ドーム型可動接片

申请号 JP2015047864 申请日 2015-03-11 公开(公告)号 JP2016170862A 公开(公告)日 2016-09-23
申请人 不二電子工業株式会社; 发明人 杉本 邦人;
摘要 【課題】 ドーム型可動接片において、ドーム状部分の反転変形のときに、屈曲部分に引き裂くような 力 の作用を無くし、クラックを防止して、ドーム型可動接片を長寿命化する。 【解決手段】 台形の導電性ばね板材の外周に形成されている外周立ち上げ部(3)および平坦部(4)からなる可動接片(2)において、複数のスリット孔(5)間のアーム部(6)でドーム部(9)を形成するにあたり、スリット孔(5)のコーナ部(7)よりも中心寄りに離れている 位置 を曲げライン(8)とし、これらの曲げライン(8)よりも中心側のアーム部(6)でドーム部(9)を形成し、曲げライン(8)を屈曲位置として、ドーム部(9)を反転変形させることによって、コーナ部(7)にねじりながら引き裂くような力を作用させないようにしている。 【選択図】図1
权利要求

台形の導電性ばね板材の外周に形成されている外周立ち上げ部(3)および台形の導電性ばね材の上底に形成されている平坦部(4)からなる可動接片(2)において、平坦部(4)の中心の周りに独立に形成されている複数のスリット孔(5)と、隣接のスリット孔(5)の間で平坦部(4)の外周から平坦部(4)の中心方向に形成され、中心位置で一体化する複数のアーム部(6)と、スリット孔(5)の外周側のコーナ部(7)よりも中心寄りに離れている位置に設定される曲げライン(8)と、これらの曲げライン(8)よりも中心側のすべてのアーム部(6)によって台形の下底側で凹面としてドーム状に湾曲形成されている反転復帰可能なドーム部(9)と、ドーム部(9)の凹面の中心に位置する可動接点(10)とを有し、曲げライン(8)を屈曲位置として、ドーム部(9)を反転変形させる、ことを特徴とするドーム型可動接片(1)。可動接片(2)を円錐台の形状とし、平坦部(4)の中心の周りに対して4等配位置のスリット孔(5)によってアーム部(6)を十字状として一体化させる、ことを特徴とする請求項1記載のドーム型可動接片(1)。平坦部(4)を全外周縁で連続させる、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のドーム型可動接片(1)。スリット孔(5)の外周側のコーナ部(7)を曲線により滑らかに形成する、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のドーム型可動接片(1)。

台形の導電性ばね板材の外周に形成されている外周立ち上げ部(3)および台形の導電性ばね板材の上底に形成されている平坦部(4)からなる可動接片(2)において、平坦部(4)の中心の周りに独立に形成されている複数のスリット孔(5)と、隣接のスリット孔(5)の間で平坦部(4)の外周から平坦部(4)の中心方向に形成され、中心位置で一体化する複数のアーム部(6)と、スリット孔(5)の外周側のコーナ部(7)よりも中心寄りに離れている位置に設定される曲げライン(8)と、これらの曲げライン(8)よりも中心側のすべてのアーム部(6)によって台形の下底側で凹面としてドーム状に湾曲形成されている反転復帰可能なドーム部(9)と、ドーム部(9)の凹面の中心に位置する可動接点(10)とを有し、曲げライン(8)を屈曲位置として、ドーム部(9)を反転変形させる、ことを特徴とするドーム型可動接片(1)。可動接片(2)を円錐台の形状とし、平坦部(4)の中心の周りに対して4等配位置のスリット孔(5)によってアーム部(6)を十字状として一体化させる、ことを特徴とする請求項1記載のドーム型可動接片(1)。平坦部(4)を全外周縁で連続させる、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のドーム型可動接片(1)。スリット孔(5)の外周側のコーナ部(7)を曲線により滑らかに形成する、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のドーム型可動接片(1)。

说明书全文

本発明は、携帯電話、電子機器のキーボードなどの入操作部のスイッチに用いられるドーム型の可動接片であって、特に、長寿命でロングストローク(大きな押し下げ量)のドーム型可動接片の改良に関する。

ロングストロークのドーム型可動接片は、通常、弾性薄金属板を反転復帰可能なドーム状として形成され、そのドーム部分にスリット孔を形成して、小さな押し下げ力で反転操作できるようになっている。

例えば特許文献1は、従来の代表的なスイッチ用の皿状ばねを例示しており、皿状のばね部の中心に対する4等配位置に扇状の孔を設け、孔の間で帯状ばね部を十字状として形成する、ことを開示してる。その皿状のばね部において、帯状ばね部は、扇状の孔の外周側円弧の延長上で球面と外周部分との境界を形成し、その境界を反転変形時の屈曲位置としている。

