【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、各種の制御内容を指示する複数のスイッチを備えた入力装置に関し、特に押釦スイッチとシーソースイッチとを混在させても各スイッチの種別を自動的に判別できる入力装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、複数のスイッチを配置した入力装置が用いられている。 このような入力装置の例としては、自動車のインストルメントパネルに配置された各種スイッチがある。 このスイッチは、例えば自動車室内の空調のオンオフや温度設定等のコントロールに用いられる。 また、最近では自動車のオプション装備のコントロールにもこのようなスイッチが用いられることもある。 これらのスイッチは、特定の機能を指示するものが、車種やグレードの違いによって、必ずしも同じ配置にされるとは限らない。 すなわち各スイッチの配置は、ヘッドライト光軸調整、フォグランプ点灯制御、トランクの開閉その他の様々なオプション装備のうち、どれを装備しているかにより、またユーザが使いやすいように配置を変更することを希望する場合もある。 【0003】 このため、従来から種類の異なる複数のスイッチを入れ替え可能とした入力装置が提案されている。 このような入力装置としては、特許文献1〜3に示すように、基板上にそれぞれ独立して接点の切換を行うことのできる複数の駆動ピンを有する複数組のスイッチを設け、各スイッチに装着されるキートップの形状がそれぞれ異なり、キートップ毎に異なる駆動ピンの組合せを駆動できるようにして、それぞれのスイッチから異なる認識信号が出力されるようにしたものがある。 このようにすることで、キートップをカセット式に交換するだけで、各キートップの機能に対応した動作を行わせることができる。 【0004】 【特許文献1】 特開平10−334765号公報【特許文献2】 特開2001−236849号公報【特許文献3】 特開平10−269002号公報【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、上述した従来の入力装置においては、押釦スイッチのみを対象としていた。 自動車のスイッチには、押釦スイッチばかりではなく、2つの制御指示を選択的に行うことのできるシーソースイッチも用いられる。 従来の入力装置は、1つのスイッチからは1つの制御指示が行われることを前提にしていたため、そのままではシーソースイッチを組込むことはできない。 【0006】 本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、複数のスイッチの配置を変更することのできる入力装置において、押釦スイッチとシーソースイッチを混在させることのできる入力装置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するため、本発明に係る入力装置は、基板上に実装された複数組の検出スイッチと、これら検出スイッチの各組に対応して配設された複数のノブを備え、該複数のノブはシーソーノブと押釦ノブを混在させてなる入力装置であって、 上記検出スイッチの各組は独立して接点の切換を行うことができる複数の駆動ピンを上記基板上の2つの領域にそれぞれ有し、上記ノブは上記駆動ピンの1つまたは複数からなるピンパターンを同時に操作する駆動部を有し、 上記シーソーノブの駆動部は上記基板上の2つの領域のうち一方に配置された駆動ピンから選択したピンパターンと、他方に配置された駆動ピンから選択したピンパターンとを選択的に操作し、上記押釦ノブの駆動部は上記基板上の2つの領域に配置された駆動ピンから選択したピンパターンを操作し、 上記シーソーノブが選択的に操作する各2つのピンパターンと上記押釦ノブが操作する各ピンパターンとは全て異なるパターンからなり、上記検出スイッチの各組からそれぞれ異なる認識信号を出力することを特徴として構成されている。 