Thermal switch

申请号 JP2000396915 申请日 2000-12-25 公开(公告)号 JP2002197954A 公开(公告)日 2002-07-12
申请人 Alps Electric Co Ltd; アルプス電気株式会社; 发明人 HASEYAMA ATSUSHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a structure of a thermal switch using a bimetal piece, which is capable of preventing scatter of melted metal when incorporating the bimetal piece into a housing and laser-welding it on a fixed terminal and of incorporating the bimetal piece with high precision. SOLUTION: The thermal switch has a housing 1 with a bottom, a fixed contact 3 arranged on the inner bottom of the housing 1 and a flip part 5a capable of flipping according to the temperature, and comprises the bimetal piece 5 with a movable contact 6, which contacts and separates from the fixed contact 3, fixed at one end thereof, and a fixed terminal 4 arranged on the inner bottom of the housing 1 with the other end of the bimetal piece 5 overlapped and fixed thereon in a cantilever. An opening 1c, through which a laser bean can be emitted from the outer bottom of the housing 1, is formed on the bottom of the housing 1 to match the overlapped position between the fixed terminal 4 and the bimetal piece 5.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 有底状のハウジングと、このハウジングの内底面に配設された固定接点と、温度に応じて反転可能な反転部を有し、前記固定接点と接離する可動接点が一端側に固着されたバイメタル片と、このバイメタル片の他端側が重ね合わされて片持ち状に固着されると共に、前記ハウジングの内底面に配設された固定端子とを備え、前記ハウジングの底部には、前記固定端子とバイメタル片との重ね合わせ部に対応してハウジングの外底面からレーザ照射可能な開口部を形成したことを特徴とする熱応動スイッチ。
  • 【請求項2】 前記固定端子とバイメタル片との重ね合わせ部には、前記ハウジングの開口部側からハウジングの内側に向かって先細状の溶着部が形成され、この溶着部は前記固定端子を通して前記バイメタル片の厚さの範囲内に形成されていることを特徴とする請求項1記載の熱応動スイッチ。
  • 【請求項3】 前記開口部は、前記ハウジングの成形時にハウジングの底部に設けられた前記固定端子のガイドピン跡であることを特徴とする請求項1、又は2記載の熱応動スイッチ。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、熱応動スイッチに関し、特にバイメタル片の熱応動によって可動接点を反転させて電気接点を開閉させるスイッチの構造に関する。

    【0002】

    【従来の技術】熱応動スイッチは、熱膨張係数の異なる金属を複数枚張り合わせた熱応動素子(バイメタル)を可動片とする可動電極と、この可動電極と共に常時閉接点形の回路を構成する固定電極とが設けられており、電気機器の回路に接続されてその電気機器を保護している。

    【0003】すなわち、電気機器の回路に接続された熱応動スイッチは、その電気機器に過大な電流が流れたり、周囲温度が異常に高くなった時には、バイメタルの湾曲反転作用でスイッチ接点を開く構造になっているため、電気機器への給電が遮断されるようになっている。
    そして、電気機器への給電が遮断されることにより周囲温度が低下することで、バイメタルが自動復帰し、スイッチ接点は再び閉じ給電を再開することから、危険防止に役立つと共に電気機器を常に所定の温度範囲で動作させることが可能となっている。

    【0004】また、過電流保護回路としてバイメタルに対して並列に抵抗体を設けて、定格以上の過剰電圧がかかり、過剰電流が流れた場合にはこの抵抗体が焼き切れることにより回路をオフにし、電気機器を保護するようになっているものも知られている。

    【0005】この従来の熱応動スイッチの構造としては、合成樹脂などの絶縁材で有底の箱状に形成されたハウジングの内底面に、導電性の金属からなる一対の固定端子が一定の間隔をおいて対向して配設されている。 この一方の固定端子には固定接点が形成されており、また他方の固定端子には一端側に可動接点が固着されたバイメタル片が片持ち状に固着されたものとなっている。

