Magnetoresistive effect element, magnetic head, magnetic head assembly, magnetic recording and reproducing device, and manufacturing method of magnetoresistive effect element

申请号 JP2012179528 申请日 2012-08-13 公开(公告)号 JP2014038671A 公开(公告)日 2014-02-27
申请人 Toshiba Corp; 株式会社東芝; 发明人 ISOWAKI YOSUKE; IWASAKI HITOSHI; TAKAGISHI MASAYUKI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a magnetoresistive effect element which can be miniaturized, a magnetic head, a magnetic head assembly, a magnetic recording and reproducing device, and a manufacturing method of the magnetoresistive effect element.SOLUTION: According to an embodiment, there is provided the magnetoresistive effect element including a first shield, a second shield, a third shield, a first magnetic layer, a second magnetic layer, and an intermediate layer. The third shield is arranged between the first shield and the second shield, and brought into contact with the second shield. A length of the third shield in a first direction crossing a lamination direction directing from the first shield toward the second shield is shorter than a length of the second shield in the first direction. The first magnetic layer is arranged between the first shield and the third shield. The second magnetic layer is arranged between the first magnetic layer and the third shield, and brought into exchange couple with the third shield. The intermediate layer is arranged between the first magnetic layer and the second magnetic layer.
权利要求
  • 第1シールドと、
    第2シールドと、
    前記第1シールドと前記第2シールドとの間に設けられ前記第2シールドに接し前記第1シールドから前記第2シールドへ向かう積層方向と交差する第1方向に沿う長さが前記第2シールドの前記第1方向に沿う長さよりも短い第3シールドと、
    前記第1シールドと前記第3シールドとの間に設けられた第1磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第3シールドとの間に設けられ前記第3シールドと交換結合した第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた中間層と、
    を備えた磁気抵抗効果素子。
  • 前記第3シールドは、前記第2シールドと一体形成されている請求項1記載の磁気抵抗効果素子。
  • 前記第3シールドは、前記第2シールドに含まれる材料と同じ材料を含む請求項1または2に記載の磁気抵抗効果素子。
  • 前記第3シールドの前記第2磁性層に対向する面の面積は、25平方ナノメートル以上900平方ナノメートル以下である請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁気抵抗効果素子。
  • 前記第3シールドと前記第2磁性層との間に設けられた第3磁性層をさらに備えた請求項1〜4のいずれか1つに記載の磁気抵抗効果素子。
  • 前記積層方向及び前記第1方向に対して交差する方向に沿う前記第3シールドの長さは、前記第2シールドの前記交差する方向に沿う長さよりも短い請求項1〜5のいずれか1つに記載の磁気抵抗効果素子。
  • 前記第1シールドと前記第1磁性層との間に設けられ前記第1シールドに接し前記第1磁性層と交換結合した第4シールドをさらに備え、
    前記第4シールドは、
    前記第1シールドの前記第1方向に沿う長さよりも短い前記第1方向に沿う長さ、及び、
    前記積層方向及び前記第1方向に対して交差する第2方向に沿う前記第1シールドの長さよりも短い前記第2方向に沿う長さ、
    の少なくともいずれかを有する請求項1〜6のいずれか1つに記載の磁気抵抗効果素子。
  • 前記第4シールドは、前記第1シールドと一体形成されている請求項7記載の磁気抵抗効果素子。
  • 前記第4シールドは、前記第1シールドに含まれる材料と同じ材料を含む請求項7または8に記載の磁気抵抗効果素子。
  • 前記第4シールドの前記第1磁性層に対向する面の面積は、25平方ナノメートル以上900平方ナノメートル以下である請求項7〜9のいずれか1つに記載の磁気抵抗効果素子。
  • 前記第1シールドと前記第1磁性層との間に設けられた第4磁性層をさらに備えた請求項1〜10のいずれか1つに記載の磁気抵抗効果素子。
  • 第1シールドと、
    第2シールドと、
    前記第1シールドと前記第2シールドとの間に設けられた非磁性層と、
    前記非磁性層と前記第2シールドとの間に設けられた第1磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2シールドとの間に設けられ前記第2シールドに接し前記第1シールドから前記第2シールドへ向かう積層方向に対して交差する第1方向に沿う長さが前記第2シールドの前記第1方向に沿う長さよりも短い第3シールドと、
    前記非磁性層と前記第2シールドとの間に設けられ前記積層方向及び前記第1方向に対して交差する第2方向において前記第1磁性層と離間した第2磁性層と、
    前記第2磁性層と前記第2シールドとの間に設けられた第1電極部と、
    前記第1電極部と前記第2シールドとの間に設けられた絶縁層と、
    を備えた磁気抵抗効果素子。
  • 前記第2磁性層の磁化は、固定されている請求項12記載の磁気抵抗効果素子。
  • 前記第3シールドの前記第1磁性層に対向する面の面積は、25平方ナノメートル以上900平方ナノメートル以下である請求項12または13に記載の磁気抵抗効果素子。
  • 前記非磁性層に接続された第2電極部をさらに備えた請求項12〜14のいずれか1つに記載の磁気抵抗効果素子。
  • 請求項1〜15のいずれか1つに記載の磁気抵抗効果素子を備えた磁気ヘッド。
  • 請求項16記載の磁気ヘッドと、
    前記磁気ヘッドを一端に搭載するサスペンションと、
    前記サスペンションの他端に接続されたアクチュエータアームと、
    を備えた磁気ヘッドアセンブリ。
  • 請求項17記載の磁気ヘッドアセンブリと、
    前記磁気ヘッドアセンブリに搭載された前記磁気ヘッドを用いて情報が再生される前記磁気記録媒体と、
    を備えた磁気記録再生装置。
  • 第1のシールドの上に第1磁性膜を形成し、前記第1磁性膜の上に中間膜を形成し、前記中間膜の上に第2磁性膜を形成し、前記第2磁性膜の上に第1のシールド膜を形成する積層工程と、
    前記第1磁性膜、前記中間膜、前記第2磁性膜及び前記第1のシールド膜をパターニングして、第1磁性層、中間層、第2磁性層及び第2のシールドを形成するパターニング工程と、
    前記第2のシールドの上に直接、前記第1のシールドから前記第2のシールドに向かう積層方向に交差する第1方向の長さが前記第2のシールドの前記第1方向における長さよりも長い第3のシールドを、形成する工程と、
    を備えた磁気抵抗効果素子の製造方法。
  • 前記積層工程は、
    前記第1シールドの上に直接第2のシールド膜を形成することと、
    前記第2のシールド膜の上に前記第1磁性膜を形成することと、
    を含み、
    前記パターニング工程は、前記第2のシールド膜の少なくとも一部をパターニングして、第4のシールドを形成することを含み、前記パターニング工程は、第4のシールドの前記第1方向における長さを、前記第1のシールドの前記第1方向における長さよりも小さく形成することを含む請求項19記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  • 说明书全文

    本発明の実施形態は、磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気記録再生装置及び磁気抵抗効果素子の製造方法に関する。

    HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)の信号再生には、例えば、TMRヘッド(Tunneling MagnetoResistive Head)が使用されている。 TMRヘッドに設けられる磁気抵抗効果素子は、磁性積層膜と、磁性積層膜を挟むシールドと、を含む。 HDDの記録密度を向上するために、磁気抵抗効果素子の微細化が望まれる。

    米国特許第7177122号明細書

    本発明の実施形態は、微細化が可能な磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気記録再生装置及び磁気抵抗効果素子の製造方法を提供する。

    実施形態によれば、第1シールドと、第2シールドと、第3シールドと、第1磁性層と、第2磁性層と、中間層と、を含む磁気抵抗効果素子が提供される。 前記第3シールドは、前記第1シールドと前記第2シールドとの間に設けられ、前記第2シールドに接する。 前記第3シールドの、前記第1シールドから前記第2シールドへ向かう積層方向と交差する第1方向に沿う長さは、前記第2シールドの前記第1方向に沿う長さよりも短い。 前記第1磁性層は、前記第1シールドと前記第3シールドとの間に設けられる。 前記第2磁性層は、前記第1磁性層と前記第3シールドとの間に設けられ、前記第3シールドと交換結合する。 前記中間層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる。

    図1(a)〜図1(d)は、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子を示す模式図である。

    第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子が搭載される磁気ヘッドを例す模式的斜視図である。

    第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子が搭載されるヘッドスライダを示す模式的斜視図である。

    図4(a)〜図4(d)は、第1の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子を示す模式図である。

    図5(a)〜図5(e)は、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の製造方法を示す工程順模式的断面図である。

    図6(a)〜図6(d)は、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の特性を示すグラフ図である。

    第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の特性を示すグラフ図である。

    図8(a)〜図8(d)は、第1の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子を示す模式図である。

    図9(a)〜図9(d)は、第1の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子を示す模式図である。

    図10(a)〜図10(d)は、第1の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子を示す模式図である。

    図11(a)〜図11(d)は、第1の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子を示す模式図である。

    図12(a)及び図12(b)は、第2の実施形態に係る磁気抵抗効果素子を示す模式図である。

    図13(a)及び図13(b)は、第2の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の特性を示すグラフ図である。

    図14(a)〜図14(d)は、第2の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子を示す模式図である。

    図15(a)〜図15(d)は、第2の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子を示す模式図である。

    第3の実施形態に係る磁気記録再生装置を示す模式的斜視図である。

    図17(a)及び図17(b)は、第3の実施形態に係る磁気記録装置の一部を示す模式的斜視図である。

    以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
    なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。 また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
    なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。

    (第1の実施形態)
    図1(a)〜図1(d)は、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の構成を例示する模式図である。
    図1(a)は、分解斜視図である。 図1(b)は、平面図である。 図1(c)は、図1(b)のA1−A2線断面図である。 図1(d)は、図1(c)のB1−B2線断面図である。 図1(a)においては、図を見易くするために、一部の層の図示を省略している。

    図1(a)〜図1(d)に示すように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子210は、第1シールド11、第2シールド12、第3シールド13、第1磁性層21、第2磁性層22及び中間層25を含む。

