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Member for push-button switch and manufacturing method therefor

申请号 JP2001156730 申请日 2001-05-25 公开(公告)号 JP2002352657A 公开(公告)日 2002-12-06
申请人 Shin Etsu Polymer Co Ltd; 信越ポリマー株式会社; 发明人 KAWAGUCHI TOSHIYUKI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a thin and light member for a push-button switch with high visibility allowing realizing of illumination of a display part without irregular luminance, suppressing power consumption, by efficiently using light energy for illumination of the display part. SOLUTION: In this member 1 for the push-button switch having a key top 3, a cover base material for arranging the key top 3 at a prescribed position and mounting the key top 3 on a circuit board 5 and a surface light emitting body 4 integrated to a display 2 for displaying switch functions provided on the key top 3, the surface light emitting body 4 has a light emitting body layer formed between a base electrode 14 and a transparent electrode 10 facing to the base electrode 14, and the transparent electrode 10 provided in contact with the display part 2 is made transparent conductive polymer.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 回路基板上の固定接点に対向して配置される可動接点を前記固定接点に接触させる方向に押圧するためのキートップ部と、該キートップ部を所定の位置に配して前記回路基板上に取り付けるためのカバー基材とを有すると共に、前記キートップ部にスイッチ機能を表示する表示部と一体の面発光体を有する押釦スイッチ用部材であって、前記面発光体はベース電極と該ベース電極に対向する透明電極との間に発光体層を有し、前記表示部に接して設けた前記透明電極を透明導電性ポリマーとしたことを特徴とする押釦スイッチ用部材。
  • 【請求項2】 前記キートップ部は、前記ベース電極の裏面に所望のキートップ形状をしたキートップ本体を有し、該キートップ本体の裏面には前記固定接点に前記可動接点を接触させるための押圧突部を有することを特徴とする請求項1に記載の押釦スイッチ用部材。
  • 【請求項3】 前記キートップ部は、前記透明電極の表面に透明絶縁性フィルムを介して所望のキートップ形状をした透明の第1樹脂成形体を有し、前記ベース電極の裏面に前記固定接点に前記可動接点を接触させるための押圧突部を形成した第2樹脂成形体とを有することを特徴とする請求項1に記載の押釦スイッチ用部材。
  • 【請求項4】 前記透明電極の表面抵抗が10Ω/□以上で、光線透過率が90%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の押釦スイッチ用部材。
  • 【請求項5】 前記透明電極に線径が0.5μm以下でアスペクト比が20以上の導電性繊維を含有してなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の押釦スイッチ用部材。
  • 【請求項6】 前記透明電極が着色されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の押釦スイッチ用部材。
  • 【請求項7】 前記透明導電性ポリマーがポリピロール、ポリチオフェン或いはポリアニリンのいずれか1つの誘導体からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の押釦スイッチ用部材。
  • 【請求項8】 透明絶縁性フィルムの片面に前記透明電極を形成したものを絞り加工して所望のキートップ形状を成形する際に、少なくとも絞り加工時に引っ張り力が作用する延伸部の前記透明電極に、延伸性のある導電性ポリマーを使用したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の押釦スイッチ用部材の製造方法。
  • 【請求項9】 少なくとも絞り加工前の前記透明電極の延伸部を肉厚に形成したことを特徴とする請求項8に記載の押釦スイッチ用部材の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】この発明は、携帯電話機、P
    DA等の携帯端末、カーステレオ、車載用ボードコンピュータ、オーディオ、計測器、パーソナルコンピュータ等の入装置におけるスイッチ機能を表示する表示部を有する押釦スイッチ用部材に関するものであり、より詳しくは、暗い所で表示部を照らし出すことのできる照光式の押釦スイッチ用部材に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】従来、この種の入力装置に用いられる押釦スイッチ用部材は、夜間時の使用において押釦スイッチの機能を示した表示部を照光するいわゆる照光機能が必要とされている。

    【0003】例えば、携帯電話機等の入力装置に使用される押釦スイッチ30では、図12又は図13に示したように、操作キーを構成する複数のキートップ部31を一体に形成したカバー基材32と回路基板33とが向かい合った状態で、目的とする入力装置の筐体内に組み込まれて押釦スイッチ30のスイッチ機能を実現できるようにしている。 そして、暗い所でも押釦スイッチ30の機能がわかるように、各々の操作キーとなるのキートップ部31の天面部又は裏面部には、それぞれのスイッチ機能に応じた文字、符号又は図柄等の表示を施した表示部34が設けられており、回路基板33上に設けたLE
    D35や電球36等の光源から発せられる直射光及びこの直射光が周辺の部材に反射して生じる反射光がキートップ部31の裏面部から天面部に透過することで、表示部34の表示内容が浮かび上がって視認できるようになっている。 これにより、夜間時でも支障なく携帯電話等を使用することができる。

    【0004】また、より均一な明るさが要求される場合には、図14又は図15に示したように、LED35とキートップ部31との間に薄板上の導光部材37を挿入したり、光源として面発光するEL(エレクトロルミネセンス)シート38を使用することで発光表面積を大きくすることが試みられていた。

    【0005】しかしながら、LED35、電球36、E
    Lシート38等の光源及び光源からの直射光を導く導光部材37は、回路基板33上の接点部39とキートップ部31との接触動作を阻害することのないよう、キートップ部31から離れた所に配置されているため、光源3
    5,36,38や導光部材37と表示部34とが離れた位置関係となり、LED35や電球36の数を増やしたり、導光部材37を補ったり、或いは高価なELシート38を用いた場合にあっては、部品点数が増加することによる設計の困難性が高くなる割には、暗い所で表示部34の表示内容を確認するだけの十分な光量を供給できない場合が生じ、その実効性に乏しかった。

    【0006】特に、電池駆動する携帯電話機にあっては、低消費電力が求められており、少ない数の光源で十分な光量を確保することが望まれるが、上述した従来の方法では光源から発せられる光の一部しか表示部34の視認性向上に寄与できず、大きな消費電力を使用しても視認性を向上することができないといった矛盾が生じていた。

