から、(b)は下側から見た図である。図3乃至6は、蓄勢機構の平面図である。

図1に示す負荷時タップ切替装置1は、変圧器に負荷電流を与えたまま電圧を切り替える装置であり、蓄勢機構2、駆動軸4、駆動ロッド5、真空バルブ6、及び切替開閉器7を備える。

駆動軸4は、図示しない電動操作機構によって回転させられる。駆動軸4には、蓄勢機構2が備える偏芯カム22が固定されており、偏芯カム22は、駆動軸4の回転力を直線運動に変換して蓄勢機構2に伝達する。蓄勢機構2は、偏芯カム22から受けた力を用いてコイルバネ26(図2参照)を蓄勢及び放勢する。更に、蓄勢機構2は、駆動ロッド5に固定されたクランク30(図2参照)を有し、コイルバネ26の放勢によって駆動ロッド5を回転させる。真空バルブ6は、駆動ロッド5の回転によって開閉され、また切替開閉器7は、駆動ロッド5の回転によって通電接点を選択する。

このような負荷時タップ切替装置1の蓄勢機構2について更に詳細に説明する。図2乃至6に示すように、板状のベース2aには、巻上げケース24と蓄勢ケース27が設けられている。巻上げケース24と蓄勢ケース27は、それぞれ矩形のフレームである。巻上げケース24と蓄勢ケース27の各側縁の伸び方向は、一致しており、巻上げケース24は、蓄勢ケース27よりも若干大きく、蓄勢ケース27の上に被さっている。

ベース2aには、2本のシャフト25が平行に延設されている。これらシャフト25は、巻上げケース24の一対向縁と直交している。巻上げケース24には、シャフト25とフレームとが交差する位置に、シャフト25が貫通するフランジ24cが突設されている。

また、ベース2aには、更に2本のシャフト28がシャフト25と平行に延設されている。このシャフト28は、蓄勢ケース27の一対向縁と直交している。蓄勢ケース27のフレームは、シャフト25の径よりも高く、シャフト28は、この蓄勢ケース27のフレームを貫いている。

すなわち、巻上げケース24は、シャフト25にスライド可能に軸支され、蓄勢ケース27は、シャフト28にスライド可能に軸支されている。巻上げケース24と蓄勢ケース27のスライド方向Sは、このシャフト25、28に沿った方向である。

尚、蓄勢ケース27のフレームのうち、巻上げケース24のフランジ24cに対応する部分には、フランジ24cよりも一回り大きい刳り貫き部27aが形成されており、巻上げケース24のスライドは蓄勢ケース27によっては邪魔されない。

巻上げケース24と蓄勢ケース27が画成する内部領域には、スライド方向Sに沿ってコイルバネ26が取り付けられている。このコイルバネ26は、シャフト25に支持されており、シャフト25がコイルバネ26の内部を貫通している。

コイルバネ26の自然長は、巻上げケース24と蓄勢ケース27の幅と概略同一である。コイルバネ26の両端には、刳り貫き部27aよりも一回り大きい鍔26aが設けられている。そのため、巻上げケース24と蓄勢ケース27が同位置に存在する場合、コイルバネ26の両端は、巻上げケース24と蓄勢ケース27のフレームに当接する。

更に、蓄勢ケース27の内部領域には、ベース2a上にクランク30が設けられている。このクランク30には、回転軸から外れた位置にローラ30aが突設されている。ローラ30aは、蓄勢ケース27の底面から内部へ突出している。一方、蓄勢ケース27の底面には、このローラ30aをスライド方向Sから挟持するブロック29A及びブロック29Bが固定されている。そのため、蓄勢ケース27とクランク30は、連動して動作する。そして、クランク30の回転軸には、ベース2aを貫いた駆動ロッド5が固定されており、クランク30と連動して駆動ロッド5も回転する。