    第3シールド13は、第1シールド11と第2シールド12との間に設けられる。 第3シールド13は、第2シールド12に接する。

    第1シールド11から第2シールド12に向かう方向(積層方向)をX軸方向とする。 X軸方向に対して垂直な1つの方向をY軸方向とする。 X軸方向とY軸方向とに対して垂直な方向をZ軸方向とする。

    第1シールド11から第2シールド12へ向かう積層方向(X軸方向)に対して交差する方向を第1方向とする。 以下では、第1方向が、積層方向に対して直交する場合として説明する。 そして、第1方向がY軸方向であるとする。

    第3シールド13の第1方向(この例ではY軸方向)に沿う長さ(長さL31)は、第2シールド12の第1方向に沿う長さ(長さL21)よりも短い。

    この例では、第3シールド13の第1方向に沿う長さL31は、第1シールド11の第1方向に沿う長さ(長さL11)よりも短い。

    第2シールド12の第1方向に沿う長さL21は、第2シールド12のうちで第3シールド13に対向する部分における第2シールド12の第1方向に沿う長さである。
    第1シールド11の第1方向に沿う長さL11は、第1シールド11のうちで第3シールド13に対向する部分における第1シールド11の第1方向に沿う長さである。

    第3シールド13の第1方向に沿う長さが、例えばZ軸方向に沿って変化している場合は、長さL31は、第3シールド13のZ軸方向の中心における、第3シールド13の第1方向に沿う長さとする。

    この例では、積層方向(X軸方向)及び第1方向(この例ではY軸方向)に対して交差する方向に沿う第3シールド13の長さL32は、第2シールド12のその交差する方向に沿う長さL22よりも短い。 この例では、積層方向(X軸方向)及び第1方向(この例ではY軸方向)に対して交差する方向が、積層方向(X軸方向)及び第1方向(この例ではY軸方向)に対して直交する方向(すなわちZ軸方向)である場合とする。

    この例では、積層方向(X軸方向)及び第1方向(この例ではY軸方向)に対して交差する方向に沿う第3シールド13の長さL32は、第1シールド11のその交差する方向に沿う長さL12よりも短い。

    すなわち、Y軸方向及びZ軸方向において、第3シールド13の長さは、第2シールド12の長さよりも短い。 Y軸方向及びZ軸方向において、第3シールド13の長さは、第1シールド11の長さよりも短い。

    第1磁性層21は、第1シールド11と第3シールド13との間に設けられる。 第2磁性層22は、第1磁性層21と第3シールド13との間に設けられる。 第2磁性層22は、第3シールド13と交換結合する。 換言すれば、第3シールド13は、第2磁性層22と交換結合する。 中間層25は、第1磁性層21と第2磁性層22との間に設けられる。

    第1磁性層21、第2磁性層22及び中間層25は、積層体20に含まれる。 第3シールド13も便宜的に積層体20に含まれるとする。 この例では、積層体20は、下地層26と、非磁性層27と、をさらに含む。

    下地層26は、第1シールド11と第2シールド12との間に配置される。 下地層26と第2シールド12との間に第1磁性層21が配置される。 第1磁性層21と第2シールド12との間に中間層25が配置される。 中間層25と第2シールド12との間に第2磁性層22が配置される。 第2磁性層22と第2シールド12との間に非磁性層27が配置される。 非磁性層27と第2シールド12との間に第3シールド13が配置される。 積層体20の構成の例については、後述する。

    本実施形態に係る磁気抵抗効果素子は、例えば、磁気ヘッドに搭載される。

    図2は、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子が搭載される磁気ヘッドの構成を例示する模式的斜視図である。
    図2に表したように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子210は、磁気ヘッド110に搭載される。 磁気ヘッド110は、書き込み部60と、再生部70と、を含む。 書き込み部60は、再生部70と離間する。 例えば、再生部70から書き込み部60に向かう方向がX軸方向とされる。 書き込み部60から再生部70に向かう方向がX軸方向でも良い。

    書き込み部60は、例えば、主磁極61と、書き込み部リターンパス62と、を含む。 磁気ヘッド110において、書き込み部60は、書き込み動作に関してアシストする部分をさらに含むことができる。 この例では、アシストする部分として、スピントルク発振子63(STO:spin torque oscillator)が設けられている。 磁気ヘッド110において、書き込み部60は、任意の構成を有することができる。

    再生部70は、磁気抵抗効果素子210を含む。 再生部70及び書き込み部60の各要素は、例えばアルミナなどの絶縁体(図示しない)により分離される。

    磁気記録媒体80は、例えば媒体基板82と、媒体基板82の上に設けられた磁気記録層81と、を有する。 書き込み部60から印加される磁界により、磁気記録層81の磁化83が制御され、これにより書き込み動作が実施される。 磁気記録媒体80は、媒体移動方向85に沿って、磁気ヘッド110に対して相対的に移動する。

    再生部70は、磁気記録媒体80に対向する。 再生部70(磁気抵抗効果素子210)は、磁気記録媒体80に対向する媒体対向面(ABS:Air Bearing Surface)30を有する。 磁気記録媒体80は、媒体移動方向85に沿って、磁気ヘッド110に対して相対的に移動する。 再生部70は、磁気記録層81の磁化83の方向を検出する。 これにより、再生動作が実施される。 再生部70は、磁気記録媒体80に記録された記録信号を検出する。

    X軸方向は、例えば、磁気記録媒体80の記録トラック進行方向(トラック方向)に対応する。 Y軸方向は、例えば、磁気記録媒体80の記録トラック幅方向(トラック幅方向)に対応する。 トラック幅方向は、ビット幅を規定する。

    例えば、再生部70に含まれる磁気抵抗効果素子210において、第1磁性層21の磁化の方向及び第2磁性層22の磁化の方向の少なくともいずれかが、媒体磁界に応じて変化する。 積層体20の積層方向に沿って積層体20に電流を通電して、磁気記録媒体80から記録信号を検出する。 これにより、再生部70は、再生動作を行う。 本実施形態においては、この電流は、第1シールド11及び第2シールド12を介して、積層体20に供給される。 第1シールド11及び第2シールド12は、電極として機能する。

    図3は、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子が搭載されるヘッドスライダの構成を例示する模式的斜視図である。
    図3に表したように、磁気抵抗効果素子210を含む磁気ヘッド110は、ヘッドスライダ3に搭載される。 ヘッドスライダ3には、例えばAl /TiCなどが用いられる。 ヘッドスライダ3は、磁気ディスクなどの磁気記録媒体80の上を、浮上または接触しながら、磁気記録媒体80に対して相対的に運動する。

    ヘッドスライダ3は、例えば、空気流入側3Aと空気流出側3Bとを有する。 磁気ヘッド110は、ヘッドスライダ3の空気流出側3Bの側面上などに設けられる。 これにより、ヘッドスライダ3に搭載された磁気ヘッド110は、磁気記録媒体80の上を浮上または接触しながら磁気記録媒体80に対して相対的に運動する。

    以下に説明する実施形態に係る任意の磁気抵抗効果素子も、図2及び図3に例示した磁気抵抗効果素子210と同様に、磁気ヘッド110に搭載される。

    図1(a)〜図1(d)に表したように、積層体20は、第1の側面20aと、第2の側面20bと、を有する。 第2の側面20bは、第1の側面20aとは反対側の側面である。 第1の側面20aは、例えば、X−Y平面に対して平行である。 この例では、第2の側面20bも、X−Y平面に対して平行である。 第1の側面20aは、媒体対向面30の一部となる。
    図1(b)は、磁気抵抗効果素子210を媒体対向面30から見た平面図に相当する。

    この例では、磁気抵抗効果素子210は、第1シールド11、第2シールド12及び積層体20に加えて、サイドシールド31、絶縁膜32及びハードバイアス33を含む。

    ハードバイアス33は、積層体20の第2の側面20bに対向する。 すなわち、ハードバイアス33は、積層体20の側面20a(媒体対向面30)とは反対側に設けられる。 ハードバイアス33は、第1シールド11と第2シールド12との間に設けられる。 ハードバイアス33として、例えば、硬質磁性体が用いられる。 ハードバイアス33は、積層体20に磁場を印加して、第1磁性層21及び第2磁性層22の磁化を所定の方向に設定する。

    サイドシールド31は、例えば、第1サイドシールド部31a及び第2サイドシールド部31bを含む。 第2サイドシールド部31bは、第1サイドシールド部31aと、Y軸方向において離間する。 第1サイドシールド部31aと第2サイドシールド部31bは、第1シールド11と第2シールド12との間に設けられる。 第1サイドシールド部31aと第2サイドシールド部31bとの間に、積層体20及びハードバイアス33が配置される。 サイドシールド31として、例えば、NiFe、CoZrNb及びCoZrTaよりなる群から選択された少なくとも1つの材料が用いられる。

    絶縁膜32は、積層体20とハードバイアス33との間、及び、積層体20とサイドシールド31との間に設けられる。 絶縁膜32は、サイドシールド31と第1シールド11との間、及び、ハードバイアス33と第1シールド11との間に、さらに設けられる。 絶縁膜32として、例えば、酸化シリコン(SiO )が用いられる。

    第1シールド11、第2シールド12及び第3シールド13として、磁性体が用いられる。 第1シールド11、第2シールド12及び第3シールド13は、例えば、強磁性体を含む。 第1シールド11、第2シールド12及び第3シールド13の少なくともいずれかは、例えば、NiFe、CoZrTa、CoZrNb、CoZrNbTa、CoZrTaCr及びCoZrFeCrよりなる群から選択された少なくとも1つの材料を含む。 第1シールド11、第2シールド12及び第3シールド13の少なくともいずれかとして、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む複数の積層された層を含む積層膜を用いることができる。 第1シールド11、第2シールド12及び第3シールド13の少なくともいずれかとして、例えば、NiFeが用いられる。

    第1シールド11の材料及び構成は、第2シールド12と同じでも異なっても良い。 第1シールド11の材料及び構成は、第3シールド13と同じでも異なっても良い。 第2シールド12の材料及び構成は、第3シールド13と同じでも異なっても良い。

