【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、使用者が操作することにより所望の指令を入力するための入力装置および入力装置の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】使用者が操作することにより指令を入力する入力装置としては、図19と図20に示すようなものがある。 図19の従来の入力装置は、スライドスイッチ1000を有しており、このスライドスイッチ100 0のキートップ1001は筐体1002の穴1003に配置されている。 スライドスイッチ1000は基板10 04に対して電気的に接続されている。 図19の入力装置を用いる場合には、使用者が指でキートップ1001 を矢印E方向にスライドすることによりオン/オフ操作するようになっている。 【0003】図20の従来の入力装置は、タクトスイッチ1100とキートップ1120を有しており、キートップ1120は筐体1130の穴1140から突出している。 タクトスイッチ1100は基板1150に電気的に接続されている。 図20の入力装置を操作するときには、使用者が指でキートップ1120をF方向に操作することで、キートップ1120がタクトスイッチ110 0を押すことによりオン/オフ操作を行う。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、図19に示す従来の入力装置では、スライドスイッチ1000とキートップ1001が筐体1002と基板1004の間に配置されていることから、入力装置の厚みを薄くするのに限界がある。 また1つのスライドスイッチ1000及びキートップ1001は、1つの役割しか持たせることができないので、複数もしくは多種類の役割をスイッチで行うためには、複数組のスライドスイッチ1000及びキートップ1001が必要であり、部品点数が多くなってしまうとともに、組み立てが面倒であり不良率の低減が困難である。 【0005】図20の入力装置では、図19の入力装置と同様に、筐体1130と基板1150の間にキートップ1120とタクトスイッチ1100を配置しなければならず、入力装置の厚みを薄くするには限界がある。 また1つのタクトスイッチ1100及びキートップ112 0で1つの役割しか持たせることができないので、多くの役割を持たせるためには部品点数が多くなってしまい、不良率の低減が困難である。 そこで本発明は上記課題を解消し、部品点数を減らし薄型化および小型化が図れるとともに、組み立てが簡単になる入力装置および入力装置の製造方法を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、使用者が操作することにより所望の指令を入力するための入力装置であり、スリット部分を有する筐体と、前記スリット部分に対応するように前記筐体内の内部に配置されるシート状のスイッチ部と、前記筐体内に配置されている基板と、前記筐体を組み立てる際に、弾性変形することで前記基板と前記スイッチ部とを電気的に接続するための電気接続部と、を備えることを特徴とする入力装置である。 請求項1では、筐体はスリット部分を有する。 シート状のスイッチ部は、スリット部分に対応するように筐体内の内部に配置される。 基板は、筐体内に配置されている。 電気接続部は、筐体を組み立てる際に、弾性変形することで基板とスイッチ部とを電気的に接続する。 これにより、筐体を組み立てれば、電気接続部は、 シート状のスイッチ部と基板を電気的に確実に接続することができる。 従って、部品点数を減らすことができ、 小型化および薄型化が図れるとともに組み立てが簡単である。 【0007】請求項2の発明は、請求項1に記載の入力装置において、前記筐体は、外側部と前記外側部の内側に配置される内側部で構成され、前記外側部と前記内側部の間に前記シート状のスイッチ部が固定されている。 請求項2では筐体は外側部と内側部を有しており、筐体の外側部と内側部の間にシート状のスイッチ部が固定されている。 【0008】請求項3の発明は、請求項2に記載の入力装置において、前記電気接続部は、弾性力を有する絶縁材と、前記絶縁材内に配置されて前記絶縁材が弾性変形すると前記シート状のスイッチ部と前記基板とを電気的に接続する複数の導電材とを有する。 請求項3では、電気接続部の絶縁材が弾性変形することにより、電気接続部の複数の導電材がシート状のスイッチ部と基板とを電気的に接続する。 【0009】請求項4の発明は、請求項3に記載の入力装置において、前記シート状のスイッチ部は電気配線部を有し、前記電気配線部は前記電気接続部の前記導電材の一端部に接続される。 【0010】請求項5の発明は、請求項3に記載の入力装置において、前記基板は電気配線部を有し、前記電気配線部は前記電気接続部の前記導電材の他端部に接続される。 