    【0007】さらに、キートップ部31とこれに対応する固定基板33に設けた接点部39の間に、光源35,
    36,38や導光部材37を設けるため押釦スイッチ3
    0の厚みを薄くすることができず、ひいては入力装置や機器本体の厚みを薄くすることに制約が生じると共に重量の増加を招くこととなっていた。

    【0008】

    【発明が解決しようとする課題】そこで、以上のような不具合を解消するため、特開平11−232954号公報又は特開2000−285760号公報に記載された発明のように、キートップ部の天面部に自発光する面発光体を設けて表示部の近傍に光源を取り付けることで、
    光の拡散と障害物による光量の損失を防ぐ工夫が行われているものが知られている。

    【0009】これらの面発光体は、透明導電層が透明絶縁フィルム上に、酸化スズインジウム、酸化スズや酸化アンチモンスズをイオンスパッタ等でセラミック層を形成したもの又はセラミック粉を透明絶縁性樹脂に分散混合した透明導電性インクをスクリーン印刷等で形成したものである。

    【0010】そのため、透明絶縁性フィルムが所望のキートップ形状に延伸成形されると、透明導電層も合わせて延伸され、セラミック層はもろく、1%も伸びに追従できず急激に抵抗が上昇してしまうため必要な形状を形成することが困難だった。 また、セラミック粉含有量に対して抵抗値は低くはなく、高価な材料を多く使用しなければならず、粉体の沈降もあり作業性に難があった。
    さらには、粉体の連鎖により導電性を確保するものであるため、延伸により容易に連鎖が壊れ、抵抗値の上昇、
    ひいては輝度のむらとなっていた。

    【0011】そこで、この発明は、以上のような従来のキートップ部の表示部を照光する押釦スイッチ用部材の問題を解消するために考えられたものであって、光エネルギーを無駄なく表示部の照光に使用することで、消費電力を押さえながらも輝度むらのない表示部の照光が実現でき、視認性が高く厚みの薄くて軽い押釦スイッチ用部材を提供することを課題としている。

    【0012】

    【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、回路基板上の固定接点に対向して配置される可動接点を前記固定接点に接触させる方向に押圧するためのキートップ部と、該キートップ部を所定の位置に配して前記回路基板上に取り付けるためのカバー基材とを有すると共に、前記キートップ部にスイッチ機能を表示する表示部と一体の面発光体を有する押釦スイッチ用部材であって、前記面発光体はベース電極と該ベース電極に対向する透明電極との間に発光体層を有し、前記表示部に接して設けた前記透明電極を透明導電性ポリマーとしたことを特徴としている。

    【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、前記キートップ部は、前記ベース電極の裏面に所望のキートップ形状をしたキートップ本体を有し、
    該キートップ本体の裏面には前記固定接点に前記可動接点を接触させるための押圧突部を有することを特徴としている。

    【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、前記キートップ部は、前記透明電極の表面に透明絶縁性フィルムを介して所望のキートップ形状をした透明の第1樹脂成形体を有し、前記ベース電極の裏面に前記固定接点に前記可動接点を接触させるための押圧突部を形成した第2樹脂成形体とを有することを特徴としている。

    【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
    のいずれか1つの構成に加えて、前記透明電極の表面抵抗が10Ω/□以上で、光線透過率が90%以下であることを特徴としている。

    【0016】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3
    のいずれか1つの構成に加えて、前記透明電極に線径が0.5μm以下でアスペクト比が20以上の導電性繊維を含有してなることを特徴としている。

    【0017】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5
    いずれか1つの構成に加えて、前記透明電極が着色されていることを特徴としている。

    【0018】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6
    のいずれか1つの構成に加えて、前記透明導電性ポリマーがポリピロール、ポリチオフェン或いはポリアニリンのいずれか1つの誘導体からなることを特徴としている。

    【0019】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7
    のいずれか1つに記載の押釦スイッチ用部材の製造方法であって、透明絶縁性フィルムの片面に前記透明電極を形成したものを絞り加工して所望のキートップ形状を成形する際に、少なくとも絞り加工時に引っ張り力が作用する延伸部の前記透明電極に、延伸性のある導電性ポリマーを使用したことを特徴としている。

    【0020】請求項9に記載の発明は、請求項8の構成に加えて、少なくとも絞り加工前の前記透明電極の延伸部を肉厚に形成したことを特徴としている。

    【0021】

    【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図1乃至図7によって説明する。

    【0022】[発明の実施の形態1]図1は、この発明の実施の形態1に係る押釦スイッチ用部材を示した要部断面図である。

    【0023】図1に示した実施の形態1に係る押釦スイッチ用部材1は、文字、符号又は図柄等によるスイッチ機能を表示した表示部2をキートップ部3の天面部側に設けたものであって、表示部2に自発光する面発光体4
    を採用したものである。

    【0024】実施の形態1に係る押釦スイッチ用部材1
    には、回路基板5上の固定接点6に対向させて配置される可動接点7が設けられている。 具体的には、キートップ部3の裏面部中央に設けた押圧突部8の先端に可動接点7を形成し、キートップ部3を回路基板5側へ押圧することにより可動接点7が固定接点6へ接触できるようにしている。

    【0025】また、キートップ部3の外周部でかつ押釦スイッチ用部材1と回路基板5との間には、所定の位置に配された複数のキートップ部3をシリコーン等の弾性材料のカバー基材(図示せず)が設けられており、キートップ部3を押圧した際にカバー基材の一部が回路基板5側に弾性変形して、キートップ部3から手を離した際にカバー基材の弾性復元力によりキートップ部3が元の位置に復帰できるようにしている。

    【0026】キートップ部3の実質的な形状を決定するキートップ本体23の材料は硬質又は軟質樹脂或いはエラストマー等から選ばれる。 熱可塑性又は熱硬化性のいずれでもよく、フィルム状、ペレット状、液状等素材の形態に限定されることもないが、液状熱硬化性樹脂は注入作業が容易であり好ましい。

