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Member and a method of manufacturing the same for a push button switch

申请号 JP2006156809 申请日 2006-06-06 公开(公告)号 JP4146866B2 公开(公告)日 2008-09-10
申请人 サンアロー株式会社; 发明人 正平 村上; 勝 相馬;
摘要
权利要求
  • 携帯用電子機器の押釦スイッチに用いるキーシートであって、
    略薄板形状の金属製シートと、該金属製シートの両面に接合された可撓性材料からなる外層シートと、を備えたサンドイッチ構造を有するキートップと、
    該キートップの一方の面に接合される弾性材料からなるシート状のキーベースと、
    を備え、
    少なくとも 前記キーベースが接合される側に配置された前記外層シート及び前記金属製シートに、押釦可動用の切欠領域が設けられ、
    前記キーベースに設けられた凸部を前記切欠領域に挿入して形成した前記金属製シートの端部を保護するための保護手段を有するキーシート。
  • 前記金属製シートに所定の凹凸形状が形成されている請求項1に記載のキーシート。
  • 前記金属製シートの前記切欠領域において、前記切欠領域の内側に存在する内側金属部分と、前記切欠領域の外側に存在する外側金属部分とが前記切欠領域よって分離されており、前記内側金属部分と前記外側金属部分との間の位置関係が、接合された前記外層シートによって保持されている請求項1または2に記載のキーシート。
  • 少なくとも一方の前記外層シートの前記切欠領域に対応する位置に、所定の着色が施されている請求項1から3の何れか1項に記載のキーシート。
  • 说明书全文

    携帯電話や携帯情報端末装置(PDA:Personal Digital Assistance)を始めとする携帯用電子機器の押釦スイッチに用いられる部材及びその製造方法に関し、特に、押動操作により接点のオンオフ作動を行なうためのキートップ及びキーシート、並びにその製造方法に関する。

    携帯電話や携帯情報端末装置(PDA)を始めとする携帯用電子機器の押釦スイッチの部品として、キーシートが広く用いられている。 このキーシートは、通常、樹脂材料からなるキートップと、シリコーンゴム、熱可塑性エストラマー等の弾性材料からなるキーベースとが接合されて形成されている。

    近年、携帯用電子機器の小型化に伴って、押釦スイッチの更なる薄型化が求められており、これに伴って、キートップ、キーシートの薄型化も求められている。 この押釦スイッチの薄型化を実現するため、例えば、上方に突出して形成された樹脂材料からなる基材フィルムと、その内部に形成される樹脂材料からなる芯材部を備えたキーシートが提案されている。 (例えば、特許文献1参照。)

    特開2006−108003号

    特許文献1には、芯材部の底面を、基材フィルムの底面よりも上方側に形成することによって、スイッチの接点を押すための突起部を芯材部の底面に設けた場合であっても、突起部の底面を基材フィルムの底面より上方に配置することができ、これにより、基材フィルムの底面と基板との間の間隔を狭めて、押釦スイッチの薄型化を図ることが記載されている。 しかし、特許文献1では、芯材部に押動操作による荷重が加わるので、もし、樹脂製の芯材部の厚みを薄くすると、強度が不足して芯材部に損傷を生じる恐れがあり、大幅な薄型化を実現するのは困難である。

    そこで、樹脂よりも強い強度を有する金属材料を用いて、キートップを形成することにより、押釦スイッチの薄型化を図ることが考えられる。 具体的には、例えば、金属製シートを用いて、複数の押釦が集合配置されたキートップを形成することが考えられる。
    この場合、樹脂材料とは異なり、厚みをかなり薄くしたとしても、押動操作の荷重に耐えるだけの強度は有すると考えられるが、金属製シートの端部や、金属製シートに切欠領域を設けた場合の端部が、他の物体と接触して破損する恐れがある。 また、金属製シートの厚みを薄くしていくと、押動操作を終えた後の金属シートの復元(弾性力)が充分ではなく、実用上充分な速さで押釦が元の位置に戻らなくなる恐れがある。

    また、携帯用電子機器においては、基板からの発熱が問題となるが、樹脂に比べて熱伝導率の高い金属製シートでキートップを構成する場合には、基板の発熱によりキーシート上面の温度も上がる問題が生じる。 また、同じ温度であっても、指が直接金属材料に触れる場合には、樹脂材料等に触れる場合よりも高い温度に感じる場合がある。
    更に、金属製シートだけでキートップを構成する場合には、金属製シートに装飾用の切欠領域を設けるとき、例えば、0、6、8のような、線の内側の空間が外側の空間と区切られる部分を有する図形について、切欠領域の内側の金属部分と外側の金属部分を繋ぐための接続部分を残す必要があるので、切欠領域の内部と外部とが完全に分離した図形を作り出すことができず、装飾上の問題が生じる(図4の矢印左側の図参照)。

    従って、本発明の目的は、上述の問題を解決して、金属製シートを用いて押釦スイッチの薄型化を可能にし、更に、金属製シートの端部の破損を防ぎ、押動操作に対する実用上充分な復元力を有し、基板からの発熱にも対応でき、かつ装飾性に優れたキートップ及びキーシートを提供することにある。 また、そのキートップ及びキーシートの製造方法を提供することにある。

    上述の課題を解決するため、本発明のキートップの1つの実施態様は、携帯用電子機器の押釦スイッチに用いるキートップであって、略薄板形状の金属製シートと、該金属製シートの少なくとも一方の面に接合された可撓性材料からなる外層シートと、を備えている。

    ここで、「キートップ」とは、押釦スイッチの押釦部分に相当する部材であり、「金属製シート」は、キートップの芯材となる部材である。 また、「略薄板形状」とは、全く平板状の形状も含まれるし、全体として平板状とみなされる範囲であれば、ある程度の凹凸形状を有するものも含まれる。