クランク30は、扇型形状を有し、要部分が回転軸となり、扇面にローラ30aが取り付けられている。クランク30において弧線の中心を含む中心領域は、弧線の両端に比べて、半径方向に一段盛り上がっている。すなわち、この中心領域と両端との境界には、段部30b、30cが形成されており、段部30bと段部30cは、クランク30の端から弧線の中心へ向かって一段上がる段差を有する。

ベース2a上には、この段部30bと係合するキャッチ31Aと、段部30cと係合するキャッチ31Bが設けられている。キャッチ31Aとキャッチ31Bは、クランク30aの弧状部分の移動軌跡中心と回転軸とを結んだ線を中心に線対称に配置されており、キャッチ31Aは、略L字形状を有し、キャッチ31Bは、Lの反転文字形状を概略有する。キャッチ31Aとキャッチ31Bの一方の腕は、先端が互いに対向しており、キャッチ31Aのその片腕は、クランク30の段部30bの方向に延び、キャッチ31Bのその片腕は、クランク30の段部30cの方向に伸びている。キャッチ31Aとキャッチ31Bの略平行に延びるもう一方の腕同士は、引っ張りバネ37により連結されている。

このキャッチ31A及びキャッチ31Bは、それぞれの屈曲部に回転軸が配置されており、揺動可能となっている。巻上げケース24には、キャッチ31Aとキャッチ31Bの略平行に延びる腕と直交する側縁部分に、これら腕と内側から当接可能な引き外し爪24aと引き外し爪24bが設けられている。

引き外し爪24aは、巻上げケース24がキャッチ31Aの方向にスライドしたときに、キャッチ31Aを回転軸を中心に跳ね上げ、キャッチ31Aとクランク30の段部30bとの係合を解除する。引き外し爪24bは、巻上げケース24がキャッチ31Bの方向にスライドしたときに、キャッチ31Bを回転軸を中心に跳ね上げ、キャッチ31Bとクランク30の段部30bとの係合を解除する。

このような蓄勢機構2において、巻上げケース24をスライドさせる偏芯カム22は、巻上げケース24と蓄勢ケース27が画成する内部領域の外部に設けられている。偏芯カム22は、駆動軸4に固定され、駆動軸4の回転に伴って軸回転する。この偏芯カム22は、駆動軸4が固定された回転軸と同心の円周の一部からカム山が突出した外形を有する。具体的には、偏芯カム22は、円盤とカム山を有するブロックとにより形成されている。そして、円盤の中心には駆動軸4が固定され、ブロックは、円盤の表面に固定され、カム山部分が円盤の外周から半径方向に突出している。

この偏芯カム22と巻上げケース24とは、長さが固定された揺動継手23を介して連結されている。揺動継手23の一端は、カム山の頂点に連結され、偏芯カム22の回転面と平行に揺動可能となっている。また、揺動継手23の他端は、巻上げケース24のスライド方向Sとは直交する側縁に連結され、巻上げケース24を含む平面と平行に揺動可能となっている。

次に、このような偏芯カム22及び駆動軸4が巻上げケース24と蓄勢ケース27が画成する内部領域の外に設けられる場合の強制投入機構の構成について説明する。まず、偏芯カム22は、ギア21を有する。ギア21は、偏芯カム22の円盤部分であり、外周面に沿って多数の歯が穿設されたスパーギア若しくはヘリカルギアである。

ギア21には、ギア21と平行軸を有する中間ギア32が噛み合っている。中間ギア32は、一対のスパーギア若しくはヘリカルギアがシャフトの両端に固定されて形成されており、一方のギアがベース2aの上面に位置してギア21と噛み合い、他方のギアがベース2aの下方に位置している。

中間ギア32のうち、ベース2aの下方に位置するギアには、ギア21や中間ギア32と平行軸を有するギア33が噛み合っている。このギア33は、スパーギア若しくはヘリカルギアであり、偏芯カム22のギア21と歯数が同一となっている。尚、このギア21、中間ギア32、及びギア33の回転軸は一直線上に配置されている。

