押釦スイッチ用部材及びその製造方法

申请号 JP2003531488 申请日 2002-09-04 公开(公告)号 JPWO2003028054A1 公开(公告)日 2005-01-13
申请人 信越ポリマー株式会社; 发明人 幹男 清澤; 幹男 清澤; 川村 崇; 崇 川村;
摘要 対向電極4との 接触 面を構成する金属体7からなる可動接点を備えた押釦スイッチ用部材において、接触面には高さ方向の多数の孔6が設けられており、該孔6の中に可撓性樹脂からなる充填材8を充填した。
权利要求
  • 対向電極との接触面を構成する金属体からなる可動接点を備えたスイッチ用部材であって、前記接触面には高さ方向の多数の孔が設けられており、該孔の中に可撓性樹脂からなる充填材が充填されていることを特徴とする押釦スイッチ用部材。
  • 前記充填材は前記金属体の全高に渡って充填されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の押釦スイッチ用部材。
  • 前記金属体は同一断面形状の複数の貫通孔からなる略蜂の巣状の稠密構造をしていることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の押釦スイッチ用部材。
  • 対向電極との接触面を構成する金属体からなる可動接点を備えた押釦スイッチ用部材の製造方法であって、高さ方向に貫通した多数の貫通孔を有する前記金属体を形成する工程と、該金属体の一端面側に可撓性樹脂シートからなる充填材を配置して前記金属体の高さ方向に加圧することにより該充填材を前記貫通孔の全高に渡って充填した金属体母材を成形する工程と、該金属体母材を所定の形状に打ち抜いて接点構造体を形成する工程と、該接点構造体をキーパッドと接合する工程と備えたことを特徴とする押釦スイッチ用部材の製造方法。
  • 说明书全文