【0008】 また、本発明に係る入力装置は、基板上に実装された複数組の検出スイッチと、これら検出スイッチの各組に対応して配設された複数のノブを備え、該複数のノブはシーソーノブと押釦ノブを混在させてなる入力装置であって、 上記検出スイッチの各組は独立して接点の切換を行うことができる複数の駆動ピンをそれぞれ有し、該駆動ピンは上記基板上の第1の領域と第2の領域にそれぞれ複数配置されると共に、上記基板上の第3の領域に配置され、上記ノブは上記駆動ピンの1つまたは複数からなるピンパターンを同時に操作する駆動部を有し、 上記シーソーノブの駆動部は上記第1の領域に配置された駆動ピンから選択したピンパターンと、上記第2の領域に配置された駆動ピンから選択したピンパターンとを選択的に操作し、上記押釦ノブの駆動部は上記第1の領域と第2の領域に配置された駆動ピンから選択し、かつ上記第3の領域に配置された駆動ピンを含むピンパターンを操作し、 上記シーソーノブが選択的に操作する各2つのピンパターンと上記押釦ノブが操作する各ピンパターンとは全て異なるパターンからなり、上記検出スイッチの各組からそれぞれ異なる認識信号を出力することを特徴として構成されている。 【0009】 さらに、本発明に係る入力装置は、基板上に実装された複数組の検出スイッチと、これら検出スイッチの各組に対応して配設された複数のノブを備え、該複数のノブはシーソーノブと押釦ノブを混在させてなる入力装置であって、 上記検出スイッチの各組は独立して接点の切換を行うことができる複数の駆動ピンをそれぞれ有し、該駆動ピンは上記基板上の第1の領域と第2の領域にそれぞれ複数配置されると共に、上記基板上の第3の領域に配置され、上記ノブは上記駆動ピンの1つまたは複数からなるピンパターンを同時に操作する駆動部を有し、 上記シーソーノブの駆動部は上記第1の領域に配置された駆動ピンから選択し、かつ上記第3の領域に配置された駆動ピンを含むピンパターンと、上記第2の領域に配置された駆動ピンから選択し、かつ上記第3の領域に配置された駆動ピンを含むピンパターンとを選択的に操作し、上記押釦ノブの駆動部は上記第1の領域と第2の領域に配置された駆動ピンから選択したピンパターンを操作し、 上記シーソーノブが選択的に操作する各2つのピンパターンと上記押釦ノブが操作する各ピンパターンとは全て異なるパターンからなり、上記検出スイッチの各組からそれぞれ異なる認識信号を出力することを特徴として構成されている。 【0010】 さらにまた、本発明に係る入力装置は、上記駆動部は上記ノブの下面に突部を形成してなり、該突部は上記各ノブに割当てられたピンパターンに略適合する配置としたことを特徴として構成されている。 【0011】 そして、本発明に係る入力装置は、上記検出スイッチの各組に対応して配設された複数のノブはそれぞれ着脱自在でかつ相互に交換可能であることを特徴として構成されている。 【0012】 【発明の実施の形態】 本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。 図1は本実施形態における入力装置を概念的に示した模式図である。 この図に示すように、本発明に係る入力装置は、基板1上に実装され、ハウジング4に囲まれた複数の検出スイッチ2に対して、それぞれシーソーノブ5または押釦ノブ6が設けられてなるものである。 本実施形態では、2つのシーソーノブ5a、5bと、2つの押釦ノブ6a、6bをそれぞれ設けている。 各検出スイッチ2には、複数の駆動ピン3が設けられ、シーソーノブ5または押釦ノブ6は、その下面に設けられた駆動部7によって所定の駆動ピン3を操作する。 本実施形態では、4つの検出スイッチ2を並べて、それぞれに設けられるシーソーノブ5または押釦ノブ6を相互に入れ替え可能な入力装置について説明する。 また、本実施形態における駆動ピン3は1つの検出スイッチ2に4本設けられる。 後述するように、1つの検出スイッチ2に設けられる駆動ピン3の数によって、その入力装置に最大でいくつの機能を持たせることができるか決まることになる。 【0013】 検出スイッチ2に設けられるシーソーノブ5は、図1に示すように押圧操作されると回転軸21を中心に左右に揺動し、下面に設けられた駆動部7によって駆動ピン3の操作を選択的に行う。 一方、押釦ノブ6は、上面から押圧操作されると、下面に設けられた駆動部7によって駆動ピン3を操作する。 駆動部7に同時に操作される駆動ピン3のパターンを、ピンパターンと呼ぶ。 本実施形態では、操作される駆動ピン3を「1」、操作されない駆動ピン3を「0」として表記し、ピンパターンを表すことにする。 シーソーノブ5の操作においては、2つの操作を選択的に行うことから、1つのシーソーノブ5には2つのピンパターンが割当てられていることになる。 ピンパターンは、駆動部7の形状によって割当てられている。 【0014】 例えば、図1においてシーソーノブ5aは、左側に傾けるように操作すると、検出スイッチ2aに設けられた4本の駆動ピン3のうち、一番左側の駆動ピン3のみが操作される。 