    【0027】キートップ部3の裏面部を除いた外周表面には透明絶縁性フィルム9が被覆されており、この透明絶縁性フィルム9の裏面にはキートップ部3の側面からキートップ部3の天面部に達する範囲で、面発光体4の一方の電極となる透明電極10が設けられている。 そして、透明電極10の裏面及び透明電極10が設けられていない透明絶縁性フィルム9の裏面には、遮光性及び絶縁性を有する不透明着色層11が設けられている。 そして、不透明着色層11には表示部2の文字、符号又は図柄等の形態に合わせた抜き型部12が形成されている。
    不透明着色層11の裏面には、抜き型部12を含めたキートップ部3の天面部の大きさより僅かに小さな大きさの発光体層13を設けている。 したがって、抜き型部1
    2は発光体層13で埋められ、文字、符号又は図柄等からなる模様部が形成され、この模様部と抜き型部12の周囲の不透明着色層11からなる地部とによって表示部2のデザインが完成されることになる。 そして、発光体層13の裏面には、もう一方の電極を形成するベース電極14を設けている。

    【0028】キートップ部3の外表面の透明絶縁性フィルム9は、厚みが25〜500μm程度のポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフロロエチレンプロピレン、ポリクロロトリフロロエチレン、ポリビニリデン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリアリレート、或いはスチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系熱可塑エラストマーや、それらの共重合物、アロイ等の変性物のほか、数種のフィルムをラミネーションした複層品等が使用できる。 そして、
    キートップ形状の形成が容易な、軟化点が200℃以下、好ましくは150℃以下の樹脂がよく、ガス透過の小さいものが望ましい。 成形後、外側に酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着法、ゾルゲル法等の方法でガスバリアー層を形成することは、発光体層を保護し、長寿命化に好ましい。

    【0029】透明電極10に用いられる導電性ポリマーは、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリセレノフェン、ポリアズレン、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリピリダジン、ポリナフチレン、ポリフルオレンやそれらのアルキル化やアルコキシル化等の置換基を導入したポリエチレンジオキシチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリ(3メチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3−チオフェン−β−エタンスルフォネール)、ポリメチルピロール、ポリ(3へキシルピロール)、ポリ(3
    −メチル−4−ピロールカルボン酸メチル)、ポリシアノフェニレンビニレン、ポリジメトキシフェニレンビニレン誘導体、或いはポリイソプレン変成物等の共役系導電性ポリマーが挙げられる。

    【0030】このうち、ドーパントの影響もあるが、酸素や湿度に安定性が高く、透明性があり導電性が高い、
    ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンの誘導体は好ましい。 有機ELに使用する場合は、陽極として高い仕事関数を持ったポリアニリン、ポリチオフェンの誘導体は好ましい。

    【0031】導電性ポリマー単体では、十分な抵抗を得ることができないため、ドーピングする必要があり、アクセプターとしてヨウ素、臭素などのハロゲン、P
    、AsF 、BF 等のルイス酸、HF、HCl、
    SO 等のプロトン酸やパラトルエンスルホン酸、
    パラメトキシエチルトルエンスルホン酸等の有機酸、F
    eCl 、TiCl 等の遷移金属化合物、テトラシアノジメタン、テトラシアノテトラアザナフタレン、クロラニル等の有機物質或いはドナーとしてのLi、Na、
    K等のアルカリ金属、Ca、Sr、Ba等のアルカリ金属土類等が挙げられる。

    【0032】湿度、温度による安定性を高めるため、脱ドープには注意が必要で、電解質アニオン、カチオンは避ける方がよく、導電性ポリマーとの配位結合や共重合等は固定に対し有効な方法である。 特に、ドーパントをAB2型のモノマーを出発原料とし、中心核分子から順次結合させて合成されたデンドリマーやポリスチレン、
    ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン等のオリゴマー、ポリマー或いはフラーレン分子に導入し、官能基として担持することは簡便であり、透明絶縁性フィルム9
    への密着性が高まることから、特に望ましい。 また、このような担体を中心に多官能となったドーパントは、伝導的には、導電性ポリマー分子間をブリッジさせ、安定化し抵抗を下げることにもなるため、非常に有用である。 導電性ポリマーが封止された状態では脱ドープの影響は非常に小さくなるので、成形体中に収めるようにする方がよい。

    【0033】さらに、導電性を低下させるためには、導電性ポリマーを延伸し、導電性ポリマーの分子間距離を縮めることは有用で、成形時の延伸を利用することができる。

    【0034】絞り加工時には、特にキートップ部3の側面に相当する箇所(延伸部)に引っ張り力が作用して延伸されるため、透明絶縁性フィルム9、透明電極10はこれに適した材料でなければならず、破断や抵抗上昇のないものが選ばれる。 導電性ポリマーはこれに適した材料であり、特に延伸率が高い表示部2の模様部の周囲(延伸部)の導電性ポリマーを厚く形成し、抵抗上昇を抑えることができる。 表示部2の地部或いはキートップ部3側面が不透明の場合は、後述する導電性インクによって補うことも可能である。 しかし、100%を超えるような過度の延伸が行われた時は、抵抗が上昇する恐れがある。 この場合、導電性ポリマーに線径が0.5μm
    以下の微細な導電性繊維を混合することにより、導電性を維持することができる。 線径が0.5μmを越えると実質的に透明でなくなること、及び繊維が剛直になるため成形の障害となる。 アスペクト比は10以上望ましくは20以上、さらに望ましくは50以上がよい。 印刷性の点から、長さは0.1mm以下がよい。

    【0035】ポリアクリロニトリル系等のカーボンファイバーを裂いたもの、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等のセラミックスウィスカーにカーボンコート或いは銀メッキを施したもの等が挙げられるが、柔軟なものがよく、
    アクリル、レーヨン、ポリエステル、フェノール等の合成繊維に銀メッキ等を施したもの、或いはシングルウォールナノチューブ、マルチウォールナノチューブ等が挙げられ、ナノチューブは線径が0.2μm以下の導電性繊維で非常に都合がよい。 配合量は所望の抵抗値によって決定されるが、0.1から20wt%である。 径が細いほど及び配合量が少ないほど透明性が高いことはいうまでもない。

