リベット型接点及びその製造方法

申请号 JP2013556692 申请日 2013-12-13 公开(公告)号 JP6023092B2 公开(公告)日 2016-11-09
申请人 田中貴金属工業株式会社; 发明人 黒田 正夫; 白幡 弘;
摘要
权利要求

Ag合金接点材料からなる頭部と、 Cu又はCu合金からなり、前記頭部より幅狭であり固定時において変形する足部よりなるリベット型接点であって、 前記足部は、前記頭部側の端部に足部より大径の鍔部を備え、 前記鍔部は、その下端面と頭部の下端面とが略フラットになるように、頭部に埋接されており、 前記鍔部の最端部と足部起点との間の長さ(l)が、前記頭部の最端部と足部起点との間の長さ(L)に対して0.5L≦l≦0.9Lであり、 鍔部の埋接深さは、頭部の高さに対して1/10〜1/3であるリベット型接点。請求項1記載のリベット型接点の製造方法であって、 接点材料からなる第1ビレットとベース材料からなる第2ビレットとを突き合わせて圧接して接合材を製造し、 凹状の空間を有する接合パンチと、筒状の空間を有する接合ダイスとを組み合わせてリベット形状の空間を形成し、 前記接合材を、前記接合ダイスの下部から前記接合パンチの空間に圧入し、 前記接合パンチ内の空間に第1ビレットを充填して頭部を形成すると共に、第2ビレットの一部を頭部に埋接して鍔部を形成するリベット型接点の製造方法第1ビレットと第2ビレットと圧接して接合材とする工程は、0.5〜2ton・fの荷重による圧接である請求項2記載のリベット型接点の製造方法。頭部及び鍔部を形成後、頭部をプレス加工して成型する工程を含む請求項2又は請求項3記載のリベット型接点の製造方法。

说明书全文

本発明は、リベット型接点及びその製造方法に関する。特に、Ag合金等の接点材料の使用量を低減することができると共に、耐久寿命が良好なリベット型接点に関する。

リレーやスイッチ等の固定接点及び可動接点として、従来からリベット型接点が使用されている。リベット型接点は、電気接点として作用する頭部と、各種装置に固定させる際にカシメ変形させる足部とからなる。そして、リベット型接点の固定の際には、予め台座に穿設された孔にリベット型接点の足部を挿入し、裏側(足部側)からカシメ治具で押圧する。このカシメ加工により、足部の径が増大して孔の壁面に密着し、また、足部の端部が穴よりも大径となり固定がなされる。

リベット型接点は、古くは、全体を接点材料で構成していたが、接点材料であるAg合金等は高価であることから、材料コスト低減のため接点材料の適用箇所を一部とし、他の部分は銅や銅合金等の比較的低コストの材料(ベース材料)を適用した2層リベット型接点の使用が一般的となっている。

2層リベット型接点の構成としては、例えば、頭部を2層構造とし、頭部の上面部分を接点材料で構成し、頭部の下面部分及びと足部をCu等のベース材料にしたものが知られている(図7(a)、特許文献1参照)。この2層リベット型接点の製造工程では、まず柱状の接点材料とベース材料とを圧接して一体化し、予備加工及び成型加工を行って2層構造の頭部及び足部を形成している。

また、2層リベット型接点には、上記のような頭部を2層構造としたものの他、頭部全体を接点材料とし足部をベース材料で構成するものもある(図7(b)、特許文献2参照)。この種の2層リベット型接点は、円盤状の頭部(接点材料)に柱状の足部(ベース材料)をろう付等して製造される。

特開平5−282957号公報

実用新案登録第3098834号公報

従来の2層リベット型接点は、部材コストと接点機能との両立の観点では満足できるものである。しかしながら、本発明者等によれば、従来の2層リベット型接点は単層のリベット型接点と比較すると耐久寿命が劣り比較的早期に損傷するという問題がある。

