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申请号 JP2010517301 申请日 2008-07-17 公开(公告)号 JP2010534906A 公开(公告)日 2010-11-11
申请人 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.; 发明人 ペテル, レムコ ドゥフォウル,; ファン, ウィルフレット, ウィルヘルムス, ヘラルドゥス, ヨハネス ペルト,; ルーディー ルルケンス,; 雄大 吉本;
摘要 本発明は、導 体素 子および導体素子と接するプラスチック部品を含んでなり、導体素子の少なくとも一部が銀を含んでなる組成物から製造され、プラスチック部品が脂肪族ジアミンおよびジカルボン酸から誘導される単位を含んでなる半芳香族ポリアミド(X)を含んでなるポリマー組成物から部分的にまたは一体的に製造され、(a)ジカルボン酸(A)が5〜65モル%の脂肪族ジカルボン酸および/またはテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸(A1)と、35〜95モル%のテレフタル酸(A2)との混合物からなり、(b)脂肪族ジアミン(B)が2〜5個のC 原子 を有する10〜70モル%の短鎖脂肪族ジアミン(B1)と、少なくとも6個のC原子を有する30〜90モル%の長鎖脂肪族ジアミン(B2)との混合物からなり、(c)テレフタル酸(A2)と長鎖脂肪族ジアミン(B2)とを合わせたモル量が、ジカルボン酸およびジアミンの総モル量に対して少なくとも60モル%である、電気装置に関する。
权利要求
  • 導体素子および前記導体素子と接するプラスチック部品を含んでなり、前記導体素子の少なくとも一部が銀を含んでなる組成物から製造され、前記プラスチック部品が脂肪族ジアミンおよびジカルボン酸から誘導される単位を含んでなる半芳香族ポリアミド(X)を含んでなるポリマー組成物から部分的にまたは一体的に製造され、
    a. 前記ジカルボン酸(A)が5〜65モル%の脂肪族ジカルボン酸および任意にテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸(A1)と、35〜95モル%のテレフタル酸(A2)との混合物からなり、
    b. 前記脂肪族ジアミン(B)が2〜5個のC原子を有する10〜70モル%の短鎖脂肪族ジアミン(B1)と、少なくとも6個のC原子を有する30〜90モル%の長鎖脂肪族ジアミン(B2)との混合物からなり、
    c. 前記テレフタル酸と前記長鎖脂肪族ジアミンとを合わせたモル量が、前記ジカルボン酸およびジアミンの総モル量に対して少なくとも60モル%である、
    電気装置。
  • ポリアミド組成物が、無機賦形剤、繊維強化材、難燃剤またはCTI向上剤、またはそれらの任意の組み合わせを含んでなる、請求項1に記載の電気装置。
  • 前記電気装置が、電気開閉装置、メンブレンスイッチ、PCBアセンブリー、真空遮断機または超小型電子構成要素である、請求項1または2に記載の電気装置。
  • 接点素子である少なくとも2つの導体素子を含んでなり、少なくとも1つの接点素子またはその一部が銀を含んでなる組成物から製造され、前記半芳香族ポリアミドXを含んでなる前記ポリマー組成物から部分的にまたは一体的に製造されるプラスチック部品が前記接点素子を覆うハウジングである、請求項3に記載の電気開閉装置。
  • 第1の基盤上に形成された第1の導体と第2の基盤上に形成された第2の導体とを含んでなり、少なくとも前記第1の導体が導体素子であり少なくともその一部が銀を含んでなる組成物から製造され、少なくとも前記第1の基盤が前記半芳香族ポリアミドXを含んでなる前記ポリマー組成物から部分的にまたは一体的に製造されるプラスチック部品である、請求項3に記載のメンブレンスイッチ。
  • 接点素子である少なくとも2つの導体素子を含んでなり、少なくとも1つの接点素子またはその一部が銀を含んでなる組成物から製造され、前記プラスチック部品が前記接点素子を覆うハウジングである、請求項3に記載の真空遮断機。
  • 給電システム内、電子システム内、配電システム内、または自動車内における、請求項6に記載の電気開閉装置の使用。
  • 例えば皿洗い機、電子レンジ、および洗濯機/乾燥機などの家庭電化製品中における、請求項8に記載のメンブレンスイッチの使用。
  • 好ましくはモーター、変圧器、または反応装置である誘導性回路中における、請求項9に記載の真空遮断機の使用。
  • 说明书全文

    発明の詳細な説明

    本発明は、例えば給電システム、電子システム、および配電産業において使用するための電気開閉装置およびスイッチなどの電気装置に関する。 本発明は、特に銀を含んでなる導体素子または導電性層を含んでなる、電気開閉装置およびメンブレンスイッチに関する。

    高導電率および比較的低い価格が銀導体の有利な特性であるが、銀導体と本質的に関連する問題は「銀移行」である。 銀移行は、2つの隣接する配線間の銀イオン移動である。 すなわち銀導体がバイアス下(例えば5V)で分に曝されると、曝露した銀導体配線から隣接する配線に樹枝状結晶が成長する。 銀移行は必然的に一時的な短絡をもたらし、したがって回路を動作不能にする。

    銀移行は多くの種類の製品および産業で見られる現象である。 それは超小型電子技術、構成要素、PCBアセンブリー、およびメンブレンスイッチで起きる。 銀は非常に活性の金属であり、したがって銀移行または樹枝状結晶成長を高度に被りやすい。 それにもかかわらず、それは電子産業にとって非常に費用効率が高い金属でもある。 電子工学における鉛の削減または排除に伴って、銀はそのハンダぬれ性および導電率のために、非常に魅的な選択である。

    電気開閉装置については、例えば欧州特許出願公開第0313106−A2号明細書、米国特許公開第2006/0096846−A1号明細書、欧州特許出願公開第0385380−A2号明細書、および米国特許公開第2006/0148339−A1号明細書により公知である。 メンブレンスイッチについては、例えば米国特許公開第4,458,969号明細書および米国特許公開第4,243,852号明細書により公知である。

    欧州特許出願公開第0313106−A2号明細書の電気開閉装置は、特に配電産業で使用するためのものである。

    米国特許公開第2006/0096846−A1号明細書は、低電圧開閉装置、およびその中の可動接触子上に固定されてパッド1平方ミリメートルあたり200〜600アンペアのピーク短絡電流に耐えるように設計された電気パッドについて述べている。

    欧州特許出願公開第0385380−A2号明細書は、真空遮断機について述べている。 これらの真空遮断機はモーター、変圧器、または反応装置などの誘導性回路に応用される。

    米国特許公開第2006/0148339−A1号明細書は、公称電圧で作動する電気DC配線系統中の差し込み接点および開閉装置のための電気差し込み接点、特にその配線系統中でアーク放電が起こり得る自動車での使用が意図される差し込み接点について述べている。

