Relay drive circuit

申请号 JP2006260573 申请日 2006-09-26 公开(公告)号 JP4835351B2 公开(公告)日 2011-12-14
申请人 アンデン株式会社; 发明人 学 森田;
摘要
权利要求
  • コイル(4a)と、前記コイルが巻かれたコアと、前記コイルへの通電が行われたときに磁気吸引されることで前記コアの頭部(4g)に接触する共に前記コイルへの通電が行われていないときに前記コアの頭部から離れる磁性材料で構成されたプレート(4f)と、前記プレートと共に移動する可動接点(4d)と、前記コイル側に備えられた固定接点(4e)とを有した電磁継電器(4)に対して、リレースイッチ(5)のON/OFFに応じて前記コイルへの通電を制御することにより負荷(2)への電力供給のON/OFFを制御するリレー駆動回路であって、
    前記コイルに対して流す電流(Ir)を、前記プレートを吸引して前記可動接点が前記固定接点に接触させられるフル通電用電流値に設定するフル駆動制御部(13)と、
    前記可動接点と前記固定接点が接触している状態から離れないように、前記コイルに対して流す電流(Ir)を前記フル駆動制御部で設定される前記フル通電用電流値よりも小さな保持電流に制御する定電流駆動部(14)と、
    前記コイルに流す電流を前記フル駆動制御部で設定される前記フル通電用電流値もしくは前記定電流駆動部で設定される前記保持電流に切り替える電流切替部(15)と、
    前記コイルの両端電圧の変化に基づいて、前記プレートが前記コアの頭部から離れようとするOFF傾向を検出するプレートOFF感知部(16)とを有し、
    前記プレートOFF感知部が前記OFF傾向を検出すると、前記可動接点が前記固定接点から離れる前に前記フル駆動制御部にて前記コイルに対して流す電流を前記フル通電用電流値に設定するように構成されていることを特徴とするリレー駆動回路。
  • 前記電磁継電器のローサイド側に前記電流切替部が配置されることで、該電磁継電器をローサイド駆動しており、前記プレートOFF感知部は、前記コイルのローサイド側の電位の変化に基づいて前記OFF傾向を検出することを特徴とする請求項1に記載のリレー駆動回路。
  • 前記プレートOFF感知部は、前記コイルのローサイド側の電位から高周波成分のみを抽出するハイパスフィルタ(16a)を有し、該ハイパスフィルタを通じて抽出された前記高周波成分の変化が閾値よりも大きい場合に、前記OFF傾向であると検出することを特徴とする請求項2に記載のリレー駆動回路。
  • 前記電磁継電器のハイサイド側に前記電流切替部が配置されることで、該電磁継電器をハイサイド駆動しており、前記プレートOFF感知部は、前記コイルのハイサイド側の電位の変化に基づいて前記OFF傾向を検出することを特徴とする請求項1に記載のリレー駆動回路。
  • 前記コイルに対して流す前記保持電流が最適値となるように前記電流切替部を制御する最適電流設定部(11、12)を有し、
    該最適電流設定部は、前記定電流駆動部にて設定された前記保持電流を前記コイルに対して流している状態において、前記プレートOFF感知部にて前記OFF傾向が検出されると、前記OFF傾向が検出される前に設定されていた前記保持電流よりも高い電流値を新たな保持電流として設定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のリレー駆動回路。
  • 前記リレースイッチがONされると、前記フル駆動制御部にて前記コイルに対して流す電流を前記フル通電用電流値に設定することで前記プレートを吸引して前記可動接点を前記固定接点に接触させたのち、前記最適電流設定部にて前記フル駆動制御部で設定された前記フル通電用電流値から徐々に前記コイルに流す電流を低下させ、この低下中に前記プレートOFF感知部にて前記OFF傾向が検出されたら、該OFF傾向が検出されたときの電流値よりも高い電流値を前記保持電流として設定することを特徴とする請求項5に記載のリレー駆動回路。
  • 前記プレートOFF感知部にて前記OFF傾向が検出されたときに、前記フル駆動制御部にて前記コイルに対して流す電流を再度前記フル通電用電流値に設定することで前記プレートを吸引したのち、前記最適電流設定部にて前記フル駆動制御部で設定された前記フル通電用電流値から徐々に前記コイルに流す電流を低下させ、この低下中に再度前記プレートOFF感知部にて前記OFF傾向が検出されたら、該OFF傾向が検出される前の前記保持電流よりも高い電流値を新たな保持電流として設定することを特徴とする請求項5または6に記載のリレー駆動回路。
  • 前記最適電流設定部は、カウント値に応じた電位を発生させるD/A変換部(11)と、前記カウント値を計数するカウンタを備えた最適電流可変制御部(12)とを有し、
    前記最適可変制御部のカウンタのカウント値を変化させることで前記D/A変換部から出力される電位を変化させ、前記電流切替部が前記コイルに対して流す電流を前記フル駆動制御部で設定された前記フル通電用電流値から徐々に低下させることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1つに記載のリレー駆動回路。
  • 前記最適電流設定部は、カウント値を計数するカウンタを備えた最適電流可変制御部(12)を有し、
    前記電流切替部は、前記カウント値に応じた重み付けを行うことで、出力する電流値を変化させる重み付け回路を含む定電流D/A変換部(40)を有し、
    前記最適可変制御部のカウンタのカウント値を変化させることで前記定電流D/A変換部から出力される電流値を変化させ、前記コイルに対して流す電流を前記フル駆動制御部で設定された前記フル通電用電流値から徐々に低下させることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1つに記載のリレー駆動回路。
  • 請求項1ないし9のいずれか1つに記載のリレー駆動回路および前記電磁継電器が電気的に接続される配線部材(26、27)が備えられ、該配線部材と共に前記リレー駆動回路および前記電磁継電器を収容するケース(21)と、
    前記配線部材に電気的に接続され、前記ケースの外部に延設された外部接続用コネクタ端子(23)と、を備えて構成された電気接続箱。
  • 说明书全文