このギア33は、カム機構を有しており、カムフォロアとなるスライダ34と係合している。すなわち、ギア33の表面には、カム溝33aが穿設されている。このカム溝33aは、ギア33の回転軸回りに同心円状に形成され、経路の一部が当該回転軸から連続的に離れるカム山となっている。

スライダ34は、板状部材であり、一端にピン34aが設けられている。ピン34aは、スライダ34の表面から突出しており、カム溝33に摺動可能に嵌め込まれている。このスライダ34は、ギア33の回転に伴い、ピン34aがカム溝33内を摺動し、ピン34aがカム山に到達すると、ギア33の回転軸から離れるようにスライドする。このスライダ34のスライド方向は、クランク30と離反する方向である。

尚、スライダ34のピン34aがカム溝33aのカム山頂点に位置するとき、揺動継手23と巻上げケース24とが直交し、巻上げケース24によるコイルバネ26の押し出し量が最大となるように、カム溝33aの位置とカム山の高さは設定されている。

スライダ34には、レバー35がピン35aを介して回転可能に連結されている。ピン35aは、レバー35の回転軸とは外れたレバー35の一端に位置する。レバー35の他端には、押し出しピン35bが設けられている。この押し出しピン35bは、スライダ34のスライドに伴ってレバー35のスライダ34との連結部分がクランク30と離反する方向に回転するため、クランク30に近づく方向に回転する。

このレバー35の押し出しピン35bは、スライダ36の一端と当接している。このスライダ36は、レバー35の押し出しピン35bよりもクランク30側に配置されており、クランク30の外側に一接線方向に沿って延びている。

このスライダ36には、押し出しピン35b側の端部に係合部36bが形成されている。係合部36bは、開口が押し出しピン35bに臨むコの字状を有しており、その開口は、スライダ36の長さ方向に向かって掘設されている。この係合部36bは、開口の最深部で押し出しピン35bと当接している。そのため、レバー35が回転し、押し出しピン35bがクランク30側に回転すると、スライダ36は、クランク30の側を移動する。

このスライダ36は、移動することによって、クランク30を回転させる部材である。すなわち、スライダ36は、クランク30側に開口するコの字状の係合部36cを有している。一方、クランク30は、この係合部36cの開口内部まで延びるサポートホルダ30dを有している。

サポートホルダ30dは、クランク30の回転軸と直交するようクランク30から突き出した突起であり、係合部36cの開口内に内包され、係合部36cの両側辺と当接している。そのため、スライダ36が移動すると、サポートホルダ30dも共に移動し、このサポートホルダ30dの移動力が回転力に変換されて、クランク30が回転するようになっている。尚、このクランク30の回転方向が、蓄勢ケース27のスライド方向Sと一致するように、スライダ34、レバー35、及びスライダ35の配置位置は定められている。

このような強制投入機構において、スライダ34、レバー35、及びスライダ36は、クランク30と偏芯カム22のギア21の両回転軸を結ぶ線を中心に線対称に一対ずつ設けられている。

また、カム溝33aのカム山の高さは、クランク30を最大まで回転させたときには、蓄勢ケース27が巻上げケース24を越えてスライドし、コイルバネ26が自然長よりも若干延びるように設定されている。また、カム溝33aのカム山の高さ、及びクランク30の段部30b、30cの範囲は、クランク30を最大角まで回転させたときには、キャッチ31A、31Bがクランク30の段部30b、30cに落ち、段部30b、30cの段差部分とクランク30の先端とは一定の距離離間するように設定されている。

(作用) 以上のような蓄勢機構2の作用について図3乃至6を参照しつつ詳細に説明する。図3乃至6は、蓄勢機構2の動作を時系列順に示し、図3は、蓄勢機構2の動作中における最初の状態、図4は第2番目の状態、図5は第3番目の状態、図6は、蓄勢機構2の動作中における最後の状態を示す。

まず、図3に示すように、電動操作機構が駆動して駆動軸4が軸回転すると、駆動軸4に固定された偏芯カム22も軸回転する。偏芯カム22の軸回転により、偏芯カム22のカム山は巻上げケース24に近づく。カム山が巻上げケース24に近づくと、巻上げケース24は、揺動継手23が突っ張り棒となるために、シャフト25に沿って偏芯カム22から離れる方向にスライドする。