【0011】請求項6の発明は、請求項1に記載の入力装置において、前記電気接続部は、前記筐体の前記内側部の穴を通って前記シート状のスイッチ部に電気的に接続されている。 【0012】請求項7の発明は、請求項1に記載の入力装置において、前記シート状のスイッチ部の前記電気配線部は、前記筐体の前記内側部の穴を通って前記電気接続部に接続されている。 【0013】請求項8の発明は、使用者が操作することにより所望の指令を入力するための入力装置の製造方法であり、筐体のスリット部分に対応するように前記筐体内の内部にシート状のスイッチ部を配置し、前記筐体を組み立てる際に、電気接続部を弾性変形することで前記筐体内の基板と前記スイッチ部とを前記電気接続部を介して電気的に接続することを特徴とする入力装置の製造方法である。 請求項8では、筐体はスリット部分を有する。 シート状のスイッチ部は、スリット部分に対応するように筐体内の内部に配置される。 基板は、筐体内に配置されている。 電気接続部は、筐体を組み立てる際に、 弾性変形することで基板とスイッチ部とを電気的に接続する。 これにより、筐体を組み立てれば、電気接続部は、シート状のスイッチ部と基板を電気的に確実に接続することができる。 従って、部品点数を減らすことができ、小型化および薄型化が図れるとともに組み立てが簡単である。 【0014】請求項9の発明は、請求項8に記載の入力装置の製造方法において、前記筐体は、外側部と前記外側部の内側に配置される内側部で構成し、前記外側部と前記内側部の間に前記シート状のスイッチ部を固定する。 請求項9では筐体は外側部と内側部を有しており、 筐体の外側部と内側部の間にシート状のスイッチ部が固定されている。 【0015】請求項10の発明は、請求項8に記載の入力装置の製造方法において、前記電気接続部の絶縁材が弾性変形すると、前記シート状のスイッチ部と前記基板が前記電気接続部の導電材により電気的に接続される。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。 なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、 技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。 【0017】図1は、本発明の入力装置を備える電子機器の一例を示している。 電子機器10は、たとえば小型の情報再生装置であり、電子機器10は筐体12を有している。 この筐体12は、たとえば上部筐体部分14 と、下部筐体部分16を有しており、上部筐体部分14 と下部筐体部分16を組みたてることで筐体12を構成している。 上部筐体部分14はキャビネット上部とも呼んでおり、下部筐体部分16はキャビネット下部とも呼んでいる。 図1の電子機器10の例では、上部筐体部分14側は、情報を入力するための装置である入力装置1 8を備えている。 また上部筐体部分14と下部筐体部分16の間には、出力部分20と別のインターフェース部分22が設けられている。 入力装置18は、電子機器1 0の中に内蔵されている各種要素に対して外部から使用者が必要な情報を入力できる部分であり、一例として複数のキートップ30,31,32,33,34が等間隔をおいて直列に配列されている。 【0018】出力部分20は、上部筐体部分14と下部筐体部分16の端面26側に配置されており、電子機器10の中から必要な情報をたとえばステレオヘッドホンを用いて外部に出力できる部分である。 インターフェース部分22は、端面28側に設けられており、インターフェース部分22は、電子機器10の中に内蔵されている要素と、コンピュータのような他の機器とのインターフェースを図ることができる部分である。 【0019】図2に示すように、上部筐体部分14と下部筐体部分16は、ほぼ長方形状の成形された部材であり、図2に示すように外側部120と内側部130を積層することにより構成されている。 これらの外側部12 0と内側部130は、接着層により貼り付けて一体化されている。 外側部120と内側部130は、放熱性および加工性の優れた金属板、たとえばアルミニウム板を用いて成形されている。 しかし外側部120と内側部13 0は、アルミニウム板に限らず、マグネシウム合金、S US(ステンレス鋼)、銅系材料、鉄系材料を採用することもできる。 接着層としては、外側部120と内側部130を確実に接着するために、たとえば酢酸ビニル、 塩化ビニル−酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、 アクリルエマルジョン系、ゴム系等の溶剤揮散タイプ、 フェノール、ウレタン、レゾルシノール、エポキシ、アクリル、ポリエステル、シアノアクリレート、この他の混合系等の化学反応タイプ、エチレン−酢酸ビニル系、 ポリアミド、ポリエステル、ポリイソブチレン等の熱溶融タイプの中から、特性にあったものを採用することができる。 