System and method for processing amorphous alloy ribbon |
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申请号 | JP2012539152 | 申请日 | 2010-11-18 | 公开(公告)号 | JP2013511617A | 公开(公告)日 | 2013-04-04 |
申请人 | イドロ−ケベックHydro−Quebec; | 发明人 | フランコウー,ブルーノ; クチュール,ピエール; | ||||
摘要 | 前進する強 磁性 アモルファス 合金 リボンを、リボンを脆くすることなくその磁気特性を改良するために連続的に曲線状にインラインアニールするための方法及びシステムであって、著しく高いリボン送り速度で運転される。 アモルファス合金リボンを、設定された送り速度で走行路に沿って前方に送り、ピンと張り、そして案内し、走行路沿いの地点で10 3 ℃/秒を上回る速度で熱処理を開始するための 温度 に加熱する。 次に、リボンを最初に10 3 ℃/秒を上回る速度で熱処理が終了するまで冷却する。 熱処理中、アモルファス合金リボンが、熱処理終了後、静止状態で特定形状を取るまで一連の機械的拘束をリボンに印加する。 最初の冷却後、次にアモルファス合金リボンを十分な速度で特定形状を保存する温度に冷却する。 【選択図】図1 |
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权利要求 | アモルファス合金リボンを処理するための方法であって、 a)アモルファス合金リボンを、設定された送り速度で走行路に沿って前方に送り、ピンと張り、そして案内し; b)アモルファス合金リボンを前記走行路沿いの地点で10 3 ℃/秒を上回る速度で熱処理を開始するための温度に加熱し; c)アモルファス合金リボンを10 3 ℃/秒を上回る速度で熱処理が終了するまで冷却し; d)前記熱処理中、アモルファス合金リボンが、前記熱処理後、静止状態で特定形状を取るまで一連の機械的拘束をリボンに印加し;そして e)前記熱処理後、アモルファス合金リボンを、前記特定形状を保存する速度で冷却するステップを含む方法。 熱処理が、リボンのアモルファス状態を維持するように実施される、請求項1に記載の方法。 熱処理が、アモルファス合金リボンの結晶化を開始するために実施される、請求項1に記載の方法。 熱処理が、アモルファス合金リボンの部分結晶化を得るために実施される、請求項1に記載の方法。 熱処理が、アモルファス合金リボンの完全結晶化を得るために実施される、請求項1に記載の方法。 ステップa)において、設定された送り速度が1m/秒より大きい、請求項1に記載の方法。 ステップb)において、加熱が10 4 ℃/秒を上回る速度で実施される、請求項1に記載の方法。 ステップc)において、冷却が10 4 ℃/秒を上回る速度で実施される、請求項1に記載の方法。 熱処理が1秒未満の間実施される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。 熱処理が10分の1秒未満の間実施される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。 ステップe)が、アモルファス合金リボンを、アモルファス合金リボンの完全延性が得られる温度閾値T dbより高いハンドリング温度に冷却する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。 前記ハンドリング温度が、周囲温度より高く、熱処理を開始するための前記温度より低い、請求項11に記載の方法。 ステップb)において、アモルファス合金リボンが、前記走行路に沿って配置されている第一のシリンダー表面を有する少なくとも一つの第一のシリンダーと接触し; ステップb)がさらに、アモルファス合金リボンと第一のシリンダー表面との間で第一の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第一のシリンダー表面に対してピンと張るステップを含み、第一の静的接触は第一のシリンダー表面の周りの第一の接触角にわたって伸び; ステップb)がさらに、前記第一のシリンダー表面を、熱処理を開始するための前記温度以上の温度に維持するステップを含み; ステップc)において、アモルファス合金リボンが、前記走行路に沿って配置されている第二のシリンダー表面を有する少なくとも一つの第二のシリンダーと接触し; ステップc)がさらに、アモルファス合金リボンと第二のシリンダー表面との間で第二の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第二のシリンダー表面に対してピンと張るステップを含み、第二の静的接触は第二のシリンダー表面の周りの第二の接触角にわたって伸び;そして ステップc)がさらに、前記第二のシリンダー表面を、熱処理を開始するための前記温度より低い温度に維持するステップを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。 ステップd)において、アモルファス合金リボンが、前記走行路に沿って配置されている第三のシリンダー表面を有する少なくとも一つの第三のシリンダーと接触し; ステップd)がさらに、アモルファス合金リボンと第三のシリンダー表面との間で第三の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第三のシリンダー表面に対してピンと張るステップを含み、第三の静的接触は第三のシリンダー表面の周りの第三の接触角にわたって伸び;そして ステップd)がさらに、前記第三のシリンダー表面を、熱処理を開始するための前記温度に維持するステップを含む、請求項13に記載の方法。 アモルファス合金リボンをシリンダー表面に対してピンと張るステップが、25〜200MPaの範囲の張力で実施される、請求項13又は14に記載の方法。 アモルファス合金リボンをシリンダー表面に対してピンと張るステップが、50〜100MPaの範囲の張力で実施される、請求項13又は14に記載の方法。 アモルファス合金リボンをピンと張るステップが、リボン内の磁気異方性の発達を促進するために行われる、請求項15又は16に記載の方法。 アモルファス合金リボンが、第一、第二又は第三のシリンダーの選択された一つに近接する少なくとも一つのガイドローラーと接触し、前記ガイドローラーは、選択されたシリンダーより小さい半径を有し、前記選択されたシリンダーの前記接触角を最大にするために、リボンと選択されたシリンダー間の初期接点と最終接点の両方に近接して配置されている、請求項14に記載の方法。 ステップd)において、特定形状が曲線状であり、方法はさらに、 f)特定量のアモルファス合金リボンをマンドレル上に巻き付け、内半径と外半径を有するコアを形成し、前記特定形状は、前記内半径及び前記外半径の間から選ばれる曲率半径を有する追加ステップを含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。 ステップd)において、特定形状が平面状であり、方法はさらに、 f)アモルファス合金リボンのセグメントを切断し、そして積み重ねる追加ステップを含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。 ステップd)において、機械的拘束が、アモルファス合金リボンの特定形状の曲率半径をその長さに沿って変動させるために変化し、方法はさらに、 f)アモルファス合金リボンの前記長さをマンドレル上に巻き付けてコアを形成する追加ステップを含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。 ステップf)の前に、 i)アモルファス合金リボンの少なくとも片面を誘電材料で被覆する追加ステップを含む、請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法。 誘電材料が有機誘電材料である、請求項22に記載の方法。 前記ステップi)において、被覆が電着によって実施される、請求項22に記載の方法。 前記ステップi)がさらに、アモルファス合金リボンに電圧を印加し、該リボンをしばらくの間有機ポリマーと脱イオン水のエマルジョン中で前方に送るステップを含む、請求項22に記載の方法。 前記ステップf)の前に、 i)アモルファス合金リボンの少なくとも片面をバインダで被覆する追加ステップを含む、請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法。 張力が、張力装置によってアモルファス合金リボンの走行路に沿って増大又は低減され、前記張力装置は、 − シャフトを有する少なくとも一つのモーターと; − モーターのシャフトに結合された円形装置(前記円形装置は、リボンとある角度にわたって静的接触をする表面を有し、該表面はリボンに対して静止摩擦係数を有する)と;そして − アモルファスリボンの引張応力を増大又は低減するために前記モーターシャフトのトルクを制御するための制御装置とを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。 前記張力装置が、熱処理が開始される前にリボンの引張応力を増大するために前記走行路に沿って配置されている、請求項27に記載の方法。 前記張力装置が、前記熱処理後に引張応力を低減するために前記走行路に沿って配置されている、請求項27に記載の方法。 前記張力装置が、前記熱処理中のリボンの引張応力を制御するために前記走行路に沿って配置されている、請求項27に記載の方法。 走行路に沿って送られるリボンが、案内装置によって構造物上の標的位置に送られ、前記案内装置は、 − 体部と; − 体部に搭載され、リボンを支持及び案内するための側部ガイドで囲まれた平坦な外周面を有するガイドローラー(ガイドローラーは、リボンを受け取るための受理部と、リボンを標的位置に送るための送出し部とを有する)と;そして − 体部を構造物にピボット式に搭載するためのピボット(ピボットは、ローラーの送出し部の接線上に並んだピボット軸を有し;動作時、体部は、ローラーの受理部がリボンを受け取り、前記送出し部からリボンを標的位置に送るためにその配転に対応できるように、ピボットによって構造物に対してピボット旋回する)とを含む、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。 ステップe)において、アモルファス合金リボンが、複数の間隔をあけた冷却シリンダーと接触し、それぞれは前記走行路に沿って配置された冷却シリンダー表面を有し; ステップe)がさらに、動くアモルファス合金リボンと冷却シリンダー表面との間で冷却静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを冷却シリンダー表面に対してピンと張るステップを含み、冷却静的接触は冷却シリンダー表面の周りのそれぞれの接触角にわたって伸び;そして ステップe)がさらに、前記冷却シリンダー表面を、熱処理を開始するための前記温度より低い温度に維持するステップを含む、請求項13に記載の方法。 リボンとして鋳造され、10 3 ℃/秒より大きい温度速度での加熱及び冷却を用い、結晶化開始に達することのない温度でインラインアニールすることによって熱処理された鉄基アモルファス合金。 前記リボンが積み重ね又は巻き付けられてコアを形成する場合、前記リボンは0.80より大きいB 80 /B satを有する、請求項33に記載の鉄基アモルファス合金。 リボンが通常の室温で延性であり、通常の室温より高い温度で完全延性である、請求項33に記載の鉄基アモルファス合金。 公称化学組成Fe 80 B 11 Si 9 (数字は原子百分率)と偶発的不純物を含むリボンとして鋳造され、10 3 ℃/秒より大きい温度速度での加熱及び冷却を用い、結晶化開始に達することなく450℃より高い温度でインラインアニールすることによって熱処理された鉄基アモルファス合金。 前記リボンが積み重ね又は巻き付けられてコアを形成する場合、リボンは、60Hz、1.3テスラの磁気誘導で、0.25W/kgより少ないコアロスを有する、請求項36に記載の鉄基アモルファス合金。 前記リボンが積み重ね又は巻き付けられてコアを形成する場合、前記リボンは、アニール後約1.3テスラより大きいB 80を有する、請求項36に記載の鉄基アモルファス合金。 前記リボンが積み重ね又は巻き付けられてコアを形成する場合、前記リボンは0.80より大きいB 80 /B satを有する、請求項36に記載の鉄基アモルファス合金。 リボンが通常の室温で延性であり、100℃より高い温度で完全延性である、請求項36に記載の鉄基アモルファス合金。 公称化学組成Fe a B b Si c C d (式中、80<a<84、8<b<18、0<c≦5、及び0<d≦3、数字は原子百分率)と偶発的不純物を含む、請求項33に記載の鉄基アモルファス合金。 前記リボンが積み重ね又は巻き付けられてコアを形成する場合、リボンは、60Hz、1.5テスラの磁気誘導で、0.25W/kgより少ないコアロスを有する、請求項41に記載の鉄基アモルファス合金。 前記リボンが積み重ね又は巻き付けられてコアを形成する場合、前記リボンは、アニール後約1.3テスラより大きいB 80を有する、請求項41に記載の鉄基アモルファス合金。 前記リボンが積み重ね又は巻き付けられてコアを形成する場合、前記リボンは、アニール後約1.4テスラより大きいB 80を有する、請求項41に記載の鉄基アモルファス合金。 前記リボンが積み重ね又は巻き付けられてコアを形成する場合、前記リボンは、アニール後約1.5テスラより大きいB 80を有する、請求項41に記載の鉄基アモルファス合金。 前記リボンが積み重ね又は巻き付けられてコアを形成する場合、前記リボンは0.80より大きいB 80 /B satを有する、請求項41に記載の鉄基アモルファス合金。 前記リボンが積み重ね又は巻き付けられてコアを形成する場合、前記リボンは0.90より大きいB 80 /B satを有する、請求項41に記載の鉄基アモルファス合金。 リボンが通常の室温で延性であり、約80℃より高い温度で完全延性である、請求項41に記載の鉄基アモルファス合金。 公称化学組成Fe 81.8 B 15.8 Si 2.1 C 0.3 (数字は原子百分率)と偶発的不純物を含む、請求項41〜48のいずれか1項に記載の鉄基アモルファス合金。 請求項1〜32のいずれか1項に記載の方法に従って処理されたアモルファス合金リボン。 公称化学組成Fe 80 B 11 Si 9 (数字は原子百分率)と偶発的不純物を含む、請求項50に記載のアモルファス合金リボン。 公称化学組成Fe a B b Si c C d (式中、80<a<84、8<b<18、0<c≦5、及び0<d≦3、数字は原子百分率)と偶発的不純物を含む、請求項50に記載のアモルファス合金リボン。 公称化学組成Fe 81.8 B 15.8 Si 2.1 C 0.3 (数字は原子百分率)と偶発的不純物を含む、請求項52に記載のアモルファス合金リボン。 物品と熱を交換するための熱交換システムであって、 − 支持構造体と; − 加熱可能な熱交換器リングエレメントと; − 前記物品と接触する外表面を有する熱拡散器リングエレメント(前記熱拡散器リングエレメントは前記熱交換器リングエレメントと接触する内表面を有する)と;そして − 前記熱交換器リングエレメントと前記熱拡散器リングエレメントを支持するフレーム構造体(前記フレーム構造体は回転できるように支持構造体に搭載されている)とを含む熱交換システム。 熱交換器リングエレメントが、電源とスライド回転式に接触可能な抵抗性エレメントである、請求項54に記載の熱交換システム。 熱交換器リングエレメントが、熱交換器リングエレメントを磁気誘導によって加熱するためのアンテナをさらに含む抵抗性エレメントである、請求項54に記載の熱交換システム。 熱交換器リングエレメントと一体化して形成され、前記熱交換器リングエレメントを側方から包囲するスロット付き構造体をさらに含み、スロット付き構造体は熱交換器リングエレメントに対して横方向に伸びるスロットを有する、請求項54〜56のいずれか1項に記載の熱交換システム。 熱交換器リングエレメントがステンレススチール製であり、熱拡散器リングエレメントが銅製で、電着によって熱交換器リングエレメント上に搭載される、請求項54〜57のいずれか1項に記載の熱交換システム。 アモルファス合金リボンを処理するためのシステムであって、 − アモルファス合金リボンを、設定された送り速度で走行路に沿って前方に送り、ピンと張り、そして案内するための移動装置と; − アモルファス合金リボンを前記走行路沿いの地点で10 3 ℃/秒を上回る速度で熱処理を開始するための温度に加熱するための加熱システムと; − アモルファス合金リボンを10 3 ℃/秒を上回る速度で熱処理が終了するまで冷却するための第一の冷却システムと; − 前記熱処理中、アモルファス合金リボンが、前記熱処理後、静止状態で特定形状を取るまで一連の機械的拘束をリボンに印加するための機械的拘束印加装置と;そして − 前記熱処理後、アモルファス合金リボンを、前記特定形状を保存する速度で冷却するための第二の冷却システムとを含むシステム。 加熱システム及び第一の冷却システムが、熱処理がリボンのアモルファス状態を維持するべく実施されるように設定される、請求項59に記載のシステム。 加熱システム及び第一の冷却システムが、熱処理がアモルファス合金リボンの結晶化を開始するべく実施されるように設定される、請求項59に記載のシステム。 加熱システム及び第一の冷却システムが、熱処理がアモルファス合金リボンの部分結晶化を得るべく実施されるように設定される、請求項59に記載のシステム。 加熱システム及び第一の冷却システムが、熱処理がアモルファス合金リボンの完全結晶化を得るべく実施されるように設定される、請求項59に記載のシステム。 移動装置の設定送り速度が1m/秒より大きい、請求項59に記載のシステム。 加熱システムが10 4 ℃/秒を上回る速度で加熱する、請求項59に記載のシステム。 第一の冷却システムが10 4 ℃/秒を上回る速度で冷却する、請求項59に記載のシステム。 加熱システム及び第一の冷却システムが、熱処理が1秒未満の間実施されるように設定される、請求項59〜66のいずれか1項に記載のシステム。 加熱システム及び第一の冷却システムが、熱処理が10分の1秒未満の間実施されるように設定される、請求項59〜66のいずれか1項に記載のシステム。 第二の冷却システムが、アモルファス合金リボンを、アモルファス合金リボンの完全延性が得られるのに十分な温度閾値T dbより高いハンドリング温度に冷却する、請求項59〜68のいずれか1項に記載のシステム。 前記ハンドリング温度が、周囲温度より高く、熱処理を開始するための前記温度より低い、請求項69に記載のシステム。 加熱システムが、アモルファス合金リボンと接触する少なくとも一つの第一のシリンダーを含み、前記少なくとも一つの第一のシリンダーは、前記走行路に沿って配置されている第一のシリンダー表面を有し、システムはさらに、アモルファス合金リボンと第一のシリンダー表面との間で第一の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第一のシリンダー表面に対してピンと張るための第一の張力装置を含み、第一の静的接触は第一のシリンダー表面の周りの第一の接触角にわたって伸び、前記第一のシリンダー表面の温度は、熱処理を開始するための前記温度以上の温度に維持され、第一の冷却システムは、アモルファス合金リボンと接触する少なくとも一つの第二のシリンダーを含み、前記少なくとも一つの第二のシリンダーは、前記走行路に沿って配置されている第二のシリンダー表面を有し、システムはさらに、アモルファス合金リボンと第二のシリンダー表面との間で第二の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第二のシリンダー表面に対してピンと張るための第二の張力装置を含み、第二の静的接触は第二のシリンダー表面の周りの第二の接触角にわたって伸び、前記第二のシリンダー表面の温度は、熱処理を開始するための前記温度より低い温度に維持される、請求項59〜70のいずれか1項に記載のシステム。 機械的拘束印加装置が、アモルファス合金リボンと接触して含み、前記少なくとも一つの第三のシリンダーは、前記走行路に沿って位置している第三のシリンダー表面を有し、システムはさらに、アモルファス合金リボンと第三のシリンダー表面との間で第三の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第三のシリンダー表面に対してピンと張るための第三の張力装置を含み、第三の静的接触は第三のシリンダー表面の周りの第三の接触角にわたって伸び、前記第三のシリンダー表面の温度は、熱処理を開始するための前記温度に維持される、請求項71に記載のシステム。 張力装置が、アモルファス合金リボンをシリンダー表面に対して25〜200MPaの範囲の張力で張力をかける、請求項71又は72に記載のシステム。 張力装置が、アモルファス合金リボンをシリンダー表面に対して50〜100MPaの範囲の張力で張力をかける、請求項71又は72に記載のシステム。 張力装置が、アモルファス合金リボンを、リボン内の磁気異方性の発達を促進するために張力をかける、請求項73又は74に記載のシステム。 さらに、アモルファス合金リボンが接触し、第一、第二又は第三のシリンダーの選択された一つに近接する少なくとも一つのガイドローラーを含み、前記ガイドローラーは、選択されたシリンダーの一つより小さい半径を有し、前記選択されたシリンダーの前記接触角を最大にするために、リボンと選択されたシリンダー間の初期接点と最終接点の両方に近接して配置されている、請求項72に記載のシステム。 さらに、特定量のアモルファス合金リボンが巻き取られるマンドレルを含み、前記マンドレルは内半径と外半径を有し、前記特定形状は、前記内半径及び前記外半径の間から選ばれる曲率半径を有する、請求項59〜76のいずれか1項に記載のシステム。 さらに、アモルファス合金リボンのセグメントを切断及び積み重ねるための切断機及び積み重ね装置を含む、請求項59〜76のいずれか1項に記載のシステム。 機械的拘束印加装置が、アモルファス合金リボンの特定形状の曲率半径をその長さに沿って変動させるために拘束を印加し、システムはさらに、特定量のアモルファス合金リボンをその上に巻き取るマンドレルを含む、請求項59〜76のいずれか1項に記載のシステム。 さらに、アモルファス合金リボンの少なくとも片面を誘電材料で被覆するための被覆システムを含む、請求項77〜79のいずれか1項に記載のシステム。 誘電材料が有機誘電材料である、請求項80に記載のシステム。 被覆システムが電着システムである、請求項80に記載のシステム。 さらに、アモルファス合金リボンに電圧を印加するための電圧印加装置と、該リボンをしばらくの間、その中で前方に送る有機ポリマーと脱イオン水のエマルジョンを含む浴システムとを含む、請求項80に記載のシステム。 さらに、アモルファス合金リボンの少なくとも片面をバインダで被覆するためのバインダ適用(塗布)システムを含む、請求項80〜83のいずれか1項に記載のシステム。 さらに、アモルファス合金リボンの張力を走行路に沿って増大又は低減するための張力装置を含み、前記張力装置は、 − シャフトを有する少なくとも一つのモーターと; − モーターのシャフトに結合された円形装置(前記円形装置は、リボンとある角度にわたって静的接触をする表面を有し、該表面はリボンに対して静止摩擦係数を有する)と;そして − アモルファスリボンの引張応力を増大又は低減するために前記モーターシャフトのトルクを制御するための制御装置とを含む、請求項59〜70のいずれか1項に記載のシステム。 前記張力装置が、熱処理が開始される前にリボンの引張応力を増大するために前記走行路に沿って配置されている、請求項85に記載のシステム。 前記張力装置が、前記熱処理後に引張応力を低減するために前記走行路に沿って配置されている、請求項85に記載のシステム。 前記張力装置が、前記熱処理中のリボンの引張応力を制御するために前記走行路に沿って配置されている、請求項85に記載のシステム。 さらに、リボンを構造物上の標的位置に送るための案内装置を含み、前記案内装置は、 − 体部と; − 体部に搭載され、リボンを支持及び案内するための側部ガイドで囲まれた平坦な外周面を有するガイドローラー(ガイドローラーは、リボンを受け取るための受理部と、リボンを標的位置に送るための送出し部とを有する)と;そして − 体部を構造物にピボット式に搭載するためのピボット(ピボットは、ローラーの送出し部の接線上に並んだピボット軸を有し;動作時、体部は、ローラーの受理部がリボンを受け取り、前記送出し部からリボンを標的位置に送るためにその配転に対応できるように、ピボットによって構造物に対してピボット旋回する)とを含む、請求項59〜88のいずれか1項に記載のシステム。 第二の冷却システムが、アモルファス合金リボンと接触する複数の間隔をあけた冷却シリンダーを含み、前記間隔をあけた冷却シリンダーはそれぞれ前記走行路に沿って配置された冷却シリンダー表面を有し、システムはさらに、動くアモルファス合金リボンと冷却シリンダー表面との間で冷却静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを冷却シリンダー表面に対してピンと張るための張力システムを含み、冷却静的接触は冷却シリンダー表面の周りのそれぞれの接触角にわたって伸び、前記冷却シリンダー表面の温度は、熱処理を開始するための前記温度より低い温度に維持される、請求項72に記載のシステム。 |