    「外層シート」は、金属製シートの少なくとも一方の面に接合されてキートップを形成する。 この外層シートには、主に、金属製シートを保護する機能、キートップが押釦として実用可能な復元力を有するように、金属製シートに弾性力を付加する機能、及び基板からの熱を押釦の上面に伝達しないようにする機能を有する。 なお、外層シートを、金属製背シートの1面にだけ接合する場合には、操作者の指が触れる上面側に接合することが好ましい。
    また、金属製シートと外層シートとを接合する手段としては、例えば、接着剤を用いることができる。 その他にも、特殊な表面処理層を形成することにより接合することも可能であり、また、その他のあらゆる接合方法を用いることができる。

    本実施態様では、複数の押釦が集合配置されたキートップを用いることもできるし、各押釦毎に個別の金属部材を有するキートップを用いることもできる。 つまり、本実施態様では、可撓性を有する金属製シートと外層シートを用いているので、複数の押釦が集合配置されていても、個々の押釦を独立に押動操作することができる。 また、各押釦毎に個別の金属部材を備える場合であっても、金属部材と接合した外層シートによって、個々の押釦の位置関係を保持することができるので、全体として一体的なキートップを得ることができる。
    なお、キーシートの製造中等において、外層シートの押釦の機能を果たす面に、表面傷が生じるのを防止するため、この面に保護シートを貼り付ける場合もある。

    金属製シートの材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、合金鋼、チタン、銅、銀、金を始めとするあらゆる金属、合金を用いることができる。 また、亜鉛等を鍍金した鍍金鋼板を用いることもでき、更に、金属の表面にチタンナイトライド等のセラミック材料をコーティングさせたものを用いることもできる。
    この金属製シートの厚みとしては、例えば、0.5mm以下にすることができ、キートップの薄型化の観点からは、0.2mm以下が好ましく、0.1mm以下が更に好ましい。

    外層シートの材料としては、可撓性を有する材料であれば様々な材料を用いることができるが、製造コスト等を考慮すると、例えば樹脂を用いることが考えられる。 適用する樹脂材料としては、例えば、ポリカーボネイト(PC)系樹脂、ポリエチレンテフタレート(PET)系樹脂、ポリブチレンテフタレート(PBT)系樹脂、ナイロン系樹脂、プロポリプレン(PP)系樹脂、フッ素(PFA/FEP)系樹脂、ポリオリフィン系樹脂を始めとするあるゆる樹脂を用いることができ、これらの樹脂の混合物を用いることもできる。
    外層シートの厚みとしては、0.1mm以下にすることができ、キートップの薄型化の観点からは、75μm以下が好ましく、50μm以下が更に好ましい。 なお、金属シートの両面の外層シートについては、両面で同じ材料、同じ厚みのシートを用いることもできるし、各々の面で異なる材料、異なる厚みのシートを用いることもできる。

    また、金属製シートと外層シートとを接合する方法としては、例えば、接着剤を用いることが考えられ、樹脂製の外層シートを用いる場合には、接合に用いる接着剤として、金属と樹脂の接着に適した接着剤を用いることが考えられる。 具体的には、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤を始めとする様々な接着剤を用いることができる。

    本実施態様においては、金属製シートの少なくとも一方の面が、外層シートによってカバーされているので、金属製シートを薄型化しても、金属製シートの損傷を防ぐことができる。 また、金属製シートの弾性力に、接合された外層シートの弾性力も加わるため、金属製シートを薄型化しても、キートップ全体として実用上充分な弾性力を得ることができる。
    また、携帯用電子機器においては基板における発熱が問題となるが、本発明のキートップにおいて、例えば、外層シートに樹脂材料を用いる場合には、基板の発熱をキートップの上面に伝えにくく、また、上面側に外層シートを備える場合には、指が直接金属に触れることがないので、体感温度的にも、基板からの発熱の影響を抑制することができる。

    本発明のキートップのその他の実施態様は、前記金属製シートの両面に前記外層シートが接合されたサンドイッチ構造を有する。

    本実施態様においては、金属製シートが外層シートに挟み込まれたサンドイッチ構造を有しているので、金属製シートの損傷を更に確実に防ぐことができる。 また、金属製シートの弾性力に、両側の外層シートの弾性力も加わるため、更に大きな弾性力を得ることができる。 また、金属製シートの両側の外層シートにより、基板の発熱をキートップの上面に更に伝えにくくなり、基板からの発熱の影響をより効果的に抑制することができる。

    ここで、金属製シートの両面に外層シートが接合されて形成されるキートップの全体の厚みは、0.7mm以下にすることができ、好ましくは0.35mm以下であり、0.2mm以下が更に好ましい。

    本発明のキートップのその他の実施態様は、前記金属製シートに所定の凹凸形状が形成されている。

    本実施態様では、様々な凹凸形状を設けることができ、例えば、個々の押釦の形状に合わせて凹凸形状を設けたり、キートップの強度を増すための凹凸形状を設けたり、装飾用に凹凸形状を設けることが考えられる。 凹凸形状を形成する方法としては、例えば、プレス加工により形成することができる。 なお、本実施態様の凹凸形状は、キートップ全体として略薄板形状の範囲に収まる程度のものであり、キートップの薄型化にも適した凹凸形状である。

    本発明のキートップのその他の実施態様は、前記金属性シートに、装飾用及び/または押釦可動用の切欠領域が設けられている。

    ここで、「装飾用の切欠領域」とは、例えば、押釦に設けられた数字や文字を示す切欠領域や、その他の記号、図形、模様等を表す切欠領域が含まれ、この切欠領域に光(バックライト)を透過させることによって、切欠領域で形作られた数字、文字、記号、図形、模様等を鮮明に浮かび上がらせることができる。 なお、切欠領域を介して光が透過するようにするためには、外層シートに透明な材料または光を透過させる材料を用いることが必要となる。
    また、「押釦可動用の切欠領域」は、個々の押釦について、その周囲、または周囲の一部に設けた切欠領域である。 本発明のキートップは可撓性を有するので、押釦可動用の切欠領域を設けなくても、個々の押釦を可動させることができるが、押釦可動用の切欠領域を設けることによって、個々の押釦の可動性を向上させることができ、押釦の操作感を向上させることができる。