    本発明は、電源からの電供給ラインに備えられた電磁継電器(リレー)のON/OFFを制御するリレー駆動回路に関するものである。

    電磁継電器では、突発的な外乱(例えば衝撃)や定常的な外乱によって接点がOFFされることがある。 例えば、電磁継電器に備えられるコイルからプレート(鉄片)が外乱によって離れてしまうために、電磁継電器がOFFする。

    従来では、例えば、特許文献1において、このような外乱によって電磁継電器がOFFされたことを検出したときには、再度、電磁継電器に備えられるコイルへの通電を行うことで電磁継電器のONを復帰させることが提案されている。

    ところが、この技術では、電磁継電器がOFFすることを前提としているため、一時的に電磁継電器がOFFされたときに、電磁継電器を通じて行いたい負荷への電力供給が遮断されることになる。

    このため、従来では、例えばリレー駆動回路の使用環境に起因して発生する外乱や電磁継電器の劣化などを考慮に入れた定常的な外乱によって電磁継電器がOFFされないように、外乱が発生してもコイルからプレートが離れないよう外乱を考慮したマージンを持った保持電流をコイルに流すことが行われている。

    特開2005−50733号公報

    しかしながら、外乱が発生していないときにも外乱を考慮に入れた大きさの保持電流を流し続けることになるため、電磁継電器での消費電力が増大する。 また、電磁継電器やリレー駆動回路での発熱量が多くなり、電磁継電器やリレー駆動回路で本来目的とされる低発熱を実現できなくなる。

    本発明は上記点に鑑みて、外乱によって電磁継電器がOFFしてしまうことを抑制し、かつ、消費電力の低減を図ることができるリレー駆動回路を提供することを目的とする。

    上記目的を達成するため、本発明では、プレートを吸引して可動接点が固定接点に接触させられるフル通電用電流値にコイルに対して流す電流(Ir)を設定するフル駆動制御部(13)と、可動接点と固定接点が接触している状態から離れないように、コイルに対して流す電流(Ir)をフル駆動制御部で設定されるフル通電用電流値よりも小さな保持電流に制御する定電流駆動部(14)と、コイルに流す電流をフル駆動制御部で設定されるフル通電用電流値もしくは定電流駆動部で設定される保持電流に切り替える電流切替部(15)と、コイルの両端電圧の変化に基づいて、プレートがコアの頭部から離れようとするOFF傾向を検出するプレートOFF感知部(16)とを有し、プレートOFF感知部がOFF傾向を検出すると、可動接点が固定接点から離れる前にフル駆動制御部にてコイルに対して流す電流をフル通電用電流値に設定するように構成されていることを第1の特徴としている。

    このように、プレートOFF感知部によってOFF傾向が検出されたときに、可動接点が固定接点から離れる前に、フル駆動制御部にてコイルに対して流す電流をフル通電用電流値に設定し、フル通電を行うようにしている。 このため、外乱が発生していないときまで外乱を考慮に入れた大きさの保持電流を流し続けなくても、突発的な外乱によって電磁継電器が誤ってOFFされてしまうことを防ぐことが可能となる。 したがって、外乱によって電磁継電器がOFFしてしまうことを抑制し、かつ、消費電力の低減を図ることができるリレー駆動回路とすることが可能となる。

    例えば、電磁継電器のローサイド側に電流切替部が配置されることで、該電磁継電器をローサイド駆動している場合には、プレートOFF感知部は、コイルのローサイド側の電位の変化に基づいてOFF傾向を検出することができる。 この場合、プレートOFF感知部に対して、コイルのローサイド側の電位から高周波成分のみを抽出するハイパスフィルタ(16a)を備え、該ハイパスフィルタを通じて抽出された高周波成分の変化が閾値よりも大きい場合に、OFF傾向であると検出することができる。

    また、電磁継電器のハイサイド側に電流切替部が配置されることで、該電磁継電器をハイサイド駆動している場合には、プレートOFF感知部は、コイルのハイサイド側の電位の変化に基づいてOFF傾向を検出することができる。 この場合、コイルのハイサイド側の電位が電源の変動の影響を受け難いため、ハイパスフィルタとして機能するコンデンサを無くすことが可能となる。

    また、本発明では、コイルに対して流す保持電流が最適値となるように電流切替部を制御する最適電流設定部(11、12)を有し、該最適電流設定部は、定電流駆動部にて設定された保持電流をコイルに対して流している状態において、プレートOFF感知部にてOFF傾向が検出されると、OFF傾向が検出される前に設定されていた保持電流よりも高い電流値を新たな保持電流として設定することを第2の特徴としている。

    プレートOFF感知部にてOFF傾向が検出されたときの保持電流は、プレートがコアの頭部から引き離されないために最低限必要とされる電流値(実力値)に相当する。 このため、特別なセンサを備えなくても、プレートOFF感知部にて実力値を監視することが可能となり、その実力値よりも保持電流を高く設定し直すことで、保持電流として最適な大きさにできる。 このため、定常的な外乱に対しても、電磁継電器が誤ってOFFされてしまうことを防ぎつつ、電磁継電器のONを保持するための保持電流をできるだけ小さな値とすることが可能となり、より消費電力の低減を図ることが可能となる。

    例えば、リレースイッチがONされたときには、フル駆動制御部にてコイルに対して流す電流をフル通電用電流値に設定することでプレートを吸引して可動接点を固定接点に接触させたのち、最適電流設定部にてフル駆動制御部で設定されたフル通電用電流値から徐々にコイルに流す電流を低下させ、この低下中にプレートOFF感知部にてOFF傾向が検出されたら、該OFF傾向が検出されたときの電流値よりも高い電流値を保持電流として設定することができる。

    この場合、プレートOFF感知部にてOFF傾向が検出されたときに、フル駆動制御部にてコイルに対して流す電流を再度フル通電用電流値に設定することでプレートを吸引したのち、最適電流設定部にてフル駆動制御部で設定されたフル通電用電流値から徐々にコイルに流す電流を低下させ、この低下中に再度プレートOFF感知部にてOFF傾向が検出されたら、該OFF傾向が検出される前の保持電流よりも高い電流値を新たな保持電流として設定するのが好ましい。

