【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置等に備えられた入力装置であるキーボードのカバーに関し、特に、板状部材をきわめて簡単な構造のみによってキーボードの上面又は底面側に任意に回転させることによって、キーボードの角度調整装置として使用できる他、キーボード操作を行わない場合には書見台やマウス操作台として使用することができるキーボードカバーに関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置等に備えられた入力装置であるキーボードは、机上面積の占有率が大きく、机上での作業性を大きく左右する要因の一つとなっている。 【0003】特に、オフィス等における省スペース化が進む今日では、このようなキーボードの占有率の大きさに対する改善が強く要請されており、マウス操作のためのスペースや書類,書籍の取り扱いスペース等、同じ机上においてキーボードの入力操作と並行して行われる作業スペースの確保や操作環境の向上が重要な問題となっている。 【0004】これまで、このようなキーボードの不都合を解消する技術としては、例えば、特開昭61−213 908号公報に記載されたカバー兼用書見台がある。 この特開昭61−213908号公報のカバー兼用書見台は、パーソナルコンピュータ等の装置本体やキーボード設置台の側部に、トレイ状のキーボードカバーの一端を垂直軸周りと、これに直交する水平軸周りとに回動可能かつ水平面に対して傾き動作可能に支持した構成となっている。 【0005】このような従来のカバー兼用書見台によれば、キーボードを使用しないときには、トレイ状カバーをキーボードの上方を覆う防塵カバーとして用いることができ、キーボード使用時にはトレイ状カバーを起立させて資料等を載せる書見台として使用することができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような特開昭61−213908号公報のカバー兼用書見台は、従来キーボードとは別に設けていた書見台を、キーボード側に一体的に取り付けてキーボードカバーと兼用させたものであって、従来のキーボードが有していた机上スペースの占有率の高さに伴う課題を解決することはできなかった。 【0007】すなわち、特開昭61−213908号公報のカバー兼用書見台は、書見台として使用する場合には、キーボード側から起立させてキーボードの側部等に配設するものであって、キーボードと書見台の二つの設置スペースが必要となる点では、独立した書見台を使用する場合と何等変わりはなかった。 【0008】また、キーボード不使用時にカバーとして使用する場合には、書見台として使用することはできず、この点でも、不使用時にキーボードが机上スペースを占有したままとなる問題を解消するものではなかった。 【0009】このように、この従来のカバー兼用書見台は、従来キーボードとは別に設けていた書見台を、キーボード側に一体的に取り付けたというものに過ぎず、従来のキーボードが有していた机上スペースの占有率の高さに伴う課題を解決することはできなかった。 【0010】さらに、この特開昭61−213908号のカバー兼用書見台は、キーボードの側部に、トレイ状のキーボードカバーの一端を垂直軸周りと、これに直交する水平軸周りとに回動可能かつ水平面に対して傾き動作可能に支持する構造を備えており、この機構が複雑かつ大型となる問題もあった。 【0011】本発明は、このような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、板状部材をきわめて簡単な構造のみによってキーボードの上面又は底面側に任意に回転させることによって、キーボードのカバーとして使用できる他、キーボードの角度調整装置や、キーボード操作を行わない場合には書見台やマウス操作台として使用することができるキーボードカバーの提供を目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明の請求項1記載のキーボードカバーは、キーボードの外縁に着脱自在に取り付けられる固定部と、一側が前記固定部側に回動自在に取り付けられる板状部材であって、前記キーボードの上面側及び底面側の双方に回動して当該キーボードの上面又は底面を覆うプレート部と、一側が前記固定部に、他側が前記プレート部にそれぞれ回動自在に取り付けられ、前記固定部とプレート部とを連結する連結手段と、を具えた構成としてある。 