従来の2層リベット型接点において生じる損傷の形態としては、主に、頭部の接点材料部分の消耗に伴う頭部の剥離や脱落である。リレー等の電気機器における固定接点(リベット型接点)は、可動接点との接触の際にアーク熱・ジュール熱の負荷を受ける。接点材料はこの熱負荷と摩擦を考慮して耐摩耗性を有するAg系合金が適用されているが、それでも消耗を完全に排除することはできない。

そして、リレー等の固定接点では、その構造により端部に負荷がかかることが多く、その部分での消耗が激しい。そのため、頭部の上面を接点材料で構成するリベット型接点(図7(a))では、端部から接点材料が消耗して薄くなり、その部分から接点材料が剥離することがある。これによりベース材料に可動接点が接触して機器の故障の要因となる場合がある。

また、頭部全体を接点材料で構成した場合(図7(b))、端部が優先的に消耗してもベース材料(足部)が露出することはない。そのため、上記のような接点材料の剥離が生じることはない。しかし、この形態のリベット型接点では、接点材料の消耗の有無によらず頭部全体が脱落することがある。この接点材料の脱落は常に生じるわけではないものの、機器の重大な故障に繋がるものである。

以上のような2層リベット型接点における問題は、異種材料を組み合わせて構成したことにより生じるものと想定されるが、そうはいっても部材コストを考慮すれば合理的な構成であって、要はその耐久性に配慮すれば良い。そこで本発明は、リベット型接点について、2層構成を有しつつ、上記のような接点材料の剥離・脱落が発生せず耐久寿命に優れたものを提供する。

本発明者等は、上記課題を解決するため、2層リベット型接点の問題点について再検討した。ここで、頭部の上面を接点材料で構成するリベット型接点についての問題は、偏摩耗により薄くなった接点材料が端部から剥離するというものであるから、頭部側面についてベース材料が露出するような構造を回避すれば良いと考えた。

一方、頭部全体を接点材料とした2層リベット型接点で頭部全体が脱落する事象に関しては、まず、接合面積が少ないことがその要因として考えられる。もっとも、接合面積が少ないとしても、その製造工程において、十分な接合強度を得ることができるような条件設定がなされていることから、そう容易に頭部脱落の現象は生じないはずである。そこで、本発明者等は、更に検討を行った結果、リベット型接点の固定のためのカシメ加工の際に頭部脱落の原因が生じることが確認された。即ち、カシメ加工時には足部の付け根部分で複数方向からの応集中を受ける。この応力集中部は、頭部(接点材料)と足部(ベース材料)との接合界面に対応する部分であるが、それらの加工性・硬度が相違するため、図1で示すように、足部の付け根付近にカシメ皺が発生する。このカシメ皺は、接点固定後の使用過程において割れの起点となる。そして、割れが成長することで頭部が脱落する(図1)。

本発明者等は、以上の検討結果から、接点材料とベース材料とを組み合わせた2層リベット型接点の構成について、その耐久性を確保するためには、(i)頭部側面にベース材料が露出していないこと、及び、(ii)足部の付け根部分について、異種材料の接合界面を形成させないこと、の2つの構造を適用することが好ましいと考えた。そして、これらの条件を具備する2層リベット型接点として本願発明に想到した。

即ち、本発明は、接点材料からなる頭部と、前記頭部より幅狭であり固定時において変形する足部よりなるリベット型接点であって、前記足部は、前記頭部側の端部に足部より大径の鍔部を備え、前記鍔部は、その下端面と頭部の下端面とが略フラットになるように、頭部に埋接されており、前記鍔部の最端部と足部起点との間の長さ(l)が、前記頭部の最端部と足部起点との間の長さ(L)に対してl

本発明に係るリベット型接点は、図2のように足部の形状について、頭部側の端部に足部より大径の鍔部を形成し、この鍔部を頭部に埋接させて頭部と足部とを接合しリベット型接点とする。これにより足部の付け根部分に異種材料の接合界面は存在せず、カシメ加工時のカシメ皺の発生が抑制される。