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说明书全文 | 本発明は一般的にアモルファス材料に関する。 さらに詳しくは、本発明は、アモルファス合金リボン(薄帯)を処理するためのシステム及び方法に関する。 さらに詳しくは、本発明は、マンドレルに巻き取られた処理済み延性アモルファス合金リボンから磁心を製造するためのシステム及び方法にも関する。 鉄基アモルファス合金は、配電変圧器用コア、パルスパワー用コア、及びその他の品目の製造などの用途において、それらの軟磁気特性が求められている。 本書における鉄基合金とは、主に各種の小割合の他の金属との鉄合金である。 それらは、100km/時に迫る速度で鋳造される溶融合金ストリームの連続急速凝固によって製造される。 約10 6 ℃/秒の鋳造冷却速度を用いると、合金の原子構造は非晶質状態(アモルファス)で凝固する。 適正な原子組成を使用すると、優れた軟磁気特性を有するアモルファス合金リボンが製造できる。 特に、それらは高い磁気誘導飽和レベル(本明細書ではB satと言う);高透磁率;低保磁力;低い励磁電力;及び非常に少ないコアロス(磁心損失)を提供する。 配電変圧器を設計する場合、候補合金板は、コアを形成するために積み重ね又は巻き付けられた後、80A/mまでのピーク印加AC磁場で得られたピーク磁気誘導レベルB(本明細書ではB 80と言う)及び随伴するコアロスを考慮することによって評価できる。 この磁場より高い値で得られる性質は、たとえそれが良好でも、過剰の励磁電力を必要とするので、合金をあまり魅力的でないものにする。 リボンがコアを形成するために積み重ね又は巻き付けられている場合のアモルファス合金の磁気特性も、それらのB 80 /B sat比を考慮することによって評価できる。 1に近いB 80 /B sat比が、容易な磁化の指標として求められている。 高いB 80を有する磁心を用いて製造された変圧器は、より小型で低コストになるであろう。 経験則からすると、約1.3テスラより大きいB 80を有するアモルファス合金コアは、配電変圧器の製造において従来の方向性3%ケイ素鋼との交換を考慮するに値する。 さらに、鉄基アモルファス合金は、ケイ素鋼の約3分の1というコアロスをもたらす。 また、アモルファス合金リボンを製造するための単一ステップ連続鋳造法は、方向性ケイ素鋼板の製造に関わる鋳造、焼鈍(アニール)、急冷、巻き、脱炭及び被覆ステップと比べた場合、それらはより大型の装置及びより広いフロアスペースも必要とするので、単純かつ安価であるという利点を有する。 鉄基アモルファス合金は、その主成分である鉄が比較的低価格のため、すべてのアモルファス合金の中で最も安価である。 急速凝固プロセスを用いた場合、アモルファス合金の製造は、しかしながら、様々な幅の極薄リボンに限定される。 従って、磁心を構築する場合、多数の層を積み重ねるのにより多くの操作が必要となる。 その上、アモルファス合金の磁気特性は、内部の機械的応力に対して極めて敏感である。 コアロス及び励磁電力は、合金中のランダムな応力の存在下で劣化する。 これらの応力の原因は残留性又は印加性のいずれかである。 残留応力はリボンの鋳造時に現れ、印加応力はリボンの折り曲げ又は積み重ねによって課せられる外力から生ずる。 従って、これらの応力は、リボンがコアへの最終形状を取る際にリボンから取り除かれねばならない。 又は少なくともある程度対応されねばならない。 アモルファス合金リボンからの応力除去は、一般的に、材料を高温の炉で所定時間アニールすることによって達成される。 また、鉄基アモルファス合金リボンの有用な磁気特性は、アニール処理中、合金にリボンの長手軸方向に一様な磁場又は引張応力をかけると得られる。 磁場又は応力アニールは、保磁力を下げ、一軸磁気異方性を誘導する。 磁場アニールの場合、得られる磁気異方性は、印加磁場に平行に向くが、応力アニールの場合、合金の組成に応じて平行又は直角のいずれかとなる。 磁場又は応力アニールは、B 80及びB 80 /B sat比を増大する。 磁路に沿って印加された磁場を用いたアモルファス合金コアの炉アニールは、配電変圧器用の増強された磁心を製造するのに広く使用されている。 リボンは、コア内で、その長手軸を誘導磁束の循環路に従って配向させて配置される。 アモルファス合金をアニールする場合、アニール温度及びアニール時間の増大は、最終的にその原子構造の結晶化開始(onset crystallization)及び求められているそれらの磁気特性の喪失を招く。 アモルファス合金における結晶化開始は、温度−時間−変態(TTT)現象である。 例えば、配電変圧器のコア運転温度での結晶化開始までの時間は、変圧器の寿命よりはるかに長くなくてはならない。 アニール処理において、結晶化開始までの時間は、加熱温度上昇速度、アニール温度レベルと浸漬時間(soaking time)、及び冷却温度降下速度に影響される。 高い温度加熱速度及び冷却速度と短い浸漬時間を組み合わせると、より高いアニール温度の使用が可能になる。 日立金属社製のアモルファス合金リボンMetglas 2605SA1は、公称化学Fe 80 B 11 Si 9 (数字は原子百分率)を有し、50及び60Hzの電気的AC周波数で変圧器及びインダクタを含む多くの用途に広く使用されている。 この合金は1.56テスラのB satを有する。 外部印加磁場又は引張応力下で炉アニールされると、この合金は、印加磁場又は応力に平行な磁化容易軸を獲得する。 リボンを積み重ね又は巻き付けてコアを形成した後、350℃で2時間磁場アニールすると、合金は、1.49テスラのB 80 ;0.95のB 80 /B sat比;及び60Hz、1.3テスラの磁気誘導で0.27W/kgより少ないコアロスを有する。 これらの値は、合金製造業者により、論文名“非晶質金属とシリコン鋼による変圧器コアからの可聴雑音(Audible Noise From Amorphous Metal and Silicon Steel-Based Transformer Core) ”、IEEE・トランザクションズ・オン・マグネティクス(Transactions on Magnetics)、第44巻、第11号、4104−4106、及び、論文名“非晶質とナノ結晶質磁性材料の進歩(Advances in amorphous and nanocrystalline magnetic materials)”、ジャーナル・オブ・マグネティズム・アンド・マグネティック・マテリアルズ(Journal of Magnetism and Magnetic Materials)、第304巻、p. 187−191、2006年に報告されている。 米国特許第5,873,954号にも、そのような少ないコアロスの利益を得るために、2605SA1合金は、図2aに描かれているように、印加磁場下で2時間、330℃〜380℃の温度でアニールされねばならないことが教示されている。 最小のコアロスは350℃〜360℃のアニール温度で得られる。 あるいは、該特許は、アモルファス合金の磁気特性の改良が応力アニールによって得られたといういくつかの参考文献も指摘している。 しかしながら、前述の参考文献中の引張応力アニールのためのサンプル形態は必ず平面状のストリップであった。 従って、該特許の著者は、アモルファス合金コア変圧器の製造に応力アニールの使用は非実用的と考えている。 Metglas−SA1合金を390℃より上で炉アニールしようとすると、合金の結晶化開始を招き、それにより磁気特性の劣化を招くことが、Hsuらにより、論文名“アモルファスコアを有する変圧器の磁気特性に及ぼすアニール温度の影響(Effect of the Annealing Temperature on Magnetic Property for Transformer with Amorphous Core)”、計装、測定、回路及びシステムに関する2009年第8回WSEAS国際会議の議事録(Proceeding of the 2009 8th WSEAS International Conference on Instrumentation,Measurement,Circuit and Systems)、p. 171−175に報告されている。 より最近では、米国特許出願第2006/0180248号で、化学組成Fe a B b Si c C d (式中、80<a<84、8<b<18、0<c≦5、及び0<d≦3、数字は原子百分率)を有する鉄基アモルファス合金が確認された。 この合金は、2605SA1材料で必要とされる温度より低い300℃〜350℃の温度で熱処理されてアニールされた場合、1.60テスラより大きい飽和磁気誘導を達成する。 この化学組成に含まれるのは、公称化学Fe 81.8 B 15.8 Si 2.1 C 0.3を有する日立金属社製の新規Metglas 2605HB1合金リボンで、1.65テスラのB satを有する。 リボンを積み重ね又は巻き付けてコアを形成した後、320℃で1時間磁場アニールすると、合金は、1.55テスラのB 80 ;0.95のB 80 /B sat比;及び60Hz、1.3テスラの磁気誘導で0.24W/kgより少ないコアロスを有する。 これは、市販されているSA1材料に優る改良である。 これらの値は合金製造業者により上記引用文献に報告されている。 しかしながら、大部分の鉄基アモルファス磁性合金リボンの炉アニールは、リボンの機械的構造に望ましくない影響を与える。 炉アニール処理は合金を弱化して脆くするので、リボンの扱いが複雑になる。 さらに、アモルファス合金コアは、アニール後も外部応力に対して極めて敏感なままである。 従って、性能を許容限界内に維持するために、これらの応力を制限するための注意を払わねばならない。 Metglas 2605SA1及び2605HB1は、従来の磁場炉アニールプロセス後に脆化することが知られており、それらの磁気特性は印加応力に対して非常に敏感である。 アモルファス合金リボンを用いて配電変圧器の磁心を製造するための一つの公知法は、General Electric社によって多数の特許に開示されている。 米国特許第4,789,849号、5,050,294号、5,093,981号及び5,310,975号に、上記アモルファス合金に関連するすべての特殊性に対処したアモルファス合金の角型巻きカットコア(rectangular-wound-cut core)を有する配電変圧器の製造に関わるステップが開示されている。 基本的には、多数のアモルファスリボンを供給コイルから同時に巻出し、積み重ね、そして再度一緒に巻取ってマスターコイルを製造する。 次に、多数のマスターコイルを巻出し、積み重ねて複合片を形成する。 これを前進させ、停止させ、静止状態に保持している間に剪断刃によって漸減する長さのセグメントに切断し、これを適切なずらした位置(staggered position)に順次積み重ね、複合片のパケットを製造する。 次に、多数のパケットを支持フレーム上に互いの上にピギーバック(piggyback)式に(重層的に)巻き付ける。 十分な数のパケットが巻き付けられたら、従来のケイ素鋼板を、形成されたコアの周りに巻き付けて、両端を互いに固定する。 次にフレームを取り除いて、第二のケイ素鋼板をコア窓内の内側パケット壁に対して貼り付け、コアが内部から崩壊しないようにする。 次のステップで、コアをクランプで矩形に再整形し、所定の位置に支持部材及びストラップで固定する。 その後、外部磁場を数時間印加しながらそれを炉でバッチアニールする。 アニールが完了したら、積層物を互いに固定するためのジョイントが位置している部分以外のコアの側縁にコーティングを施し、ストラップと支持部材を取り除く。 最後に、電気コイル周囲のコアレーシング(core lacing)を実施するが、これは、コアを手で開いてU字形を形成し、予備形成された矩形電気コイルの窓にコアをスライドして通し、次いで伸ばされた(広げた)重ね合せの組を個別に閉じ、接合してコアをその矩形に再整形することによって行う。 コアの積層物はアニールプロセスにより脆くなっているので、電気コイル周囲のコアレーシングは、破片が電気コイルに入り込んで短絡故障を招かないように非常に注意深く達成されねばならない。 概して、アモルファス合金リボンから角型巻きカットコア配電変圧器を製造するためのこの公知法は、多数の不連続ステップを含み、このために多くの時間及びフロアスペースを必要とする。 そのような角型巻きカットコア配電変圧器の製造は、配電変圧器製造プラントで実現される。 このことは変圧器のコストの増大に著しく寄与する。 アモルファス合金リボンを用いて配電変圧器のコアを製造するための代替法は、Allanらによる米国特許第5,566,443号に開示されている。 この特許では、いくつかの電気コイルが予備形成され、それぞれは扇形の形状を有する部分を持つ。 次に、予備形成されたコイルを一緒にまとめ、組み合わさったそれらの部分が円の外縁を形成するようにする。 磁心を製造するには、連続した薄いアモルファス合金リボンを、前記円形外縁の周りに配置された環状中空マンドレルの上に巻き付け、環状コアを製造する。 アモルファス合金リボンは、巻き付けられる前に、環状中空マンドレルと同じ外径を有する第二の環状マンドレル上で磁気飽和下で予めアニールされているので、アニール済みリボンをマンドレル間で移動させることが必要となる。 上記の公知カットコア変圧器におけるカットに伴う電力損失は回避されると考えられている。 アモルファス合金リボンのアニール後巻付け(rolling-up-after-annealing)は、確実にロール内に何らかの応力を導入するので、これが何らかの追加的なコアロスを導入することになる。 しかしながら、全体的な導入応力は十分小さいので、アモルファス合金の環状巻きノーカット(circular-rolled-uncut)コアの形態を有することにおいて、価値ある利点が達成されると考えられている。 また、環状巻きノーカットコア変圧器を用いると、角型巻きカットコア変圧器の製造に伴う上記不利益のすべてが回避されるとも考えられている。 さらに、環状コアはより短い磁束の平均路長を提供するので、コア及びコイルのサイズ及び重量を削減する。 この変圧器はカットコア変圧器より製造が容易であるが、コアの製造にはまだ多数の不連続ステップが関与している。 それらは、コアを形成するための巻付け;磁気飽和下における炉でのコアのアニール;電気コイル外縁の周りにコアを形成するためのリボンの再度の巻出し及び巻付けである。 また、アニール済みアモルファス合金リボンの直接移動は、コアロスの増大を招く不必要な曲げ応力を導入する。 なぜならば、リボンは環状コアの同じ層位置に再度巻き付けられないからである(第一の外層は第一の内層になる、逆も同様)。 これは、Alexandrovによる米国特許第4,906,960号に教示されているように、リボンをまず中間マンドレルに移動することによって克服できるが、この技術もコアの製造に別のステップを追加する。 上記のようなアモルファス合金の環状コアのアニール後巻付けは、見かけは単純であるが、依然として困難な作業である。 合金は相当時間アニールされると脆くなるという事実のために、電気コイルの外縁の周りに再度巻き付ける必要がある場合、その方法はあまり便利でなくなる。 Silgailisらは、米国特許第4,668,309号で、該特許の表2に、約50kgの重量の炉アニールされた環状コアの鉄基アモルファス合金リボンを0.3メートル/秒までの速度で巻出し及び再巻付けする各試みにおいて、リボンは61回以上破損したことを示している。 彼らはまた、開示特許の中で、高温の溶融スズ浴でのコアの短時間アニールは、従来の炉アニールと同じほど延性を劣化させないことも主張している。 Silgailisらは、表2で、彼らの方法でアニールされた約18kgの重量の環状コアは、リボンを19回以上破損することなく、0.76メートル/秒の速度で巻出し及び再巻付けできたことを示している。 Silgailisらが、彼らのアニール法で破損数を著しく削減できたとしても、依然として容認できるものではない。 巻付け中にたった一度のリボン破損にでも遭遇すると、アセンブリライン全体に散乱し、最後には電気コイル内に到達する微小断片が吐出されかねない。 すると、清掃のための製造停止及びコイルを廃棄すべきか否かの決断が必要となる。 作業は、リボンの巻付けが最初に中間マンドレルで実施されねばならない場合、さらに困難となる。 コイル周囲のコアの巻付け後アニール(annealing-after-rolling)は、この問題を克服できるであろうが、コイルに高温絶縁材料の使用が必要となり、変圧器を法外な費用がかかるものにするであろう。 アモルファス合金リボンコアのアニール後巻付け及び巻付け後アニールは、どちらも、重イオン核融合(HIF)ドライバー用の大型環状コアを製造するために考えられた。 HIFコアは、極端に短い時間に大きい磁束スイングを持続せねばならず、コアに層間絶縁の使用が必要となる。 アニール後巻付けが高温絶縁材料の使用を回避したとしても、リボンの脆化のために非実用的と見なされ、むしろ高温耐熱絶縁を組み込んだコアの巻付け後アニールの方が下記論文に報告されているように採用された。 例えば、“重イオン核融合のための誘導加速器の開発(Induction Accelerator Development for Heavy Ion Fusion)”、L. L. Reginato、1993年粒子加速器会議のIEEE議事録(IEEE Proceedings of the 1993 Particle Accelerator Conference) 、第1巻、p. 656−660、及び“アモルファスガラスパルスコア用のエキサイティングな新規コーティング(Exciting New Coating For Amorphous Glass Pulse Cores)”、R. R. Wood、IEEE1999年第12回国際パルスパワー会議 (12th International Pulsed Power Conference) 、第1巻、p. 393−396、及び“重イオン慣性核融合エネルギー加速器のための誘導コア合金(Induction Core Alloys for Heavy-ion Inertial Fusion-energy Accelerators)”、A. W. Molvik、米国物理学会・物理レビュー・特集−加速器及びビーム(The American Physical Society,Physical Review Special Topics-Accelerators and Beams)、第5巻、080401、2002年。 磁場炉アニールされたアモルファス合金リボンコアのアニール後巻付けを用いて製造される環状コア配電変圧器の生産は、合金の脆化により非実用的なため、製造業者は、前述のような磁場炉アニールする角型巻きカットコアの設計を構築している。 熱アニールによって誘導される鉄基アモルファス合金の熱脆化は、最近Kumarらが論文名“鉄基アモルファスリボンの熱脆化(Thermal embrittlement of Fe-based amorphous ribbons)”、2008年出版、ジャーナル・オブ・ノンクリスタリン・ソリッズ(Journal of Non-Crystalline Solids)、第354巻、p. 828−888で述べているように、長年繰り返し発生する問題であった。 アモルファス合金リボンは、論文名“一部のFe−B及びFe−Si−B合金における熱脆化の欠如(Absence of Thermal Embrittlement in some Fe-B and Fe-Si-B Alloys)”、A. R. Yavari、マテリアルズ・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Materials Science and Engineering)、第98巻、p. 491−493、1988年に報告されているように、所定温度(T db °)で、それより低温では脆性、高温では延性という延性−脆性遷移を示す。 急冷された鉄基アモルファス合金リボンは、通常の室温(20℃〜25℃)より低いT db °を有するという事実は、通常の室温で観察されるそれらの延性を説明している。 所定温度における延性度は、どの曲げ半径でリボンが破断するか又は割れるかを観察することによって、又はリボンが剪断又は引裂に対してどのように応答するかを観察することによって推定することができる。 高い延性度を有するアニール済みリボンは、破断問題を軽減するのでアニール後に巻き付けることができるであろう。 熱アニール後にほとんどの鉄基アモルファス合金リボンが脆化するのは、合金組成に依存する温度−時間−変態(TTT)に伴うT db °の上昇に関係があると考えられている。 延性の状態を保つためにT db °をハンドリング温度より低く維持することが達成すべき目標である。 鉄基アモルファス合金の脆化はアニール中のTTT現象なので、アニールされたリボンの延性度は、従って、アニール処理後に得られたコアの磁気特性が満足のいくものであるか又は予想された結果の範囲内であってから評価されねばならない。 そうでなければ、アニール処理が不完全で、延性度を誤る恐れがある。 高いアニール温度での短いアニール時間が、より大きい延性を有するアモルファス合金リボンをもたらすと考えられている。 Silgailisらは、高温の溶融スズ中で短時間アニールされた彼らの鉄基アモルファス合金リボンコアを用いて、脆性は低減できることを示した。 しかしながら、アニール時間を短くする試みには、コア内の熱伝達能力に制限があるため、限界がある。 高い熱伝達能力は、前進する単一(一重)のリボンをインラインでその走行路の部分と共に熱処理することによって可能となる。 熱脆化のないアモルファス合金リボンのインラインアニールが探求されている。 アモルファス合金、そのアニール動力学及びその関連脆化についての理解がTaubによって提案されている。 論文名“磁気特性を改良するためのアモルファス合金の新規応力除去法(A New Method for Stress Relieving Amorphous Alloys to Improve Magnetic Properties)”、IEEEトランザクションズ・オン・マグネティクス(Transactions on Magnetics)、第Mag−20巻、第4号、1984年7月、p. 564−569及び米国特許第4,482,402号にて発表。 その文書に、アモルファス合金の性質に関する概要、それらの製造法、配電変圧器に応用するためのこれらの合金の一部クラスの良好な磁気特性が提供されているが、最も重要なのは、その磁気特性から利益を得るために材料を応力除去することの必要性を開示していることである。 Taubによれば、アモルファス合金における機械的応力除去は、流れ及び構造緩和によって支配されている。 流れとは、応力に応答した一様な変形のことで、構造緩和は、平衡配位に向かう原子構造の変化である。 