    電気開閉装置は典型的に、入力接点、ばね座金、旋回ピン、旋回素子、およびスイッチなどを駆動する駆動手段、およびハウジングなどのいくつかのさらなる要素に隣接して、一般に1つは固定されて1つは可動性である2つの接点素子を含んでなる。 電気開閉装置はまた、欧州特許出願公開第0313106−A2号明細書におけるような多重スイッチング接点を含んでなってもよい。 欧州特許出願公開第0313106−A2号明細書では、接点素子は導電性リンクとも称される。 ハウジングは接点素子およびさらなる要素を覆う。 ハウジングはモジュールとも称される両半分から形成でき、適切な断熱樹脂から鋳造または成形できる。 ハウジング、または個々のモジュールは、一緒に取り付けると、ハウジング内部を異なるチャンバーに分割する内部セクションを含んでなってもよい。 ハウジングとその中のチャンバーは、接点素子およびさらなる要素のためのアイソレーターおよびセパレーターとして機能する。 接点素子はスイッチング接点の一部である。 ハウジングは、欧州特許出願公開第0313106−A2号明細書におけるように、スイッチング接点に接続する連結アーム、およびスイッチング接点間のならびに多重スイッチ内の隣接相のスイッチング接点間の絶縁バリアプレートなどのさらなる絶縁要素を含んでなってもよい。

    接点素子、または少なくともその末端部(電気パッドとも称される)は、一般にCu、Ag、およびBiなどの高導電性材料の金属合金である一般に高度に導電性の材料と、Ti、V、Cr、Zr、Mo、およびWなどの耐アーク性構成要素と、任意に耐溶着性および許容可能な耐浸食性のための黒鉛および/または粉砕炭素繊維から製造される。 欧州特許出願公開第0313106−A2号明細書では、導電性リンクのためにタングステン−銅合金が使用されている。 また1つ以上のチャンバーの壁、または各モジュールの壁構造の外面は、その上に被着された導電コーティングによって遮蔽されてもよい。 欧州特許出願公開第0313106−A2号明細書におけるように、コーティングは、壁面にスプレーされてもよく、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、銀または炭素などの導電性粒子で充填された、例えば金属またはプラスチックコーティングであってもよい。

    米国特許公開第2006/0096846−A1号明細書では、炭化タングステン、タングステンまたは窒化チタンなどの耐火粒子の画分、および炭素繊維画分を含んでなる、銀または銅ベースの導電性材料が電気パッドのために使用される。 欧州特許出願公開第0385380―A2号明細書では、最適化された組成および構造を有するAg−Cu−WC(WC=炭化タングステン)接点材料が使用される。 米国特許公開第2006/0148339−A1号明細書では、接点素子の本体は銅または銅ベースの合金から製造される。 腐食性雰囲気内にあっても安定した電気接点形成特性を保証するために、硬質金、銀またはスズの層をガルバーニめっきによって被着させる。

    電気開閉装置遮断器などの開閉装置内部装置の電気的故障の存在は、それらの電気接点の高速な開放をもたらす。 この高速開放は一般にアーク放電を伴い、前記接点レベル、より具体的にはそれらの接触面または区域レベルにおいて大きな応力を引き起こす。

    起こりうる問題は次のとおりである。 故障電流に応えるトリッピング(欧州特許出願公開第0313106−A2号明細書);銀ベースの接点材料は浸食および溶着の望ましくない傾向を示して接触面間の付着および/または接点素子間の材料移行を引き起こしがちである;特に小型の回路遮断器は金属沈着によって汚染される(米国特許公開第2006/0096846−A1号明細書);Cu−Bi合金ではビスマス(Bi)が移動して凝集し電流裁断値が不均一になるのに対し、真空遮断機ではこの値が非常に低く保たれることが極めて重要である(欧州特許出願公開第0385380−A2号明細書);Ag−WC合金は熱的短絡および電流裁断値の散乱をもたらしやすい(欧州特許出願公開第0385380−A2号明細書);腐蝕による、または表層への本体構成要素の移行による、接点素子の接触面の変化、したがって接触転移抵抗性、ひいては接点素子の加熱が増大し、特定の状況下では差し込み接点の溶着までもが増大して後者はもはや分離できなくなる(米国特許公開第2006/0148339−A1号明細書)。 特に銀は、その抗導電率および良好な腐蝕抵抗性のために、接点素子または電気パッドまたはその上に被着する表面層のために広く使用される材料であるが、それは特に主として銀移行現象に関わるその他の問題を代償するために、その他の材料と組み合わせる必要がある。

    スクリーン印刷可能な銀ベースのPTF(ポリマー厚メンブレン)導体は、皿洗い機、電子レンジ、および洗濯機/乾燥機で使用される低電圧メンブレンタッチスイッチ(MTS)の生産において、20年間にわたり使用されている。

    米国特許公開第4,458,969号明細書は、銀製の導体を有するメンブレンスイッチについて述べている。 メンブレンスイッチは、典型的に最下層、および前記最下層と間隔が開いているが、選択的にそれと接触するように動かせる最上層からなる。 銀導体は、最下層および最上層接面に塗装、印刷またはシルクスクリーン印刷され、その高い導電率のために銀が用いられる。 少なくとも1つの銀導電性リード線は、電気接点への接続終端点で終結する。 銀移行を低下させるために、非移行性の導電性材料のストリップが、少なくとも前記終端点に隣接する領域上で前記導電性リード線上に被着され、その延長部分において、前記非移行性の導電性材料のストリップに貼り付けられ、それと電気的に接触する前記電気接点を受け入れるために、前記導電性リード線終端点を超えて伸長する。

    米国特許公開第4,243,852号明細書により公知のメンブレンスイッチは、可撓性のメンブレン上に形成された第1の銀導体と、これもまた可撓性のメンブレンであってもよい基盤上に形成された第2の銀導体とを有する。 スペーサー中の開口部が第1および第2の導体と位置合わせされるように、スペーサーが基盤とメンブレン間に配置されて接着固定される。 メンブレンにかけられた圧力がそれを基盤に向けて動かし、スペーサー開口部を通して第1および第2の導体間の電気的接触を引き起こす。 第1および第2の導体間の銀移行を妨げる手段は、それらの部分間に可能な限り最長経路を提供するように導体を方向づけることから本質的になる。

    メンブレンスイッチ中の銀移行の発生を低下させるかまたは防止するために、その他の解決策が単独でまたは組み合わせて適用されており、それぞれに限界がある。 経費と導電率をトレードオフとして銀組成物をパラジウムまたは銅で改質する;銀移行はより被りにくいが、硬化温度および機械的特性が問題となり得る改質銀ペースト系;工程と材料の性質のためにピンホールが生じて銀移行が伝播する経路が提供され得る、誘電絶縁体または不活性コーティングによる銀配線の被覆または重ね刷り;電位を有する配線間の導体間隔を増大させるかまたは電圧を低下させる;水分浸透を妨げるためのガスケットおよび密封。

    前述の工程段階は銀移行問題を低下させたが、銀移行が依然としてリスクである、苛酷な環境または設計制約の問題などの状況がある。 電子工学のあらゆる側面で見られるのと同様に、産業界では、向上する機能性によってスペースを削減して経費を低下させる方向に向かっており、電気装置の設計者および製造業者は、その技術的能力をぎりぎりまで広げるように絶えず急き立てられている。

    さらなる小型化および例えば乗用車の配線系統中の42ボルトなどの印加電圧増大の傾向を考慮して、狭い間隔で並んだ荷電担体間の漏電電流および短絡網を防止するために、電気開閉装置のためのハウジングおよびメンブレンスイッチ中の導体担体などの電気装置中でのその使用を可能にする、高CTI(比較トラッキング指数)、良好な誘電特性、および苛酷な環境条件下、すなわち高湿および/または高温におけるその保持を有するプラスチック材料に対する必要性がある。 前記小型化を考慮して、十分な機械的特性および/または難燃性をなおも有しながら、反り傾向なしにより薄壁のセクションを可能にする材料に対する必要性もまたある。