また、本発明に係るリベット型接点は、頭部の下端面において、鍔部の最端部と足部起点との間の長さ(l)が、頭部の最端部と足部起点との間の長さ(L)に対してl

また、鍔部の埋接深さ(x)は、頭部の高さ(Y)に対して1/10〜1/3にするのが好ましい。埋接深さが浅すぎると接合が不足して足部が脱落するおそれが生じ、逆に深すぎるとその分接点材料が薄くなり耐久性が不足する。そこで、接合強度と接点材料の厚さの確保とのバランスから上記範囲とするのが好ましい。尚、鍔部の埋接深さについては、後述のような鍔部上面が曲面となっている場合、最も深い部分を埋接深さとする。

そして、鍔部の形状について、その側面は頭部の側面と平行であっても良いが(図2)、傾斜していても良い(図3(a))。また、鍔部の上面は平坦であっても良いが、窪みを有していても良く(図3(b))、また、鍔部の上面が円弧状となっていても良い(図3(c))。

頭部を形成する接点材料は、Ag系の接点材料が好ましい。具体的には、純AgやAg合金(Ag−Ni合金、Ag−Cu合金等)である。Ag合金としては、酸化物分散型のAg合金(Ag−SnO2系合金、Ag−SnO2−In2O3系合金、Ag−ZnO系合金等)も適用できる。また、鍔部を有する足部を構成するベース材料は、Cu、Cu合金(Cu−Ni合金、Cu−Sn合金等)が適用できる。

本発明に係るリベット型接点の製造方法としては、鍔部が形成された足部と、鍔部を埋接するための凹部が形成された頭部をそれぞれ作製して、両者を接合しても良い。但し、この方法は生産効率が良いものとは言えない上に、足部と頭部との接合強度を確保できないおそれがある。

そこで、本発明に係るリベット型接点の製造方法としては、接点材料からなる第1ビレットとベース材料からなる第2ビレットとを突き合わせて圧接して接合材を製造し、凹状の空間を有する接合パンチと、筒状の空間を有する接合ダイスとを組み合わせてリベット形状の空間を形成し、前記接合材を、前記接合ダイスの下部から前記接合パンチの空間に圧入し、前記接合パンチ内の空間に第1ビレットを充填しつつ頭部を形成すると共に、第2ビレットの一部を頭部に埋接して鍔部を形成するものである。

本発明に係るリベット型接点の製造方法では、まず、接点材料からなる第1ビレットとベース材料からなる第2ビレットとを圧接して接合材とする。この接合材の製造工程は、本発明に係るリベット型接点を製造するために必須の工程である。第1ビレットと第2ビレットとを強固に接合することで、次の頭部の形成工程の際、接合面を第1ビレット(頭部)の変形に追従させて鍔部を形成することができる。そのため、この圧接時の荷重は、0.5〜2.0ton・fとするのが好ましい。

製造した接合材を、接合パンチと接合ダイスとの組合せにより形成される型に圧入することで、リベット型接点とすることができる。この成形工程では、接合パンチの空間に圧入された第1ビレットが接合パンチの壁面により変形しつつ頭部形状となり、接合材の接合面がこの変形に追従して第2ビレットの一部と共に鍔部を形成する。この接合材の圧入における荷重は、第1ビレットを変形・加工できる荷重であれば良く、第1ビレットの接点材料の種類に応じて調整できる。

以上の接合材の製造及び圧入による成形加工は、常温で行うことができる。そして、頭部と鍔部を形成したリベット型接点については、頭部を適宜にプレス加工して成型しても良い。この成型工程は、頭部の形状・寸法について厳密な規制が必要なときに有用である。

以上説明したように本発明に係るリベット型接点は、接点材料とベース材料とを組み合わせる2層構造を有しながら、接点材料の剥離・脱落が抑制されており、耐久寿命に優れている。