したがって、左側からピンパターンを表記すると、(1,0,0,0)となる。 一方、シーソーノブ5aを、右側に傾けるように操作すると、検出スイッチ2aに設けられた4本の駆動ピン3のうち、右から2番目の駆動ピン3のみが操作される。 したがって、左側からピンパターンを表記すると、(0,0,1,0)となる。 すなわち、シーソーノブ5aには、ピンパターンとして(1,0,0,0)と(0,0,1,0)の2つが割当てられていて、これらを選択的に操作することができる。 同様に、図1においてシーソーノブ5bは、左側に傾けるように操作した際のピンパターンは(0,1,0,0)であり、右側に傾けるように操作した際のピンパターンは(0,0,0,1)であって、これらを選択的に操作することができる。 【0015】 押釦ノブ6aには、ピンパターンとして(1,1,0,0)が割当てられており、押圧操作によって4本の駆動ピン3のうち、左側の2本を同時に操作する。 また、押釦ノブ6bには、ピンパターンとして(1,0,1,0)が割当てられており、押圧操作によって4本の駆動ピン3のうち、一番左の駆動ピン3と右から2番目の駆動ピン3を同時に操作する。 【0016】 このように、シーソーノブ5a、5bにそれぞれ割当てられた各2種類のピンパターンと、押釦ノブ6a、6bにそれぞれ割当てられた各1種類のピンパターンの、合計6パターンについてそれぞれ異なるパターンを与えていることにより、いずれのピンパターンが同時に操作されているかによって、検出スイッチ2からはそれぞれ異なる検出信号を出力することになるので、それを識別すれば各シーソーノブ5または押釦ノブ6に割当てられた機能を、その配列によらず識別して実行することができる。 【0017】 シーソーノブ5に与えるピンパターンは、シーソーノブ5が選択的に2つの操作を行うことから、駆動ピン3が配置された領域を2つに分けて、それぞれ一方に配置された駆動ピン3から選択したピンパターンを同時に操作するものである。 すなわち、図1の場合では各検出スイッチ2の左半分と右半分で第1の領域と第2の領域に分かれ、シーソーノブ5を左側に傾けるように操作した場合に対応して第1の領域に配置された2本の駆動ピン3のうち1本を操作するようなピンパターンが割当てられ、シーソーノブ5を右側に傾けるように操作した場合に対応して第2の領域に配置された2本の駆動ピン3のうち1本を操作するようなピンパターンが割当てられる。 一方、押釦ノブ6に与えるピンパターンは、第1の領域と第2の領域に配置された4本の駆動ピン3から選択したものである。 そして、これらのピンパターンが全て異なるパターンからなっている。 【0018】 図2は、本実施形態における入力装置をより具体的にしたものであって、シーソーノブ5や押釦ノブ6を装着する前の状態を示したものである。 この図に示すように、格納ユニット9には複数の検出スイッチ2が並設され、それぞれの検出スイッチ2には4本の駆動ピン3に相当する押圧部25が設けられている。 押圧部25は、図3に示すようにそれぞれA〜Dの記号を付して以下説明する。 格納ユニット9にシーソーノブ5を装着した場合、シーソーノブ5は押圧部25のA及びBのグループか、C及びDのグループのいずれかを選択的に操作する。 すなわち、図3における検出スイッチ2の左半分と右半分でそれぞれ領域に分かれて、それぞれの領域に配置された押圧部25をシーソーノブ5は選択的に操作することになる。 ここでは、検出スイッチ2の左半分を第1の領域8aとし、右半分を第2の領域8bとする。 また、図4に示すように4つの検出スイッチ2のうち、2つにシーソーノブ5を装着し、残りの2つには押釦ノブ6を装着し、それぞれスイッチSW−A、SW−B、SW−C、SW−Dを構成している。 【0019】 図5は、本実施形態における入力装置の、シーソーノブ5取付部分における断面図である。 この図に示すように、この入力装置は、基板1上に基板接点1aを設けると共に、薄板状の弾性体からなるラバー部24を設け、ラバー部24の基板接点1aに対応する部分には接点25aを備えた押圧部25を形成してある。 また、回転軸21によって揺動自在とされてなるシーソー部20と、このシーソー部20に押圧され押下されるスライダ23が設けられる。 シーソー部20にはその下面の所定の位置に駆動部7である突部22を複数形成しており、これら突部22によってスライダ23を押圧する。 