このため、帯状ばね部の反転変形時に、帯状ばね部の根元部分、つまり屈曲位置において、孔の鋭のコーナ部分にねじりながら引き裂くような力が作用し、屈曲位置に応力が集中する。この結果、応力集中部分、特に鋭角のコーナ部分にクラックが入りやすく、動作寿命が短くなる、という欠点がある。なお、この点は、後に図3の本発明と図4の従来例とともに対比しながら、さらに詳細に説明されている。

また、特許文献2は、特許文献1と同様に、皿状ばねの本体に4個の切欠孔を設けたスイッチバネを示しているが、本体の反転変形は、中心位置の部分のみであり、隣接の切欠孔の間で屈曲する構造となっていない。したがって、隣接の切欠孔の間の部分に引き裂くような力が作用することは殆どなく、切欠孔の縁にクラックが入りにくく、動作寿命が短くなるという問題はない。

特開昭45−13966号公報

実開昭63−182024号公報

したがって、本発明の解決課題は、この種のドーム型可動接片において、ロングストロークを確保しながら、ドーム状部分の反転変形のときに、屈曲部分に引き裂くような力の作用を無くし、孔のコーナ部分でのクラックを防止して、ドーム型可動接片を長寿命化することである。

上記の課題のもとに、本発明は、複数のスリット孔間のアーム部でドーム部を形成するあたり、スリット孔のコーナ部よりも中心寄りに離れている位置をドーム部の曲げラインとし、この曲げラインを屈曲位置として、ドーム部を反転変形させることによって、スリット孔のコーナ部にねじりながら引き裂くような力を作用させないようにしている。

具体的に記載すると、本発明のドーム型可動接片(1)は、台形の導電性ばね板材の外周に形成されている外周立ち上げ部(3)および台形の導電性ばね材の上底に形成されている平坦部(4)からなる可動接片(2)において、平坦部(4)の中心の周りに独立に形成されている複数のスリット孔(5)と、隣接のスリット孔(5)の間で平坦部(4)の外周から平坦部(4)の中心方向に形成され、中心位置で一体化する複数のアーム部(6)と、スリット孔(5)の外周側のコーナ部(7)よりも中心寄りに離れている位置に設定される曲げライン(8)と、これらの曲げライン(8)よりも中心側のすべてのアーム部(6)によって台形の下底側で凹面としてドーム状に湾曲形成されている反転復帰可能なドーム部(9)と、ドーム部(9)の凹面の中心に位置する可動接点(10)とを有し、曲げライン(8)を屈曲位置として、ドーム部(9)を反転変形させる、ことを特徴としている。

また、本発明は、可動接片(2)を円錐台の形状とし、平坦部(4)の中心の周りに対して4等配位置のスリット孔(5)によってアーム部(6)を十字状として一体化させている。

さらに、本発明は、平坦部(4)を全外周縁で連続させ、また、スリット孔(5)の外周側のコーナ部(7)を曲線により滑らかに形成している。

本発明のドーム型可動接片(1)によると、外周立ち上げ部(3)および複数のアーム部(6)によるドーム部(9)の形成によって、大きなストロークが小さな押し下げ力によって確保でき、特に、スリット孔(5)のコーナ部(7)よりも中心寄りに離れている曲げライン(8)の位置でドーム部(9)が屈曲し反転変形するから、コーナ部(7)にねじりながら引き裂くような力が作用しなくなり、これによってコーナ部(7)つまりアーム部(6)の根元に応力集中が現れにくく、クラックの発生が抑えられ、長寿命化が実現できる。

また、本発明のドーム型可動接片(1)において、4等配位置のスリット孔(5)が形成され、アーム部(6)が十字状として一体化していると、全体的な構造や力のバランスがよく、安定な反転変形の動作が長期に渡って得られる。

さらに、本発明のドーム型可動接片(1)において、平坦部(4)が全外周縁で連続しいると、外周立ち上げ部(3)と平坦部(4)との間の環状稜線部分の剛性が高められ、また、スリット孔(5)の外周側のコーナ部(7)が曲線により形成されていると、曲げライン(8)の位置での曲げ力が曲線のコーナ部(7)に波及したとしても、滑らかな曲線域の部分で応力が分散するため、クラックの発生が鋭角のコーナ部(7)に比較してより確実に抑えられる。

