Radio selective calling receiver

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は無線選択呼出受信機に関し、特に外部から無線による選択呼出を受けて文字データを受信し、これを表示するとともに、この表示内容の印字出力可能な外部装置と接続して運用する無線選択呼出受信機に関する。

【０００２】

【従来の技術】無線選択呼出受信機としては、代表的なものとしてポケットベルがある。 近時これら受信機と外部装置の接続による高機能化が進み、文字データ受信表示および印字出力も可能とするものも出現している。

【０００３】従来の、この種の無線選択呼出受信機の一例を図９に示す。 図９に示す無線選択呼出受信機１は、
アンテナを内蔵して選択受信により文字データを受け表示部２に表示する。 また、筺体前面には動作機能を切り替える３つの機能切替用のスイッチ３８，３９および４
０を備えている。 これらの各スイッチは、電源のオン・
オフや動作のリセット，モード設定などに利用されている。

【０００４】図９に示す３つの穴、すなわち外部接続端子用穴４１，４２および４３は、無線選択受信機１の表示部２に表示されている内容をハードコピイとして印字出力すべく外部装置と接続する場合に、外部装置の接続端子を導入して外部装置との印字運用接続を行なう場合に利用される。

【０００５】図１０は、外部装置との接続構造を示し、
無線選択呼出受信機１は外部装置の接続端子としての外部装置接続ピン４４，４５および４６を、外部接続端子用穴４１，４２および４３を通して内部の外部接続端子Ｔと結合、これにより外部装置と無線選択呼出受信機１
との印字運用接続を確保する。

【０００６】なお、図１０の場合、外部装置は印字プリンタが利用され、かつ外部ピン４４，４５および４６はスプリングで付勢された構造のものが利用されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の無線選択呼出受信機は、外部装置との接続を可能とするものにあっては、ケースに外部装置に対する端子導入用の穴を設けることが必要となり、さらに、ケース内部に設ける金属性の外部接続端子Ｔは、外部にも露出した状態で配置されるので、静電気に対する装置の耐圧劣化を招き、
かつ人為的ないたずら等の接触に対しても無防備であるという欠点がある。

【０００８】本発明の目的は上述した欠点を除去し、ケースの一部に外部装置との接続用の穴を空けることなく接続を可能とし、静電気に対する耐圧劣化を抑圧し、かつ人為的ないたずらも排除しうる無線選択呼出受信機を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の無線選択呼出受信機は、外部から無線による選択呼出を受けて受信した文字データを表示し、かつ表示内容の印字出力可能な外部装置と接続して運用する無線選択呼出受信機において、筺体表面に配設した複数の機能切替スイッチのツマミを導電性材料で形成し、前記ツマミを介して前記外部装置との運用接続を可能とした構成を有する。

【００１０】また本発明の無線選択呼出受信機は、前記ツマミが、通常状態では前記機能切替スイッチの端子と接続状態に保持され、前記ツマミと前記機能切替スイッチの端子のそれぞれに接続された回路の接続を確保し、
押下し状態では前記機能切替スイッチの端子との接続状態を断として前記ツマミと前記機能切替スイッチの端子のそれぞれに接続された回路の接続を断とする構成を有する。

【００１１】

【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明する。

【００１２】図１は本発明の一実施例を斜視図である。

【００１３】図１に示す実施例は、表示部２のほかにそれぞれオン，リセットおよびモード選択の切替を行う導電性材料のツマミを有する、スイッチ３，４および５を備えた無線選択呼出受信機１として構成される。

【００１４】スイッチ３，４および５の図１に見られるツマミは導電性材料で作られ、各スイッチは、この導電性材料のツマみを介して無線選択呼出受信機１内蔵の制御部と、外部装置との接続スイッチングを行なう。

【００１５】図２は、図１のスイッチ３，４および５の内部接続を示す回路図である。

【００１６】スイッチ３，４および５はそれぞれ接点７，８，９，１０および１１，１２を有し、接点７，９
および１１がグランドレベル（ロウレベル）となることで無線選択呼出受信機１の動作をオフに制御するように制御部６によって図示しない無線部が制御される。 図２
において、各接点に対するグランドレベルの設定によって外部装置との信号授受が可能となるこの状態を図３に示す。

【００１７】図４は、図１のスイッチ３，４および５の動作のフローチャートである。

【００１８】スイッチ３，４および５の各スイッチは通常ハイレベル状態を保持しているが、これらスイッチが押下されると各入力レベルはグランドレベルのロウレベルに設定される。 このような動作内容をステップ１０１
〜ステップ１０４として示す。

