Switch Module

申请号 JP2009238155 申请日 2009-10-15 公开(公告)号 JP5466916B2 公开(公告)日 2014-04-09
申请人 日本メクトロン株式会社; 发明人 和行 尾▲崎▼;
摘要
权利要求
  • キー部に対向して配置されるスイッチモジュールであって、
    前記キー部と対向して配置される基板と、
    前記基板上において前記キー部と対向する側に形成される配線と、
    前記基板上において前記キー部と対向する側に設けられる電極と、
    前記基板上において前記配線の一部と接触していると共に、変形することで前記電極に接触可能な導電性を有するスイッチ部材と、
    光を射出する光源素子と、を備え、
    前記キー部が前記スイッチ部材に圧接し、前記スイッチ部材が変形して前記電極に接触することによって、前記電極と前記配線とが電気的に接続されるスイッチモジュールにおいて、
    前記基板が透明な材料によって形成されており、
    前記光源素子から射出され、前記基板内において前記基板の厚さ方向に直交する方向に導かれる光が、前記基板に設けられた反射部によって前記キー部の方向へ反射されるように構成されて おり、
    前記基板は可撓性を有し、
    前記配線は印刷方式によって前記基板上に形成される透明な配線であり、
    前記配線が透明な保護部材によって覆われていることを特徴とするスイッチモジュール。
  • 前記スイッチ部材が、前記配線の一部と接続する透明な配線が形成された、変形可能な透明部材によって形成されていることを特徴とする請求項 1に記載のスイッチモジュール。
  • 前記基板上において、
    少なくとも前記スイッチ部材は、前記キー部に対向する側が透明な保護部材によって覆われていることを特徴とする請求項1 又は2に記載のスイッチモジュール。
  • 前記光源素子は、
    前記基板の表面から前記基板の厚さ方向に向けて光を射出すると共に、
    前記基板には、
    前記光源素子から射出された光を前記基板の厚さ方向に直交する方向に反射させる反射加工が施されていることを特徴とする請求項1乃至 のいずれか1項に記載のスイッチモジュール。
  • 前記光源素子が、
    前記基板とは別の基板に設けられていることを特徴とする請求項1乃至 のいずれか1項に記載のスイッチモジュール。
  • 说明书全文

    本発明は、携帯電話、ノートPC等の携帯機器のキー部に用いられるスイッチモジュールに関する。

    近年、携帯電話、ノートPCをはじめとする携帯機器には、キー部の裏側に対向配置されているスイッチモジュールの基板に、光源素子としてLED(Light Emitting Diode)が設けられた構成が多く見られる。 このように、スイッチモジュールの基板にLEDを設けることで、スイッチモジュール側からキー部の必要箇所に対して好適に光を照射することが可能になる。 さらに近年では、キー部とスイッチモジュールの基板との間に導光板を設け、LEDから射出された光を導光板に導くことにより、複数のキー部に対して好適に光を照射する構成が提案されている。 かかる構成によれば、LEDと導光板とを組み合わせることで、LEDの個数を減らすことができるので、製造コスト、及び消費電の低減を達成することが可能になる。

    ここで図4を参照して、LEDと導光板とを組み合わせた従来のスイッチモジュールの概略構成について説明する。 図4(a)は、従来のスイッチモジュールの概略断面図であり、図4(b)は、変形可能に構成されたスイッチ部材102の動作を示す概略図である。 図示するように、従来のスイッチモジュールには、キー部110と対向する位置に基板100が設けられており、基板100には、配線101、電極103、及び電極103を覆うスイッチ部材としての金属ドーム102が設けられている。

    また、金属ドーム102の表面には、金属ドーム102を機械的に保護する保護部材としてのドームシート105が設けられており、ドームシート105とキー部110との間には、LED120から射出された光を導く導光板104が設けられている。 なお、導光板104は、アクリル、ポリカーボネイト、またはシリコンゴムによって形成され、光をキー部110の方向へ反射する部分には、印刷ドット、熱処理、または切削加工等によって凹凸(反射部)が形成されている。

    かかる構成によれば、キー部110が図4(a)における下方に移動し、キートップ1
    10aが導光板104、及びドームシート105を挟んだ状態で金属ドーム102に圧接することにより、金属ドーム102が変形して金属ドーム102の一部が電極に接触する。 これにより、金属ドーム102を介して、配線101と電極103とが電気的に接続することになる。 この状態を図4(b)に示す。 なお、図4(b)では、金属ドーム102の動作をわかりやすく説明するために、導光板104、ドームシート105は省略している。

    特開2007−324100号公報

    特開2008−181862号公報

    実開平03−117275号公報

    特開2004−022378号公報

    液晶ディスプレイバックライト(P57〜P68)」 サイエンス&テクノロジー株式会社 発行 Ralph Paetzold et al. ,APPLIED PHYSICS LETTERS Vol.82, Number 19.