    フル通電を行った後に、直ぐに保持電流まで低下させた場合、フル通電を行っている最中に実力値が変化していなければ良いが、実力値が変化していると、保持電流まで低下させることによって実力値よりも保持電流が下回る可能性もある。 このため、コイルに流す電流をフル通電用電流値から保持電流まで徐々に低下させるようにすることで、仮に実力値が変化していたとしても、それに対応して再度新たな保持電流を設定し直すことが可能となる。

    例えば、最適電流設定部は、カウント値に応じた電位を発生させるD/A変換部(11)と、カウント値を計数するカウンタを備えた最適電流可変制御部(12)とを有し、最適可変制御部のカウンタのカウント値を変化させることでD/A変換部から出力される電位を変化させ、電流切替部がコイルに対して流す電流をフル駆動制御部で設定されたフル通電用電流値から徐々に低下させることができる。

    このように、カウンタを用いて、プレートOFF感知部にてOFF傾向が検出されたときに毎回フル通電用電流値したのち徐々に電流を低下させるようにすることで、現時点における実力値を毎回設定できる。 このため、前回の保持電流をEEPROM等に記憶しなくても済むようにできる。

    同様に、最適電流設定部は、カウント値を計数するカウンタを備えた最適電流可変制御部(12)を有し、電流切替部は、カウント値に応じた重み付けを行うことで、出力する電流値を変化させる重み付け回路を含む定電流D/A変換部(40)を有し、最適可変制御部のカウンタのカウント値を変化させることで定電流D/A変換部から出力される電流値を変化させ、コイルに対して流す電流をフル駆動制御部で設定されたフル通電用電流値から徐々に低下させることもできる。 このようにしても、上記と同様の効果が得られる。

    以上のようなリレー駆動回路を電磁継電器と共に配線部材(26、27)が備えられたケース(21)内に収容することで、これらを一体とした電気接続箱を構成することができる。 このように、リレー駆動回路と電磁継電器とを同じ電気接続箱内に収容した構成とすることが可能である。 このような構成とすることで、これらを別体とした場合と比較して、配線の配策がし易く、かつ、ハーネスなどが不要になるという効果が得られる。

    なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。

    以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。 なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。

    (第1実施形態)
    図1に、本発明の一実施形態を適用したリレー駆動回路1を示し、この図を参照して本実施形態のリレー駆動回路1の構成について説明する。

    図1に示すように、負荷2への電力供給等を行う電源供給ライン3のON/OFFを行う電磁継電器4が備えられている。 リレー駆動回路1は、この電磁継電器4に備えられるコイル4aへの通電を制御するためのものである。 本実施形態では、リレー駆動回路1は、電磁継電器4の一端に接続されている。 具体的には、リレー駆動回路1は、電磁継電器4のローサイド側に配置され、電磁継電器4をローサイド駆動するようになっている。

    図2(a)、(b)は、電磁継電器4の詳細構造を示した側面図であり、図2(a)は、電磁継電器4がOFFした際の様子を示すものであり、また図2(b)は電磁継電器4がONした際の様子を示すものである。

    図2(a)、(b)に示すように、電磁継電器4はコイル4aを保持するヨーク部4bと、ヨーク部4bの頂面に基端を固定してL字状に屈曲する板バネ4cと、板バネ4cの先端面に設けられた可動接点4dと、可動接点4dに対向してコイル4aの側端部に設けられた固定接点4eと、板バネ4cの中間面に設けられた磁性材料で構成されたプレート4fと、プレート4fに対向したコイル4aが巻回されたコアの頭部(以下、コア頭部という)4gを有した構造となっている。

    コイル4aへの通電が停止されると、図2(a)に示すように板バネ4cの弾性力によりプレート4fがコア頭部4gから引き離される。 このため、可動接点4dが固定接点4eから非接触の状態となり、電磁継電器4がOFFとなる。 一方、コイル4aへの通電が行われると、図2(b)に示すように板バネ4cの弾性力にコイル4aの磁気吸引力が打ち勝ち、プレート4fがコア頭部4g側に引き寄せられて接触し、可動接点4dが固定接点4eと接触することで電磁継電器4がONとなる。

    リレー駆動回路1は、このような電磁継電器4の動作を制御すると共に、外乱によってプレート4fがコア頭部4gから引き離されそうになっても、電磁継電器4がOFFしてしまうことを抑制するものである。

    具体的には、リレー駆動回路1は、図1に示されるように、NOT回路10、D/A変換部11、最適電流可変制御部12、フル駆動制御部13、定電流駆動部14、電流切替回路部15およびプレートOFF感知部16を備えた構成とされている。

    NOT回路10は、ユーザがリレースイッチ5を押下すると、最適電流可変制御部12やフル駆動制御部13および定電流駆動部14がGNDに接続されるため、そのGNDの電位(Low)をHiに反転させるものである。

    D/A変換部11および最適電流可変制御部12は、本発明における最適電流設定部に相当するものである。

    D/A変換部11は、電流切替回路部15に備えられる後述するオペアンプ15aの基準電圧を出力するものであり、例えば、0〜5Vの範囲内で可変とされる基準電圧を出力する。 このD/A変換部11の出力する基準電圧の大きさに応じて、電磁継電器4が既にONの状態になっているときにその状態を保持するために必要とされる保持電流の大きさが変化するようになっており、本実施形態の場合には、基準電圧が大きくなるほど、保持電流が大きくなるような設定とされている。