    技術分野この発明は、対向電極と接触する金属体を備えた押釦スイッチ用部材に関し、特に対向電極との間に絶縁性の微小な異物が存在しても導電障害を起こし難い押釦スイッチ用部材とその製造方法に関する。
    背景技術パワーウインドウ、ドアミラー等に使用される押釦スイッチでは、100〜500mA程度の高電流が通電されるため、押釦スイッチ用部材として板状の金属体が使用されている。 また、ノーマリークローズドタイプ接点においては、押釦スイッチ用部材が対向電極に密着して離れなくなる、所謂、スティッキング現象の防止のため、押釦スイッチ用部材として板状の金属体が使用されている。
    第7図に、このような高電流にも耐え得る押釦スイッチの断面を模式的に示す。
    図において、1は板状の金属からなる接点構造体であり、外部から押圧操作可能なシリコーンゴム等の樹脂からなるキーパッド2に、固定基板3の対向電極4と接触可能に対向して一体化され可動接点を構成している。
    従来、この接点構造体1として、洋白(German Metal)シートに金メッキを施して所定の形状に打ち抜いた金属板が多用されている。 このような接点構造体1を対向電極4に接触させた際、良電導性の金属板が対向電極4と接触して電流が流れるので高電流を通電することができ、金属板の強度により押釦Bを繰り返し打鍵しても接点構造体1が破断され難く耐久性をも有している。
    しかしながら、このような板状の金属からなる接点構造体1では、金属板の強度が高くて変形し難いため、第8図に示すように、塵や埃等の絶縁性の微小な異物5がスイッチ内に入り込んで接点構造体1と対向電極4との間に付着すると、接点構造体1を対向電極4に接触させた際、金属板が異物の形状に応じて変形することができず、広い範囲で間隙5aが生じてしまい、そのため接触面積が大幅に減少して、押釦スイッチの導電障害を生じ易いといった問題点があった。
    発明の開示そこで、この発明では、可動接点を構成する接点構造体と対向電極との間に絶縁性の異物が存在しても接触面積が減少し難く、しかも耐久性を有する押釦スイッチ用部材を提供することと、このような押釦スイッチ用部材を容易に製造できる製造方法を提案することとを課題とする。
    かかる課題を解決するために、第1の発明は、対向電極との接触面を構成する金属体からなる可動接点を備えたスイッチ用部材であって、前記接触面には高さ方向の多数の孔が設けられており、該孔の中に可撓性樹脂からなる充填材が充填されていることを特徴としている。
    これによれば、対向電極に押釦スイッチ用部材を接触させた際、対向電極と接点構造体の接触面の孔に絶縁性異物が存在しても、孔の断面積より小さい絶縁性異物が孔に入り込むことができ、接触面となる金属体の孔周囲の金属壁の端部と対向電極との接触面積を減少させることがなく、また、隣接する孔同士を仕切る金属壁の端部に絶縁性異物が存在していても、金属体に多数の孔が設けられているために変形が容易であるため、金属体が絶縁性異物に応じて局部的に変形することができ、接触面積を大幅に減少させることがない。 そのため、押釦スイッチ用部材と対向電極との間に孔の断面積より小さい絶縁性異物が存在しても、接触面積を確保することができるので導電障害を起こし難い。 しかも、金属体の金属壁の端部が局部的に変形し易くても、高さ方向に配向した多数の孔周囲の金属壁は立体的な構造であるため金属体全体としての強度を確保することができ、これにより耐久性を確保することができる。
    また、孔内に可撓性樹脂からなる充填材が充填されているので、隣接する孔同士の金属壁を充填材で補強することができ、しかも、この充填材が可撓性樹脂であるため金属体の局部的な変形を妨げることがない。 そのため、薄肉の金属壁であっても繰り返し局部的な変形を受けても破壊され難く、耐久性を向上することができる。
    第2の発明は、第1の発明の構成に加えて、前記充填材は前記金属体の全高に渡って充填されていることを特徴としている。
    これによれば、充填材の端部が金属壁の端部と同一平面となり、金属壁が全て充填材で補強されるため、優れた耐久性が得られる。 しかも、絶縁性異物が孔に入り込んだとしても、充填材の端部の弾性復元により、押釦スイッチ用部材が対向電極から遠ざかる際に、絶縁性異物を孔から容易に離脱させることができるので、常に正常な状態で繰り返し使用が可能となる。
    第3の発明は、第1又は2の発明の構成に加えて、前記金属体は同一断面形状の複数の貫通孔からなる略蜂の巣状の稠密構造をしていることを特徴としている。
    これによれば、第1又は2の発明の効果に加えて、金属体全体の高さ方向の強度が高く、隣接する貫通孔同士の金属壁をより薄くすることが可能であるため、耐久性を維持しつつ金属壁の端部の柔軟性をより向上することができる。
    第4の発明は、対向電極との接触面を構成する金属体からなる可動接点を備えた押釦スイッチ用部材の製造方法であって、高さ方向に貫通した多数の貫通孔を有する前記金属体を形成する工程と、該金属体の一端面側に可撓性樹脂シートからなる充填材を配置して前記金属体の高さ方向に加圧することにより該充填材を前記貫通孔の全高に渡って充填した金属体母材を成形する工程と、該金属体母材を所定の形状に打ち抜いて接点構造体を形成する工程と、該接点構造体をキーパッドと接合する工程と備えたことを特徴としている。