Taubは、第4カラムの9〜15行に、「私は、アモルファス金属における軟磁気特性の発達を最適化するためには、流れ及び構造緩和という競合する材料プロセスが説明されねばならないことを見出した。具体的には、流れを最大化し、構造緩和を最小化せねばならない。その状態が最終形状のアモルファス金属で得られたら、その状態は保存されねばならない。」と述べている。 アモルファス合金における高温での低粘度は、流れ抵抗を低くするので、応力の除去が可能となるが、他方、構造緩和も可能にすると考えられる。 構造緩和は、原子構造が平衡配位を取ろうとするに従って前記温度で時間経過とともに粘度を増大するので、流れ抵抗も増大する。 粘度も時間に伴う粘度増大速度も、Tg°(ガラス転移温度)未満での温度依存性はアレニウスの法則に密接に従うと考えられる。 構造緩和は、応力除去アニールの避けられない結果と見なされ、これがリボンの脆化の原因と考えられている。 従って、先行技術は、アニールされた延性リボンを得るためには、過度の構造緩和を許すことなくアモルファス合金の応力除去をするのが望ましいと示唆している。 これは、得られたT db °の上昇をリボンのハンドリング温度未満に維持することに対応する。 Taubは、最小化された構造緩和の利益を得ながら合金の応力除去をする唯一の方法は、なるべく迅速に高いアニール温度に短時間加熱し、合金をアニール温度から十分迅速に冷却して、何らかの重大な追加的及び有害的構造緩和を防止することだと教えている。 Taubは、第10カラムの8〜13行に「リボンは、その最終形状に到達するまで加熱されないことが必須である;そうでなければ、すべての巻き応力が印加される前に構造緩和が始まる・・」とも付け加えている。 このように、構造緩和はアモルファス合金アニールプロセスのマイナスの副作用と考えられているが、迅速アニール条件で最小化できる。 Taubは、前進する所定形状のリボンにインラインアニールを実施するための方法及び装置を開示している。 彼の装置では、熱源、例えば、熱ビーム;熱媒体との直接接触;又は抵抗自己発熱により、リボンを、それが最終形状に到達した後、高い温度上昇速度(300℃/分を超える)で加熱する。 次に、リボンは、アニールされたままの応力のない構造をリボンの中で凍結させるために、空気又は窒素のような不活性ガスなどの冷媒のジェット又は液体急冷剤のストリームを、リボンが加熱領域のエリアを出た直後、まだその最終形状にある間にリボンに供給することによって、迅速に冷却される(少なくとも100℃/分)。 装置は、鉄基アモルファス合金リボンFe 81.5 B 14.5 Si 4で試験され、次にこれを巻き付けてコアにした。 最大26cm/分(0.5cm/秒)までのリボン送り速度の場合、報告された結果によれば、1.4テスラ(14kG)のAC磁気誘導で0.28W/kg(0.13W/ポンド)より少ないコアロス及び1.45VA/kg(0.66VA/ポンド)より低い励磁電力及び0.80より大きいB 80 /B sat比(文書ではテスラの代わりにエルステッドを用い、B 1 /B 100に相当)を示している。 報告されたB 80 /B sat比は、ロール中に多少の応力が存在することを考慮すると良好である。 26cm/分(0.5cm/秒)を超えると、磁気特性は悪化する。 Taubは、500℃/分の加熱速度の達成も報告している。 この装置でアニールされた鉄基アモルファス合金標本の、得られた脆性又は延性の程度は定量化されていない。 先納らは、米国特許第4,288,260号で、引張応力下、1〜50cm/秒の範囲の所定速度で連続的に送られるアモルファス合金リボンを熱処理するための装置を特許請求している。 アモルファス合金リボンの表面を、静止加熱体に接触しながら滑らせるか、又は促進(urging)ローラー(これは別の加熱ローラーに置き換えることもできる)によって加熱ローラーの表面に押し付けて滑らせることにより、リボンの脆性を何ら発達させることなく、アモルファス合金リボンの磁気特性を増強し、うねりも除去する。 実施例1〜6で、先納らは、静止加熱体の上を3.5cm/秒(1/v〜0.28秒/cm)〜9.1cm/秒(1/v〜0.11秒/cm)の送り速度で通過させた所定原子組成のリボンの磁気的改良を示す結果を開示している。 実施例7では、1cm/秒(1/v〜1秒/cm)という遅い送り速度で、別のローラーによって加熱ローラーの表面に押し付けられて前進したリボンに関する磁気的改良も開示されている。 この遅い送り速度は、二つのローラー間の圧接領域が非常に小さいことを考えれば、理解できる。 実施例はコバルト基合金に関してだけ示されており、鉄基アモルファス合金組成の使用に対する言及はなされていない。 アニールされた鉄基アモルファス合金リボンのコアロス、励磁電力、B 80 、B 80 /B sat比、及び脆性度への影響は、実験結果を通して定量化されていない。 炉アニール法との比較もなされていない。 図6に基づくと、静止加熱体上を通過したリボンの熱処理は、10cm/秒(1/v〜0.1秒/cm)を超えてリボン速度が増加すると、それに伴い保磁力が劣化することを示している。 また、加熱速度に関する詳細も開示されておらず、リボンは単に巻取りマンドレルに回収されているだけで、冷却段階に関する言及もない。 Gibbsは、英国特許出願第2,148,751号で、マンドレルに巻き取られる(ある長さの)アモルファスストリップを、マンドレルに接近してくるストリップの部分に直流を流すことによって同時に加熱する方法を開示している。 この場合、電流の供給に、間隔をあけた2個の調節可能な滑り接触電極(sliding contact electrode)(又は1個の電極とマンドレル)が使用される。 ストリップは流れる電流からのジュール損によって加熱され、巻取り点に到達する前又は後のいずれかに冷却される。 しかしながら、熱処理中のストリップの形態、及び所望によりストリップをマンドレル上で放冷するという以外の冷却ゾーンに関する詳細情報は開示されていない。 Gibbsは、唯一、それぞれ9及び14cm/秒で前進し、彼の方法でアニールされた二つの非鉄基合金サンプルで測定された保磁力が炉アニールと比べて低下したことを開示している。 アニールされたリボンの加熱及び冷却速度、コアロス、励磁電力、B 80 、B 80 /B sat比、及び脆性への言及はない。 Liらは、米国特許第5,069,428号で、ゆっくり前進するアモルファスリボンを、一対の電極間を通過するリボンにAC又はパルス高電流を印加することによって自己加熱させるアニール法を開示している。 導電抵抗のあるリボンを流れる循環電流はジュール加熱を生じる。 電流は、リボンが所定の形態を維持している間に流す。 曲線状リボンの場合、リボンは、好ましくはセラミック製の絶縁ローラー上を通過する。 その際、一対のバネ仕掛けの電極ローラーがリボンをそれぞれローラ上のリボンの入口点と出口点で押し付けている。 実施例1で、この方法を用いて0.3cm/秒の送り速度でアニールされた鉄基アモルファス合金リボンFe 78 B 13 Si 9 (1.56テスラのB satを有することが知られている合金タイプ2605S2)は、鋳放しの標本と比べて、160A/m(2Oe)の印加磁場下で0.85から1.27テスラ(8.5から12.7kG)の磁気誘導の改良を示している。 試験標本のアニール脆化は、炉アニールサンプルが7×10〜5×10であるのと比べて、曲げ試験で0.9〜1の破壊歪みを有している。 文書では、磁気特性測定がコアに対してなされたのか単一リボンに対してなされたのか明記されていない。 しかしながら、得られたコアロスは明確に開示されておらず、励磁電力に対する言及もない。 この方法でアニールされた鉄基サンプルは、図4に報告されているように(1Oe=80A/m)、わずか約1.0テスラというB 80を有し、このため0.64という低いB 80 /B sat比となる。 また、加熱速度についても、リボンが単に巻取りマンドレル上に回収されているだけで処理後どのように冷却が実施されるのかについても、何の情報も開示されていない。 著者は、この方法でリボンを10cm/秒までの送り速度でアニールできると主張している。 仏国特許出願第2,673,954号、及び論文名“動的電流アニールによる金属ガラスの軟磁気特性の最適化について(On the Optimization of Soft-Magnetic Properties of Metallic Glasses by Dynamic Current Annealing)”、IEEEトランザクションズ・オン・マグネティクス(Transaction on Magnetics)、第28巻、第4号、1992年、p. 1911−1916に、Perronらは、環状のアモルファス合金リボンをアニールするための、Liらに類似したジュール加熱装置を開示している。 リボンは、好ましくは石英又はアルミナ製の絶縁固定ドラム又は回転ローラー上を通過し、一対の冷却された銅電極がそれぞれドラム又はローラー上のリボンの接触点又は離点でリボンに接触している。 Liらの方法に加えて、冷却電極は、応力除去されたリボンがドラム又はローラーから離れる前にそれを凍結するための冷却手段として使用されている。 実施例1で、この方法を用いて1cm/秒の送り速度でアニールされた鉄基アモルファス合金リボン(合金タイプ2605S2)は、該特許の図5に示されているように、炉磁場アニール標本と比べて磁化曲線の改良を示している。 印加磁場は、測定磁気誘導1.0テスラで14A/mに対して10A/mに減少している。 文書では、測定がコアに対してなされたのか単一リボンに対してなされたのか明記されていない。 Perronらは、この装置で70℃/秒という平均加熱速度及び冷却速度が達成されたと報告している。 彼らは、彼らの発明を用いると、1cm/秒に近い速度でリボンをアニールできたと主張している。 アニールされたリボンのコアロス、励磁電力、B 80 、B 80 /B sat比、及び脆性への言及はない。 Waeckerleらは、米国特許出願第2008/0196795号に、アモルファス材料のストリップを熱処理するためにオーブンを使用するリボンアニール装置を開示し、コアを形成するためにストリップの巻付けを実行しても破断のリスクのない十分削減された脆性を有する低透磁率のナノ結晶化磁気合金を製造している。 アニールプロセスは、リボンを、10cm/秒以上の送り速度及び長手方向引張応力下で、平らに置かれたトンネル炉を通って前進させることによって実行する。 そのような熱処理は、アモルファス合金のナノ結晶化を意図したものであり、アニールされたアモルファスリボンがアニール後もそのアモルファス状態を保たねばならない場合には、それは求められていない。 また、加熱速度に関する詳細も開示されておらず、リボンは単に巻取りマンドレルに回収されているだけで、冷却段階に関する言及もない。 インラインアニール装置が曲線状の鉄基アモルファス合金リボンをアニールでき、その延性も保存されれば、出力されたリボンは、Allanらが開示したような変圧器中心部のコイル周囲に効率的に巻き付けられて環状コアを形成することができる。 そのようなインラインアニール処理の使用は、炉アニール法を使用する場合にコアの製造に必要なすべての多数の不連続ステップも回避するであろう。 しかしながら、このインラインアニール処理は、費用効果的なリボン送り速度で運転されねばならず、リボンは、巻き付けられてコアを形成した後、容認できる磁気特性も獲得せねばならない。 上記先行技術文献のすべての曲線状インラインアニールアモルファスリボンの場合、磁気特性及び延性度を度外視したとしても、主に報告されているような1〜10cm/秒の範囲のアニール送り速度では、22cm幅及び25μm厚のリボン(従来の変圧器コアを製造するために一般に入手可能な最大幅サイズ)は1.4〜14kg/hrの質量速度で加工されることになる(7.2g/cm 3の材料密度のMetglas 2605SA1合金を使用)。 定格25〜167kVAの配電変圧器における平均コアサイズはおよそ135kgの重量である。 1.4〜14kg/hrの質量速度では、一つの変圧器コアのリボンをインラインアニールするのに10〜100時間もかかることになる。 このプロセスを採算の取れるものにしたい場合、この送り速度範囲はあまりにも遅すぎる。 多すぎるアニール設備、労働及びフロアスペースが必要となり、コストを増大する。 採算性のあるものにするためには、新規に開発されたインラインアニールプロセスのためのリボン送り速度は著しく増大されねばならない。 低コストで1時間以内に処理をするというのは、より合理的になるが、1m/秒を超える送り速度を必要とし、これは上で報告された送り速度より10〜100倍も速い。 この速度を超過するためには、上記方法で報告されたのと比較して、加熱及び冷却温度速度を非常に増大せねばならず、処理温度をさらに増大することによってアニール時間も短くせねばならない。 アモルファスリボンに対する非常に短時間でのアニール処理の実施は、いくつかの科学論文に広く報告されている。 リボンのセグメントに対して実施された多くの実験は、アニール時間をずっと短くできることを示している。 これらの実験で、リボン標本は一般的に両端で接触している2個の電極間に配置され、高電流パルスが例えば放電コンデンサを使用して標本に流れるようにしてある。 所望により、該実験は、より急速な冷却のために液体冷却剤中で実施することもできる。 適切な電流密度を使用すると、非常に高い加熱速度が得られ、その後に急速冷却を続けると、アニール時間を1秒の何分の1(ほんの一瞬)に削減でき、リボンは、従来の炉アニール後よりも脆くならない。 そのような実験と結果が、Kulikらにより、“Co基合金ガラスの磁気特性に及ぼすフラッシュアニーリングの影響(Influence of Flash Annealing on the Magnetic Properties of a Co-based Alloy Glass)”、インターナショナル・ジャーナル・オブ・ラピッド・ソリディフィケーション(International Journal of Rapid Solidification)、1989年、第4巻、p. 287−296、及びMatyjaらにより、“合金ガラスの急速加熱(Rapid heating of alloy glasses)”、フィロソフィカル・マガジン(Philosophical Magazine)B、1990年、第61巻、第4号、p. 701−713に報告されている。 これらの実験は、上記先行技術文献に報告されているより高い加熱及び冷却速度を使用している。 しかしながら、実験は固定されたリボンセグメントに対して実施された。 この方法を前進するリボンの連続インラインアニールに適用するのは非実用的である。 出願人が知る先行技術の方法のいずれも、1m/秒より速い送り速度で前進する曲線状の鉄基アモルファス合金リボンを効率的にインラインアニールする方法を教示しておらず、そのいずれも前記アニール済みリボンを用いて製造された環状コア、すなわち従来の炉磁場アニールを用いて製造されたコアに匹敵する容認可能なコアロスと励磁電力を示し、約1.3テスラより大きいB 80及び0.80より大きいB 80 /B sat比を有しながら、効率的なアニール後巻取りを可能にする延性も残している環状コアを開示していない。 " 非晶質金属とシリコン鋼による変圧器コアからの可聴雑音(Audible Noise From Amorphous Metal and Silicon Steel-Based Transformer Core) "、IEEE・トランザクションズ・オン・マグネティクス(Transactions on Magnetics)、第44巻、第11号、4104−4106 " 非晶質とナノ結晶質磁性材料の進歩(Advances in amorphous and nanocrystalline magnetic materials) "、ジャーナル・オブ・マグネティズム・アンド・マグネティック・マテリアルズ(Journal of Magnetism and Magnetic Materials)、第304巻、p. 187−191、2006年 Hsuら、" アモルファスコアを有する変圧器の磁気特性に及ぼすアニール温度の影響(Effect of the Annealing Temperature on Magnetic Property for Transformer with Amorphous Core) "、計装、測定、回路及びシステムに関する2009年第8回WSEAS国際会議の議事録(Proceeding of the 2009 8th WSEAS International Conference on Instrumentation,Measurement,Circuit and Systems)、p. 171−175 L. L. Reginato、" 重イオン核融合のための誘導加速器の開発(Induction Accelerator Development for Heavy Ion Fusion) "、1993年粒子加速器会議のIEEE議事録(IEEE Proceedings of the 1993 Particle Accelerator Conference)、第1巻、p. 656−660 R. R. Wood、" アモルファスガラスパルスコア用のエキサイティングな新規コーティング(Exciting New Coating For Amorphous Glass Pulse Cores) "、IEEE1999年第12回国際パルスパワー会議(12th International Pulsed Power Conference)、第1巻、p. 393−396 A. W. Molvik、" 重イオン慣性核融合エネルギー加速器のための誘導コア合金(Induction Core Alloys for Heavy-ion Inertial Fusion-energy Accelerators) "、米国物理学会・物理レビュー・特集−加速器及びビーム(The American Physical Society,Physical Review Special Topics-Accelerators and Beams)、第5巻、080401、2002年 Kumarら、" 鉄基アモルファスリボンの熱脆化(Thermal embrittlement of Fe-based amorphous ribbons) "、2008年出版、ジャーナル・オブ・ノンクリスタリン・ソリッズ(Journal of Non-Crystalline Solids)、第354巻、p. 828−888 A. R. Yavari、" 一部のFe−B及びFe−Si−B合金における熱脆化の欠如(Absence of Thermal Embrittlement in some Fe-B and Fe-Si-B Alloys) "、マテリアルズ・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Materials Science and Engineering)、第98巻、p. 491−493、1988年 Taub、" 磁気特性を改良するためのアモルファス合金の新規応力除去法(A New Method for Stress Relieving Amorphous Alloys to Improve Magnetic Properties) "、IEEEトランザクションズ・オン・マグネティクス(Transactions on Magnetics)、第Mag−20巻、第4号、1984年7月、p. 564−569 Perronら、" 動的電流アニールによる金属ガラスの軟磁気特性の最適化について(On the Optimization of Soft-Magnetic Properties of Metallic Glasses by Dynamic Current Annealing) "、IEEEトランザクションズ・オン・マグネティクス(Transaction on Magnetics)、第28巻、第4号 1992年、p. 1911−1916 Kulikら、" Co基合金ガラスの磁気特性に及ぼすフラッシュアニーリングの影響(Influence of Flash Annealing on the Magnetic Properties of a Co-based Alloy Glass) "、インターナショナル・ジャーナル・オブ・ラピッド・ソリディフィケーション(International Journal of Rapid Solidification)、1989年、第4巻、p. 287−296 Matyjaら、" 合金ガラスの急速加熱(Rapid heating of alloy glasses) "、フィロソフィカル・マガジン(Philosophical Magazine)B、1990年、第61巻、第4号、p. 701−713 そこで、本発明の目的は、先行技術の少なくとも一つの欠点を克服するための方法及び装置を提供することである。 本発明に従って、アモルファス合金リボンを処理するための方法を提供し、該方法は、 好ましくは、本発明の一つの好適な態様に従って、熱処理は、リボンのアモルファス状態を維持するように実施される。 好ましくは、本発明の別の好適な態様に従って、熱処理は、アモルファス合金リボンの部分結晶化を得るために実施される。 好ましくは、設定された送り速度は1m/秒より大きい。 好ましくは、本発明の一つの好適な態様に従って、熱処理は1秒未満の間実施される。 好ましくは、ステップe)は、アモルファス合金リボンを、アモルファス合金リボンの完全延性が得られる温度閾値T db °より高いハンドリング温度に冷却する。 好ましくは、ステップb)において、アモルファス合金リボンは、前記走行路に沿って配置されている第一のシリンダー表面を有する少なくとも一つの第一のシリンダーと接触し;ステップb)はさらに、アモルファス合金リボンと第一のシリンダー表面との間で第一の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第一のシリンダー表面に対してピンと張るステップを含み、第一の静的接触は第一のシリンダー表面の周りの第一の接触角にわたって伸び;ステップb)はさらに、前記第一のシリンダー表面を、熱処理を開始するための前記温度以上の温度に維持するステップを含み;ステップc)において、アモルファス合金リボンは、前記走行路に沿って配置されている第二のシリンダー表面を有する少なくとも一つの第二のシリンダーと接触し;ステップc)はさらに、アモルファス合金リボンと第二のシリンダー表面との間で第二の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第二のシリンダー表面に対してピンと張るステップを含み、第二の静的接触は第二のシリンダー表面の周りの第二の接触角にわたって伸び;そしてステップc)はさらに、前記第二のシリンダー表面を、熱処理を開始するための前記温度より低い温度に維持するステップを含む。 好ましくは、ステップd)において、アモルファス合金リボンは、前記走行路に沿って配置されている第三のシリンダー表面を有する少なくとも一つの第三のシリンダーと接触し;ステップd)はさらに、アモルファス合金リボンと第三のシリンダー表面との間で第三の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第三のシリンダー表面に対してピンと張るステップを含み、第三の静的接触は第三のシリンダー表面の周りの第三の接触角にわたって伸び;そしてステップd)はさらに、前記第三のシリンダー表面を、熱処理を開始するための前記温度に維持するステップを含む。 好ましくは、アモルファス合金リボンをシリンダー表面に対してピンと張るステップは、25〜200MPaの範囲の張力で実施される。 好ましくは、アモルファス合金リボンをピンと張るステップは、リボン内の磁気異方性の発達を促進するために行われる。 好ましくは、ステップd)において、特定形状は曲線状であり、方法はさらに、 好ましくは、ステップd)において、特定形状は平面状であり、方法はさらに、 好ましくは、ステップd)において、機械的拘束は、アモルファス合金リボンの特定形状の曲率半径をその長さに沿って変動させるために変化し、方法はさらに、 好ましくは、方法はさらに、ステップf)の前に、 好ましくは、誘電材料は有機誘電材料である。 