Nickel-hydrogen secondary battery

申请号 JP15432496 申请日 1996-06-14 公开(公告)号 JPH103928A 公开(公告)日 1998-01-06
申请人 Toshiba Battery Co Ltd; 東芝電池株式会社; 发明人 KANEKO HIROSHI; HIRUMA MASAYOSHI; MIYAMOTO KUNIHIKO; YAMANE TETSUYA;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a nickel-hydrogen secondary battery, equipped with a paste type positive electrode and/or a paste type negative electrode having a high capacity wherein the packing density of paste is effectively increased, a high collecting efficiency in accordance with a low electric resistance, and a high tensile strength. SOLUTION: This battery is equipped with a paste type positive electrode 2 wherein a conductive substrate is filled with a paste containing an active material, and a paste type negative electrode 4 wherein the conductive substrate is filled with a paste containing a hydrogen storage alloy; and the conductive substrate of one of the positive and negative electrodes 2 and 4, or of both are composed of a two-dimensional substrate obtained by forming and baking metallic powder obtained by power rolling method, having many pores and a thickness of 60μm or less, and laminating a three dimensional substrate formed of nickel on both sides of the two-dimensional substrate respectively.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 導電性基板に活物質を含むペーストを充填したペースト式正極および導電性基板に水素吸蔵合金を含むペーストを充填したペースト式負極を具備し、 前記正極および負極のいずれか一方または両者の導電性基板は、金属粉末を粉末圧延法により成形し、焼成することにより得られた多数の孔を有する厚さ60μm以下の二次元基板と、この二次元基板の両面にそれぞれ積層された三次元基板とからることを特徴とするニッケル−
    水素二次電池。
  • 【請求項2】 前記三次元基板は、スポンジ状金属多孔体であることを特徴とする請求項1記載のニッケル−水素二次電池。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル−素二次電池に関し、特に導電性基板を改良したニッケル−水素二次電池に係わる。

    【0002】

    【従来の技術】ニッケル−水素二次電池に用いられるペースト式正極は、例えば活物質である水酸化ニッケル粉末、導電材料および高分子結着剤を水の存在下で混練してペーストを調製し、このペーストを導電性基板に充填した後、乾燥し、必要に応じてロールプレスを行うことにより作製される。 また、前記二次電池に用いられるペースト式負極は例えば水素吸蔵合金および高分子結着剤を水の存在下で混練してペーストを調製し、このペーストを導電性基板に充填した後、乾燥し、必要に応じてロールプレスを行うことにより作製される。

    【0003】前記導電性基板としては従来より、エキスパンデッドメタル、穿孔鋼板などの二次元基板や、ビビリ切削振動による繊維状金属多孔体(非メッキタイプ)、メッキタイプであるスポンジ状金属多孔体やフェルト状金属多孔体などの三次元基板が用いられている。

    【0004】前記二次元基板は、電気抵抗が低く、かつ高い引張り強度を有するものの、ペーストの保持性および集電効率に劣る。 一方、前記三次元基板は二次元基板に比べてペーストの保持性に優れ、かつ高い集電効率を有する。 しかしながら、三次元基板においてペーストの充填量(電極容量)を高めるために目付量を低減させる、つまり空隙率を高くすると、電気抵抗および引張り強度が低下する。

    【0005】このようなことから、特開平8−1069
    06号公報には二次元基板であるパンチングメタルシートを芯材とし、この両面に発泡樹脂の薄膜を接着剤により被覆し、ニッケル粉末含有溶液を塗布し、焼成により前記発泡樹脂薄膜等の焼き抜きを行うことにより前記パンチングメタルシートの両面に発泡ニッケル多孔体(三次元基板)を一体的に結合された活物質保持基板の製造方法が開示されている。