    CTIは、湿潤条件下におけるその表面に沿ったアーク(トラック)伝播に対する材料の抵抗性の尺度である。 電気開閉装置およびメンブレンスイッチなどの電気装置およびその中で使用される電気接点の寿命を増大させるために、金属移行、特に銀移行において、より良いCTI性能を有する電気装置に対する必要性がある。

    したがって本発明の第1の目的は、銀移行が低下した電気装置、特に電気開閉装置およびメンブレンスイッチを提供することである。 追加的な目的は、高温において低下した反り傾向と良好な機械的特性を有する電気装置を提供することであり、それは特に寸法減少、特に薄壁セクションに関して設計自由度をより大きくする。 さらなる目的は、特に銀ハンダ付け中に経験される条件下において良好な膨れ抵抗性を有する電子装置を提供することである。 さらなる本発明の目的は、高CTIを有するプラスチック部品、特にプラスチックハウジングを含んでなる電気装置を提供することである。 さらに本発明は、開閉装置などの電気装置を作成するのに十分な絶縁耐力、機械的特性および/または難燃性を有する電気装置を提供する。

    これらの目的は、プラスチック部品を作るためのポリマー組成物を使用することにより、単独でまたは組み合わせで達成され、ポリマー組成物は、脂肪族ジアミンとジカルボン酸とから誘導される単位を含んでなる半芳香族ポリアミド(X)を含んでなる組成物を有する半芳香族ポリアミドを含んでなり、
    a)ジカルボン酸(A)は5〜65モル%の脂肪族ジカルボン酸および任意にテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸(A1)と、35〜95モル%のテレフタル酸(A2)との混合物からなり、
    b)脂肪族ジアミン(B)は2〜5個のC原子を有する10〜70モル%の短鎖脂肪族ジアミン(B1)と、少なくとも6個のC原子を有する30〜90モル%の長鎖脂肪族ジアミン(B2)との混合物からなり、
    c)テレフタル酸(A2)と長鎖脂肪族ジアミンと(B2)を合わせたモル量は、ジカルボン酸およびジアミンの総モル量に対して少なくとも60モル%である。

    プラスチック部品は、導体素子および導体素子のための基盤としてのプラスチック部品を含んでなる電気装置のために使用され、導体素子の少なくとも一部は銀を含んでなる組成物から製造される。 プラスチック部品中における前記半芳香族ポリアミドXを含んでなるポリマー組成物の影響は、プラスチック部品によって支えられるかまたはそれと接する、銀を含有する導体素子を含んでなる電気装置中の銀移行が非常に低くなることである。 さらに組成物は、良好な膨れ抵抗性、優れた高温時剛性、および等方性タイプの挙動を示し、それは薄壁構成要素が反る傾向を小さくする。 さらにプラスチック部品のCTIおよび絶縁耐力は非常に高い。

    便宜上、開閉装置またはスイッチという用語への言及は、導体素子および導体素子のための基盤としてのプラスチック部品を含んでなる電気装置を含み、導体素子の少なくとも一部は銀を含んでなる組成物から製造される。

    メンブレンスイッチのための基盤として典型的に使用されるプラスチック材料は、ポリエステルである。 本発明に従ったポリアミド組成物から製造される底基板を有するメンブレンスイッチにより、このように低い銀移行発生が得られることは予測されていなかった。

    PA6、PA66、PA66/6T、およびPA46を含んでなるポリアミド組成物などのポリアミド組成物から製造されるハウジングを有する電気開閉装置は知られているが、それらの用途は、たとえあったとしても重大でないおよび重要性の低い状況に限定される。 これらのポリアミドから製造されるハウジングを含んでなる開閉装置と比較して、ハウジングのための本発明に従ったポリアミド組成物の使用は、銀移行の低下と、反らない薄壁構成要素を製造するためのより大きな設計自由度とをもたらす。

    電気装置が銀ベースのハンダを含む実施態様では、本発明のポリマー組成物は、PA46、PA6T/66、およびPA9Tなどのその他の比較できるポリアミド組成物と比較して、改善された膨れ抵抗性を提供する。

    さらに組成物は、例えばPA66およびPA46、およびPA66/6Tなどの対応する組成物よりも高いCTIを有する一方で、絶縁耐力は高温および高湿条件下で、例えばPA66/6Tなどの対応する組成物と比較してより良く保たれる。

    銀移行を試験するために、異なる試験方法を応用できる。 例えばUL 796は試験条件および方法を規定する。 銀移行を試験するための業界標準はIPC F1996−01である。 ASTM F1996−01は、メンブレンスイッチ中の銀移行を試験するための専用試験である。 CTIはIEC 112−1979(第3版)手順に従って測定できる。

    プラスチック接点ハウジングによって、および本発明に従った強化難燃性ポリアミド組成物が含む半芳香族ポリアミドXは、脂肪族ジアミンおよびジカルボン酸から誘導される単位を含んでなる。 ジカルボン酸から誘導される単位はA−A単位として示すことができ、ジアミンから誘導される単位はB−B単位として表すことができる。 それに従ってポリアミドは、例えばNylon Plastic handbook,Ed. M. I. Kohan,Hanser Publishers,Munich,ISBN 1−56990−189−9(1995),page 5で適用される分類に対応するAABBポリマーとして表すことができる。

    短鎖脂肪族ジアミン(B1)は、C2〜C5脂肪族ジアミンまたはその混合物である。 換言すればそれは2〜5個の炭素(C)原子を有する。 短鎖脂肪族ジアミンは、例えば1,2−エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、および1,5−ペンタンジアミン、およびそれらの混合物であってもよい。 好ましくは短鎖脂肪族ジアミンは、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、およびそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは1,4−ブタンジアミンである。

    長鎖脂肪族ジアミン(B2)は少なくとも6個の炭素(C)原子を有する脂肪族ジアミンである。 長鎖脂肪族ジアミンは、直鎖、分枝鎖および/または脂環式であってもよい。 長鎖脂肪族ジアミンは、例えば2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(2−メチルペンタメチレンジアミンとしてもまた知られている)、1,5−ヘキサンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、m−キシリレンジアミン、およびp−キシリレンジアミン、およびそれらの任意の混合物であってもよい。 好ましくは長鎖脂肪族ジアミンは6〜12個の炭素原子を有し、適切にはC8またはC10ジアミンである。 好ましい実施態様では長鎖ジアミンは、6〜9個の炭素原子を有するジアミンの50〜100モル%、より好ましくは75〜100モル%を構成する。 これはさらに良い高温特性を有する材料をもたらす。 より好ましくは長鎖脂肪族ジアミンは、1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、およびそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは1,6−ヘキサンジアミンである。 この好ましい選択、特により好ましい1,6−ヘキサンジアミンの選択の利点は、コポリアミドが高温でその特性をより良く保持することである。