    例えば、第1シールド11及び第2シールド12として、NiFeを用い、第3シールド13としてCoZrNbを用いても良い。

    第1シールド11は、X−Y平面に対して平行な1つの面11aを有する。 第2シールド12は、例えば、X−Y平面に対して平行な1つの面12aを有する。 面11a及び面12aは、媒体対向面30の一部となる。

    下地層26として、例えば、Ta、Cu及びRuよりなる群から選択された少なくとも1つを用いることができる。 また、下地層26として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む複数の積層された層を含む積層膜を用いても良い。 下地層26の厚さ(積層方向の長さ)は、例えば、5ナノメートル(nm)以下である。 下地層26として積層膜を用いる場合には、積層膜に含まれる各層の厚さは、3nm以下が好ましい。 下地層26としては、例えば、2nmの厚さのタンタル(Ta)を含む層と、2nmの厚さの銅(Cu)を含む層と、を積層させた積層膜(Ta/Cu)を用いることができる。

    第1磁性層21及び第2磁性層22には、例えば、強磁性材料が用いられる。 第1磁性層21及び第2磁性層22には、例えば、CoFeGeが用いられる。 第1磁性層21は、例えば、CoFe、CoFeB、CoFeNi、CoFeSi、CoFeGe、CoFeSiGe、Co MnSi、Co MnGe、NiFe、CoFeMnSi、CoFeMnGe及びFe酸化物(FeO )よりなる群から選択された少なくとも1つの材料を含む。 第1磁性層21として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む複数の積層された層を含む積層膜を用いても良い。 第2磁性層22の材料及び構成は、第1磁性層21と同じでも異なっても良い。

    中間層25は、例えば、非磁性層である。 中間層25には、例えば、Cuが用いられる。 中間層25は、例えば、Cu、Ru、Au、Ag、Zn、Ga、TiO 、ZnO、Al 、MgO、InO、SnO、GaN及びスズドープ酸化インジウム(ITO:Indium Tin Oxide)よりなる群から選択された少なくとも1つの材料を含む。 また、中間層25として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む複数の積層された層を含む積層膜を用いても良い。 中間層25の厚さは、3nm以下であり、例えば、約3nmである。

    第1磁性層21は、X−Y平面に対して平行な側面21aを有している。 第2磁性層22は、X−Y平面に対して平行な側面22aを有している。 側面21a及び側面22aは、積層体20の側面20aにおいて露出している。 側面21a及び側面22aは、媒体対向面30の一部となる。

    例えば、第1磁性層21のX軸方向及びY軸方向に対して直交するZ軸方向の一端(側面21a)のZ軸方向における位置は、第2磁性層22のZ軸方向の一端(側面22a)のZ軸方向における位置と、同じである。

    第1磁性層21の厚さは、9nm以下であり、例えば、約5nmである。 第2磁性層22の厚さは、9nm以下であり、例えば、約5nmである。 第2磁性層22の厚さは、第1磁性層21の厚さと同じでも異なっても良い。 第1磁性層21及び第2磁性層22の厚さを9nm以下と薄くすることで、積層体20の厚さが薄くできる。 積層体20の厚さを薄くすることで、第1シールド11と第2シールド12と間の距離が小さくでき、HDDの記録密度を高めることができる。

    非磁性層27は、例えば、Cu、Ru、Au、Ag、Rh、Pt、Pd、Cr及びIrよりなる群から選択された少なくとも1つの材料を含む。 非磁性層27には、例えばRuが用いられる。 非磁性層27の厚さは、2nm以下であり、例えば、1.5nmである。

    既に説明したように、第3シールド13のY軸方向(第1方向)に沿う長さL31は、第2シールド12のY軸方向に沿う長さL21よりも短い。 長さL31は、例えば、20nm(例えば3nm以上50nm以下)である。 長さ21は、例えば、1マイクロメートル(μm)以上3μm以下である。

    既に説明したように、第3シールド13のZ軸方向に沿う長さL32は、第2シールド12のその方向に沿う長さL22よりも短い。 長さL32は、例えば、20nm(例えば3nm以上50nm以下)である。 第2シールド12のZ軸方向に沿う長さL22は、例えば、1μm以上100μm以下である。

    第3シールド13は、第2シールド12に接している。

    第3シールド13が第2シールド12に接している状態は、第3シールド13がシールドとして機能している範囲で、第3シールド13が第2シールド12に物理的に近づいている状態を含む。 第3シールド13が第2シールド12に接している状態は、例えば、第3シールド13が第2シールド12に物理的に接している状態を含む。 第3シールド13が第2シールド12に接している状態は、第3シールド13がシールドとしての機能を有する範囲で、例えば、製造工程上の汚染や形成される他の層が、第2シールド12と第3シールド13の間に挿入されている状態を含む。

    第3シールド13が第2シールド12と接している状態は、例えば、磁気抵抗効果素子210を媒体対向面30に垂直なZ軸方向や、Z軸方向に直交するY軸方向から、TEM(Transmission Electron Microscopy:透過型電子顕微鏡)等を用いて断面を物理的に観察することにより確認できる。 また、第3シールド13が第2シールド12と接している状態は、例えば、第3シールド13がシールドとして機能していることから確認することができる。

    第3シールド13がシールドとして機能していることは、HDDまたはスピンスタンドにおいて、磁気抵抗効果型素子210の分解能を調査することで確認できる。 分解能が第1シールド11と第2シールド12との間の距離との相関で規定されているか、または、第1シールド11と第3シールド13との間の距離との相関で規定されているかを調べる。 第3シールド13がシールドとして機能しているときは、分解能が第1シールド11と第3シールド13との間の距離との相関で規定される。 この場合には、第3シールド13は、第2シールド12に接していると判断できる。

    第3シールド13は、第2シールド12と連続していても良い。 第3シールド13は、第2シールド12と一体的でもよい。 すなわち、一体形成されている。 一体的である状態は、例えば、第2シールド12と第3シールド13との間の界面において、原子サイズの段差がない状態を含む。 一体的である状態は、例えば、第3シールド13と第2シールド12との間の界面において、連続的である場合を含む。 一体的である状態は、例えば、第3シールド13が、第2シールド12に含まれる材料と同じ材料を含む状態を含む。

    既に説明したように、第3シールド13は、第2磁性層22と交換結合している。 例えば、第3シールドは、第2磁性層22と反強磁性結合をしている。 非磁性層27が、例えば、Cu、Ru、Au、Ag、Rh、Pt、Pd、Cr及びIrよりなる群から選択された少なくとも1つの材料を含むとき、RKKY相互作用に基づいて、第3シールド13と第2磁性層22との交換結合が確保される。

    交換結合は、例えば、磁性層と磁性層との直接接合を含む。 交換結合は、例えば、複数の磁性層において、複数の磁性層の間に設けられる所定の極薄非磁性層を介して作用する複数の磁性層間の磁気結合を含む。 交換結合は、磁性層と磁性層との間の界面または磁性層と非磁性層との間の界面を介する効果である。 磁性層と非磁性層との間の界面を介する場合は、その非磁性層の膜厚に依存し、非磁性層の厚さが2nm以下で作用する。 交換結合は、磁性層端部からの漏れ磁界による静磁界結合とは異なるものである。

    交換結合エネルギーは、磁性層間に強磁性結合バイアス磁界または反強磁性結合バイアス磁界が作用しているものとして、考えることができる。 例えば、外部からの印加磁界バイアス等が無い場合、この交換結合作用により、磁性層間の磁化の向きを同じ向きに揃えたり(強磁性結合状態)、反対向きに揃えたり(反強磁性結合状態)することができる。 外部からの印加磁界バイアス等がある場合は、外部からの印加磁界バイアス磁界と交換結合によるバイアス磁界の合成で決まる向きに磁化が向く。 このため、交換結合によるバイアス磁界の向きと磁性層間の磁化の向きとが必ずしも一致しているわけではないが、交換結合による強磁性結合バイアス磁界成分または反強磁性結合磁界成分は作用している。 本実施形態の磁気抵抗効果素子210の場合は、交換結合によるバイアス磁界の他に、ハードバイアス33によるバイアス磁界もある。

    第3シールド13の厚さは、例えば、1nm以上9nm以下である。 第3シールド13の厚さは、例えば、TEMを用いた媒体対向面30の観察から求めることができる。

    第3シールド13が第2磁性層22と対向する面の面積は、9平方ナノメートル(nm )以上2500nm であることが好ましい。 後述するように、この面積は、25nm 以上900nm であることがさらに好ましい。 第3シールド13が第2磁性層22と対向する面の面積は、例えば、TEMを用いた媒体対向面30及びY軸方向に直交する断面の観察から求めることができる。

    図4(a)〜図4(d)は、第1の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子の構成を例示する模式図である。
    図4(a)は、分解斜視図である。 図4(b)は、平面図(媒体対向面から見た平面図)である。 図4(c)は、図4(b)のA1−A2線断面図である。 図4(d)は、図4(c)のB1−B2線断面図である。 図4(a)においては、図を見易くするために、一部の層の図示を省略している。

    図4(a)〜図4(d)に表したように、本実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子211においては、第4シールド14が設けられている。 第4シールド14は、便宜的に、積層体20に含まれる。 以下、磁気抵抗効果素子211について、磁気抵抗効果素子210とは異なる部分について説明する。

    磁気抵抗効果素子211は、第4シールド14をさらに含む。 第4シールド14は、第1シールド11と第1磁性層21との間に設けられる。 第4シールド14は、第1磁性層21と交換結合している。 換言すれば、第1磁性層21は、第4シールド14と交換結合している。 例えば、第4シールド14は、第1磁性層21と反強磁性結合をしている。

    第4シールド14は、第1方向(この例ではY軸方向)に沿う長さL41を有する。 第4シールド14は、積層方向(X軸方向)及び第1方向(Y軸方向)に対して交差する第2方向に沿う長さL42を有する。 この例では、第2方向をZ軸方向とする。 長さL41は、第1シールド11の第1方向に沿う長さL11よりも短い。 長さL42は、第2方向(Z軸方向)に沿う第1シールドの長さL12よりも短い。