    これによれば、多数の貫通孔が設けられて変形し易くなっている金属体が、充填材で補強されているため、打ち抜き時やその後の工程で金属体の変形を防止することができ、製造中に接触面の平面度を損ねることを防止できる。 したがって、押釦スイッチ用部材の製造が容易となる。
    発明を実施するための最良の形態以下、この発明の実施の形態を図を用いて説明する。
    この発明の実施の形態に係る押釦スイッチ用部材の接点構造体を第1図及び第2図に示す。 なお、キーパッドに装着した状態は、第8図と同様になる。
    第1図は、接点構造体の金属体の平面図である。 第2図は、押釦スイッチ用部材の接点構造体の要部縦断面図である。
    この接点構造体1は、高さ方向に貫通する同一断面形状の多数の貫通孔6を備えた略蜂の巣状の稠密構造である金属体7と、この金属体7の貫通孔6内にキーパッド2側から充填されたシリコーンゴム等の可撓性樹脂からなる充填材8とを有している。 ここでは、充填材8の端部8aが金属体7の高さ方向の一方の端部7aと同一平面となるように配置されていて、端部7aの外表面には充填材8が存在せず、対向電極4との接触面となっている。 一方、金属体7の他端部7bには、充填材8が存在していてよく、この他端7bに存在する充填材8を介してキーパッド2と接合されている。
    なお、金属体7の略蜂の巣状の稠密構造とは、第3図に示したように、例えば金属体7の高さより薄い略均一高さの金属壁7cを介して隣接する貫通孔6が密集して設けられた構造をいう。 つまり、貫通孔6の断面形状は蜂の巣と同じ六形である必要はなく、三角形、五角形、八角形等の多角形形状であってもよく、また円形であってもよい。 隣接する貫通孔6同士の境となる金属壁7cは全て繋がっており、それらの金属壁7cを均一な肉厚とするには、三角形、四角形、六角形の中から選択すればよい。
    このような構成の接点構造体1では、キーパッド2を押圧して対向電極4に当接させれば、金属体7の一方の端部7aが対向電極4に接触して通電可能となる。
    このとき、接点構造体1や対向電極4に貫通孔6の断面積より小さな微小な絶縁性異物5が付着していると、接触時に接点構造体1と対向電極4間に挟まれる。 第4図では絶縁性異物5が充填材8の端部8aとの間に挟まれ、第5図では絶縁性異物5が金属体7の端部7aとの間に挟まれている状態を示している。
    第4図に示したように、充填材8の端部8aとの間に挟まれた場合、この接点構造体1では絶縁性異物5によって充填材8が変形して、貫通孔6内に入り込むため、金属体7の端部7aと対向電極4との接触面積が減少することがない。
    また、第5図に示したように、金属体7の端部7aとの間に挟まれた場合、金属体7の金属壁7cが薄肉であり、しかも、貫通孔6を介して離間した状態で配列されているため、一部の金属壁7cを変形させることが容易で、絶縁性異物5の形状に応じて金属体7が局部的に変形することができる。 そのため、絶縁性異物5が存在しても金属体7の端部7aと対向電極4との接触面積を大幅に減少させることがない。 この傾向は、貫通孔6の断面積より僅かに大きい絶縁性異物5であっても同じである。
    すなわち、この接点構造体1によれば、スイッチ内に侵入した塵や埃等の絶縁性異物5が対向電極4と押釦スイッチ用部材1との間に存在しても、金属体7の端部7aに多数の貫通孔6が設けられているため、絶縁性異物5が多数の貫通孔6に入り込んだり、絶縁性異物5に応じて金属体7が局部的に変形して接触面積の減少を抑えることができるので、導電障害を生じ難い。
    しかも、単に金属体7を薄く形成したものと異なり、高さ方向に配向した多数の貫通孔6により金属壁7cを立体的な構造にしているため、金属体7全体の強度を確保することができ、そのため耐久性が低下し難い。
    さらに、多数の貫通孔6内に充填材8が充填されているため、金属壁7cが薄肉に形成されていても充填材8で補強することができ、しかも、この充填材8が可撓性樹脂であるため金属体7の局部的な変形を妨げることがない。 そのため、薄肉の金属壁7cが繰り返し局部的な変形を受けることができ、耐久性が維持されている。
    充填材8の充填量は、少なくとも金属体7の高さの1/2以上とすれば補強による効果が得られて好ましく、特に貫通孔6の全高に渡って充填し端部8aが金属壁7cの端部7aと同一平面となるようにすれば、金属壁7cが全て充填材8で補強されるため、優れた耐久性が得られる。 しかも、絶縁性異物5が貫通孔6に入り込んだとしても、充填材8の端部8aの弾性復元力により、接点構造体1が対向電極4から遠ざかる際に、絶縁性異物5を貫通孔6から容易に離脱させることができるので、常に正常な状態で繰り返し使用が可能となる。
    また、金属体7が略蜂の巣状の稠密構造を有するため、金属体7全体の高さ方向の機械的強度が高く、金属体7の端部7aのどの部位においても、金属壁7cの肉厚を薄くすることが可能であり、金属体7の耐久性を維持しつつ接触面をより柔軟にしている。
    さらに、金属体7がシート状体に多数の貫通孔4を設けたものであるので、接触面となる金属体7の金属壁7cの端部7aが平面状になっているため、金属壁7cの肉厚と同程度の線径を有する縦線と横線とで編み込んだような金属メッシュのように飛び飛びに対向電極4に点接触するものに比べて接触面積を大きくすることができると共に、接触面との圧力や金属壁7cに負荷される応力が均一となるため、繰り返し使用時に疲労し難く、耐久性を維持できる。