    最適電流可変制御部12は、電磁継電器4に備えられるコイル4aに対して流す電流Irが最適制御値となるようにするために、D/A変換部11が出力する基準電圧の設定を行うものである。 例えば、最適電流可変制御部12は、内部に図示しないカウンタを備えており、カウンタのカウント値を示す制御信号をD/A変換部11に出力する。 このカウンタのカウント値がD/A変換部11の出力する基準電圧に対応したものとなっているため、最適電流可変制御部12から制御信号が出力されると、D/A変換部11から、その制御信号が表したカウント値と対応する電位が基準電位として出力される。

    また、最適電流可変制御部12は、プレートOFF感知部16にてプレート4fがコア頭部4gから引き離される傾向(以下、OFF傾向という)にあることが検知されたときに、それを示す信号が入力されると、そのときのカウンタのカウント値を記憶しておき、その後は、D/A変換部11に対して、例えば記憶しておいたカウント値を2つ繰り上げた値を示す制御信号を出力することで、D/A変換部11が出力する基準電圧をOFF傾向が検知される前よりも高くし、保持電流が高くなるようにする。

    これらD/A変換部11および最適可変制御部は、例えば1つのマイクロコンピュータによって構成される。

    フル駆動制御部13は、電磁継電器4がOFFの状態からONの状態にさせたい場合に、電流切替回路部15に対して、予め決められた一定時間、電磁継電器4のコイル4aに流す電流Irを最大値(フル通電用電流値)にさせる指令を行うものである。 具体的には、ユーザーが電磁継電器4をOFFからONに切替えるためにリレースイッチ5を操作すると、NOT回路10を介してHiの電位がフル駆動制御部13に入力されるため、フル駆動制御部13はNOT回路10に接続された端子の電位がHiに切り替わったことを認識すると、電流切替回路部15に対して一定時間Hiの電位を出力するようになっている。

    また、フル駆動制御部13は、外乱が発生した場合に、電磁継電器4がONの状態からOFFの状態に切り替わってしまう可能性がある場合に、一時的に電流切替回路部15に対して、電磁継電器4のコイル4aに流す電流Irを最大値にさせる指令を行う。 具体的には、プレートOFF感知部16においてOFF傾向が検出されたときに、後述するようにプレートOFF感知部16の出力電位がLowに切り替わるため、フル駆動制御部13はプレートOFF感知部16に接続された端子の電位がLowに切り替わったことを認識すると、電流切替回路部15に対して一定時間Hiの電位を出力するようになっている。

    定電流駆動部14は、電磁継電器4が既にONの状態になっているときにその状態を保持するような場合に、電流切替回路部15に対して、電磁継電器4のコイル4aに流す電流Irを最大値よりも小さな電流値として設定される保持電流とするものである。 すなわち、電磁継電器4が既にONの状態になっているときにその状態を保持するような場合には、比較的必要とされる電流値が小さくて済むため、電流Irを保持電流にする。 具体的には、ユーザーが電磁継電器4をOFFからONに切替えるためにリレースイッチ5を操作すると、NOT回路10を介してHiの電位が定電流駆動部14に入力されるため、定電流駆動部14は、NOT回路10に接続された端子の電位がHiに切り替わったことを認識すると、電流切替回路部15に対して常時Hiの電位を出力するようになっている。

    電流切替回路部15は、電流切替部に相当し、コイル4aに流す電流Irを最大値にするのか、それとも保持電流にするのかの切り替えを行うものである。 この電流切替回路部15が電磁継電器4のローサイド側に配置されている。 具体的には、電流切替回路部15は、オペアンプ15a、抵抗15bおよび第1〜第3トランジスタ15c〜15eを備えた構成とされている。

    オペアンプ15aは、非反転入力端子にD/A変換部11の出力電圧、つまり基準電圧が入力されると共に、反転入力端子に第1トランジスタ15cのエミッタ端子の電位が入力され、出力端子から第1トランジスタ15cのベース電流を出力するように構成されている。

    抵抗15bは、一定定数の抵抗値を有したもので、電磁継電器4のコイル4aに流れる電流Irを絞るために備えられている。

    第1トランジスタ15cは、コレクタ端子が電磁継電器4におけるコイル4aの一端に接続され、コイル4aに流れる電流Irの制御に用いられる。

    第2、第3トランジスタ15d、15eは、それぞれ、定電流駆動部14もしくはフル駆動制御部13によって駆動される。 定電流駆動部14からHiの電位が出力されると第2トランジスタがONになり、フル駆動制御部13からHiの電位が出力されると第3トランジスタ15eがONになる。 このため、第2トランジスタ15dがON、第3トランジスタ15eがOFFのときには、抵抗を通じて電流Irが流れることになるため、コイル4aに対して最大値よりも小さくされた保持電流が流れる。 また、第2トランジスタ15dがON(又はOFF)、第3トランジスタ15eがONのときには、抵抗を通じないで電流Irが流れることになるため、コイル4aに対して流される電流Irが最大値となる。

    そして、このような構成において、D/A変換部11から出力される基準電圧が変化させられるようになっているため、第1トランジスタ15cのエミッタ電位が基準電圧に近づくように、第1トランジスタ15cのベース電流が制御される。 これにより、第1トランジスタ15cのコレクタ電流、つまり電磁継電器4のコイル4aに流れる電流Irが最適値となるように調整される。

    プレートOFF感知部16は、電磁継電器4のコイル4aの一端の電位、ここではローサイド側の電位を検知電位として、この検知電位に基づいてOFF傾向を検出し、OFF傾向があったときに、プレート4fがコア頭部4gから離れようとする前に、最適電流可変制御部12やフル駆動制御部13に対してそれを伝えるものである。 具体的には、プレートOFF感知部16は、図3に示すような回路構成とされている。

    図3に示されるように、コンデンサ16a、コンパレータ16b、閾値電位設定用の分圧抵抗16c、16d、および、中間電位形成用の分圧抵抗16e、16fが備えられている。

    コンデンサ16aは、検知電位がプレートOFF感知部16に入力されたときに、その電位のうちの直流成分を除去して交流成分(高周波成分)のみを抽出する役割と、検知電位の変化速度が一定の速さよりも遅ければプレートOFF感知部16が反応せず、それ以上の速さになるとプレートOFF感知部16が反応するハイパスフィルタとしての役割を果たしている。