本発明のドーム型可動接片の平面図である。

本発明のドーム型可動接片をスイッチ基板に組み込んだ状態で、図1におけるA−A端面図である。

本発明のドーム型可動接片の要部の拡大図であって、(1)はその平面図、(2)は屈曲部分の断面図である。

従来例のドーム型可動接片の要部の拡大図であって、(1)はその平面図、(2)は屈曲部分の断面図である。

本発明の他のドーム型可動接片の平面図である。

本発明のさらに他のドーム型可動接片の平面図である。

図1および図2は、本発明の代表的なドーム型可動接片1の形態を示している。ドーム型可動接片1は、円錐台などの台形の導電性薄金属ばね板材からなる可動接片2によって構成されている。可動接片2は、台形の外周に形成されている外周立ち上げ部3および台形の導電性ばね材の上底に形成されている平坦部4からなり、台形の下底面で開放している。外周立ち上げ部3は、ロングストロークを確保するために所定の高さに設定されている。なお、ばね板材は、例えば、板厚0.020ないし0.100mm程度、外径3ないし6mm程度の銀またはニッケルメッキのステンレスなどの圧延鋼板などにより構成されている。

ドーム型可動接片1は、上記可動接片2を前提としており、平坦部4の中心の周りに独立に形成されている複数、通常4つのスリット孔5と、隣接のスリット孔5の間で平坦部4の外周やや内側から平坦部4の中心方向に形成され、中心位置で一体化する複数のアーム部6と、スリット孔5の外周側のコーナ部7よりも中心寄りに離れている位置に設定される曲げライン8と、これらの曲げライン8よりも中心側のすべてのアーム部6によって台形の下底側で凹面としてドーム状に湾曲形成されている反転復帰可能なドーム部9と、ドーム部9の凹面の中心に位置し、ドーム部9の反転変形のときに、スイッチ基板13の固定接点11に接離可能な可動接点10とを有する。なお、ドーム部9は、4つのアーム部6によって、例えば単一球面または複合球面として形成されている。

図示の例で、スリット孔5は、一例として直角2等辺三角形であり、直角部分を円形の平坦部4の中心に向け、中心の周りで4等配位置にあるため、それらの間の4つのアーム部6は、平坦部4の中心部分で十字状として一体化している。直角2等辺三角形のスリット孔5の斜辺は、円形の平坦部4の外周縁(外周立ち上げ部3と平坦部4との稜線)からやや中心寄りに形成されている。このためアーム部6の外周端すなわちアーム部6の根元部分は、平坦部4の外周縁の稜線から中心寄りにあり、スリット孔5の外周側で鋭角のコーナ部7の間に位置している。なお、4つのアーム部6の幅は、この例において、異なっているが、すべて同じ寸法とすることもできる。

そして、ドーム部9は、コーナ部7の鋭角部分よりも中心寄りに離れている位置の曲げライン8を湾曲の境とし、曲げライン8よりも中心方向に位置するアーム部6の部分によって湾曲部分を形成している。4つのアーム部6の湾曲面、すなわちドーム部9の面は、例えば球面であり、必要なストロークを得るために、適切な曲率となっており、頂部を押し下げた時に、曲げライン8を屈曲位置として反転変形し、押し下げを止めたときに、もとの湾曲形状に復帰する。

なお、平坦部4は、スリット孔5の形成状態でも、全周で連続しており、外周立ち上げ部3と平坦部4とは、全周で円形の稜線を形成している。このため、稜線部分で充分な剛性が得られ、アーム部6の屈曲のときの力は、アーム部6から外周立ち上げ部3や平坦部4に及ばないようになっている。

製造工程において、ドーム型可動接片1は、通常、導電性薄金属ばね板材から最終の輪郭形状に一度に打ち抜かれる。また、ドーム状の曲げ加工は、抜き工程と前後して、または打ち抜き工程と同時に行われる。

ドーム型可動接片1は、スイッチ基板13の上面に対して、ドーム部9の凹面を対向させて組み込まれる。この組み込み状態で、外周立ち上げ部3は、下端面でスイッチ基板13の外側位置の固定接点12に常時接触しており、またドーム部9の凹面中央の可動接点10は、スイッチ基板13の中心位置の固定接点11に所定の距離で対向している。このとき、固定接点11と固定接点12との間は、電気的に不導通状態(オフ状態)となっている。

操作者がドーム型可動接片1の頂部すなわちドーム部9の頂部を押し子14によって押し下げ、ドーム部9の頂部を固定接点11の方向に変位させると、ドーム部9すなわち4つのアーム部6は、曲げライン8を屈曲位置として弾性変形し、この変形過程で、クリック動作のもとに湾曲方向を反転し、可動接点10の部分で中心位置の固定接点11に面で接触する。このとき、固定接点11と固定接点12とは、ドーム型可動接片1を介して電気的に導通状態(オン状態)となる。なお、図示しないが、必要に応じ、ドーム部9の凹面に可動接点10として接触用突起が設けられる。接触用突起は、オン操作のときに、対応の固定接点11に点で確実に接触し、両接触間を電気的に良好な導通状態とする。