    なお、図示した実施の形態では、金属体7には高さ方向に貫通する貫通孔6を設けているが、金属体7の接触面には少なくとも接触面から高さ方向に向かう孔があればよく、この孔は必ずしも金属体7の高さ方向に貫通している必要はない。 つまり、孔より小さい形状をした絶縁性異物5がその接触面に付着したとしても、その絶縁性異物5は金属体7の接触面に設けた孔に入り込むため、金属体7の端部7aと対向電極4との接触面積が減少することがないので、導電性能を低下させることはないといえる。
    次に、このような接点構造体1を採用した押釦スイッチ用部材1の製造方法について説明する。
    第1図に示したような接点構造体1を製造するには、まず、第6a図に示したように、金属シートをエッチング処理する等の方法で高さ方向に貫通した多数の貫通孔6を形成し、略蜂の巣状の稠密構造を有する金属体シート11を得る。 この金属体シート11にプライマー処理を施し、第6b図に示したように、一方側の面にシリコーンゴムからなる充填材シート12を積層する。 次に、この充填材シート12を所定の金型により高さ方向に加圧すると共に加熱して一体成形することにより、第6c図に示したように、多数の貫通孔6の全高に渡って充填材8を充填した金属体母材Hを得る。 このとき、金属体母材Hの一方側の面には充填材8が残り、他方側の面には充填材8が存在しないようにする。 そして、これを所定の形状に打ち抜くことにより、第1図に示すような接点構造体1を得る。
    なお、このようにして得られた接点構造体1の充填材8が存在している面にシリコーンゴムを用いたキーパッド2を接合すれば、充填材8とキーパッド2とが同じ材質となるから、容易にこれらを一体化した押釦スイッチ用部材Pが完成できる。
    このようにして接点構造体1を製造すれば、高さ方向に貫通した貫通孔6を有する金属体シート11に充填材シート12を配置して高さ方向に加圧することにより成形するため、多数の貫通孔6内に充填材8を充填することが容易である。 しかも、貫通孔6に充填材8が充填された状態で金属体シート11を打ち抜いて所定の形状にするため、多数の貫通孔6が設けられて変形し易い金属体7が充填材8により補強されていて、打ち抜き時やキーパッド2との接合工程等において金属体1が変形するのを防止することができ、これにより接触面となる端部7aの平面度を維持し易い。 そのため、押釦スイッチ用部材Pの製造が容易になる。
    次に、この発明の実施例について説明する。
    [実施例1]
    高さ50μmのSUS304からなる金属シートをエッチング処理することにより、断面六角形の貫通孔6を多数配列させた略蜂の巣状の稠密構造を有する金属体シート11を作製した。 この金属体シート11では、金属壁7cの端部7a,7bの肉厚(以下、線幅という。)が20μm、平行に配置される金属壁7c,7c間の幅(以下、空間幅という。)が185μm、貫通孔6の断面積(以下、空孔面積という。)が29640μm 、空孔面積/金属体の金属部分の面積(以下、オープニングという。)が81.4%、充填率(100−オープニング)は18.6%となっている。
    この略蜂の巣状の稠密構造を有する金属シートの片面に、プライマーNo. 18(信越化学工業(株)製)を刷毛塗りで塗布し、200℃の環境下で一時間乾燥させることによりプライマー処理を施した。
    このプライマー処理面に、シリコーンコンゴム(シリコーンコンパウンドKE−951U100重量部に架橋剤C−8を2重量部を配合、いずれも信越化学工業(株)製)からなり、高さ1.0mmの充填材シート12を、張り合わせて積層体を得た。
    次に、この積層体を所定の金型に配置して、温度160℃及び圧力180kg/cm の条件で5分間圧縮成形し、多数の貫通孔6の全高に渡ってシリコーンゴムが充填されたシート状の成形体を得た。
    そして、この成形体を所定形状に打ち抜くことにより接点構造体1を得た。
    さらに、この接点構造体1を所定のキーパッド成形用金型に、シリコーンゴムで覆われている面を上面にして配置し、その上にシリコーンゴム(シリコーンコンパウンドKE−941U100重量部に架橋剤C−8を2重量部を配合、いずれも信越化学工業(株)製)からなる高さ2.0mmのシリコーンゴムシートを配置し、温度175℃及び圧力200kg/cm の条件で5分間圧縮成形を行い、接点構造体1とキーパッド2との一体成形体からなる押釦スイッチ用部材Pを製造した。
    このようにして製造された押釦スイッチ用部材Pを、第1図に示すような押釦スイッチに用い、粒径50μmの略球形の絶縁性異物5を対向電極4上に所定の個数をほぼ均一に分布させて配置し電気特性を測定することにより、導通試験を行った。
    試験では、絶縁性異物5の配置個数及び打鍵回数を変化させて、DC12V、500mAの負荷条件下における電圧降下値を測定した。 なお、打鍵は200gの荷重で3.3回/秒の条件により行った。 その結果を表1に示す。
    [比較例1]
    金属体シート11に貫通孔6を形成しない他は、実施例1と同一にして押釦スイッチ用部材を製造して、実施例1と同一に導通試験を行った。 その結果を表1に示す。