    しかしながら、従来のスイッチモジュールでは以下の課題がある。

    <課題1:薄型化の困難性>
    近年、携帯機器の薄型化、デザイン性の向上への要求がますます高まっている。 かかる要求に応えるためには、スイッチモジュールを薄型化することが必要になる。 しかし、上述した従来のスイッチモジュールの構成では、キー部110と基板100との間に導光板104、及びドームシート105が設けられているので、スイッチモジュールを薄型化することが困難である。

    <課題2:不十分なクリック感>
    一般的に、キー部を有する携帯機器に対しては、キー部が十分なクリック感を有していることが要求される。 クリック感の感度は、「クリック率(%)」によって数値化することができる。 すなわち、「クリック率(%)」が大きいほど、十分なクリック感が得られているものとする。 図3(b)に「クリック率(%)」の定義を示す。 キー部を押し込んでいくと(キー部のストロークが増加すると)、スイッチ部材を変形させるべく、キー部に対する荷重も増えていき、荷重がある値になった時に、スイッチ部材が変形し始める。
    この時の荷重をF1とする。 荷重がF1になると、その後はスイッチ部材が変形しながらキー部が移動することになるので、キー部のストロークが増加するに従い、荷重も減少する。 この時の最小の荷重をF2とする。 そしてここで挙げたF1、F2を用いて、「クリック率(%)=(F1−F2)/F1×100」と定義する。

    上述した従来のスイッチモジュールの構成では、キー部110と基板100との間に導光板104、及びドームシート105が設けられているので、その分、「クリック率(%)」が低下し、十分なクリック感を得ることができない。 よって、ユーザの誤操作、操作性の低下を引き起こしてしまう。

    <課題3:コストの増大>
    上述した従来のスイッチモジュールの構成では、LED120から射出された光を導くための導光板104が必要になるので、スイッチモジュールの構成部品が多くなり、また、組み立ての工程が複雑になる。 その結果、製造コストの増大につながってしまう。 また、上述したクリック感の課題に対応すべく、例えば導光板104、金属ドーム102の表面に突起を設けるといった対策も考えられるが、この場合も、突起を設けるための特殊な加工が必要となるので、製造コストの増大につながってしまう。

    なお、関連した技術が特許文献1〜特許文献4、及び非特許文献1、2に開示されているが、ここで開示されているいずれの従来技術によっても、上記課題を解決することは出来ない。 例えば特許文献3には、照明表示部を具備したメンブレンスイッチの構成が開示されているが、上述した金属ドームに相当する部材が設けられていないので、十分なクリック感を得ることが出来ない。 また、電気回路部品を透明樹脂等でインサート成型する手法であるので、スイッチモジュールを薄型化することが難しい。 また、特許文献4には、光透過性を有する透明FPC(Flexible Printed Circuit)を用いて、ポリドームシートを有するメンブレンスイッチを構成する技術が開示されているが、導光板をスイッチシートの下側に備えているので、スイッチモジュールを薄型化することは出来ない。

    そこで本発明は、光源素子を備えたスイッチモジュールにおいて、製造コストを抑えつつ、薄型化、及び十分なクリック感を達成することが可能であると共に、キー部を好適に照射することが可能なスイッチモジュールを提供することを目的とする。

    上記目的を達成するために本発明にあっては、
    キー部に対向して配置されるスイッチモジュールであって、
    前記キー部と対向して配置される基板と、
    前記基板上において前記キー部と対向する側に形成される配線と、
    前記基板上において前記キー部と対向する側に設けられる電極と、
    前記基板上において前記配線の一部と接触していると共に、変形することで前記電極に接触可能な導電性を有するスイッチ部材と、
    光を射出する光源素子と、を備え、
    前記キー部が前記スイッチ部材に圧接し、前記スイッチ部材が変形して前記電極に接触することによって、前記電極と前記配線とが電気的に接続されるスイッチモジュールにおいて、
    前記基板が透明な材料によって形成されており、
    前記光源素子から射出され、前記基板内において前記基板の厚さ方向に直交する方向に導かれる光が、前記基板に設けられた反射部によって前記キー部の方向へ反射されるように構成されており、
    前記基板は可撓性を有し、
    前記配線は印刷方式によって前記基板上に形成される透明な配線であり、
    前記配線が透明な保護部材によって覆われていることを特徴とする。