    第4シールド14は、第1シールド11の第1方向に沿う長さL11よりも短い第1方向に沿う長さL41、及び、第2方向に沿う第1シールド11の長さL12よりも短い第2方向に沿う長さL42、の少なくとも有する。

    第4シールド14のY軸方向に沿う長さL41は、例えば、20nm(例えば3nm以上50nm以下)である。 第1シールド11のY軸方向に沿う長さL11は、例えば、1μm以上3μm以下である。

    第4シールド14のZ軸方向に沿う長さL42は、例えば、20nm(例えば3nm以上50nm以下)である。 第1シールド11のY軸方向に沿う長さL12は、例えば、1μm以上100μm以下である。

    第4シールド14には、磁性体が用いられる。 第4シールド14には、例えば、強磁性体が用いられる。 第4シールド14は、例えば、NiFe、CoZrTa、CoZrNb、CoZrNbTa、CoZrTaCr及びCoZrFeCrよりなる群から選択された少なくとも1つの材料を含む。 また、第4シールド14には、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む複数の積層された層を含む積層膜を用いることができる。 第4シールド14の材料及び構成は、第1シールド11、第2シールド12及び第3シールド13と同じでも良く異なっても良い。

    上記のように、第4シールド14は、第1シールド11に接する。
    第4シールド14が第1シールド11に接している状態は、第1シールド11がシールドとして機能している範囲で、第4シールド14が第1シールド11に物理的に近づいている状態を含む。 第4シールド14が第1シールド11に接している状態は、例えば、第4シールド14が第1シールド11に物理的に接している状態を含む。 第4シールド14が第1シールド11に接している状態は、第4シールド14がシールドとしての機能を有する範囲で、例えば、製造工程上の汚染や形成される他の層が、第1シールド11と第4シールド14の間に挿入されている状態を含む。

    第4シールド14が第1シールド11と接している状態は、例えば、磁気抵抗効果素子211を媒体対向面30に垂直なZ軸方向や、Z軸方向に直交するY軸方向から、TEM等を用いて断面を物理的に観察することにより確認できる。 また、第4シールド14が第1シールド11と接している状態は、例えば、第4シールド14がシールドとして機能していることから確認することができる。

    第4シールド14がシールドとして機能していることは、HDDまたはスピンスタンドにおいて、磁気抵抗効果型素子211の分解能を調査することで確認できる。 分解能が第1シールド11と第2シールド12との間の距離との相関で規定されているか、または、第3シールド13と第4シールド14との間の距離との相関で規定されているかを調べる。 第4シールド14がシールドとして機能しているときは、分解能が第3シールド13と第4シールド14との間の距離との相関で規定される。 この場合には、第4シールド14は、第1シールド11に接していると判断できる。

    第4シールド14は、第1シールド11と連続していても良い。 第4シールド14は、第1シールド11と一体的でもよい。 すなわち、一体形成されている。 一体的である状態は、例えば、第1シールド11と第4シールド14との間の界面において、原子サイズの段差がない状態を含む。 一体的である状態は、例えば、第4シールド14と第1シールド11との間の界面において、連続的である場合を含む。 一体的である状態は、例えば、第4シールド14が、第1シールド11に含まれる材料と同じ材料を含む状態を含む。

    第4シールド14の材料は、例えば、第1シールド11の材料とは、異なっても良い。

    第4シールド14の厚さは、例えば、1nm以上9nm以下である。 後述するように、第4シールド14が第1磁性層21と対向する面の面積は、25nm 以上900nm であることが好ましい。

    図5(a)〜図5(e)は、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
    これらの図は、磁気抵抗効果素子211の製造方法の例を示している。
    図5(a)に表したように、例えば、チャンバー内(図示しない)に基板34を配置する。 基板34上に、第1シールド11となる第1シールド膜11fを形成する。 第1シールド膜11fは、例えば、電気メッキによって形成する。 例えば、基板34上に第1シールド膜11fとなる材料の堆積物を形成した後に、堆積物の表面を研磨する。

    例えば、フォトレジスト技術を用いて第1シールド膜11f上に形成されたマスクパターン35をマスクとして、第1シールド膜11fをエッチングする。 これにより、基板34上に第1シールド11が形成される。 エッチングには、例えば、イオンビームエッチングを用いる。 その後、マスクパターン35を除去する。

    チャンバー内を減圧し(例えば、真空にし)、第1シールド11の上面をイオンビームによりエッチングする。 これにより、第1シールド11の上面に形成された酸化層及び汚染層が除去される。 酸化層は、例えば、電気メッキ及び研磨後に大気に曝露したことにより形成されたものである。 汚染層は、例えば、製造工程中に付着したものである。 図5(b)〜図5(e)では、基板34の図示を省略する。

    図5(b)に表したように、チャンバー内を減圧したまま、第1シールド11の上に、第1シールド11と接するように、第4シールド14となる第4シールド膜14fを形成する。 次に、第4シールド膜14fの上に、下地層26となる下地膜26fを形成する。 下地膜26fの上に、第1磁性層21となる第1磁性膜21fを形成する。 第1磁性膜21fの上に、中間層25となる中間膜25fを形成する。 中間膜25f上に、第2磁性層22となる第2磁性膜22fを形成する。 第2磁性膜22fの上に、非磁性層27となる非磁性膜27fを形成する。 非磁性膜27fの上に、第3シールド13となる第3シールド膜13fを形成する。

    図5(c)に表したように、第3シールド膜13f上に、マスクパターン36を形成する。 マスクパターン36として、例えば、レジストマスク、または、Taを含むメタルマスクが用いられる。 例えば、光学リソグラフィー技術を用いることにより、マスクパターン36を形成する。

    マスクパターン36の上面の形状は、積層体20の積層方向に直交する方向の幅を規定する。 マスクパターン36のスリミングにより、マスクパターン36における上面の形状を所定の形状にする。 例えば、マスクパターン36の上面の面積を9nm 以上2500nm 以下とする。 例えば、積層体20の積層方向に直交する方向の各幅を20nmとする。 これにより、例えば、1平方インチ面積あたり2テラビット(2Tb/inch )の面記録密度が得られる。

    図5(d)に表したように、マスクパターン36をマスクとして、第3シールド膜13f、非磁性膜27f、第2磁性膜22f、中間膜25f、第1磁性膜21f、下地膜26f及び第4シールド膜14fをパターニングする。 これにより、第1シールド11上に、第4シールド14、下地層26、第1磁性層21、中間層25、第2磁性層22、非磁性層27及び第3シールド13を含む積層体20が形成される。

    例えば、第4シールド膜14fの厚さ方向の一部を除去した場合は、第4シールド膜14fのうちで厚さが厚い部分が第4シールド14となる。 そして、第4シールド膜14fのうちで厚さが薄い部分は第1シールド11の一部とみなす。

    第4シールド膜14fのうちでマスクパターン36に覆われていない部分を全て除去する場合は、マスクパターン36に覆われ残存する第4シールド膜14fが第4シールド14となる。 そして、第1シールド膜11fが第1シールドとなる。

    一方、オーバーエッチングを行い、第1シールド膜11fのうちでマスクパターン36に覆われていない部分の一部の厚さを減少させても良い。 この場合は、第1シールド膜11fのうちで厚さが厚い部分と、第4シールド膜14fの残存部分と、が、第4シールド4となる。

    次に、積層体20の側面を覆う絶縁膜32を形成する。 次に、絶縁膜32を介して、積層体20の側面を覆うように、サイドシールド31となるサイドシールド膜31fを、例えば、スパッタ法により形成する。 積層体20の上に、ハードバイアス33となるハードバイアス膜(この図では図示しない)を形成する。 その後、絶縁膜32、サイドシールド膜31f及びハードバイアス膜を上方から平坦化する。

    次に、第3シールド13の上面をイオンビームによりエッチングする。 これにより、第3シールドの上面に残存したマスクパターン36、第3シールドの上面に形成された酸化層及び汚染層を除去する。 このようにして、第3シールド13の洗浄表面を露出させる。

    次に、図5(e)に表したように、第3シールド13上に、第2シールド12となる第2シールド膜12fを形成する。 第2シールド膜12fの形成は、第3シールド13の上面のイオンビームエッチング後に、大気に曝さずに行う。 そして、第2シールド膜12fをパターニングして第2シールド12を形成する。 第2シールド12は、第3シールド13に接している。

    イオンビームエッチング後に、大気に曝さずに第2シールド膜12fを形成し、第2シールド12が第3シールド13に接するように形成できれば、図5(d)に例示した工程と、図5(e)に例示した工程との間に別な工程があってもよい。

    このようにして、磁気抵抗効果素子211が作製される。
    上記の工程において、第4シールド膜14fの形成を省略することで、磁気抵抗効果素子210が作製される。

    以下の条件の磁気抵抗効果素子210及び211の特性の例について説明する。 第1シールド11及び、第2シールドとしてNiFeが用いられる。 第3シールド13として、CoZrNb(厚さは5nm)が用いられる。 第4シールド14として、CoZrNb(厚さは5nm)が用いられる。 下地層26として、Ta(厚さは2nm)/Cu(厚さは2nm)の積層膜が用いられる。 非磁性層26及び非磁性層27には、Ru(厚さは1.5nm)が用いられる。 第1強磁性層21及び第2強磁性層22には、CoFeGe(厚さは5nm)が用いられる。 中間層25には、Cu(厚さは3nm)が用いられる。 第3シールド13のY軸方向に沿う長さL31、及び、第3シールド13のZ軸方向に沿う長さL32は、20nmである。 第4シールド14のY軸方向に沿う長さL41、及び、第4シールド14のZ軸方向に沿う長さL42は、25nmである。