    【0006】前記活物質保持基板は、パンチングメタルシートによる二次元基板としての低抵抗性および高強度化と、発泡ニッケル多孔体による三次元基板としてのペーストの保持性、高い集電効率を備える。 このような保持基板を有するペースト式電極において、より容量を向上させるためにはペーストの充填量の増大に寄与せず、
    むしろ保持基板の体積増大を招く前記パンチングメタルシートを薄くすることが望まれる。 しかしながら、パンチングメタルシートは、メタルシートをパンチング装置により穴あけすることにより作られるため、メタルシートを薄くするとパンチング後のバリ除去が困難になる、
    反りが発生する。 バリが残存しかつ反りのあるパンチングメタルシートを用いてその両面に発泡ニッケル多孔体を形成して作られた活物質保持基板は、前記パンチングメタルシートに起因する反り等がそのまま転写される。
    このため、前記保持基板を有するペースト式正極やペースト式負極をセパレータを間に挟んで巻回して渦巻状の電極群を作製すると、前記反り等に起因して電極群の空隙率が高くなるため、結果的には容量の増大が望めなくなる。 同時に、前記反りの程度が大きい場合は捲回時にセパレータを突き破って対極と接触し、短絡を誘発することがある。

    【0007】したがって、パンチングメタルシートは前述した作り方の要因から70μm以下の薄膜にすることが実質的に困難であるため、このパンチングメタルシートを芯材として含む保持基板からより高容量のペースト式電極を得ることは限界があった。

    【0008】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、多数の孔を有する厚さ60μm以下の二次元基板の両面に三次元基板を積層した導電基板を用いることにより基板単体の低目付化に対応するペーストの充填密度向上、高引張り強度および基板単体の低電気抵抗に対応して高い集電効率を有するペースト式正極および/またはペースト式負極を備えたニッケル−水素二次電池を提供しようとするものである。

    【0009】

    【課題を解決するための手段】本発明に係わるニッケル−水素二次電池は、導電性基板に活物質を含むペーストを充填したペースト式正極および導電性基板に水素吸蔵合金を含むペーストを充填したペースト式負極を具備し、前記正極および負極のいずれか一方または両者の導電性基板は、金属粉末を粉末圧延法により成形し、焼成することにより得られた多数の孔を有する厚さ60μm
    以下の二次元基板と、この二次元基板の両面にそれぞれ積層された三次元基板とからなることを特徴とするものである。

    【0010】

    【発明の実施の形態】以下、本発明のニッケル−水素二次電池を図1を参照して説明する。 有底円筒状の容器1
    内には、正極2とセパレータ3と負極4とを積層して渦巻き状に捲回することにより作製された電極群5が収納されている。 前記負極4は、前記電極群5の最外周に配置されて前記容器1と電気的に接触している。 アルカリ電解液は、前記容器1内に収容されている。 中央に孔6
    を有する円形の第1の封口板7は、前記容器1の上部開口部に配置されている。 リング状の絶縁性ガスケット8
    は、前記封口板7の周縁と前記容器1の上部開口部内面の間に配置され、前記上部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容器1に前記封口板7を前記ガスケット8を介して気密に固定している。 正極リード9は、一端が前記正極2に接続、他端が前記封口板7の下面に接続されている。 帽子形状をなす正極端子10は、前記封口板7上に前記孔6を覆うように取り付けられている。
    ゴム製の安全弁11は、前記封口板7と前記正極端子1
    0で囲まれた空間内に前記孔6を塞ぐように配置されている。 中央に穴を有する絶縁材料からなる円形の押え板12は、前記正極端子10上に前記正極端子10の突起部がその押え板12の前記穴から突出されるように配置されている。 外装チューブ13は、前記押え板12の周縁、前記容器1の側面及び前記容器1の底部周縁を被覆している。

    【0011】次に、前記正極2、負極4、セパレータ3
    および電解液について説明する。 1)正極2 この正極2は、水酸化ニッケル粉末、導電剤、結着剤および水を含むペーストを調製し、前記ペーストを導電性基板に充填し、これを乾燥、加圧成形した後、所望のサイズに切断することにより作製される。