突部22は、そのシーソーノブ5に割当てられたピンパターンに対応した位置に設けられてなるものである。 そして、押圧部25をシーソー部20の操作によりスライダ23を介して押圧することで、そのシーソーノブ5に割当てられたピンパターンに対応する基板接点1aに接点25aが接触し、スイッチがオンの状態となる。 【0020】 また、シーソーノブ5を回転軸21を介して揺動自在に軸支すると共に、スライダ23を保持するケース36が設けられる。 ケース36の側面部にはリブ35が設けられている。 リブ35は押釦ノブ6の場合にそのガイドをするものであり、シーソーノブ5を取付けた場合には機能しない。 ただし、シーソーノブ5の取付時に、リブ35のスライドガイドを利用して取付けられるようにしてもよい。 さらに、ケース36及びリブ35の上部にはカバー34が設けられている。 カバー34はケース36及びリブ35に対して開閉自在に取付けられており、使用者がシーソーノブ5を交換したいときには自由に開状態にすることができるようにされている。 以上のように、シーソーノブ5の脱着及び配置変更は、ケース36にシーソーノブ5とスライダ23を取付けた状態で行われる。 【0021】 図6は、本実施形態における入力装置の、押釦ノブ6取付部分における断面図である。 押釦ノブ6の構成は、従来のものと同様である。 押釦ノブ6の断面形状は略方形状とされ、上面は押釦部30として突出し、側面には爪部31を設けて上下動を規制する。 また、下面には所定の位置に押圧部25を押圧するための駆動部7である突部32を有し、またそれ以外の押圧部25に対応する位置には凹部33を設けて、押釦ノブ6が操作された場合には、その押釦ノブ6に割当てられたピンパターンに対応する押圧部25のみを押圧し、それに対応した基板接点1aに接点25aが接触し、スイッチがオンの状態となる。 【0022】 押釦ノブ6においては、シーソーノブ5と同様にリブ35が設けられており、またその上部にはカバー34が開閉自在に設けられている。 そして、カバー34を開状態にすることによって、押釦ノブ6の脱着及び配置変更を行う。 また、押釦ノブ6の爪部31には、リブ35に設けられているスライドガイドと係合する係合部が設けられており、押釦動作の際にガイドされるようになっている。 【0023】 また、図7には本実施形態における入力装置のシステム図を示す。 この図のように、シーソーノブ5または押釦ノブ6の押圧操作に応じて、各スイッチはそれぞれ固有の信号を出力する。 SW−AとSW−Bはシーソーノブ5を装着されているため、2種類の信号を選択的に出力する。 また、SW−CとSW−Dは押釦ノブ6を装着されているため、1種類の信号を出力する。 出力された信号は、検知手段10によって検知され、記憶手段13に記憶された検知信号と制御機能との関係に基づいて、機能判定手段11によってその信号による制御機能が判定され、信号出力手段12から出力される。 記憶手段13は、メモリーまたはハードディスク等の記憶装置から構成され、検知信号のパターンと、制御機能とを関連付けたテーブルが記憶されている。 また、検知手段10と機能判定手段11はCPU等により構成することができる。 【0024】 以上のように、格納ユニット9に収められる検出スイッチ2において、シーソーノブ5による各2種類のピンパターンと、押釦ノブ6による各1種類のピンパターンとを全て異なるパターンとすることにより、各ノブをどのように配置しても、その検出信号を識別することができる。 また、各ノブは着脱自在でかつ相互に配置を変更可能である。 すなわち、シーソーノブ5と押釦ノブ6を混在させた入力装置であっても、その配置を自由に変更することができる。 【0025】 ところで、本実施形態では、4つの検出スイッチ2にそれぞれ4本の駆動ピン3を設けて、それぞれ異なるピンパターンを与えたが、格納ユニット9に設けることのできる検出スイッチ2の最大数は、駆動ピン3を各検出スイッチ2に何本設けるかによって決定される。 以下それについて説明する。 【0026】 表1は、4本の駆動ピン3によって各検出スイッチ2に割当てることのできるピンパターンを示している。 全ての検出スイッチ2に押釦ノブ6を装着するものとすると、各押釦ノブ6は1種類の信号を出力すればよいので、表1にある15パターンのピンパターンを押釦ノブ6に与えることができる。 すなわち、検出スイッチ2の最大数は15となる。 【0027】 【表1】