    【0036】導電性ポリマーは、その前駆体モノマーを酸化剤や触媒を用いて重合する化学的重合法、非共役ポリマーからなる中間体を熱処理して得る方法、或いは芳香族化合物をモノマーとして電気化学的に酸化或いは還元して重合する電解重合法等があるが、これを限定するものではない。

    【0037】透明絶縁性フィルム9上には、導電性ポリマーの低分子品を蒸着等で設けるか、或いは溶剤に溶解した状態或いは分散したエマルジョン状態で、一般的な印刷塗布方法で形成することができる。 その膜厚は、
    おおよそ0.1〜25μm程度である。 導電性ポリマーの場合は膜厚と抵抗は非オーミックである場合が多く、
    厚くしても、それに見合った抵抗減少が得られない場合もあり、光線透過率が悪くなるだけである。 そのため、
    前もって必要な厚みを決定しておく必要がある。

    【0038】透明電極10の表面抵抗が10Ω/□以上望ましくは100Ω/□以上で、光線透過率が90%以下望ましく80%以下である。 表面抵抗と光線透過率は裏腹の関係にあり、表面抵抗が10Ω/□未満であると、ドーパント量が増大し、着色が強くなり、所望の色を得ることができず、導電性ポリマーも硬質化し、十分な伸度を示さない。 光線透過率は高い方が良いが、90
    %を超えると表面抵抗が増大しすぎ、消費電力が増加する。

    【0039】面発光体4の発光体層13が発光する構造は、電気−光変換のメカニズムを利用すればよく、表示部2の領域を均一に発光させ、樹脂の成形体との複合化を考えると、有機系の無機EL、有機EL或いはLEC
    (Light Emitting Electroch
    emical Cell、電気化学発光素子)等が挙げられ、直接、可視発光するものや、可視光外、例えば紫外発光をし、これを可視発光に変換したもの等が含まれる。 これらは、いずれも給電のために対向する電極が必要であるが、実施の形態1では、一方の電極を透明とした透明電極10とし、他方をベース電極14としている。

    【0040】無機ELは、対向する少なくとも一方が透明の2電極間に、約5〜20μm厚の発光体層13を設け、20から100V、50〜400Hz等の交流を印加して発光させる。 携帯機器等の直流電池の場合は、インバーター等によって昇圧し、交流に変換する必要がある。 発光体層13は、硫化亜鉛等の無機蛍光体粉末をシアノエチルセルロース、シアノエチルサッカロース、シアノエチルプルラン等高誘電体有機物バイダーに分散させ、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等で溶液化し、湿式にて加工を施すことができる。 蛍光体には銅、鉄等の金属をドーピングし多色化が図られている。 また、蛍光体をプラズマ重合或いはその他既存の方法により、マイクロカプセル化し、安定性を高めることが可能である。 その他、このバインダーにはチタン酸バリウム、チタン酸カリウム等の高誘電体をさらに配合した励起反射層等により電界効率を上げることができる。

    【0041】無機ELシートは、従来から面状光源としても用いられているが、この発明では表示部2のみに採用するため、その面積は従来バックライトとして使用されていたものの約1/5〜1/100といった僅かな量で足り、それに比例して消費電力を低減することができる。

    【0042】有機ELは、使用する発光体材料によって、低分子型と高分子型とがある。 そのうち、膜厚が厚い高分子型は加工がし易く、この発明ではこれに限定して説明すると、対向する少なくとも一方が透明の2電極間に発光体層13を狭持し、約0.1〜0.15μmの発光体層13と、必要ならば、電子注入層、正孔注入層、輸送層等の機能層を有し、直流5〜20Vを印加する。 発光体層13は、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリジアルキルフルオレン、ポリパラフェニレン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体等の可溶性π共役ポリマーがある(シーエムシー発行、「有機EL材料とディスプレー」)。 これら溶液をスピンコート、インクジェット印刷等で設けることができ、色は各物質が持つエネルギーギャップで決定され、エネルギーギャップが大きいほど短波長側になる。 発光体層13と上下の電極層は電子と正孔注入のバランスを吟味して設計される。 高分子型のうち、色素分散型のものは構造が簡単である。
    ポリビニルカルバゾールやポリフェニレンビニレンに、
    トリスヒドロキシキノリラアルミニウム錯体等の電子輸送性或いはオキサジアゾール誘導体等の正孔輸送成分を混合し、ド−パントとしてクマリン誘導体、キナクドリン、ルブレン等のレーザー色素を混合した層を電極に挟持したものである。 この他、σ共役ポリマーのポリメチルフェニルシラン等は近紫外に発光ピークを持ちブチルベンゾオキサゾリルチオフェン、ベンゾピラノン誘導体等のレーザー色素を混合することにより可視発光とすることができる。

    【0043】LECは、対向する少なくとも一方が透明の2電極間に発光体層13を挟持し、約15μmの発光体層13のみの構造で、発光体層13は有機ELと同様の共役ポリマーとエチレンオキサイド、フォスファゼン等のポリマー或いはオリゴマーの電解質物質とトリフロロメタンスルホン酸リチウム塩等の金属塩を混合したものである。 直流の3〜5Vの電圧を印加すると、塩のカチオン、アニオンは共役ポリマーを電気化学ドーピングし、P型及びN型半導体を電気化学的にバランスよく生成し、共役ポリマーに電子或いは正孔を効率よく供給することになり、有機EL同様に発光する(WO96/0
    0968)。

    【0044】以上3種の面発光体4のうち、無機ELは膜厚制御が容易で環境に対する安定性があり、LECは構造がシンプルで電極材料に制限がなく、膜厚制御が容易で、低消費電力であることから好ましい。

    【0045】透明電極10と対向するベース電極14
    は、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム等の金属又は合金或いはタングステンカーバイト、炭化珪素、酸化スズ、酸化インジウム等のセラミックス或いはフラーレンを光重合、電子線照射重合、プラズマ重合、電解重合等で形成できる。
    発光体層13が有機ELである場合は、透明電極10と仕事関数の差が大きい材料が選ばれる。 この他それら微粒子のほか、カーボンブラック、グラファイト等の導電性フィラーをエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の絶縁性樹脂溶液に混合した導電性インクによっても形成できる。