    【0012】前記水酸化ニッケル粉末としては、例えば単一の水酸化ニッケル粉末、または亜鉛および/またはコバルトが金属ニッケルと共沈された水酸化ニッケル粉末を用いることができる。 後者の水酸化ニッケル粉末を含む正極は、高温状態における充電効率およびサイクル特性を向上させることが可能になる。

    【0013】前記導電剤としては、例えば一酸化コバルト、三酸化二コバルト、水酸化コバルト等のコバルト化合物を挙げることができる。 前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコールを挙げることができる。

    【0014】前記導電性基板は、図2に示すように金属粉末を粉末圧延法により成形し、焼成することにより得られた多数の矩形孔21を有する厚さ60μm以下の二次元基板22と、この二次元基板22の両面にそれぞれ積層された三次元基板23 1 、23 2とからなる構造を有するものが用いられる。

    【0015】前記二次元基板22は、例えばニッケルから作られる。 二次元基板の厚さが60μmを越えると、
    導電性基板に占める二次元基板の体積が増大してペーストの充填の率が低下し、結果的には前記導電性基板を有するペースト式正極の容量を向上させることが困難になる。 より好ましい前記二次元基板の厚さは、10〜50
    μmである。

    【0016】前記二次元基板22の開口率は、30〜8
    0%にすることが好ましい。 前記二次元基板22の孔2
    1は、矩形状に限らず、円形状、楕円状等任意である。

    【0017】前記三次元基板23 1 、23 2は、それぞれ例えばスポンジ状ニッケル多孔体からなる。 これら三次元基板は、厚さが0.7〜1.1mmにすることが好ましい。 また、前記各三次元基板は空隙率が90%以上、目付量が50g/m 2 〜300g/m 2であることが好ましい。 前記三次元基板の空隙率を90%未満にすると、ペーストの充填量が著しく低下する恐れがある。
    また、前記三次元基板の目付量を50g/m 2未満にすると、導電性基板の機械的強度が低下するばかりか、電気抵抗が増大する恐れがある。 一方、前記三次元基板の目付量が300g/m 2を越えると、ペーストの充填量が低下する恐れがある。

    【0018】上述した導電性基板は、例えば次のような方法により作製される。 (第1工程)まず、ニッケル粉末のような金属粉末をホッパから剛性の高い材料からなるベルトコンベア上に供給し、前記ベルトコンベアの搬送方向に配置したドクタブレードを通過させて前記ベルトコンベア上に所望の厚さの金属粉末層を形成する。 つづいて、前記ベルトコンベアを挟んで上部側に配置した多数の突起を有するエンボスロールと下部側に配置した相手ロールとにより前記ベルトコンベア上の金属粉末層を所望の圧で加圧して前記エンボスに対応する箇所に孔が多数開口された圧粉シートを作製する。 この工程において、圧粉シートへの貫通孔の開口が十分になされない場合には、金属粉末に水と共に界面活性剤を加えて流動性の高いスラリーを用いたり、前記エンボスロールのエンボス形状を変えたりする措置を採用すればよい。 ひきつづき、前記圧粉シートを前記ベルトコンベアと共に焼成炉に搬送し、ここで前記圧粉シートを焼結することにより多数の孔が開口された厚さ60μm以下の焼結金属シート、つまり二次元基板を作製する。

    【0019】前記金属粉末は、平均粒径が2μm以下であることが好ましい。 (第2工程)前記二次元基板の両面に発泡樹脂シートを接着剤を用いて貼着する。 つづいて、前記発泡樹脂シートに金属粉末、例えばニッケル粉末と結合剤を含むニッケル粉末含有溶液を塗布、浸漬させた後、焼成して前記発泡樹脂、接着剤およびバインダを熱分解、除去する。
    ひきつづき、前記二次元基板の両面に形成された発泡性ニッケル薄膜を還元性雰囲気中で焼結することにより前記二次元基板の両面にニッケルからなる三次元基板を一体的に形成された導電性基板を製造する。 なお、前記発泡性ニッケル薄膜の焼結において、表面に酸化物が形成される場合には前記酸化物の除去処理を行う。

