開閉装置

申请号 JP2015554603 申请日 2014-09-11 公开(公告)号 JP5971671B2 公开(公告)日 2016-08-17
申请人 三菱電機株式会社; 发明人 垣尾 政之; 柏 宗孝; 山田 慎太郎; 松永 敏宏;
摘要
权利要求

固定側接点と、 前記固定側接点に接触する閉位置と前記固定側接点から離れる開位置との間で変位する可動側接点と、 固定子および前記固定子に対して変位する可動子を有し、前記可動側接点を変位させる動を発生させる駆動部と、 前記駆動部によって発生した動力が伝達されることによって前記可動側接点を変位させるとともに、前記可動側接点が前記閉位置にある場合に前記可動側接点を前記固定側接点に押し付ける動力伝達部と を備え、 前記動力伝達部は、前記可動子とともに変位する駆動部側ばね受部と、前記駆動部側ばね受部に対向して設けられ、前記可動側接点とともに変位する接点側ばね受部と、前記駆動部側ばね受部と前記接点側ばね受部との間に設けられ、前記駆動部側ばね受部と前記接点側ばね受部とが互いに離れる方向に前記駆動部側ばね受部および前記接点側ばね受部を押すばね体とを有し、 前記ばね体は、外側ばねと、前記外側ばねの内側に設けられ、前記外側ばねに対して並列接続され、前記可動側接点が前記開位置にある状態から投入の最終端となるまでの間で前記外側ばねと同じ縮み量となるように配置された内側ばねとを含み、 前記外側ばねの反発力を前記内側ばねの反発力よりも大きくし、 前記動力伝達部は、前記駆動部側ばね受部および前記接点側ばね受部の少なくとも一方に設けられ、前記外側ばねの径方向の移動を規制する規制部を有していることを特徴とする開閉装置。前記動力伝達部は、前記接点側ばね受部に対して固定されるともに前記内側ばねの内側に設けられ、外径が前記内側ばねの内径と一致する中心軸をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。前記外側ばねの固有振動数を前記内側ばねの固有振動数よりも小さくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の開閉装置。前記外側ばねの固有振動数を系の最低次の固有振動数とすることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の開閉装置。固定側接点と、 前記固定側接点に接触する閉位置と前記固定側接点から離れる開位置との間で変位する可動側接点と、 固定子および前記固定子に対して変位する可動子を有し、前記可動側接点を変位させる動力を発生させる駆動部と、 前記駆動部によって発生した動力が伝達されることによって前記可動側接点を変位させるとともに、前記可動側接点が前記閉位置にある場合に前記可動側接点を前記固定側接点に押し付ける動力伝達部と を備え、 前記動力伝達部は、前記可動子とともに変位する駆動部側ばね受部と、前記駆動部側ばね受部に対向して設けられ、前記可動側接点とともに変位する接点側ばね受部と、前記駆動部側ばね受部と前記接点側ばね受部との間に設けられ、前記駆動部側ばね受部と前記接点側ばね受部とが互いに離れる方向に前記駆動部側ばね受部および前記接点側ばね受部を押すばね体とを有し、 前記ばね体は、外側ばねと、前記外側ばねの内側に設けられ、前記外側ばねに対して並列接続され、前記可動側接点が前記開位置にある状態から投入の最終端となるまでの間で前記外側ばねと同じ縮み量となるように配置された内側ばねとを含み、 前記外側ばねの固有振動数を前記内側ばねの固有振動数より小さくすることを特徴とする開閉装置。前記動力伝達部は、前記駆動部側ばね受部および前記接点側ばね受部の少なくとも一方に設けられ、前記外側ばねの径方向の移動を規制する規制部を有している請求項5に記載の開閉装置。前記駆動部は、前記固定子と前記可動子との間に設けられ前記可動側接点が前記開位置から前記閉位置に変位する際に前記固定子と前記可動子との間に衝撃が発生することを抑制する衝撃発生抑制部をさらに有していることを特徴とする請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の開閉装置。前記動力伝達部は、前記可動子と前記可動側接点との間に設けられ前記可動側接点が前記開位置から前記閉位置に変位する際に前記固定子と前記可動子との間に発生する衝撃が前記可動側接点に伝達することを抑制する衝撃伝達抑制部をさらに有していることを特徴とする請求項1から請求項7までの何れか一項に記載の開閉装置。固定側接点と、 前記固定側接点に接触する閉位置と前記固定側接点から離れる開位置との間で変位する可動側接点と、 固定子および前記固定子に対して変位する可動子を有し、前記可動側接点を変位させる動力を発生させる駆動部と、 前記駆動部によって発生した動力が伝達されることによって前記可動側接点を変位させるとともに、前記可動側接点が前記閉位置にある場合に前記可動側接点を前記固定側接点に押し付ける動力伝達部と を備え、 前記動力伝達部は、前記可動子とともに変位する駆動部側ばね受部と、前記駆動部側ばね受部に対向して設けられ、前記可動側接点とともに変位する接点側ばね受部と、前記駆動部側ばね受部と前記接点側ばね受部との間に設けられ、前記駆動部側ばね受部と前記接点側ばね受部とが互いに離れる方向に前記駆動部側ばね受部および前記接点側ばね受部を押すばね体とを有し、 前記ばね体は、二重以上の外側ばねと、前記外側ばねの内側に設けられ、前記外側ばねに対して並列接続され、前記可動側接点が前記開位置にある状態から投入の最終端となるまでの間で前記外側ばねと同じ縮み量となるように配置された内側ばねとを含んでいることを特徴とする開閉装置。

