樹脂構造体、電子機器、および樹脂構造体の製造方法

申请号 JP2016202421 申请日 2016-10-14 公开(公告)号 JP2018063900A 公开(公告)日 2018-04-19
申请人 オムロン株式会社; 发明人 川井 若浩;
摘要 【課題】スイッチの操作感を確保しつつ、電子機器の小型化、薄型化に寄与するスイッチ内蔵の樹脂構造体を提供する。 【解決手段】樹脂構造体1は、樹脂成形体420と、プッシュ式スイッチ100とを含む。プッシュ式スイッチ100は、電気回路に接続される第1 端子 110および第2端子111が固定されるベース部130と、ベース部130から突出するボタン部160と、ボタン部160とともに可動するように構成され、第1端子110と第2端子111との間を電気的に接続し、かつ、ベース部130とボタン部160との間に加わる押圧 力 400に対する反発力を発生する接点バネ部150とを含む。ベース部130は、ボタン部160と、接点バネ部150とを収容する。プッシュ式スイッチ100は、ボタン部160が樹脂成形体420から露出した状態でベース部130が樹脂成形体420に埋設される。 【選択図】図2
权利要求

樹脂成形体と、 プッシュ式スイッチとを備え、前記プッシュ式スイッチは、 電気回路に接続される第1端子および第2端子と、 前記第1端子、前記第2端子が固定される収容部と、 前記収容部から突出するボタン部と、 前記ボタン部とともに可動するように構成され、前記第1端子と前記第2端子との間を電気的に接続し、かつ、前記収容部と前記ボタン部との間に加わる押圧に対する反発力を発生するように構成された接点バネ部とを含み、 前記収容部は、前記ボタン部と、前記接点バネ部とを収容し、 前記プッシュ式スイッチは、前記ボタン部が前記樹脂成形体から露出した状態で前記収容部が前記樹脂成形体に埋設される、樹脂構造体。前記樹脂成形体が、弾性をもった材料で構成される、請求項1に記載の樹脂構造体。前記樹脂構造体は、前記ボタン部が露出する第1表面と、前記第1表面と対向する第2表面とを有し、 前記第2表面から前記収容部に押圧力を受けた時に、前記樹脂成形体が弾性変形することによって、前記収容部が前記第2表面から前記第1表面に向かう向きに移動する、請求項2に記載の樹脂構造体。前記収容部は、前記ボタン部が前記樹脂成形体の前記ボタン部の周囲の前記第1表面よりも陥入した状態となるように前記樹脂成形体に埋設される、請求項3に記載の樹脂構造体。前記樹脂成形体は、 梁構造部と、 前記梁構造部を支持する支持部とを含み、 前記プッシュ式スイッチは、前記樹脂成形体の前記梁構造部に埋設されている、請求項1に記載の樹脂構造体。前記樹脂成形体に埋設され、前記プッシュ式スイッチに電気的に接続される電子部品と、 前記樹脂成形体の表面に形成され前記電子部品と前記第1端子とを接続する導電配線パターンとをさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂構造体。請求項3に記載の樹脂構造体と、 前記樹脂成形体の前記第1表面側に配置された被当接部とを備え、 前記樹脂成形体は、前記第2表面側から前記収容部に押圧力を受けた場合に、前記ボタン部が前記被当接部に当接するように変形する、電子機器。前記被当接部は、電池である、請求項7に記載の電子機器。プッシュ式スイッチを樹脂成形体に埋設した樹脂構造体の製造方法であって、 前記プッシュ式スイッチは、電気回路に接続される第1端子および第2端子と、前記第1端子、前記第2端子が固定される収容部と、前記収容部から突出するボタン部と、前記ボタン部とともに可動するように構成され、前記第1端子と前記第2端子との間を電気的に接続し、かつ、前記収容部と前記ボタン部との間に加わる押圧力に対する反発力を発生するように構成された接点バネ部とを含み、 前記収容部は、前記ボタン部と、前記接点バネ部とを収容し、 前記製造方法は、 前記プッシュ式スイッチの前記ボタン部を前記収容部に成形型で押し込んだ状態で、樹脂が充填される空洞部から前記ボタン部が隔離された配置となるように、前記プッシュ式スイッチを前記成形型に配置する工程と、 前記成形型の前記空洞部に樹脂を射出する工程とを備える、樹脂構造体の製造方法。