    【0020】なお、前記負極の導電性基板として前述した二次元基板の両面に三次元基板を積層した構造(例えば図2に示す構造)のものを用いた場合には、正極の導電性基板としてエキスパンデッドメタル、穿孔鋼板などの二次元基板や、ビビリ切削振動による繊維状金属多孔体(非メッキタイプ)、メッキタイプであるスポンジ状金属多孔体やフェルト状金属多孔体などの三次元基板を用いることを許容する。

    【0021】2)負極4 この負極4は、水素吸蔵合金粉末、導電材、結着剤および水と共に混練してペーストを調製し、前記ペーストを導電性基板に充填し、乾燥した後、成形することにより製造される。

    【0022】前記水素吸蔵合金は、格別制限されるものではなく、電解液中で電気化学的に発生させた水素を吸蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出できるものであればよい。 例えば、LaNi 5 、MmNi 5
    (Mmはミッシュメタル)、LmNi 5 (LmはLaを含む希土類元素から選ばれる少なくとも一種)、これら合金のNiの一部をAl、Mn、Co、Ti、Cu、Z
    n、Zr、Cr、Bのような元素で置換した多元素系のもの、またはTiNi系、TiFe系のものを挙げることができる。 特に、一般式LmNi w Co x Mn y Al
    z原子比w,x,y,zの合計値は5.00≦w+x
    +y+z≦5.50である)で表される組成の水素吸蔵合金は充放電サイクルの進行に伴う微粉化を抑制して充放電サイクル寿命を向上できるための好適である。

    【0023】前記導電材としては、例えばカーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。 前記結着剤としては、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸カリウムなどのポリアクリル酸塩、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂、またはカルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。

    【0024】前記導電性基板としては、前記正極で説明したものと同様な二次元基板の両面に三次元基板を積層した、例えば図2に示す構造のものが使用される。 なお、前記正極の導電性基板として前述した二次元基板の両面に三次元基板とを積層した構造(例えば図2に示す構造)のものを用いた場合には、負極の導電性基板としてエキスパンデッドメタル、穿孔鋼板などの二次元基板や、ビビリ切削振動による繊維状金属多孔体(非メッキタイプ)、メッキタイプであるスポンジ状金属多孔体やフェルト状金属多孔体などの三次元基板を用いることを許容する。

    【0025】3)セパレータ3 このセパレータ3としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを挙げることができる。

    【0026】4)アルカリ電解液 このアルカリ電解液は、水酸化カリウム(KOH)単独、またはこれに水酸化ナトリウム(NaOH)および水酸化リチウム(LiOH)のいずれか一方または両者を添加した組成を有する。

    【0027】以上説明した本発明に係わるニッケル−水素二次電池によれば、ペースト式正極およびペースト式負極のいずれか一方または両者を構成する導電性基板は例えば図2に示すように金属粉末を粉末圧延法により成形し、焼成することにより得られた多数の矩形孔21を有する厚さ60μm以下の二次元基板22と、この二次元基板22の両面にそれぞれ積層された三次元基板23
    1 、23 2とからなる構造を有する。

    【0028】このような導電性基板は、中心に配置された二次元基板が電気抵抗の低減および引張り強度の向上を担うため、ペースト充填密度を高める目的で前記二次元基板の両面に積層される三次元基板の目付量を低くする、つまり空隙率を高くして低抵抗化と高強度化が維持される。 例えば、多数の孔を有する厚さ30μmの二次元基板の両面にスポンジ状金属多孔体からなる三次元基板を積層した導電性基板(本発明)と、スポンジ状金属多孔体のみからなる導電性基板(従来例)とにおける目付量と電気抵抗の関係を図3に、目付量と引張り強度との関係を図4にそれぞれ示す。 なお、本発明の導電性基板における目付量は三次元基板のみならず、二次元基板の開口部も合算され、異なる三次元基板を用いて目付量を変化させた。 これらの図3、図4から本発明の導電性基板は従来のスポンジ状金属多孔体のみからなる導電性基板に比べて低い目付量で低抵抗、高い引張り強度を有することがわかる。