    かかる構成によると、基板が透明な材料によって形成されているので、光源素子から射出された光を基板内において基板の厚さ方向と直交する方向に導いた後に、光をキー部の方向へ反射させることが可能になる。 従って、キー部と基板との間において、光を導くための導光板を設ける必要がないので、スイッチモジュールの薄型化、及び製造コストの低減を達成することが可能になる。

    また、導光板を設ける構成と比較すると、キー部と基板との間に介在する構成部品が少なくなるので、クリック感を向上させることが可能になる。

    また、基板が可撓性を有しているので、キー部が繰り返しスイッチ部材に圧接することに伴って基板が変形、損傷することを防止でき、スイッチモジュールの耐久性を向上させることが可能になる。 また、配線が透明であるので、基板から反射された光が配線によって遮られることがない。 よって、光量の低下を招くことなく、キー部を好適に照射することが可能になると共に、光源素子の数を抑制することが出来るので、製造コスト、消費電力の低減を達成することが可能になる。

    さらに、可撓性を有する基板上において、印刷方式によって透明な配線が形成されているので、配線の柔軟性が向上し、基板が撓み変形する場合であっても、配線の破断、剥離が生じる虞がない。 また、比較的安価な加工方法である印刷方式によって配線を形成するので、製造コストのさらなる低減を達成することが可能になる。

    また、基板上において、前記配線が透明な保護部材によって覆われているので、保護部材によって配線を接触、衝撃等から機械的に保護することができ、スイッチモジュールの耐久性が向上する。

    また、保護部材が透明であるので、基板から反射された光が保護部材によって遮られる虞がない。 よって、光量の低下を招くことなく、キー部を好適に照射することが可能になると共に、光源素子の数を抑制することが出来るので、製造コスト、消費電力の低減を達成することが可能になる。

    また、前記スイッチ部材が、前記配線の一部と接続する透明な配線が形成された、変形可能な透明部材によって形成されていることを特徴とする。

    かかる構成によると、スイッチ部材、及びスイッチ部材に形成されている配線が透明であるので、基板から反射された光がスイッチ部材によって遮られることない。 よって、光量の低下を招くことなく、キー部を好適に照射することが可能になると共に、光源素子の数を抑制することが出来るので、製造コスト、消費電力の低減を達成することが可能になる。

    また、前記基板上において、少なくとも前記スイッチ部材は、前記キー部に対向する側が透明な保護部材によって覆われていることを特徴とする。

    かかる構成によると、キー部と圧接して変形するスイッチ部材を機械的に保護することが可能になる。 よって、スイッチモジュールの耐久性が向上する。 また、保護部材が透明であるので、基板から反射された光が保護部材によって遮られる虞がない。 よって、光量の低下を招くことなく、キー部を好適に照射することが可能になると共に、光源素子の数を抑制することが出来るので、製造コスト、消費電力の低減を達成することが可能になる。 なお、この保護部材は、スイッチ部材のみならず、基板上においてキー部に対向する側の全面を覆う構成であってもよい。 これにより、スイッチモジュールの耐久性をより一層高めることが可能になる。

    また、前記光源素子は、前記基板の表面から前記基板の厚さ方向に向けて光を射出すると共に、前記基板には、前記光源素子から射出された光を前記基板の厚さ方向に直交する方向に反射させる反射加工が施されていることを特徴とする。

    かかる構成によると、光源素子から射出された光を効率よく基板内に導くことが可能になる。 例えば、基板の側面から(幅方向に直交する方向から)光を基板内に導く場合は、基板と光源素子との相対位置、または基板の厚さによっては、光源素子から射出された光が全て基板内に入るとは限られず、光の入射効率(射出された光に対する基板内に入射した光の割合)が低下する虞がある。 これに対して上記構成によると、光源素子から射出された光を、一旦基板の表面から入射させた後、基板内において光の進行方向を変えているので、光を効率よく基板内に導くことができ、製造コスト、消費電力の低減を達成することが可能になる。