    [実施例2及び比較例2]


    実施例1及び比較例1と同一の接点構造体を用いて、平均粒径100μmの略球形の絶縁性異物5を用いる他は、実施例1及び比較例1と同一に導通試験を行った。 その結果を表2に示す。


    [実施例3]


    線幅45μm、空間幅380μm、空孔面積125054μm

    、及びオープニング79.9%の略蜂の巣状の稠密構造を有し、高さ50μmのSUS304からなる金属体シート11を用いて、シリコーンゴムの充填率を20.1%とする他は、実施例1と同一にして得た接点構造体を用い、粒径200μmの略球形の絶縁性異物5を用いる他は実施例1と同一にして導通試験を行った。 その結果を表3に示す。


    [比較例3]


    金属体シート11に貫通孔6を形成しないで製造された比較例1と同一の接点構造体を用いて、実施例3と同一に導通試験を行った。 その結果を表3に示す。


    [実施例4]


    高さ50μmのニッケルからなる金属シートをエッチング処理することにより、断面六角形の貫通孔6を多数配列させた略蜂の巣状の稠密構造を有する金属体シート11を作製した。 この金属体シート11では、線幅が60μm、空間幅が100μm、空孔面積が8660μm

    、オープニングが39.1%となっていた。


    この金属体シート11の全表面に0.5μmの金メッキを施した後、実施例1と同一にして接点構造体を製造し、実施例1と同一にして導通試験を行った。 その結果を表4に示す。


    [比較例4]


    金属体シートに貫通孔を形成しない他は、実施例4と同一にして接点構造体を製造し、実施例4と同一にして導通試験を行った。 結果を表4に示す。


    [実施例5及び比較例5]


    実施例4及び比較例4と同一の接点構造体を用いて、粒径100μmの略球形の絶縁性異物5を用いる他は、実施例4及び比較例4と同一に導通試験を行った。 その結果を表5に示す。


    表1乃至5から明らかなように、貫通孔6を有しない金属体シートを用いた比較例1乃至5では、絶縁性異物5が大きくなるほど、また、絶縁性異物5の存在数が多くなるほど、さらに、打鍵回数が増加するほど、電圧降下値が大きくなっている。


    他方、多数の貫通孔6が設けられた接点構造体1を用いた実施例1乃至5では、いずれの場合にも電圧降下値に大きな変化は見られず、安定していた。


    また、接点構造体1の金属体7をステンレス鋼で製作した実施例1乃至3に比べてニッケルを用いた実施例4及び5では電圧降下値が小さく、より導電性が良好な押釦スイッチ用部材1が得られた。


    なお、前記実施例1乃至5及び比較例1乃至5の試験結果から、携帯電話用押釦スイッチの使用時に付着し易い50〜100μm程度の粒径を中心とする略球形の絶縁性異物であれば、空間幅が100〜400μm程度で、オープニングが30〜90%程度であるものが好ましいことが確認された。


    [実施例6]


    材質をSUS304とし、線幅が20μm、空間幅が185μm、空孔面積が29640μm

    として、略蜂の巣状の稠密構造体とメッシュ構造体(線径20μm)とを用いて、実施例1と同一の方法で、それぞれ接点構造体を製作した。


    これらの接点構造体1を用い、電流無負荷状態で200gの荷重で打鍵して外観及び抵抗値の変化を比較した。 外観の評価は接触面に目視で傷が発見されたものを不良(×)とした。 また、抵抗値の評価は、固定基板3上の2本のパターン間の絶縁抵抗が低下してスパークする状態になったときを不良(×)とした。 その結果を表6に示す。


    [実施例7]