    【0029】このような二次元基板の両面に三次元基板を積層した構造の導電性基板に正負極いずれかのペーストを充填することによって、高集電効率でペースト充填密度の高い、つまり高容量のペースト式正極および/またはペースト式負極を得ることができる。

    【0030】したがって、前述した高容量のペースト式正極および/またはペースト式負極を備えたニッケル−
    水素二次電池は充放電サイクル寿命が向上される。 さらに、スポンジ状ニッケル多孔体のような三次元基板の中心に配置される多数の孔を有する二次元基板の厚さ60
    μm以下にすることによって、柔軟性に富む導電性基板を得ることができる。 その結果、前記導電性基板を有するペースト式電極を少なくとも正極および負極として用い、セパレータを間に挟んで渦巻状に巻回することによって空隙率の低い電極群を作製できるため、有底円筒形容器内に高容量の前記電極群を収納することができる。
    したがって、高容量かつ充放電サイクル寿命の長いニッケル−水素二次電池を得ることができる。

    【0031】

    【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。 <ペースト式正極Aの作製>まず、平均粒径0.5μm
    のニッケル粉末をホッパから剛性の高い材料からなるベルトコンベア上に供給し、前記ベルトコンベアの搬送方向に配置したドクタブレードを通過させて前記ベルトコンベア上に所望の厚さのニッケル粉末層を形成した。 つづいて、前記ベルトコンベアを挟んで上部側に配置した多数の突起を有するエンボスロールと下部側に配置した相手ロールとにより前記ベルトコンベア上の金属粉末層を所望の圧力で加圧して前記エンボスに対応する箇所に孔が多数開口された圧粉シートを作製した。 ひきつづき、前記圧粉シートを前記ベルトコンベアと共に焼成炉に搬送し、ここで前記圧粉シートをアルゴンガス雰囲気中、1000℃で焼結することにより多数の孔が開口された焼結ニッケルシート、つまり二次元基板を得た。 この二次元基板は、厚さが30μm、矩形孔の寸法が2×
    2mmで、開口率が60%であった。

    【0032】次いで、前記二次元基板の両面に厚さ約0.8mmのウレタン発泡樹脂シートを接着剤を用いて貼着した。 つづいて、前記二次元基板両面のウレタン発泡樹脂シートを一対のロールで圧縮しながら、ニッケル粉末と結合剤を含むニッケル粉末含有溶液を塗布、含浸させた後、余分のニッケル粉末含有溶液を前記ウレタン発泡樹脂シートから除去し、さらに還元性雰囲気に焼成炉内で焼成して前記ウレタン発泡樹脂、接着剤およびバインダを熱分解、除去した。 ひきつづき、前記二次元基板の両面に形成された発泡性ニッケル薄膜を還元性雰囲気中で焼結することにより前記二次元基板の両面にニッケルからなる三次元基板を一体的に形成された導電性基板を作製した。 前記各三次元基板は、厚さが0.8m
    m、空隙率が98%、目付量が100g/m 2であった。

    【0033】また、水酸化ニッケル粉末90重量部および一酸化コバルト粉末10重量部からなる混合粉体に、
    前記水酸化ニッケル粉末に対してカルボキシメチルセルロース0.5重量部、ポリテトラフルオロエチレンの懸濁液(比重1.5,固形分60重量%)を固形分換算で3.0重量部添加し、これらに純水を45重量部添加して混練することによりペーストを調製した。 つづいて、
    このペーストを前記導電性基板内に充填した後、乾燥し、ローラプレスを行って圧延して厚さが0.7mmのペースト式正極を作製した。

    【0034】<ペースト式正極Bの作製>目付量300
    g/m 2 、厚さ1.7mmのスポンジ状ニッケル多孔体からなる導電性基板に前記正極Aで用いたのと同様なペーストを充填した後、乾燥し、ローラプレスを行って圧延して厚さが0.7mmのペースト式正極を作製した。