    【0006】また、前記可動接点は、前記固定接点と接離可能なように一定の間隔を開けて対向して配設されており、また、前記バイメタル片には、中央にドーム状の反転部が形成されており、この反転部が温度の変化に応じて反転可能なように形成されている。 なお、通常の状態では前記可動接点は前記固定接点と接触されており、
    スイッチ回路はオンの状態となっている。

    【0007】また、前記バイメタル片は、前記固定端子上にレーザ溶接などの方法で固着されており、このレーザ溶接する位置としては、前記反転部を介して前記可動接点とは対向する他端側に形成されるものとなっている。 また、前記バイメタル片が収納されたハウジングの開口部を覆うように板状のカバーが取り付けられている。

    【0008】かかる前記バイメタル片を、前記固定端子上に固着する場合には、図10に示すように、前記可動接点が固着された前記バイメタル片を、バイメタル吸引治具51を使用して前記ハウジングの所定位置に位置決めして前記固定端子上に重ね合わせて組み込み、次の工程において、ハウジングの上面側からレーザ照射装置5
    2によってレーザ溶接を行い組み立てていた。 尚、図中53は多数のハウジングが帯状に連続形成されたフープ材を示し、54は組立装置のガイド、55は同じく支柱、56は同じくベースである。

    【0009】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の熱応動スイッチの構造においては、固定端子とバイメタル片とをレーザ溶接する場合に、金属が溶融する際に金属の飛散が発生することから、これがハウジングの内底部に残留してしまい、これを取り除くためには洗浄などが別途必要となり、組立工程も煩雑となることから、廉価対応が困難であるという問題があった。 また、スイッチハウジングの小型化対応のため、従来の熱応動スイッチの組立においては、バイメタル吸引治具5
    1とレーザ照射装置52とを干渉しないように同一位置に配置することができない。 このため、ハウジング内にバイメタル片を組み込んだ後にワークをレーザ照射装置52の配置位置まで矢印Y方向へ移送させる必要があり、この移動によりバイメタル片の位置がずれる可能性があった。

    【0010】したがって、本発明では上述した問題点を解決し、バイメタル片を使用した熱応動スイッチの構造で、バイメタル片をハウジング内へ組み込んで固定端子上にレーザ溶接する際に、金属の溶融による飛散の発生を防止することができる熱応動スイッチの構造を提供することを目的とする。 また、高精度にバイメタル片を組み込むことが可能な熱応動スイッチを提供することを目的とする。

    【0011】

    【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明では第1の手段として、有底状のハウジングと、このハウジングの内底面に配設された固定接点と、
    温度に応じて反転可能な反転部を有し、前記固定接点と接離する可動接点が一端側に固着されたバイメタル片と、このバイメタル片の他端側が重ね合わされて片持ち状に固着されると共に、前記ハウジングの内底面に配設された固定端子とを備え、前記ハウジングの底部には、
    前記固定端子とバイメタル片との重ね合わせ部に対応してハウジングの外底面からレーザ照射可能な開口部を形成したことを特徴とする。

    【0012】また、前記固定端子とバイメタル片との重ね合わせ部には、前記ハウジングの開口部側からハウジングの内側に向かって先細状の溶着部が形成され、この溶着部は前記固定端子を通して前記バイメタル片の厚さの範囲内に形成されていることを特徴とする。

    【0013】また、前記開口部は、前記ハウジングの成形時にハウジングの底部に設けられた前記固定端子のガイドピン跡であることを特徴とする。

    【0014】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1乃至図9に示す。 図1は熱応動スイッチのカバーを外した状態の平面図、図2は同じく断面図、図3は固定接点及び固定端子が配設されたハウジングの平面図、図4は同じく断面図、図5は同じく底面図、図6は可動接点を固着した状態のバイメタル片の平面図、図7は同じく正面図、図8は固定端子とバイメタル片との接合状態を示す説明図、図9はハウジングへのバイメタル片の組込みと固定端子との接合工程を示す説明図である。

    【0015】図において、ハウジング1は、合成樹脂等の絶縁材で上面が開口された箱状に形成されている。 このハウジング1の内底部には、後述する各端子が配設されており、この各端子の一端部は前記ハウジング1の両側面側から外方へ導出されたものとなっている。 また、
    前記ハウジング1の内底面の中央には、この内底面から半球状に突出した支持突起部1aが設けられている。