【0020】外側部120はアウター部材とも呼んでおり、外部の体裁面を形成して、外観的に意匠的に見ばえを良くするための部分である。 内側部130はインナー部とも呼んでおり、主に内蔵する電気的な構成要素を保護する部分である。 外側部120は、上部筐体部分14 の部分14Aと下部筐体部分16の部分16Aから構成されている。 内側部130は、上部筐体部分14の部分14Bと下部筐体部分16の部分16Bから構成されている。 内側部130は外側部120の内側に接着剤等を介して固定されている2層構造のものである。 【0021】図1と図2に示すように上部筐体部分14 のスリット部分40には、シート状のスイッチ部140 が配置されている。 このシート状のスイッチ部140 は、図1〜図3に示すように、5つのキートップ30, 31,32,33,34を有している。 このキートップ30,31,32,33,34は、使用者が指で触れる部分であるが、これらのキートップ30〜34には、それぞれスイッチ接点部50,51,52,53,54が設けられている。 【0022】シート状のスイッチ部140の構造は、図2と図5に示すように、上シート141、下シート14 2、スペーサ143を有している。 上シート141と下シート142は、絶縁性を有する、たとえばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)、P A(ポリアミド)、PES(ポリエーテルスルホン)、 LCP(液晶ポリマー)等により作られており、スペーサ143は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、 PI(ポリイミド)、PA(ポリアミド)、PES(ポリエーテルスルホン)、LCP(液晶ポリマー)等により作られている。 上シート141、下シート142およびスペーサ143は、いずれも弾性変形可能なものである。 上シート141と下シート142の間には、上述したスイッチ接点部50,51,52,53,54が設けられている。 これらのスイッチ接点部50,51,5 2,53,54は、スペーサ143により電気的に離して設けられている。 スイッチ接点部50〜54の構造は図2に示すように同じであるが、図4と図5に拡大して例示するようにたとえばスイッチ接点部54は、電極1 50ともう一方の電極151から構成されている。 たとえばキートップ34が使用者の指に押されることにより、電極150,151が電気的に接触することで、スイッチ接点部54がオンになる。 スイッチ接点部50〜 53についてもスイッチ接点部54と同様な構造である。 図2の回路基板170は、筐体12の内部に配置されており、回路基板170は、たとえば内側部130に対して、一例として支柱139により固定されている。 【0023】図6には、図2に示すシート状のスイッチ部140の上シート141と、電気接続部190および回路基板170の構造と電気配線例を示している。 上シート141のスイッチ接点部50〜54の各電極150 は、それぞれ電気配線部200,201,202,20 3,204に接続されている。 これらの電気配線部20 0,201,202,203,204は、上シート14 1の内面141A側に一列に配列されている。 これに対して回路基板170の上側170Aには、電気配線部3 00,301,302,303,304が並べて形成されている。 これらの電気配線部300〜304は、たとえばマイクロコンピュータ80に接続されている。 【0024】電気接続部190は、図1と図2に示す筐体12の上部筐体部分14と下部筐体部分16を組み立てる際に、上シート141の電気配線部200〜204 と、回路基板170の電気配線部300〜304を圧着することにより電気的に接続する機能を有している。 電気接続部190は、図6と図7に示すように複数の導電体260,261,262,263,264と、これらの導電体200〜204を包囲する絶縁体280を有している。 絶縁体280は、弾性変形機能を有しており、 たとえばシリコーンゴム、シリコーンスポンジゴムにより作られている。 導電体260は、対応する位置の電気配線部200〜204と電気配線部300〜304を電気的に接続するためのものであり、たとえば表面Auメッキ処理した真鍮線やカーボン系導電繊維により作られている。 図6と図7の例では、導電体260はピン形状のものであり、絶縁体280は直方体形のブロック体である。 図2に示すように電気接続部190は、内側部1 30の部分14Bに形成された穴14Dを通るようにして、上シート141の電気配線部と回路基板170の電気配線部を電気的に接続する機能を有している。 【0025】次に、上述した電子機器10の入力装置1 8の製造方法(組立方法)の一例について説明する。 図2に示すシート状のスイッチ部140は、上部筐体部分14の部分14Aと14Bの間に挟み込むようにして位置決めされる。 