【0028】 検出スイッチ2にシーソーノブ5と押釦ノブ6を混在させて装着する場合、シーソーノブ5は4本の駆動ピン3のうち、第1の領域に配置されたAとBの駆動ピン3から1本または2本選択したピンパターンと、第2の領域に配置されたCとDの駆動ピン3から1本または2本選択したピンパターンの2つが割当てられることになる。 したがって、表1に示す1〜3のパターンのうち1つと、4〜6に示すパターンのうち1つの合計2つのピンパターンがシーソーノブ5に割当てられる。 すなわち、この場合装着できるシーソーノブ5の最大数は3である。 そして、押釦ノブ6に割当てられるピンパターンは、それ以外の残りのパターンである。 したがって、シーソーノブ5を1つ設けた場合には、装着できる押釦ノブ6の最大数は13であり、シーソーノブ5が2つなら最大数は11、シーソーノブ5が3つなら最大数は9となる。
【0029】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。 第2の実施形態は、基本的な入力装置の構成については、第1の実施形態と同一である。 第1の実施形態と異なる点は、図8に示すように基板1上の各検出スイッチ2に第1の領域8aと第2の領域8bに加えて、第3の領域8cを設け、ここに駆動ピン3を1本設けたことである。 第3の領域8cの駆動ピン3は、シーソーノブ5によっては操作されず、一方押釦ノブ6が押圧操作される際には必ず操作するようなピンパターンを与える。 このようにすることで、検出スイッチ2からの信号がシーソーノブ5によるものか、押釦ノブ6によるものかを第3の領域8cの駆動ピン3からの信号の有無によって判別することができ、押釦ノブ6に対して、より多くのピンパターンを与えることができるようになる。 すなわち、押釦ノブ6の最大数を大きくすることができる。
【0030】
本実施形態の場合におけるピンパターンを表2に示す。 4本の駆動ピン3によってシーソーノブ5に与えることのできるピンパターンは、表2におけるパターン1〜6であり、それぞれのシーソーノブ5に2つのピンパターンが割当てられるので、第1の実施形態と同様にその最大数は3である。 一方、押釦ノブ6のピンパターンは、図8におけるEの駆動ピン3を必ず操作するように与えられるので、表2におけるパターン7〜21であり、その最大数は15となる。
【0031】
【表2】
【0032】
なお、本実施形態では、押釦ノブ6の操作時には、第3の領域8cに配置した駆動ピン3を必ず操作するようなピンパターンを与えているが、逆にシーソーノブ5の操作時に、第3の領域8cに配置した駆動ピン3を必ず操作するようにピンパターンを与え、押釦ノブ6の操作時には第3の領域8cに配置した駆動ピンを操作しないようなピンパターンを与えることもできる。 また、装着できるシーソーノブ5の最大数を大きくしたい場合には、表2におけるパターン1〜12の中から第1の領域8aに配置された駆動ピン3のみから構成されるピンパターンと、第2の領域8bに配置された駆動ピン3のみから構成されるピンパターンの2つを与えるようにすることもできる。 この場合では、シーソーノブ5の最大数は6となり、押釦ノブ6の最大数は9となる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。 本実施形態では、基本的な入力装置の構成については、第1の実施形態とほぼ同様であるが一部相違点を有する。 また、各シーソーノブ5及び押釦ノブ44の駆動部7によって操作されるピンパターンについては、第1の実施形態と同一である。 したがって、相違点のみを以下説明する。 本実施形態の第1の実施形態との相違点は、シーソーノブ5及び押釦ノブ44の構成にある。 図9と図10には、本実施形態におけるシーソーノブ5及び押釦ノブ44の取付部分における断面図を示す。
【0034】
図9に示すように、シーソーノブ5においてケース42とリブ40及びカバーを設けている点においては第1の実施形態と同様である。 ただし、第1の実施形態と異なり、リブ40にプランジャ41を設けており、ケース42にはプランジャ41と係合する係合部43が設けられている。 プランジャ41は、シーソーノブ5を使用者が脱着しようとすると、リブ40により押下され、係合部43とプランジャ41が係合する際にはバネの復元力により復帰し、係合するようになっている。 したがって、カバーを開閉することなくシーソーノブ5を脱着することができるようになる。
【0035】