    【0046】透明電極10と同様に、延伸による抵抗変化を抑えるため、絶縁性樹脂からなるバインダーを延性のあるポリアミド、ポリエステル、熱可塑性エラストマー等の分子量の大きな熱可塑性樹脂とすることは好ましく、導電性ポリマーとした場合は、バインダー自体も導電性となることから導電性フィラーの連鎖が壊れても導通を維持することができるので、さらに好ましい。 さらに、導電性繊維或いは可撓性のあるカーボンナノチューブを混合した場合は、バイパス効果で抵抗を下げ、維持することができるので好ましい。

    【0047】表示部2の模様部となる文字、符号又は図柄等は通常の印刷方法により設けることができ、表示部2の背景との関わりによって、透過光、自発光、反射光及び色差の組み合わせによって種々のデザインが考案される。

    【0048】図2乃至図10は、デザインの異なる表示部を示した要部断面図である。

    【0049】図2に示した表示部2の第1の態様は、上から順番に透明絶縁性フィルム9、透明電極10、抜き型部12を有する不透明着色層11、抜き型部12を埋める発光体層13及びベース電極14を有しており、図1に示した実施の形態1と同じ構成である。

    【0050】図3に示した表示部2の第2の態様は、上から順番に透明絶縁性フィルム9、抜き型部12を有する地部を構成する不透明着色層11、抜き型部12を埋める模様部を構成する透明着色層15、透明電極10、
    発光体層13及びベース電極14を有している。

    【0051】図4に示した表示部2の第3の態様は、上から順番に透明絶縁性フィルム9、抜き型部12を有する地部を構成する不透明着色層11、抜き型部12に挿入される模様部を構成する着色透明電極10a、着色透明電極10aを介して抜き型部12を埋める発光体層1
    3及びベース電極14を有している。

    【0052】図5に示した表示部2の第4の態様は、上から順番に透明絶縁性フィルム9、透明電極10、抜き型部12を有する地部を構成する不透明着色層11、抜き型部12を埋める模様部を構成する透明着色層15、
    発光体層13及びベース電極14を有している。

    【0053】図6に示した表示部2の第5の態様は、上から順番に透明のオーバーコート層16、抜き型部12
    を有する地部を構成する不透明着色層11(抜き型部1
    2はオーバーコート層16で埋められている)、模様部を構成する透明着色層15、透明絶縁性フィルム9、透明電極10、発光体層13及びベース電極14を有している。

    【0054】図7に示した表示部2の第6の態様は、上から順番に透明絶縁性フィルム9、透明電極10、模様部を構成する透明着色層15と地部を構成する透明着色層15a、発光体層13及びベース電極14を有している。

    【0055】図8に示した表示部2の第7の態様は、上から順番に透明絶縁性フィルム9、透明電極10、模様部を構成する不透明着色層11、不透明着色層11の外周を覆い地部を構成する透明着色層15、発光体層13
    及びベース電極14を有している。

    【0056】図9に示した表示部2の第8の態様は、上から順番に透明絶縁性フィルム9、模様部を構成する不透明着色層11と地部を構成する透明着色層15、不透明着色層11と透明着色層15との外周を覆う透明電極10、発光体層13及びベース電極14を有している。

    【0057】図10に示した表示部2の第9の態様は、
    上から順番に透明の透明絶縁性フィルム9、模様部を構成する不透明着色層11、不透明着色層11の外周を覆う透明着色電極10a、発光体層13及びベース電極1
    4を有している。

    【0058】このうち、図2乃至図7に示したものは、
    文字、符号又は図柄等からなる模様部が発光するものであり、図8乃至図10に示したものは、文字、符号又は図柄等以外の地部が発光するものである。 また、図4と図10に示したものは、透明電極10を着色て透明着色電極10aとしたものであり、この場合には透明着色層15を使用しなくてよいため、製造工程が簡単となり製造コストが低減できる。

    【0059】なお、透明着色層15と不透明着色層11
    とは、軟質の樹脂やエラストマーをバインダーにし、染料や顔料を混合したもので、透明絶縁性フィルム9に密着し、同じく延伸性のあるものがよく、透明絶縁性フィルム9と同様に樹脂を用いることが好ましい。

    【0060】次に、実施の形態1に係る押釦スイッチ用部材1の製造方法について説明する。

    【0061】平らな透明絶縁性フィルム9を一番下にして、この透明絶縁性フィルム9のキートップ部3が位置する箇所に、キートップ部3の天面の幅とほぼ等しい帯状の透明電極10を形成し、この透明電極10の上からキートップ部3の天面部に該当する箇所を中心にして遮光性及び絶縁性を有する不透明着色インクによるネガ印刷を行うことで、キートップ部3の裏面部を除いた外周表面を覆うに十分な大きさの不透明着色層11を形成する。 この際、不透明着色層11のキートップ部3の天面部が位置する箇所には、スイッチ機能を表示した表示部2の模様部の形状を象った抜き型部12を形成しておく。

    【0062】次に、不透明着色層11の上には、抜き型部12を含めたキートップ部3の天面部の大きさより僅かに小さな大きさに発光材料を印刷して発光体層13を形成する。 これにより、抜き型部12には発光体層13
    が充填される。 さらに、発光体層13の上に発光体層1
    3とほぼ同じ大きさのベース電極14を形成して、発光体層13が不透明着色層11の抜き型部12に留まるようにすることで、絞り加工前の印刷済みシート(図示せず)が完成する。

    【0063】発光体層13の発光材料としては、硫化亜鉛に銅等をドーピングした蛍光体粉末をシアノエチルセルロースやシアノエチルサッカロース、シアノエチルプルラン等の強誘電体バインダーに必要ならばチタン酸バリウム等の強誘電セラミック粉末をアセトニトリル等の極性溶剤に溶いたインクや、ポリビニルカルバゾール等のホール輸送性バインダーにトリス(ヒドロキシキノリノラ)アルミニウム錯体等の電子輸送性色素を混合したトルエン溶液等が挙げられる。