しかもシート状のスイッチ部140の上シート141は、部分14Aの内面に対して、位置決めしながら、両面テープを用いた接着あるいは圧入もしくはかん入により固定される。 この状態では上シート14 1が部分14Aの内面に位置され、下シート142が部分14Bの受け部14Eに接着あるいは圧入またはかしめにより固定される。 上シート141のキートップ30 〜34は、スリット部分40から外部に露出している。 下部筐体部分16の中には、支柱139を用いて回路基板170が確実に固定される。 回路基板170は下部筐体部分16においてX方向、Y方向およびZ方向に関して規定された位置に固定されている。 【0026】次に、シート状のスイッチ部140を有する上部筐体部分14と、回路基板170を有する下部筐体部分16が、たとえば嵌合により一体化して組み立てられる。 この時に、電気接続部190は、上シート14 1の内面と回路基板170の上面の間に挟み込まれることで、図6に示す電気接続部190の絶縁体280が弾性変形する。 これによって、図6の電気接続部190の導電体260,261,262,263が、上シート1 41の電気配線部200,201,202,203,2 04を、対応する回路基板170の電気配線部300, 301,302,303,304に対してそれぞれ電気的に接続する。 すなわち、導電体260の一端部が電気配線部200に電気的に接続し、導電体260の他端部が回路基板170の電気配線部300に電気的に接続される。 同様にして、導電体261の一端部が電気配線部201に接続し、導電体261の他端部が電気配線部3 01に接続される。 導電体262の一端部が電気配線部202に接続し、導電体262の他端部が電気配線部3 02に接続される。 導電体263の一端部が電気配線部203に接続し、導電体263の他端部が電気配線部3 03に接続される。 導電体264の一端部が電気配線部204に接続し、導電体264の他端部が電気配線部3 04に接続される。 【0027】このように図2の上部筐体部分14と下部筐体部分16を組み立てる際に、図6と図7の絶縁体2 80が弾性変形することで、導電体260〜264の一端部と他端部が絶縁体280から露出し、対応する電気配線部200〜204と電気配線部300〜304を確実に電気的に接続することができる。 たとえば使用者が指で図2のシート状のスイッチ部140の任意のキートップ30〜34のいずれか1つあるいは2つ以上に触ることにより、対応するスイッチ接点部50〜54のいずれか1つまたは2つ以上がオンになる。 このようなオン操作は、電気接続部190の導電体260〜264を介して、回路基板170のマイクロコンピュータ80に伝えられることになる。 【0028】次に本発明の別の実施の形態を説明する。 図8と図9は、本発明の別の実施の形態を示しており、 図2の実施の形態と異なるのは、上シート141の端部141Rが、上部筐体部分14の部分14Bの穴14F を通り、電気接続部190の上端面に対して電気的に接続されていることである。 すなわち、上シート141の端部141Rの図6に示す電気配線部200〜204 が、電気接続部190の上端面と部分14Bに挟まれた状態で、上シート141の各電気配線部200〜204 が、電気接続部190の導電体260〜264を介して回路基板170の電気配線部300〜304に電気的に接続されている。 図8と図9に示す実施の形態が図2の実施の形態と異なるのは上記の点であり、その他の部分については同じであるので同じ符号を記してその説明を用いる。 【0029】図10は、シート状のスイッチ部140 が、図2または図8の上部筐体部分14の部分14Aあるいは部分14Bに位置決めされる例を示している。 すなわち部分14Aあるいは部分14Bは、複数のピン3 50を備えており、このピン350に対してシート状のスイッチ部140がはめ込まれて位置決めされるようになっている。 図11は、シート状のスイッチ部140 が、たとえば上部筐体部分14の内側部130に形成された突起130Tに対してはめ込まれて位置決めされる例を示している。 【0030】図12は、シート状のスイッチ部140の上シート141ではなく下シート142の上面に図6に示すような電気配線部200〜204が形成されている例である。 この場合には、下シート142は、受け部1 4Aの穴380を通して、電気接続部190の上端面に電気的に接続されている。 下シート142の上面に電気配線部200〜204が形成されているので、下シート142は一度180°折り返した形で、電気接続部19 0の上端面に電気的に接続される。 すなわち、下シート142の折り返し部分142Aは、一度折り返すことで、電気配線部200〜204が、図6の電気接続部1 90の導電体200〜204の一端部に電気的に接続されることになる。 