    これらの切欠領域を設ける方法としては、エッチング加工、プレス加工(打ち抜き加工)、機械加工を始めとする様々な加工方法を用いることができるが、装飾用の切欠領域は、その形状が複雑なため、プレス加工よりもエッチング加工の方が好ましいと考えられる。 また、押釦可動用の切欠領域については、プレス加工で形成する場合には、コスト的に有利であると考えられ、装飾用の切欠領域と共にエッチング加工で形成する場合には、製造工程の簡素化において有利であると考えられる。
    なお、本実施態様では、金属製シートにだけ切欠領域が設けられ、外層シートには切欠領域が設けられていない場合も含まれるし、金属製シートと、一方の外層シートに切欠領域が設けられている場合も含まれるし、金属製シートと、両方の外層シートに切欠領域が設けられている場合も含まれる。

    本発明のキートップのその他の実施態様は、前記金属製シートの前記切欠領域において、前記切欠領域の内側に存在する内側金属部分と、前記切欠領域の外側に存在する外側金属部分とが前記切欠領域よって分離されており、前記内側金属部分と前記外側金属部分との間の位置関係が、接合された前記外層シートによって保持されている。

    本実施形態では、金属製シートの両面に外層シートが接合されているので、切欠領域の内側の内側金属部と、切欠領域の外側の外側金属部分とが完全に分離していても、表面に接着材が備えられた外層シートによって、その位置関係を保持することができる。 従って、装飾用の切欠領域であれば、装飾性を損なう接続部分を設ける必要がなく、装飾性に優れた切欠領域を設けることができる。 また、押釦可動用の切欠領域であれば、可動抵抗となる接続部分がないので、押釦の可動性をより高めることができる。
    なお、後述するように、キートップにキーベースが接続されたキーシートにおいては、切欠領域の内側の内側金属部と、切欠領域の外側の外側金属部分とが完全に分離していても、キーベースによって、その位置関係を保持することもできる。

    本発明のキートップのその他の実施態様は、少なくとも一方の前記外層シートの前記切欠領域に対応する位置に、所定の着色が施されている。

    本実施態様では、例えば、金属製シートの下面側に接合された外層シートの装飾用の切欠領域に対応する位置に、所定の着色を施すことによって、光を透過させると、切欠領域により形作られた図形を、所定の色を発して浮かび上がらせることができる。 この場合、装飾用の切欠領域によって形作られた図形からはみ出す着色部分は、キートップの上面側から見えないので、図形に合わせて着色する必要がない。 また、予め外層シートに着色を施した後、金属製シートに接合する場合であっても、容易に着色部分の位置合わせを行なうことができる。
    なお、金属製シートの上面側に接合された外層シートに、所定の形状の着色を施すことも本実施態様に含まれる。 また、外層シートの着色面については、外層シートの外側の面(金属製シートと接していない面)に着色を施すこともできるし、金属製シートと接する側の面に着色を施すこともできる。

    本発明の携帯用電子機器の押釦スイッチに用いるキーシートの1つの実施態様は、上述のキートップに、弾性材料からなるシート状のキーベースが接合された構造を有する。

    ここで、「キーベース」とは、キートップと接合されてキーシートを構成する部材であって、通常、下面に押圧突起が設けられ、この押圧突起を介して、基板に設けられた皿状接点を押圧する機能を有する。 また、柔軟な押釦の操作感覚を得るため、キーベースの材料として、通常、弾性材料が用いられる。
    この弾性材料としては、例えば、シリコーンゴムや熱可塑性エストラマーを用いることが考えられる。 ここで、熱可塑性エストラマーは、加硫を要しないという特徴があり、具体的には、ポリスチレン系エストラマー、ポリオロフィン系エストラマー、ポリエステル系エストラマー、ポリウレタン系エストラマー、ポリアミド系エストラマーを例示することができる。
    キーベースの厚みとしては、押圧突起を含めた厚みを、0.8mm以下にすることが考えられ、キーシート2の薄型化の観点からは、0.5mm以下が好ましく、0.3mm以下が更に好ましい。

    なお、本実施態様では、金属製シートの1面にだけ外層シートが接合されたキートップにおいて、例えば、金属製シートの面にキーベースを接合する場合も含まれるし、金属製シートの両面に外層シートが接合されたキートップにおいて、外層シートの面にキーベースを接合する場合も含まれる。

    また、キーベースとキートップとを接合する方法としては、例えば、接着剤を用いることが考えられ、キーベースと樹脂製の外層シートとを接合する場合には、接合に用いる接着剤として、ゴムや熱可塑性エストラマーと樹脂の接着に適した接着剤を用いることが考えられる。 具体的には、例えば、クロロプレンゴム系接着剤、NBR系接着剤、天然ゴム系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ホットメルト系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリオレフィン系を始めとする様々な接着剤が考えられる。
    キーベースと金属製シートとを接合する場合には、例えば、ゴムや熱可塑性エストラマーと金属の接着に適したあらゆる接着材を用いることができる。 また、接着剤を用いずに、ゴムキーベースとキートップとの間に特殊な表面処理層を形成することにより接合することも可能であり、その他のあらゆる接合方法を用いることができる。
    また、完成したキーシートを基板等に接合する手段としては、例えば、両面が粘着面となった粘着シートを用いることもできるし、接着剤等を用いることもできるし、機械的な接合手段を用いることもできるし、その他のあらゆる接合手段を用いることができる。

    本実施態様では、金属製シートに可撓性材料からなる外層シートが接合されたキートップにより、クリック感のある操作感覚を得ることができ、更に、キーベースの弾性力が加わるので、クリック感と同時に柔軟な押釦の操作感を有するキーシートを提供することができる。