【0013】また、請求項2記載のキーボードカバーは、前記連結手段が、一端が前記固定部に回動自在に取り付けられ、他端が前記プレート部に回動自在に取り付けられるアーム部からなる構成としてある。 【0014】このような構成からなる本発明のキーボードカバーによれば、キーボードの背面側に回動自在にプレート部を取り付け、このプレート部をキーボードの上面又は底面側に任意に回転させるのみで、キーボードの角度調整装置として使用できる他、キーボード操作を行わない場合には書見台やマウス操作台として使用することができ、机上におけるキーボードの占有面積を有効利用することができる。 【0015】また、請求項3記載のキーボードカバーは、前記連結手段が、前記固定部及び/又はプレート部に着脱自在に取り付けられた構成としてある。 【0016】このような構成からなる本発明のキーボードカバーによれば、連結手段を着脱自在に構成することで、固定部とプレート部を任意に着脱,連結することができ、プレート部をキーボードの上面側と底面側とで反転させた状態で固定部に連結することができる。 【0017】また、請求項4記載のキーボードカバーは、前記連結手段が、前記固定部に対して任意の角度で固定可能に取り付けられた構成としてある。 【0018】このような構成からなる本発明のキーボードカバーによれば、プレート部をキーボードに対して任意の角度で固定することができ、キーボードを使用者が操作し易い所望の角度に固定できるとともに、書見台としてもプレート部を所望の角度に固定して使用することができる。 【0019】また、請求項5記載のキーボードカバーは、前記プレート部の前記固定部側に取り付けられる一側と反対の他側に、前記キーボードの上面側に回動した際に当該キーボード側に向かって突出するスペーサ部を設けた構成としてある。 【0020】このような構成からなる本発明のキーボードカバーによれば、プレート部をキーボードの上面側に回転させた際に、プレート部を机上等のキーボード接地面から一定の間隔をもって位置させることができ、プレート部がキーボード上面に接触せず、キーボードが押されたり、プレート部によって損傷等を受けたりすることがない。 【0021】また、請求項6記載のキーボードカバーは、前記プレート部の前記固定部に取り付けられる一側と反対の他側に、前記キーボードの上面側に回動した際に当該キーボードと反対側に向かって突出する係止部を設けた構成としてある。 【0022】このような構成からなる本発明のキーボードカバーによれば、プレート部を書見台として使用する際に、係止部が書類等のストッパとなり、プレート部を傾斜させても書類等がプレート部から脱落することがない。 【0023】さらに、請求項7記載のキーボードカバーは、前記プレート部の表面に弾性部材を配設した構成としてある。 【0024】このような構成からなる本発明のキーボードカバーによれば、プレート部をマウス操作台として使用する際に、弾性部材がマウスパッドとして機能し、マウス操作がより行いやすくなる。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、本発明のキーボードカバーの実施の形態について、図面を参照して説明する。 [第一実施形態]まず、本発明のキーボードカバーの第一の実施形態について図1〜図4を参照して説明する。 図1は、本実施形態に係るキーボードカバーを示すキーボードに取り付ける前の状態の斜視図であり、図2は、 同じくキーボードに取り付けた状態の斜視図である。 【0026】また、図3及び図4は、本実施形態に係るキーボードカバーの使用状態を示す斜視図であり、それぞれ、(a)はプレート部をキーボード上面側に回転させた場合で、(b)はプレート部を反転させた状態でキーボード底面側に回転させた場合である。 【0027】これらの図において、11は固定部である。 この固定部11は、キーボード1の外縁に着脱自在に取り付けられるようになっている。 本実施形態では、 この固定部11は、キーボード1の長手方向背面側の外縁に取り付けられるようになっている。 すなわち、図1 に示すように、固定部11は、キーボード1の長手方向背面側が嵌合可能な枠状体となっている。 【0028】ここで、本実施形態では、固定部11をキーボード1の長手方向背面側の外縁に取り付けるようにしてあるが、使用するキーボードの形状や大きさ、作業環境等に応じて、これを長手方向前面側や短手方向側面に取り付けることもできる。 