    脂肪族ジカルボン酸は、直鎖、分枝鎖および/または脂環式であってもよく、炭素原子数は特に限定されない。 しかし脂肪族ジカルボン酸は、好ましくは4〜25個の炭素原子を有する、より好ましくは6〜18個、さらにより好ましくは6から12個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖脂肪族ジカルボン酸、またはその混合物を含んでなる。 適切な脂肪族ジカルボン酸は、例えばアジピン酸(C6)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(C8)、スベリン酸(C8)、セバシン酸(C10)、ドデカン酸(C12)またはその混合物である。 好ましくは脂肪族ジカルボン酸は、アジピン酸、セバシン酸またはその混合物をはじめとする、C6〜C10脂肪族ジカルボン酸であり、およびより脂肪族ジカルボン酸は、C6〜C8脂肪族ジカルボン酸である。 最も好ましくは脂肪族ジカルボン酸はアジピン酸である。

    芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸に次いで、例えばイソフタル酸および/またはナフタランジカルボン酸などのその他の芳香族ジカルボン酸を含んでなってもよい。

    半芳香族ポリアミドは、テレフタル酸に次いで、脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸とを適切には含んでなってもよい。 好ましくはテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸の量は、脂肪族ジカルボン酸と、テレフタル酸(A1)以外の芳香族ジカルボン酸との総モル量に対して50モル%未満、より好ましくは25モル%未満である。

    本発明に従った組成物中の半芳香族ポリアミド中では、短鎖脂肪族ジアミン(B1)が脂肪族ジアミン単位(B)の10〜70モル%を構成し、長鎖脂肪族ジアミン(B2)が残りの30〜90モル%を構成する。

    好ましくは短鎖脂肪族ジアミンのモル量は、短鎖および長鎖ジアミンのモル量に対して、最大60モル%、より好ましくは50モル%、40モル%、または35モル%でさえある。 短鎖ジアミンのモル量がこのように低いコポリアミドの利点は、所定のTmを有するコポリアミドにとって銀移行がさらに低下することである。

    また好ましくは、半芳香族ポリアミド中の短鎖脂肪族ジアミンのモル量は、短鎖脂肪族ジアミンおよび長鎖脂肪族ジアミンの総モル量に対して、少なくとも15モル%、より好ましくは、少なくとも20モル%である。

    脂肪族ジカルボン酸、そして存在する場合はテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸(A1)は、ジカルボン酸単位(A)の5〜65モル%を構成し、テレフタル酸(A2)が残りの35〜95モル%を構成する。

    好ましくはジカルボン酸は、テレフタル酸の少なくとも40モル%、より好ましくは少なくとも45モル%、またはさらに少なくとも50モル%を構成する。 テレフタル酸の量が増大することの利点は、銀移行がさらに低下することである。 また好ましくは脂肪族ジカルボン酸および任意にテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸(A1)の量は、ジカルボン酸の少なくとも10モル%、より好ましくは少なくとも15モル%である。 このより高い量は、組成物がより良い加工性を有するという利点を有する。

    高度に好ましい実施態様では、ジカルボン酸(A)は、ジカルボン酸のモル量に対して、50〜85モル%のテレフタル酸(A2)および50〜15モル%の脂肪族ジカルボン酸、そして任意にテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸(A1)からなり、脂肪族ジアミン(B)は、脂肪族ジアミンの総モル量に対して、40〜80モル%の長鎖ジアミン(B2)および60〜20モル%の短鎖ジアミン(B1)からなる。 より好ましくは、その中のテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸の量は、仮に存在する場合、脂肪族ジカルボン酸およびテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸(A1)の総モル量に対して25モル%未満である。 この好ましい組成物により、銀移行と、絶縁破壊の強さ、加工挙動、および機械的特性をはじめとするその他の特性において、より良い全体的バランスが得られる。

    長鎖脂肪族ジアミンの最小量が脂肪族ジアミンの総モル量に対して30モル%であり、テレフタル酸の最小量がジカルボン酸のモル量に対して35モル%であるのに対し、テレフタル酸と長鎖脂肪族ジアミンとを合わせたモル量は、ジカルボン酸とジアミンの総モル量に対して少なくとも60モル%である。 その結果、長鎖脂肪族ジアミンの相対量が最低30モル%である場合、テレフタル酸の相対量は少なくとも90モル%である。 同様にテレフタル酸の相対量が最低35モル%である場合、長鎖脂肪族ジアミンの相対量は少なくとも85モル%である。

    別の高度に好ましい実施態様では、テレフタル酸(A2)と長鎖脂肪族ジアミン(B2)のモル量の和が、ジカルボン酸とジアミンの総モル量に対して少なくとも65モル%、より好ましくは少なくとも70モル%、さらにより好ましくは少なくとも75モル%である。 テレフタル酸(A2)および長鎖脂肪族ジアミン(B2)モル量の和がより高いポリアミドの利点は、銀移行がさらに低下することである。 適切には前記の和は、ジカルボン酸とジアミンの総モル量に対して70〜85モル%、または75〜80モル%の範囲でさえある。

    ジカルボン酸(AA)およびジアミン(BB)から誘導されるA−A−B−B単位に次いで、本発明に従ったポリアミドは、脂肪族アミノカルボン酸(AB単位)および対応する環式ラクタム、ならびに少量の分岐剤および/または連鎖停止剤などのその他の構成要素から誘導される単位を含んでなってもよい。

    好ましくは本発明に従ったポリアミドは、ポリアミド総質量に対して、最大で10質量%、より好ましくは最大8質量%、およびさらにより好ましくは最大5質量%のジカルボン酸およびジアミン以外の構成要素から誘導される単位を含んでなる。 最も好ましくは本発明に従ったポリアミドは、このようなその他の構成要素を全く含まず、ジカルボン酸およびジアミンから誘導されるA−A−B−B単位のみからなる。 その利点は、ロジスティック的により単純な工程およびより良い結晶性特性である。

    好ましくは半芳香族ポリアミドは、100℃を超え、より好ましくは少なくとも110℃、またはさらには少なくとも120℃であるガラス転移温度(Tg)を有する。 好ましくはTgは最大140℃、より好ましくは最大130℃である。 また好ましくは半芳香族ポリアミドは、少なくとも295℃、好ましくは少なくとも300℃、より好ましくは少なくとも310℃の溶融温度(Tm)を有する。 好ましくはTgは最大340℃、より好ましくは最大330℃である。 Tgが高いほど、またTmが高いほど、銀移行はより低下する。 TgおよびTmがこれらの限度内である利点は、銀移行と加工挙動のより良いバランスである。

    融点(温度)という用語は本明細書では、加熱速度10℃/分でDSCによりASTM D3417−97/D3418−97に従って測定され、融解範囲に入り最高溶融速度を示す温度であると理解される。 ガラス転移点という用語は本明細書では、加熱速度10℃/分でDSCによりASTM E 1356−91に従って測定される温度であると理解され、親熱曲線(parent thermal curve)の変曲点に対応する親熱曲線(parent thermal curve)の一次導関数(時間に関する)のピーク温度として測定される。

    前記半芳香族ポリアミドは、広い範囲にわたって変動する粘度を有してもよい。 意外にも前記半芳香族ポリアミドが、補強材と難燃剤の双方を含んでなる強化難燃性組成物においてさえもなお良好な機械的特性を保持しながら、1.6程度に低いかまたはさらに低い相対粘度を有してもよいことが観察された。 常態では、ポリアミド、および特にこのような低分子量の半芳香族ポリアミドは非常に脆いが、賦形剤材料および難燃剤が含まれるとこの特質は改善される。 本発明に従った強化難燃性組成物は、前述の先行技術に従った半芳香族ポリアミドを含んでなる対応する組成物に比べて、改善された靭性を示す。