巻上げケース24がスライドを開始すると、巻上げケース24のフランジ24cは、蓄勢ケース27のフレーム内部に移動する。同時に、コイルバネ26の一端は、鍔26aとフランジ24cとの当接関係によって、蓄勢ケース27の内部へ押し込まれる。

一方、蓄勢ケース27は、キャッチ31Aが段部30bに当接することでクランク30を制止しているために、ブロック29Bでローラ30aを移動させることができず、不動となっている。そのため、コイルバネ26の他端は、蓄勢ケース27の側縁に当接したまま、不動のままである。すなわち、コイルバネ26は、巻上げケース24と蓄勢ケース27との間で収縮され、蓄勢状態となる。

次に、図4に示すように、電動操作機構が駆動することで、更に巻上げケース24がスライドする。そうすると、引き外し爪24aがキャッチ31Aの腕を内側から外側へ押し出し、キャッチ31Aは、段部30bと当接しているキャッチ31Aの腕が当該段部30bから離れる方向に跳ね上げられる。

キャッチ31Aが跳ね上げられると、キャッチ31Aとクランク30との係合関係が解除され、クランク30は回転可能となる。そうすると、クランク30が回転可能となるまで縮小を続けていたコイルバネ26は、放勢を開始する。すなわち、コイルバネ26は、伸張し、蓄勢ケース27を巻上げケース24が移動した方向にシャフト28に沿ってスライドさせる。

蓄勢ケース27がスライドすると、ブロック29Bは、ローラ30aを押し込んで移動させる。そして、ローラ30aがクランク30の円周方向に移動することで、クランク30は軸回転する。クランク30の軸回転により、駆動ロッド5は軸回転を開始する。

更に、強制投入機構側では、このコイルバネ26の蓄勢及び放勢の間に、次のように動作している。すなわち、偏芯カム22の回転に伴ってギア21が回転し、噛み合っていた中間ギア32を介してギア33も回転する。ギア33の回転により、スライダ34のピン34aは、カム溝33a内を摺動する。

スライダ34のピン34aは、引き外し爪24aがキャッチ31Aを跳ね上げ、キャッチ31Aとクランク30との係合が解除されたころに、カム溝33aが有するカム山の裾野部分に到達する。そして、偏芯カム22が更に回転することで、スライダ34のピン34aは、カム溝33a内をカム山の頂点に向けて摺動する。

スライダ34のピン34aがカム溝33内をカム山の頂点に向けて摺動すると、スライダ34は、ピン34aに引っ張られることで、クランク30から離れる方向に移動する。そうすると、スライダ34に連結しているレバー35は、押し出しピン35bをクランク30の方向に移動させるように、回転し始める。

押し出しピン35bがクランク30の方向に移動すると、押し出しピン35bは、係合部36bでスライダ34と当接し、スライダ34をクランク30の接線方向に移動させる。スライダ34の移動が開始すると、スライダ34は、サポートホルダ30dを係合部36cを用いて回転させる。サポートホルダ30dが回転すると、サポートホルダ30dが固定されているクランク30も蓄勢ケース27のスライド方向Sに軸回転を開始する。

次に、図5に示すように、更に偏芯カム22が回転し、スライダ34のピン34aがカム溝33aのカム山頂点に位置すると、スライダ34のスライド量は最大となり、伴ってクランク30もコイルバネ26の放勢に頼らずに強制的に最大角まで回転させられる。この強制投入機構の駆動によってクランク30が最大角まで回転すると、キャッチ31Bはクランク30の段部30cに落ち、段部30cの段差部分と一定の距離だけ離間する。

また、スライダ34のピン34aがカム溝33aのカム山頂点に位置すると、蓄勢ケース27は、巻上げケース24を越えてスライドし、コイルバネ26が自然長よりも若干延びる。