    分圧抵抗16c、16dおよび分圧抵抗16e、16fは、定電圧源から印加される電圧VDDを分圧するものであり、これらの分圧抵抗16c、16dおよび分圧抵抗16e、16fによって分圧された電位がコンパレータ16bの反転入力端子もしくは非反転入力端子にそれぞれ入力されている。 このうち、反転入力端子に入力される分圧抵抗16e、16fにより分圧された中間電位点の電位が、コンデンサ16aを介して入力される交流成分に対して加算される中間電位であり、非反転入力端子に入力される分圧抵抗16c、16dにより分圧された電位が閾値電位である。

    コンパレータ16bは、コンデンサ16aを介して入力される交流成分、つまりコイル4aの一端の電位変動に対して中間電位点の電位を加算した電位(以下、変動電位という)と、分圧抵抗16c、16dによって設定された閾値電位と、いずれが大きいかを大小比較し、その比較結果に応じた出力を発生させる。 具体的には、変動電位が閾値電位よりも高ければOFF傾向にあることを示すLowの電位、低ければOFF傾向が無いことを示すHiの電位が出力される。

    このように、プレートOFF感知部16は、コイル4aの一端の電位を検知電位として用い、この検知電位の交流成分を含む変動電位を閾値電位と比較することで、OFF傾向にあるか否かを検出する。

    すなわち、コイル4aの両端間の電圧は、プレート4fがコア頭部4gから引き離されようとすると、コイル4aのインダクタンスが変動し、プレート4fがコア頭部4gから引き離されないために最低限必要とされる電流Irの値(以下、Ir実力値という)が大きく変動する。 このため、コイル4aの両端間の電圧に相当するコイル4aのローサイド側の電位を検知電位として用いることでコイル4aに流れる電流Irの実力値を監視し、その検知電位の変動からOFF傾向を検知している。

    次に、上記のように構成される本実施形態のリレー駆動回路1の具体的な作動について、図4に示すタイミングチャートを参照して説明する。

    ユーザがリレースイッチ5を押下する前には、最適電流可変制御部12やフル駆動制御部13および定電流駆動部14に対してLowの電位が入力されている。 このため、第2、第3トランジスタ15d、15eが共にOFFされ、電磁継電器4のコイル4aには電流Irが流れない状態となる。 したがって、電磁継電器4のプレート4fはコア頭部4gから離れた状態となり、可動接点4dと固定接点4eが非接触となって電磁継電器4がOFFとなる。 これにより、負荷2への電力供給を行うための電力供給ラインがOFFになるため、負荷2への電力供給が行われない状態となる。

    ユーザがリレースイッチ5を押下すると、NOT回路10を通じて最適電流可変制御部12やフル駆動制御部13および定電流駆動部14にHiの電位が入力される。 これにより、まずはフル駆動制御部13および定電流駆動部14の出力電位が共にHiになり、第2、第3トランジスタ15d、15eが共にONになる。 また、これと同時に、最適電流可変制御部12からD/A変換部11の基準電位が最大値のときに対応するカウント値を示す制御信号が出力される。 このため、D/A変換部11の基準電位が最大値(例えば5V)に設定される。 これらに基づき、図4の期間T1に示されるように、第3トランジスタ15eを通じてコイル4aに供給される電流Irが流れるフル通電状態となり、電流Irが最大値となる。

    したがって、板バネ4cの弾性力にコイル4aの磁気吸引力が打ち勝ち、プレート4fがコア頭部4g側に引き寄せられて接触し、可動接点4dが固定接点4eと接触することで電磁継電器4がONとなる。 これにより、負荷2への電力供給を行うための電力供給ラインがONになり、負荷2への電力供給が行われる状態となる。

    続いて、一定時間が経過すると電磁継電器4がONしたと想定されるため、図4の期間T2では、フル駆動制御部13の出力電位は、一定時間経過後にHiからLowに切替えられ、定電流駆動部14の出力電位は、その後もHiに維持される。 これと同時に、最適電流可変制御部12から出力される制御信号が、D/A変換部11の基準電位が最大値のときに対応するカウント値から徐々にカウントダウンされた値を示すものとされる。 これにより、D/A変換部11の出力する基準電位が徐々に低下していき、コイル4aに供給される電流Irも徐々に低下していくことになる。 このときの電流Irの変化は、外乱による変化と比べて十分に遅いものであるため、コイル4aのローサイド側の電位が変動してもプレートOFF感知部16ではOFF傾向が検出されない。

    電流Irが徐々に低下していくと、Ir実力値に近づいていく。 電流IrがIr実力値になるとプレートOFF感知部16でOFF傾向が検出され、プレートOFF感知部16の出力がLowに切り替わり、これがフル駆動制御部13および最適電流可変制御部12に入力される。

    これにより、フル駆動制御部13は、OFF傾向にあることを検出して、一定期間フル通電状態にすべく第3トランジスタ15eをONさせる。 また、最適電流可変制御部12は、そのときのカウンタのカウント値を記憶すると共に、カウント値に対して例えば2つ繰り上げた値を示す制御信号を出力する。

    したがって、一定期間中はフル駆動制御部13によって電流Irが最大値とされたフル通電状態とされ、その後は、最適電流可変制御部12の制御信号に基づいてD/A変換部11が出力する基準電圧がOFF傾向が検知される前よりも高くされることで、保持電流が一定のマージンを持つように高く設定し直される。 このようにして、フル通電状態から保持電流への切り替えが行われる。

    これにより、電磁継電器4のON状態が保持されると共に、その保持を行うためにコイル4aに流す保持電流を最大値よりも低く、かつ、Ir実力値よりも少し高い値としているため、消費電力の増大を防ぐことが可能となる。

    次に、保持電流が設定された後、期間T3において突発的な外乱が発生したとすると、コイル4aのインダクタンスの変化によって電流Irが急激に変動するため、それがプレートOFF感知部16によって検出され、プレートOFF感知部16の出力がLowに切り替わり、これがフル駆動制御部13および最適電流可変制御部12に入力される。