    【0064】表示部2の模様部と地部及び不透明着色層11等の形成は、通常の透明、不透明インクをスクリーン印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷、グラビア印刷、吹き付け塗装、ディップコーティング、スピンコーティング、蒸着等の手法を用いて行えばよい。 また、印刷基体の色をそのまま利用することもできる。

    【0065】次に、前述した絞り加工前の印刷済みシートを圧空・真空成形やプレス成形等により所望のキートップ部3の形状に合わせた絞り加工を行い、キートップ本体16が設けられる凹部を有する賦形シートを作成する。 このとき、透明電極10とベース電極14の抵抗値が大きく変化しないように、透明電極10の屈曲部は十分な丸みを確保することが必要である。

    【0066】次に、絞り加工によって成形された賦形シートの凹部に熱硬化性樹脂を注入して金型内で硬化させる。 その後、キートップ部3の押圧突部8の先端に導電性インクを塗布することで可動接点7を形成して実施の形態1に係る押釦スイッチ用部材が完成する。

    【0067】[発明の実施の形態2]図11は、この発明の実施の形態2に係る押釦スイッチ用部材を示している。

    【0068】図11に示した実施の形態2に係る押釦スイッチ用部材1は、文字、符号又は図柄等による表示部2をキートップ部3の中間部に設けたものであって、表示部2に自発光する面発光体4を採用したものである。

    【0069】実施の形態2に係る押釦スイッチ用部材1
    には、回路基板5上の固定接点6の配置に合わせてこの固定接点6と対向する位置に可動接点7を配するように弾性変形可能なドーム部17の内面に可動接点7を設けた接点シート部材18と、接点シート部材18のドーム部17の中央部をキートップ部3の裏面部に設けた押圧突部8で押圧できるように配置されたキートップ部3が一体に形成されている。

    【0070】そこで、透明絶縁性フィルム9の表面には、所望のキートップ形状に成形された第1樹脂成形体19が一体に設けられており、透明絶縁性フィルム9の裏面には、透明電極10が設けられている。

    【0071】透明電極10に裏面には、キートップ部3
    の天面部に当たる箇所に透明な着色インクで表示部2の模様部を形成した透明着色層15が形成されている。 表示部2はキートップ部3の天面部の一部分に形成されるが、透明着色層15の裏面及び透明着色層15の周囲の透明電極10の裏面には、発光材料からなる発光体層1
    3が設けられている。 また、発光体層13の裏面には銀ペーストによるべース電極14が設けられている。 ベース電極14の裏面には、キートップ部3の裏面中央部に当たる箇所に押圧突部8を設けた第2樹脂成形体20を一体に形成している。

    【0072】なお、実施の形態2における各部材の材料については、実施の形態1と同様であるため、実施の形態1の説明を参照のこと。

    【0073】次に、実施の形態2に係る押釦スイッチ用部材の製造方法について説明する。

    【0074】まず、透明絶縁性フィルム9の裏面のキートップ3が位置する箇所に、キートップ3の天面の幅とほぼ等しい帯状の透明電極10を形成し、この透明電極10の上に透明な着色インクで表示部2の模様部を形成する。 次に、発光材料をキートップ3の裏面側の透明電極10及び表示部2の上に塗布して発光体層13を形成する。 次に、発光体層13のキートップ3の裏面部中央に当たる箇所を除いて、遮光性及び絶縁性を有する絶縁性インクを発光体層13の外周部と透明電極10の上に塗布して不透明着色層11を形成する。 発光体層13の上には対向電極としてベース電極14を印刷し、不透明着色層11の印刷エリア内に留める。 ベース電極14の上には、第2樹脂成形体20とその裏面中央部の押圧突部8を一体に形成する。

    【0075】次に、第2樹脂成形体20を形成した透明絶縁性フィルム9の対応する位置の表面側に、予め所望のキートップ形状に形成した第1樹脂成形体19を接着固定して、押釦スイッチ用部材1を完成する。

    【0076】実施の形態2にあっては、発光体層13が第1樹脂成形体19と第2樹脂成形体20との間に配置されキートップ部3の中間部の位置に設けられているため、発光体層13が外部雰囲気から隔離された環境状態に保たれているため、水分や酸素の影響受けることがなく長期に使用しても発光性能が低下することがない。

    【0077】なお、実施の形態1では表示部2をキートップ部3の天面部に設け、実施の形態2では表示部2をキートップ部3の中間部に設けたが、表示部2はキートップ部3の天面部又は裏面部或いは中間部等、キートップ部3と一体的であればその位置を限定するものでなく、デザインの好みによって決定すればよい。

    【0078】

    【実施例】以下、実施の形態1及び2についての評価を行うために製作した実施例1乃至3と、その比較対照品として製作した比較例1及び比較例2について説明する。

    【0079】[実施例1]実施例1は、この発明の実施の形態1に対応するものである。

    【0080】まず、100μmのポリメチルメタクリレート(アクリプレン、三菱レーヨン(株)製)の片面にスルホン化ポリスチレンをドーピングしたポリ(3,4
    −エチレンジオキシチオフェン)(デナトロン400
    1、長瀬産業(株)製)溶液にその固形分に対し3%のマルチウォールナノチューブ(線径0.01μm、平均線長5μm、ハイペリオン社製)をホモジナイザーを用い分散させ透明な処理液を得た。 次に、処理液を透明絶縁フィルム9の片面にグラビアコーターにより全面塗布し、1μm厚の透明電極10を形成した。 このものの全光線透過率は70%(JIS−K7105)で表面抵抗は500Ω/□(JIS−K6911)であった。

    【0081】不透明着色層11を遮蔽性及び絶縁性のある黒色の着色インクで表示部2の地部をスクリーン印刷で、表示部2の模様部及び第2の電極端子部を除き全面に塗布した。 緑色の発光色を有する硫化亜鉛をシアノエチルセルロースに分散させた無機ELペーストを地部の抜き型部12に印刷で20μmの発光体層13を、ついでチタン酸バリウム粉末をシアノエチルセルロースに分散させた10μmの励起反射層を設けた。 最後に、ベース電極(ドーデントNH−030A、熱可塑性ポリアミドバインダー、ニホンハンダ(株)製)14で発光体層13上に対向電極とそれに繋がる端子電極を不透明着色層11に設けた。 印刷工程終了後、真空乾燥装置でよく乾燥させ印刷済みフィルムを得た。