【0031】図13は、電気接続部190が、たとえば図2の上部筐体部分14の部分14Bに対して固定されている例を示している。 ケースのインナーの部分14B から、図13(A)、(B)で示すような位置決め用の取付部222を設けることで、電気接続部190の位置を上部筐体部分14に対して位置決めした状態にする。 その後回路基板170を保持している下部筐体部分16 と上部筐体部分14を嵌合することで、シート状のスイッチ部140と回路基板170の間の導通を図る。 尚、 この時に上部筐体部分14の位置決め用の取付部222 に対して導電ゴムである電気接続部190を圧入ぎみにすることで、電気接続部190は上部筐体部分14に対して自立させることができる。 【0032】次に、図14は、図1の入力装置18と電子機器10の各要素の電気的な接続例を示している。 筐体12の中には、キー入力専用のマイクロコンピュータ80と、統括制御用のマイクロコンピュータ84及びたとえば任意の音楽情報を記憶するためのメモリ86を有している。 マイクロコンピュータ80,84及びメモリ86、音楽情報増幅出力部88は、回路ユニット90を構成しており、この回路ユニット90は、筐体20の内部の空間に配置されている。 【0033】コンピュータ80は、上述した図2のシート状のスイッチ部140のスイッチ接点部50〜54に接続されている。 マイクロコンピュータ80は、統括制御用のマイクロコンピュータ84に接続されている。 メモリ86は統括制御用のマイクロコンピュータ84に接続されている。 マイクロコンピュータ84はマイクロコンピュータ80、メモリ86及び音声増幅出力部88をコントロールする。 【0034】マイクロコンピュータ84は、音楽情報増幅出力部88に接続されている。 この音楽情報増幅出力部88は、マイクロコンピュータ84を介してメモリ8 6から送られてくる音楽情報を増幅して、たとえばヘッドホンあるいはイヤホン等の出力部92に供給する。 この出力部92を用いることで、使用者は音楽情報を聞き取ることができる。 この出力部92から出力される音楽情報は、音楽の他にその他の種類の音声情報等であってももちろんかまわない。 【0035】メモリ86は、たとえば半導体メモリやその他の種類のメモリを採用することができる。 このメモリ86は、回路ユニット90に固定されていてもよく、 あるいは回路ユニット90から着脱可能に取り外すことも可能にしてもよい。 このメモリ86に対して、たとえばインターネットのような通信ネットワークを介して直接音楽情報等の情報を書き込むことも可能である。 半導体メモリとしては、たとえばフラッシュメモリ、D−R AM(Dynamic random access memory)、S−RAM(Static rand om access memory)等である。 他の種類のメモリとしてはハードディスク等である。 【0036】図15は、図14のマイクロコンピュータ80とスイッチ接点部50ないし54の接続例を示している。 図15では、スイッチ接点部50ないし54は、 key0ないしkey4と示している。 これらのスイッチ接点部50ないし54は、図15に示すようにマイクロコンピュータ80のポートP10ないしP14に接続されている。 マイクロコンピュータ80のポートP20 は、スイッチ接点部50ないし54の共通の電極68に接続されている。 【0037】マイクロコンピュータ80の出力部87 は、図15(A)のように、マイクロコンピュータ80 の内部処理で決定した入力キーコードに対応した電圧を出力させることもできる。 そのようなキーコードの例及びその出力電圧比の例は図15(A)に示している。 【0038】図15(A)の入力キーコードVOL+ は、図14の音楽情報増幅出力部88の音量が増大する機能を有しており、出力電圧比は0.5である。 入力キーコードVOL−は音量が減少していく機能を示しており、出力電圧比は0.57である。 入力キーコードST OPは、音楽情報の再生を停止する機能を示しており、 出力電圧比は0.59である。 入力キーコードPLAY /FFは、図14のメモリ86から音楽情報を出力部9 2側に出力する場合及び音楽情報を早送りする機能の例を示しており、その場合には出力電圧比は0.73であり、入力キーコードREWは図14のメモリ86の音楽情報の再生位置を戻す機能を示しており、出力電圧比は0.9である。 ここで、出力電圧比の定義としては、 出力電圧=出力電圧比×Vcc である。 このVccは基準電圧であり、たとえば5Vである。 【0039】図16は、図1ないし図3の入力装置18 のキー入力操作例を示している。 図17は、入力キーコードの決定テーブルの例を示している。 たとえば図16 においてキー入力があったかどうかを、ステップSP1 00において、図2のスイッチ接点部50ないし54が検出すると、ステップSP120において図17に示すような入力キーコードを設定する。 