好ましくは、方法はさらに、ステップf)の前に、 好ましくは、張力は、張力装置によってアモルファス合金リボンの走行路に沿って増大又は低減され、前記張力装置は、 好ましくは、張力装置は、熱処理が開始される前にリボンの引張応力を増大するために前記走行路に沿って配置されている。 好ましくは、張力装置は、前記熱処理中のリボンの引張応力を制御するために前記走行路に沿って配置されている。 好ましくは、ステップe)において、アモルファス合金リボンは、複数の間隔をあけた冷却シリンダーと接触し、それぞれは前記走行路に沿って配置された冷却シリンダー表面を有する;ステップe)はさらに、動くアモルファス合金リボンと冷却シリンダー表面との間で冷却静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを冷却シリンダー表面に対してピンと張るステップを含み、冷却静的接触は冷却シリンダー表面の周りのそれぞれの接触角にわたって伸び;そしてステップe)はさらに、前記冷却シリンダー表面を、熱処理を開始するための前記温度より低い温度に維持するステップを含む。 本発明に従って、リボンとして鋳造され、10 3 ℃/秒より大きい、好ましくは10 4 ℃/秒より大きい温度速度での加熱及び冷却を用い、結晶化開始に達することのない温度でインラインアニールすることによって熱処理された鉄基アモルファス合金も提供する。 好ましくは、前記リボンが積み重ね又は巻き付けられてコアを形成する場合、そのB 80 /B 80はアニール後0.80より大きい。 好ましくは、この処理下で、リボンは通常の室温で延性であり、通常の室温より高い温度より上で完全延性である。 本発明に従って、公称化学組成Fe a B b Si c C d (式中、80<a<84、8<b<18、0<c≦5、及び0<d≦3、数字は原子百分率)と偶発的不純物を含み、10 3 ℃/秒より大きい温度速度での加熱及び冷却を用い、結晶化開始に達することなく425℃より高い温度でインラインアニールすることによって熱処理された鉄基アモルファス合金も提供する。 好ましくは、この処理下で、リボンは通常の室温で延性であり、80℃より高い温度で完全延性である。 本発明に従って、物品と熱を交換するための熱交換システムも提供し、該システムは、 好ましくは、熱交換器リングエレメントは、電源とスライド回転式に接触可能な抵抗性エレメントである。 好ましくは、熱交換システムはさらに、熱交換器リングエレメントと一体化して形成され、前記熱交換器リングエレメントを側方から包囲するスロット付き構造体を含み、スロット付き構造体は熱交換器リングエレメントに対して横方向に伸びるスロットを有する。 好ましくは、熱交換器リングエレメントはステンレススチール製であり、熱拡散器リングエレメントは銅製で、電着によって熱交換器リングエレメント上に搭載される。 好ましくは、設定送り速度は1m/秒より大きい。 好ましくは、第二の冷却システムは、アモルファス合金リボンを、アモルファス合金リボンの完全延性が得られるのに十分な温度閾値T db °より高いハンドリング温度に冷却する。 好ましくは、加熱システムは、アモルファス合金リボンと接触する少なくとも一つの第一のシリンダーを含み、前記少なくとも一つの第一のシリンダーは、前記走行路に沿って配置されている第一のシリンダー表面を有し、システムはさらに、アモルファス合金リボンと第一のシリンダー表面との間で第一の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第一のシリンダー表面に対してピンと張るための第一の張力装置を含み、第一の静的接触は第一のシリンダー表面の周りの第一の接触角にわたって伸び、前記第一のシリンダー表面の温度は、熱処理を開始するための前記温度以上の温度に維持され、第一の冷却システムは、アモルファス合金リボンと接触する少なくとも一つの第二のシリンダーを含み、前記少なくとも一つの第二のシリンダーは、前記走行路に沿って配置されている第二のシリンダー表面を有し、システムはさらに、アモルファス合金リボンと第二のシリンダー表面との間で第二の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第二のシリンダー表面に対してピンと張るための第二の張力装置を含み、第二の静的接触は第二のシリンダー表面の周りの第二の接触角にわたって伸び、前記第二のシリンダー表面の温度は、熱処理を開始するための前記温度より低い温度に維持される。 好ましくは、機械的拘束印加装置は、アモルファス合金リボンと接触して含み、前記少なくとも一つの第三のシリンダーは、前記走行路に沿って配置されている第三のシリンダー表面を有し、システムはさらに、アモルファス合金リボンと第三のシリンダー表面との間で第三の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第三のシリンダー表面に対してピンと張るための第三の張力装置を含み、第三の静的接触は第三のシリンダー表面の周りの第三の接触角にわたって伸び、前記第三のシリンダー表面の温度は、熱処理を開始するための前記温度に維持される。 好ましくは、張力装置は、アモルファス合金リボンをシリンダー表面に対して25〜200MPaの範囲の張力で張力をかける。 好ましくは、張力装置は、アモルファス合金リボンを、リボン内の磁気異方性の発達を促進するために張力をかける。 好ましくは、本発明の一態様に従って、システムはさらに、特定量のアモルファス合金リボンが巻き取られるマンドレルを含み、前記マンドレルは内半径と外半径を有し、前記特定形状は、前記内半径及び前記外半径の間から選ばれる曲率半径を有する。 好ましくは、本発明の別の態様に従って、システムはさらに、アモルファス合金リボンのセグメントを切断及び積み重ねるための切断機及び積み重ね装置を含む。 好ましくは、システムはさらに、アモルファス合金リボンの少なくとも片面を誘電材料で被覆するための被覆システムをに含む。 好ましくは、被覆システムは電着システムである。 好ましくは、システムはさらに、アモルファス合金リボンの少なくとも片面をバインダで被覆するためのバインダ適用(塗布)システムを含む。 好ましくは、第二の冷却システムは、アモルファス合金リボンと接触する複数の間隔をあけた冷却シリンダーを含み、前記間隔をあけた冷却シリンダーはそれぞれ前記走行路に沿って配置された冷却シリンダー表面を有し、システムはさらに、動くアモルファス合金リボンと冷却シリンダー表面との間で冷却静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを冷却シリンダー表面に対してピンと張るための張力システムを含み、冷却静的接触は冷却シリンダー表面の周りのそれぞれの接触角にわたって伸び、前記冷却シリンダー表面の温度は、熱処理を開始するための前記温度より低い温度に維持される。 次に、添付の図面を参照しながら本発明の好適な態様の非制限的説明を提供する。 次に本発明の種々の好適な目的を示す。 本発明の別の目的は、熱処理後に静止状態で特定形状を取らせるためにアモルファス合金リボンを熱処理するためのインラインアニール法及び装置を提供することである。 好ましくは、本発明の別の目的は、アモルファス合金リボンをインラインアニールするための低コストのプロセスを提供することである。 好ましくは、本発明の別の目的は、アモルファス合金リボンをインラインアニールするための、高いリボン送り速度で動作するプロセスを提供することである。 好ましくは、本発明の別の目的は、配電変圧器、HIF、パルスパワー用コア、及びその他の品目用のコアを製造するための、容認できる磁気特性を示すインラインアニールされた鉄基アモルファス合金リボンを提供することである。 本発明は、配電変圧器、HIF、パルスパワー用のコア、及びその他の品目を製造するために容認できる磁気特性をリボンに持たせるために、強磁性アモルファス合金リボンを処理後に持つ形状と同じ形状で加熱、処理及び冷却する必要はないという考えに基づいている。 アモルファス合金リボンは、処理に沿って前進させている間、リボンを一連の異なる所定形状に従わせながらインラインアニールできると考えられている。 これは、処理温度で合金内に発生する流れの連鎖(flow sequence)を制御することによって行われる。 つまり、その進行が、処理後リボンを最終形状に近い形で曲げる時に、ほとんどの残留応力及び印加曲げ応力が緩和されている構造状態に確実に向かうように制御する。 本発明の装置を用いると、アモルファス合金リボンは、処理後所望の最終形状を取るようにインラインアニールされる。 本発明において、処理温度は、十分高く、そして十分長く持続するものでなければならない。 そうすれば、得られた粘度低下により、処理後に得られる最終形状に影響を及ぼすために、一連の課せられた形状に沿って十分な流れを起こすことが可能となる。 本発明を用いると、上記先行技術の方法で得られたものよりずっと高い熱伝達速度を提供することが可能である。 好ましくは、高い熱伝達速度は、前進するリボンの両面の一方と熱伝導性環状回転体の重要な外周部分沿いとの間の長時間の直接静的接触を用いることによって提供される(本文書において、静的接触とは、二つの表面間の滑らない直接機械的接触のことを言う)。 加熱及び冷却により高い熱伝達速度を使用すると、リボンの温度上昇又は降下速度が改良される。 本発明を用いると、10 3 ℃/秒を超える、好ましくは、一定の場合において、さらには10 4 ℃/秒を超える温度上昇又は降下速度で20〜30μm厚の金属リボンを加熱又は冷却することが可能である。 本発明を用いると、冷却は二つの逐次段階に細分割される。 第一段階の冷却は、高い温度降下速度で運転され、流れ及び構造緩和を十分緩徐化し、従って熱処理を停止させるために、リボン温度を急速に処理温度より十分低くするのに役立つ。 第一段階の後は、十分な温度降下速度での第二段階の冷却が続く。 これは、リボン温度を、熱処理終了時のリボン構造状態が保存される点まで下げるのに役立つ。 好ましくは、第一段階の冷却後、流れ及び構造緩和は、第二段階の冷却で発生するリボンハンドリングのために重要な構造変化がそれ以上合金に発生しない点まで緩徐化される。 本発明を用いると、好適な態様に従って、延性リボンを得るためにインラインアニール処理における構造緩和を制限することが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、従来の炉アニール温度より高い処理温度で、結晶化開始に達することなく鉄基アモルファス合金リボンをインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、配電変圧器、HIF、パルスパワー用コア、及びその他の品目用のコアの製造に使用可能なアモルファス合金リボンの製造に応力アニールを使用することが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、構造緩和を制限するため、従って延性リボンを得るために、前進するリボンを1秒未満、好ましくは10分の1秒未満で連続的にインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、1m/秒より大きい送り速度、さらには約5m/秒より大きい送り速度、さらには10 1 m/秒の速度範囲でアモルファス強磁性合金リボンをインラインアニールすることも可能である。 従って、アニール後巻取り(rolling-up-after-annealing)コアを製造するためのアニール済みリボン材料の高い大量生産速度が可能となる。 本発明を用いると、好適な態様に従って、インラインアニール装置のサイズは小さく、最小のフロアスペースしか必要としない。 このことはコスト削減に著しく貢献する。 本発明を用いると、好適な態様に従って、従来の巻取り後アニール(annealing-after-rolling)コアと比べて少ないコアロスを示すアニール後巻取りコアを製造することが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、約1.3テスラより大きいB 80を示すアニール後巻取りコアを製造することが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、0.80より大きいB 80 /B satを示すアニール後巻取りコアを製造することが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、容易なアニール後巻取りを可能にするために、処理後切断可能な鉄基アモルファス合金リボンをインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、処理後少なくとも一つの側に折り畳み可能な鉄基アモルファス合金リボンをインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、処理後延性を維持する鉄基アモルファス合金をインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、処理後完全延性状態で取り扱うことができる鉄基アモルファス合金をインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、破断のリスクを最小限にするために全処理プロセスの間、完全延性状態である鉄基アモルファス合金をインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、処理後T db °が通常の室温より低いままである鉄基アモルファス合金リボンをインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、処理後、打抜き、切断又は引裂きができる鉄基アモルファス合金リボンをインラインアニールすることが可能である。 本発明において、好適な態様に従って、鉄基アモルファス合金を提供する。 リボン状に鋳造された場合、10 3 ℃/秒を超える、好ましくは10 4 ℃/秒を超える温度速度での加熱及び冷却を用いて結晶化開始に達することのない温度でインラインアニールすることによって熱処理されたそのようなアモルファス合金は、リボンを積み重ね又は巻き付けてコアを形成した場合、0.80より大きいB 80 /B satを有する。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温で延性である。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温よりわずかに高い温度より上で完全延性である。 本発明において、好適な態様に従って、公称化学組成Fe 80 B 11 Si 9 (数字は原子百分率)と偶発的不純物を有する鉄基アモルファス合金を提供する。 リボン状に鋳造された場合、10 3 ℃/秒を超える、好ましくは10 4 ℃/秒を超える温度速度での加熱及び冷却を用いて結晶化開始に達することなく450℃より高い温度でインラインアニールすることによって熱処理されたそのようなアモルファス合金は、リボンを積み重ね又は巻き付けてコアを形成した場合、0.80より大きいB 80 /B satを有する。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温で延性である。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温よりわずかに高い温度より上、好ましくは100℃より上で完全延性である。 さらに、コアのそのようなアモルファス合金は、約1.3テスラより大きいB 80を有する。 さらに、コアのそのようなアモルファス合金は、60Hz、1.3テスラの磁気誘導で、0.25W/kgより少ないコアロスを有する。 本発明において、好適な態様に従って、化学組成Fe a B b Si c C d (式中、80<a<84、8<b<18、0<c≦5、及び0<d≦3、数字は原子百分率)と偶発的不純物を有する鉄基アモルファス合金を提供する。 リボン状に鋳造された場合、10 3 ℃/秒を超える、好ましくは10 4 ℃/秒を超える温度速度での加熱及び冷却を用いて結晶化開始に達することなく425℃より高い温度でインラインアニールすることによって熱処理されたそのようなアモルファス合金は、リボンを積み重ね又は巻き付けてコアを形成した場合、0.80より大きいB 80 /B satを有する。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温で延性である。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温よりわずかに高い温度より上、好ましくは80℃より上で完全延性である。 さらに、コアのそのようなアモルファス合金は、約1.3テスラより大きい、さらには約1.4テスラより大きい、さらには約1.5テスラより大きいB 80を有する。 さらに、コアのそのようなアモルファス合金は、60Hz、1.5テスラの磁気誘導で、0.25W/kgより少ないコアロスを有する。 本発明において、好適な態様に従って、公称化学組成Fe 81.8 B 15.8 Si 2.1 C 0.3 (数字は原子百分率)と偶発的不純物を有する鉄基アモルファス合金を提供する。 リボン状に鋳造された場合、10 3 ℃/秒を超える、好ましくは10 4 ℃/秒を超える温度速度での加熱及び冷却を用いて結晶化開始に達することなく425℃より高い温度でインラインアニールすることによって熱処理されたそのようなアモルファス合金は、リボンを積み重ね又は巻き付けてコアを形成した場合、0.80より大きい、好ましくは0.90より大きいB 80 /B satを有する。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温で延性である。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温よりわずかに高い温度より上、好ましくは80℃より上で完全延性である。 さらに、コアのそのようなアモルファス合金は、約1.3テスラより大きい、さらには約1.4テスラより大きい、さらには約1.5テスラより大きいB 80を有する。 さらに、コアのそのようなアモルファス合金は、60Hz、1.5テスラの磁気誘導で、0.25W/kgより少ないコアロスを有する。 図1を参照すると、アモルファス合金リボンをインラインアニールするための装置が示されている。 該装置は、外半径r1を有するホットローラー1;より小さい外半径r2を有し、平行して及びローラー1からの選択距離dで回転するコールドローラー2を含む。 ホット及びコールドローラーの外表面は、熱伝導性及び熱慣性を有する材料で構成される。 ホット及びコールドローラーは、各ローラーに出入りする熱流束を制御するための熱源及び/又は放熱子(ヒートシンク)を含む。 熱源及び/又は放熱子とローラー間の熱の流れは、封止された中空ローラーの熱伝導性内表面と接触して循環し、シャフトの中央部に配置された入口孔及び出口孔を通ってローラーを流れる伝熱流体(熱媒液)又はガスを用いて実施できる。 ローラーに入る熱流束の場合、伝熱流体又はガスは、バーナーからの火炎によって、又は中空ローラーの熱伝導性内表面と接触する電熱エレメントによって置換することもできる。 電熱エレメントは、ローラーシャフト上に備えられた滑り接触を介して電源に接続できる。 あるいは、好ましくは、ローラーの中空部分内で導電性を有するローラー内表面にごく近接して配置された固定高周波(HF)磁気誘導加熱アンテナを使用することによる。 HF磁気誘導アンテナは、ローラーシャフトの開口部を通じてHF電源に接続されている。 薄いアモルファス合金リボンは、所定のリボン送り速度、温度T in °、及びリボン長手軸に沿って印加される第一の機械的引張応力S1下で、入口点3から供給される。 次にリボンは選択された走行路を通って案内され、それに沿って一連の物理的変形及び熱処理を受けた後、同じ送り速度、温度T out °、及び第二の印加機械的引張応力S2下で、出口点7から出る。 好ましくは、点3から入るリボンは、その鋳放しの状態と比べてほとんど構造変化を示していない。 処理の順序は、入口点3に位置するリボンのセグメントを選択し、走行路に沿って移動している間の一連の熱的及び構造的変化を追跡することによって最もよく説明できる。 点3から移動し、リボンは最初に点4でホットローラー1の外表面と静的接触をし、そこで半径r1に曲がる。 この点からリボンは高い温度上昇速度で加熱され始め、所定の回転角θ 1の間、点5までホットローラー1との接触を続ける。 ホットローラー1の外表面と共に回転している間、リボンの温度はホットローラー1の外表面温度以下の処理温度まで上昇する。 点5でホットリボンはホットローラー1との接触を断ち、平らな形状及び処理温度で、点5から走行距離dの位置にある点6に進み、ローラー1に平行なコールドローラー2の外表面と第二の静的接触をし、そこで再度同じ側に半径r2まで曲がる。 この点から、リボンは高い温度降下速度で冷却され始める。 リボンは、所定の回転角θ 2の間、点8までコールドローラー2との接触を続ける。 コールドローラー2上を回転している間、リボンの温度はコールドローラー2の外表面温度以上の温度T out °に降下する。 コールドローラー2を出た後、リボンはマンドレルに巻き取られて通常の室温まで徐々に冷却するか、又はマンドレルに巻き取られる前に更なる冷却(例えば:追加のコールドローラー)又は加工のために移動する。 図1の設備装置は、前進する薄いアモルファス合金リボンを連続的に応力除去して曲線状にするのに最も適している。 通常、アモルファス合金リボンは、最大50μm、さらに典型的には約20〜30μmの厚さを有している。 本発明では、リボンが最大緩和応力を示す静止位でのプロセス後の自然な曲げ半径r aは、処理後の半径r2より大きい。 そのためには、リボン温度を十分な時間処理温度に上げて、増大した流れ及びリボン内の引張応力の存在による残留及び印加曲げ応力を除去しなければならない。 処理温度で合金内に発生する流れの連鎖の制御は、熱処理路に沿って前進するリボンに接触して回転しているローラーでリボンに課せられた一連の曲げ応力によって制御される。 処理中、リボンは、半径r1に曲げられ、次いで平らになり、再度同じ側に半径r2に曲げられるというように形状を逐次変化させる。 応力除去の一部は、ローラー1上で処理温度に達したときに起こる。 点5からコールドローラー2上の点6への走行路は、平らな形状で処理温度で行われ、加わった曲げのない(unbending)印加応力は除去される。 点6に達すると、小半径r2でローラー1と同じ曲げ側に課せられた再印加曲げ応力の応力除去作用は、第一の冷却段階の初期部分の最中、リボンの温度がまだ処理温度に近い間に起こる。 このようにして、リボンは、r2より大きい半径r a近くに曲がった場合、実質的に緩和された応力条件を取り戻す。 点8でローラーを出ると、第一冷却段階は終わり、リボン温度T out °は、処理温度より十分低く降下し、第二冷却段階での冷却をそれ以上著しく有害な応力除去を引き起こすことなく続けながら更なるリボンのハンドリングを可能にする。 合金の粘度は、アレニウスの法則に密接に従うことによって温度の逆数に従って増大するので、処理温度から数十度の降下で十分である。 第二段階の冷却は、リボンがマンドレルに巻き取られた時、又は好ましくはマンドレルに巻き取られる前に何らかの追加的冷却手段、例えば追加のコールドローラー、又はガスの冷却ジェットを用いて行うことができる。 処理後に得られる静止位での自然な曲げ半径r aは、リボンの厚さ及び送り速度、ローラー1及び2の温度、半径r1及びr2、接触角θ 1及びθ 2 、及び距離dの関数となる。 また、引張応力は、処理中、リボンの変位の間ずっと維持され、合金組成に応じてリボンの長手軸に沿って又はそれと直角に配向された磁気異方性を誘導する。 図1の装置で、容認できるアニール処理を維持しながら達成できる最高リボン送り速度は、ローラーとリボン間の熱伝達速度によって、リボンの厚さによって、接触領域の角距離(θ×r)によって、及びローラー温度によって制限される。 ローラーとリボン間の熱伝達速度は、二つの合わせ面間の接触面積に依存する。 二つの合わせ面の何らかの粗度特性のために接触面積は激減するが、これは印加される接触圧の影響を受ける。 接触面積は何らかの圧が印加されると改良される。 