    【0082】直径12mm、深さ7.8mm、底面がR
    50(mm)の凹曲面を有する12個のキャビティーを有する金型と、これにより型取りした硬度90°(ショアーA)の弾性体からなる第1の雄型を用い、表示部2
    の模様部に断熱のため直径8mmの金属片を置き、赤外線により110℃に加熱し、金属片を取り去り直ちに、
    印刷済みフィルムを冷間で圧縮成形を行った。 雄型を取り除いた後、キートップ本体16として硬度80°(ショアーA)の液状シリコーンゴムを必要量注型し、図1
    に示した断面形状を有する第2の雄型により、キートップ本体16の裏面部に押圧突部8を成形した。 この押圧突部8にカーボンブラックを含有するシリコーンインクにより可動接点7を形成し、押釦スイッチ用部材1(実施の形態1に対応するもの)を得た。

    【0083】押釦スイッチ用部材1の電極端子と回路基板5上の電極端子とを合わせて載置し、発光体層13に50V、100Hzの交流を印加すると表示部2は全て緑色の発光を呈し、輝度は52ニットであった。

    【0084】[比較例1]比較例1は実施例1を評価するためのものである。

    【0085】比較例1は、透明電極10が透明セラミックス粒子を分散させたITOインク(住友大阪セメント(株)製)で形成されていること以外(ナノチューブ無し)、実施例1と同じである。

    【0086】比較例1に係る押釦スイッチ用部材を点灯させると、5箇所点灯せず、残りは輝度がまちまちで、
    点灯したと判断するのが困難なものもあった。

    【0087】[実施例2]実施例2はこの発明の実施の形態1に対応するものである。

    【0088】実施例2では、透明電極10として実施例1と同様の導電性ポリマーに、赤く着色させた。 発光体層13は白色の硫化亜鉛からなる。

    【0089】まず、100μmポリメチルメタクリレート(三菱レーヨン(株)製、アクリプレン)の片面にスルホン化ポリスチレンをドーピングしたポリ(3,4−
    エチレンジオキシチオフェン)(デナトロン4001、
    長瀬産業(株)製)溶液にその固形分に対し3%のマルチウォールナノチューブ(線径0.01μm、平均線長5μm、ハイペリオン社製)とアゾ化合物からなる染料を固形分に対して0.1wt%添加し、ホモジナイザーを用い分散させ透明な赤色の処理液を得た。 次に、処理液を透明絶縁性フィルム9の片面にグラビアコーターにより全面塗布し、1μm厚の赤い透明電極10を形成した。 さらに、着色されていない前期の導電性ポリマー溶液を表示部2の模様部の周囲に1μmスクリーン印刷により塗布した。

    【0090】これ以降、実施例1と同様の処理し、押釦スイッチ用部材1を得た。

    【0091】押釦スイッチ用部材1の電極端子と回路基板5上の電極端子とを合わせて載置し、発光体層13に50V、100Hzの交流を印加すると表示部2は全て発光を呈し、輝度は60ニットであった。

    【0092】[実施例3]実施例3は、この発明の実施の形態2に対応するものである。

    【0093】実施例3では、透明絶縁体フィルム9として、両面プラズマ処理を施した100μmのポリプロピレンフィルムの両面に15μmのエチレンビニルアルコールコポリマーフィルムをラミネートした。 緑色の不透明着色インクで表示部2の地部をスクリーン印刷で、表示部2の模様部を除いた全面に塗布した。 その上に、ポリアニリンの構造単位の1/6モルのスルホン化デンドリマー(ジアミノブタン、DSM社製)とシアノエチレンを出発物質としたデンドリマー(DAB(PA)8)
    にベンゼンスルホン酸を反応させたドーパントを含むポニアニリン溶液をインクジェット印刷により表示部2の模様部とそれに繋がる端子電極を形成した。 さらに、ポリアニリン溶液の固形分の75wt%の銀粉(シルコート、福田金属箔粉工業(株)製)を混合した導電性ポリマーインクを表示部2の模様部の周囲から端子部まで、
    ポリアニリンを覆うように5μmの形成層を印刷した。
    透明電極10の全光線透過率は65%(JIS−K71
    05)で、表面抵抗は700Ω/□(JIS−K691
    1)であった。

    【0094】ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾイミダゾール)とポリエチレンオキサイドとトルエンスルホン酸リチウム塩とからなるLEC用インクを同様にインクジェット印刷により、透明電極10を覆うように、
    厚さ15μmの発光体層13を形成した。 次いで、銀混合導電性ポリマーインクで、発光体層13のベース電極14とそれに繋がる電極端子を、前記形成層から離して形成した。 印刷工程終了後、真空乾燥装置でよく乾燥させ印刷済みフィルムを得た。

    【0095】3mm×5mm、深さ1.5mmの底面が平坦な凹部を形成した15個のキャビティーを有する雌型と2.8mm×4.8mm、高さ0.9mmの天面が平坦な凸部を有する雄型を用い、表示部2の模様部に断熱のため2.6mm×4.6mmの金属片を置き、赤外線により100℃に加熱し、金属片を取り去り直ちに、
    印刷済みフィルムを冷間で圧縮成形を行った。 雄型を取り除いた後、酸素除去剤として10wt%の鉄分を含む液状エポキシ樹脂を必要量注型し、図11に示すものと同じ断面形状を有する第2の雄型により、第2樹脂成形体20とその裏面中央部の押圧突部8を成形した。

    【0096】さらに、アクリル樹脂からなる所望のキートップ形状をした第1樹脂成形体19を二液性アクリル接着剤で貼着した。 得られた成形体の電極部分をマスクして、アミノシラノールを触媒とするシラノール溶液にディップし、40℃で乾燥させ、反応させ、成形体表面に2μm厚のシリカ層を形成し、均一な押釦スイッチ用部材1(実施の形態2に対応したもの)を得た。