    本発明のキーシートのその他の実施態様は、携帯用電子機器の押釦スイッチに用いるキーシートであって、略薄板形状の金属製シートと、該金属製シートの両面に接合された可撓性材料からなる外層シートと、を備えたサンドイッチ構造を有するキートップと、該キートップの一方の面に接合される弾性材料からなるシート状のキーベースと、を備え、少なくとも前記キーベースが接合される側に配置された前記外層シート及び前記金属製シートに、押釦可動用の切欠領域が設けられ、該切欠領域に、前記キーベースに設けられた凸部を挿入して形成した前記金属製シートの端部を保護するための保護手段を有している。

    本実施態様では、押釦可動用の切欠領域が設けられているので、押釦の可動性を向上させることができ、更にキーベースの弾性力が加わるので、クリック感と同時に柔軟な押釦の操作感を有するキーシートを提供することができる。
    本実施態様では、金属製シートが外層シートに挟み込まれたキートップのサンドイッチ構造によって、金属製シートを保護することに加えて、更に、 キーベースの凸部を切欠領域に挿入して形成した保護手段により、金属製シートの端部を保護することができる。 また、 キーベースが接合される側に配置された下面側の外層シートにだけ切欠領域が設けられている場合には、切欠領域が設けられていない上面側の外層シートによって、上面が覆われているため、より効果的に金属製シートを保護することができる。

    本発明のキーシートの製造方法の1つの実施態様は、携帯用電子機器の押釦スイッチに用いるキーシートの製造方法であって、金属製シートの片面に可撓性材料からなる外層シートを接合するステップと、前記外層シートが接合されていない面から、エッチング加工により前記金属製シートに第1の切欠領域を設けるステップと、前記金属製シートの前記外層シートが接合されていない面に、外層シートを接合するステップと、打ち抜き加工により、少なくとも一方の前記外層シート及び前記金属製シートに第2の切欠領域を設けるステップと、弾性材料を用いて、前記第2の切欠領域の形状に対応した凸部を有するシート状のキーベースを形成するステップと、前記第2の切欠領域に前記凸部を挿入し、前記キーベースを前記第2の切欠領域が設けられた前記外層シートに接合するステップとを含む。

    本実施態様では、金属製シート、外層シート、キーベースの接合を適切な手順で行ない、エッチング加工や打ち抜き加工を、切欠領域の用途や大きさに応じて適切な手順で行なうことによって、低い製造コストで効率よく上述のキーシートを製造することができる。
    なお、キーシートの製造中に、外層シートの押釦の機能を果たす面に、表面傷が生じるのを防止するため、この面に保護シートを貼り付ける工程を加えることもできる。 更に、キーシートが完成した後、この保護シートを剥がす工程を加えることもできる。

    本発明のキーシートの製造方法のその他の実施態様は、前記金属製シートへの接合の前または後において、前記外層シートの前記第1及び/または第2の切欠領域に対応する位置に、所定の着色を行なうステップを更に含む。

    本実施態様では、低い製造コストで効率よく着色を行なうことができる。

    以上のように、本発明のキートップにおいては、金属製シートが外層シートによってカバーされているので、金属製シートを薄型化しても、金属製シートの損傷を防ぐことができる。 更に、本発明のキートップにおいて、金属製シートが外層シートに挟み込まれたサンドイッチ構造を有する場合には、より効果的に金属製シートの損傷を防ぐことができる。
    また、本発明のキートップにおいては、金属製シートの弾性力に接合された外層シートの弾性力も加わるため、金属製シートを薄型化しても、キートップ全体として実用上充分な弾性力を得ることができる。
    また、本発明のキートップにおいては、基板からの発熱をキートップの上面に伝えにくく、体感温度的にも、基板からの発熱の影響を抑制することができる。
    また、本発明のキートップにおいては、切欠領域の内側の金属部分と外側の金属部分とを分離することができるので、装飾性を高め、押釦の操作性を高めることができる。
    更に、本発明のキーシートにおいては、切欠領域に挿入されたキーベースの凸部によって、金属製シートを保護することができる。

    本発明のキーシートの製造方法においては、金属製シート、外層シート、キーベースの接合を適切な手順で行ない、エッチング加工や打ち抜き加工を、切欠領域の用途や大きさに応じて適切な手順で行なうことによって、低い製造コストで効率よく上述のキーシートを製造することができる。

    本発明のキートップ及びキーシートの実施形態、及びその製造方法の実施形態について、以下に図面を用いながら詳細に説明する。

    (本発明のキートップ及ぶキーシートの実施形態の説明)
    まず、図1及び図2を用いて、本発明のキートップ及びそのキートップを備えたキーシートの実施形態の説明を行なう。 図1及び図2は、本発明のキートップ及びキーシートを用いた押釦スイッチの概略の構造を示す断面図である。 本実施形態では、携帯電話の押釦スイッチに用いる場合を示している。
    ここで、図1には、キートップに切欠領域を有さないタイプの実施形態を示し、図2には、キートップに切欠領域を有するタイプの実施形態を示している。

    <図1に示す実施形態の説明>
    まず、図1を用いて、キートップに切欠領域を有さないタイプの実施形態の説明を行なう。 本実施形態では、略薄板形状の金属製シート6の両面に、可撓性材料からなる外層シート8a、8bが接合されてキートップ4が形成され、このキートップ4の下側の外層シート8bに、弾性材料からなるシート状のキーベース10が接合されて、キーシート2が構成されている。 なお、金属製シート6の上面にだけ、外層シート8aを接合してキートップ4を形成し、このキートップ4の金属製シート6の下面に、キーベース10を接合して、キーシート2を構成することも可能である。
    このキーシート2において、キーベース10の下面には、基板14に設けられた皿状接点12を押圧するための押圧突起10aが設けられている。 この構造により、上部からキートップ4を押動操作することによって、皿状接点12のオンオフ作動を行なうことができる。 具体的には、操作者が、キートップ4の所定の押釦に相当する領域を押すことによって、その領域のキートップ4及びキーベース10が下方に撓み、押圧突起10aを介して、皿状接点12を押動する。 このことによって、押釦スイッチをオンにすることができる。 また、操作者が押動操作を中止すると、キートップ4及びこれに接合されたキーベース10の弾性力により、撓んでいた領域は速やかに元の位置に戻り、皿状接点12の押圧が解除されて、押釦スイッチをオフの状態に戻すことができる。