说明书全文

この発明は、受変電設備に用いられる開閉装置に関する。

一般的に、電用開閉装置において、開極状態の接点対をある速度で投入(閉極)する際に、接点間でバウンスが生じる。このバウンスは、一般にチャタリングと呼ばれている。接点間には電位差があるため、チャタリングが生じることによって接点間にアークが発生する。これにより、接点の表面が荒れ、または、接点の表面が消耗し、接点間における接触抵抗が増加する。さらに、チャタリングが生じている間における接点が互いに離れている時間が長くなると、それぞれの接点が溶着する。これらの問題点を解決するために、チャタリングを抑制することは重要である。

一般に、投入は衝突現象であるので、バウンスを抑制するためには、ゴムなどの減衰の高い機構を用いて、エネルギーを散逸させることが有効である。しかしながら、開閉装置が使用される屋外の過酷な環境では、この機構の劣化が課題となるので、この機構を用いることができない。

そこで、従来、積層された複数の板である積層板を介して固定側接点が支持台に支持されることでエネルギーを散逸させる開閉装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。

特開2006−164654号公報

しかしながら、積層板は接点を保持するために剛性を高くする必要があるので、積層板の剛性を高くすることによってチャタリングの抑制効果が減少してしまうという問題点があった。

この発明は、チャタリングの発生をより抑制することができる開閉装置を提供するものである。

この発明に係る開閉装置は、固定側接点と、固定側接点に接触する閉位置と固定側接点から離れる開位置との間で変位する可動側接点と、固定子および固定子に対して変位する可動子を有し、可動側接点を変位させる動力を発生させる駆動部と、駆動部によって発生した動力が伝達されることによって可動側接点を変位させるとともに、可動側接点が閉位置にある場合に可動側接点を固定側接点に押し付ける動力伝達部とを備え、動力伝達部は、可動子とともに変位する駆動部側ばね受部と、駆動部側ばね受部に対向して設けられ、可動側接点とともに変位する接点側ばね受部と、駆動部側ばね受部と接点側ばね受部との間に設けられ、駆動部側ばね受部と接点側ばね受部とが互いに離れる方向に駆動部側ばね受部および接点側ばね受部を押すばね体とを有し、ばね体は、二重以上の外側ばねと、外側ばねの内側に設けられ、外側ばねに対して並列接続され、可動側接点が開位置にある状態から投入の最終端となるまでの間で外側ばねと同じ縮み量となるように配置された内側ばねとを含んでいる。

この発明に係る開閉装置によれば、可動側接点が開位置から閉位置に変位する際に、衝撃によって発生する加振力の可動側接点への影響を低下させることによって、可動側接点と固定側接点とが離れることを抑制することができる。その結果、チャタリングの発生をより抑制することができる。