    【0097】押釦スイッチ用部材1の電極端子と回路基板5上の電極端子とを合わせて載置し、発光体層13に直流4Vを印加すると表示部2は全て発光を呈し、輝度は65ニットであった。

    【0098】[比較例2]比較例2は、実施例3を評価するためのものである。

    【0099】比較例2として、透明電極10が酸化インジウムスズをイオンスパッタリングで形成されていること以外は、実施例3と同じものを製作した。

    【0100】比較例2に係る押釦スイッチ用部材を点灯させると、全く点灯しなかった。

    【0101】

    【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記載された発明によれば、回路基板上の固定接点に対向して配置される可動接点を固定接点に接触させる方向に押圧するためのキートップ部と、該キートップ部を所定の位置に配して回路基板上に取り付けるためのカバー基材とを有すると共に、キートップ部にスイッチ機能を表示する表示部と一体の面発光体を有する押釦スイッチ用部材であって、面発光体はベース電極と該ベース電極に対向する透明電極との間に発光体層を有し、表示部に接して設けた透明電極を透明導電性ポリマーとしたので、表示部自体が発光するためキートップ部の視認性が大幅に向上する。

    【0102】また、面発光体の発光体層をキートップ部のみに使用量を限定できるため、製造コストが低減できると共に照光に使用する消費電力も抑えられる。 さらに、キートップ部とこれに対応する固定基板に設けた接点部の間に、光源や導光部材を設ける必要がないため、
    厚みの薄い押釦スイッチ用部材を提供することができる。 これにより、押釦スイッチ用部材を組み込んだ入力装置や機器本体も薄いものとすることができる。

    【0103】請求項2に記載の発明によれば、キートップ部は、ベース電極の裏面に所望のキートップ形状をしたキートップ本体を有し、該キートップ本体の裏面には固定接点に可動接点を接触させるための押圧突部を有するので、請求項1の効果に加え、押圧突部が可動接点を確実に固定接点に接触させることとなるため、スイッチ機能の信頼性が高まる。

    【0104】請求項3に記載の発明によれば、キートップ部は、透明電極の表面に透明絶縁性フィルムを介して所望のキートップ形状をした透明の第1樹脂成形体を有し、ベース電極の裏面に固定接点に可動接点を接触させるための押圧突部を形成した第2樹脂成形体とを有するので、請求項1の効果に加え、押圧突部が可動接点を確実に固定接点に接触させることとなるため、スイッチ機能の信頼性が高まる。

    【0105】請求項4に記載の発明によれば、透明電極の表面抵抗が10Ω/□以上で、光線透過率が90%以下であるので、表面抵抗値を抑えることができるため、
    請求項1乃至3のいずれか1つの効果に加え、透明度、
    延伸性を保ちつつ消費電力を小さくすることができる。

    【0106】請求項5に記載の発明によれば、透明電極に線径が0.5μm以下でアスペクト比が20以上の導電性繊維を含有してなるので、絞り加工による引っ張り力が作用した場合でも透明度と導電性が維持されるため、請求項1乃至3のいずれか1つの効果に加え、スイッチ機能の信頼性が一層向上する。

    【0107】請求項6に記載の発明によれば、透明電極が着色されているので、透明電極を模様部又は地部として使用することができるため、請求項1乃至5のいずれか1つの効果に加え、表示部を構成する部材を少なくすることができるから一層製造コストを低減することができる。

    【0108】請求項7に記載の発明によれば、透明導電性ポリマーがポリピロール、ポリチオフェン或いはポリアニリンのいずれか1つの誘導体からなるので、これら材料が酸素や湿度に対する安定性が高く、透明性があり導電性が高いため、請求項1乃至6のいずれか1つの効果に加え、キートップ部の視認性とスイッチ機能の信頼性が一層向上する。

    【0109】請求項8に記載の製造方法の発明によれば、透明絶縁性フィルムの片面に前記透明電極を形成したものを絞り加工して所望のキートップ形状を成形する際に、少なくとも絞り加工時に引っ張り力が作用する延伸部の前記透明電極に、延伸性のある導電性ポリマーを使用したので、成形加工による導電不良を生じることがなくなるため、請求項1乃至7のいずれか1つの効果に加え、キートップ部の側面部での導電不良による不良がなくなり製造効率が向上する。

    【0110】請求項9に記載の発明によれば、少なくとも絞り加工前の前記透明電極の屈曲部を肉厚に形成したので、成形加工による透明電極の延伸部での導電性が維持されるため、請求項8の効果に加え、透明電極の屈曲部での導電不良による不良がなくなり製造効率が向上する。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】この発明の実施の形態1に係る押釦スイッチ用部材を示した要部断面図である。

    【図2】この発明に係る押釦スイッチ用部材の表示部の第1の態様(実施の形態1に対応したもの)を示した要部断面図である。

    【図3】同表示部の第2の態様を示した要部断面図である。

    【図4】同表示部の第3の態様を示した要部断面図である。

    【図5】同表示部の第4の態様を示した要部断面図である。

    【図6】同表示部の第5の態様を示した要部断面図である。

    【図7】同表示部の第6の態様を示した要部断面図である。

    【図8】同表示部の第7の態様を示した要部断面図である。

    【図9】同表示部の第8の態様を示した要部断面図である。

    【図10】同表示部の第9の態様を示した要部断面図である。

    【図11】この発明の実施の形態2に係る押釦スイッチ用部材を示した要部断面図である。

    【図12】従来の光源に発光ダイオードを使用した押釦スイッチ用部材の要部断面図である。

    【図13】従来の光源に電球を使用した押釦スイッチ用部材の要部断面図である。

    【図14】従来の導光部材を採用した押釦スイッチ用部材の要部断面図である。

    【図15】従来の光源にELシートを使用した押釦スイッチ用部材の要部断面図である。

    【符号の説明】 1 押釦スイッチ用部材 2 表示部 3 キートップ部 4 面発光体 5 回路基板 6 固定接点 7 可動接点 8 押圧突部 9 透明絶縁性フィルム 10 透明電極 11 不透明着色層 12 抜き型部 13 発光体層 14 ベース電極

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