    【0016】また、前記ハウジング1の一端側には、長方形状の溝部1bが形成されており、この溝部1bに、
    後述するバイメタル片5の延出腕部5bが係合され案内されるものとなっている。

    【0017】また、前記ハウジングの底部には、外底面側から、後述する各端子の裏面に達する開口部1c、1
    dが設けられている。 この開口部1c、1dは、各端子を前記ハウジング1内にインサート成形する場合に、各端子の位置決めを行うための成形金型に設けられたガイドピンのピン跡である。

    【0018】第1の端子2は、黄銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。 この第1の端子2の一端側には、前記ハウジング1の内底面に表出する小円形の平面からなる固定接点3が設けられており、この第1の端子2の他端側には、前記ハウジング1の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部2bが設けられている。

    【0019】また、前記第1の端子2には、前記固定接点3と前記接続端子部2bとの間で、前記固定接点3の近傍に幅広状の窓孔部2cが設けられている。 この窓孔部2cは、前記第1の端子2の長手方向の、前記固定接点3を通る中心線上に形成されており、かつ、前記第1
    の端子2の幅方向に、前記窓孔部2cの幅が前記固定接点3の外周幅よりも大きくなるように形成されている。
    また、前記窓孔部2cは、前記固定接点3の外周に合わせて周回するように切り込み形成されたものとなっている。

    【0020】また、前記第1の端子2には、前記窓孔部2cを含む部分に傾斜部2dが設けられており、この傾斜部2dを介して前記固定接点3と、前記接続端子部2
    bとが接続された構成となっている。 前記第1の端子2
    が前記ハウジング1に取付けられる場合には、前記傾斜部2d部分が前記ハウジング1の内底部に埋設されて取付けられるものとなっている。

    【0021】第2の端子4は、同じく黄銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。 この第2の端子4の一端側には、プレスなどで偏肉させて突出部4aが形成されており、この突出部4aは後述するバイメタル片5
    の一端部を固着する溶着部となっている。 また、この第2の端子4の他端側には、前記ハウジング1の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部4bが設けられている。

    【0022】また、前記第2の端子4には、後述するバイメタル片5を固着する前記突出部4aと前記接続端子部4bとの間で、前記突出部4aの近傍に幅広状の窓孔部4cが設けられている。 この窓孔部4cは、前記第2
    の端子4の長手方向の、前記突出部4aを通る中心線上に形成されており、かつ、前記第2の端子4の幅方向に、前記窓孔部4cの幅が前記突出部4aの幅よりも大きくなるように形成されている。 また、前記窓孔部4c
    は、前記突出部4aの外周に合わせて周回するように切り込み形成されたものとなっている。

    【0023】また、前記第2の端子4には、前記窓孔部4cを含む部分に傾斜部4dが設けられており、この傾斜部4dを介して後述するバイメタル片5が固着される突出部4aと、前記接続端子部4bとが接続された構成となっている。 前記第2の端子4が前記ハウジング1に取付けられる場合には、前記傾斜部4d部分が前記ハウジング1の内底部に埋設されて取付けられるものとなっている。

    【0024】上述したように、前記第1及び第2の端子2、4に、前記窓孔部2c、4cを設けたことにより、
    例え、輸送時や取付け時等に、前記接続端子部2b、4
    bに外が加わり、この接続端子部2b、4bに板厚方向に曲げられる等の応力が加わったとしても、前記窓孔部2c、4cによってこの応力が遮断されることから、
    後述するバイメタル片5や可動接点6、との固着部や、
    前記固定接点3への外部応力の影響を緩和することができ、各接点部の位置変位への影響を少なくすることができ、温度特性の安定した熱応動スイッチが得られるものとなる。

    【0025】また、前記窓孔部2c、4cを含む部分に傾斜部2d、4dを設け、この傾斜部2d、4d部分を前記ハウジング1の内底部に埋設して取付けたことから、前記第1及び第2の端子2、4の埋設部分を長くとることができ、前記ハウジング1の外形を大きくすることなしに、強固に固定できるため、小型化の対応が可能となる。 また、半田付け時の、内部へのフラックスの侵入を防止することができる。