    これにより、フル駆動制御部13は、OFF傾向であることを検出して、一定期間フル通電状態にすべく第3トランジスタ15eをONさせる。 また、最適電流可変制御部12は、そのときのカウンタのカウント値を記憶すると共に、カウント値に対して例えば2つ繰り上げた値を示す制御信号を出力する。

    したがって、上記と同様に、一定期間中はフル駆動制御部13によって電流Irが最大値とされたフル通電状態とされ、その後は、最適電流可変制御部12の制御信号に基づいてD/A変換部11が出力する基準電圧がOFF傾向が検知される前よりも高くされることで、保持電流が一定のマージンを持つように高く設定し直される。 このようにして、突発的な外乱が発生しても、瞬間的にコイル4aに流す電流Irをフル通電とすることで、電磁継電器4がOFFになってしまうことを防止できる。

    参考として、図5に、このときの様子を示したタイミングチャートを示す。 この図に示されるように、突発的な外乱(突入電流)が発生すると、それによってコイル4aのインダクタンスが変化するため、コイル4aの両端電圧が変化する。 その瞬間、プレートOFF感知部16の出力がLowに低下し、フル通電に移行する。

    その後、図4の期間T4において、例えば温度変化等の定常外乱によってIr実力値が変動し、そのとき設定されている保持電流よりもIr実力値が大きくなると、再びOFF傾向としてプレートOFF感知部16で感知される。

    Ir実力値が変動して保持電流を超えると、突発的な外乱が発生したときと同様、プレートOFF感知部16でOFF傾向が検出され、プレートOFF感知部16の出力がLowに切り替わり、これがフル駆動制御部13および最適電流可変制御部12に入力される。

    これにより、フル駆動制御部13は、OFF傾向にあることを検出して、一定期間フル通電状態にすべく第3トランジスタ15eをONさせる。 また、最適電流可変制御部12は、そのときのカウンタのカウント値を記憶すると共に、カウント値に対して例えば2つ繰り上げた値を示す制御信号を出力する。

    したがって、上記と同様に、一定期間中はフル駆動制御部13によって電流Irが最大値とされたフル通電状態とされ、その後は、最適電流可変制御部12の制御信号に基づいてD/A変換部11が出力する基準電圧がOFF傾向が検知される前よりも高くされることで、保持電流が一定のマージンを持つように高く設定し直される。 このようにして、Ir実力値が定常外乱によって変化した場合の保持電流の設定が行われる。

    以上説明したように、本実施形態のリレー駆動回路1によれば、突発的な外乱が発生した場合に、瞬間的にコイル4aに流す電流Irを最大値とするフル通電とし、外乱が終わったときには再び保持電流に戻すようにしている。 このため、外乱が発生していないときまで外乱を考慮に入れた大きさの保持電流を流し続けなくても、突発的な外乱によって電磁継電器4が誤ってOFFされてしまうことを防ぐことが可能となる。

    したがって、外乱によって電磁継電器4がOFFしてしまうことを抑制し、かつ、消費電力の低減を図ることができるリレー駆動回路1とすることが可能となる。

    また、本実施形態のリレー駆動回路1では、プレートOFF感知部16がコイル4aのローサイド側の電位をモニタすることでIr実力値を監視することが可能となり、Ir実力値に応じて最適電流可変制御部12にて電流Irが保持電流として最適な大きさとなるようにしている。 このため、定常的な外乱に対しても、電磁継電器4が誤ってOFFされてしまうことを防ぐことが可能としつつ、電磁継電器4のONを保持するための保持電流をできるだけ小さな値とすることが可能となり、より消費電力の低減を図ることが可能となる。

    (第2実施形態)
    本発明の第2実施形態について説明する。 本実施形態では、第1実施形態と同様の構成のリレー駆動回路1において、プレートOFF感知部16がOFF傾向を検出してフル通電を行った後の動作を第1実施形態に対して変えている。 したがって、ここでは第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。

    本実施形態では、フル通電を行った後に、直ぐにコイル4aに流す電流Irを保持電流、具体的にはOFF傾向が検出される前に設定されていた保持電流に対して最適電流可変制御部12のカウンタのカウント値を2つ繰り上げたものに相当する保持電流まで低下させるのではなく、最大値から徐々に保持電流を低下させる。

    電流Irを最大値とするフル通電を行った後に、直ぐに保持電流まで低下させた場合、フル通電を行っている最中にIr実力値が変化していなければ良いが、Ir実力値が変化していると、保持電流まで低下させることによってIr実力値よりも電流Irが下回る可能性もある。 このため、電流Irを最大値から保持電流まで徐々に低下させるようにすることで、仮にIr実力値が変化していたとしても、それに対応して再度新たな保持電流を設定し直すことが可能となる。

    図6は、その様子を示したタイミングチャートであり、図6(a)、(b)は、それぞれ、電流Irを最大値から保持電流まで低下させるまでの間にIr実力値が変化しなかった場合と変化した場合を示したものである。 この図に示されるように、Ir実力値が変化していなければ、最適電流可変制御部12のカウンタのカウント値を2つ繰り上げたものに相当する保持電流まで低下すると、その保持電流が電流Irとして流し続けられる。 一方、Ir実力値が変化して保持電流を超えてしまっている場合には、保持電流が再度設定し直され、Ir実力値の変化によって電磁継電器4が誤ってOFFされてしまうことを防止することが可能となる。

    (第3実施形態)
    本発明の第3実施形態について説明する。 本実施形態は、上記第1、第2実施形態で示したリレー駆動回路1を電磁継電器4と共に電気接続箱に収容する際の搭載形態を示したものである。 したがって、リレー駆動回路1などの回路構成に関しては第1、第2実施形態と同様であるため、ここではリレー駆動回路1および電磁継電器4を電気接続箱に収容したときの構造についてのみ説明する。