また高温での粘度低下も圧力下の接触面積を改良する。 さらに、接触面積は、低減された表面粗度を有するアモルファス合金リボンの場合も改良される。 示された装置では、接触圧は、ローラーを締め付けるために前進するリボンに印加された機械的引張応力によってかけられる。 この締付け力は、引張応力に比例し、ローラー半径に反比例する接触圧力を生み出す。 ローラー2の半径r2はローラー1の半径r1より小さいので、リボンは冷却時ローラー2上でより高い接触面積を有する。 また、ローラーと接触している間のリボンにおける温度変化速度は、図7aに示されているように、リボンとローラー表面間の温度ギャップが小さくなっていくので、負の指数関数的減衰:−e −x (リボンの加熱)、又は正の指数関数的減衰:e −x (リボンの冷却)に密接に従って進行する。 好ましくは、ローラー2の表面温度は、密接に従った正の指数関数的減衰(e −x )の初期部分で起こる高い温度降下速度の利益を得るために、処理温度よりはるかに低い。 同じアニール曲率を維持するための最大リボン送り速度は、温度T out °が点8で処理温度より十分低く降下しておらず、第二冷却段階での冷却をそれ以上著しく有害な応力除去を引き起こすことなく続けながら、更なるリボンのハンドリングを可能にする場合に達成される。 この場合、熱処理は終了しておらず、第一冷却段階は、第一のコールドローラー2にごく近接した第二のコールドローラー2への接触によって続けられねばならない。 得られた最終曲線形は、熱処理に対するこの追加ローラーの影響を考慮することによって決まる。 好ましくは、本発明のアニールプロセスは、延性リボンを得るために、構造緩和を最小限にするために実施される。 アモルファス合金の瞬間粘度及び時間に伴う粘度増大速度の温度の逆数への依存は、T g °未満の温度の場合、アレニウスの法則に密接に従うと考えられている。 高温ではあるがまだT g °未満では、低減された粘度は応力に応答して流れの増大を起こす。 初期印加応力又は残留応力の場合、流れの効果は、時間と共に関連時定数と共に徐々に応力を除去する。 一定構造では(すなわち構造緩和がない)、この時定数は合金の逆数温度に指数関数的に比例する。 すなわち、温度が高いほど必要な応力除去時間は短くなる。 一定の印加応力があると一定の流れもある。 しかしながら、構造緩和も発生するので、合金の原子構造が平衡状態に向かって再配列するのに従って粘度は増大し続けるため、流れへの抵抗が増大する。 これは応力を除去するための時定数を伸ばすことになる(応力は、合金に構造変化があったために不可逆的となる)。 構造緩和の影響により、アモルファス合金標本に対してT g °未満の所定温度で突然印加された応力を応力除去するための必要時間は、標本が受けた熱履歴に応じて増大する。 本発明の好適な態様において、加熱時間、アニール時間、一連の処理形状及び冷却法は、構造変化がリボンのアニール時定数及び延性にいかに影響するかに基づいて実現されている。 熱処理は、残留応力及び一連の印加応力を適切に除去するのに必要な最小時間実施され、その時間は選択された処理温度及び処理中の構造状態の変化に関連する時定数に依存する。 この最小時間を超えることは不必要であるばかりか、過剰な構造緩和を起こさせて、リボンの延性に有害である。 印加応力を緩和するのに利用できる短い時定数は、処理温度に達した後、処理の初めに生じる。 従って、残留及び印加曲げ応力は、主に、図1で点5に達したときに除去される。 好ましくは、走行距離dは、更なる構造緩和を制限するためにローラー2をローラー1の非常に近くに置くことによって短く保つ。 好ましくは、ローラー2の半径r2の選択は、処理後、r1に近い曲率半径で曲げた場合に最大緩和応力を示す冷却合金リボンが得られるように決定される。 好ましくは、インラインアニールされたアモルファス合金リボンは、熱処理終了後もまだそのアモルファス状態にある。 しかしながら、別の態様において、熱処理温度及び時間は、合金の結晶化開始に到達させるために増大してもよい。 処理温度及び時間の選択は、合金が部分又は完全結晶化された状態で熱処理を終了するように設定することができる。 本発明のインラインアニール装置のそのような使用は、結晶化アニールを必要とするアモルファス合金に有益でありうる。 次に図2を参照すると、装置はさらに、好ましくは、供給リボンリール9と巻取りマンドレル10を含む。 リボンリールマンドレル及びその他のマンドレルはそれぞれモーターへのシャフトを介して連結されている。 動作時、一つのモーターはリボン速度を調整するために回転し、他のモーターはトルク制御モードにあって、前進するリボンの機械的引張応力を調節している。 ローラー1及び2は自由に回転し、駆動ベルトとして働くリボンによって駆動されている。 引張応力S1及びS2は同じである。 図1の装置で、所定のリボン送り速度におけるローラー1上での処理時間は接触角θ 1に比例し、ローラー2上での冷却時間は接触角θ 2に比例する。 次に図3a及び3bを参照すると、図1に示された装置の修正版が示されている。 これは、ホットローラー1又は2に平行してごく近接して回転する小型ガイドローラー10を加えることによってより広い接触角θ 1又はθ 2を提供している。 ガイドローラー10は、リボンの走行路内のリボンの入口点3の直後又は出口点7の直前のいずれかに配置できる。 どちらの装置も、リボン供給及び巻取りマンドレルは離れた場所に配置できる。 ガイドローラーの半径は好ましくはθ 1又はθ 2を最大化するために小さい。 図3a及び3bの修正装置を用いると、図1に示された装置の場合と同じ処理時間及び温度をホットローラー1上で維持しながら、リボン送り速度を増大できる。 図3bではθ 2も増大される。 応力除去作用は主にリボンが処理温度に近いときに起こるので、図7aに示されているように、リボンがT in °から加熱され始めて処理温度に到達するまでの間、何ら顕著な応力除去は起こらない。 点4で接触するときにリボン温度T in °が処理温度に近ければ、及び好ましくは、構造緩和が、その鋳放しの状態を特徴とするその初期構造条件と比べて顕著な進行をしていない状態であれば、全角距離(θ 1 ×r1)を応力緩和に使用できる。 このようにして、所定のリボン送り速度及びローラー温度におけるローラー1上での処理時間はさらに増大することができる。 別の好適な態様において、リボンの加熱は、リボンを一連の処理形状に付する前に実施される。 確かに構造緩和は始まるが、本発明における加熱時間は処理時間と同程度で、構造緩和の進行速度は温度の逆数に従って指数関数的に増大すること、及び加熱されている間温度は上昇モードにあることを考慮すると、リボンがホットローラー1と接触する直前に上昇温度が処理温度に近づけば、何ら顕著な構造緩和は起こらないであろう。 次に図4aを参照すると、図1の装置の修正版が示されている。 ここでは、半径r3を有し、ローラー1に平行してごく近接して回転する第二のホットローラー11が追加されている。 リボンの走行路は、その路にホットローラー11を加えるために変更されている。 ローラー1と点4で接触する前に、リボンは点12でローラー11の熱表面と静的接触をする。 そこでもホットローラーの半径r3に曲げられるほか、高い温度上昇速度で加熱され始める。 リボンは、所定の回転角θ 3の間、ホットローラー表面と接触を続ける。 回転しているホットローラー11の表面と一緒に移動している間、リボン温度はホットローラー11の温度以下の温度に上昇する。 点13でホットリボンはホットローラー11との接触を断ち、平らな形状でホットローラー1の点4に進み、図1に記載されているのと同じ経路に従う。 得られた温度プロフィールを図7bに示す。 好ましくは、ローラー11と接触して回転している間、リボン温度は常に上昇モードである。 さらに好ましくは、点13でローラー11との接触を断つとき、リボン温度は実質的に処理温度に達している。 次に、ホットローラー1の熱源又は放熱を調整して、入ってくるリボンを、全回転角θ 1にわたって接触している間処理温度に維持する。 また、ホットローラー11は、ローラー11とローラー1間で平らな形状となる点13と4間の走行路長を最小限にするために、ローラー1にごく近接して配置される。 ローラー11の表面温度、外半径r3及び接触角θ 3の選択は、点4に到達する前に構造緩和の進行を制限するために、温度上昇時間を削減するために最適化される。 温度上昇時間の削減は、リボン温度が密接に従う負の指数関数的減衰(−e −x )の初期部分の高い温度上昇速度の利益を得るために、ローラー11の温度を処理温度より高く設定し、リボンが、その温度が処理温度に近くなってからローラー11を出るようにすることによって可能である。 さらに、リボンの厚みにおける何らかの緩やかな漸進的変化は、ローラー11上での温度上昇速度、従って離脱点でのリボン温度に影響を及ぼすので、ローラー11の温度を補正することによって補うことができる。 そのような厚みの変化は、入ってくる予熱リボン上の処理温度を維持するために、ローラー1に供給される電力をモニターすることによって容易に検出できる。 温度上昇時間をさらに削減するための別の方法は、より小さい外半径を有する2個以上のホットローラー11を使用し、それらを隣り合わせて平行に配置して、一つのローラーから別のローラーへと蛇行する路をたどるリボンを予熱することである。 複数の小型ホットローラーの周囲を蛇行するリボンは、リボンの両面から交互に、そしてより迅速に所定の引張応力で加熱される(ローラー上での加圧接触はその外半径に対して反比例式に増大するので)。 リボンの両面から交互に加熱することは、片面だけからの加熱と比べて、厚みの中の勾配温度も削減するので、リボンの厚み全体のより均一な温度増加速度を提供する。 同等のリボン温度上昇速度で、小型ローラーはリボンの引張応力を削減するために使用できるので、処理中の破断のリスクを低減する。 図4bでは、図4aのホットローラー11は、半径r3a及びr3bの2個の小型ローラー11a及び11bに置き換えられている。 この修正装置を用いると、両ローラー11a及び11bの角距離の合計(θ 3a ×r3a+θ 3b ×r3b)は、図7bに示されているようにリボン温度がより迅速に上昇するので、同等のリボン引張応力の場合、図4aの角距離(θ 3 ×r3)より小さくできる。 従って、点4に達する前に構造緩和の進行をさらに制限できる。 本発明では、リボンの両面の一方(又は交互に各面)と熱伝導性ローラーの重要な外周部分沿いとの間の直接静的接触によるアモルファス合金リボンの加熱及び冷却操作は、合金の熱膨張又は収縮を考慮に入れねばならない。 温度変化を受けると、合金はその温度上昇中は膨張しようとし、その温度降下中は収縮しようとする。 この現象は、リボンが滑るのを防止しているローラー表面とリボンとの定着接点(anchoring contact point)で集中的な表面剪断応力を生み出す。 インラインアニールプロセスの加熱段階中、リボンが温度上昇に伴って膨張しようとするにつれて合金粘度は低下するので、現れる表面剪断応力は、増大する流れで緩和される。 従って、リボンの加熱中は何ら重大な表面剪断応力は蓄積しない。 しかしながら、これはコールドローラーを使用する冷却段階では別の話になる。 温度が降下するにつれてリボンは収縮しようとし、その粘度も急速に増大する。 これは、増大する集中的な表面剪断応力を導入し、それが原因で定着接点の破綻を招きかねず、従ってコールドローラー表面の摩損を起こす。 本発明では、この摩損問題は、図5に示すように、リボン温度の降下中、リボンを複数のコールドローラーの一連の小さい角距離(θ×r)上を通って蛇行させることにより著しく減弱できる。 複数のコールドローラーの飛越しは、摩損が深刻な問題になっているローラー上の点にそれらが至る前に、蓄積されつつある集中的剪断応力をそれぞれの飛越しでゼロにする。 コールドローラーが第二冷却段階で使用される場合、それらの数及びそれぞれの角距離(θ×r)は、図7cに示されているように、各ローラー上での最大許容温度降下ΔT°及びリボンがマンドレルに巻き取られる最終温度T F °に従って選択すればよい。 図1〜5のコールドローラー2に関しては、点8でローラーを出るときのリボン温度T out °が処理温度より十分低く降下し、それ以上著しく有害な応力除去を引き起こすことなく冷却を続けながら更なるリボンのハンドリングを可能にするまで、角距離(θ 2 ×r2)を最小化するのが好ましい。 そうしなければ、回避可能な摩損が、その点よりさらに低く降下すると発生することになろう。 また、蓄積する集中的表面剪断応力を繰り返しゼロにすることは、処理後リボンの磁気特性の劣化に寄与する残留応力の導入も減弱する。 次に図6aを参照すると、図1に示された装置の修正版が示されている。 これは、プログラム可能な半径r aで処理後最大応力除去を示すアモルファス合金リボンのインラインアニールに使用される。 処理温度で合金内に発生する流れの連鎖の制御は、熱処理路に沿って前進するリボンに接触して回転している追加のローラー上でリボンをさらに曲げることによって修正される。 装置はさらに、所定の半径r4を有し、点5と点6間のどこかでリボンに接触し、ローラー1及び2に平行なローラー14を含む。 ローラー1からローラー2へ進む間、リボンはローラー14上の接触角θ 4で逆側に曲がり、ローラー1での処理の曲げ側と反対の曲げ応力を除去する。 リボンの厚さ及び送り速度に応じて、ローラーの半径r1、r2及びr4、ローラー1、2及び14の温度、及びカバー角θ 1 、θ 2 、θ 4の選択は、処理後r2より大きい半径r aで曲げられたときに最大緩和応力を示す冷却合金リボンが得られるように決定される。 半径r aは、ローラー14をリボンに対して垂直に動かすか、又はローラー2をローラー14の周りに動かして接触角θ 4を増大又は減少させることによってプログラムすることができる。 このようにして、アモルファス合金リボンは、環状コアを形成するために巻き付けられた場合、増大していく曲げ半径に適合するように、材料の前進及び接触角θ 4の増大につれて次第に増大する半径r aになるようにインラインアニールすることができる。 次に図6bを参照すると、平面形状のアモルファス合金リボンをインラインアニールするために使用される本発明の装置が示されている。 この装置は図6aに示された装置と類似しているが、無限半径r aのリボンをインラインアニールするように構成されている。 ローラー1は主に、図4aのローラー11で説明したのと類似の様式でリボンを加熱する働きをする。 リボンは、点5及び処理温度でホットローラー1との接触を断つと、高速で平面形状で所定距離を前進した後、点15でローラー14と接触する。 この場合、所望の応力除去は、処理温度で平面形状でローラー14に向かって走行している間に起こる。 平面形状での処理時間は、所定のリボン送り速度で点5から点15までのリボン走行距離の関数となる。 所要の平面形状での処理時間は、点5から点15に走行する間の温度減衰時定数に対して非常に短いので、点15に到達したときに何ら重大な温度降下は起きていない。 リボンの平面処理ゾーンは温度を維持するために炉内に配置されていてもよいが、本発明ではこれは不要である。 ホットリボンがローラー14に接触すると、加えられた曲げ応力は除去される。 次に、加えられ除去された曲げ応力は、コールドローラー2上での初期冷却で逆側に曲げられると戻る。 好ましくは、ローラー14とローラー2はごく近接している。 リボンの厚さ及び送り速度に応じて、半径r2及びr4、ローラー2及び14の温度、カバー角θ 2及びθ 4 、及び点13と15間の走行距離の選択は、平面形状で最大緩和応力を示す冷却合金リボンが得られるように決定される。 図1〜6に示された本発明の装置は、鉄基Metglas2605SA1及び2605HB1のようなアモルファス合金リボンを、印加引張応力下、アニール後の脆性は限定的であるか又は獲得せずに標準大気中でインラインアニールするのに最もよく適している。 アモルファス合金リボン2605SA1及び2605HB1の磁気特性は、本発明の装置を用いて高速でインラインアニールされた後非常に改良された。 アニール後巻取り環状コアの磁気性能は、従来の磁場炉アニール法を用いて加工された環状コアと比べて遜色がない。 次に図9〜13を参照すると、ホットローラーの詳細な構造が示されている。 ホットローラーは、中心軸13の周りを一緒に回転する内部熱源リング16と外被熱拡散リング17を含む。 外被リング17は銅などの良好な熱伝導性材料でできており、所定の厚さe 2を有する。 銅の場合がそうであるが、選択された材料が高温で重度の酸化を受けやすい場合、最終的に機械的劣化を招くので、その露出表面をニッケルなどの実質的なステンレス特性を有する薄い金属膜17aでメッキして、その表面を重度の酸化から保護することができる。 内部リング16は、電気抵抗導体材料でできている。 内部リング16の電気抵抗導体の性質は、循環電流のジュール効果によって熱を発生する手段としての働きをする。 リング16は、熱拡散器を下から加熱するのに燃焼炎が使用されるような場合、省略できる。 リング16では、そのような発熱は、電気的自己発熱エレメントであるリング16によって生成される。 リング16は、リング回転軸13沿いのどこかに配置されている一対のスライド接触を通じてリング外の電源流に接続された2個の導電体を備えている。 好ましくは、内部リング16は、ステンレススチールなどの電気抵抗導体材料でできており、所定の厚さe 1を有する。 内部リング16から外被リング17への効率的な熱伝達を提供するために、好ましくは、外被リング17は溶接されるか又は電気メッキ法を用いてリング16上に積層され、リング17の外表面はその後機械加工される。 熱は、電気誘導された内部AC電流(リング内でループを形成している)によって発生させることもできる。 電流ループは、誘導加熱アンテナ18を用いて発生された高周波変動磁場によって誘導され、リング16によって定められた環状路に従ってループを形成している。 誘導加熱アンテナ18は本質的に絶縁銅管製で、円筒状に巻き付けられ、整列され、中央に配置され、リング16の空洞部分内に固定されている。 またエアギャップ18aによって隔てられてもいる。 冷却剤がアンテナ銅管内を流れられるようにしてあり、コイル誘導ジュール損を除去している。 好ましくは、リング16の厚さe 1は、アンテナ電源周波数での誘導AC電流の表皮厚(skin depth)より大きい。 銅外被の厚さe 2は、加熱された内部リング16から外被リング17に接触しているリボンへの均一な熱の分配と伝達を確実にするための熱拡散器として働くのに十分な厚さであるように選ばれる。 この2リングアセンブリ(two-ring assembly)19は、リボン厚と比較した場合にはるかに大きい厚さを有し、回転しているローラー表面に接触して移動しているリボンを加熱する際に、その熱慣性とともに、外周全体の温度をならすための熱バッファ貯蔵庫としての役割を果たす。 2リングアセンブリ19は少なくともリボン幅と同じ幅である。 回転している2リングアセンブリを支持するために、e 3の厚さを有する伸長薄肉管壁20が内部リング16の両側から突き出している。 管壁20は、好ましくは、ステンレススチールなどの不良熱伝導材料からできており、壁厚e 3は、管壁の両先端部への熱放散を制限するために十分薄く作るが、ローラー回転中の同心性を維持するために、ローラー表面上で張力下にあるリボンによって行使される牽引力を支持するに足るほど厚く作る。 管壁の両先端はそれぞれ、保持フランジ22を受容するためにより厚い壁21を有する。 管壁20の材料が好ましい場合のようにステンレススチール製である場合、誘導電流ループは内部リング16の両側を越えて伸びる。 この副作用は、管壁内に寄生熱(parasitic heat)を生じることになる。 そこで、管壁20に、軸方向に周期的に間隔をあけたスロット23を設ける。 ステンレススチールリング16の両側の縁から環状路ループを断ち切るのに十分な長さでスロットを付けて、誘導電流が2リングアセンブリ19の近傍内を流れるようにする。 さらに、これらのスロットは、2リングアセンブリの両側を把持するための指状支持手段にもなる。 また、2リングアセンブリ19の半径方向熱膨張に対応するために、回転軸に対してそれを同心に維持しつつ、半径方向に曲がることができる。 図12及び13に示されているように、各サイドフランジ22は中空シャフト24を含み、シャフト24は壁27の開口部に挿入されたベアリング25上に支持されている。 逆バージョンでは、開口部26がフランジ22の方にあり、シャフト24が壁27に嵌め込まれているというのでもよい。 2リングアセンブリ19と管壁20の軸方向熱膨張を可能にするために、フランジ22とベアリング25間のシャフト24上にバネ28を挿入し、シャフトとベアリングが互いの上をスライドできるようにする。 誘導加熱アンテナ18は、その中心空洞部に支持手段29によって支持されている。 支持手段29は、シャフト24の中空部分を自由に通り抜けるシャフト30に取り付けられており、支持構造壁27上に固定されたプレート31によってローラーの外側から保持されるようにしてある。 誘導加熱アンテナ18の二つの絶縁銅管端18a及び18bは、反対側の中空シャフト24を通って自由に伸びて、HF電気AC電源に達する。 従って、ホットローラーは両方の支持ベアリング上で回転できる一方で、誘導加熱アンテナ18はホットローラーによる物理的妨害なしに固定された状態である。 次に図14を参照すると、コールドローラーの詳細構造の断面図が示されている。 コールドローラーは、e 4の厚さを有し、サイドフランジ33に支持された熱伝導リング32を含む。 熱伝導リング32とフランジ33の間の接合部には封止具34が設けられている。 コールドローラーは、外側シリンダー表面36を有する内側部35も含む。 これは、熱伝導リング32の中空部分内の中心に置かれ、熱伝導リングからは小間隙によって隔てられている。 内側部35は、二つのサイドフランジ33によって取付け手段で保持されている。 サイドフランジ33は、それぞれ、ベアリング37の外側回転部を挿入及び保持するための中央陥凹部を備えている。 サイドフランジ33は、フランジの中心から突き出した管先端(tube tip)38も含み、冷却剤の通過を可能にしている。 少なくとも一つの開パスリンク(opened path link)39が内側部35の両端部内に設けられ、冷却剤が管先端から流入して間隙に到達できるようになっている。 従って、二つの管先端38の一つから流入する冷却剤は、間隙を通って熱伝導リング32の内表面と接触しながら案内され、熱交換をする。 冷却剤はその後、反対側のフランジ位置にある他方の管先端から出て行く。 コールドローラーアセンブリは、壁構造に固定された2本の中空シャフト40上のベアリング37の内側回転部によって支持されている。 管先端38は、スライドシール41によってシャフト内壁から離されたシャフト40の中空部分で回転する。 好ましくは冷却液は水である。 より高いリボン冷却速度は、グリコールのような氷点下温度の流体を用いて得ることができる。 図14のコールドローラーでは、リボンの温度降下は、その端部の一つの側でより迅速である。 というのは、冷却剤が熱伝導リング32の下を一つの側から他方の側に流れている間に熱くなるからである。 次に図15aと15bを参照すると、流入する冷却剤を熱伝導リング32の下に均一に分配するコールドローラーの修正版が示されている。 中心部36は、スペーサー43及び43aによって間隔をあけた薄いディスクセパレーター42の積層物によって置換されている。 ディスクセパレーター42の直径は、小間隙44を創出するために熱伝導リング32の内径よりもわずかに小さい。 スペーサー43及び43aは、ディスク42よりも小さい直径を有していて、間隙44からの冷却剤の分配及び回収のための間隙45を創り出している。 二つの系統の平行に配列された開口部46及び47は、積層配列物(stacked arrangement)の中心部を貫通し、各スペーサーは、対応する間隙45と二つの平行開口部の一つとの間に横断開口部48を積層物の一つおきに有している。 平行及び横断開口部46、47及び48は次に二つのマニホールドを形成する。 一つは取入れ用、もう一つは取出し用である。 二つのスペーサー43aはそれぞれ、積層配列物の両端に位置し、各管先端38を対応するマニホールドに接続している。 