    【0026】バイメタル片5は、例えば、電気抵抗の高い材料からなる高膨張材と、電気抵抗の低い材料からなる低膨張材との、熱膨張率の異なる2種類の金属材料を平板状に積層接合して形成されている。 このバイメタル片5の自由端となる一端側には、前記固定接点3と接離する、銀酸化錫等からなる可動接点6が電気溶接等の方法で固着されており、一方、他端側は、前記第2の端子4に設けられた前記突出部4aにレーザー溶接等の方法で固着されたものとなっている。 この場合、前記第2の端子4と前記バイメタル片5の他端側との結合箇所は、
    面全体ではなく、前記突出部4aでのみの部分的結合となることから、前記バイメタル片5が反転動作する場合に動作特性を阻害しないようになっている。

    【0027】また、前記バイメタル片5の中央部には、
    反転作用を助長するための膨出したドーム状の反転部5
    aが形成されており、この反転部5aを形成することで、前記バイメタル片5の、温度特性、すなわち、温度に応じた反転動作を確実に行えるようにしている。

    【0028】また、前記バイメタル片5の他端側で、前記第2の端子4との固着位置より外方には、前記反転部5aの形成位置とは反対側に延出する延出腕部5bが形成されている。 この延出腕部5bは、前記可動接点6と前記第2の端子4との固着部とを結ぶ中心線に対して直交する方向で、且つ平面方向へそれぞれ対向して一対延出した状態で形成されている。 また、前記延出腕部5b
    の自由端側には、対向する両側面側に弧状に膨出する係合突部5cが形成されており、この係合突部5cが前記ハウジング1の前記溝部1bの内壁部と係合されることにより、前記バイメタル片5が前記ハウジング1に案内されるものとなっている。 また、バイメタル片5の反転部5aと延出腕部5bとの間には、前記第2の端子4との結合箇所としての平坦部5dが形成されている。

    【0029】この場合、前記延出腕部5bは、前記第2
    の端子4との固着部を介して、前記反転部5aの形成位置とは反対側に延設されていることから、前記バイメタル片5を前記ハウジング1に組込む際に、前記バイメタル片5の反転部5aの変形を防止することができ、組立を容易に行うことが可能となっている。 また、前記延出腕部5bの自由端側には、対向する両側面側に弧状に膨出する係合突部5cが形成されており、この係合突部5
    cが前記ハウジング1の前記溝部1bの内壁部と係合されることから、前記バイメタル片5の回転方向の動きを効果的に抑制することが可能となり、位置決め精度が向上されるものとなる。

    【0030】カバー7は、合成樹脂などの絶縁材から略板状に形成されており、前記ハウジング1の開口部上に取り付けられ、前記ハウジング1の内部に配設された前記第1、第2の端子2、4、前記バイメタル片5、及び前記可動接点6、前記固定接点3等への塵埃やガスなどの影響を防止している。

    【0031】次に、上述した本発明の熱応動スイッチの組立について説明する。 まず、所定間隔で送り孔を形成した帯状の金属板をプレス成形して形成した前記第1、
    第2の端子2、4を前記ハウジング1の内底部にインサート成形などの方法で一体的に埋設し、多数のハウジング1が帯状に連続形成されたフープ材11を形成する。
    この時、前記各端子2、4は、前記固定接点3、及び前記バイメタル片5の一端部を固着する溶着部となる突出部4aが、前記ハウジング1の内底面の所定位置に確実に表出する必要があり、成形時に金型のキャビティー内に充填される樹脂の樹脂圧で揺動しないように、図示しない金型(下型)に設けられた端子ガイド用のガイドピンによって前記ハウジング1の底面側から裏面をガイドされており、このガイドピン跡が前記ハウジング1の底面に前記開口部1c、1dとして形成されるものとなっている。