    図7、図8は、リレー駆動回路1および電磁継電器4を電気接続箱20に収容した時の様子を示したものであり、図7は、電気接続箱20内の上面模式図、図8は、図7のA−A'断面図である。

    これらの図に示されるように、電気接続箱20のケース21は、アッパーカバー21a、ロアカバー21bおよびインナーカバー21cによって構成されている。 アッパーカバー21aおよびロアカバー21bは、ケース21の外形を構成するものであり、共に、一面が開口した断面略コの字形状を為している。 アッパーカバー21aの開口面側の外枠がロアカバー21bの開口面側の外枠に嵌め込めるようになっており、アッパーカバー21aおよびロアカバー21bの開口する一面が対向するように配置してアッパーカバー21aの外枠をロアカバー21bの外枠内に嵌め込むことで、これらが一体とされケース21の外形が形作られている。

    ロアカバー21bのうち、アッパーカバー21aが嵌め込まれる面とは逆の面には、部分的に外部接続用コネクタ部22が設けられ、複数のコネクタ端子23が備えられている。

    アッパーカバー21aおよびロアカバー21bの内側には、インナーカバー21cが配置されている。 インナーカバー21cは、ロアカバー21bよりも1回り小さく、一面が開口する断面略コの字形状を為している。 そして、インナーカバー21cを開口面側からロアカバー21b内に収容し、ボルト24にてロアカバー21bに締結することで、インナーカバー21cがロアカバー21bに固定されている。

    インナーカバー21cには、インシュレータ25a、25bに挟まれるように配置されたバスバー基板層26が配置され、さらにバスバー基板層26と平行にプリント基板層27も配置されている。 これらバスバー基板層26およびプリント基板層27が、配線部材に相当するものである。

    バスバー基板層26からは、インシュレータ25aから突き出すように複数のバスバー端子26aが延設されており、各バスバー端子26aが中継端子28に接続されている。 そして、インナーカバー21cのうち各中継端子28の配置箇所に対応して備えられた複数の孔を通じて、複数のプラグインリレー29や2つのリレーが内蔵された2連リレー30の各端子29a、30aが中継端子28に接続されている。 2連リレー30の上面には、2連リレーの用いられる用途等に応じて、例えば30A以下で用いるヒューズ30bもしくは30A以上で用いるヒュージブルリンク30cが備えられ、これらによって各2連リレー30の保護が図られている。

    また、プリント基板層27には、複数個のプリント基板用リレー31が備えられ、さらにICチップ32が実装されている。

    このように構成される電気接続箱20のうち、ICチップ32が上記第1、第2実施形態におけるリレー駆動回路1が構成したものであり、プラグインリレー29や2連リレー30もしくはプリント基板用リレー31が上記第1、第2実施形態における電磁継電器4に相当するものである。

    このように、リレー駆動回路1と電磁継電器4とを同じ電気接続箱20内に収容した構成とすることが可能である。 このような構成とすることで、これらを別体とした場合と比較して、配線の配策がし易く、かつ、ハーネスなどが不要になるという効果が得られる。

    (第4実施形態)
    本発明の第4実施形態について説明する。 本実施形態では、第1実施形態とほぼ同様の構成のリレー駆動回路1を電磁継電器4のハイサイド側に設置することで、電磁継電器4をハイサイド駆動するものである。 したがって、ここでは第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。

    図9は、本実施形態のリレー駆動回路1の回路模式図である。 この図に示すように、電流切替回路部15は、オペアンプ15a、抵抗15b、第1〜第3トランジスタ15c〜15eに加えて、カレントミラー回路を構成する第4、第5トランジスタ15f、15gも備えている。 このように構成されるリレー駆動回路1の基本動作は、第1実施形態と同様である。 具体的には、オペアンプ15aに対して、非反転入力端子にD/A変換部11の出力電圧、つまり基準電圧が入力されると共に、反転入力端子に第1トランジスタ15cのエミッタ端子の電位が入力されると、出力端子から第1トランジスタ15cのベース電流が出力され、第1トランジスタ15cがそのベース電流に応じたコレクタ電流を流す。 これにより、第4トランジスタ15fにも電流が流れ、カレントミラー接続された第5トランジスタ15gにもカレントミラー比に応じた電流が流れる。 この電流がD/A変換部11にて最適電流可変制御部12のカウンタのカウント値に応じて変化する。 このため、フル駆動制御部13にて駆動される第3トランジスタ15eを通じて流れる電流と第5トランジスタ15gを通じて流れる電流が電磁継電器4のコイル4aに流れ、電磁継電器4が駆動される。

    このような構成のリレー駆動回路1では、プレートOFF感知部16は、コイル4aのハイサイド側の電位に基づいてOFF傾向を検出することが可能となる。 このため、プレートOFF感知部16は、図10のような回路構成にできる。

    すなわち、図10に示すように、プレートOFF感知部16には、コンパレータ16bおよび閾値電位設定用の分圧抵抗16c、16dのみが備えられ、第1実施形態で備えられていたコンデンサ16aなどが無くされている。

    このような構成では、コイル4aのハイサイド側の電位がGNDを基準として計測されるため、コイル4aの両端電圧に相当する電位を容易に計測することが可能となる。 また、リレー駆動回路1が電磁継電器4のローサイド側に配置される場合、電磁継電器4に直接バッテリ電圧が印加されることになるため、コイル4aのローサイド側の電位がバッテリ電圧の変動の影響を受けやすく、ハイパスフィルタとして機能するコンデンサ16aが必要になっていた。 これに対して、本実施形態のような構造の場合、コイル4aのハイサイド側の電位がバッテリ電位(電源)の変動の影響を受け難いため、ハイパスフィルタとして機能するコンデンサ16aを無くすことが可能となる。

    (第5実施形態)
    本発明の第5実施形態について説明する。 本実施形態では、第4実施形態のようにリレー駆動回路1により電磁継電器4をハイサイド駆動する構造において、第1実施形態などで示したD/A変換部11および電流切替回路部15の構成を変更したものである。 したがって、ここでは第1又は第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。