    線幅が30μm、空間幅が175μm、空孔面積が26522μm

    とする他は、実施例6と同一にして、略蜂の巣状の稠密構造体とメッシュ構造体(線径30μm)との比較を行った。 その結果を表6に示す。


    表6の結果から明らかなように、メッシュ構造体を用いた接点構造体に比べ、略蜂の巣状の稠密構造体を用いた接点構造体は、耐久性に優れていた。


    メッシュ構造の接点構造体は、高さ方向に貫通する多数の凹部を接触面に有していて、略蜂の巣状の稠密構造体と同様の異物に対する効果が期待できるものの、メッシュの縦線と横線の線材が耐久性に劣るため、耐久性が要求されない押釦スイッチには使用可能であるが、耐久性が要求される用途には不向きである。


    また、表6の結果から、略蜂の巣状の稠密構造体の場合、線幅が20μmあれば実用上使用できる耐久性を有することが確認できたが、20μmより細い線幅は製造が困難であるため、線幅は20μm以上とするのが好ましいといえる。


    産業上の利用可能性この発明によれば、対向電極との間に絶縁性の微小な異物が存在しても導電障害を起こし難い押釦スイッチ用部材が得られるので、パワーウインドウ、ドアミラー等に使用される押釦スイッチ等の接点部に高電流が通電されるものや、ノーマリークローズドタイプ接点等のスティッキング現象の防止が要求される押釦スイッチに使用する押釦スイッチ用部材として好適に使用できる。


    【図面の簡単な説明】


    第1図は、この発明の実施形態に係る押釦スイッチ用部材の接点構造体の金属体の平面図である。


    第2図は、同接点構造体の要部縦断面図である。


    第3図は、同接点構造体の一端部の拡大図である。


    第4図は、同接点構造体の充填材と対向電極との間に絶縁性異物が存在する状態を表した説明図である。


    第5図は、同接点構造体の金属体と対向電極との間に絶縁性異物が存在する状態を表した説明図である。


    第6図は、同接点構造体の製造工程を説明する断面図であり、第6a図は金属シートに貫通孔を形成した状態を示し、第6b図は金属シートの一方側の面に充填材シートを積層した状態を示し、第6c図は貫通孔に充填材を充填した成形体を示している。


    第7図は、従来の押釦スイッチの模式的な断面図である。


    第8図は、従来の板状の金属からなる接点構造体と対向電極との接触状態を表した要部断面である。

    【0002】
    性をも有している。
    しかしながら、このような板状の金属からなる接点構造体1では、金属板の強度が高くて変形し難いため、第8図に示すように、塵や埃等の絶縁性の微小な異物5がスイッチ内に入り込んで接点構造体1と対向電極4との間に付着すると、接点構造体1を対向電極4に接触させた際、金属板が異物の形状に応じて変形することができず、広い範囲で間隙5aが生じてしまい、そのため接触面積が大幅に減少して、押釦スイッチの導電障害を生じ易いといった問題点があった。
    発明の開示そこで、この発明では、可動接点を構成する接点構造体と対向電極との間に絶縁性の異物が存在しても接触面積が減少し難く、しかも耐久性を有する押釦スイッチ用部材を提供することと、このような押釦スイッチ用部材を容易に製造できる製造方法を提案することとを課題とする。
    かかる課題を解決するために、第1の発明は、対向電極との接触面を構成する金属からなる可動接点を備えたスイッチ用部材であって、前記接触面には高さ方向の多数の孔が設けられており、該孔を構成する前記金属体の一部である金属壁が前記対向電極側に平面状の端部を有するとともに、前記孔の中に可撓性樹脂からなる充填材が充填されることにより前記金属壁が補強されていることを特徴としている。
    これによれば、対向電極に押釦スイッチ用部材を接触させた際、対向電極と接点構造体の接触面の孔に絶縁性異物が存在しても、孔の断面積より小さい絶縁性異物が孔に入り込むことができ、接触面となる金属体の孔周囲の金属壁の端部と対向電極との接触面積を減少させることがなく、また、隣接する孔同士を仕切る金属壁の端部に絶縁性異物が存在していても、金属体に多数の孔が設けられているために変形が容易であるため、金属体が絶縁性異物に応じて局部的に変形することができ、接触面積を大幅に滅少させることがない。 そのため、押釦スイッチ用部材と対向電極との間に孔の断面積より小

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