この発明の実施の形態1に係る開閉装置を示す側断面図である。

図1の動力伝達部の要部を示す拡大図である。

図2の規制部の変形例を示す図である。

図1の開閉装置の閉極時の状態を示す側断面図である。

開閉装置に発生する加振力および系の最低次の固有振動数を示すグラフである。

図4の可動子がケースに衝突する時の開閉装置を示す側断面図である。

図1の開閉装置に流れる電流と時間との関係を示すグラフである。

開閉装置に発生する加振力、系の最低次の固有振動数および上昇した系の最低次の固有振動数を示すグラフである。

この発明の実施の形態2に係る開閉装置の要部を示す側断面図である。

図9の電磁アクチュエータを備えた開閉装置を示す側断面図である。

図1のばね体を三重化した場合の開閉装置を示す側断面図である。

図11の開閉装置に発生する加振力、系の最低次の固有振動数および上昇した系の最低次の固有振動数を示すグラフである。

実施の形態1. 図1はこの発明の実施の形態1に係る開閉装置を示す側断面図である。図1では、開閉装置の開極時の状態を示している。図において、開閉装置は、樹脂から構成された筐体1と、筐体1に収容され、筐体1に対して固定された固定側接点2と、固定側接点2に接触する閉位置と固定側接点2から離れる開位置との間で変位する可動側接点3と、可動側接点3を変位させる動力を発生させる電磁アクチュエータ(駆動部)4と、電磁アクチュエータ4によって発生した動力が伝達されることによって可動側接点3を変位させるとともに、可動側接点3が閉位置にある場合に可動側接点3を固定側接点2に押し付ける動力伝達部5とを備えている。

電磁アクチュエータ4は、ケース41と、ケース41に収容され、ケース41に対して固定されたコイル42と、コイル42の内側に挿入可能に設けられ、磁石から構成された可動子43と、可動子43に対して固定されたアクチュエータ駆動軸44とを有している。ケース41およびコイル42から固定子が構成されている。可動子43は、コイル42の軸方向について移動可能となっている。アクチュエータ駆動軸44は、可動子43の移動方向に延びて配置されている。また、アクチュエータ駆動軸44は、可動子43から可動側接点3に向かって延びて配置されている。

動力伝達部5は、駆動部側ばね受部51と、駆動部側ばね受部51よりも可動側接点3側に設けられ、駆動部側ばね受部51に対向する接点側ばね受部52と、駆動部側ばね受部51および接点側ばね受部52に渡って設けられた中心軸53と、中心軸53と可動側接点3との間に設けられた絶縁ロッド54と、駆動部側ばね受部51と接点側ばね受部52との間に設けられ、駆動部側ばね受部51と接点側ばね受部52とが互いに離れる方向に駆動部側ばね受部51および接点側ばね受部52を押すばね体55とを有している。

駆動部側ばね受部51は、アクチュエータ駆動軸44に対して固定されている。したがって、駆動部側ばね受部51は、可動子43とともに変位する。

接点側ばね受部52は、中心軸53に対して固定されている。したがって、接点側ばね受部52は、中心軸53とともに変位する。

中心軸53は、駆動部側ばね受部51に対して固定されていない。したがって、駆動部側ばね受部51は、中心軸53に対して軸方向について変位可能となっている。

中心軸53、絶縁ロッド54および可動側接点3は、互いに固定されている。したがって、駆動部側ばね受部51は、可動側接点3とともに変位する。

電磁アクチュエータ4は、コイル42と可動子43との間に発生する電磁力による相互作用によって動力を発生させる。電磁アクチュエータ4において発生した動力は、アクチュエータ駆動軸44を通じて、駆動部側ばね受部51、ばね体55、接点側ばね受部52および中心軸53の順に伝わり、さらに、絶縁ロッド54を通じて可動側接点3に伝わる。ここで、駆動部側ばね受部51および中心軸53は互いに固定されていないものの、ばね体55を介して、可動側接点3を固定側接点2に押し付ける力(押付力)が駆動部側ばね受部51から可動側接点3に伝わる。

閉極時の開閉装置では、電磁アクチュエータ4による磁気吸引力F1を、ばね体55による反発力F2よりも大きくすることで(磁気吸引力F1>反発力F2)、固定側接点2と可動側接点3との間に圧力が発生した状態で、固定側接点2と可動側接点3との接触が確保される。つまり、この場合、可動側接点3が固定側接点2に押し付けられる。