    【0035】<ペースト式負極Aの作製>市販のランタン富化したミッシュメタルLmおよびNi、Co、M
    n、Alを用いて高周波炉によって、LmNi 4.0 Co
    0.4 Mn 0.3 Al 0.3の組成からなる水素吸蔵合金を作製した。 前記水素吸蔵合金を機械粉砕し、これを200
    メッシュのふるいを通過させた。 得られた合金粉末10
    0重量部に対してポリアクリル酸ナトリウム0.5重量部、カルボキシメチルセルロース(CMC)0.125
    重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョン(比重1.5,固形分60wt%)を固形分換算で1.5重量部および導電材としてカーボン粉末1.0重量部を水50重量部と共に混合することによって、ペーストを調製した。 このペーストを前記正極Aで用いたのと同様な導電性基板(二次元基板の両面に三次元基板をそれぞれ積層した構造)に塗布、充填した後、乾燥し、
    加圧成形することによって厚さ0.4mmのペースト式負極を作製した。

    【0036】<ペースト式負極Bの作製>孔径2μm、
    開口率55%、厚さ80μmのパンチングニッケルシートからなる導電性基板に前記負極Aで用いたのと同様なペーストを充填した後、乾燥し、加圧成形することによって厚さ0.4mmのペースト式負極を作製した。

    【0037】(実施例1)前述した方法で作製したペースト式正極Aとペースト式負極Aの間に親水性処理が施されたポリオレフィン繊維製不織布からなるセパレータを介装し、渦巻状に捲回して電極群を作製した。 このような電極群と7NのKOHおよび1NのLiOHからなる電解液を有底円筒状容器に収納して前述した図1に示す構造を有する理論容量が1200mAhのAA型の円筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。

    【0038】(実施例2)前述した方法で作製したペースト式正極Aとペースト式負極Bの間に親水性処理が施されたポリオレフィン繊維製不織布からなるセパレータを介装し、渦巻状に捲回して電極群を作製した。 このような電極群と7NのKOHおよび1NのLiOHからなる電解液を有底円筒状容器に収納して前述した図1に示す構造を有する理論容量が1200mAhのAA型の円筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。

    【0039】(実施例3)前述した方法で作製したペースト式正極Bとペースト式負極Aの間に親水性処理が施されたポリオレフィン繊維製不織布からなるセパレータを介装し、渦巻状に捲回して電極群を作製した。 このような電極群と7NのKOHおよび1NのLiOHからなる電解液を有底円筒状容器に収納して前述した図1に示す構造を有する理論容量が1200mAhのAA型の円筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。

    【0040】(比較例1)前述した方法で作製したペースト式正極Bとペースト式負極Bの間に親水性処理が施されたポリオレフィン繊維製不織布からなるセパレータを介装し、渦巻状に捲回して電極群を作製した。 このような電極群と7NのKOHおよび1NのLiOHからなる電解液を有底円筒状容器に収納して前述した図1に示す構造を有する理論容量が1200mAhのAA型の円筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。

    【0041】(比較例2)まず、厚さ80μmのニッケルシートをパンチング装置によりパンチングすることにより孔径が2mm、開口率が55%の二次元基板としてのパンチングニッケルシートを作製した。 このパンチングニッケルシートの両面に厚さ約0.8mmのウレタン発泡樹脂シートを接着剤を用いて貼着した。 つづいて、
    前記二次元基板両面のウレタン発泡樹脂シートを一対のロールで圧縮しながら、ニッケル粉末と結合剤を含むニッケル粉末含有溶液を塗布、含浸させた後、余分のニッケル粉末含有溶液を前記ウレタン発泡樹脂シートから除去し、さらに還元性雰囲気に焼成炉内で焼成して前記ウレタン発泡樹脂、接着剤およびバインダを熱分解、除去した。 ひきつづき、前記二次元基板の両面に形成された発泡性ニッケル薄膜を還元性雰囲気中で焼結することにより前記二次元基板の両面にニッケルからなる三次元基板を一体的に形成された導電性基板を作製した。 前記各三次元基板は、厚さが0.8mm、空隙率98%、目付量が100g/m 2であった。