说明书全文

この発明は、樹脂構造体、電子機器、および樹脂構造体の製造方法に関し、特に、操作した際にクリック感のあるプッシュ式スイッチと他の電子部品を組み合わせた電子機器の作製に好適な、プッシュ式スイッチの実装構造とその製造方法に関する。

電気回路を構成する部品としてプッシュ式スイッチが使用される。プッシュ式スイッチには、操作者に操作感(クリック感)を与えることが要求される場合がある。操作感が得られると、スイッチを押したことが確実に操作者に認識されるという利点がある。たとえば、このようなスイッチの一つに、タクタイル(tactile)スイッチがある。

プッシュ式スイッチは、一般的には、電気回路を形成するプリント基板上に設置され、人の操作を受けて電気回路に信号を入するというように使用される。図13は、プッシュ式スイッチの一般的な実装構造を説明するための上面図である。図14は、図13に示した実装構造のXIV−XIV断面における断面図である。

図13、図14を参照して、プッシュ式スイッチ100と、他の関連する電子部品等との接続は、関連する電子部品(図示せず)が実装されたプリント回路基板200上にハンダ210を用いたはんだ付け等の方法によって行なわれる。ハンダ210によって、端子110、111とプリント回路基板上の導電回路201とが接続される。

さらに、プッシュ式スイッチ100を利用する電子機器は、プリント回路基板200と、内部にプッシュ式スイッチ100を収納可能な孔321が設けられた樹脂成形体320とを組み合わせ、孔321を覆うようにシート材310を樹脂成形体320の上面に接合する等の方法で作製されている。

ところが、こうした構成の電子機器では、プッシュ式スイッチ100を実装する収納スペース(孔321)を広めに設ける必要があるために電子機器が大型化したり、その収納スペースを覆うシート材310を接合するために製造工程が複雑になり、製造コストが増加したり、あるいは電子機器の意匠性が損なわれてしまったりするといった問題がある。さらに、他電子部品との組み立てにプリント基板を用いるので、近年の携帯端末等に要求される電子機器の薄型化、小型化といった仕様への対応に限界があるといった問題がある。

そこで従来、スイッチの収納スペースを無くす、あるいは、表面のシート材を無くすといった観点での提案がなされており、特開2003−165357(第3図(B))では、プッシュ式スイッチの機械的動作機構部を樹脂成形体に埋設してしまう方法が説明されている。

特開2003−165357(第3図(B))

特開平6−349377(第3図(A))

ところが特開2003−165357に開示された提案では、関連する他部品との組み立てに関する方法については検討されておらず、電子機器として構成するために従来のプリント基板を用いると、かえって組み立て構造が複雑になってしまう問題がある。

さらに、特開平6−349377(第3図(A))では、プッシュ式スイッチの駆動部(ボタン部)をポリエステルエレストマ等の弾性樹脂内に埋設し、さらに、該ボタン部先端に設けた導電部でプリント基板に設けた導電回路を電気的に導通させるスイッチ構造が提案されている。

ところが、該従来技術によるスイッチ構造では、ボタン部を押し込んだ際、すなわちスイッチングの際にクリック感を出せない課題があり、さらに、プリント基板上に設けた導電回路とボタン部回路との位置合わせのために、製造コストが増加してしまう課題がある。また、プリント基板が、薄型化を阻害する問題も解消できない。

本発明は、上記従来技術の問題点に着目してなされたもので、押圧した際にクリック感のあるプッシュ式スイッチを使用した電子機器を、小型、薄型、低製造コストで提供することを目的としている。

この発明は、要約すると、樹脂構造体であって、樹脂成形体と、プッシュ式スイッチとを備える。プッシュ式スイッチは、電気回路に接続される第1端子および第2端子と、第1端子、第2端子が固定される収容部と、収容部から突出するボタン部と、ボタン部とともに可動するように構成され、第1端子と第2端子との間を電気的に接続し、かつ、収容部とボタン部との間に加わる押圧力に対する反発力を発生するように構成された接点バネ部とを含む。収容部は、ボタン部と、接点バネ部とを収容する。プッシュ式スイッチは、ボタン部が樹脂成形体から露出した状態で収容部が樹脂成形体に埋設される。

好ましくは、樹脂成形体は、弾性をもった材料で構成される。 より好ましくは、樹脂構造体は、ボタン部が露出する第1表面と、第1表面と対向する第2表面とを有する。第2表面から収容部に押圧力を受けた時に、樹脂成形体が弾性変形することによって、収容部が第2表面から第1表面に向かう向きに移動する。