操作者が押し子10に対する押し下げ力を弱めると、可動接片1は、それ自体の復帰方向の弾性力によって反転復帰し、固定接点11から離れ、オフ状態となる。このオフ状態のとき、可動接点10と中心位置の固定接点11との距離は、オン・オフ操作のときのドーム型可動接片1(押し子14)のストロークに相当している。

図3および図4は、本発明のドーム型可動接片1の要部と、従来例として本発明のドーム型可動接片1に近いドーム型可動接片15とを対比しながら反転動作後の屈曲状態を示している。従来例のドーム型可動接片15でも、対比の便宜上から、本発明のドーム型可動接片1と同じ部分に同一の名称、符号が用いられている。

なお、図3および図4でのスリット孔5は、各アーム部6の根元位置において、図1のようなクラックの入りやすい鋭角のコーナ部7とせず、滑らかな曲線、例えば円弧状のコーナ部7となっている。滑らかな曲線は、円弧に限らず、楕円の一部、2次曲線などにより形成することもできる。

そして、図3の本発明のドーム型可動接片1において、曲げライン8は、円弧状のコーナ部7の円弧から離れ、円弧に重ならない位置に形成されている。これに対して、図4の従来のドーム型可動接片15では、曲げライン8は、円弧状のコーナ部7の円弧から離れておらず、円弧に重なる位置に形成されている。

図3に示すように、本発明のドーム型可動接片1によると、ドーム部9が反転変形するときに、各アーム部6は、曲げライン8を屈曲位置として反転変形を繰り返す。反転変形時において、曲げライン8の屈曲角度は、ロングストロークと対応して大きな角度値となっている。ドーム部9の反転変形による大きな角度の屈曲のときに、曲げライン8がアーム部6の根元と平坦部4との連結部分、つまり円弧状のコーナ部7から中心寄りに離れているため、曲げライン8の位置に働く力は、単なる曲げ方向に作用するだけであり、円弧状のコーナ部7に殆ど波及しない。したがって、円弧状のコーナ部7は、曲げライン8の屈曲のときに、引き裂く方向の力を受けず、その結果、円弧状のコーナ部7にクラックは入りにくく、それぞれのアーム部6と平坦部4との連結部分は、従来の製品よりも安定するため、ドーム型可動接片1の動作寿命は、改善される。このような機能は、図1で示す鋭角のコーナ部7でも同様に得られる。

なお、仮にドーム部9の反転変形のときに、アーム部6の根元部分が下降方向の力を受けたとしても、アーム部6の根元部分の屈曲は、反転変形の時ほど大きな角度の屈曲とならず、円弧状のコーナ部7は、円弧の部分で下降方向の力を分散させるから、その位置でクラックは、鋭角のコーナ部7と比較して、それよりも入りにくくなっている。

これに反し、図4の従来例に示すように、曲げライン8がアーム部6の根元にあって曲げライン8のライン先端がコーナ部7の円弧に重なっていると、ドーム部9の反転変形にともなう曲げライン8の大きな角度の屈曲の時に、屈曲力は、コーナ部7の円弧状の部分を巻き込み、コーナ部7の端面をあたかもねじりながら引き裂くような力として作用し、コーナ部7に集中する。しかも、引き裂くような力は、曲げライン8の両方のライン先端に作用する。このため、コーナ部7にクラックが入りやすく、それぞれのアーム部6と平坦部4との連結部分において、動作寿命は、著しく悪くなる傾向にある。

つぎに、図5は、ドーム部9の中心位置での応力分散のために、スリット孔5の頂角部分を円弧状とするとともに、4つのアーム部6を同じ幅寸法とした例である。また、図6は、スリット孔5をほぼ台形とし、4つのアーム部6の中心位置にほぼ円形の幅広部を形成し、さらに組み込み空間き大きさに応じて、外周立ち上げ部3の対向辺を直線状の平面とするか、または外周立ち上げ部3の対向辺を直線状に切り落として、可動接片2をほぼ長円ないし小判状の台形とする例である。これらの例においても、ドーム部9の曲げライン8はスリット孔5の外周側のコーナ部7よりも中心寄りに離れているから、アーム部7の根元でのクラックの発生は、前記の例と同様に、未然に防止できる。

本発明のドーム型可動接片1は、単体のスイッチに組み込まれるほか、多数配列のキーチボードのスイッチとしても利用される。

1 ドーム型可動接片 2 可動接片 3 外周立ち上げ部 4 平坦部 5 スリット孔 6 アーム部 7 コーナ部 8 曲げライン 9 ドーム部 10 可動接点 11 固定接点 12 固定接点 13 スイッチ基板 14 押し子 15 従来のドーム型可動接片

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