【００１９】図５は、外部装置との接続状態を示す正面図で、図１に示す無線選択呼出受信機１が外部装置としてプリンタ装置２０に設けた接続ポケット２２に収納されて、スイッチ３，４，５のツマミを介して電気的に接続し、表示部２に表示されている内容をハードコピイ２
１として出力している状態を示す。 この場合、各スイッチ３，４および５は、無線選択呼出受信機１がプリンタ装置２０の設定ポケット２２に嵌入されることにより、
信号の授受が可能な状態となり、動作状態となる。

【００２０】図６に示すように、設定ポケット２２に嵌入した無線選択呼出受信機１のスイッチ、たとえばスイッチ５は、導電性材料で構成されたツマミが、プリンタ装置２０の内部に設けた接続端子２３と接触する。 接続端子２３の接触部分も導電性材料で構成され、プリンタ装置２０を印字動作に駆動する回路接続が他のスイッチ３，４とともになされる。 従って、無線選択呼出受信機１をプリンタ装置２０の設定ポケットに嵌入することにより、表示部２の表示内容のハードコピイ２１がとれることとなる。

【００２１】図７に、外部装置であるプリンタ装置２０
の接続端子２３と、スイッチ５との接触導入状態を示す。 無線選択呼出受信機１をプリンタ装置２０の設定ポケット２２に嵌入することにより、プリンタ装置２０の接続端子２３が、矢印に示す如く、スイッチ５との接触状態に入ることを示す。

【００２２】図８にスイッチ動作を示す、図８（ａ）はスイッチが外部装置の接続端子と接触状態にあり、スイッチツマミ３３は強い押下力が加わらず、スイッチ金具３２とスイッチアース金具３４とは離れ、外部との信号交換が導電性のスイッチツマミ３３を介して可能となり、無線選択呼出受信機１の制御部６と外部装置のプリンタ装置２０が接続状態に保たれる。

【００２３】図８の（ｂ）はスイッチツマミ３３を押下した時の状態を示し、この状態では金属性のバネ状スイッチ金具３２は反転し、スイッチアース金具３４と接続し、従って、外部との信号交換は行なわれない。

【００２４】このようにして、無線選択呼出受信機の機能を切り替える各スイッチのツマミを導電性材料で構成し、かつこのツマミとスイッチの端子とを電気的に接続した状態で、外部装置の接続端子と無線選択呼出受信機との接続をオン，オフさせることにより、外部装置との接続のための穴をケースに配設する必要をなくし、従って静電気耐圧性の劣化も抑止できる。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、無線選択呼出受信機の機能切替スイッチのツマミを介して外部との信号の授受を可能とすることにより、専用の外部端子用の穴を受信機ケースの一部に配設する必要がなくなり、かつ直接静電気の侵入する外部接続端子が無く、代わりにあるインピーダンスを持つスイッチのツマミにより、静電気耐圧の劣化も抑圧できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の無線選択呼出受信機の斜視図である。

【図２】図１におけるスイッチ３，４および５の内部接続を示す回路図である。

【図３】図１におけるスイッチ３，４および５の外部接続を示す回路図である。

【図４】図１におけるスイッチ３，４および５の動作のフローチャートである。

【図５】図１の実施例の無線選択呼出受信機と外部装置との接続状態を示す正面図である。

【図６】図１の実施例の無線選択呼出受信機の外部装置との接続状態における断面図である。

【図７】スイッチと外部装置の接続動作の説明図である。

【図８】スイッチの動作を説明する断面図である。

【図９】従来の無線選択呼出受信機の斜視図である。

【図１０】従来の無線選択呼出受信機の外部接続構造を示す部分斜視図である。

【符号の説明】

１ 無線選択呼出受信機 ２ 表示部 ３，４，５ スイッチ ６ 制御部 ７〜１２ 接点 １３，１４，１５ プルアップ抵抗 １６ 電源 １７，１８，１９ 外部接続端子 ２０ プリンタ装置２１ ハードコピイ ２２ 設定ポケット ２３ 接続端子 ３０ ケース ３１ スイッチ本体 ３２ スイッチ金具 ３３ スイッチツマミ ３４ スイッチアース金具 ３５ プリント配線基板 ３６ 制御部６との接続端子 ３８，３９，４０ スイッチ ４１，４２，４３ 外部接続端子用穴 ４４，４５，４６ 外部装置接続ピン