【0040】図17における入力キーコードの決定テーブルの例では、図17(A)のはじめにオンになったキー(スイッチの接点部)の欄と、図17(B)の現在オンとなったキー(スイッチの接点部)、及び図17 (C)の入力キーコードの適用例を示している。 【0041】入力キーコード決定テーブルでは、図17 の(D)、(E)、(F)の欄を含んでいる。 図17 (D)の欄では、図17(A)のはじめにオンになったキーと現在オンになったキーの組み合わせにより、各種の入力キーコードを示している。 たとえばはじめにオンになったキーがkey0であり、一定時間内に現在オンとなったキーがkey0である場合、すなわち同じキーが一定時間内に2度押された場合には、入力キーコードはVOL+(音量が増加方向)となる。 また、はじめにオンになったキーがkey1であり、一定時間以内に現在オンとなったキーが同じkey1の場合には、入力キーコードは無効になる。 同様に、はじめにオンとなったキーがkey3であり、一定時間内に現在オンとなったキーがkey3の場合には、やはり入力キーコードは無効になる。 【0042】はじめにオンになったキーがkey2で、 一定時間内に現在オンとなったキーがkey2である場合には、入力キーコードはストップ(音楽情報の再生が停止)であり、初めにオンになったキーがkey4で、 一定時間内に現在オンとなったキーがkey4である場合には、入力キーコードはVOL−(音量が減少方向) である。 【0043】図17(E)の欄では、初めにオンになったキーと一定時間内に現在オンとなったキーの組み合わせが異なる場合に、入力キーコードがPLAY/FFの機能を発揮する。 たとえばはじめにオンになったキーがkey0であり、一定時間内に現在オンとなったキーがkey1の場合には、入力キーコードはPLAY(音楽情報の再生操作)/FF(音楽情報の再生位置の先送り操作)となる。 【0044】図17の(E)の欄では、初めにオンになったキーが、現在オンとなったキーよりも小さいキー番号である場合であるが、図17の(F)では、はじめにオンになったキーの番号が現在オンになったキーの番号よりも大きい場合である。 この場合には入力キーコードがREW(音楽情報の再生位置を戻す操作)になる。 たとえばはじめにオンになったキーがkey4である場合に、一定時間内に現在オンとなったキーがkey3である場合には、入力キーコードはREWになる。 【0045】図18は、入力キーコードの決定シーケンスの例を示している。 図18(A)の場合には、図15 のマイクロコンピュータ80は、そのポートP10ないしP14の状態を見て、ポートP10ないしP14のどれがオンになっているかを判定して、はじめにオンであったキーとして設定する。 当然のことながら、人がキーを押す意志がないのにキーが押されたと誤認してしまわないように、また外部からの電磁波ノイズの混入などによってキーが押されたと判断されないように、チャタリング除去、ノイズ除去などのソフトウェア処理がポートの読みとり時には内部的に実施されている。 その後、図18(B)〜(D)に示す態様でスイッチがもう一度押されることにより、すなわちたとえば一定時間内に再びどれかのキーが押される。 【0046】図18(B)では、同一のキーが一定時間内にオンされた場合には、図17(D)に示す入力キーコードを発揮する。 【0047】図18(C)のように隣のキーがオンされた状態では、図17(E)あるいは図17(F)の組み合わせにより入力キーコード、PLAY/FFあるいはREWの機能を設定することになる。 図18(D)は、 それ以外のキーコード操作例の場合であり、その場合には、初めてオンになったキーの機能を無視して、新たに現在オンになったキーを初めにオンであったキーとして設定する。 この場合には、図17(A)の初めにオンになったキーが押されてから、一定時間経過してしまったのちに現在オンになったキーが押された場合の例である。 【0048】次に、図1ないし図3の入力装置18の使用操作例について説明する。 使用者が指を用いて、図1 のようにスリット部分40の長手方向X1あるいはその逆方向のX2方向に沿って移動して、キートップ30〜 34を順に押すか、もしくは1つのキートップのみを押す。 この場合に、図2と図3に示すスリット部分40 が、指12の腹をキートップ30ないし34のいずれかに確実に案内することができるので、使用者の指は確実にキートップに触れることができる。 しかも、スリット部分40が指の腹の一部分を支えることから、指の腹がシート状のスイッチ部140に対して無用な力を与えずにすむので、シート状のスイッチ部140およびスイッチ接点部50ないし54の性能を低下させることを防ぐことができる。 【0049】たとえば、図17に示すように、使用者が図1の操作用のキートップ30を一定時間内に複数回、 たとえば2回押した場合には、図17(D)において、 図15のマイクロコンピュータ80は図14の別のマイクロコンピュータ84に対して入力キーコードVOL+ を示す制御信号を送ることになる。 