図2は図1の動力伝達部5の要部を示す拡大図である。図において、ばね体55は、中心軸53に沿って延びた外側ばね551と、外側ばね511の内側に設けられ、中心軸53に沿って延びた内側ばね552とを含んでいる。外側ばね551および内側ばね552は、同心円上に配置されている。具体的には、内側ばね552は中心軸53よりも径方向外側に配置され、外側ばね551は内側ばね552よりも径方向外側に配置されている。つまり、中心軸53は内側ばね552の内側に配置され、内側ばね552は外側ばね551の内側に配置されている。内側ばね552は、外側ばね551に対して並列接続されるように配置されている。これにより、外側ばね551および内側ばね552のそれぞれは、互いに別々に、駆動部側ばね受部51と接点側ばね受部52とが互いに離れる方向に駆動部側ばね受部51および接点側ばね受部52を押す。

動力伝達部5は、駆動部側ばね受部51および接点側ばね受部52の両方に設けられ外側ばね551の径方向の移動を規制する一対の規制部56をさらに有している。これにより、閉極時に外側ばね551を介して可動側接点3を固定側接点2に押し付ける力が変動することが抑制される。

中心軸53の外径は、内側ばね552の内径と一致する。これにより、中心軸53は、内側ばね552の径方向の移動を規制する。その結果、閉極時に内側ばね552を介して可動側接点3を固定側接点2に押し付ける力が変動することが抑制される。

また、ばねの径方向についてのずれδは、非特許文献(ばね技術研究会編、「ばね」、丸善株式会社、1982年12月、P.233)に示される下記の式(1)のように、ばねの外径2Rが小さくなるにつれて小さくなる。

上記の式(1)において、ばねの線径dおよび巻数nは、ねじり応力の限界値によって拘束されるので、変数はばねの外径Rのみとなる。

したがって、内側ばね552の内径が中心軸53の外径と一致することによって、閉極時に内側ばね552を介して可動側接点3を固定側接点2に押し付ける力の変動が最小限に抑制される。

外側ばね551および内側ばね552における径方向のずれが防止され、閉極時に外側ばね551および内側ばね552を介して可動側接点3を固定側接点2に押し付ける力の変動が小さくなり、チャタリングの発生が抑制される。

内側ばね552における径方向のずれ防止が中心軸53によって行われるので、規制部56を曲げ加工、旋盤加工、円状のプレートを貼り付けるなどによって構成でき、駆動部側ばね受部51および接点側ばね受部52の形状を単純な形状とすることができる。

1つのばねから構成されるばね体と比較して、外側ばね551および内側ばね552から構成されるばね体55の場合、つまり、ばね体55を2重化する場合、ばね体55を軸方向および径方向について小型化することができる。

なお、この例では、規制部56は、図2に示すように中心軸53の周方向の全領域に渡って配置された構成について説明しているが、中心軸53の周方向について複数の凸部が並べて配置された構成であってもよい。また、図3に示すように、規制部56が外側ばね551に径方向外側から当接して、外側ばね551の移動を規制する構成(a)、規制部56が外側ばね551に径方向内側から当接するとともに規制部56が内側ばね552に径方向外側から当接して、外側ばね551および内側ばね552の移動を規制する構成(b)、規制部56が外側ばね551および内側ばね552の両方に径方向外側から当接して、外側ばね551および内側ばね552の移動を規制する構成(c)であってもよい。また、図3に示すように、規制部56が外側ばね551に径方向外側から当接し、規制部57が内側ばね551に径方向内側から当接して、外側ばね551および内側ばね552の移動を規制する構成(d)、規制部56が外側ばね551に径方向外側から当接し、規制部57が外側ばね551に径方向内側から当接するとともに内側ばね552に径方向外側から当接して、外側ばね551および内側ばね552の移動を規制する構成(e)、規制部56が外側ばね551に径方向外側から当接し、規制部57が外側ばね551に径方向内側から当接して、外側ばね551の移動を規制する構成(f)であってもよい。なお、図3には、駆動部側ばね受部51に設けられる規制部について示しているが、接点側ばね受部52に設けられる規制部は、駆動部側ばね受部51に設けられる規制部と同様である。また、駆動部側ばね受部51に設けられる規制部と、接点側ばね受部52に設けられる規制部とで、互いに異なる構成としてもよい。

