疲労特性に優れた準安定オーステナイト系ステンレス鋼帯の製造方法及びその鋼帯 |
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申请号 | JP2008537513 | 申请日 | 2007-09-28 | 公开(公告)号 | JPWO2008041638A1 | 公开(公告)日 | 2010-02-04 |
申请人 | 日鉱金属株式会社; | 发明人 | 郁也 黒▲崎▼; 郁也 黒▲崎▼; | ||||
摘要 | 各種電子機器のスイッチ部分に使用される部品等の繰返しのばね性が必要な部品に好適であり、スイッチ用メタルドーム部品に好適な疲労特性の優れた準安定オーステナイト系ステンレス鋼帯を提供する。平均結晶粒径が5.0μm以下である材料を最終冷間圧延し、製品厚でのマルテンサイト量90%以下とする、引張強さ1200MPa以上の疲労特性に優れた準安定オーステナイト系ステンレス鋼帯の製造方法であり、好ましくは平均結晶粒径が5.0μm以下である材料を冷間圧延し、平均結晶粒径が5.0μm以下となるように再結晶焼鈍した後に最終冷間圧延する製造方法、その方法で得られる準安定オーステナイト系ステンレス鋼帯、並びにそのステンレス鋼帯からなるスイッチ用メタルドーム部品。 | ||||||
权利要求 | 平均結晶粒径が5.0μm以下である材料を最終冷間圧延し、製品厚でのマルテンサイト量90%以下とする、引張強さ1200MPa以上の疲労特性に優れた準安定オーステナイト系ステンレス鋼帯の製造方法。 請求項1の製造方法で得られた準安定オーステナイト系ステンレス鋼帯。 請求項2の準安定オーステナイト系ステンレス鋼帯からなるスイッチ用メタルドーム部品。 |
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说明书全文 | 本発明は、携帯端末や家電製品等のスイッチ部分に使用されるメタルドーム用準安定オーステナイト系ステンレス鋼帯の製造方法及びその鋼帯に関する。 近年、携帯電話、パソコンなどの電子機器の小型化が進展し、電気的接点や接触部分に使用されるスイッチ部分に使用されるメタルドームも小型化が進展している。 たとえ小型化されてもスイッチに求められるクリック感や耐久性が大きく変化することは無いため、結果的にこれら小型化スイッチに使用される材料にかかる応力は上昇している。 従って、小型化スイッチの耐久性、すなわち材料の疲労特性には、より高い性能が要求されている。 良好なクリック感と高い耐久性を同時に満足する材料として、準安定オーステナイト系ステンレス鋼帯であるSUS301ステンレス鋼が多く使用されている。 準安定オーステナイト系ステンレス鋼では、加工によりマルテンサイト変態が起こり、材料中にマルテンサイトが生成することで高強度化し、耐久性が改善される。 一方、準安定オーステナイト系ステンレス鋼は、疲労により発生した亀裂の先端に応力が集中すると、その部分にマルテンサイトが生成して高強度化し、亀裂が進展し難くなり、疲労特性が良好となる性質が知られている。 この準安定オーステナイト系ステンレス鋼のマルテンサイト量を制御する方法としては、圧延速度、圧下量、圧延油温度を調整する圧延方法が特許文献1に開示されている。 また、マルテンサイト量の制御による疲労特性の改善に関しては、板厚方向でのマルテンサイト分布量を制御する方法が特許文献2に開示されている。 更に、これまで挙げた疲労特性に影響する材料因子を含めて、材料の強度と化学成分、加工誘起マルテンサイト量の関係が一定範囲となるように調整して疲労特性を改善した例が見られる(特許文献4)。 越智保雄、「金属疲労の基礎」、材料試験技術、Vol. 48、No. 2、p. 68 横堀武夫監訳、「金属の疲労破壊」、丸善株式会社、1970年6月3日、p. 32−39 以上の知見を基に疲労特性に優れたステンレス鋼帯材料を設計するには、結晶粒径を微細化し、更にマルテンサイト量の発生量をある程度抑えると良いことが予想される。 また、材料の強度と化学成分、加工誘起マルテンサイト量の関係を調整することで、より一層良好な疲労特性が期待できる。 特許文献1では圧延条件の制御によりマルテンサイト量を制御しているが、材料の疲労特性は検討していない。 また、特許文献1に開示された方法を採用した場合、圧延制御に必要な新規設備の導入、あるいは設備改造を伴うため、製造コストの上昇が避けられない。 本発明者らは、材料の疲労特性を改善するために結晶粒径を微細化すると同時にマルテンサイト量発生を抑える方法を種々検討した結果、最終圧延前の平均結晶粒径を5.0μm以下とし、これを圧延して製品厚みとした場合のマルテンサイト量が90%以下とし、製品厚みにおける引張強さが1200MPa以上とすると疲労特性が向上することを見出した。 すなわち、本発明は、 本発明の準安定オーステナイト系ステンレス鋼帯は、各種電子機器のスイッチ部分に使用される部品等の繰返しのばね性が必要な部品に好適であり、スイッチ用メタルドーム部品に好適な疲労特性の優れた材料である。 以下に限定理由を説明する。 (2)マルテンサイト量: (3)引張強さ: SUS301ステンレス鋼(板厚1.5mm、溶体化処理材)を購入し、加工度50%以上で冷間圧延を実施した後、連続焼鈍炉を用いて、炉温度1200℃以下、材料の炉内滞留時間120秒以下として、平均の結晶粒径が5.0μm以下となるように調整する。 更に、この材料を加工度50%以上に冷間圧延し、上記と同様に、平均結晶粒径が5.0μm以下となるように炉温度と炉内滞留時間を調整した炉内で再結晶焼鈍後に、板厚60μmまで最終冷間圧延を実施する。 上記平均結晶粒径が5.0μm以下となる再結晶焼鈍の炉温度及び炉内滞留時間は、例えば板厚0.1mmの場合、950℃〜1050℃で9〜14秒間である。 最終冷間圧延では、平均結晶粒径の大きさにより、圧延加工度を40〜60%、圧延油の温度を40〜60℃の範囲で適当に調整して組み合わせることにより、板厚60μmにおけるマルテンサイト量を90%以下に調整する。 これを供試材として、機械的特性、薄板ベルト寿命試験機を用いた疲労試験、マルテンサイト量の測定を実施した。 これら、材料特性の評価方法について、以下に詳述する。 (1)平均結晶粒径: 発明例を表1に示す。 比較例を表2に示す。 実施例1〜10及び実施例A、Bは、最終圧延前の平均結晶粒径が5.0μm以下、マルテンサイト量が90%以下、引張強さが1200MPa以上であり、メタルドーム加工後の疲労試験で、10個中割れが発生したメタルドームが1個以下であり、疲労特性が良好である。 |