さらに、好ましくは、収容部は、ボタン部が樹脂成形体のボタン部の周囲の第1表面よりも陥入した状態となるように樹脂成形体に埋設される。

好ましくは、樹脂成形体は、梁構造部と、梁構造部を支持する支持部とを含む。プッシュ式スイッチは、樹脂成形体の梁構造部に埋設されている。

好ましくは、樹脂構造体は、樹脂成形体に埋設され、プッシュ式スイッチに電気的に接続される電子部品と、樹脂成形体の表面に形成され電子部品と第1端子とを接続する導電導電配線パターンとをさらに備える。

この発明は、他の局面では、電子機器であって、上記の樹脂構造体と、樹脂成形体の第1表面側に配置された被当接部とを備える。樹脂成形体は、第2表面側から収容部に押圧力を受けた場合に、ボタン部が被当接部に当接するように変形する。

好ましくは、被当接部は、電池である。 この発明は、さらに他の局面では、プッシュ式スイッチを樹脂成形体に埋設した樹脂構造体の製造方法である。プッシュ式スイッチは、電気回路に接続される第1端子および第2端子と、第1端子、第2端子が固定される収容部と、収容部から突出するボタン部と、ボタン部とともに可動するように構成され、第1端子と第2端子との間を電気的に接続し、かつ、収容部とボタン部との間に加わる押圧力に対する反発力を発生するように構成された接点バネ部とを含む。収容部は、ボタン部と、接点バネ部とを収容する。製造方法は、プッシュ式スイッチのボタン部を収容部に成形型で押し込んだ状態で、樹脂が充填される空洞部からボタン部が隔離された配置となるように、プッシュ式スイッチを成形型に配置する工程と、成形型の空洞部に樹脂を射出する工程とを備える。

本発明によれば、スイッチの操作感を確保しつつ、電子機器の小型化、薄型化に寄与するスイッチ内蔵の樹脂構造体を提供することができる。

実施の形態1に係る樹脂構造体の構成を示す平面図である。

図1のII−II断面における断面図である。

樹脂構造体1に埋設されるプッシュ式スイッチ100の構成を示す断面図である。

押圧力が樹脂構造体1に加えられた場合にプッシュ式スイッチ100周辺が変形した状態を示す断面図である。

製造工程を説明するための第1断面図である。

製造工程を説明するための第2断面図である。

製造工程を説明するための第3断面図である。

製造工程を説明するための第4断面図である。

製造工程を説明するための第5断面図である。

実施の形態2に係る樹脂構造体の構成を示す平面図である。

図10のXI−XI断面における断面図である。

押圧力が樹脂構造体600の梁構造部に加えられた場合に梁構造部が撓んだ状態を示す断面図である。

プッシュ式スイッチの一般的な実装構造を説明するための上面図である。

図13に示した実装構造のXIV−XIV断面における断面図である。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。 (実施の形態1) 図1は、実施の形態1に係る樹脂構造体の構成を示す平面図である。図2は、図1のII−II断面における断面図である。

図1、図2を参照して、樹脂構造体1は、樹脂成形体420と、プッシュ式スイッチ100と、電子部品430,440とを備える。プッシュ式スイッチ100は、電子部品430,440とともに、樹脂成形体420に埋設される。実施の形態1では、樹脂成形体420は、弾性をもった材料(たとえば、射出成型可能なエラストマー)で構成される。

図3は、樹脂構造体1に埋設されるプッシュ式スイッチ100の構成を示す断面図である。図3を参照して、プッシュ式スイッチ100は、第1端子110および第2端子111と、収容部140と、ボタン部160と、接点バネ部150とを含む。

収容部140は、ベース部130と、カバー120とを含む。収容部140のベース部130には、第1端子110、第2端子111が固定される。ボタン部160は、押圧力を受けていない状態では、収容部140のカバー120から突出する。収容部140は、ボタン部160と、接点バネ部150とを収容する。第1端子110、第2端子111の内側端部は、固定接点としてベース部130の収容空間底部に露出しており、接点バネ部150は、稼働接点として作動する。カバー120は、ボタン部160と接点バネ部150とがベース部130から脱落しないように、第1端子110、第2端子111の反対側からベース部130を覆っている。