    好ましくは相対粘度は少なくとも1.7、より好ましくは1.8、または1.9でさえある。 機械的特性の保持はこのような成形品にとって実に重要であり、これはこのように低い相対粘度でもさらに当てはまる。 また好ましくは相対粘度は4.0未満、より好ましくは3.5未満、さらにより好ましくは3.0未満である。 この低い相対粘度は成形中の流れがより良く、より薄い要素を有する成形品を作ることができるという利点を有する。 相対粘度の値は、ISO 307第4版の方法に従って96%硫酸中で測定される相対粘度に合致すると理解される。

    前記半芳香族ポリアミドはまた、相対粘度が高い半芳香族ポリアミドと相対粘度が低い半芳香族ポリアミドとの配合物からなってもよい。 適切には配合物は、相対粘度が少なくとも1.8、より好ましくは少なくとも1.9である1つの構成要素と、相対粘度が1.7未満、より好ましくは1.6未満の1つの構成要素とを含んでなる。 相対粘度が少なくとも1.9である第1の構成要素が少なくとも10,000分子量を有することができるのに対し、相対粘度が1.6未満である第2の構成要素は7,500未満、好ましくは5,000未満、さらにより好ましくは2,500未満の分子量を有することができる。 第1および第2の構成要素は、大きな範囲にわたって変動し、好ましくは19:1〜1:1、より好ましくは9:1〜3:1の範囲の重量比で存在してもよい。 相対粘度が低い第2の構成要素が存在する利点は、ポリアミド組成物の成形挙動がさらに改善されて、壁セクションがさらに薄い部品が成形できるようになることである。

    ポリマー組成物の寸法安定性は、反りを生じにくい薄壁構成要素の製造にとって重要である。 本発明の開閉装置は、開閉装置などの電気装置で使用するのに適した従来のポリアミド組成物と比較して、改善された反り抵抗性と高温における改善された剛性との組み合わせを提供できる。 剛性などの機械的特性における改善は、性能改善が材料の配向性増大に派生する異方性材料と典型的に関連付けられているので、ポリマー流と平行および垂直方向の類似した線熱膨張率を特徴とする等方性タイプの挙動と、高温における改善された剛性との組み合わせは驚くべきである。

    本発明に従った開閉装置およびスイッチに含まれるプラスチック部品中のポリマー組成物は、広い範囲にわたって変動する量で、半芳香族ポリアミドXを含んでなってもよい。 適切には半芳香族ポリアミドの量は、強化ポリマー組成物総重量に対して25〜95重量%の範囲であり、より好ましくは組成物は30〜90重量%、または35〜85重量%さえも含んでなる。 本発明に従った難燃性ポリアミド組成物中では、半芳香族ポリアミドはまた、広い範囲にわたって変動する量で存在してもよい。 難燃剤もまた含まれるために、相対量は一般により低い。 適切にはその中の半芳香族ポリアミドXの量は25〜80重量%の範囲であり、より好ましくは組成物は25〜60重量%の、または30〜50重量%でさえある半芳香族ポリアミドを含んでなる。

    ポリアミド組成物は、適切には無機賦形剤、繊維強化材、難燃剤、またはCTI向上剤、またはそれらの任意の組み合わせを含んでなる。

    ポリアミド組成物の機械的特性は、繊維強化材を含んでなるポリアミド組成物および/またはナノクレイなどのナノ賦形剤によって概して容易に改善できる。 難燃性要件を満たすため、当てはまる場合、ポリアミド組成物は適切には難燃剤を含んでなる。 ポリアミド組成物が繊維強化材ならびに難燃剤を含んでなる場合でさえも、十分な機械的特性をなおも有しながら、薄壁セクションを有するハウジング設計を作成することがなおも可能である。

    補強材および賦形剤が、本発明で使用される組成物中に存在することが多い。 無機賦形剤は、例えばガラス球またはマイクロバルーン、粘土、焼成カオリンのようなカオリン、珪灰石、および滑石などのガラスフレークおよび無機賦形剤と、その他のミネラルと、それらの任意の組み合わせである。 無機賦形剤の量は、大きな範囲にわたって変動してもよいが、適切には組成物総重量に対して0〜25重量%の範囲である。

    使用できる繊維強化材の典型的例としては、低アルカリE−ガラスなどのガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、およびウィスカーが挙げられ、その中ではガラス繊維が好ましい。 所望ならばこのような補強材または賦形剤と共に、サイズ剤が使用できる。 本発明の組成物を調製するのに使用できる適切なガラス繊維は市販される。 適切には補強材は、組成物総重量に対して5〜50重量%、好ましくは15〜45重量%、より好ましくは25〜40重量%の量で存在する。

    適切には難燃剤系は、組成物総重量に対して1〜40重量%、好ましくは5〜35重量%の総量で存在する。 好ましくは難燃剤は5〜30重量%、より好ましくは10〜25重量%の量で存在し、共力剤は組成物総重量に対して好ましくは0〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%、およびさらにより好ましくは5〜10重量%の量で存在する。

    CTIを改善するための適切な添加剤としては、例えばポリエチレンおよび/またはエチレン共重合体などのポリオレフィンのような無極性ポリマーと、硫酸バリウム、ホウ酸カルシウムおよびホウ酸亜鉛などの金属ホウ酸塩、亜鉛およびホウ素の混合酸化物、硫化亜鉛、および圧搾微粉滑石、またはそれらの任意の組み合わせのような不活性賦形剤、好ましくはオレフィンベースのポリマーとあらゆる1つ以上の前述の不活性賦形剤との混合物が挙げられる。 CTIを改善する添加剤は、例えば0.1〜10重量%、および好ましくは0.2〜5重量%など、適切には0〜15重量%の総量で使用される。 不活性賦形剤の好ましい量は1〜12重量%、より好ましくは3〜10であり、オレフィンベースのポリマーでは1〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%である。 本明細書で重量百分率は、ポリマー組成物総重量との比較である。

    発明の組成物が含んでなってもよいその他の添加剤としては、射出成形化合物で使用される無機賦形剤および補助添加剤が挙げられる。 補助添加剤は、通常前記ポリアミド組成物に含まれるポリアミド成形組成物を製造する業者に知られている添加剤であると理解される。 使用されるこれらの従来の添加剤の量は、そのために添加剤が用いられる特定の特質改良を得るために、典型的に製造業者によって推奨されるような量である。 適切な補助添加剤は、例えばUV安定剤、熱安定剤、および抗酸化剤などの安定剤と、顔料と染料の双方をはじめとする着色剤と、例えば成核剤、帯電防止剤、型剥離剤、および潤滑剤などの加工助剤と、ポリアミドオリゴマーなどの流動性向上添加剤と、耐衝撃性を改善するための薬剤、すなわち耐衝撃性改良剤である。 補助添加剤の量は大きな範囲にわたって変動してもよいが、適切には組成物総重量に対して0〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。