更に、図6に示すように、偏芯カム22が最後まで回転すると、スライダ34のピン34aがカム溝33aのカム山頂点を過ぎる。このとき、スライダ34は逆方向に少し戻り、レバー35bの押し出しピン35bはスライダ36の係合部36bから少し離れる。この状態では、強制投入機構によるクランク30への作用はなくなっている。

そのため、自然長よりも若干延びていたコイルバネ26の縮み作用により、巻上げケース24を越えてスライドしていた蓄勢ケース27は、巻上げケース24と一致する位置まで戻る。この蓄勢ケース27の戻り動作によって、ブロック29Aはローラ30aを押し戻し、クランク30は逆回転する。クランク30の逆回転により、キャッチ31Bは、段部30cの段差部分と当接し、クランク30はキャッチ31Bによって回転を抑止される。

このクランク30がキャッチ31Bによって回転を抑止されている状態では、偏芯カム22の逆回転により上述の逆動作が行われ、対称配置された他方のスライダ34、レバー35、及びスライダ36によって強制投入動作が行われる。

(効果) 以上のように、本実施形態に係る蓄勢機構2において、偏芯カム22は、内部領域の外側に設けられ、巻上げケース24に外部から揺動継手23を介して連結する。この偏芯カム22は、電動操作機構によって回転されることにより、揺動継手23を介して巻上げケース24をスライドさせるようにした。これにより、偏芯カム22は、クランク30やキャッチ31Aやキャッチ31Bと重ねる必要はなくなり、蓄勢機構2の厚みを薄くすることができ、負荷時タップ切替装置1の省スペース化を図ることができる。

強制投入機構としては、偏芯カム22の回転軌跡と同心円状に歯が穿設されたギア21と、ギア21の回転によってクランク30の回転接線方向に直線運動するとともに、クランク30とサポートホルダ30dを介して連結されるスライダ36により構成される。

このギア21の回転力をスライダ36の直線運動に変換する機構としては、蓄勢ケース27の裏側にギア33を配置し、このギア33にギア21の回転を伝達する。ギア33には、カム溝33aを穿設する。このカム溝33aは、ギア33の回転軸回りに形成され、一部領域が当該回転軸から連続的に離れるカム山を有する。そして、このカム溝33a内を摺動するピン35aを有するスライダ34を設け、ギア33の回転に伴って直線運動させる。このスライダ34には、レバー35の一端を連結し、レバー35をスライダ34の直線運動に伴って揺動させるようにし、レバー35の他端でスライダ36を押し出し、スライダ36を直線運動させるようにする。

これにより、蓄勢ケース27の裏側というデッドスペースを用いて強制投入機構を設けることができるため、強制投入機構を配しても負荷時タップ切替装置1の高さや体積を損なうことはない。

また、この強制投入機構は、ギア21とギア33とに噛み合う中間ギア32を更に備え、ギア21とギア33の歯数を同一とし、ギア21と中間ギア32とギア33の各軸は、一直線上に配置するようにした。これにより、切替開閉器7の回転方向による動作の可逆性を損なうことなく、負荷方向は180度方向に均等に分割される。

[その他の実施の形態] 本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

1 負荷時タップ切替装置 2 蓄勢機構 2a ベース 21 ギア 22 偏芯カム 23 揺動継手 24 巻上げケース 24a 引き外し爪 24b 引き外し爪 24c フランジ 25 シャフト 26 バネ 26a 鍔 27 蓄勢ケース 27a 刳り貫き部 28 シャフト 29A ブロック 29B ブロック 30 クランク 30a ローラ 30b 段部 30c 段部 30d サポートホルダ 31A キャッチ 31B キャッチ 32 中間ギア 33 ギア 33a カム溝 34 スライダ 34a ピン 35 レバー 35a ピン 35b 押出しピン 36 スライダ 36b 係合部 36c 係合部 37 引っ張りバネ 4 駆動軸 5 駆動ロッド 6 真空バルブ 7 切替開閉器

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