接点バネ部150は、たとえば、金属製の板バネであって、ボタン部160とともに可動するように構成される。接点バネ部150は、ボタン押圧時にクリック感を出すために、わずかにボタン部160側が凸となるように湾曲している。接点バネ部150は、ボタン部160に押圧力を受けてベース部130底面側が凸となるように撓んだ状態となると、第1端子110と第2端子111との間を電気的に接続し、かつ、ベース部130とボタン部160との間に加わる押圧力400に対する反発力を発生するように構成される。

再び、図1、図2を図3とともに参照して、第1端子110および第2端子111とは、樹脂成形体の表面において、電気回路に接続される。プッシュ式スイッチ100は、ボタン部160が樹脂成形体420から露出した状態でベース部130が樹脂成形体420に埋設される。

樹脂構造体1は、樹脂成形体420に埋設され、プッシュ式スイッチ100に電気的に接続される電子部品430と、樹脂成形体420の表面に形成され電子部品と第1端子110とを接続する導電配線パターン401とをさらに備える。

以上のような構成を有する樹脂構造体1において、どのように押圧力が加えられプッシュ式スイッチ100が導通するかについて説明する。

図4は、押圧力が樹脂構造体1に加えられた場合にプッシュ式スイッチ100周辺が変形した状態を示す断面図である。

図2、図4を参照して、樹脂構造体1は、ボタン部160が露出する第1表面F1と、第1表面F1と対向する第2表面F2とを有する。ベース部130は、樹脂構造体1において、ボタン部160よりも第2表面F2側に配置され、第2表面F2からベース部130に押圧力400を受けた時に、樹脂成形体420が弾性変形することによって、ベース部130が第2表面F2から第1表面F1に向かう向きに移動する。

電子機器2は、樹脂構造体1と、樹脂成形体の第1表面F1側に配置された被当接部410とを備える。被当接部410は、たとえば、電池とすることができるが、筐体などでも良い。好ましくは、被当接部410は、樹脂成形体420よりも弾性が低い材料で形成される。図4に示すように、第2表面F2側からベース部130に押圧力400を受けた場合に、ボタン部160が被当接部410に当接するように樹脂成形体420は変形する。なお、押圧力400を除くと、樹脂成形体420は、図2の形状に戻る。

ベース部130は、押圧力400が加わっていない状態において、ボタン部160が樹脂成形体420のボタン部160の周囲の第1表面F1よりも深さD1だけ陥入した状態となるように樹脂成形体420に埋設される。深さD1は、好適なクリック感が得られるとともに、プッシュ式スイッチ100に過大な力が加わらないように、調整される。

次に、樹脂構造体1の製造方法について、図2の断面図および図5〜図9の製造工程図に従って説明する。

図2を参照して、樹脂構造体1においては、ボタン部160を押圧した際にクリック感が出るように構成されたプッシュ式スイッチ100が、ポリエステルエラストマー等の弾性のある樹脂成形体420に、ボタン部160が樹脂成形体420の表面より例えば0.5mm程度下がって位置するように、深さD1の段差を形成した状態で埋設されている。

プッシュ式スイッチ100は、同様に樹脂成形体420に埋設された関連部品、例えばチップ部品である抵抗、コンデンサ等の電子部品430,440と、樹脂成形体420表面上に設けた銀ナノインク等を含んで構成される導電配線パターン401,402で端子110,111を通して配線、接続され、導電配線パターン401と導電配線パターン402の間を電気的にスイッチングするように構成されている。

図5は、製造工程を説明するための第1図である。 (工程A)プッシュ式スイッチ100の端子110,111、及び関連部品である電子部品430,440の電極が、仮固定フィルム500に接するように接着剤等により固定する。仮固定フィルム500としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)製のフィルムを用いることができる。

この時の固定は、仮固定フィルム500に塗布した接着剤等によって行なう。例えば紫外線硬化型の接着剤(図示せず)を用いて固定を行なうことができる。具体的には、50μmのPET製の仮固定シートに接着剤を2〜3μmの厚さで塗布し、各電子部品の位置を決定して設置した後3000mJ/cm2の紫外線を照射することで接着剤を硬化させ、LEDを仮固定フィルムに固定する。

図6は、製造工程を説明するための第2図である。 (工程B)次に、工程Aで作製した各電子部品を仮固定した仮固定フィルム500を成形型510,520内のキャビティ(空洞)530に配置する。この時、樹脂成形体の段差部を形成するためのキャビティ530内の突起部511にプッシュ式スイッチ100のボタン部160が位置するように仮固定フィルム500をキャビティ530に配置する。尚、突起部511の高さは、樹脂成形体表面とボタン部160の頂部との高低差が規定の値、例えば0.5mmになるように、ボタン部160の突出し量を考慮して設定する。