    本明細書で規定の構成要素について示される比率は典型的であるとはいえ近似であり、完成組成物の意図される使用に必要とされるその他の物理特性を保持しながら、所望の難燃性(例えば少なくともUL V−2評価で合格し、またはグローワイヤ試験に合格する)およびCTI値(好ましくは少なくとも500ボルト)を達成するために、あらゆる特定状況において必要、適切、または望ましいと考えられる場合、前述の範囲の1つ以上からの逸脱が許容できることは理解されるであろう。 したがって難燃性、CTI値、およびその他の特性の最適の組み合わせを達成するために、使用材料に関するいくつかの予備試験が、通常あらゆる特定状況における望ましい進行手順である。

    前記半芳香族ポリアミドXを含んでなる上述のポリアミド組成物の利点は、高いCTI(比較トラッキング指数)、さらに絶縁耐力である。 典型的に400Vを超えるCTI値が達成される。 強化材としての通常ガラス繊維と、および例えばポリリン酸メラミン塩などのメラミンおよび/またはリン酸誘導体ベースのハロゲンフリー難燃剤、ホスフィン酸金属塩、ポリブロモスチレンのようなハロゲン含有ポリマーベースのハロゲン含有難燃剤系、およびホウ酸亜鉛のような難燃剤共力剤をはじめとする通常の難燃剤とを共に調合し、CTIを低下させる添加剤を除外または制限すれば、600V以上のCTI値を達成できる。 CTI要件に従う射出成形品の当業者は、一般に一般知識および通例の実験に基づいて、CTIに関して中立的でありまたはCTIに好ましい効果を有する添加剤の選択、およびCTIに悪影響を与える添加剤の回避または量の制限を選択できる。 良好な寸法安定性および部品完全性と組み合わさった高いCTI値は、有利には工業高電圧ボビンで使用できる。 好ましくは、本明細書で使用される本発明に従った難燃性材料のCTIは、少なくとも500V、より好ましくは少なくとも600VのCTIを有する。 高いCTI値によって、開閉装置はより高い電圧用途に高度に適したものとなる。

    組成物はまた、ポリマー性難燃剤などのポリマー構成要素と、高温半結晶質半芳香族ポリアミド以外のポリマーまたはポリマー性構成要素と、任意にポリマー性難燃剤とを含んでなってもよい。 これらのその他のポリマーは、例えばゴムおよび熱可塑性ポリマーを含んでなってもよい。 ゴムは適切には耐衝撃性改良剤を含む。 熱可塑性ポリマーはその他のポリアミドであってもよい。 好ましくはその他のポリアミドは、高温半結晶質半芳香族ポリアミドの融解温度よりも低い融解温度を有する半結晶質ポリアミドである。

    その他のポリマーは、組成物総重量に対して好ましくは25重量%未満の量、より好ましくは、仮に存在する場合1〜20重量%、さらにより好ましくは2〜15重量%、および最も好ましくは5〜10重量%の量で存在する。 その他のポリマーのより低い含量、特にポリアミド−46およびポリアミド−6T/66のようなポリマー不在の利点は、銀移行を低下させ、CTI増大がより良く保持されることである。

    本発明に従った電気装置は、半芳香族ポリアミド(X)を含んでなるポリマー組成物から少なくとも部分的に製造されるプラスチック部品、および任意に1つ以上のさらなる構成要素、および少なくともこれだけは銀を含んでなる組成物から製造される導体素子を含んでなり、プラスチック部品は、適切には電気開閉装置、メンブレンスイッチ、PCBアセンブリー、真空遮断機または超小型電子構成要素である導体素子と接する。

    電気開閉装置は、一般に、接点素子である少なくとも2つの導体素子を含んでなり、少なくとも1つの接点素子またはその一部は銀を含んでなる組成物から製造され、半芳香族ポリアミドXを含んでなるポリマー組成物から部分的にまたは一体的に製造されるプラスチック部品は、前記接点素子を覆うハウジングである。

    メンブレンスイッチは、少なくとも第1の基盤上に形成された第1の導体と、第2の基盤上に形成された第2の導体とを含んでなり、少なくとも第1の導体は少なくともその一部が銀を含んでなる組成物から製造される導体素子であり、少なくとも第1の基盤は半芳香族ポリアミドXを含んでなるポリマー組成物から部分的にまたは一体的に製造されるプラスチック部品である。

    本発明に従った真空遮断機は、接点素子である少なくとも2つの導体素子を含んでなり、少なくとも1つの接点素子またはその一部は銀を含んでなる組成物から製造され、プラスチック部品は接点素子を覆うハウジングである。

    本発明はまた、特に給電システム、電子システム、配電システム、または自動車中における本発明に従った電気開閉装置の使用をはじめとする、様々な用途における電気装置の使用に関し、ならびに例えば皿洗い機、電子レンジ、および洗濯機/乾燥機などの家庭電化製品における本発明に従ったメンブレンスイッチの使用に関する一方、本発明に従った真空遮断機は、好ましくはモーター、変圧器、または反応装置である誘導性回路において使用できる。

    [実施例]
    実施例1〜5(E−1〜E−5)および比較例(CE)A、B、C、およびFのためのポリアミドポリマーを最初に調製して、電気装置の調製で使用されるポリアミド組成物を調製した。 比較例DおよびEは市販の難燃剤であり、開閉装置などの電気装置で使用するために調合されたガラス繊維強化ポリアミド組成物であった。

    [ポリマー調製]
    [E−1ポリマー:PA−6T/4T/46(モル比67.5/21.3/11.2)]
    179.8gテトラメチレンジアミン、347.25gヘキサメチレンジアミン、537g水、0.36g次亜リン酸ナトリウム一水和物、72.36gアジピン酸、および653.38gテレフタル酸の混合物を2.5Lオートクレーブ内で加熱して水を蒸留により除去しながら撹拌した。 ポリアミド調製中のテトラメチレンジアミンの損失を埋め合わせるために、計算されるポリアミド組成物の組成と比較して、約2〜4重量%のわずかに過剰なテトラメチレンジアミンを使用した。 約27分後に91重量%塩水溶液が得られた。 この過程で温度は169℃から223℃に上昇した。 21分間にわたり温度を210℃から226℃に上昇させて重合を達成し、その間に圧力は1.3MPaに上昇し、その後オートクレーブの内容物をフラッシュして固体生成物を窒素下でさらに冷却した。 このようにして得られたプレポリマーを引き続いて乾燥キルン内で、真空および0.02MPaの窒素気流下において、125℃で数時間加熱して乾燥させた。 乾燥プレポリマーを金属管型反応器(d=85mm)内において、窒素気流下(2400g/h)200℃で数時間、次に窒素/水蒸気気流下(3/1重量比、2400g/h)225℃で2時間、および260℃で40時間加熱して固相に後濃縮した。 次にポリマーを室温に冷却した。

    [E−2ポリマー:PA−6T/4T/46(モル比75/10/15)の調製]
    E−1ポリマーと同様にして、127.09gテトラメチレンジアミン、350.05gヘキサメチレンジアミン、487g水、0.66g次亜リン酸ナトリウム一水和物、91.59gアジピン酸、および567.48gテレフタル酸の混合物を2.5Lオートクレーブ内で加熱しながら撹拌したところ、91重量%塩水溶液が22分後に得られた。 この過程で温度は176℃から212℃に上昇した。 22分間にわたり温度を220℃から226℃に上昇させて重合を達成し、その間に圧力は1.4MPaに上昇した。 このようにして得られたプレポリマーを引き続いて乾燥キルン内で、真空および0.02MPaの窒素気流下において125℃および180℃で数時間加熱して乾燥させた。 乾燥プレポリマーを金属管型反応器(d=85mm)内において、窒素気流下(2400g/h)190℃および230℃で数時間、次に窒素/水蒸気気流下(3/1重量比、2400g/h)251℃で96時間加熱して固相に後濃縮した。 次にポリマーを室温に冷却した。