図4は図1の開閉装置の閉極時の状態を示す側断面図である。開閉装置が開極状態から閉極状態に変化(投入)する場合、固定側接点2と可動側接点3との間で衝突が発生する。この衝突による反発力は、固定側接点2と可動側接点3との間が開き、チャタリングが発生しやすい方向に作用する。この反発力は、インパルス的な力となるので、図5に示す加振力100のように、広範囲の周波数の力が励起される。ここで、この反発力が伝わる系全体を考えた場合、系の最低次の固有振動数200では、加振力100が増幅され、系の最低次の固有振動数200の周波数において、固定側接点2と可動側接点3との間が開き、チャタリングが発生しやすい方向に力が働くようになる。

図6は図4の可動子43がケース41に衝突する時の開閉装置を示す側断面図である。投入の最終端では、可動子43がケース41に衝突する。投入の最終端とは、投入された場合の開閉装置の状態であって、コイル42への電流の供給が開始され可動子43が移動を開始した後に、可動子43が固定側接点2に最も近付いた状態である。可動子43とケース41との間の衝突による反発力も図4に示す場合と同様に、固定側接点2と可動側接点3との間が開き、チャタリングが発生しやすい方向に作用する。この反発力はインパルス的な力となるので、図5に示す加振力100のように、広範囲の周波数の力が励起される。ここで、この反発力が伝わる系全体を考えた場合、系の最低次の固有振動数200では加振力100が増幅され、系の最低次の固有振動数200の周波数において、固定側接点2と可動側接点3との間が開き、チャタリングが発生しやすい方向に力が働くようになる。ここで、系の最低次の固有振動数200とは、開閉装置を構成する金属部材の伸びおよびねじれによって生じる固有振動数を避けるため、1kHz以下で最大のゲインとなる周波数と定義する。

電流は、投入後すぐに固定側接点2と可動側接点3との間を流れ出す。初期位相を0とし、交流の周波数50〜60Hzとすると、図7に示すように、電流が最大となる時間t(4.2ms〜5ms)付近でのチャタリングが固定側接点2および可動側接点3の消耗に大きな影響を与える。実際には位相の遅れがあるので、さらに後の時間tで電流が最大となるので、図4の場合の投入直後に発生する可動側接点3と固定側接点2との衝撃によるチャタリングよりも、図6の場合の可動子43とケース41との衝撃によるチャタリングの方が固定側接点2および可動側接点3の消耗に影響しやすい。

系の最低次の固有振動数200は、金属部材の曲げ、伸びおよびねじれ、ばね体55の曲げ、ねじれおよびサージングなどの複数の固有振動数が候補となる。一般的に金属部材の伸びおよびねじれは数kHzと高く、系の最低次の固有振動数200にはなりにくい。これと比較して、金属部材の曲げ、ばね体55の固有振動数は、比較的低いので、最低次の固有振動数200の候補となる。また、樹脂から構成された筐体1も金属部材と比較して剛性が低く、系の最低次の固有振動数200の候補となる。

二重化されたばね体55は、同じばね定数である一重のばね体(図示せず)と比較して、荷重が分散されるので、各ばねの質量が軽くなり、ばね体55のサージングの周波数を上昇させることができる。これにより、系の最低次の固有振動数200がばね体55の固有振動数である場合、ばね体55を二重化することによって系の最低次の固有振動数200を上昇させることができ、図8に示すように、上昇した系の最低次の固有振動数201、202とすることができる。ばね体55の固有振動数を大きく上昇させることができれば、系の固有振動数の中で他の固有振動数よりも大きくなり、ばね体55の固有振動数201、202が系の最低次の固有振動数200ではなくなることが可能となる。

一般的に固有振動数が高周波となると、加振力自体が小さくなり減衰が大きくなるので、振動が発生しにくくなる。開閉装置においては、系の最低次の固有振動数200を上昇させることによって、チャタリングの発生の抑制が可能となる。

また、ばね体55を二重化することで、一重のばね体と比較して小型化を図ることができので、曲げおよびねじれによる固有振動数も上昇し、同様にチャタリングの発生の抑制が可能となる。