    以上のように、金属製シート6及び外層シート8a、8bからなるキートップ4により、クリック感のある押釦操作を実現することができ、更に、キーベース10の弾性力が加わることにより、柔軟な操作感覚を加えることができる。 金属製シート6、外層シート8a、8b、及びキーベース10の仕様を定めるときには、押釦スイッチの使用用途、使用者の好み等に応じて、最適な操作感覚が得られるような仕様を定めることが望ましい。
    なお、キーシート2の製造中等において、外層シート8aの押釦の機能を果たす面に、表面傷が生じるのを防止するため、この面に保護シートを貼り付ける場合もある。

    <金属製シート6の説明>
    ここで、金属製シート6の材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、合金鋼、チタニウム、銅、銀、金を始めとするあらゆる金属、合金を用いることができ、また亜鉛等を鍍金した鍍金鋼板を用いることもできる。 また、金属の表面にチタンナイトライド等のセラミック材料をコーティングさせたものも含まれる。
    これらの金属製シート6の一般的な製造方法としては、例えば、鋳造により製造することもできるし、鋳造後に圧延や鍛造を行なって製造することもできる。 ただし、押動操作による撓みや荷重に耐える弾性や強度が必要なので、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等による金属層の形成方法はあまり適してはいない。

    金属製シート6の厚みとしては、0.5mm以下にすることが可能であり、キートップ4の薄型化の観点からは、0.2mm以下が好ましく、0.1mm以下が更に好ましい。 金属製シート6の厚みは、用いる材料の強度、使用用途、及び接合される外層シート8a、8bの仕様に応じて、最適な厚みを設定すべきである。 強度的な観点で言えば、ミクロンオーダの金属製シート6を用いることもできる。
    また、金属製シート6の略薄板形状とは、全く平板状であることも考えられるし、押出加工等により、多少の凹凸部を設けることもできる。 ただし、キートップ4の薄型化の観点からも、略薄板形状の範囲に収まる凹凸部の形成にとどめるべきであり、深絞り等による大きな凹凸部を設けることはあまり適当ではない。
    また、金属製シート6の表面性状としては、例えば、鏡面加工やヘアライン加工を施すことができ、その他、使用用途に合わせて最適な仕上げ加工を用いることができる。

    <外層シート8a、8bの説明>
    本実施形態では、外層シート8a、8bにより金属製シート6を挟み込んだサンドイッチ構造を有するキートップ4が示されているが、外層シート8a、8bには、主に、金属製シート6を保護する機能、キートップ4が押釦として実用可能な弾性力を有するように、金属製シート6に弾性力を付加する機能、及び基板からの熱を押釦の上面に伝達しないようにする機能を有する。

    この外層シート8a、8bの材料としては、可撓性を有する材料であればあらゆる材料を用いることができるが、製造コスト等を考慮すると、樹脂を用いることが考えられる。 外層シート8a、8bに用いる樹脂材料としては、例えば、ポリカーボネイト(PC)系樹脂、ポリエチレンテフタレート(PET)系樹脂、ポリブチレンテフタレート(PBT)系樹脂、ナイロン系樹脂、プロポリプレン(PP)系樹脂、フッ素(PFA/FEP)系樹脂、ポリオリフィン系樹脂を始めとするあるゆる樹脂を用いることができ、これらの樹脂の混合物を用いることもできる。
    また、外層シート8a、8bを製造する方法としては、例えば、加熱した樹脂材料を押出機に投入して、樹脂製のシートを製造することが考えられる。 なお、キートップ4が、押動操作による撓みや荷重に耐えるように、金属製シート6の強度を補助する役目を有するので、蒸着等によるコーティング層の形成方法はあまり適していない。

    外層シート8a、8bの厚みとしては、0.1mm以下にすることができ、キートップ4の薄型化の観点からは、75μm以下が好ましく、50μm以下が更に好ましい。 外層シート8a、8bの厚みは、キートップ4の薄型化の要請、金属製シート6を保護する機能、金属製シート6に弾性力を付加する機能、基板からの熱を押釦に伝達しないようにする機能等を総合的に考慮して、最適な厚みを設定すべきである。
    また、接合された金属製シート6に凹凸部が設けられている場合には、外層シート8a、8bにも同様な凹凸部が設けられる。 外層シート8a、8bとしては、金属製シート6の表面が外部から見えるようにし、また切欠領域を介して光(バックライト)が透過するようにするため、透明な材料または光を透過させる材料を用いることが、一般的に好ましい考えられるが、用途に応じて、光を透過させない、または光を透過させにくい材料を用いることもできる。 また、外層シート8a、8bの色としては、所望の色を用いることができ、また、光が透過する領域のみを着色することもできる。 なお、外層シート8a及び外層シート8bは、同じ材質、同じ厚みのシートを用いることもできるし、異なる材質、異なる厚みのシートを用いることもできる。

    以上ように、金属製シート6の両面に、外層シート8a、8bを接合して形成するキートップ4の厚みは、0.7mm以下にすることができ、好ましくは0.35mm以下であり、0.2mm以下が更に好ましい。

    <金属製シート6と外層シート8a、8bの接合の説明>
    次に、金属製シート6と外層シート8a、8bを接合する方法の1つとして、接着剤を用いることが考えられる。 接合に用いる接着剤として、例えば、外層シート8a、8bが樹脂からなる場合には、金属と樹脂の接着に適した接着剤を用いることが考えられる。 具体的には、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤を始めとする様々な接着剤を用いることが考えられる。

    また、接着剤を用いずに、金属製シート6と外層シート8a、8bの間に特殊な表面処理層を形成することにより接合することも可能であり、その他、金属と樹脂のあらゆる接合方法を用いることができる。 例えば、金属製シート6の表面に、樹脂と化学反応する層を鍍金してコーティングし、その後、コーティングされた層と、外層シート8a、8bとを化学反応させて接合することもできる。