    磁気抵抗効果素子210及び211における第3シールド13と第2磁性層22との対向面積は、400nm である。 第3シールド13の第2磁性層22と対向する面の面積を変えたときの特性もシミュレーションした。 第4シールド14の第1磁性層21と対向する面の面積は、625nm である。 第4シールド14の第1磁性層21と対向する面の面積を変えたときの特性もシミュレーションした。

    図6(a)〜図6(d)は、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の特性を例示するグラフ図である。
    図6(a)及び図6(b)は、磁気抵抗効果素子210に対応する。 図6(c)及び図6(d)は、磁気抵抗効果素子211に対応する。

    図6(a)及び図6(c)は、外部印加磁界を0(エルステッド:Oe)とし、第1シールド11と第2シールド12との間に電流を流した場合の出電圧の測定結果の例である。 図6(a)及び図6(c)の横軸は、積層体20(第1磁性層21)を流れる電流の電流密度J(A/cm )である。 縦軸は、規格化した出力電圧Op(任意単位)である。

    図6(b)及び図6(d)の横軸は、第3シールド13の第2磁性層22と対向する面の面積S3(nm )である。 縦軸は、臨界電流密度Jc(A/cm )である。

    図6(a)に表したように、磁気抵抗効果型素子210において、電流密度Jが5.0×10 A/cm 以上1.0×10 A/cm 以下の範囲においては、出力電圧Opはほぼ一定値を示す。 電流密度Jが1.5×10 A/cm を超えると、出力電圧Opは減少する。 出力電圧Opが最大値から5%低下するときの電流密度Jを臨界電流密度Jcとする。 磁気抵抗効果素子210における臨界電流密度Jcは、1.5×10 (A/cm )である。

    第3シールド13を設けない第1参考例の磁気抵抗効果素子も作製された。 第1参考例の磁気抵抗効果素子は、第3シールド13を設けない他は、磁気抵抗効果素子210と同じ構成を有する。 第1参考例の磁気抵抗効果素子は、一般的な3層構造(Trilayer head)の磁気抵抗効果素子である。 第1参考例においては、臨界電流密度Jcは、1.8×10 A/cm である。

    なお、上記の製造方法において、第3シールド膜13fを形成する前に、マスクパターン36を用いて、非磁性膜27f、第2磁性膜22f、中間膜25f、第1磁性膜21f、下地膜26f及び第4シールド膜14fをパターニングし、その後、第3シールド膜13f及び第2シールド膜13fを形成し、第3シールド13を第2シールド12と同じ形状にした第2参考例の磁気抵抗効果素子も作製された。 第2参考例の磁気抵抗効果素子においては、臨界電流密度Jcは、2.0×10 A/cm であった。

    このように、第3シールド13を設けた実施形態に係る磁気抵抗効果素子210においては、臨界電流密度Jcは、第1、第2参考例の臨界電流密度Jcよりも非常に大きい。

    このように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子210においては、臨界電流密度Jcを大きくすることができる。 すなわち、スピントルクノイズを抑制できる。

    本実施形態においては、第3シールド13のY軸方向に沿う長さL31を、第2シールド12のY軸方向の長さL21よりも短くして、長さL31は、第2磁性層22のY軸方向に沿う長さに同じ、または、近い。 これにより、第3シールド13の有効磁界の大きさを、第2磁性層22の有効磁界の大きさに近づけている。 これにより、第3シールド13の強磁性共鳴周波数を、スピントルクノイズの主要周波数成分である第1磁性層21及び第2磁性層22の強磁性共鳴周波数に近づけることができる。 これにより、第3シールド13と第1磁性層21との相互作用効果、及び、第3シールド13と第2磁性層22との相互作用効果が強くなりスピントルクノイズを抑制することができる。

    本実施形態によれば、磁気抵抗効果素子の臨界電流密度Jcを上昇することができる。 このことは、磁気抵抗効果素子に高電流密度で通電することができることを意味する。 磁気抵抗効果素子を微細化してもスピントルクノイズの影響を低減させて臨界電流密度Jcを大きくし、高出力電圧を得ることができる。 本実施形態によれば、磁気抵抗効果素子を微細化することができる。 そして、記録密度を向上できる。

    図6(b)に表したように、磁気抵抗効果素子210の構成において、第3シールド13の第2磁性層22に対向する面の面積S3が、9nm 以上2500nm 以下において、臨界電流密度Jcは、10 A/cm 以上となる。 面積S3が25nm 以上900nm において、臨界電流密度Jcはさらに高い。 面積S3は、25nm 以上900nm であることが、より好ましい。

    図6(c)に表したように、磁気抵抗効果素子211において、電流密度Jが5.0×10 A/cm 以上1.0×10 A/cm 以下の範囲では、出力電圧Opは、ほぼ一定値を示す。 電流密度が2.0×10 A/cm 以上になると、出力電圧Opは減少する。 磁気抵抗効果型素子211においては、臨界電流密度Jcは、2.0×10 A/cm で向である。

    以下の構成を有する第3参考例の磁気抵抗効果素子も作製した。 第3参考例においては、第3シールド13及び第4シールド14が設けられない。 第3参考例においては、第3シールド13のY軸方向に沿う長さ及びZ軸方向に沿う長さが、第2シールド12のY軸方向に沿う長さ及びZ軸方向に沿う長さと同じであり、第4シールド14のY軸方向に沿う長さ及びZ軸方向に沿う長さが、第1シールド11のY軸方向に沿う長さ及びZ軸方向に沿う長さと同じである、とみなしても良い。 第3参考例においては、第3シールド膜13fの成膜を、第2シールド膜12fの成膜と同じ工程で行う。 そして、パターニング時に、エンドポイントモニター制御を用いることで第2磁性層22のエッチングが終了した時点でパターニングをストップし、第4シールド膜14fはエッチングされない。 第3比較例の磁気抵抗効果素子の臨界電流密度Jcは、2.1×10 A/cm である。

    このように、第3シールド13及び第4シールド14を設けた磁気抵抗効果素子211においては、臨界電流密度Jcは、第1〜第3参考例の臨界電流密度Jcよりも非常に大きい。

    本実施形態においては、第3シールド13に加えて、第4シールド14が設けられている。 第4シールド14のY軸方向に沿う長さL41は、第1シールド11のY軸方向に沿う長さL11よりも短い。 長さL41は、第1磁性層21のY軸方向に沿う長さと同じ、または近い。 これにより、第4シールド14の有効磁界の大きさを、第1磁性層21の有効磁界の大きさに近づけている。 これにより、第4シールド14の強磁性共鳴周波数を、スピントルクノイズの主要周波数成分である第1磁性層21及び第2磁性層22の強磁性共鳴周波数に近づけることができる。 よって、第3シールド13と第1磁性層21との相互作用効果、及び、第3シールド13と第2磁性層22との相互作用効果に加えて、第4シールド14と第1磁性層21との相互作用効果、及び、第4シールド14と第2磁性層22との相互作用効果が加わることで、さらにスピントルクノイズを抑制することができる。

    これにより、磁気抵抗効果素子211における臨界電流密度Jcは、磁気抵抗効果素子210における臨界電流密度Jcよりもさらに増大することができる。 磁気抵抗効果素子211においては、さらに微細化してもスピントルクノイズの影響を低減させて臨界電流密度Jcを大きくし、高出力電圧を得ることができる。 磁気抵抗効果素子211によれば、磁気抵抗効果素子をさらに微細化して、記録密度をさらに向上できる。

    図6(d)は、磁気抵抗効果素子211の構成において、第4シールド14の第1磁性層21に対向する面の面積S4を第3シールド13の第2磁性層22に対向する面の面積S3と同じとして、面積S3及び面積S4を変えたときの特性を例示している。

    図6(d)に表したように、面積S3及び面積S4が、25nm 以上900nm 以下において、2.0×10 A/cm 以上の、大きい臨界電流密度Jcが得られる。

    図7は、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の特性を例示するグラフ図である。
    図7は、磁気抵抗効果素子210の構成において、第3シールド13の厚さt3を変えたときの、臨界電流密度Jcをシミュレーションにより求めた結果を例示している。 図7の横軸は厚さt3(nm)であり、縦軸は、臨界電流密度Jcである。

    図7に表したように、磁気抵抗効果型素子210において、第3シールド13の厚さt3が1nm以上9nm以下のときに、臨界電流密度Jcは大きくなる。 この条件において、1.0×10 A/cm 以上の、大きい臨界電流密度Jcが得られる。 第3シールド13の厚さt3は1nm以上9nm以下であることが好ましい。

    磁気抵抗効果素子210及び211において、下地層26として、Ta、Cu及びRuよりなる群から選択された少なくとも1つの材料を含む複数の積層された層を含む積層膜を用いる場合、積層体20において、良好な結晶配向性を確保することできる。 これにより、磁気抵抗効果素子210及び211において、高感度再生特性を実現することができる。

    図8(a)〜図8(d)は、第1の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子の構成を例示する模式図である。
    図8(a)は、磁気抵抗効果素子212を媒体対向面から見た平面図である。 図8(b)は、磁気抵抗効果素子213を媒体対向面から見た平面図である。 図8(c)は、磁気抵抗効果素子214を媒体対向面から見た平面図である。 図8(d)は、図8(c)のA1−A2線断面図である。

    図8(a)に表したように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子212においては、積層体20のY軸方向に沿う長さがX軸方向に沿って変化している。 積層体20のうちの第1シールド11側の部分のY軸方向に沿う長さは、積層体20のうちの第2シールド12側の部分のY軸方向に沿う長さよりも長い。 積層体20の側面にはテーパ状である。 磁気抵抗効果素子212においても、第3シールド13の第1方向に沿う長さは、第2シールド12の第1方向に沿う長さよりも短い。

    図8(b)に表したように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子213においては、積層体20は、第1シールド11側から第2シールド12側に向かって、第4シールド14、非磁性層27、第1磁性層21、中間層25、第2磁性層22及び下地層26が積層されている。 すなわち、第3シールド13は形成されていないが、第4シールド14は形成されている。 上記の説明において、第1シールド11と第2シールド12とを互いに入れ替え、第1磁性層21と第2磁性とを互いに入れ替えることで、第4シールド14を第3シールド13とみなすことができる。 第3シールド13とみなした第4シールド14の第1方向に沿う長さは、第1シールド11とみなした第2シールド12の第1方向に沿う長さよりも短い。