従来の2層リベット型接点におけるカシメ皺発生を説明する図。

本発明に係る2層リベット型接点の構成を説明する図。

本発明に係る2層リベット型接点の構成の例を説明する図。

本実施形態のリベット型接点の製造工程を説明する図。

本実施形態及び比較例の耐久試験結果を示す図。

耐久試験後の比較例の頭部(接点材料)の写真。

従来の2層リベット型接点の構成を説明する図。

以下、本発明の好適な実施例を説明する。図4は、本実施形態に係るリベット型接点の製造工程を説明するものである。まず、Ag合金(Ag−SnO2−In2O3合金)のワイヤーから円柱状の第1ビレット(寸法:φ1.4mm、0.87mm)を切り出し、Cuのワイヤーから円柱状の第2ビレット(寸法:φ1.4mm、1.10mm)を切り出した。

そして、図4(A)のように、第1ビレットと第2ビレットとを重ねて接合ダイスに挿入し、両者を圧接して接合材とした。接合ダイスは、超硬製のφ1.45mmの孔径を有する。そして、この接合のための荷重は、0.9ton・fとした。尚、本実施形態では、第1ビレットと第2ビレットを接合ダイスに挿入して接合を行ったが、これは、そのまま成型加工を行うことができるという利便性の他、横方向について適度な拘束を与えて接合材が過度に変形しないようにするためである。ここで、第1ビレットと第2ビレットを挿入するダイスの孔径は、ビレットの直径に対し0.05〜0.15mm大きいものを適用するのが好ましい。

次に、図4(B)のように、接合ダイスの上に接合パンチをセットして接合材をリベット形状に加工した。接合パンチは、超硬製であり側面が湾曲した円盤形状の空間(寸法:上面φ1.68mm、下面φ1.8mm、高さ0.7mm)を有する。この工程では、接合ダイス下方から接合材を接合パンチの空間に一気に圧入して、第1ビレット部分を頭部形状に変形させた。このとき、接合材の接合面も第1ビレット部分の変形に追従して変形し鍔部の外形を形成した。

金型によるリベット型接点作成後、図4(C)のように、接合パンチを移動させて、頭部の上面をプレスして成型した。以上により製造したリベット型接点の寸法は、頭部がφ2.5mm厚さ0.35mm、足部がφ1.5mm長さ0.8mmであり、鍔部は、頭部下端面においてφ2.0mmで高さ0.1mmであった。

そして、製造したリベット型接点についてその耐久性を評価した。耐久性評価はリベット型接点をヒンジ型交流汎用リレーに固定接点として取付け、通電負荷の状態で開閉動作を繰返し、故障発生までの耐久寿命開閉回数を測定した。この評価試験では、比較例として、図7(a)と同一形状であって、本実施形態と同じAg合金を接点材料としてCuのベース材料に接合したリベット型接点についても試験を行った。評価試験における試験条件は以下の通りである。

試験電圧:AC100V 試験電流:10A 負荷:抵抗負荷 開閉頻度:1秒ON/10秒OFF 接触力:1.96×10−1N(20gf) 可動接点寸法:φ3.0mm×t0.35mm

上記耐久試験は複数のリレー試験機で行い、各リレーで故障した耐久寿命開閉回数をワイブル確率紙上にプロットした。この結果を図5に示す。図5から、各リベット型接点の特性寿命は、本実施形態で約34万回であり、比較例は約30万回である。よって、本実施形態のリベット型接点は耐久寿命に優れるものであることが確認できた。

図6は、耐久試験後の比較例のリベット型接点の頭部の拡大写真である。接点材料の端部において消耗が激しく、接点材料の剥離が見られる。

本発明に係る2層リベット型接点は、使用過程における接点材料の剥離・脱落が抑制されている。本発明は、接点材料の使用量を低減して部材コストを抑制するという2層リベット型接点本来の特徴に、耐久寿命の改善が付加されている。

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