    図11は、本実施形態のリレー駆動回路1を示した回路模式図である。 この図に示されるように、定電流D/A変換部(重み付け回路)40が備えられている。 定電流D/A変換部40には、最適電流可変制御部12から複数ビットのデータ線41が接続されており、最適電流可変制御部12から直接定電流D/A変換部40から出力させたい電流値に応じたデータが入力されるように構成されている。 定電流D/A変換部40は、2 nに重み付けされた定電流回路が2 0 〜2 nまで並べられた構成とされており、定電流駆動部13にて駆動されるトランジスタ15hのコレクタ電流を定電流源として、入力されたデータに基づいて重み付けされた各定電流回路をON・OFFさせることで、データに応じた定電流を発生させる。 この定電流D/A変換部40が発生させた定電流がフル駆動制御部14にて駆動されるトランジスタ15iのコレクタ電流に加算され、電磁継電器4のコイル4aに供給される。

    また、本実施形態では、最適電流可変制御部12は、電磁継電器4に備えられるコイル4aに対して流す電流Irが最適制御値となるようにするために、定電流D/A変換部40が出力する電流値を設定し、その電流値に制御するためのデータを出力する。 例えば、最適電流可変制御部12は、内部に図示しないカウンタを備えており、データ線41を通じて、カウンタのカウント値を示すデータを定電流D/A変換部40に出力する。 このカウンタのカウント値を示すデータが定電流D/A変換部40の出力する電流値に対応したものとなっているため、最適電流可変制御部12からデータが出力されると、定電流D/A変換部40から、そのデータが表したカウント値と対応する電流が流される。

    このように、第1実施形態などで示したD/A変換部11と電流切替回路部15の一部を組み合わせた定電流D/A変換部40としても構わない。 また、このような定電流D/A変換部40を用いた場合、最適電流可変制御部12からカウント値に応じたデータを出力すると、それがそのまま定電流D/A変換部40に変換されることになる。 このため、第1実施形態などにおいて、D/A変換部11と電流切替回路部15に分けていた場合のように、D/A変換部11で一旦ロジック的にオペアンプ15aに出力する電圧に変換したのち、さらにそれをオペアンプ15aおよび第1トランジスタ15cにて電流に変換する必要がなくなる。 このため、回路構成の簡略化も図ることが可能となる。

    なお、本実施形態の場合、定電流D/A変換部40およびトランジスタ15h、15iにて第1実施形態などにおける電流切替回路部15を構成すると共に、D/A変換部11の役割も果たさせている。 このため、定電流D/A変換部40およびトランジスタ15h、15iが本実施形態の電流切替部に相当し、最適電流可変制御部12が最適電流設定部に相当する。

    (他の実施形態)
    上記第1〜第3実施形態では、プレートOFF感知部16に入力される検知電位として、コイル4aのローサイド側の電位を用いているが、OFF傾向がコイル4aの両端間の電圧の変化を検出するようにしても構わない。 ただし、上記のように、コイル4aのローサイド側の電位を検知電位として用いれば、コイル4aのインダクタンスの変化に基づくIr実力値の変化を1つの部位の電位をモニタするだけで検出することが可能となるという効果がある。

    また、上記第1〜第4実施形態では、D/A変換部11および最適電流可変制御部12を1つのマイコンで構成し、最適電流可変制御部12のカウンタのカウント値に基づいてD/A変換部11の出力する基準電位を決めるようにしている。 しかしながら、これも単なる一例であり、D/A変換部11で出力する基準電位を示すカウント値を記憶できるものであれば、logic回路などによっても実現することが可能である。

    また、上記第4、第5実施形態に関しても、第3実施形態の電気接続箱に電磁継電器4と共にリレー駆動回路1を収容することができる。

    さらに、上記第5実施形態に関しても、電磁継電器4よりもリレー駆動回路1がローサイド側に配置されるようにし、電磁継電器4をリレー駆動回路1にてローサイド駆動する形態としても良い。

    本発明の第1実施形態におけるリレー駆動回路の回路構成を示す図である。

    電磁継電器4の詳細構造を示した側面図であり、(a)は、電磁継電器4がOFFした際の様子を示した図であり、(b)は電磁継電器4がONした際の様子を示した図である。

    図1に示すリレー駆動回路1のプレートOFF感知部16の回路構成を示した図である。

    リレー駆動回路1の具体的な作動を示したタイミングチャートである。

    突発的な外乱が発生したときのタイミングチャートである。

    (a)、(b)は、それぞれ、電流Irを最大値から保持電流まで低下させるまでの間にIr実力値が変化しなかった場合と変化した場合を示したタイミングチャートである。

    電気接続箱20内の上面模式図である。

    図7のA−A'断面図である。

    本発明の第4実施形態におけるリレー駆動回路1の回路模式図である。

    図9に示すリレー駆動回路1のプレートOFF感知部16の回路構成を示した図である。

    本発明の第5実施形態におけるリレー駆動回路1の回路模式図である。

    符号の説明

    1…リレー駆動回路、2…負荷、3…電源供給ライン、4…電磁継電器、4a…コイル、4b…ヨーク部、4c…板バネ、4d…可動接点、4e…固定接点、4f…プレート、4g…コア頭部、5…リレースイッチ、10…NOT回路、11…D/A変換部、12…最適電流可変制御部、13…フル駆動制御部、14…定電流駆動部、15…電流切替回路部、15a…オペアンプ、15b…抵抗、15c〜15g…第1〜第5トランジスタ、16…プレートOFF感知部、16a…コンデンサ、16b…コンパレータ、16c〜16e…分圧抵抗、20…電気接続箱、21…ケース、21a…アッパーカバー、21b…ロアカバー、21c…インナーカバー、26…バスバー基板層、27…プリント基板層、28…中継端子、29…プラグインリレー、30…2連リレー、31…プリント基板用リレー、32…ICチップ。

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