    図8(c)及び図8(d)に表したように、磁気抵抗効果素子214においては、第3シールド13におけるY軸方向の長さは、第2シールド12におけるY軸方向の長さよりも短い。 そして、第3シールド13におけるZ軸方向の長さは、第2シールド12におけるZ軸方向の長さよりも短くなく、例えば、同じである。

    図9(a)〜図9(d)は、第1の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子の構成を例示する模式図である。
    図9(a)は、磁気抵抗効果素子215を媒体対向面から見た平面図である。 図9(b)は、図9(a)のA1−A2線断面図である。 図9(c)は、磁気抵抗効果素子216を媒体対向面から見た平面図である。 図9(d)は、図9(c)のB1−B2線断面図である。

    図9(a)及び図9(b)に表したように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子215においては、第2磁性層22と第3シールド13の間に、第3磁性層23及び非磁性層28が設けられている。 この例では、非磁性層27が設けられており、第3磁性層23及び非磁性層28は、第2磁性層22と非磁性層27との間に設けられている。 第2磁性層22と第3磁性層23との間に、非磁性層28が設けられる。

    第3磁性層23には、例えば、CoFe、CoFeSi及びCoFeGeよりなる群から選択された少なくとも1つの材料が用いられる。 第3磁性層23の厚さは、例えば、2nm以下である。

    非磁性層28には、例えば、Cu、Ru、Au、Ag、Rh、Pt、Pd、Cr及びIrよりなる群から選択された少なくとも1つの材料を用いることができる。

    磁気抵抗効果素子215において、第3磁性層23は、第3シールド13と第2磁性層22との間の交換結合の強度を調整する。 第3磁性層23は、例えば、交換結合調整層である。

    第3磁性層23の厚さ及び非磁性層28の厚さが2nm以上となると、第3シールド13と第2磁性層22との間の相互作用効果が弱くなり、スピントルクノイズの抑制効果が減少することがある。

    磁気抵抗効果素子215においても、第3シールド13の第1方向に沿う長さは、第2シールド12の第1方向に沿う長さよりも短い。

    図9(c)及び図9(d)に表したように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子216においては、第4シールド14が設けられ、さらに、第4磁性層24及び非磁性層29が設けられている。 第4磁性層24は、第4シールド14と第1磁性層21との間に配置されている。 非磁性層29は、第4磁性層24と第1磁性層21との間に配置される。

    第4磁性層24には、例えば、CoFe、CoFeSi及びCoFeGeよりなる群から選択された少なくとも1つの材料を用いることができる。 第4磁性層24の厚さは、例えば、2nm以下である。

    磁気抵抗効果素子216において、例えば、第4磁性層24は、第4シールド14と第1磁性層21との間の交換結合の強度を調整する。 第4磁性層24は、例えば、交換結合調整層である。

    第4磁性層24の厚さ及び非磁性層28の厚さが2nm以上となると、第4シールド14と第1磁性層21との間の相互作用効果が弱くなり、スピントルクノイズの抑制効果が減少することがある。

    図10(a)〜図10(d)は、第1の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子の構成を例示する模式図である。
    図10(a)は、磁気抵抗効果素子217を媒体対向面から見た平面図である。 図10(b)は、図10(a)のA1−A2線断面図である。 図10(c)は、磁気抵抗効果素子218を媒体対向面から見た平面図である。 図10(d)は、図10(c)のB1−B2線断面図である。

    図10(a)及び図10(b)に表したように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子217においては、第3シールド13のY軸方向に沿う長さ及び第4シールド14のY軸方向に沿う長さは、第1シールド11のY軸方向に沿う長さ及び第2シールド12のY軸方向に沿う長さよりも短くない。 一方、第3シールド13のZ軸方向に沿う長さ及び第4シールドのZ軸方向に沿う長さは、第1シールド11のZ軸方向に沿う長さ及び第2シールド12のZ軸方向に沿う長さよりも短い。 例えば、第1方向と第2方向とは互いに入れ替えても良い。

    磁気抵抗効果素子216においても、第3シールド13の第1方向(この場合はZ軸方向)に沿う長さは、第2シールド12の第1方向(Z軸方向)に沿う長さよりも短い。 そして、第4シールド14の第1方向に沿う長さは、第1シールド11の第1方向に沿う長さよりも短い。

    図10(c)及び図10(d)に表したように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子218においては、第3シールド13のY軸方向に沿う長さは、第2シールド12のY軸方向に沿う長さよりも短くない。 一方、第3シールド13のZ軸方向に沿う長さは、第2シールド12のZ軸方向に沿う長さよりも短い。

    図11(a)〜図11(d)は、第1の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子の構成を例示する模式図である。
    図11(a)は、磁気抵抗効果素子219を媒体対向面から見た平面図である。 図11(b)は、図11(a)のA1−A2線断面図である。 図11(c)は、磁気抵抗効果素子220を媒体対向面から見た平面図である。 図11(d)は、図11(c)のB1−B2線断面図である。

    図11(a)及び図11(b)に表したように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子219においては、第4シールド14のY軸方向に沿う長さは、第1シールド11のY軸方向に沿う長さよりも短くない。 一方、第4シールド14のZ軸方向に沿う長さは、第1シールド11のZ軸方向に沿う長さよりも短い。

    図11(c)及び図11(d)に表したように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子220においては、第4シールド14のY軸方向に沿う長さは、第1シールド11のY軸方向に沿う長さよりも短い。 一方、第4シールド14のZ軸方向に沿う長さは、第1シールド11のZ軸方向に沿う長さよりも短くなく、例えば、同じである。

    磁気抵抗効果素子212〜220においても、スピントルクノイズの影響を低減させて臨界電流密度Jcを大きくでき、微細化が可能で、記録密度をさらに向上できる。

    (第2の実施形態)
    図12(a)及び図12(b)は、第2の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の構成を例示する模式図である。
    図12(a)は、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子310を媒体対向面から見た平面図である。 図12(b)は、図12(a)のA1−A2線断面図である。

    図12(a)及び図12(b)に表したように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子2310は、第1シールド11、第2シールド12、積層体90を含む。

    第2シールド12は、第1シールド11と、X軸方向において離間する。 第2シールド12は、例えば、X−Y平面に対して平行な面12aを有する。 面12aは、媒体対向面30の一部となる。 第1シールド11も、X−Y平面に対して平行な面11aを有する。 面11aも、媒体対向面30の一部となる。

    積層体90は、第1シールド11と第2シールド12の間に設けられる。 積層体90における積層方向は、X軸方向(第1シールド11から第2シールド12に向かう方向)である。

    積層体90は、第1積層部分91、第2積層部分92及び第3積層部分93を含む。 第1積層部分91と第2シールド12との間に、第2積層部分92及び第3積層部分93が配置される。

    第1積層部分91の1つの側面91a(例えば、X−Y平面に対して平行な側面91a)は、媒体対向面30の一部となる。 第1積層部分91のY軸方向に沿う長さl11は、第1シールド11のY軸方向に沿う長さL11及び第2シールド12のY軸方向に沿う長さL21よりも短い。

    第3積層部分93は、第1積層部分91と第2シールド12との間において、第2積層部分92と、Z軸方向において離間する。 第3積層部分93は、媒体対向面30から離間している。

    第2積層部分92のY軸方向に沿う長さl21は、第1シールド11のY軸方向に沿う長さL11及び第2シールド12のY軸方向に沿う長さL21よりも短い。 第3積層部分93のY軸方向に沿う長さl31は、第1シールド11のY軸方向に沿う長さL11及び第2シールド12のY軸方向に沿う長さL21よりも短い。 第2積層部分92の1つの側面92a(例えば、X−Y平面に対して平行な側面92a)は、媒体対向面30の一部となる。

    第1積層部分91は、例えば、絶縁層94、下地層95及び非磁性層96を含む。 絶縁層94と第2シールド12との間に下地層95が配置され、下地層95と第2シールド12との間に非磁性層96が配置される。

    絶縁層94には、例えば、酸化シリコン(SiO )が用いられる。 絶縁層94の厚さは、3nm以下である、例えば、3nmである。

    下地層95には、例えば、タンタル(Ta)が用いられる。 下地層95の厚さは、2nm以下であり、例えば、2nmである。

    非磁性層96には、例えば、銅(Cu)が用いられる。 非磁性層96の厚さは、5nm以下であり、例えば、5nmである。

    第2積層部分92は、例えば、中間層97、第1磁性層98、非磁性層99及び第3シールド101を含む。 中間層97と第2シールド12との間に第1磁性層98が配置され、第1磁性層98と第2シールド12との間に非磁性層99が配置され、非磁性層99と第2シールド12との間に第3シールド101が配置される。

    中間層97には、例えば、酸化マグネシウム(MgO)が用いられる。 中間層97の厚さは、1nm以下である、例えば、1nmである。

    第1磁性層98には、例えば、強磁性体が用いられる。 第1磁性層98には、例えば、CoFeGeが用いられる。 第1磁性層の厚さは、5nm以下であり、例えば、5nmである。

    非磁性層99には、例えば、Ruが用いられる。 非磁性層99の厚さは、2nm以下であり、例えば、1.5nmである。

    第3シールド101には、例えば、CoZrNbが用いられる。 第3シールド101の厚さは、5nm以下であり、例えば、5nmである。 第3シールド101は、第2シールド12と接している。 第3シールド101が第1磁性層98と対向する面の面積は、例えば、約400nm (25nm 以上900nm 以下)である。 第3シールド101が第1磁性層98と対向する面の2つの辺の幅は、例えば、それぞれ20nmである。

    第3シールド101の、積層方向に対して交差する(例えば直交する)第1方向に沿う長さは、第2シールドの第1方向に沿う長さよりも短い。 第1方向は、例えばY軸方向である。 第3シールド101のY軸方向に沿う長さl51(この例では長さl21と同じ)は、第2シールド12のY軸方向に沿う長さL21よりも短い。 この例では、第3シールド101のZ軸方向に沿う長さl52は、第2シールド12のZ軸方向に沿う長さL22よりも短い。