    【0032】次に、バイメタル組込み治具12で前記バイメタル片5の平坦部5d(図2,図6)を吸着保持して、前記ハウジング1に、前記固定接点3と可動接点6
    とが対向し、かつ前記第2の端子4の突出部4aと一端部が重なり合った状態で前記バイメタル片5を組み込む。 この時、前記バイメタル片5には、前記可動接点6
    の固着方向とは反対側で、かつ長手方向とは直交する方向に延出する延出腕部5bが形成されており、この係合腕部5bが前記ハウジング1の前記溝部1bに係合されることにより、前記バイメタル片5が前記ハウジング1
    に案内されるものとなる。

    【0033】ここで、バイメタル組込治具12の先端には当て板8が設けられており、バイメタル片5を組込保持した状態で当て板8がハウジング1の開口部1c位置に対応したバイメタル片5の平坦部5dに当接している。

    【0034】次に、図8、及び図9に示すように、前記ハウジング1の上面開口側から前記バイメタル片5の一端部の上面に、溶接時のバイメタル片5の固定及び吸熱を行う当て板8を当接させた状態で、前記ハウジング1
    の底面に形成された前記開口部1cから前記固定端子4
    の底面にレーザ照射装置13により溶接用のレーザ光X
    を照射して、前記バイメタル片5を前記固定端子4の突出部4aに接合させる。 尚、図中14は組立装置のガイドを示し、15は同じく支柱、16は同じくベースである。

    【0035】この場合、図8に示すように、レーザ照射することにより溶融されたビードからなる溶着部9が固定端子4とバイメタル片5との重ね合わせ部に、ハウジング1の前記開口部1c側からハウジング1の内側に向かって先細状に形成されるが、この溶着部9は前記当て板8により吸熱されるため、前記固定端子4は通過するが前記バイメタル片5の表面までは到達せず、溶接不良となる貫通孔の発生を防止することができ、安定した溶け込み深さに形成することが可能となり、安定した接合強度が得られるものとなる。

    【0036】また、レーザ溶接時には、金属が溶融する際に金属の飛散が発生することになるが、上記構成では、前記バイメタル片5と前記固定端子4とを接合する際には、前記ハウジング1の底面に形成された前記開口部1cから前記固定端子4の底面に溶接用のレーザ光X
    を照射して、前記バイメタル片5を前記固定端子4の突出部4aに接合させるようにしていることから、ハウジング1内に金属の飛散が発生することがなく、それを取り除くための洗浄などの工程が不要となる。

    【0037】また、前記ハウジング1の底面に形成された前記開口部1cから前記固定端子4の底面に溶接用のレーザ光Xを照射して、前記バイメタル片5を前記固定端子4の突出部4aに接合させることから、前記ハウジング1に、前記バイメタル片5を組み込むのと同一の工程において、前記バイメタル片5と前記固定端子4との接合が可能になるため、移送によるバイメタル片5の位置ずれがなくなり、高精度に組立ができる。 更に、組立工程が簡易となりローコスト化が図れるものとなる。

    【0038】次に、前記ハウジング1の開口部上面側に、前記カバー7を取り付け、フープ材11から個々の熱応動スイッチに切断して分離することで組立が完了する。

    【0039】次に、上述した本発明の熱応動スイッチの動作について説明する。 常温及び通常の使用温度においては、お互いに対向されて配置されている前記可動接点6と前記固定接点3は、お互いに接触して接点がオン状態となっている。 この状態から何らかの原因で温度が上昇すると、前記可動接点6が固着されている前記バイメタル片5に設けられた前記反転部5aが、温度の上昇に応じて反転動作を行う。 この時、前記バイメタル片5に固着されている前記可動接点6は、前記バイメタル片5
    と共に駆動され、前記固定接点3から離間することとなり、接点がオフ状態となる。 この場合、反転した前記バイメタル片5の前記反転部5aは、その膨出部が反転し、前記固定接点3の方向、即ち、前記ハウジング1の内底面の方向へ突出する。

    【0040】更に、この状態から温度が下降して元の常温に戻ると、前記バイメタル片5の前記反転部5aは温度の下降に応じて反転復帰し、前記固定接点3の方向とは反対の方向へ突出することから、前記可動接点6が前記固定接点3に接触して接点がオン状態となり、初期の状態に復帰するものとなる。