    また、前記光源素子が、前記基板とは別の基板に設けられていることを特徴とする。

    かかる構成によると、スイッチモジュールの組み立て時に、光源素子と基板との相対位置を容易に調整することが可能になる。 よって、実装公差による歩留まり低下を吸収することが可能になるので、製造コストの低減を達成することが可能になる。

    以上説明したように、本発明によれば、光源素子を備えたスイッチモジュールにおいて、製造コストを抑えつつ、薄型化、及び十分なクリック感を達成することが可能であると共に、キー部を好適に照射することが可能なスイッチモジュールを提供することができる。

    本発明の前提となる形態及び第1実施形態に係るスイッチモジュールの概略断面図。

    本発明の第2、第3実施形態に係るスイッチモジュールの概略断面図。

    本発明の第4実施形態に係るスイッチモジュールの概略断面図、及びクリック率の定義を説明するための図。

    従来のスイッチモジュールの概略断面図。

    以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。 ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。

    [前提形態]
    図1(a)を参照して、本発明の前提となるスイッチモジュールについて説明する。 図1(a)は、本前提形態に係るスイッチモジュールの概略断面図である。

    <1−1:スイッチモジュールの概略構成>
    本前提形態に係るスイッチモジュールは、基板としての透明FPC(Flexible Printed
    Circuit)基板1、光源素子としてのLED20とを備えており、透明FPC基板1は、キー部10に対向して配置されている。 また、透明FPC基板1上には、キー部10と対向する側に、透明導電膜2(配線)、電極4が設けられており、さらに電極4は、透明導電膜2の一部と接触している変形可能な金属ドーム3(導電性を有するスイッチ部材)によって覆われている。 また、少なくとも金属ドーム3の表面は、透明なドームシート5(保護部材)に覆われている。 なお、このドームシート5は、粘着剤によって金属ドーム3に取り付けられている。

    かかる構成によると、キー部10が移動してキートップ10aがドームシート5の上方から金属ドーム3に圧接することにより、金属ドーム3が凹状に変形し、金属ドーム3の内面と電極4とが接触する。 これにより、透明導電膜2と電極4とが電気的に接続された状態となる。 一方、キー部10が元の状態に戻ると、キートップ10aと金属ドーム3との圧接が解除され、金属ドーム3が元の形状に戻る。 これにより、透明導電膜2と電極4との電気的な接続状態が解除される。 金属ドーム3の材料としてはステンレスが用いられているが、変形可能で導電性を有しており、かつ耐久性を満足していれば、他の金属材料であってもよい。 以下、ここで挙げたそれぞれの主要部材について説明する。

    <1−2:透明FPC基板>
    本前提形態では、厚さが約100μm程度のフィルム部材を透明FPC基板1として用いている。 フィルム部材として適用可能な材料としては、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネイト等、透明でかつ可撓性を有する材料が挙げられる。 また、近年では、透明なポリイミドも開発されており、これを適用することも可能である。 製造工程においては、耐熱性、耐久性、及びコスト等に鑑みて、これらの材料を適宜選択するとよい。 なお、ここでいう「透明」とは、必ずしも無色透明を意味するものではなく、所定以上の光透過性を有していれば、有色透明であってもよい。

    このように本前提形態では、スイッチモジュールの基板として、透明FPC基板1を用いているので、基板内に光を導くことが可能である。 すなわち、透明FPC基板1が、基板としての機能のみならず、導光機能をも有しているので、従来のように基板とは別に導光板を設ける必要がない。 よって、透明FPC基板1とキー部10との間に導光板を設ける必要がないので、スイッチモジュールを薄型化することが可能になる。

    また、透明FPC基板1の裏面(キー部10と対向する側とは反対側の面)には、複数の反射部6が形成されている。 これにより、透明FPC基板1内において、基板の厚さ方向と直交する方向(図中矢印方向)に導かれた光が、反射部6においてキー部10の方向へ乱反射されることになる。 なお、ここでいう「直交」とは、厳密な「直交」を意味するものではなく、複数の反射部6が形成されている方向へ光が進む方向であれば、厳密な「直交方向」でなくともよい(以下、略直交とする)。 また、本前提形態では、白色顔料を透明FPC基板1にドット印刷することで反射部6を形成している。 ドット印刷の際にUV硬化インクを用いることにより、乾燥時間を短縮でき、反射部6の形成速度を高めることが可能になる。 なお、反射部6の形成方法はこれに限られるものではない。 例えば、熱処理、または切削加工によって、透明FPC基板1の裏面に凹凸を形成する方法であってもよい。