図10に示すように、押釦ノブ44においては、リブ40のプランジャ41と係合するのは、押釦部45の爪部31の側面に逃げ部47を形成するように設けられた係合部46である。 逃げ部47は、押釦部45が押圧操作された際に、プランジャ41の突出部からの逃げとなり、押圧操作した際にプランジャ41と押釦部45との係合が保持されたままになるようにしている。 このように構成したことにより、押釦ノブ44もカバーの開閉を行うことなく、脱着することができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は上記実施形態に限られるものではなく、その技術的思想の範囲において様々に適用されうるものである。 例えば、第1及び第2の実施形態においては、駆動ピン3は4本または5本として説明したが、駆動ピン3の本数には特に制限はなく、第1の領域8aと第2の領域8bにそれぞれ駆動ピン3を設けてあればよい。 また、検出スイッチ2に設けるシーソーノブ5や押釦ノブ6については、上記の構成に限られず、押圧操作した際に所定のピンパターンを操作できるように構成されていれば、様々な形態のノブを適用することができる。
【0037】
また、各ノブに割当てる機能は、様々に設定することができる。 本実施形態に係る入力装置を自動車のインストルメントパネルに用いた場合、押釦ノブ6には、ラジオの操作において特定の周波数に合わせるためのショートカットキーとしての機能や、ステアリングヒーターのスイッチ、さらにはエアコンの制御で特定の温度に設定するキーとするなどの機能を持たせることができる。 したがって、本発明によれば、冬場にはステアリングヒーターのスイッチを設けておき、夏場にはエアコンの温度設定キーと入れ替えることが可能である。 また、シーソーノブ5には、エアコンの温度設定の上げ下げの機能や、ラジオの選局の送りの機能、及びカセットデッキにおけるカセットの送りや戻りの機能を持たせることができる。 これらは押釦ノブ6も含めて相互に交換可能であり、インストルメントパネルに並ぶスイッチの操作性を最適化することができる。 さらに、本発明の適用は自動車のインストルメントパネルに限られず、複数のスイッチにそれぞれ制御指示の機能を持たせるものであれば、適用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る入力装置によれば、シーソーノブの駆動部は基板上の2つの領域のうち一方に配置された駆動ピンから選択したピンパターンと、他方に配置された駆動ピンから選択したピンパターンとを選択的に操作し、押釦ノブの駆動部は基板上の2つの領域に配置された駆動ピンから選択したピンパターンを操作し、これらのピンパターンは全て異なるパターンからなっていることにより、シーソーノブと押釦ノブを混在させても、各検出スイッチからの出力信号を識別することができて、各ノブに割当てられた制御機能を実行することができる。 すなわち、複数のスイッチの配置を変更することのできる入力装置において、押釦スイッチとシーソースイッチを混在させることができる。
【0039】
また、本発明に係る入力装置によれば、駆動ピンを第1の領域と第2の領域に加えて第3の領域にも配置し、第3の領域の駆動ピンは押釦ノブの操作時には必ず操作されるように、またはシーソーノブの操作時には必ず操作されるようにピンパターンを設定することにより、より多くのノブを配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における入力装置の模式図である。
【図2】本実施形態における入力装置のノブ取付前における正面図である。
【図3】本実施形態における検出スイッチの拡大図である。
【図4】本実施形態における入力装置のノブ取付後における正面図である。
【図5】本実施形態における入力装置の、シーソーノブ取付部分における断面図である。
【図6】本実施形態における入力装置の、押釦ノブ取付部分における断面図である。
【図7】本実施形態における入力装置のシステム図である。
【図8】第2の実施形態における検出スイッチの拡大図である。
【図9】第3の実施形態におけるシーソーノブ取付部分における断面図である。
【図10】第3の実施形態における押釦ノブ取付部分における断面図である。
【符号の説明】
1 基板2 検出スイッチ3 駆動ピン5 シーソーノブ6 押釦ノブ7 駆動部9 格納ユニット20 シーソー部22 突部25 押圧部30 押釦部32 突部
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