    第3積層部分93は、例えば、中間層102、第2磁性層103、第1電極部104及び絶縁層105を含む。 中間層102と第2シールド12との間に第2磁性層103が配置され、第2磁性層103と第2シールド12との間に第1電極部104が配置され、第1電極部104と第2シールド12との間に絶縁層105が配置される。

    中間層97には、例えば、酸化マグネシウム(MgO)が用いられる。 中間層97の厚さは、1nm以下であり、例えば、1nmである。

    第2磁性層103には、例えば、CoFeGeを含む層と、IrMnを含む層と、の積層膜が用いられる。 CoFeGeを含む層の厚さは、5nm以下であり、例えば、5nmである。 IrMnを含む層の厚さは、5nm以下であり、例えば、5nmである。

    第1電極部104には、例えば、銅(Cu)が用いられる。 第1電極部104の厚さは、3nm以下であり、例えば、3nmである。

    絶縁層105には、例えば、酸化シリコン(SiO )が用いられる。 絶縁層105の厚さは、3nm以下であり、例えば、3nmである。

    本実施形態に係る磁気抵抗効果素子310は、第1電極部104及び第2シールド12を電極とする2端子電極構造を有する。 磁気抵抗効果素子310においては、例えば、第1電極部104、第2磁性層103、中間層102、非磁性層96、中間層97、第1磁性層98、非磁性層99、第3シールド101及び第2シールド12の順の電流経路が設けられる。

    例えば、第2シールド12から第1電極部104へ電流を流す場合には、電流によって、磁化の向きが固定された第2磁性層103にスピンが注入される。 注入されたスピンは、第2磁性層103によって磁気モーメントの向きが揃った偏極状態となる。 これにより、偏極状態となったスピンの向きと、フリー層である第1磁性層98の磁化の向きとの相対度による抵抗変化により、再生出力信号を取得することができる。 2端子電極構造によるこのような再生素子駆動は、スピン注入の電流経路と再生出力信号検出が分離されていない。 この駆動は、例えば、ローカル型の駆動である。

    図13(a)及び図13(b)は、第2の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の特性を例示するグラフ図である。
    図13(a)は、外部印加磁界を0(Oe)とし、第1電極部104と第2シールド12との間に電流を流した場合の出力電圧の測定結果の例である。 図13(a)の横軸は、積層体20(第1磁性層21)を流れる電流の電流密度Jである。 縦軸は、規格化した出力電圧Opである。 図13(b)の横軸は、第3シールド101の第1磁性層98と対向する面の面積S5(nm )である。 縦軸は、臨界電流密度Jcである。

    図13(a)に表したように、電流密度Jが、5.0×10 A/cm 以上1.6×10 A/cm 以下の範囲において、出力電圧Opは、ほぼ一定値を示す。 電流密度Jが1.6×10 A/cm を超えると、出力電圧Opは減少する。 磁気抵抗効果素子310においては、臨界電流密度Jcは、1.6×10 A/cm である。

    第4参考例の磁気抵抗効果素子においては、磁気抵抗効果素子310において、非磁性層99及び第3シールド101の代わりに、積層構造の非磁性層が設けられる。 この非磁性層は、1.5nmの厚さのタンタル(Ta)を含む層と、5nmの厚さのRuを含む層と、の積層構造を有する。 第4参考例の磁気抵抗効果素子においては、臨界電流密度Jcは、3.0×10 A/cm である。

    第5参考例の磁気抵抗効果素子においては、磁気抵抗効果素子310において、第3シールド101の成膜を第2シールド12の成膜と同じ工程で行う。 すなわち、第5シールド101はエッチングされていないため、第3シールド101のY軸方向及びZ軸方向の長さは、第2シールド12のY軸方向及びZ軸方向の長さと同じである。 第5参考例の磁気抵抗効果素子においては、臨界電流密度Jcは、3.5×10 A/cm である。

    このように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子310においては、第4及び第5参考例よりも、臨界電流密度Jcを大きくすることができる。 本実施形態においては、第3シールド101のY軸方向に沿う長さを、第2シールド12のY軸方向に沿う長さよりも短くしている。 これにより、スピントルクノイズを抑制することができる。

    本実施形態によれば、スピントルクノイズの影響を低減させて臨界電流密度Jcを大きくでき、微細化が可能で、記録密度をさらに向上できる。

    図13(b)に表したように、磁気抵抗効果素子310において、第3シールド101の第1磁性層98と対向する面積S5が、9nm 以上2500nm 以下の場合に、臨界電流密度Jcは大きい。 面積S5が、25nm 以上900nm 以下のときに、10 A/cm 以上の、大きい臨界電流密度Jcを得ることができる。

    図14(a)〜図14(d)は、第2の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子の構成を例示する模式図である。
    図14(a)は、磁気抵抗効果素子311を媒体対向面から見た平面図である。 図14(b)は、図14(a)のA1−A2線断面図である。 図14(c)は、磁気抵抗効果素子312を媒体対向面から見た平面図である。 図14(d)は、図14(c)のB1−B2線断面図である。

    図14(a)及び図14(b)に表したように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子311においては、第1積層部分91のY軸方向に沿う長さは、第1シールド11のY軸方向に沿う長さより短くない。 そして、非磁性層96における媒体対向面30と反対側の端部に第2電極部106が設けられている。 非磁性層96における媒体対向面30側の端部に第3電極部107が設けられている。 磁気抵抗効果素子311においては、4端子電極構造が適用されている。

    例えば、第1電極部104と第2電極部106とに第1の電流源を接続する。 電流を流して、磁化の向きが固定された第2磁性層103にスピンを注入する。 これにより、第2磁性層103の磁化の向きに偏極された拡散スピンを、非磁性層96における中間層97の下部周辺に蓄積させる。

    第2シールド12と第3電極部106とに第2の電圧源を接続する。 これにより、非磁性層96における中間層97の下部周辺に蓄積された偏極された拡散スピンと、フリー層である第1磁性層98の磁化方向の相対角度で生じる磁気抵抗変化を検出する。 この磁気抵抗変化が、再生出力信号に対応する。

    本実施形態の4端子電極構造においては、スピン注入用の電流経路が再生出力信号検出と分離されている。 磁気抵抗効果素子311においては、ノンローカル構造が適用されている。

    図14(c)及び図14(d)に示すように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子312においては、第1積層部分91のY軸方向に沿う長さは、第1シールド11のY軸方向に沿う長さより短い。 非磁性層96における媒体対向面30と反対側の端部に第2電極部106が設けられている。 そして第3電極部107は、設けられていない。 磁気抵抗効果素子312においては、3端子電極構造が適用されている。

    磁気抵抗効果素子312においては、上記の磁気抵抗効果素子311において、第3電極部107の電位を第2電極部106の電位と同じにした場合に相当する。 磁気抵抗効果素子312において、第1電極部104と第2電極部107とに第1の電流源を接続し、第2シールド12と第2電極部106とに第2の電圧源を接続する。 これにより、磁気抵抗変化を検出する。

    図15(a)〜図15(d)は、第2の実施形態に係る別の磁気抵抗効果素子の構成を例示する模式図である。
    図15(a)は、磁気抵抗効果素子313を媒体対向面から見た平面図である。 図15(b)は、図15(a)のA1−A2線断面図である。 図15(c)は、磁気抵抗効果素子314を媒体対向面から見た平面図である。 図15(d)は、図15(c)のB1−B2線断面図である。

    図15(a)及び図15(b)に表したように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子313においては、第3シールド101のY軸方向に沿う長さは、第2シールド12のY軸方向に沿う長さよりも短くない。 第3シールド101のZ軸方向に沿う長さは、第2シールド12のZ軸方向に沿う長さよりも短い。 この場合でも、スピントルクノイズを抑制することができる。

    図15(c)及び図15(d)に示すように、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子314においては、第3シールド101のZ軸方向に沿う長さは、第2シールド12のZ軸方向に沿う長さよりも短くない。 第3シールド101は、第3積層部分93と第2シールド12との間まで延びている。

    磁気抵抗効果素子311〜314においても、スピントルクノイズの影響を低減させて臨界電流密度Jcを大きくでき、微細化が可能で、記録密度をさらに向上できる。

    (第3の実施形態)
    上記で説明した実施形態に係る磁気ヘッドは、例えば、記録再生一体型の磁気ヘッドアセンブリに組み込まれ、磁気記録再生装置に搭載することができる。 なお、実施形態に係る磁気記録再生装置は、再生機能のみを有することもできるし、記録機能と再生機能の両方を有することもできる。

    図16は、第3の実施形態に係る磁気記録再生装置の構成を例示する模式的斜視図である。
    図17(a)及び図17(b)は、第3の実施形態に係る磁気記録装置の一部の構成を例示する模式的斜視図である。
    図16に表したように、本実施形態に係る磁気記録再生装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。 記録用媒体ディスク180は、スピンドルモータ170に装着される。 記録用媒体ディスク180は、図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。 このモータは、例えば図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する。 本実施形態に係る磁気記録再生装置150は、複数の記録用媒体ディスク180を備えても良い。 また、記憶用媒体ディスク180の片面のみ用いてもよい。

    記録用媒体ディスク180に格納される情報の記録再生が、ヘッドスライダ3により行われる。 ヘッドスライダ3は、既に例示した構成を有する。 ヘッドスライダ3は、サスペンション154の先端に取り付けられている。 サスペンション154は、薄膜状である。 ヘッドスライダ3の先端付近に、例えば、既に説明した実施形態に係る磁気ヘッド110が搭載される。 磁気ヘッド110には、第1及び第2の実施形態に係る磁気抵抗効果素子210〜220及び310〜314、並びに、それらの変形の磁気抵抗効果素子が設けられる。