なお、キーボード1は、特に図示しないが、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置等に接続されており、入力装置として使用されるものである。 【0029】12はプレート部である。 このプレート部12は、一側がこの固定部11に回動自在に取り付けられる板状部材であって、キーボード1の上面側及び底面側の双方に回動してキーボード1の上面又は底面を覆うようになっている。 すなわち、プレート部12は、キーボード1の上面及び底面の面積よりやや大きい面積の板状部材であり、後述するように、キーボード1の上面側又は底面側に回動して、キーボード1の一面を覆うようになっている。 【0030】そして、このプレート部12は、一側長手方向がアーム部13を介して固定部11に取り付けられるようになっている。 アーム部13は、図1に示すように、プレート部12の一側長手方向の両端に配設される一対の部材であり、一端が固定部11に、他端がプレート部12に、それぞれ回動自在に取り付けられ、固定部11とプレート部12とを連結する連結手段となっている。 このアーム部13によって、プレート部12のキーボード1に対する回転角度をより大きく確保することができる。 【0031】ここで、プレート部12は、このアーム部13を介して固定部11に対して着脱自在に取り付けられた構成としてある。 すなわち、本実施形態では、プレート部12と固定部11を連結しているアーム部13 が、固定部11に対して着脱自在になるように構成してある。 【0032】このようにアーム部13を着脱自在とすることにより、アーム部13を着脱することで、固定部1 1とプレート部12を任意に着脱,連結することができ、プレート部12をキーボードの上面側と底面側とで反転させた状態で固定部11に連結することができる。 これによって、後述するスペーサ部14を、常にキーボード1側に向けてプレート部12を配設することができる。 【0033】なお、本実施形態では、アーム部13は、 固定部11側と着脱自在としてあるが、これを、プレート部12と着脱自在としたり、固定部11,プレート部12の双方と着脱自在とするようにしても良い。 【0034】さらに、プレート部12は、アーム部13 を介して固定部11に任意の角度に固定可能に取り付けられている。 具体的には、プレート部12を固定部11 に取り付けているアーム部13は、固定部11側の取付部分が、固定ナット等の固定手段により、任意の角度に回転,固定できるようになっている。 【0035】このようにプレート部12をキーボード1 に対して任意の角度で固定することで、後述するように、キーボード1を使用者が操作し易い所望の角度に固定できるとともに、書見台として使用する場合もプレート部12を所望の角度に固定して使用することができる。 【0036】さらに、このプレート部12には、固定部11に取り付けられる一側と反対の他側に、キーボード1の上面側に回動した際にキーボード側に向かって突出するスペーサ部14を設けてある。 【0037】このスペーサ部14により、プレート部1 2をキーボード1の上面側に回転させた際に、図3 (a),図4(a)に示すように、プレート部12を机上等のキーボード接地面から一定の間隔をもって位置させることができ、プレート部12がキーボード上面に接触せず、キーボード1が押されたり、プレート部12によって損傷等を受けたりすることがない。 【0038】したがって、スペーサ部14の高さは、少なくともキーボード1の厚みより大きくしておくことが望ましい。 なお、キーボードの形状や、キーボード不使用時のプレート部12の用途等によっては、スペーサ部14の突出高や形状は適宜変更することができ、また、 スペーサ部14を省略することもできる。 【0039】次に、このような構成からなる本実施形態のキーボードカバーの動作について説明する。 まず、キーボード1を使用しない場合には、図3(a)に示すように、プレート部12をキーボード1の上面側に回転させておき、カバーとしておく。 【0040】そして、このカバーとして機能しているプレート部12は、平面板状となっているので、書類置きや書見台、あるいはインターネット操作等のマウスのみで操作が行える作業のマウス操作台として使用することができる。 