    <キーベース10の説明>
    次に、キートップ4に接合されてキーシート2を構成するキーベース10の説明を行なう。 キーベース10の下面には押圧突起10aが設けられ、この押圧突起10aを介して、基板14に設けられた皿状接点12を押圧することができ、柔軟な押釦の操作感覚を得ることができるように、一般的に、キーベース10は弾性材料から構成されている。
    この弾性材料としては、例えば、シリコーンゴムや熱可塑性エストラマーを用いることが考えられる。 ここで、熱可塑性エストラマーは、加硫を要しないという特徴があり、具体的には、ポリスチレン系エストラマー、ポリオロフィン系エストラマー、ポリエステル系エストラマー、ポリウレタン系エストラマー、ポリアミド系エストラマーを例示することができる。

    キーベース10の構造は、図1に示すように、下面に、基板14に設けられた皿状接点12を押圧するための押圧突起10aが設けられている。 この押圧突起10aにより、キートップ4を押動操作することにより生じる荷重を皿状接点12に伝え、皿状接点12のオンオフ作動を行なうことができる。
    このキーベース10の厚みとしては、押圧突起10aを含めた厚みを、0.8mm以下にすることが考えられ、キーシート2の薄型化の観点からは、0.5mm以下が好ましく、0.3mm以下が更に好ましい。 キーベース10の厚み、材質、硬度等については、所望の押釦の操作感覚を提供できるように定めることが望ましい。

    <キーベース10とキートップ4(外層シート8b)の接合の説明>
    ここで、キーベース10とキートップ4(外層シート8b)とを接合する方法としては、例えば、接着剤を用いることが考えられる。 外層シートの材料として樹脂を用いる場合には、接合に用いる接着剤として、ゴムや熱可塑性エストラマーと樹脂の接着に適した接着剤を用いることが考えられる。 具体的には、例えば、クロロプレンゴム系接着剤、NBR系接着剤、天然ゴム系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ホットメルト系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリオレフィン系接着材を始めとする様々な接着剤を用いることが考えられる。
    また、接着剤を用いずに、キーベース10とキートップ4(外層シート8b)との間に特殊な表面処理層を形成することにより接合することも可能であり、その他、ゴムと樹脂のあらゆる接合方法を用いることができる。

    以上のように、金属製シート6の両面に、外層シート8a、8bが接合されて形成されるキートップ4と、キーベース10とから構成されるキーシート2において、キートップ4の上面からキーベース10の押圧突起10aの下面までの総厚みが、1.5mm以下にすることができ、好ましくは0.85mm以下であり、0.5mm以下が更に好ましい。

    <図2に示す実施形態の説明>
    次に、図2を用いて、キートップに切欠領域を有するタイプの実施形態の説明を行なう。 図2(a)に示す実施形態では、金属製シート6及び下面側の外層シート8bに切欠領域16が設けられており、図2(b)に示す実施形態では、金属製シート6及び両面の外層シート8a、8bに切欠領域16が設けられている。 これらの切欠領域16は、押釦の全周または周囲の一部に設けられて、押釦の可動性を向上させることができる。 なお、切欠領域16が押釦の全周に設けられている場合には、外層シート8a及び/またはキーベース10によって、各押釦の位置関係を保持することができる。 また、この切欠領域16には、キーベース10に設けられた凸部10bが挿入されている。 なお、この切欠領域16及び凸部10bの部分を除き、キーシート2を構成する金属製シート6、外層シート8a、8b、及びキーベース10の材質、仕様、寸法等は、図1に示す実施形態と同一である。

    本実施形態では、切欠領域16によって押釦の可動性を向上させながら、キートップ4は、金属製シート6が外層シート8a、8bで挟み込まれたサンドイッチ構造を有しているので、金属製シート6の切欠領域16における端部の損傷を防ぐことができる。 更に、図2(a)に示す実施形態においては、切欠領域16に挿入されたキーベース10の凸部10bによって、金属製シート6が保護され、切欠領域16における端部の損傷を防ぐことができる。 また、図2(a)の実施形態においては、金属製シート6の切欠領域16における端部が、外層シート8aによって覆われているので、より有効的に損傷を防ぐことができる。
    一方、図2(b)に示す実施形態においては、金属製シート6、外層シート8a、8b全てに切欠領域16が設けられているので、押釦の押動性をより向上させることができる。 また、キーベース10の凸部10bが、切欠領域16の外層シート8aの上面まで挿入されているので、金属製シート6が保護され、切欠領域16における端部の損傷を防ぐことができる。

    以上にように、図1及び図2に示すキートップ4では、金属製シート6が外層シート8a、8bで挟み込まれたサンドイッチ構造を有しているので、金属製シート6を薄型化しても、金属製シート6の端部の損傷を防ぐことができる。 また、金属シート6には、接合された外層シート8a、8bの弾性力も加わるため、金属製シート6を薄型化しても、キートップ4全体として実用上充分な弾性力を確保することができる。 また、携帯用電子機器においては基板における発熱が問題となるが、外層シート8a、8bが樹脂材料を用いている場合には、基板の発熱をキートップ4の上面に伝えにくく、また、指が直接金属に触れることがないので、体感温度的にも基板における発熱の影響を抑制することができる。
    また、図1及び図2に示すキーシート2では、押釦の可動性を向上させるため、切欠領域16が設けられた場合であっても、切欠領域16に挿入されたキーベース10の凸部10bによって、切欠領域16における端部を保護することができる。 特に、外層シート8aによって上面が覆われている場合(図2(a)参照)には、更に効果的に切欠領域16における端部を保護することができる。

    <図3に示す実施形態の説明>
    次に、図3を用いて、本発明のキーシートのその他の実施形態を説明する。 図3は、携帯電話の操作面に貼り付けられて押釦スイッチの機能を果たすキーシート2を示す分解斜視図である。 図3は、完成したキーシート2の各部材を示す分解斜視図であって、各部材には、最終的な凹凸形状や切欠領域が設けられている。 また、各部材の材質、厚み、その他の仕様等については、上述の実施形態と同様である。