図7は、製造工程を説明するための第3図である。工程Bでは、図7に示すように、プッシュ式スイッチ100のボタン部160をベース部130に成形型510の突起部511で押し込んだ状態で、樹脂が充填されるキャビティ530からボタン部160が隔離された配置となるように、プッシュ式スイッチ100を成形型510,520に配置する。

(工程C)次に、各電子部品が樹脂成形体内に埋設されるように、例えばエポキシエラストマを、樹脂温度270℃、圧力100Mpaで図7の状態のキャビティ530内に射出して成型を行う。この時、キャビティ内の突起部511がプッシュ式スイッチ100のボタン部160を図中矢印の方向に押し込むが、突起部511のボタン部160に当接する凹部の高さを、ボタン部160のスイッチ本体からの突出し量付近に設定しておけば、プッシュ式スイッチ100が破損することはない。

図8は、製造工程を説明するための第4図である。 (工程D)図8に示すように、工程Cで成型した樹脂成形体420をキャビティ530から取り出し、仮固定フィルム500を樹脂成形体420から剥離する。これにより、プッシュ式スイッチ100の端子110,111と各電子部品の接続電極が樹脂成形体420の表面に露出する。

この状態では、成形型の突起部511が除かれたことによって、プッシュ式スイッチ100のボタン部160は、プッシュ式スイッチ100内の接点バネ部150により矢印の方向に戻され、樹脂成形体420の表面より規定値、例えば0.5mm下がった状態で、樹脂成形体420内に形成された凹部450内に配置される。

図9は、製造工程を説明するための第5図である。 (工程E)最後に、図9に示すように、樹脂成形体の表面に露出したプッシュ式スイッチ100の端子と各電子部品430,440の接続電極とを導電配線パターン401,402によって結線し、本実施の形態に係る樹脂構造体1を完成する。この時、導電配線パターン401,402の形成は、インクジェットプリンタ等で導電材料(例えば、銀インク等)を噴射して印刷する方法、あるいは、エアロゾルを用いる方法、ディスペンサを用いる方法等を用いることができる。

以上説明した本実施の形態のスイッチ埋設構造では、樹脂成形体420に埋設されたプッシュ式スイッチ100を押圧力400の方向に押圧し、弾性のあるエラストマ製の樹脂成形体をボタン部160が、例えば電池等の固定された被当接部410に突き当たって押し込まれるまで変形させて、樹脂成形体表面上の回路(導電配線パターン401,402)間を導通させる。この時の樹脂成形体の変形量は、図7におけるキャビティ内の突起部511の高さに応じて変化する。この高さ、すなわちボタン部160の頂部と樹脂成形体表面との高低差の設定により、スイッチの操作感を調整できる。

本実施の形態の樹脂構造体1の特徴の一つは、スイッチのON動作は、プッシュ式スイッチ100の端子110,111側を押圧して実行される点である。すなわち通常のスイッチで押圧されるボタン部160ではなく、通常、プリント基板等に固定される配線側を押圧してスイッチON動作が実行される。

つまり、図4において説明したように、プッシュ式スイッチ100を押圧力400の方向から押圧すると、プッシュ式スイッチ100のベース部130が埋設された弾性のある樹脂成形体420の変形を伴って押圧された方向に移動し、ボタン部160が被当接部410等に突き当たって押し込まれる。このようにして、端子110と端子111の間の導通状態のON/OFFが実行される。

実施の形態1の樹脂構造体1によれば、以下の(1)〜(3)に示すような電子機器の小型化、薄型化に寄与する効果が得られる。

(1)ボタン部160は接点バネ部150も同時に押し込むため、通常のプッシュ式スイッチと同様なクリック感が得られる。

(2)プッシュ式スイッチ100は樹脂成形体420内に埋設されているために、図14に示したような孔321等の空間を成形体に作る必要がない。

(3)プッシュ式スイッチ100と他関連部品との配線、組み立てにプリント基板等の別部材を使う必要がない。

さらに、以下の(4)、(5)のような効果も得られる。 (4)スイッチングの際に押圧力400を加える側は凹凸のない平面であるため、意匠的にも優れている。

(5)通常プッシュ式スイッチは、図14に示すような構造で内部に空間があるため、耐湿、耐性を付与する際には樹脂材等を用いて周囲を封止する必要あるが、本実施の形態の樹脂構造体1では、プッシュ式スイッチ100を埋設した樹脂成形体420が封止効果も兼ねるため、従来必要であった封止を不要にする効果が得られる。