    【0042】次いで、前記導電性基板内に前述した正極Aで用いたのと同様なペーストを充填した後、乾燥し、
    ローラプレスを行って圧延して厚さが0.7mmのペースト式正極を作製した。

    【0043】また、前記導電性基板に前述した負極Aで用いたのと同様なペーストを塗布、充填した後、乾燥し、加圧成形することによって厚さ0.4mmのペースト式負極を作製した。

    【0044】次いで、前述した方法で作製したペースト式の正極と負極の間に親水性処理が施されたポリオレフィン繊維製不織布からなるセパレータを介装し、渦巻状に捲回して電極群を作製した。 このような電極群と7N
    のKOHおよび1NのLiOHからなる電解液を有底円筒状容器に収納して前述した図1に示す構造を有する理論容量が1200mAhのAA型の円筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。

    【0045】得られた実施例1〜3および比較例1、2
    のニッケル水素二次電池について、1C、−ΔVで充電し、1C、1Vカットで放電する充放電を繰り返し行った。 各二次電池における充放電サイクル数と放電電圧との関係を図5に、充放電サイクル数と正極の利用率との関係を図6に、それぞれ示す。

    【0046】図5から明らかなように実施例1〜3のニッケル水素二次電池は、500回の充放電の繰り返し後においても負極の導電性基板としてパンチングニッケルシートを用いた比較例1に比べて高い放電電圧を維持できることをわかる。 特に、正極および負極の両方の導電性基板としてニッケル粉末を粉末圧延法により成形し、
    焼成することにより得られた多数の孔を有する厚さ60
    μm以下の二次元基板と、この二次元基板の両面にそれぞれ積層された三次元基板とからるものを用いた実施例1の二次電池は、実施例2、3に比べてより高い放電電圧を維持できることをわかる。

    【0047】これに対し、厚さ80μmのパンチングニッケルシートを二次元基板として用い、この両面に三次元基板を積層した構造の導電性基板を有する正極および負極を備えた比較例2の二次電池は、比較例1の二次電池に比べて良好な放電電圧維持特性を有するものの、実施例1〜3の二次電池に比べ劣ることがわかる。 これは、比較例2の二次電池は正極、負極の導電性基板が芯材として厚さ80μmで、バリや反りを有するパンチングニッケルシートを用いているため、これら正負極およびセパレータを渦巻状に巻回して得られた電極群を有底円筒形容器内に収納する際、電極群の空隙率が高くなることに起因するものと考えられる。 また、図6から明らかなように実施例1〜3の二次電池は比較例1、2の二次電池に比べて正極の利用率が向上することがわかる。

    【0048】

    【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、基板単体のペーストの充填密度が実効的に増大され、かつ低電気抵抗、高引張り強度に対応して高い集電効率を有するペースト式正極および/またはペースト式負極を備え、充放電サイクル特性の優れたニッケル−水素二次電池を提供できる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明に係るニッケル水素二次電池を示す斜視図。

    【図2】本発明の係るニッケル水素二次電池のペースト式正極および/またはペースト式負極に用いられる導電性基板を示す部分切欠斜視図。

    【図3】本発明の導電性基板および従来の導電性基板における目付量と電気抵抗との関係を示す特性図。

    【図4】本発明の導電性基板および従来の導電性基板における目付量と引張り強度との関係を示す特性図。

    【図5】実施例1〜3および比較例1、2のニッケル水素二次電池における充放電サイクル数と放電電圧との関係を示す特性図。

    【図6】実施例1〜3および比較例1、2のニッケル水素二次電池における充放電サイクル数と正極の利用率との関係を示す特性図。

    【符号の説明】

    1…容器、 2…正極、 3…セパレータ、 4…負極、 7…封口板、 8…絶縁ガスケット、 21…矩形孔、 22…二次元基板、 23 1 、23 2 …三次元基板。

    フロントページの続き (72)発明者 山根 哲哉 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内

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