    [E−3ポリマー:PA−6T/5T/66(モル比70/15/15)同等物であるPA−6T/56(モル比85/15)の調製]
    55.3gのペンタメチレンジアミン(98重量%)、529.7g水性ヘキサメチレンジアミン(59.6重量%)、360.4g水、0.5g次亜リン酸ナトリウム一水和物、67.2gアジピン酸、および433.04gテレフタル酸の混合物を2.5Lオートクレーブ内で加熱して水を蒸留により除去しながら撹拌した。 35分後に90重量%の塩水溶液が得られ、温度は170℃から212℃に上昇した。 次にオートクレーブを閉じた。 25分間にわたり温度を212℃から250℃に上昇させて重合を達成した。 混合物を250℃で15分間撹拌し、その間圧力は2.9MPaに上昇し、その後オートクレーブの内容物をフラッシュして、固体生成物を窒素下でさらに冷却した。 プレポリマーを金属管型反応器(d=85mm)内において、窒素気流下(2400g/h)200℃で数時間、次に窒素/水蒸気気流下(3/1重量比、2400g/h)230℃で2時間、および260℃で24時間加熱して、固相に後濃縮した。 次にポリマーを室温に冷却した。

    [E−4ポリマー:PA−6T/5T/56(モル比75.5/15/9.5)の調製]
    78.4gのペンタメチレンジアミン(98重量%)、473.3g水性ヘキサメチレンジアミン(59.6重量%)、382.56g水、0.5g次亜リン酸ナトリウム一水和物、42.6gアジピン酸、および461.5gテレフタル酸の混合物を2.5Lオートクレーブ内で加熱して水を蒸留により除去しながら撹拌した。 35分後に90重量%の塩水溶液が得られ、温度は170℃から212℃に上昇した。 次にオートクレーブを閉じた。 25分間にわたり温度を212℃から250℃に上昇させて重合を達成した。 混合物を250℃で15分間撹拌し、その間圧力は2.8MPaに上昇し、その後オートクレーブの内容物をフラッシュして、固体生成物を窒素下でさらに冷却した。 プレポリマーを引き続いて乾燥させ、E−1ポリマーと同様にして固相に後濃縮した。 次にポリマーを室温に冷却した。

    [E−5ポリマー:PA−6T/66/56(モル比76.5/12/11.5)の調製]
    36.9gのペンタメチレンジアミン(98重量%)、553.0g水性ヘキサメチレンジアミン(59.6重量%)、351.2g水、0.5g次亜リン酸ナトリウム一水和物、105.8gアジピン酸、および391.4gテレフタル酸の混合物を2.5Lオートクレーブ内で加熱して水を蒸留により除去しながら撹拌した。 35分後に90重量%の塩水溶液が得られ、温度は170℃から212℃に上昇した。 次にオートクレーブを閉じた。 25分間にわたり温度を212℃から250℃に上昇させて重合を達成した。 混合物を250℃で20分間撹拌し、その間圧力は2.8MPaに上昇し、その後オートクレーブの内容物をフラッシュして、固体生成物を窒素下でさらに冷却した。 プレポリマーを引き続いて乾燥させ、E−1ポリマーと同様にして固相に後濃縮した。 次にポリマーを室温に冷却した。

    [CE−Aポリマー:PA6T/66(モル比60/40)]
    ポリマーIと同様にして、520gヘキサメチレンジアミン、537g水、0.36g次亜リン酸ナトリウム一水和物、330gアジピン酸、および420gテレフタル酸の混合物を2.5Lオートクレーブ内で加熱しながら撹拌し、27分後に91重量%の塩水溶液が得られた。 この過程で温度は169℃から223℃に上昇した。 21分間にわたり温度を210℃から226℃に上昇させて重合を達成し、その間圧力は1.3MPaに上昇した。 プレポリマーを引き続いて乾燥させ、E−1ポリマーと同様にして固相に後濃縮した。 次にポリマーを室温に冷却した。

    [CE−B,Cポリマー:PA46]
    ポリマーIと同様にして、430.4gテトラメチレンジアミン、500g水、0.33g次亜リン酸ナトリウム一水和物、および686.8gアジピン酸の混合物を2.5Lオートクレーブ内で加熱しながら撹拌し、25分後に90重量%の塩水溶液が得られた。 この過程で温度は110℃から162℃に上昇した。 温度を162℃から204℃に上昇させて重合を達成し、その間圧力は1.3MPaに上昇した。 プレポリマーを引き続いて乾燥させ、E−1ポリマーと同様にして固相に後濃縮した。 次にポリマーを室温に冷却した。

    [比較例CE−F:PA−6T/5T(モル比56/44)の調製]
    201.4gのペンタメチレンジアミン、300.8gヘキサメチレンジアミン、521.1g水、0.65g次亜リン酸ナトリウム一水和物、および722.18gテレフタル酸の混合物を2.5Lオートクレーブ内で加熱して水を蒸留により除去しながら撹拌した。 27分後に90重量%の塩水溶液が得られ、温度は170℃から211℃に上昇した。 次にオートクレーブを閉じた。 15分にわたり温度を211℃から250℃に上昇させて重合を達成した。 混合物を250℃で29分間撹拌し、その間圧力は2.9MPaに上昇し、その後オートクレーブの内容物をフラッシュして、固体生成物を窒素下でさらに冷却した。 プレポリマーを引き続いて乾燥させ、E−3ポリマーと同様にして固相に後濃縮した。 次にポリマーを室温に冷却した。

    [化合物調製]
    E−1〜E−5、CE−A〜C、およびCE−Fはまた、次の構成要素も含んだ。
    ・ポリアミド用標準ガラス繊維等級、
    ・難燃剤:臭素化ポリスチレン(Albermarleから入手できるSaytex(登録商標)HP3010)、
    ・難燃剤共力剤:ホウ酸亜鉛(Luzenacから入手できるFirebrake(登録商標)500)、および・剥離剤および安定化パッケージを含んでなる補助添加剤。

    比較実験DおよびEは、次の市販製品をベースとした。 CE−Dはデュポン(DuPont)からのPA6T/66製品であるZytel HTNFR52G30BLであり、およびCE−Eはクラレ(Kururay)からのPA9T製品であるジェネスタ(Genestar)GN2332BKであった。 従来の分析的技術を使用して、これらの市販品で使用される臭素化ポリスチレン、共力剤、および補助添加剤の比率を推定した。 ジェネスタからのPA9T製品の分析からは、ポリアミド構成要素がモル比およそ20:80のPA8TとPA9Tから構成されることが明らかになった。

    325℃フラット温度に設定したWerner & Pfleiderer KSK 4042D押し出し機上で、化合物E−1〜E−5、CE−A〜C、およびCE−Fを調製した。 側方供給ポートを通じて溶融物中に別途投入されたガラス繊維を除いて、全ての構成要素は押し出し機の供給ポートに投入された。 ポリマー溶融物を脱気して押し出し機の終端でストランドにし、冷却して顆粒に細断した。 調合組成物および市販組成物を表1に示す。