    さらに本前提形態では、透明FPC基板1の裏面に複数設けられている反射部6において、LED20からの距離が離れるほど、隣り合う反射部6同士の間隔が狭くなるように構成されている。 かかる構成によれば、光の減衰によって光量が少なくなる領域(LED20からの距離が離れている領域)であっても、単位領域あたりの反射部6の個数を増やすことで、十分な光量でキー部10を照射することができる。 すなわち、複数のキー部10に光を照射する必要がある場合であっても、LED20からの距離に依存することなく、これらのキー部10を均一に照射することが可能になる。

    なお、本前提形態では、基板の材料として、可撓性を有する材料を用いているので、キー部10がスイッチモジュールに対して繰り返し圧接する場合にも、透明FPC基板1が撓み変形するので、スイッチモジュールが変形、破損することを防止できる。 しかし、本発明に適用可能な基板は、必ずしも可撓性を有する基板に限られるものではなく、光透過性を有しており、かつ十分な耐久性を備えている材料であれば、可撓性を有さない材料であってもよい

    <1−3:透明導電膜の形成方法>
    本前提形態では、透明FPC基板1上に、配線として透明導電膜2を形成している。 より具体的には、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)に有機材料を混入させることで生成されるペースト状のITOを、印刷方式によって透明FPC基板1に形成することにより、配線としての機能を有する透明導電膜2を形成している。

    なお、配線の形成方法としては、従来よりPET等の透明プラスチック上にITOを成膜し、これを任意の形状にパターンエッチングすることにより基板上に配線を形成する技術が知られている。 しかしこの場合は、基板の曲がり具合によっては、基板の曲げ変形に配線が追従することが出来ず、配線が破断することがある。 また、曲げの曲率が大きい場合でも、基板の曲げ回数が増えると、配線が基板から剥がれてしまうといった課題がある。 つまり、透明な基板を用いたとしても、基板上の配線について、破断、剥離といった課題があるので、従来技術をスイッチモジュールに適用することは出来ない。

    これに対して本前提形態では、印刷方式によって透明FPC基板1上に透明導電膜2を形成し、これを配線として利用している。 発明者らの鋭意検討によれば、このようにして形成した配線は、成膜したITOをパターンエッチングすることによって形成される配線と比較すると、柔軟性を有しており、基板の曲げ変形に対しても追従することが確認されている。 すなわち、本前提形態によれば、透明FPC基板1が曲げ変形することがあっても、透明導電膜2が破断、剥離する可能性が低いので、かかる透明FPC基板1をスイッチモジュールとして適用することが可能になる。 また、パターンエッチング方式と比較すると、印刷方式による配線の形成は、加工コストが低く、環境負荷も低い加工方式といえる。

    透明導電膜2の膜厚は用途に応じて適宜設定すればよい。 つまり、膜厚を厚くすると、透明導電膜2の電気抵抗値は低くなる(電流量が増える)一方で、光透過性は低くなる。 逆に、膜厚を薄くすると、透明導電膜2の電気抵抗値は高くなる(電流量が減る)一方で、光透過性は高くなる。 すなわち、基板上の回路に流れる電流量を重視する場合は、膜厚を厚くすればよい。 また、光透過性を重視する場合は、膜厚を薄くすればよい。

    このように、本前提形態によれば、配線が透明であるので、LED20から射出され、反射部6によって反射された光が、配線部分で遮光される虞がないので、LED20の数を減らしても好適にキー部10を照射でき、消費電力を抑えることが可能になる。 なお、本前提形態では、透明導電膜2を配線として用いているが、本発明に適用可能な配線の形態はこれに限られるものではない。 すなわち、従来から用いられている銅箔等を配線として適用してもよい。 この場合は、透明導電膜2と比較すると光の透過量が減少するが、配線の位置、細さ等を工夫することで、満足のいく照射レベルでキー部10を照射することが可能になる。 なお、本前提形態における電極4を、上述した透明導電膜によって形成することも可能である。