    金属製シート6の上面に外層シート8aが接合され、金属製シート6の下面に外層シート8bが接合されて、キートップ4が形成される。 更に、キートップ4の外層シート8bの下面にキーベース10が接合されて、キーシート6が形成される。 キーベース10の下面には、基板に設けられた皿状接点と押動するための突起部(図示せず)が設けられている。
    また、金属製シート6に略円形の開口部6cが設けられ、この開口部6cに、押釦用の金属部材6aと金属部材6bとが配置されている。 これらの金属部材6a、6bは、接着材を表面に備えた外層シート8a、8bによって、金属製シート6に対する位置が保持されている。
    また、本実施形態では、キーベース10の下面には、キーシート2を携帯電話の基板に接合させるための粘着シート20が貼り付けられている。 なお、粘着シート20の下面にはカバーシートが取り付けられており、キーシート2を携帯電話の基板に接合するときには、カバーシートをはがして、粘着面を露出させてから貼り付ける。 なお、この粘着シート20は必ず必要なものではなく、キーシート2を基板等に接合するために、その他のあらゆる接合手段を用いることができる。

    本実施形態のキートップ4では、金属製シート6及び外層シート8a、8bを接合して一体化した後、プレス加工によって、外形の打ち抜き、押釦可動用の切欠領域16の打ち抜き、凹凸形状30の形成を行なう。 凹凸形状の形成は、例えば、金属製シート6において、0〜9の数字やその他の記号が示された押釦に対応する領域について、中央部分が膨らんだ凹凸形状30を形成し、同様な凹凸形状30を、外層シート8a、8bにも形成する。 また、キーベース10には、この凹凸形状30に対応した凸形状32が予め形成されている。
    また、各押釦の領域の周囲の一部は、押釦の可動性を向上させるための押釦可動用の切欠領域16が設けられており、同様な切欠領域16が、外層シート8a、8bにも設けられている。

    また、各押釦に示された数字や記号等は、金属製シート6に設けられた装飾用の切欠領域18により形作られており、光(バックライト)を透過させて、数値や記号等を浮き出させることができる。 なお、装飾用の切欠領域18はエッチング加工により形成されており、金属製シート6にのみ設けられる。 この装飾用の切欠領域18についての詳細な説明を下記に示す。

    また、本実施形態では、金属製シート6の下面側に接合された外層シート8bにおいて、装飾用の切欠領域18に対応する位置に、赤、青、緑等の所定の着色34が施されている。 従って、光(バックライト)を透過させると、装飾用の切欠領域18により形作られた数字や記号が、所定の色を発して浮かび上がる。 この場合、装飾用の切欠領域18により形作られた数字や記号からはみ出た着色部分は、キートップ上面側から見えないので、数字や記号等の形に合わせて着色する必要がない。 また、予め外層シート8bに着色した後、金属製シート6に接合する場合であっても、着色部分34を容易に位置合わせすることができる。
    なお、金属製シート6の上面側に接合された外層シート8aに、カラーペイント等を用いて数字や記号等を直接描くこともできる。 また、外層シート8a、8bの着色面については、金属製シート6と接しない外側の面に着色を施すこともできるし、金属製シート6と接する側の面に着色を施すこともできる。

    <装飾用の切欠領域の説明>
    本発明では、金属製シート6が外層シート8a、8bによって挟み込まれたサンドイッチ構造を有しているので、より装飾性の高い装飾用の切欠領域18を設けることができる。 このことを、図4に示す実施例を用いて説明する。
    図4では、線の内側と外側で空間が区切られる図形の一例として、0、6、8のような数字、#のような記号、D、Qのようなアルファベットを示している。 ここで、金属製シートのみで構成されたキートップを用いて、このような図形を表す場合の実施例を、図4の矢印左側の図に示す。 この場合、金属製シート6に装飾用の切欠領域18を設けて、このような図形を表そうとすると、切欠領域18の内側の金属部分40aを支持するため、切欠領域18の一部に、切欠領域18の内側の金属部分40aと切欠領域18の外側の金属部分40bとを繋げる接続部分42を設ける必要があるため、線により完全に内部と外部が分離した図形を表現することができない。

    一方、本発明のキートップ4では、金属製シート6の両面に外層シート8a、8bが接合されているので、図4の矢印右側の図に示すように、切欠領域18の内側の金属部分40aと、切欠領域18の外側の金属部分40bとが完全に分離していても、接着材を表面に備えた外層シート8a、8bによって、その位置関係を保持することができる。 従って、装飾性を損なう接続部分42の存在しない、装飾性に優れた切欠領域18を設けることができる。
    なお、外層シート8a、8bのうち、一方の外層シートだけであっても、内側の金属部分40と外側の金属部分40bの位置関係を保持することはできるが、金属部分40a、40bが露出した面と他の物体とが接触した場合には、金属部分40a等が外層シートから剥がれ落ちる恐れもあるので、外層シート8a及び外層シート8bによって両側から金属部分40a、40bを保持することが好ましい。

    <図5に示す実施形態の説明>
    次に、図5を用いて、各押釦の全周に渡って切欠領域が設けられ、各押釦に対応する金属部材が独立しているキートップの実施形態を説明する。 図5は、キートップ4を示す分解斜視図である。
    図5では、各押釦ごとに独立した金属部材60a、60c、及びその他の金属部材60bにより、金属製シート60が構成され、各金属部材60a、b、cが外層シート8aに貼着されて、各々の位置関係が保持されている。 これに、もう一方の外層シート8bを接合することによって、金属製シート60が外層シート8a、8bで挟み込まれたサンドイッチ構造を有するキートップ4が構成される。 このキートップ4の外層シート8bの下面に、キーベースを接合することによって、キーシートが形成される。 なお、押釦の形状に合わせて、外層シート8bに切欠領域を設けることもできる。