    【0041】上述した、本発明の熱応動スイッチの構造においては、前記バイメタル片5の中央部に、温度に応じて反転する際の、反転作用を助長するための膨出したドーム状の反転部5aが形成されていることから、反転動作が確実に行われるものである。

    【0042】尚、前記ハウジング1の内底面には前記支持突起部1aを設けている。 そのため、温度の下降時に、万が一、前記反転部5aが徐々に温度が変化した(徐冷された)ことにより反転されずに復帰した場合には、前記反転部5aがこの支持突起部1aに当接することから、前記可動接点6と前記固定接点3との接触が離間状態に保たれ、温度上昇時に再度反転する場合の可動接点6と固定接点3との接点のチャタリングの発生防止が図れるものとなっている。

    【0043】

    【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱応動スイッチは、有底状のハウジングと、このハウジングの内底面に配設された固定接点と、温度に応じて反転可能な反転部を有し、固定接点と接離する可動接点が一端側に固着されたバイメタル片と、このバイメタル片の他端側が重ね合わされて片持ち状に固着されると共に、ハウジングの内底面に配設された固定端子とを備え、ハウジングの底部には、固定端子とバイメタル片との重ね合わせ部に対応してハウジングの外底面からレーザ照射可能な開口部を形成したことから、ハウジングの上面開口側からレーザ照射して接合する構造に比べて、ハウジング内に金属の飛散が発生することがなく、また、それを取り除くための洗浄などの工程が不要となる。 また、ハウジングに、バイメタル片を組み込むのと同一の工程において、バイメタル片と固定端子との接合が可能になるため、移送によるバイメタル片の位置ずれがなく、高精度に組立ができる。 更に、組立工程が簡易となりローコスト化が図れる。

    【0044】また、固定端子とバイメタル片との重ね合わせ部には、ハウジングの開口部側からハウジングの内側に向かって先細状の溶着部が形成され、この溶着部は固定端子を通してバイメタル片の厚さの範囲内に形成されていることから、溶着部の溶接不良となる貫通孔の発生を防止することができ、安定した溶け込み深さに形成することが可能となり、安定した接合強度が得られる。

    【0045】また、開口部は、ハウジングの成形時にハウジングの底部に設けられた固定端子のガイドピン跡であることから、別途レーザ照射のための開口部をハウジングに形成する必要がないため、構造が簡易となる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の1実施例である熱応動スイッチのカバーを外した状態を示す平面図である。

    【図2】本発明の同じく熱応動スイッチのカバーを外した状態を示す断面図である。

    【図3】本発明の同じく固定接点及び固定端子が配設されたハウジングを示す平面図である。

    【図4】本発明の同じく固定接点及び固定端子が配設されたハウジングを示す断面図である。

    【図5】本発明の同じく固定接点及び固定端子が配設されたハウジングを示す底面図である。

    【図6】本発明の同じく可動接点を固着した状態のバイメタル片を示す平面図である。

    【図7】本発明の同じく可動接点を固着した状態のバイメタル片を示す正面図である。

    【図8】本発明の固定端子とバイメタル片との接合状態を示す説明図である。

    【図9】本発明のハウジングへのバイメタル片の組込みと固定端子との接合工程を示す説明図である。

    【図10】従来のハウジングへのバイメタル片の組込みと固定端子との接合工程を示す説明図である。

    【符号の説明】 1 ハウジング 1a 支持突起部 1b 溝部 1c,1d 開口部 2 第1の端子 2b 接続端子部 2c 窓孔部 2d 傾斜部 3 固定接点 4 第2の端子(固定端子) 4a 突出部 4b 接続端子部 4c 窓孔部 4d 傾斜部 5 バイメタル片 5a 反転部 5b 延出腕部 5c 係合突部 5d 平坦部 6 可動接点 7 カバー 8 当て板 9 溶着部 11 フープ材 12 バイメタル組込治具 13 レーザ照射装置 14 ガイド 15 支柱 16 ベース X レーザ光

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