    記録用媒体ディスク180が回転すると、ヘッドスライダ3は、記録用媒体ディスク180の表面の上方に保持される。 すなわち、サスペンション154による押し付け圧力と、ヘッドスライダ3の媒体対向面(ABS)で発生する圧力と、がつりあう。 これにより、ヘッドスライダ3の媒体対向面と、記録用媒体ディスク180の表面と、の距離は、所定の値に保持される。 実施形態において、ヘッドスライダ3が記録用媒体ディスク180と接触するいわゆる「接触走行型」を用いても良い。

    サスペンション154は、アクチュエータアーム155の一端に接続されている。 アクチュエータアーム155は、例えば、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有する。 アクチュエータアーム155の他端には、ボイスコイルモータ156が設けられている。 ボイスコイルモータ156は、例えば、リニアモータの一種である。 ボイスコイルモータ156は、例えば、図示しない駆動コイル及び磁気回路を含むことができる。 駆動コイルは、例えば、アクチュエータアーム155のボビン部に巻かれる。 磁気回路は、例えば、図示しない永久磁石及び対向ヨークを含むことができる。 永久磁石及び対向ヨークは、互いに対向し、これらの間に駆動コイルが配置される。

    アクチュエータアーム155は、例えば、図示しないボールベアリングによって保持される。 ボールベアリングは、例えば、軸受部157の上下の2箇所に設けられる。 アクチュエータアーム155は、ボイスコイルモータ156により、回転摺動が自在にできる。 その結果、磁気ヘッドは、記録用媒体ディスク180の任意の位置に移動できる。 また、磁気ヘッドを用いて磁気記録媒体への信号の書き込みと読み出しを行う信号処理部190が設けられる。

    信号処理部190は、例えば、磁気記録再生装置150の図面中の背面側に設けられる。 信号処理部190の入出力線は、磁気ヘッドアセンブリ158の電極パッドに接続され、磁気ヘッドと電気的に結合される。

    すなわち、信号処理部190は、磁気ヘッドに電気的に接続される。

    磁気記録媒体80に記録された媒体磁界に応じた、磁気抵抗効果素子の抵抗の変化は、例えば、信号処理部190により検出される。

    このように、本実施形態に係る磁気記録再生装置150は、上記の実施形態に係る磁気ヘッドと、磁気記録媒体と磁気ヘッドとを離間させ、または、接触させた状態で相対的に移動可能とした可動部と、磁気ヘッドを磁気記録媒体の所定の記録位置に位置合わせする位置制御部と、磁気ヘッドを用いて磁気記録媒体への信号の書き込みと読み出しを行う信号処理部と、を備える。

    すなわち、上記の磁気記録媒体80として、記録用媒体ディスク180が用いられる。 上記の可動部は、ヘッドスライダ3を含むことができる。 また、上記の位置制御部は、磁気ヘッドアセンブリ158を含むことができる。

    このように、本実施形態に係る磁気記録再生装置150は、磁気記録媒体と、実施形態に係る磁気ヘッドアセンブリと、磁気ヘッドアセンブリに搭載された磁気ヘッドを用いて情報が再生される磁気記憶媒体と、を備える。 本実施形態に係る磁気記録再生装置150によれば、上記の実施形態に係る磁気ヘッドを用いることで、高感度の再生が可能になる。

    図17(a)は、磁気記録再生装置の一部の構成を例示しており、ヘッドスタックアセンブリ160の拡大斜視図である。
    図17(b)は、ヘッドスタックアセンブリ160の一部となる磁気ヘッドアセンブリ(ヘッドジンバルアセンブリ:HGA)158を例示する斜視図である。

    図17(a)に表したように、ヘッドスタックアセンブリ160は、軸受部157と、磁気ヘッドアセンブリ158と、支持フレーム161と、を含む。 磁気ヘッドアセンブリ158は、軸受部157から延びる。 支持フレーム161は、軸受部157から磁気ヘッドアセンブリ158とは反対方向に延びる。 支持フレーム161は、ボイスコイルモータのコイル162を支持する。

    図17(b)に示したように、磁気ヘッドアセンブリ158は、アクチュエータアーム155とサスペンション154とを含む。 アクチュエータアーム155は、軸受部157から延びる。 サスペンション154は、アクチュエータアーム155から延びる。

    サスペンション154の先端には、ヘッドスライダ3が取り付けられている。 そして、ヘッドスライダ3には、磁気ヘッド110が搭載される。

    すなわち、実施形態に係る磁気ヘッドアセンブリ158は、実施形態に係る磁気ヘッド110と、磁気ヘッド110が搭載されたヘッドスライダ3と、磁気ヘッド110を一端に搭載するサスペンション154と、サスペンション154の他端に接続されたアクチュエータアーム155と、を備える。

    サスペンション154は、信号の書き込み及び読み取り用、及び、浮上量調整のためのヒーター用などのためのリード線(図示しない)を有する。 これらのリード線と、ヘッドスライダ3に組み込まれた磁気ヘッドの各電極と、が電気的に接続される。

    (第4の実施形態)
    第4の実施形態は、磁気抵抗効果素子の製造方法に係る。 本実施形態においては、例えば、図5(a)〜図5(e)に関して説明した処理が実施される。
    本実施形態に係る製造方法においては、第1のシールド(第1シールド11)の上に第1磁性膜21fを形成し、第1磁性膜21fの上に中間膜25fを形成し、中間膜25fの上に第2磁性膜22fを形成し、第2磁性膜22の上にシールド膜(第3シールド膜13f)を形成する。 すなわち、積層工程を実施する。

    さらに、第1磁性膜21f、中間膜25f、第2磁性膜22f及び第3シールド膜13fをパターニングして、第1磁性層21、中間層25、第2磁性層22及び第2のシールド(第3シールド13)を形成する。

    さらに、第2のシールド(第3シールド13)の上に、第1シールド11から第2のシールド(第3シールド13)に向かう積層方向に交差する第1方向の長さが第2のシールド(第3シールド13)の第1方向における長さよりも長い第3のシールド(第2シールド12)を、第2のシールド(第3シールド13)と接するように形成する。 すなわち、第2のシールド(第3シールド13)の上に直接、第3のシールド(第2シールド12)を形成する。

    上記の積層工程は、第1シールド11の上に第1シールド11と接するように第2のシールド膜(第4シールド膜14f)を形成することを含む。 すなわち、第1シールド11の上に直接、第2のシールド膜(第4シールド膜14f)を形成する。 そして、上記の積層工程は、第2のシールド膜(第4シールド膜14)の上に第1磁性膜11fを形成することをさらに含む。

    上記のパターニング工程は、第2のシールド膜(第4シールド膜14f)の少なくとも一部をパターニングして、第4シールド14を形成することを含む。 上記のパターニング工程は、第4シールド14の第1方向における長さを、第1のシールド(第1シールド11)の第1方向における長さよりも小さく形成することを含む。
    本実施形態によれば、微細化が可能な磁気抵抗効果素子の製造方法を提供できる。

    実施形態によれば、微細化が可能な磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気記録再生装置及び磁気抵抗効果素子の製造方法を提供することができる。

    なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。

    本願明細書において、「上に設けられる」状態は、直接接して設けられる状態の他に、間に他の要素が挿入されて設けられる状態も含む。 「積層される」状態は、互いに接して重ねられる状態の他に、間に他の要素が挿入されて重ねられる状態も含む。 「対向する」状態は、直接的に面する状態の他に、間に別の要素が挿入されて面する状態も含む。

    以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。 しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。 例えば、磁気抵抗効果素子に含まれるシールド、磁性層、非磁性層、中間層及び電極部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。

    また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。

    その他、本発明の実施の形態として上述した磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気記録再生装置及び磁気抵抗効果素子の製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気記録再生装置及び磁気抵抗効果素子の製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。

    その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。

    本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。 これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。 これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

    3…ヘッドスライダ、 3A…空気流入側、 3B…空気流出側、 11…第1シールド、 11a…面、 11f…第1シールド膜、 12…第2シールド、 12a…面、 12f…第2シールド膜、 13…第3シールド、 13f…第3シールド膜、 14…第4シールド、 14f…第4シールド膜、 20…積層体、 20a…第1の側面、 20b…第2の側面、 21…第1磁性層、 21a…側面、 21f…第1磁性膜、 22…第2磁性層、 22a…側面、 22f…第2磁性膜、 23…第3磁性層、 24…第4磁性層、 25…中間層、 25f…中間膜、 26…下地層、 26…下地膜、 27…非磁性層、 27f…非磁性膜、 28…非磁性層、 29…非磁性層、 30…媒体対向面、 31…サイドシールド、 31a、31b…第1、第2サイドシールド部、 31f…サイドシールド膜、 32…絶縁膜、 33…ハードバイアス、 34…基板、 35、36…マスクパターン、 60…書き込み部、 61…主磁極、 62…書き込み部リターンパス、 63…スピントルク発振子、 70…再生部、 80…磁気記録媒体、 81…磁気記録層、 82…媒体基板、 83…磁化、 85…媒体移動方向、 90…積層体、 91、92、93…第1〜第3積層部分、 91a、92a…側面、 94…絶縁層、 95…下地層、 96…非磁性層、 97…中間層、 98…第1磁性層、 99…非磁性層、 101…第3シールド、 102…中間層、 103…第2磁性層、 104…第1電極部、 105…絶縁層、 106…第2電極部、 107…第3電極部、 110…磁気ヘッド、 150…磁気記録再生装置、 154…サスペンション、 155…アクチュエータアーム、 156…ボイスコイルモータ、 157…軸受部、 158…ヘッドジンバルアセンブリ、 160…ヘッドスタックアセンブリ、 161…支持フレーム、 162…コイル、 170…スピンドルモータ、 180…記録用媒体ディスク、 190…信号処理部、 210〜220、310〜314…磁気抵抗効果素子、 A…矢印、 J…電流密度、 Jc…臨界電流密度、 L11、L12、L21、L22、L31、L32、L41、L42…長さ、 Op…出力電圧、 S3、S4、S5…面積、 l11、l21、l31、l51、l52…長さ、 t3…厚さ

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