これにより、マイクロコンピュータ84は音楽情報増幅出力部88に制御信号を与えることで、出力部92から出力される音楽情報の音量を上げる。 【0050】図17(E)のたとえば操作用のキートップ30(key0)を押した後に、一定時間内に操作用のキートップ31(key1)を押すことにより、入力キーコードとしてはPLAY/FFを発揮するので、P LAY/FFの制御信号は図14のマイクロコンピュータ80からマイクロコンピュータ84に送られる。 このことからマイクロコンピュータ84は出力部92からメモリ86内の音楽情報を再生するかあるいは再生位置を先送りすることができる。 先送り操作により、次の楽曲に頭出しすることができる。 【0051】図17(F)のたとえば操作用のキートップ34(key4)と操作用のキートップ33(key 3)を一定時間内に操作することにより、マイクロコンピュータ80は入力キーコードREWの機能を発揮する。 これにより図14のマイクロコンピュータ80はマイクロコンピュータ84に対してREWの制御信号を与えるので、マイクロコンピュータ84は、メモリ86の音楽情報をある再生位置まで戻す。 【0052】このように、使用者が指により複数のキートップ30ないし34のうちの任意の数のキートップに順次触れる場合に、スリット部分40の長手方向に沿ってX1方向あるいはその反対方向のX2の方向にスライドしていくだけで確実に触れることができる。 しかもわずかな数の操作用のキートップ30ないし34を設けるだけで、図17に示すような各種の機能を使用者の指による簡単な操作により選択することができる。 このような使用の場合における入力キーコードの決定テーブルは、たとえば図1の筐体12の裏面に表示しておくことができる。 【0053】ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、各種の変形を行うことができる。 図14に示すマイクロコンピュータ80と84は、1つのマイクロコンピュータで構成してもよい。 図1に示す入力装置18は、電子機器の一例として携帯型の音楽再生装置に対して設けられている例である。 この入力装置を含む音楽再生装置は、手持ち型の音楽情報の再生装置であってもよいし、腕に付けたりあるいは首にかけたりその他の使用形態を採用することもできる。 【0054】また本発明の入力装置は、このような音楽あるいは音楽情報の再生装置等の電子機器に限らず、音楽情報の記録再生装置にも適用することができる。 また本発明の入力装置は音楽情報の記録再生に限らず、画像及び音声の記録再生装置、あるいは画像及び音声情報の再生装置等にも適応することができる。 本発明の入力装置は、上述した実施の形態に限らず、他の種類又は他の分野の電子機器にも対応することができる。 【0055】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、 部品点数を減らし薄型化および小型化が図れるとともに、組み立てが簡単になる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の入力装置を備える電子機器の一例を示す斜視図。 【図2】図1の入力装置および電子機器の構造部分を示すX−X線における断面図。 【図3】図2に示すシート状のスイッチ部の平面図。 【図4】図3のY−Y線における断面図。 【図5】図3の一部を拡大して示す図。 【図6】シート状のスイッチ部の上シート、電気接続部および回路基板の電気的接続例を示す分解斜視図。 【図7】電気接続部を示す一部を切り欠いた斜視図。 【図8】本発明の別の実施の形態を示す断面図。 【図9】図8の一部を拡大して示す図。 【図10】シート状のスイッチ部の固定例を示す平面図。 【図11】シート状のスイッチ部の別の固定例を示す断面図。 【図12】シート状のスイッチ部の下シートと回路基板の電気的な接続例を示す図。 【図13】電気接続部の固定例を示す図。 【図14】入力装置と内部構成の電気的な接続例を示す図。 【図15】入力装置と内部構成の接続例を示す図。 【図16】キー入力の操作例を示す図。 【図17】入力キーコード決定テーブルの例を示す図。 【図18】入力キーコード決定シーケンスの例を示す図。 【図19】従来のスイッチの例を示す図。 【図20】従来の別のスイッチの例を示す図。 【符号の説明】 14・・・上部筐体部分、16・・・下部筐体部分、1 8・・・入力装置、140・・・シート状のスイッチ部、170・・・回路基板、190・・・電気接続部 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 安弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5E348 AA02 AA07 AA30 |