    [射出成形:]
    次の条件を適用して、射出成形中での使用に先だって上述の材料を予備乾燥させた。 コポリアミドを0.02Mpaの真空下で80℃に加熱して、窒素気流を通過させながらその温度と圧力を24時間保った。 予備乾燥材料をArburg 5射出成型機上で、22mmスクリュー径およびCampus UL 0.8mm二体(2本体)射出成形金型により射出成形した。 シリンダー壁の温度は345℃に設定され、金型の温度は140℃に設定された。 このようにして得られたCampus ULバーをさらなる試験のために使用した。


    [試験方法]
    [Ag移行]
    UL796に基づく産業ベースの試験を使用して測定した。

    [相対粘度(RV)]
    1質量%ギ酸溶液中で測定した。

    [スパイラルフロー]
    有効射出圧力80MPaにおける半芳香族ポリアミドXの溶融温度よりも10℃高い温度で、寸法280×15×1mmのスパイラルキャビティ上で測定した。

    [DSCによる温度特性決定]
    ASTM D3417−97 E793−85/794−85に従って、示差走査熱量測定(DSC)(2回目の試行、10℃/分)を用いて融点(T )およびガラス転移温度(T )を測定した。

    [E−弾性率]
    ISO 527に従って23℃および5mm/分における引張り試験で測定した。

    [衝撃試験(ノッチ付シャルピー)]
    ISO 179/1Aに従って23℃で測定した。

    [水/湿度吸収試験]
    予備乾燥サンプル(0.8mm ULバー)を規定温度および湿度レベルの蒸留水加湿キャビネットまたは容器内で順化させ、飽和レベルに達するまで重量増加を経時的にモニターした。 飽和レベルにおける重量増加を予備乾燥サンプルの開始重量の百分率として計算した。

    [リフローハンダ付け条件下の膨れ性能]
    リフローハンダ付け条件下の膨れ性能のためには、上述の水吸収試験と同様にして、多数の予備乾燥サンプルを所定温度および湿度レベルの加湿キャビネット内で順化した。 異なる時間間隔で個々のサンプル(10個ずつのロット)をキャビネットから取り出して、直ちに周囲条件で室温に冷却し、リフローオーブンに入れてリフローハンダ付け工程で適用される温度条件を与えた。 温度プロフィールは、次のとおりであった。 サンプルは最初に平均1.5℃/秒の加熱傾斜で予熱されて80秒後に140℃の温度に達し、その後はサンプルはより徐々に加熱されて開始から210秒後に160℃の温度に達した。 次にサンプルは最初の加熱傾斜約6℃/秒で260℃に加熱されて220秒後に220℃の温度に達し、2℃/秒のより漸進的加熱速度で開始から290秒後に260℃の温度に達した。 その後、サンプルを140℃に20秒間冷却した。 次に10個のサンプルをオーブンから取り出して室温に放冷し、膨れの存在について検査した。 加湿キャビネット内での各条件期間について、膨れの発生を示したサンプルの百分率を評価した。 膨れがあったサンプルの百分率を記録した。

    [線熱膨張率]
    ISO 11359−1/−2に従って測定した。

    [サンプル(DAM)の比誘電率]
    波数3Ghzおよび23℃で、IEC 60250に従って測定した。

    [サンプル(DAM)の絶縁耐力]
    IEC 60243−1に従って測定した。

    [比較トラッキング指数]
    IEC 60112に従って測定した。

    [加熱撓み温度]
    1.8MPaの負荷をかけてISO 75−1/−2に従って測定した。

    全ての化合物は、0.8mm試験バーのためのUL−94−V0に適合した。

    [結果]
    実験結果を表2に示す。

    表2に示されるように、本発明の組成物は、少なくとも必要とされる従来の組成物の加工、電気的、および難燃性特性を保持しながら、低下したAg移行、改善された膨れ抵抗性、寸法安定性、および高温時機械的特性を有するポリアミド組成物を提供することで、従来のポリアミド組成物を使用した開閉装置などの電気的装置のハンダ付けに付随する問題を克服する。

    本発明の組成物は、PA46、PA6T/66、およびPA9Tを含んでなる組成物と比較して低下したAg移行を示す。 ポリアミド組成物の吸水増大に伴ってAg移行が増大することが知られていることを考えると、この結果は意外であった。 この観察は、PA9T(CE−E)が(本発明の組成物中のAg移行よりなおも高いが)最も低いAg移行を有する一方、PA46組成物(CE−B、CE−C)が最も高いAg移行レベルを示した比較サンプルの試験結果と一致する。

    本発明の組成物は、電気装置用途に適したポリアミド組成物に対して改善された膨れ性能を提供することが分かった。 本発明の範囲内の組成物は、JEDEC 2/2a膨れ試験(IPC/JEDEC J−STD−020C 2004年7月)の要件に適合することが分かった。 対照的に比較例は、いずれもこの業界基準に適合できなかった。

    JEDECレベル2は、85℃および85%相対湿度で168時間のサンプル馴化後、リフローハンダ付け条件後に膨れが観察されなければ達成される。

    JEDECレベル2は、30℃および60%相対湿度で696時間のサンプル馴化後、リフローハンダ付け条件後に膨れが観察されなければ達成される。

    比較例の内、ポリアミド9Tベースの組成物を含んだCE−Eは最良の膨れ性能を記録したが、本発明の範囲内の組成物よりもなおかなり低かった。 この所見は、CE−Eのより低い水分吸収に基づいて予期される。 実際、比較例中の膨れの結果から、膨れ性能と水分取り込みレベルの間の相関が明らかになった。

    より少ない水分を吸収するより疎水性の高いポリアミドを製造することを通じて、改善された膨れ性能が達成されるという教示はまた、テレフタル酸と10〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンとを含んでなるジカルボン酸モノマーから誘導される反復単位を含んでなるポリアミド組成物(例えばPA10T)中の改善された膨れ性能を開示する、米国特許公開第6,140,459号明細書および国際公開第2006/135841号パンフレットにも存在する。 したがって本発明の範囲内の実施例が、それらの比較的高い水取り込みにもかかわらず、従来のポリアミドと比較して優れた膨れ性能を有することは驚くべきことである。

    比較の目的で述べると、引用した米国特許公開第6,140,459号明細書では、膨れは40℃、95%RHで96時間の馴化後に、250℃までのピーク温度を適用して試験された。 これらの試験ではPA6T/66は240℃で既に不合格であり、PA6T/D6は210℃にすら合格しなかった。

    比較例とは対照的に、本発明の組成物は、ポリマー流と垂直および平行方向間の線熱膨張率(CLTE)のより低い変動によって例証されるように、等方性挙動を示す。 この低い差違は反りを発生しにくい構成要素をもたらす。 構成要素壁厚が削減される傾向にあるため、この特質はますます重要になっている。 同様の改善はまた、金型収縮性能に関しても観察された。

    同様に荷重たわみ温度(T def )によって測定される高温時剛性は、ハンダ付け工程中に遭遇する高温環境に薄壁構成要素が機械的に耐えられるようにするため、ますます重要な要因になっている。 本発明の組成物は改善された高温時剛性を示し、PA66/6TおよびPA9Tベースの組成物のT とT defの間の約20℃の差と比較して、構成要素部品はそれらの融点の11℃以内の負荷に耐える。


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