これにより、一つの管先端38から流入する冷却剤が、取出し用マニホールドを経て二つの間隙45のうちの一つに分配され、熱伝導リング32の内壁に到達することが可能となる。 次に、冷却剤は小間隙44及び対応する間隙45を経て取入れ用マニホールドに戻り、ローラーの他端の管先端からローラーを出る。 リールから巻き出されたリボンを加工する場合、供給リールの歪み(そり)などの何らかの要因のために、リボンは多少横方向の不安定性を伴って走行することがある。 リボンが、本発明のホットローラー上で求められているように、必ずローラーの正確な位置を通過しなければならない場合、リボンの軌跡を固定するための機構を使用する必要がある。 好ましくは、本発明はさらに、リボンをガイドローラー上の正確な位置に送るための装置を含む。 図16を参照すると、軸118を中心に回転し、二つの案内サイドフランジ116を備えたピボットローラー115が示されている。 サイドフランジ116はそれぞれ傾斜し、リボン幅よりほんのわずかに大きい距離によって隔てられている。 ローラー115は、その外周面に対して接線方向で、フランジ116間の中点に位置する自在(スイベル)軸117も有している。 リボンは、ローラー表面上を所定の角度αにわたってスイベル軸との接点(tangential point)(リボンが出て行く所)まで案内される。 走行軌跡は、ローラー上のリボンの入口点が出口点に対して180度の場合、最も良く補正される。 図16に示されているように観察者の視点からローラーを左から見ると、多少横方向の不安定性を伴って入ってくるリボン(例えば:リボン軸は位置in1、in2、in3と、あちこちに変動している)は、ローラーのフランジをその端で押すことによってローラーをスイベルさせる結果、入口点が入ってくるリボン軸と絶えず位置合わせされ、出て行くリボンは常に同じ軸上でローラーを出る(out1、out2及びout3はともに位置合わせされている)。 スイベルガイドローラーの半径は、リボン幅及び側方不安定性の大きさとの関連で選択される。 ローラーの直径が大きいほうが、同じ横方向不安定性を補正するためのスイベルは少なくなる。 ローラーがスイベルすると、リボンの出入り部分はそれらの軸上で多少捻れる。 従って、スイベルローラーは、図17に示されているように、リボンがローラーに接近又はローラーから出て行くときにリボンがわずかに捻れるための多少の自由空間を可能にするために、他のガイドローラーから多少の距離を取って配置しなければならない。 引張応力を加えながら高速の送り速度でリボンを加工する場合、図2に示されているような巻出し供給リールのトルク及び巻取りマンドレルのトルクを制御することによって前記引張応力を制御しようとするのは、次の理由から不都合である。 すなわち、大量の巻取り材料は高い慣性を有する;マンドレル上に緩く巻き取られたリボンは、引張応力をかけて巻き出すと突然滑るかもしれない;巻き取られたリボンに蓄積する半径方向の締付け力を制限するために、処理で必要とされるより低い引張応力でリボンを巻き取るのが望ましいであろう;などの理由である。 好ましくは、本発明は、リボンを牽引 (drag)するため及び前進するリボンの機械的引張応力をその走行路の通過点で変化させるための装置を含む。 牽引及び張力システムは、相互に接触している二つの表面間の静止摩擦を利用する。 滑ることなく表面上に置かれた物体に印加できる最大印加力F sの、表面上の物体に働く垂直抗力F nに対する比は静止摩擦係数μ sである。 印加力がF sより小さい限り、物体は動かない。 F s =μ s ×F n F out =F in e μsφ 静止摩擦的キャプスタン駆動は、リボンを高走行速度で牽引するために、その速度を制御するため又は機械的印加引張応力を増大もしくは削減するために本発明で使用される。 牽引装置は次のことを可能にする。 1. スムーズな引張応力の遷移。 4. リボン送り速度の正確な制御。 2. リボン幅に沿った印加引張応力の均一な分配 3. 印加引張応力の大きさの正確な制御 4. リボン送り速度の正確な制御 5. 所望の印加引張力の大きさは静止摩擦係数と無関係 図19a/19b及び20a/20bは、所定の引張応力を有する前進アモルファス合金リボン上に引張応力を加える又は引くのに使用される静止摩擦キャプスタン駆動の例を示す。 キャプスタンホイールはアルミニウム製であり、その外周面は静止摩擦係数を増大するためにゴムで被覆されている。 2個のローラーをキャプスタンホイールの外周面付近に並べて配置し、ホイール表面に出入りするリボンを案内する。 図21を参照すると、入口引張応力S INを有する進入リボンと出口引張応力S OUTを有する退出リボンの間で機械的引張応力S Cを印加するための静的キャプスタンリボン駆動装置が示されている。 装置は、2個のキャプスタン静止摩擦駆動ホイール110を含み、各々一対のガイドローラー112を備えている。 好ましくは、各キャプスタンホイールの外周表面は、シリコンゴムのような高摩擦係数材料で被覆されている。 進入リボンは、ガイドローラー112に案内されて、可能な最大カバー角にわたって各キャプスタンホイール110に巻き付く。 各キャプスタンホイールはモーターのシャフトに搭載されている。 S Cを制御するために、シャフトのトルクTrq1を調整してホイールの半径rでの接線力を作り出すようにする。 これが入口引張応力S INを持って進入してくるリボンに追加され、リボンがキャプスタンホイールを出た後、所望の引張応力S Cが得られる。 引張応力は、シャフトのトルクをTrq2に調整された第二のキャプスタンホイールを通過することによって、出口値S OUTに再度変化する。 例えば、2個のキャプスタンホイール間でリボンの引張応力を増大するためには、正の反時計回りのTrq1と時計回りのトルクTrq2が必要である。 高速で走行するリボンの場合、図22に示されているような複数のキャプスタンホイールが使用される。 リボンはホイールの周りの蛇行路を走行し、各ホイールは、引張応力を一連の小ステップで加えるために、合計トルクTrq1の分数Trq1(a〜d)によって駆動されている。 引張応力を減少させるために複数のキャプスタンホイールを使用する必要はない。 リボンは引張応力の突然の減少に容易に耐えられるからである。 図1〜6に戻って参照すると、インラインアニール装置に含まれるどのローラーも、案内リボン上の引張応力を増減するために、モーターに直接又はドライブベルトを介して連結されたシャフトを備えることができる。 アモルファス合金リボンの高温で低減された粘度は、それが接触しているローラー表面との摩擦係数を著しく増大することがわかっている。 従って、リボン内の引張応力は、合金のアニール特性及び磁気特性を改良するために、ローラー1、2、11又は14にトルクを印加することによって処理経路に沿って変化させることができる。 図23に、リール136から巻き出され、その後マンドレル135に巻き取られる強磁性合金リボンを連続インラインアニールするための装置を開示する。 装置は、2個のテンショナーローラー130;進入するリボンの側方の位置直しをするための装置131;移動する薄リボンのための第一の牽引及び張力システム132;前進するリボンをインラインアニールするための装置133;移動する薄リボンのための第二の牽引及び張力システム134;及び巻取りマンドレル135を含む。 テンショナーローラー130は、大型リボンロールからの巻出し又は巻取りをされるリボンの張力に対する容易な制御を提供するため、当該技術分野では一般的に使用されている。 好ましくは、装置内のリボンの送り速度は、牽引及び張力システム134のキャプスタンホイール回転速度を制御することによって制御される。 好ましくは、図23のインラインアニールプロセスは、処理プロセス入口でのリボンの途切れない前進と、処理を終えて出て行くリボンの巻取りマンドレルへの連続巻取りを提供するための自動リボン切換装置を含む。 リボンの連続的な前送りは、回転している新しいリボンリールを空になるリールの近くに持ってきて、立ち上げ、新リールのリボン端を空になるリールを出て行くリボンの後端に溶接することによって提供できる。 処理を終えて出て行くリボンの連続的な巻取りは、回転している新しいマンドレルを一杯になるマンドレルの近くに持ってきて、リボンをカットし、入って来るリボン端を新しいマンドレルに固定し、一杯になったマンドレルを移動させることによって提供できる。 図23の上記インラインアニールプロセスに従って、1インチ幅のアモルファス合金リボンを一定のリボン送り速度で加工するためのプロトタイプを構築した。 次に図24を参照すると、インラインアニール設備133の詳細構成が示されている。 該設備は、e 1及びe 2が100ミルで、e 3が25ミルの壁厚を用いて製造された2個の同一ホットローラー1及び11を含む。 熱源の2リングアセンブリ19は1.10インチ幅で、ローラーの外半径は3 1/4インチである。 スロット付きウォール20は、2リングアセンブリ19の両側に数インチの長さで、フランジ及びベアリング上に支持されている。 図11、12及び13は、本発明に従って製造されたホットローラーの縮尺斜視図及び断面図である。 両ホットローラーは、加熱時に1/32インチ未満の間隙によって隔てられるように配置されている。 各ホットローラーは、HF電源に接続された誘導アンテナを含む。 それぞれ80kHz及び150kHzで運転され、近接アンテナ間の磁気結合干渉(magnetic coupling interference)を回避している。 リボン加熱ローラーとして働いているホットローラー11は、予熱が所望されない場合、ただその対応HF電源を切るだけで無効にすることもできる。 その場合は単にガイドローラーとして使用される。 設備は2個のコールドローラー2及び51も含む。 コールドローラー2は5/8インチの半径を有し、第一段階の冷却に使用される。 コールドローラー51は3インチの半径を有し、温度を水温方向又は水温の上に持って行くための第二段階の冷却に使用される。 ローラー51を出たリボンはマンドレルに巻き取られ、そこで徐々に通常の室温に戻る。 両ローラーにはセ氏20度の冷却水が供給された。 リボンがローラー1及び2の周りを蛇行する際、ホットローラー1上の接触角θ 1は210度に近く、コールドローラー2上のθ 2は120度に近い。 第一の赤外線高温計49を設置して、ローラー1を出た直後のリボン温度を測定した。 第二の赤外線高温計50も設置して、予熱ローラー11の外表面上の温度を測定した。 高温計はコンピューターに接続され、コンピューターは各高温計で所望の温度を読み取るためにアンテナの各入力電源を調整するためのコントローラーとして使用された。 ローラー11での予熱が起動されたら、ローラー温度及び接触角θ 3を、ローラー11周囲でガイドローラー11を移動することにより、出口点13に達する数角度手前で上昇温度が処理温度に達するまで調整した。 次に、処理温度をホットローラー1上で維持した。 図24の処理設備は、処理後、3 1/4インチに近い静止位での自然な曲げ半径を有する曲線状の鉄基アモルファスリボンをインラインアニールするためのものである。 そのような曲げ半径は、米国特許第5,566,443号に開示されているような25kVAの配電変圧器の環状コアに見られる平均的な曲げ半径に近い。 リボンは、数MPaの引張応力でソースリールから巻き出され、様々な送り速度で4個のキャプスタンホイール駆動の周りを蛇行しながら前進してリボンの引張応力をS1に増大させた後、処理を通過し、同じ引張応力S2=S1で処理を出た後、1個のキャプスタンホイール駆動を通過してリボンの引張応力を数MPaに削減した後、マンドレルに巻き取られた。 すべてのソースリールマンドレル、巻取りマンドレル及びキャプスタンホイールは、駆動システム及びメインコンピューターによって制御されたモーターに接続されていた。 モーター及び駆動部を含む全設備(HF電源及びコンピューター以外)は、4フィート×8フィートの台に搭載された。 これは本発明の装置のコンパクトさを示すものである。 図7a及び7bに、設備内の走行路を移動する間にリボンが受けた二つのおよその温度プロフィールを示す。 図7aではローラー11上での予熱が実施されていない。 リボンは、ホットローラー1上だけで加熱と処理をされている。 所定のリボン引張応力の場合、加熱上昇時間はリボンの送り速度に無関係である。 従って、高い送り速度では、リボンがホットローラー1の表面に沿って回転する時間が短くなるので(増大する送り速度のため)、加熱温度上昇時間のほうが主流になり始め、従ってローラー1上で処理時間として働く時間が少ししか残らない。 リボンは、ローラー1上での処理効率が劇的に悪化する上限の送り速度を有することになろう。 図7bでは、追加された予熱ローラー11が、リボンがホットローラー1の表面に沿って回転する時間から加熱時間を取り除くので、今度はホットローラー1は専ら処理のためだけに役割を果たす。 この設備は、ローラー2上での初期冷却が熱処理を終えるのに十分であれば、図7aの状況と同一のローラー1上での処理時間の場合、リボン送り速度の限界を押し上げることになる。 本装置を用いて、日立金属社供給のアモルファス合金リボンMetglas 2605SA1及び2605HB1に対し、一連の処理を、25〜200MPaの範囲の異なる印加引張応力(S1=S2)、及び400℃より高い異なる処理温度、及び1〜5m/秒の範囲の送り速度で実施した。 1m/秒の場合、熱処理は構築装置で1秒未満続いた。 5m/秒の場合、熱処理は10分の1秒未満続いた。 処理中、リボンには容認可能な磁気特性の改良を提供する最小の引張応力をかけるのが望ましい。 それ以上の引張応力の増大はリボン破断のリスクが増大するだけである。 25MPaの引張応力でスタートした加熱温度上昇速度は、上記直径のホットローラー上で10 3 ℃/秒より大きく、約75〜125MPaでは10 4 ℃/秒より上であることがわかった。 従って、薄リボンのホットローラーへの加圧静的接触の高い熱伝達能力が示された。 第一の冷却段階に関して、温度降下速度は、コールドローラー2上で10 4 ℃/秒より大きく、10 5 ℃/秒に近いことがわかった。 処理後、静止位での自然曲げ半径を測定した。 次に、約1kgの処理材料を、2.9インチの外半径を有するステンレススチールハブ上に選択された引張応力で巻いた。 その量の巻付け材料で、最終的な環状コアは約3 1/4インチの平均半径を有していた。 これは図24の装置のローラー1の半径に近い。 次に、この巻き付けたリボンを環状シェルに入れ、2本の銅線をシェルに巻き付けて駆動コイル及び検知コイルを形成した。 シェルは、外側からコアに何らかの応力がかかるのを防止するためのコイルの支持フレームとしての役割を果たしていた。 次に駆動及び検知コイルを、コイル巻き強磁性コアの磁気特性を特徴付けするために機能するWalker Scientific社のAMH−25機器に接続した。 測定を実施する前に、環状コアの正味断面積及び平均路長、駆動及び検知コイルの各巻数及び材料密度に関連するパラメーターを機器のソフトウェアに入力した。 次いで、サンプルを周波数60Hzで正弦磁気誘導波形で磁化した。 記録されたヒステリシスループから以下のパラメーターが算出された。 すなわち材料のコアロス;励磁電力;及びピーク磁場(すべて特定の磁気誘導レベル)。 B 80及びB 80 /B sat比も記録された。 アモルファス合金への熱処理の著しい効果が425℃より高い処理温度で観察された。 Metglas 2605SA1材料の場合、良好な結果は処理温度425℃より上、さらに好ましくは450℃より上、さらに好ましくは約480℃で得られ、リボンの送り速度と共に増大した。 この温度を越えて結晶化開始に達するまで及び対応する送り速度では、合金の磁気特性に更なる顕著な改良は提供しなかった。 むしろ構造緩和を不必要に長引かせ、リボンの延性に有害であった。 効率的な誘導磁気異方性は、25〜200MPa、好ましくは75〜125MPaの引張応力で得られた。 Metglas 2605HB1材料の場合、効率的な誘導磁気異方性は、25〜200MPa、好ましくは50〜100MPaの引張応力で得られた。 低コアロスが処理温度400℃より上、さらに好ましくは425℃より上、さらに好ましくは約455℃で得られた。 この温度を越えて結晶化開始に達するまで及び対応する送り速度では、合金の磁気特性に更なる顕著な改良は提供しなかった。 むしろ構造緩和を不必要に長引かせ、リボンの延性に有害であった。 また、処理温度と共にリボン送り速度が増大するに従ってコアロスは低下傾向で、より高く短時間の処理温度の利益も示された。 両方の合金とも結晶化開始に達すると、結晶化の程度は、結晶化開始温度より高い調整された処理温度に依存したので、本発明の処理プロセスをアモルファス合金リボンの結晶化の開始及び結晶化の程度の制御に使用することも可能である。 実施された一連の処理から抽出された以下の実施例は、2605SA1及び2605HB1のようなアモルファス合金リボンの磁気特性を改良するための本発明の利益を示している。 実施例1: 上に開示された実施例は、アニール後巻取りコアを製造するのに使用できる処理後状態で鉄基アモルファスをインラインアニールするための本発明の方法及び装置の効率を示すものである。 該コアは、従来の磁場炉アニールコアと比べて少ないコアロス;低励磁電力;約1.3テスラより大きいB 80 ;及び0.80より大きいB 80 /B satを有する。 2605HB1合金はさらに良好なB 80 /B sat比を有し、それは0.90より大きい。 分かるように、最適処理温度は、等価のリボン送り速度で2605SA1と2605HB1の場合で異なる。 この差は合金組成に関連している。 従って、本発明における処理温度の最適設定は合金組成に依存する。 上に示した例は試験台で実施されたもので、そこではリボンの送り速度が、ホットローラー及びコールドローラーの幾何学的形状によってというより、幾つかのその機械的及び電気的要素によって制限された。 本発明のコールドローラー2で得られた高い冷却速度を用いると、必要に応じて第二のホットローラー11及び第二のコールドローラー51を追加することにより、上記試験台で最大20m/秒の送り速度でのリボンのインラインアニールが期待される。 また、より大きい環状コア用のリボンをインラインアニールするための装置は、スケールアップされたローラーを必要とする。 アニール処理は主に温度と時間の関数なので、スケールアップされた設計は、リボン送り速度の比例的な増大を可能にする。 例えば、図24に示されているのと類似の設備を用いて、2倍の最終半径を有する曲線状のリボンをインラインアニールした場合、リボンの送り速度は40m/秒もの高さに上げることができる。 従って、本発明の装置は、曲線状のアモルファス合金リボンを大量にインラインアニールするのに効率的に使用できる。 アモルファス合金を製造するための鋳造プロセスは30m/秒に近い速度で実施されるので、インラインアニールユニットを鋳造ラインの出力部に追加することも予見できるであろう。 本発明において、リボンは、構造緩和の進行を制限するインパルス熱処理を用い、高い送り速度で連続的にインラインアニールされる。 従って、従来の磁場炉アニールと比べてリボンの脆性に異なる影響を有する。 本発明の装置を用いて連続インラインアニールされたリボンの場合、リボンが処理を出た後、マンドレルに材料を巻き付けるためにハンドリング可能でなくてはならない。 また、一杯になったマンドレルから新しいマンドレルへの容易なリボンの巻取りの切換えが可能となるように、又はリボンを連続的に巻き付けてコアを連続して形成するために、切断可能であることも必要である。 鉄基アモルファス合金リボンのアニール処理後の延性の何らかの喪失は、リボン破断事象の可能性を増大する。 これは、アニールリボンのリール又はコアの生産における収率を低下させ、コスト増大の原因となる。 この収率は、リボンが相当量の印加引張応力下で動いているとさらに低下する。 アモルファス鉄基合金リボンは、炉でアニールされると通常脆くなるが、本発明の装置でアニールされたものは良好な延性特性を示す。 本発明の装置でアニールされたリボンの延性の程度を最も良く定性分析するために、三つの方法が使用される。 延性はまず、曲げ破断歪み試験(bending fracture strain test)を実施することによって評価される。 リボンを2枚の平行プレートの間で徐々に圧迫することによって180度にわたって曲げ、リボン層に目に見える突然の破断が発生したギャップ距離(リボンの曲げ直径)を測定する。 曲げ破断歪みは、ε fで表され、ε f =t/(D−t){tはリボン厚、Dは破断リボンの曲げ直径}である。 延性の追加的指標として、曲げ半径で発生した破断の種類も考慮しなければならない。 破断は、軸方向の曲げ長さに沿ったどこかに現れる局所的破断の発生のことも、又は突然のリボンの完全破断の発生のこともある。 同じ破断曲げ直径の場合、完全に破断するリボンの方が部分的に破断するのよりも脆いと見なされる。 曲げ側も曲げ破断歪み直径に影響する。 静止位で自然な曲げカーブを有する脆いリボンは、その自然曲率半径の反対側に曲げると、曲げ応力はより強いため、破断しやすくなる。 延性は剪断試験でも評価される。 延性は、切刃に沿った直線で剪断されるリボンの能力で 表すことができる。 良好な延性のリボンは、両方の剪断刃のエッジが合う切断線に沿って滑らかに切断される。 わずかに脆いリボンは、切断線のエッジに沿った1箇所又は数ヶ所で横方向に部分破断する。 しかしながら、非常に脆いリボンは突然及び完全に破断する。 延性は引裂試験でも評価される。 延性は、紙シートで同じことをしたときのように引き裂かれるリボンの能力で表すことができる。 良好な延性のリボンは、一つの端から他の端に滑らかに引き裂かれるが、より脆いリボンは、短い距離で突然の部分破断を受けやすい。 著しく脆いリボンの場合、突然の完全な破断が発生する。 本発明による“完全延性”合金リボンは、実施した全三つの試験で決して破断しない。 これは、常に完全に突然破断する非常に脆い合金リボンとは対照的である。 本発明のインラインアニール装置で曲線状にアニールされ、前述の実施例に開示されたすべての鉄基アモルファス合金リボンは、良好な延性を示す。 本発明によれば、曲線状にアニールされたリボンは、自然な曲げカーブと同じ側に切断可能及び折り曲げ可能であれば“延性”と見なされる。 本発明の装置でインラインアニールされた曲線状アニール鉄基アモルファス合金リボンは、通常の室温で延性である。 インラインアニール装置から出て来たアニールリボンは、非常に高い生産収率でリボンのリール又はコアを製造するためにマンドレル上に連続的に巻き付けることができ、リボンのリール又はコアから切り換えることができる。 本発明のインラインアニール装置は、配電変圧器、HIF、パルスパワー用コア、及びその他のエレメントのためのコアを製造するのに容認できる優れた磁気特性を示すアニール鉄基アモルファス合金リボンのリールを大量生産するのに使用することができる。 前述の実施例の処理リボンは“延性”であるが、鋳放しのリボンと比較して“完全延性”ではない。 この延性の喪失は、冷却後のインラインアニール中及び処理後のハンドリング中、少ないながらリボンが破断するリスクをなお示す。 ほとんどの鉄基アモルファス合金リボンは温度(T db °)で延性−脆性遷移を示し、それより低温では脆性、高温では延性であるという事実に基づくと、本発明のアニール装置でアニールされ、前述の実施例に開示された鉄基アモルファス合金リボンは、T db °に対応する延性レベルを有し、T db °は、図8に示されているように、通常室温のすぐ下にシフトアップされている。 従って、合金温度を増大するとリボンはより延性になるはずである。 本発明の装置でアニールされたリボンの延性は、温度に大きく依存することが分かった。 アニールされたリボンを異なる温度に加熱された油浴に浸漬し、再度同じ延性試験に付した。 観察された破断の数は、通常室温より数度上になると著しく減少し始めた。 50℃より上で、破断の数は半減した。 温度に対する感受性はとても高いので、約100℃の温度で2605SA1合金リボンは、今回実施された延性試験によれば完全延性となった。 2605HB1の場合、完全延性は約80℃で到達した。 