以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る開閉装置によれば、ばね体55は、外側ばね551と、外側ばね551の内側に設けられ、外側ばね551に対して並列接続されるように配置された内側ばね552とを含んでいるので、電磁アクチュエータ4から可動側接点3までの間の最低次の固有振動数200を上昇させることができる。これにより、衝撃によって発生する加振力の可動側接点3への影響を低下させて、可動側接点3と固定側接点2とが離れることを抑制することができる。その結果、チャタリングの発生をより抑制することができる。

また、動力伝達部5は、接点側ばね受部52に対して固定されるともに内側ばね552の内側に設けられ、外径が内側ばね552の内径と一致する中心軸53と、駆動部側ばね受部51および接点側ばね受部52に設けられ、外側ばね551の径方向の移動を規制する規制部56と有しているので、外側ばね551および内側ばね551が径方向に移動することが防止され、閉極時に外側ばね551および内側ばね552を介して可動側接点3を固定側接点2に押し付ける力の変動を小さくすることができ、チャタリングの発生を抑制することができる。また、駆動部側ばね受部51および接点側ばね受部52の形状を単純な形状とすることができる。

なお、上記実施の形態1では、ばね体55の固有振動数を上昇させるためにばね体55を二重化する構成について説明したが、サージングを抑制できるサージングレスばねを用いたばね体55であってもよい。サージングレスばねは、不等ピッチにしたり、または、ばね間に変位を拘束する部材を挿入したりすることで実現することができる。また、ばね体55を三重以上に多重化する構成であってもよい。本願明細書においては、一般にサージングレスコイルばねまたはサージングレスコイルスプリングと言われる、サージングを抑制するばね、またはサージレス機能を持つばねのことをサージングレスばねと示している。

実施の形態2. 図6に示す投入の最終端では、可動子43がケース41に衝突し、衝撃が発生する。したがって、この衝撃の発生または可動側接点3への伝達を抑制することができれば、チャタリングの発生を抑制することができる。衝撃の発生または可動側接点3への伝達を抑制する方法としては、衝撃の元を断つ場合と、衝撃の伝達経路を断つ場合との2つのパターンが考えられる。

図9はこの発明の実施の形態2に係る開閉装置の要部を示す側断面図である。図9では、衝撃の元を断つ場合の開閉装置を示している。電磁アクチュエータ4は、可動子43に設けられた衝撃発生抑制部45をさらに有している。衝撃発生抑制部45は、可動側接点3(図6)が閉位置にある場合に、可動子43とケース41との間に挟まれるように配置されている。これにより、衝撃発生抑制部45は、可動側接点3が開位置から閉位置に変位する際に可動子43とケース41との間に衝撃が発生することを抑制する。

衝撃発生抑制部45の製造方法としては、ケース41の衝突面に対向する可動子43の面の形状を粗く形成することによって可動子43に衝撃発生抑制部45を形成する方法、可動子43がケース41に片当たりするように可動子43を形成することによって可動子43に衝撃発生抑制部45を形成する方法、ケース41の衝突面に対向する可動子43の部分を積層化することによって可動子43に衝撃発生抑制部45を形成する方法、または、ケース41の衝突面に対向する可動子43の部分に減衰の大きなゴムなどの部材を配置する方法が挙げられる。ただし、閉極時に、電磁アクチュエータ4による磁気吸引力F1がばね体55による反発力F2よりも大きい関係(磁気吸引力F1>反発力F2)を維持し、投入の失敗を防ぐために、衝撃発生抑制部45は、剛性を高く磁気吸引力F1を下げない形状となる厚みまたは形状とする。なお、図9では、可動子43に衝撃発生抑制部45が設けられる構成について説明したが、ケース41にも衝撃発生抑制部45が設けられる構成であってもよく、また、可動子43およびケース41の何れか一方に衝撃発生抑制部45が設けられる構成であってもよい。

図10は図9の電磁アクチュエータ4を備えた開閉装置を示す側断面図である。図10では、衝撃の伝達経路を断つ場合の開閉装置を示している。動力伝達部5は、駆動部側ばね受部51に設けられ駆動部側ばね受部51とばね体55とに挟まれる衝撃伝達抑制部58をさらに有している。