(実施の形態2) 実施の形態1では、プッシュ式スイッチ100を埋設する樹脂成形体の材質として弾性の度合いが高いポリエステルエラストマーを用いる方法を説明したが、この樹脂成形体の材料としてポリエステルエラストマーよりも弾性の度合いが低いPC(ポリカーボネイト)、あるいはABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)を用いる方法を説明する。

図10は、実施の形態2に係る樹脂構造体の構成を示す平面図である。図11は、図10のXI−XI断面における断面図である。

図10、図11を参照して、樹脂構造体600は、樹脂成形体670と、プッシュ式スイッチ100と、電子部品620,630とを備える。プッシュ式スイッチ100は、電子部品620,630とともに、樹脂成形体670に埋設される。

樹脂成形体670は、梁構造部601と、梁構造部601を支持する支持部602とを含む。プッシュ式スイッチ100は、樹脂成形体670の梁構造部601に埋設されている。プッシュ式スイッチ100は、ボタン部160が樹脂成形体670から露出した状態でベース部130が樹脂成形体670に埋設される。

樹脂成形体420は、弾性の度合いがやや低い材料(たとえば、PC、ABS樹脂など)で構成される。

図12は、押圧力が樹脂構造体600の梁構造部に加えられた場合に梁構造部が撓んだ状態を示す断面図である。図11、図12を参照して、樹脂構造体600は、電池や筐体などの被当接部690とともに、電子機器692に含まれる。

樹脂構造体600は、ボタン部160が露出する第1表面F11と、第1表面F11と対向する第2表面F12とを有する。ベース部130は、樹脂構造体600において、ボタン部160よりも第2表面F12側に配置され、第2表面F12からベース部130に押圧力680を受けた時に、樹脂成形体670の梁構造部601の根元部分が弾性変形することによって、ベース部130が第2表面F12から第1表面F11に向かう向きに移動する。押圧力680を除くと、梁構造部601は、元の状態に戻る。

図11に示すように、樹脂構造体600は、プッシュ式スイッチ100をPC(ポリカーボネイト)等の樹脂成形体670にボタン部160が樹脂成形体の表面より突出するように埋設されている。プッシュ式スイッチ100の埋設位置は、樹脂成形体670に押圧力680を加えた際に撓み変形する位置になっている。すなわち、実施の形態2で用いる樹脂成形体の材料である、PC、あるいはABS等の樹脂材は、実施の形態1で用いたエラストマーと比べると弾性の度合いが低いため、プッシュ式スイッチ100のボタン部160の稼働量(ストローク)は樹脂成形体を撓ませることが可能な梁構造部601を形成して確保する。

図12に示すように、実施の形態2の樹脂構造体600では、樹脂成形体670の梁構造部601に埋設したプッシュ式スイッチ100に押圧力680を加え、ボタン部160が、例えば電池等の固定された被当接部690に突き当たって押し込まれるまで梁構造部601を変形させて、樹脂成形体670表面上の導電配線パターン610,611間の導通状態をON/OFFさせる。この時の樹脂成形体670の梁構造部601の撓み量は、プッシュ式スイッチ100の埋設位置の移動、あるいは梁構造部601の樹脂厚さにより変更でき、プッシュ式スイッチの操作感を調整できる。

尚、本実施例では、樹脂成形体の梁構造を片持ち梁形状にして例示したが、この梁構造を両端支持構造にして、プッシュ式スイッチ100の埋設位置を梁の中央にする等にしてもよい。

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

1,600 樹脂構造体、2,692 電子機器、100 プッシュ式スイッチ、110,111 端子、120 カバー、130 ベース部、150 接点バネ部、160 ボタン部、200 プリント回路基板、201 導電回路、210 ハンダ、310 シート材、320,420,670 樹脂成形体、321 孔、400,680 押圧力、401,402,610,611 導電配線パターン、410,690 被当接部、430,440,620,630 電子部品、500 仮固定フィルム、510,520 成形型、511 突起部、530 キャビティ、601 梁構造部、602 支持部。

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