従って、本発明の装置でインラインアニールされた鉄基アモルファス合金リボンのハンドリング、巻付け及び切断は、リボンを通常室温より数十度高い温度より上、好ましくは2605HB1の場合80℃より上、2605SA1の場合100℃より上で取り扱うだけで、最適の延性で実施できる。 変圧器内のほとんどの誘電材料は150℃より上の温度で不可逆的に劣化するので、リボンの巻付けによる変圧器のコイル周りのコアの形成は150℃までの温度で達成すれば、延性において最大の利益を得ることができる。 図24に示された装置で、第三の赤外線センサー52は、処理装置を出るリボン温度を測定するために加えられた。 コールドローラー51を通る冷却剤の流れは、リボンが処理装置を通常室温より高いT out °の温度、好ましくは2605HB1の場合80℃より上、2605SA1の場合100℃より上で出るように制御できるので、図8に示されているように、リボンはその後の後ハンドリング操作にとって最適な延性状態のままである。 完全延性は、合金組成に応じた温度で到達するので、ハンドリング温度はそれに応じて設定される。 後ハンドリング中のリボン温度を維持するために、あらゆる切削工具又は案内表面は同じ温度付近に維持される必要がある。 マンドレルに巻き取られた後、リボンは何らそれ以上の性質の劣化なしに通常室温に徐々に放冷された。 前進する処理路に沿ってずっと合金を完全延性に維持することによって、処理中のリボン破断のリスクも最小限に削減されるので、生産収率は最大化される。 本発明のインラインアニール装置を用いて製造された、平面状又は曲線状の、アニールされ、切断可能なアモルファス強磁性リボンは、配電変圧器、HIF、パルスパワー用コア、及びその他のエレメントなどの装置に使用するための強磁性コアの製造に適用される。 本発明の装置を用いると、アモルファス合金リボンのインラインアニールは、合金製造プラントでアモルファス合金鋳造システムの隣に本装置を設置することを規模の経済の点でより有益にするような高い送り速度で実施できる。 インラインアニールリボンは処理後も延性を維持するので、鋳造プラントでマンドレルに巻き付けた大リールで保管されているリボンは、鋳放しのリボンを輸送するのに使用されるのと同じ方法を用いて次に変圧器製造業者に輸送することができる。 次に、受領されたインラインアニールリールは、変圧器製造業者によって巻き出され、変圧器のコイル周囲に配置されたマンドレル上に再び巻き付けられる。 これにより、通常変圧器製造プラントで実施される従来の磁場炉アニール式の角型カットコアの製造に必要なすべての必要装置、それに付随するフロアスペース及び労働力が削除される。 リボンは切断可能なので、電子デバイス用の磁気遮蔽フォイルとして、又は磁気インピーダンスセンサーの製造に、又は商品監視システム用のマーカー製造にも使用できる。 リボンはフレキシブルであり、所望の形状に打ち抜くことができる。 その形態は、リボンが曲線状にアニールされているか平面状にアニールされているかに応じて、所定半径r aの環状であったり平面であったりする。 本発明の装置を用いてインラインアニールされた平面状アニール鉄基アモルファス強磁性合金リボンは、積層コア(stack core)の製造に使用できる。 平面状の切断可能なアニールリボンを含むリールを、巻き出し、所定の長さ又は外形を有するセグメントに切断又は打ち抜く。 次に、これらのセグメントを積み重ね及びグループ化して所定の形状を有するコアを形成する。 積層コアは変圧器の製造に使用できる。 しかしながら、アモルファス合金リボンは非常に薄く、従って剛さ(stiffness)がない。 より取扱い可能にするために、一群のセグメントを積み重ね、有機又は無機バインダで結合して、厚い鋼板に等しい硬さ(rigidity)を与える。 Metglas 2605SA1及び2605HB1のような鉄基アモルファス強磁性合金の性能は外部印加応力に敏感なので、バインダは、硬化されたときにリボンの表面に著しい応力を導入してはならない。 磁気性能の深刻な劣化を招くことになるからである。 さらに、バインダの熱膨張率をリボンのそれと合致させて、差のある熱膨張による応力の発生を回避すべきである。 これも磁気性能の深刻な劣化につながりかねないからである。 また、バインダは、曲線状インラインアニールリボンにも、コアを形成するために巻き付ける前に適用して、自己ばらつきのないコアを得ることができる。 本発明の装置を用いてインラインアニールされた曲線状アニールリボンは、環状コアの製造に使用できる。 コアを形成するためのリボンの巻付け時、最小限の引張応力を印加してリボンを適正に巻き付けるようにしなければならない。 高いリボン巻付け引張応力はコア中の材料の充填率を改良するが、完全巻付け後にコアに残留する応力を導入し、そのために磁気性能が深刻に劣化しかねない。 従って巻付け引張応力は、最終形成されたコアにおける残留応力を制限するために制御されねばならない。 また、巻き付けられたリボンの各層は、コア内におけるそれ自身の半径上の位置に応じて、最終的な曲げ半径を有することになる。 各巻付け層には曲げ応力が存在し、その強度は、最大の緩和応力発生時の半径r aに比べてリボンに課せられた曲率変化に依存する。 曲率変化を最小限にするために、環状コアの内半径から外半径は、r aに近いのが好ましい。 さらに好ましくは、本発明の曲線状インラインアニールリボンの半径r aは、環状に形成されたコアの内半径と外半径の間にあるのがよい。 さらに好ましくは、r aは環状形成コアの外半径に近いのがよい。 というのは、励起磁場はコアの外周部近くで弱くなるので、環状コアの内周部のより強い磁場が、コアの内部領域のわずかに変形したリボンを磁化するのに必要な増大した力場を補うという利益があるからである。 しかしながら、非常に厚い量の巻付けリボンを有する環状コアの磁気性能は、一つの分量のリボンごとに増大する特定半径(r a 1<r a 2<r a 3・・・)でそれぞれアニールされた逐次分量のリボンを巻き付けることによって改良できる。 印加AC磁場下で積層又は巻付け強磁性コアに生じるコアロスの一部は、層間接触を流れる誘導電流によって引き起こされる。 印加AC磁場の周波数の増大は層間電圧を増大し、これが層間電流を増大して、コアロスが増大する。 層間電圧はコアの幅と共にも増大する。 これらの電流の減弱は、コアの磁気性能を特に高周波数で非常に改良する。 これらの層間電流を削減するには、リボン表面の抵抗率を増大させることが必要である。 本発明のインラインアニールアモルファス合金リボンを用いると、アニール後の巻取りができるので、積み重ねてコアにする前に、リボンの表面を有機又は無機絶縁コーティングで被覆することができる。 しかしながらリボンの被覆には欠点もある。 コーティングは各層間でいくばくかのスペースを占有するので、コアの占積率(stacking factor)に影響する。 層間絶縁を増大するためには片面だけのコーティングが求められる。 約25μmの厚さを有するリボンに対しては、良好な占積率を維持したければ、コーティングは非常に薄くなければならない。 60Hzの周波数での運転の場合、層間電気抵抗を増大するには、リボンへの非常に薄い絶縁コーティング(<1μm)の適用で十分であり、それ故コアの磁気性能は、特に幅広コアの場合、著しく改良される。 HIF加速器に必要とされるようなパルスパワー用コアに適正な絶縁を提供するためには、高い誘電強度(絶縁耐力)を有するわずかに厚い絶縁層が必要となりうる。 しかしながら、そのような非常に薄い絶縁層は被覆プロセスの精密な制御を必要とする。 E−コートプロセス(エレクトロコートとしても知られる)、電気泳動塗装、EDP又は電着塗装は、被覆される導体材料が有機ポリマーと脱イオン水のエマルジョンを通過するときに電圧を印加することからなる。 電圧は、エマルジョンに浸漬された導体材料と補助電極との間に印加される。 エマルジョン中の荷電ポリマーは、反対電荷の標的電極(合金リボン)に電気泳動的に移動し、不溶性となってコーティングを形成する。 コーティングの厚さは、印加電極又は浸漬時間に依存する。 そのような被覆プロセスは、本発明のインラインアニールされたアモルファス合金リボンの少なくとも片面に極薄絶縁層を被覆するのに効率的に使用できる。 リボンのリールは絶縁ハブ上に載せてある。 次に有機ポリマーで被覆するために、リボンを巻き出し、電気泳動浴に所定の時間及び特定電圧で浸漬する。 次に、リボンを乾燥させ、絶縁巻取りマンドレルに再度巻き取る。 アモルファス強磁性合金の性能は外部印加応力に敏感なので、コーティングはリボン表面に著しい応力を導入してはならない。 磁気性能の深刻な劣化を招くことになるからである。 さらに、コーティングの熱膨張率をリボンのそれと合致させて、差のある熱膨張による応力の発生を回避すべきである。 これも磁気性能の深刻な劣化につながりかねないからである。 本発明の好適な態様を本明細書中に詳細に記載し、添付図面に例示してきたが、本発明はこれらの正確な態様に限定されず、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、多様な変更及び修正をその中でなしうることは理解されるはずである。 1 ホットローラー 2 コールドローラー 3 入口点 4 点 5 点 6 点 7 出口点 8 点 9 供給リボンリール 10 巻取りマンドレル、ガイドローラー 11 ホットローラー 11a 小型ローラー 11b 小型ローラー 12 点 13 点、中心軸 14 ローラー 15 点 16 内部熱源リング 17 外被熱拡散リング 17a 金属膜 18 誘導加熱アンテナ 18a エアギャップ 19 2リングアセンブリ 20 薄肉管壁 21 厚壁 22 サイドフランジ 23 スロット 24 中空シャフト 25 ベアリング 26 開口部 27 壁 28 バネ 29 支持手段 30 シャフト 31 プレート 32 熱伝導リング 33 サイドフランジ 34 封止具 35 内側部 36 外側シリンダー表面 37 ベアリング 38 管先端 本発明は一般的にアモルファス材料に関する。 さらに詳しくは、本発明は、アモルファス合金リボン(薄帯)を処理するためのシステム及び方法に関する。 さらに詳しくは、本発明は、マンドレルに巻き取られた処理済み延性アモルファス合金リボンから磁心を製造するためのシステム及び方法にも関する。 鉄基アモルファス合金は、配電変圧器用コア、パルスパワー用コア、及びその他の品目の製造などの用途において、それらの軟磁気特性が求められている。 本書における鉄基合金とは、主に各種の小割合の他の金属との鉄合金である。 それらは、100km/時に迫る速度で鋳造される溶融合金ストリームの連続急速凝固によって製造される。 約10 6 ℃/秒の鋳造冷却速度を用いると、合金の原子構造は非晶質状態(アモルファス)で凝固する。 適正な原子組成を使用すると、優れた軟磁気特性を有するアモルファス合金リボンが製造できる。 特に、それらは高い磁気誘導飽和レベル(本明細書ではB satと言う);高透磁率;低保磁力;低い励磁電力;及び非常に少ないコアロス(磁心損失)を提供する。 配電変圧器を設計する場合、候補合金板は、コアを形成するために積み重ね又は巻き付けられた後、80A/mまでのピーク印加AC磁場で得られたピーク磁気誘導レベルB(本明細書ではB 80と言う)及び随伴するコアロスを考慮することによって評価できる。 この磁場より高い値で得られる性質は、たとえそれが良好でも、過剰の励磁電力を必要とするので、合金をあまり魅力的でないものにする。 リボンがコアを形成するために積み重ね又は巻き付けられている場合のアモルファス合金の磁気特性も、それらのB 80 /B sat比を考慮することによって評価できる。 1に近いB 80 /B sat比が、容易な磁化の指標として求められている。 高いB 80を有する磁心を用いて製造された変圧器は、より小型で低コストになるであろう。 経験則からすると、約1.3テスラより大きいB 80を有するアモルファス合金コアは、配電変圧器の製造において従来の方向性3%ケイ素鋼との交換を考慮するに値する。 さらに、鉄基アモルファス合金は、ケイ素鋼の約3分の1というコアロスをもたらす。 また、アモルファス合金リボンを製造するための単一ステップ連続鋳造法は、方向性ケイ素鋼板の製造に関わる鋳造、焼鈍(アニール)、急冷、巻き、脱炭及び被覆ステップと比べた場合、それらはより大型の装置及びより広いフロアスペースも必要とするので、単純かつ安価であるという利点を有する。 鉄基アモルファス合金は、その主成分である鉄が比較的低価格のため、すべてのアモルファス合金の中で最も安価である。 急速凝固プロセスを用いた場合、アモルファス合金の製造は、しかしながら、様々な幅の極薄リボンに限定される。 従って、磁心を構築する場合、多数の層を積み重ねるのにより多くの操作が必要となる。 その上、アモルファス合金の磁気特性は、内部の機械的応力に対して極めて敏感である。 コアロス及び励磁電力は、合金中のランダムな応力の存在下で劣化する。 これらの応力の原因は残留性又は印加性のいずれかである。 残留応力はリボンの鋳造時に現れ、印加応力はリボンの折り曲げ又は積み重ねによって課せられる外力から生ずる。 従って、これらの応力は、リボンがコアへの最終形状を取る際にリボンから取り除かれねばならない。 又は少なくともある程度対応されねばならない。 アモルファス合金リボンからの応力除去は、一般的に、材料を高温の炉で所定時間アニールすることによって達成される。 また、鉄基アモルファス合金リボンの有用な磁気特性は、アニール処理中、合金にリボンの長手軸方向に一様な磁場又は引張応力をかけると得られる。 磁場又は応力アニールは、保磁力を下げ、一軸磁気異方性を誘導する。 磁場アニールの場合、得られる磁気異方性は、印加磁場に平行に向くが、応力アニールの場合、合金の組成に応じて平行又は直角のいずれかとなる。 磁場又は応力アニールは、B 80及びB 80 /B sat比を増大する。 磁路に沿って印加された磁場を用いたアモルファス合金コアの炉アニールは、配電変圧器用の増強された磁心を製造するのに広く使用されている。 リボンは、コア内で、その長手軸を誘導磁束の循環路に従って配向させて配置される。 アモルファス合金をアニールする場合、アニール温度及びアニール時間の増大は、最終的にその原子構造の結晶化開始(onset crystallization)及び求められているその磁気特性の喪失を招く。 アモルファス合金における結晶化開始は、温度−時間−変態(TTT)現象である。 例えば、配電変圧器のコア運転温度での結晶化開始までの時間は、変圧器の寿命よりはるかに長くなくてはならない。 アニール処理において、結晶化開始までの時間は、加熱温度上昇速度、アニール温度レベルと浸漬時間(soaking time)、及び冷却温度降下速度に影響される。 高い温度加熱速度及び冷却速度と短い浸漬時間を組み合わせると、より高いアニール温度の使用が可能になる。 日立金属社製のアモルファス合金リボンMetglas 2605SA1は、公称化学Fe 80 B 11 Si 9 (数字は原子百分率)を有し、50及び60Hzの電気的AC周波数で変圧器及びインダクタを含む多くの用途に広く使用されている。 この合金は1.56テスラのB satを有する。 外部印加磁場又は引張応力下で炉アニールされると、この合金は、印加磁場又は応力に平行な磁化容易軸を獲得する。 リボンを積み重ね又は巻き付けてコアを形成した後、350℃で2時間磁場アニールすると、合金は、1.49テスラのB 80 ;0.95のB 80 /B sat比;及び60Hz、1.3テスラの磁気誘導で0.27W/kgより少ないコアロスを有する。 これらの値は、合金製造業者により、論文名“非晶質金属とシリコン鋼による変圧器コアからの可聴雑音(Audible Noise From Amorphous Metal and Silicon Steel-Based Transformer Core) ”、IEEE・トランザクションズ・オン・マグネティクス(Transactions on Magnetics)、第44巻、第11号、 p. 4104−4106、及び、論文名“非晶質とナノ結晶質磁性材料の進歩(Advances in amorphous and nanocrystalline magnetic materials)”、ジャーナル・オブ・マグネティズム・アンド・マグネティック・マテリアルズ(Journal of Magnetism and Magnetic Materials)、第304巻、p. 187−191、2006年に報告されている。 米国特許第5,873,954号にも、そのような少ないコアロスの利益を得るために、2605SA1合金は、図2aに描かれているように、印加磁場下で2時間、330℃〜380℃の温度でアニールされねばならないことが教示されている。 最小のコアロスは350℃〜360℃のアニール温度で得られる。 あるいは、該特許は、アモルファス合金の磁気特性の改良が応力アニールによって得られたといういくつかの参考文献も指摘している。 しかしながら、前述の参考文献中の引張応力アニールのためのサンプル形態は必ず平面状のストリップであった。 従って、該特許の著者は、アモルファス合金コア変圧器の製造に応力アニールの使用は非実用的と考えている。 Metglas−SA1合金を390℃より上で炉アニールしようとすると、合金の結晶化開始を招き、それにより磁気特性の劣化を招くことが、Hsuらにより、論文名“アモルファスコアを有する変圧器の磁気特性に及ぼすアニール温度の影響(Effect of the Annealing Temperature on Magnetic Property for Transformer with Amorphous Core)”、計装、測定、回路及びシステムに関する2009年第8回WSEAS国際会議の議事録(Proceeding of the 2009 8th WSEAS International Conference on Instrumentation,Measurement,Circuit and Systems)、p. 171−175に報告されている。 より最近では、米国特許出願第2006/0180248号で、化学組成Fe a B b Si c C d (式中、80<a<84、8<b<18、0<c≦5、及び0<d≦3、数字は原子百分率)を有する鉄基アモルファス合金が確認された。 この合金は、2605SA1材料で必要とされる温度より低い300℃〜350℃の温度で熱処理されてアニールされた場合、1.60テスラより大きい飽和磁気誘導を達成する。 この化学組成に含まれるのは、公称化学Fe 81.8 B 15.8 Si 2.1 C 0.3を有する日立金属社製の新規Metglas 2605HB1合金リボンで、1.65テスラのB satを有する。 リボンを積み重ね又は巻き付けてコアを形成した後、320℃で1時間磁場アニールすると、合金は、1.55テスラのB 80 ;0.95のB 80 /B sat比;及び60Hz、1.3テスラの磁気誘導で0.24W/kgより少ないコアロスを有する。 これは、市販されているSA1材料に優る改良である。 これらの値は合金製造業者により上記引用文献に報告されている。 しかしながら、大部分の鉄基アモルファス磁性合金リボンの炉アニールは、リボンの機械的構造に望ましくない影響を与える。 炉アニール処理は合金を弱化して脆くするので、リボンの扱いが複雑になる。 さらに、アモルファス合金コアは、アニール後も外部応力に対して極めて敏感なままである。 従って、性能を許容限界内に維持するために、これらの応力を制限するための注意を払わねばならない。 Metglas 2605SA1及び2605HB1は、従来の磁場炉アニールプロセス後に脆化することが知られており、それらの磁気特性は印加応力に対して非常に敏感である。 アモルファス合金リボンを用いて配電変圧器の磁心を製造するための一つの公知法は、General Electric社によって多数の特許に開示されている。 米国特許第4,789,849号、5,050,294号、5,093,981号及び5,310,975号に、上記アモルファス合金に関連するすべての特殊性に対処したアモルファス合金の角型巻きカットコア(rectangular-wound-cut core)を有する配電変圧器の製造に関わるステップが開示されている。 基本的には、多数のアモルファスリボンを供給コイルから同時に巻出し、積み重ね、そして再度一緒に巻取ってマスターコイルを製造する。 次に、多数のマスターコイルを巻出し、積み重ねて複合片を形成する。 これを前進させ、停止させ、静止状態に保持している間に剪断刃によって漸減する長さのセグメントに切断し、これを適切なずらした位置(staggered position)に順次積み重ね、複合片のパケットを製造する。 次に、多数のパケットを支持フレーム上に互いの上にピギーバック(piggyback)式に(重層的に)巻き付ける。 十分な数のパケットが巻き付けられたら、従来のケイ素鋼板を、形成されたコアの周りに巻き付けて、両端を互いに固定する。 次にフレームを取り除いて、第二のケイ素鋼板をコア窓内の内側パケット壁に対して貼り付け、コアが内部から崩壊しないようにする。 次のステップで、コアをクランプで矩形に再整形し、所定の位置に支持部材及びストラップで固定する。 その後、外部磁場を数時間印加しながらそれを炉でバッチアニールする。 アニールが完了したら、積層物を互いに固定するためのジョイントが位置している部分以外のコアの側縁にコーティングを施し、 ストラップと支持部材を取り除く。 最後に、電気コイル周囲のコアレーシング(core lacing)を実施するが、これは、コアを手で開いてU字形を形成し、予備形成された矩形電気コイルの窓にコアをスライドして通し、次いで伸ばされた(広げた)重ね合せの組を個別に閉じ、接合してコアをその矩形に再整形することによって行う。 コアの積層物はアニールプロセスにより脆くなっているので、電気コイル周囲のコアレーシングは、破片が電気コイルに入り込んで短絡故障を招かないように非常に注意深く達成されねばならない。 概して、アモルファス合金リボンから角型巻きカットコア配電変圧器を製造するためのこの公知法は、多数の不連続ステップを含み、このために多くの時間及びフロアスペースを必要とする。 そのような角型巻きカットコア配電変圧器の製造は、配電変圧器製造プラントで実現される。 このことは変圧器のコストの増大に著しく寄与する。 アモルファス合金リボンを用いて配電変圧器のコアを製造するための代替法は、Allanらによる米国特許第5,566,443号に開示されている。 この特許では、いくつかの電気コイルが予備形成され、それぞれは扇形の形状を有する部分を持つ。 次に、予備形成されたコイルを一緒にまとめ、組み合わさったそれらの部分が円の外縁を形成するようにする。 磁心を製造するには、連続した薄いアモルファス合金リボンを、前記円形外縁の周りに配置された環状中空マンドレルの上に巻き付け、環状コアを製造する。 アモルファス合金リボンは、巻き付けられる前に、環状中空マンドレルと同じ外径を有する第二の環状マンドレル上で磁気飽和下で予めアニールされているので、アニール済みリボンをマンドレル間で移動させることが必要となる。 上記の公知カットコア変圧器におけるカットに伴う電力損失は回避されると考えられている。 アモルファス合金リボンのアニール後巻付け(rolling-up-after-annealing)は、確実にロール内に何らかの応力を導入するので、これが何らかの追加的なコアロスを導入することになる。 しかしながら、全体的な導入応力は十分小さいので、アモルファス合金の環状巻きノーカット(circular-rolled-uncut)コアの形態を有することにおいて、価値ある利点が達成されると考えられている。 また、環状巻きノーカットコア変圧器を用いると、角型巻きカットコア変圧器の製造に伴う上記不利益のすべてが回避されるとも考えられている。 さらに、環状コアはより短い磁束の平均路長を提供するので、コア及びコイルのサイズ及び重量を削減する。 この変圧器はカットコア変圧器より製造が容易であるが、コアの製造にはまだ多数の不連続ステップが関与している。 それらは、コアを形成するための巻付け;磁気飽和下における炉でのコアのアニール;電気コイル外縁の周りにコアを形成するためのリボンの再度の巻出し及び巻付けである。 また、アニール済みアモルファス合金リボンの直接移動は、コアロスの増大を招く不必要な曲げ応力を導入する。 なぜならば、リボンは環状コアの同じ層位置に再度巻き付けられないからである(第一の外層は第一の内層になる、逆も同様)。 