    <1−4:LED>
    本前提形態では、光源素子としてLED20を用いている。 LED20は、透明FPC基板1の端部付近に設けられており、透明FPC基板1の表面から基板の厚さ方向に向けて光を射出している。 このようにして透明FPC基板1内に入射した光は、透明FPC基板1内においてミラー加工(反射加工)が施された部分において反射され、透明FPC基板1の厚さと略直交する方向に導かれていく。 かかる構成によると、LED20から射出された光を、ほぼ全て透明FPC基板1内に入射させることができるので、LED20を透明FPC基板1に対して比較的ラフに位置決めすることができ、製造コストを低減させることができる。 なお、本前提形態では、図示するようにLED20を1つ設ける構成であるが、LED20の数はこれに限られるものではない。 また、ここではLED20が透明FPC基板1の表面から基板の厚さ方向に向けて光を射出している場合について説明したが、LED20の配置はこれに限られるものではなく、透明FPC基板1に対して精度よく位置決めされていれば、透明FPC基板1の側面から光を入射させる配置であってもよい。

    <1−5:クリック率の比較>
    本前提形態によれば、透明FPC基板1が導光機能を有しているので、従来のように、基板とキー部との間に導光板を介在させる必要がない。 よって、従来の構成と比較すると、キー部を押圧した時のクリック感を向上させることができる。 ここで下表において、(a)金属ドームとキートップとの間に何も介在させない場合、b)従来構造(導光板とドームシートとが介在している場合)、c)本前提形態の構造(ドームシート5のみ介在している場合)、のそれぞれについて、上述した「クリック率」を測定した結果を示す。
    (表1:クリック率の測定結果)


    このように本前提形態によると、図4(a)に示す従来構造と比較して、基板とキー部との間に導光板を介在させていないので、クリック率を向上させることができる。 すなわち、特別な加工を必要とせず、十分なクリック感を実現することができる。

    <1−6:本前提形態の効果>
    以上より、本前提形態に係るスイッチモジュールによれば、基板として透明FPC基板1を用いているため、透明FPC基板1内にLED20から射出された光を導くことができ、基板とキー部との間に導光板を設ける必要がない。 よって、キーモジュールを薄型化することができると共に、十分なクリック感を達成することができる。

    また、透明FPC基板1上の配線が、印刷方式によって形成された透明導電膜2によって形成されており、ドームシート5も透明であるので、LED20の数を少なくしてもキー部10を好適に照射することが可能であり、製造コスト、及び消費電力の低減を達成することができる。

    また、LED20は透明FPC基板1の表面から基板の厚さ方向に向けて光を射出しており、透明FPC基板1内に入射した光は、透明FPC基板1内においてミラー加工(反射加工)が施された部分において反射され、透明FPC基板1の厚さと直交する方向に導かれていくので、LED20から射出された光をほぼ全て透明FPC基板1内に入射させることができ、キー部10を好適に照射することができる。

    このように、本前提形態によれば、LEDを備えたスイッチモジュールにおいて、製造コストを抑えつつ、薄型化、及び十分なクリック感を達成することが可能であると共に、キー部を好適に照射することが可能なスイッチモジュールを提供することができる。

    [第1実施形態]
    図1(b)を参照して、本発明の第1実施形態に係るスイッチモジュールについて説明する。 図1(b)は、本実施形態に係るスイッチモジュールの概略断面図である。 なお、ここでは上記前提形態と同一の構成については説明を省略する。

    <2−1:配線を保護する透明保護膜>
    本実施形態では、透明導電膜2の表面を透明保護膜2a(透明な保護部材)によって覆っている点が特徴である。 透明保護膜2aは、透明度の高い絶縁材料に対してラミネート、転写、印刷等の加工を施すことによって、透明導電膜2上に形成されるものである。 かかる構成によれば、透明導電膜2を接触、衝撃等から機械的に保護することができ、スイッチモジュールの耐久性が向上する。

    また、保護膜2aが透明であるので、反射部6から反射された光が透明保護膜2aによって遮られることがない。 よって、光量の低下を招くことなく、キー部を好適に照射することが可能になると共に、LED20の数を抑制することが出来るので、製造コスト、消費電力の低減を達成することが可能になる。

    このように、本実施形態によれば、LEDを備えたスイッチモジュールにおいて、製造コストを抑えつつ、薄型化、及び十分なクリック感を達成することが可能であると共に、キー部を好適に照射することが可能なスイッチモジュールを提供することができる。