【0041】さらに、図4(a)に示すように、プレート部12をアーム部13を介して所望の角度に傾斜させることによって、書見台や図面台等としてより作業のし易い角度で使用することができる。 【0042】一方、キーボード1を使用する場合には、 図3(b)に示すように、プレート部12を一旦固定部11から取り外し、反転させた状態で再度取り付け、キーボード1の底面側に回転させる。 これによって、キーボード1を露出させて使用することができる。 【0043】このとき、プレート部12を反転させてあるので、スペーサ部14はキーボード1側に突出した状態となる。 そして、図4(b)に示すように、キーボード1をアーム部13を介して所望の角度に傾斜させることによって、より入力操作のし易い角度で使用することができる。 【0044】なお、スペーサ部14の大きさ等によって、キーボード1の設置面側に突出していても入力操作に支障がない場合、あるいは、スペーサ部14を省略しているような場合には、上述したプレート部12の反転作業は必要なく、プレート部12をキーボード1の底面側に回動させるのみでよい。 【0045】このように本実施形態のキーボードカバーによれば、キーボード1の背面側に回動自在にプレート部12を取り付け、このプレート部12をキーボード1 の上面又は底面側に任意に回転させるのみで、キーボード1のカバーとして使用できる他、キーボードの角度調整装置や、キーボード操作を行わない場合には書見台やマウス操作台として使用することができ、机上におけるキーボードの占有面積を有効利用することができる。 【0046】[第二実施形態]次に、本発明のキーボードカバーの第二の実施形態について図5を参照して説明する。 図5は、本実施形態に係るキーボードカバーを示す使用状態の斜視図である。 【0047】同図に示す本実施形態のキーボードカバーは、上述した第一実施形態の改良実施形態であり、プレート部12の固定部11に取り付けられる一側と反対の他側に、キーボード1の上面側に回動した際にキーボードと反対側に向かって突出する係止部15を設けてある。 【0048】このような構成からなる本実施形態のキーボードカバーによれば、プレート部12を書見台として使用する際に、係止部15が書類等のストッパとなり、 プレート部12を傾斜させても書類等がプレート部12 から脱落することがなく、より使用し易い書見台となる。 【0049】[第三実施形態]次に、本発明のキーボードカバーの第三の実施形態について図6を参照して説明する。 図6は、本実施形態に係るキーボードカバーを示す使用状態の斜視図である。 【0050】同図に示す本実施形態のキーボードカバーは、上述した第一実施形態の改良実施形態であり、プレート部12の表面に滑り止め用の弾性部材16を配設してある。 【0051】このような構成からなる本実施形態のキーボードカバーによれば、プレート部12をマウス操作台として使用する際に、弾性部材16がマウスパッドとして機能し、マウス操作がより行いやすくなる。 【0052】 【発明の効果】以上説明したように本発明のキーボードカバーによれば、板状部材をきわめて簡単な構造のみによってキーボードの上面又は底面側に任意に回転させることによって、キーボードのカバーとして使用できる他、キーボードの角度調整装置や、キーボード操作を行わない場合には書見台やマウス操作台として使用することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第一の実施形態に係るキーボードカバーを示すキーボードに取り付ける前の状態の斜視図である。 【図2】本発明の第一の実施形態に係るキーボードカバーを示すキーボードに取り付けた状態の斜視図である。 【図3】本発明の第一の実施形態に係るキーボードカバーの使用状態を示す斜視図であり、(a)はプレート部をキーボード上面側に回転させた場合で、(b)はプレート部を反転させた状態でキーボード底面側に回転させた場合である。 【図4】本発明の第一の実施形態に係るキーボードカバーの使用状態を示す斜視図であり、(a)はプレート部をキーボード上面側に回転させた場合で、(b)はプレート部を反転させた状態でキーボード底面側に回転させた場合である。 【図5】本発明の第二の実施形態に係るキーボードカバーの使用状態を示す斜視図である。 【図6】本発明の第三の実施形態に係るキーボードカバーの使用状態を示す斜視図である。 【符号の説明】 1 キーボード 11 固定部 12 プレート部 13 アーム部 14 スペーサ部 15 係止部 16 弾性部材 |