    形成されたキーシートは、例えば、図2または図3に示すような断面形状を有することができる。 図2に示すようなキーシートの場合には、各金属部材60a、b、cの位置関係が、外層シート8a及びキーベース10により保持され、図3に示すようなキーシートの場合には、各金属部材60a、b、cの位置関係が、キーベース10により保持される。 また、各金属部材60a、b、cの間に、キーベース10の凸部10bが挿入されるように配置することも可能で、この場合、凸部10bによって、各金属部材60a、b、cの損傷を防ぐことができる。

    また、外層シート8bを接合せずに、各金属部分60a、b、cに、直接、キーベースを接合したキーシートを形成することもできる。 以上のような各押釦に対応する金属部材が独立しているキートップを用いることによって、各押釦の操作性を更に高めることができる。

    (本発明のキートップ及びキーシートの製造方法の1つの実施形態の説明)
    次に、図6を用いて、本発明のキートップ及びキーシートの製造方法の1つの実施形態の説明を行なう。 本実施形態では、図4に示す実施形態と同様な構造のキートップ、キーシートを製造する場合を示す。
    まず、図6(a)に示すように、所定の材質、厚みを有する金属製シートを準備し、図6(b)に示すように、必要に応じて、金属製シートの表面に、ヘアライン加工や鏡面加工等の表面加工を施す。 一般的には、意匠的な効果を奏するように、この表面加工が施された面がキートップの上面側に配置される。

    次に、図6(c)に示すように、接着剤を用いて、金属製シートの片面に樹脂製の外層シートを接合させる。 ヘアライン加工や鏡面加工等の表面加工が施された場合には、この表面加工が施された面に外層シートを貼り付ける。 なお、予め金属シートに外層シートが接合された市販のシートを用いることもできる。
    次に、図6(d)に示すように、エッチング加工により、金属製シートのマスクの施されていない領域を溶解して、所定の形状を有する装飾用の切欠領域を設ける。 この場合、金属製シートは溶解するが、樹脂製の外層シートは溶解しないエッチング液を用いることにより、金属製シートにだけ切欠領域を設けることができる。
    なお、装飾用の切欠領域は形状が複雑なので、エッチング加工により形成することが好ましいと考えられる。 また、後述するように、押釦可動用の切欠領域については、プレス加工で形成することがコスト的に有利であると考えられるが、装飾用の切欠領域と共にエッチング加工で形成することも可能であり、この場合には、製造工程を簡素化することができる。

    次に、図6(e)に示すように、金属製シートの反対面(外層シートが接合されていない面)に接合する樹脂製の外層シートについて、装飾用の切欠領域に対応する位置に所定の着色を施す。 そして、図6(f)に示すように、接着剤を用いて、金属製シートの反対面(外層シートが接合されていない面)に、着色を施した樹脂製の外層シートを接合する。 なお、本実施形態では、外層シートに着色を施した後、金属製シートに接合しているが、外層シートを金属製シートに接合した後、着色することも可能である。 また、外装シートの着色面については、外装シートの外側の面(金属製シートと接していない面)に着色を施すこともできるし、金属製シートと接する側の面に着色を施すこともできる。

    次に、図6(g)に示すように、金属製シートの両面に外層シートが接合されて一体化された状態で、プレス加工により、キートップの外形の打ち抜き、押釦の可動性を高めるための押釦可動用の切欠領域の打ち抜き、及び絞り加工による所定の凹凸形状の形成を同時に行なってキートップを製造する。 以上のように、本実施形態では、金属製シートと両面の外層シートに、押釦可動用の切欠領域が設けられる。 この押釦可動用の切欠領域は、上述のように、装飾用の切欠領域と共にエッチング加工によって形成することもできる。 この場合には、金属製シートには切欠領域を有するが、外層シートには切欠領域を有さない構造のキートップを製造することができる。
    また、上述の工程とは異なり、金属製シートと外層シートとを接合する前に、金属製シートに所定の切欠領域を設け、その後、外層シートを金属製シートに接合させる工程も可能である。 この場合にも、金属製シートには切欠領域を有するが、外層シートには切欠領域を有さない構造のキートップを製造することができる。

    以上のような工程によりキートップを形成した後、図6(h)に示すように、接着材を用いて、このキートップの下面側に弾性材料からなるキーベースを接合して、キーシートを完成させる。 そして、完成したキーシートを携帯電話の基板に取り付けることによって、携帯電話の押釦スイッチの機能を果たすことができる。
    なお、製造中に、外層シートの押釦の機能を果たす面に表面傷が生じるのを防止するため、この面に保護シートを貼り付ける工程を加えることもできる。 更に、キーシートが完成した後、この保護シートを剥がす工程を加えることもできる。

    (本発明の押釦スイッチ用部材及びその製造方法のその他の実施形態の説明)
    本発明の押釦スイッチ用部材及びその製造方法は、上述の実施形態に限られるものではなく、その他の様々な実施形態が本発明に含まれる。

    本発明のキートップ、キーシートを用いた押釦スイッチの概略の構造を示す断面図であり、キートップに切欠領域を有さないタイプの実施形態を示す。

    本発明のキートップ、キーシートを用いた押釦スイッチの概略の構造を示す断面図であり、キートップに切欠領域を有するタイプの実施形態を示す。

    本発明のキーシートのその他の実施形態を示す分解斜視図である。

    本発明の装飾用の切欠領域を、従来の装飾用の切欠領域を比較して示す図である。

    本発明のキートップのその他の実施形態を示す分解斜視図である。

    本発明のキートップ、キーシートの製造方法の実施形態を示す図である。

    符号の説明

    2 キーシート4 キートップ6 金属製シート6a、b 金属部材6c 開口部8a 外層シート8b 外層シート10 キーベース10a 押圧突起10b 凸部12 皿状接点14 基板16 切欠領域18 切欠領域(装飾用)
    20 粘着シート30 凹凸形状32 凹凸形状34 着色部分40a 切欠領域の内側の金属部分40b 切欠領域の外側の金属部分60 金属製シート60a、b、c 金属部材

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