    [第2実施形態]
    図2(a)を参照して、本発明の第2実施形態に係るスイッチモジュールについて説明する。 図2(a)は、本実施形態に係るスイッチモジュールの概略断面図である。 なお、ここでは上記前提形態、第1実施形態と同一の構成については説明を省略する。

    <3−1:透明導電膜によるジャンパー接続>
    本実施形態では、配線としての透明導電膜2が透明FPC基板1上においてジャンパー接続されている点が特徴である。 図2(a)には、透明導電膜2を透明保護膜2aによって全て覆わず、部分的に形成された透明導電膜2の開口部分を、透明導電膜によるジャンパー接続2bによって電気的に接続している状態を示している。

    かかる構成によれば、2層配線など、複雑な配線を要する場合であっても、配線同士を透明導電膜によって接続することで対処できる。 なお、2層配線とすることにより部分的に照射光量が減少する場合もあるが、一般的に2層配線の配線面積は微小であるので、スイッチモジュール全体としての照射光量は満足のいくレベルを維持できる。

    なお、従来より、基板にスルーホールを開けて両面構造を形成することで、2層配線を実現する技術が知られているが、加工、接続信頼性の観点では、上述したジャンパー接続の方が望ましい。

    このように、本実施形態によれば、LEDを備えたスイッチモジュールにおいて、製造コストを抑えつつ、薄型化、及び十分なクリック感を達成することが可能であると共に、キー部を好適に照射することが可能なスイッチモジュールを提供することができる。

    [第3実施形態]
    図2(b)を参照して、本発明の第3実施形態に係るスイッチモジュールについて説明する。 図2(b)は、本実施形態に係るスイッチモジュールの概略断面図である。 なお、ここでは上記前提形態〜第2実施形態と同一の構成については説明を省略する。

    <4−1:ポリドームの適用>
    上記前提形態〜第2実施形態では、変形可能であって、かつ導電性を有するスイッチ部材として「金属ドーム」を用いた形態について説明した。 これに対して本実施形態では、透明な配線が形成された、透明なポリドーム(透明部材)によってスイッチ部材を構成している点を特徴とする。

    かかる構成によれば、金属ドームを用いる場合と比較すると、光の透過性が格段に向上するので、LED20の数を増やすことなく、キー部10への照射光量を増加させることができる。 よって、光量の低下を招くことなく、キー部10を好適に照射することが可能になると共に、LED20の数を抑制することが出来るので、製造コスト、消費電力の低減を達成することが可能になる。

    ポリドーム3は、透明性と機械強度の観点から、PET(ポリエチレンテレフタラート)、ポリカーボネイト等で形成するとよい。 また、ポリドーム3の全面には、透明な配線として、上述した透明導電膜が形成されるとよい。

    このように、本実施形態によれば、LEDを備えたスイッチモジュールにおいて、製造コストを抑えつつ、薄型化、及び十分なクリック感を達成することが可能であると共に、キー部を好適に照射することが可能なスイッチモジュールを提供することができる。

    [第4実施形態]
    図3(a)を参照して、本発明の第4実施形態に係るスイッチモジュールについて説明する。 図3(a)は、本実施形態に係るスイッチモジュールの概略断面図である。 なお、ここでは上記前提形態〜第3実施形態と同一の構成については説明を省略する。

    <5−1:LED20を別基板上に形成>
    上記前提形態〜第3実施形態では、LED20を、反射部6、透明導電膜2、金属ドーム3(又はポリドーム3)等が形成されている透明FPC基板1上に配置した場合について説明した。 しかしながら、LED20を透明FPC基板1とは別の基板上に配置する構成であってもよい。

    かかる構成によると、高い位置決め精度が要求されるLED20を透明FPC基板1とは別の基板とすることで、携帯機器の組み立て時にLED20の位置調整を容易に行うことが可能になる。 よって、実装公差によるバラツキや歩留まりの低下を吸収でき、製造コストの低減を達成することができる。 なお、LED20が配置される別基板は、透明基板でなくともよい。

    このように、本実施形態によれば、LEDを備えたスイッチモジュールにおいて、製造コストを抑えつつ、薄型化、及び十分なクリック感を達成することが可能であると共に、キー部を好適に照射することが可能なスイッチモジュールを提供することができる。

    1…透明FPC基板 2…透明導電膜 3…金属ドーム 4…電極 5…ドームシート 6…反射部 10…キー部 20…LED

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