衝撃伝達抑制部58の製造方法としては、減衰の大きなゴム、積層部材、または油圧ダンパなどを駆動部側ばね受部51に取り付ける方法が挙げられる。

なお、この例では、駆動部側ばね受部51とばね体55との間に衝撃伝達抑制部58が設けられる構成について説明しているが、可動子43と可動側接点3との間に衝撃伝達抑制部58が設けられる構成であればよい。これにより、可動側接点3が開位置から閉位置に変位する際に可動子43とケース41の間に発生する衝撃が可動側接点3に伝達することが抑制される。また、開閉装置は、衝撃発生抑制部45および衝撃伝達抑制部58の両方を備えた構成であってもよい。

以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る開閉装置によれば、電磁アクチュエータ4は、ケース41と可動子43との間に設けられ可動側接点3が開位置から閉位置に変位する際にケース41と可動子43との間に衝撃が発生することを抑制する衝撃発生抑制部45をさらに有しているので、電磁アクチュエータ4の終端での衝撃が可動側接点3に伝達されることが抑制される。これにより、衝撃によって発生する加振力の可動側接点3への影響を低下させて、可動側接点3と固定側接点2とが離れることを抑制することができる。その結果、チャタリングの発生をより抑制することができる。

また、動力伝達部5は、可動子43と可動側接点3との間に設けられ可動側接点3が開位置から閉位置に変位する際にケース41と可動子43との間に発生する衝撃が可動側接点3に伝達することを抑制する衝撃伝達抑制部58をさらに有しているので、電磁アクチュエータ4の終端での衝撃が可動側接点3に伝達されることが抑制される。これにより、衝撃によって発生する加振力の可動側接点3への影響を低下させて、可動側接点3と固定側接点2とが離れることを抑制することができる。その結果、チャタリングの発生をより抑制することができる。

電磁アクチュエータ4で生み出される磁気吸引力F1は、動力伝達部5でマイナスされる反発力F2を介して、全て固定側接点2と可動側接点3との間に加えられる圧力F1−F2として作用する。

図6に示す押込み状態は、通常の通電状態であり、高電流が流れると電磁反発力F3が作用する。ここで、F1−F2

ここで、駆動部側ばね受部51と接点側ばね受部52とは、内側ばね552および外側ばね551を挟み込んでいる。図1に示す開極状態から図6に示すケース41に衝突する押込み状態へは、内側ばね552と外側ばね551とは同じ変位量で伸び縮みすることで、ロスなく電磁アクチュエータ4で生み出される磁気吸引力F1が、動力伝達部5に伝達され、固定側接点2と可動側接点3との間に伝達される。

内側ばね552および外側ばね551において、それぞれのサージングの周波数を平均的に上げるために最適な形状は、同じばねの線径、外径とすることである。しかしながら、この構成では、内側ばね552および外側ばね551が互いに干渉してしまい、同心円上に配置することができない。もし、同心円上ではない並列状態で配置した場合、荷重の不均一性のために可動側接点3または電磁アクチュエータ4に曲げ方向の力が作用して、動作が安定しなくなる。そのため、内側ばね552の外径は、外側ばね551の内径より小さくする必要がある。しかしながら、線形を同一のまま内側ばね552の外径を小さくすると、ばねの修正応力が問題となり、ばねの信頼性が低下する。そのため、内側ばね552の線径は、外側ばね551の線径よりも小さくする。線形が小さく内径も小さいばねは、反発力も小さくなるため、外側ばね551の反発力は内側ばね552の反発力よりも大きくなる。また、線形が小さく内径も小さいばねは、ばねの質量も小さくなり、サージングの周波数が上昇するので、上昇した系の最低次の固有振動数201は外側ばね511によって生じる。

図11は図1のばね体55を三重化した場合の開閉装置を示す側断面図、図12は図11の開閉装置に発生する加振力、系の最低次の固有振動数および上昇した系の最低次の固有振動数を示すグラフである。外側ばね551を二重化することによって、ばね体55が三重化されている。図11に示すばね体55を三重化することによって、系の最低次の固有振動数200を上昇させることができ、上昇した系の最低次の固有振動数201、202、203とすることができる。上昇した系の最低次の固有振動数201、202、203は、図8に示す系の最低次の固有振動数201、202と比較して、ばね体55の固有振動数を高くできるとともに、ゲインも低い値とすることができる。四重化以上の多重化した場合も同様の効果が得られるが、高周波域になると加振力自体が小さくなってくるため効果が得られにくくなってくる。

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