これは、Alexandrovによる米国特許第4,906,960号に教示されているように、リボンをまず中間マンドレルに移動することによって克服できるが、この技術もコアの製造に別のステップを追加する。 上記のようなアモルファス合金の環状コアのアニール後巻付けは、見かけは単純であるが、依然として困難な作業である。 合金は相当時間アニールされると脆くなるという事実のために、電気コイルの外縁の周りに再度巻き付ける必要がある場合、その方法はあまり便利でなくなる。 Silgailisらは、米国特許第4,668,309号で、該特許の表2に、約50kgの重量の炉アニールされた環状コアの鉄基アモルファス合金リボンを0.3メートル/秒までの速度で巻出し及び再巻付けする各試みにおいて、リボンは61回以上破損したことを示している。 彼らはまた、開示特許の中で、高温の溶融スズ浴でのコアの短時間アニールは、従来の炉アニールと同じほど延性を劣化させないことも主張している。 Silgailisらは、表2で、彼らの方法でアニールされた約18kgの重量の環状コアは、リボンを19回以上破損することなく、0.76メートル/秒の速度で巻出し及び再巻付けできたことを示している。 Silgailisらが、彼らのアニール法で破損数を著しく削減できたとしても、依然として容認できるものではない。 巻付け中にたった一度のリボン破損にでも遭遇すると、アセンブリライン全体に散乱し、最後には電気コイル内に到達する微小断片が吐出されかねない。 すると、清掃のための製造停止及びコイルを廃棄すべきか否かの決断が必要となる。 作業は、リボンの巻付けが最初に中間マンドレルで実施されねばならない場合、さらに困難となる。 コイル周囲のコアの巻付け後アニール(annealing-after-rolling)は、この問題を克服できるであろうが、コイルに高温絶縁材料の使用が必要となり、変圧器を法外な費用がかかるものにするであろう。 アモルファス合金リボンコアのアニール後巻付け及び巻付け後アニールは、どちらも、重イオン核融合(HIF)ドライバー用の大型環状コアを製造するために考えられた。 HIFコアは、極端に短い時間に大きい磁束スイングを持続せねばならず、コアに層間絶縁の使用が必要となる。 アニール後巻付けが高温絶縁材料の使用を回避したとしても、リボンの脆化のために非実用的と見なされ、むしろ高温耐熱絶縁を組み込んだコアの巻付け後アニールの方が下記論文に報告されているように採用された。 例えば、“重イオン核融合のための誘導加速器の開発(Induction Accelerator Development for Heavy Ion Fusion)”、L. L. Reginato、1993年粒子加速器会議のIEEE議事録(IEEE Proceedings of the 1993 Particle Accelerator Conference) 、第1巻、p. 656−660、及び“アモルファスガラスパルスコア用のエキサイティングな新規コーティング(Exciting New Coating For Amorphous Glass Pulse Cores)”、R. R. Wood、IEEE1999年第12回国際パルスパワー会議 (12th International Pulsed Power Conference) 、第1巻、p. 393−396、及び“重イオン慣性核融合エネルギー加速器のための誘導コア合金(Induction Core Alloys for Heavy-ion Inertial Fusion-energy Accelerators)”、A. W. Molvik、米国物理学会・物理レビュー・特集−加速器及びビーム(The American Physical Society,Physical Review Special Topics-Accelerators and Beams)、第5巻、080401、2002年。 磁場炉アニールされたアモルファス合金リボンコアのアニール後巻付けを用いて製造される環状コア配電変圧器の生産は、合金の脆化により非実用的なため、製造業者は、前述のような磁場炉アニールされた角型巻きカットコアの設計を構築している。 熱アニールによって誘導される鉄基アモルファス合金の熱脆化は、最近Kumarらが論文名“鉄基アモルファスリボンの熱脆化(Thermal embrittlement of Fe-based amorphous ribbons)”、2008年出版、ジャーナル・オブ・ノンクリスタリン・ソリッズ(Journal of Non-Crystalline Solids)、第354巻、p. 828−888で述べているように、長年繰り返し発生する問題であった。 アモルファス合金リボンは、論文名“一部のFe−B及びFe−Si−B合金における熱脆化の欠如(Absence of Thermal Embrittlement in some Fe-B and Fe-Si-B Alloys)”、A. R. Yavari、マテリアルズ・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Materials Science and Engineering)、第98巻、p. 491−493、1988年に報告されているように、所定温度(T db °)で、それより低温では脆性、高温では延性という延性−脆性遷移を示す。 急冷された鉄基アモルファス合金リボンは、通常の室温(20℃〜25℃)より低いT db °を有するという事実は、通常の室温で観察されるそれらの延性を説明している。 所定温度における延性度は、どの曲げ半径でリボンが破断するか又は割れるかを観察することによって、又はリボンが剪断又は引裂に対してどのように応答するかを観察することによって推定することができる。 高い延性度を有するアニール済みリボンは、破断問題を軽減するのでアニール後に巻き付けることができるであろう。 熱アニール後にほとんどの鉄基アモルファス合金リボンが脆化するのは、合金組成に依存する温度−時間−変態(TTT)に伴うT db °の上昇に関係があると考えられている。 延性の状態を保つためにT db °をハンドリング温度より低く維持することが達成すべき目標である。 鉄基アモルファス合金の脆化はアニール中のTTT現象なので、アニールされたリボンの延性度は、従って、アニール処理後に得られたコアの磁気特性が満足のいくものであるか又は予想された結果の範囲内であってから評価されねばならない。 そうでなければ、アニール処理が不完全で、延性度を誤る恐れがある。 高いアニール温度での短いアニール時間が、より大きい延性を有するアモルファス合金リボンをもたらすと考えられている。 Silgailisらは、高温の溶融スズ中で短時間アニールされた彼らの鉄基アモルファス合金リボンコアを用いて、脆性は低減できることを示した。 しかしながら、アニール時間を短くする試みには、コア内の熱伝達能力に制限があるため、限界がある。 高い熱伝達能力は、前進する単一(一重)のリボンをインラインでその走行路の部分と共に熱処理することによって可能となる。 熱脆化のないアモルファス合金リボンのインラインアニールが探求されている。 アモルファス合金、そのアニール動力学及びその関連脆化についての理解がTaubによって提案されている。 論文名“磁気特性を改良するためのアモルファス合金の新規応力除去法(A New Method for Stress Relieving Amorphous Alloys to Improve Magnetic Properties)”、IEEEトランザクションズ・オン・マグネティクス(Transactions on Magnetics)、第Mag−20巻、第4号、1984年7月、p. 564−569及び米国特許第4,482,402号にて発表。 その文書に、アモルファス合金の性質に関する概要、それらの製造法、配電変圧器に応用するためのこれらの合金の一部クラスの良好な磁気特性が提供されているが、最も重要なのは、その磁気特性から利益を得るために材料を応力除去することの必要性を開示していることである。 Taubによれば、アモルファス合金における機械的応力除去は、流れ及び構造緩和によって支配されている。 流れとは、応力に応答した一様な変形のことで、構造緩和は、平衡配位に向かう原子構造の変化である。 Taubは、第4カラムの9〜15行に、「私は、アモルファス金属における軟磁気特性の発達を最適化するためには、流れ及び構造緩和という競合する材料プロセスが説明されねばならないことを見出した。具体的には、流れを最大化し、構造緩和を最小化せねばならない。その状態が最終形状のアモルファス金属で得られたら、その状態は保存されねばならない。」と述べている。 アモルファス合金における高温での低粘度は、流れ抵抗を低くするので、応力の除去が可能となるが、他方、構造緩和も可能にすると考えられる。 構造緩和は、原子構造が平衡配位を取ろうとするに従って前記温度で時間経過とともに粘度を増大するので、流れ抵抗も増大する。 粘度も時間に伴う粘度増大速度も、Tg°(ガラス転移温度)未満での温度依存性はアレニウスの法則に密接に従うと考えられる。 構造緩和は、応力除去アニールの避けられない結果と見なされ、これがリボンの脆化の原因と考えられている。 従って、先行技術は、アニールされた延性リボンを得るためには、過度の構造緩和を許すことなくアモルファス合金の応力除去をするのが望ましいと示唆している。 これは、得られたT db °の上昇をリボンのハンドリング温度未満に維持することに対応する。 Taubは、最小化された構造緩和の利益を得ながら合金の応力除去をする唯一の方法は、なるべく迅速に高いアニール温度に短時間加熱し、合金をアニール温度から十分迅速に冷却して、何らかの重大な追加的及び有害的構造緩和を防止することだと教えている。 Taubは、第10カラムの8〜13行に「リボンは、その最終形状に到達するまで加熱されないことが必須である;そうでなければ、すべての巻き応力が印加される前に構造緩和が始まる・・」とも付け加えている。 このように、構造緩和はアモルファス合金アニールプロセスのマイナスの副作用と考えられているが、迅速アニール条件で最小化できる。 Taubは、前進する所定形状のリボンにインラインアニールを実施するための方法及び装置を開示している。 彼の装置では、熱源、例えば、熱ビーム;熱媒体との直接接触;又は抵抗自己発熱により、リボンを、それが最終形状に到達した後、高い温度上昇速度(300℃/分を超える)で加熱する。 次に、リボンは、アニールされたままの応力のない構造をリボンの中で凍結させるために、空気又は窒素のような不活性ガスなどの冷媒のジェット又は液体急冷剤のストリームを、リボンが加熱領域のエリアを出た直後、まだその最終形状にある間にリボンに供給することによって、迅速に冷却される(少なくとも100℃/分)。 装置は、鉄基アモルファス合金リボンFe 81.5 B 14.5 Si 4で試験され、次にこれを巻き付けてコアにした。 最大26cm/分(0.5cm/秒)までのリボン送り速度の場合、報告された結果によれば、1.4テスラ(14kG)のAC磁気誘導で0.28W/kg(0.13W/ポンド)より少ないコアロス及び1.45VA/kg(0.66VA/ポンド)より低い励磁電力及び0.80より大きいB 80 /B sat比(文書ではテスラの代わりにエルステッドを用い、B 1 /B 100に相当)を示している。 報告されたB 80 /B sat比は、ロール中に多少の応力が存在することを考慮すると良好である。 26cm/分(0.5cm/秒)を超えると、磁気特性は悪化する。 Taubは、500℃/分の加熱速度の達成も報告している。 この装置でアニールされた鉄基アモルファス合金標本の、得られた脆性又は延性の程度は定量化されていない。 先納らは、米国特許第4,288,260号で、引張応力下、1〜50cm/秒の範囲の所定速度で連続的に送られるアモルファス合金リボンを熱処理するための装置を特許請求している。 アモルファス合金リボンの表面を、静止加熱体に接触しながら滑らせるか、又は促進(urging)ローラー(これは別の加熱ローラーに置き換えることもできる)によって加熱ローラーの表面に押し付けて滑らせることにより、リボンの脆性を何ら発達させることなく、アモルファス合金リボンの磁気特性を増強し、うねりも除去する。 実施例1〜6で、先納らは、静止加熱体の上を3.5cm/秒(1/v〜0.28秒/cm)〜9.1cm/秒(1/v〜0.11秒/cm)の送り速度で通過させた所定原子組成のリボンの磁気的改良を示す結果を開示している。 実施例7では、1cm/秒(1/v〜1秒/cm)という遅い送り速度で、別のローラーによって加熱ローラーの表面に押し付けられて前進したリボンに関する磁気的改良も開示されている。 この遅い送り速度は、二つのローラー間の圧接領域が非常に小さいことを考えれば、理解できる。 実施例はコバルト基合金に関してだけ示されており、鉄基アモルファス合金組成の使用に対する言及はなされていない。 アニールされた鉄基アモルファス合金リボンのコアロス、励磁電力、B 80 、B 80 /B sat比、及び脆性度への影響は、実験結果を通して定量化されていない。 炉アニール法との比較もなされていない。 図6に基づくと、静止加熱体上を通過したリボンの熱処理は、10cm/秒(1/v〜0.1秒/cm)を超えてリボン速度が増加すると、それに伴い保磁力が劣化することを示している。 また、加熱速度に関する詳細も開示されておらず、リボンは単に巻取りマンドレルに回収されているだけで、冷却段階に関する言及もない。 Gibbsは、英国特許出願第2,148,751号で、マンドレルに巻き取られる(ある長さの)アモルファスストリップを、マンドレルに接近してくるストリップの部分に直流を流すことによって同時に加熱する方法を開示している。 この場合、電流の供給に、間隔をあけた2個の調節可能な滑り接触電極(sliding contact electrode)(又は1個の電極とマンドレル)が使用される。 ストリップは流れる電流からのジュール損によって加熱され、巻取り点に到達する前又は後のいずれかに冷却される。 しかしながら、熱処理中のストリップの形態、及び所望によりストリップをマンドレル上で放冷するという以外の冷却ゾーンに関する詳細情報は開示されていない。 Gibbsは、唯一、それぞれ9及び14cm/秒で前進し 、彼の方法でアニールされた二つの非鉄基合金サンプルで測定された保磁力が炉アニールと比べて低下したことを開示している。 アニールされたリボンの加熱及び冷却速度、コアロス、励磁電力、B 80 、B 80 /B sat比、及び脆性への言及はない。 Liらは、米国特許第5,069,428号で、ゆっくり前進するアモルファスリボンを、一対の電極間を通過するリボンにAC又はパルス高電流を印加することによって自己加熱させるアニール法を開示している。 導電抵抗のあるリボンを流れる循環電流はジュール加熱を生じる。 電流は、リボンが所定の形態を維持している間に流す。 曲線状リボンの場合、リボンは、好ましくはセラミック製の絶縁ローラー上を通過する。 その際、一対のバネ仕掛けの電極ローラーがリボンをそれぞれローラ上のリボンの入口点と出口点で押し付けている。 実施例1で、この方法を用いて0.3cm/秒の送り速度でアニールされた鉄基アモルファス合金リボンFe 78 B 13 Si 9 (1.56テスラのB satを有することが知られている合金タイプ2605S2)は、鋳放しの標本と比べて、160A/m(2Oe)の印加磁場下で0.85から1.27テスラ(8.5から12.7kG)の磁気誘導の改良を示している。 試験標本のアニール脆化は、炉アニールサンプルが7×10〜5×10であるのと比べて、曲げ試験で0.9〜1の破壊歪みを有している。 文書では、磁気特性測定がコアに対してなされたのか単一リボンに対してなされたのか明記されていない。 しかしながら、得られたコアロスは明確に開示されておらず、励磁電力に対する言及もない。 この方法でアニールされた鉄基サンプルは、図4に報告されているように(1Oe=80A/m)、わずか約1.0テスラというB 80を有し、このため0.64という低いB 80 /B sat比となる。 また、加熱速度についても、リボンが単に巻取りマンドレル上に回収されているだけで処理後どのように冷却が実施されるのかについても、何の情報も開示されていない。 著者は、この方法でリボンを10cm/秒までの送り速度でアニールできると主張している。 仏国特許出願第2,673,954号、及び論文名“動的電流アニールによる金属ガラスの軟磁気特性の最適化について(On the Optimization of Soft-Magnetic Properties of Metallic Glasses by Dynamic Current Annealing)”、IEEEトランザクションズ・オン・マグネティクス(Transaction on Magnetics)、第28巻、第4号、1992年、p. 1911−1916に、Perronらは、環状のアモルファス合金リボンをアニールするための、Liらに類似したジュール加熱装置を開示している。 リボンは、好ましくは石英又はアルミナ製の絶縁固定ドラム又は回転ローラー上を通過し、一対の冷却された銅電極がそれぞれドラム又はローラー上のリボンの接触点又は離点でリボンに接触している。 Liらの方法に加えて、冷却電極は、応力除去されたリボンがドラム又はローラーから離れる前にそれを凍結するための冷却手段として使用されている。 実施例1で、この方法を用いて1cm/秒の送り速度でアニールされた鉄基アモルファス合金リボン(合金タイプ2605S2)は、該特許の図5に示されているように、炉磁場アニール標本と比べて磁化曲線の改良を示している。 印加磁場は、測定磁気誘導1.0テスラで14A/mに対して10A/mに減少している。 文書では、測定がコアに対してなされたのか単一リボンに対してなされたのか明記されていない。 Perronらは、この装置で70℃/秒という平均加熱速度及び冷却速度が達成されたと報告している。 彼らは、彼らの発明を用いると、1cm/秒に近い速度でリボンをアニールできたと主張している。 アニールされたリボンのコアロス、励磁電力、B 80 、B 80 /B sat比、及び脆性への言及はない。 Waeckerleらは、米国特許出願第2008/0196795号に、アモルファス材料のストリップを熱処理するためにオーブンを使用するリボンアニール装置を開示し、コアを形成するためにストリップの巻付けを実行しても破断のリスクのない十分削減された脆性を有する低透磁率のナノ結晶化磁気合金を製造している。 アニールプロセスは、リボンを、10cm/秒以上の送り速度及び長手方向引張応力下で、平らに置かれたトンネル炉を通って前進させることによって実行する。 そのような熱処理は、アモルファス合金のナノ結晶化を意図したものであり、アニールされたアモルファスリボンがアニール後もそのアモルファス状態を保たねばならない場合には、それは求められていない。 また、加熱速度に関する詳細も開示されておらず、リボンは単に巻取りマンドレルに回収されているだけで、冷却段階に関する言及もない。 インラインアニール装置が曲線状の鉄基アモルファス合金リボンをアニールでき、その延性も保存されれば、出力されたリボンは、Allanらが開示したような変圧器中心部のコイル周囲に効率的に巻き付けられて環状コアを形成することができる。 そのようなインラインアニール処理の使用は、炉アニール法を使用する場合にコアの製造に必要なすべての多数の不連続ステップも回避するであろう。 しかしながら、このインラインアニール処理は、費用効果的なリボン送り速度で運転されねばならず、リボンは、巻き付けられてコアを形成した後、容認できる磁気特性も獲得せねばならない。 上記先行技術文献のすべての曲線状インラインアニールアモルファスリボンの場合、磁気特性及び延性度を度外視したとしても、主に報告されているような1〜10cm/秒の範囲のアニール送り速度では、22cm幅及び25μm厚のリボン(従来の変圧器コアを製造するために一般に入手可能な最大幅サイズ)は1.4〜14kg/hrの質量速度で加工されることになる(7.2g/cm 3の材料密度のMetglas 2605SA1合金を使用)。 定格25〜167kVAの配電変圧器における平均コアサイズはおよそ135kgの重量である。 1.4〜14kg/hrの質量速度では、一つの変圧器コアのリボンをインラインアニールするのに10〜100時間もかかることになる。 このプロセスを採算の取れるものにしたい場合、この送り速度範囲はあまりにも遅すぎる。 多すぎるアニール設備、労働及びフロアスペースが必要となり、コストを増大する。 採算性のあるものにするためには、新規に開発されたインラインアニールプロセスのためのリボン送り速度は著しく増大されねばならない。 低コストで1時間以内に処理をするというのは、より合理的になるが、1m/秒を超える送り速度を必要とし、これは上で報告された送り速度より10〜100倍も速い。 この速度を超過するためには、上記方法で報告されたのと比較して、加熱及び冷却温度速度を非常に増大せねばならず、処理温度をさらに増大することによってアニール時間も短くせねばならない。 アモルファスリボンに対する非常に短時間でのアニール処理の実施は、いくつかの科学論文に広く報告されている。 リボンのセグメントに対して実施された多くの実験は、アニール時間をずっと短くできることを示している。 これらの実験で、リボン標本は一般的に両端で接触している2個の電極間に配置され、高電流パルスが例えば放電コンデンサを使用して標本に流れるようにしてある。 所望により、該実験は、より急速な冷却のために液体冷却剤中で実施することもできる。 適切な電流密度を使用すると、非常に高い加熱速度が得られ、その後に急速冷却を続けると、アニール時間を1秒の何分の1(ほんの一瞬)に削減でき、リボンは、従来の炉アニール後よりも脆くならない。 そのような実験と結果が、Kulikらにより、“Co基合金ガラスの磁気特性に及ぼすフラッシュアニーリングの影響(Influence of Flash Annealing on the Magnetic Properties of a Co-based Alloy Glass)”、インターナショナル・ジャーナル・オブ・ラピッド・ソリディフィケーション(International Journal of Rapid Solidification)、1989年、第4巻、p. 287−296、及びMatyjaらにより、“合金ガラスの急速加熱(Rapid heating of alloy glasses)”、フィロソフィカル・マガジン(Philosophical Magazine)B、1990年、第61巻、第4号、p. 701−713に報告されている。 これらの実験は、上記先行技術文献に報告されているより高い加熱及び冷却速度を使用している。 しかしながら、実験は固定されたリボンセグメントに対して実施された。 この方法を前進するリボンの連続インラインアニールに適用するのは非実用的である。 出願人が知る先行技術の方法のいずれも、1m/秒より速い送り速度で前進する曲線状の鉄基アモルファス合金リボンを効率的にインラインアニールする方法を教示しておらず、そのいずれも前記アニール済みリボンを用いて製造された環状コア、すなわち従来の炉磁場アニールを用いて製造されたコアに匹敵する容認可能なコアロスと励磁電力を示し、約1.3テスラより大きいB 80及び0.80より大きいB 80 /B sat比を有しながら、効率的なアニール後巻取りを可能にする延性も残している環状コアを開示していない。 " 非晶質金属とシリコン鋼による変圧器コアからの可聴雑音(Audible Noise From Amorphous Metal and Silicon Steel-Based Transformer Core) "、IEEE・トランザクションズ・オン・マグネティクス(Transactions on Magnetics)、第44巻、第11号、p. 4104−4106 " 非晶質とナノ結晶質磁性材料の進歩(Advances in amorphous and nanocrystalline magnetic materials) "、ジャーナル・オブ・マグネティズム・アンド・マグネティック・マテリアルズ(Journal of Magnetism and Magnetic Materials)、第304巻、p. 187−191、2006年 Hsuら、" アモルファスコアを有する変圧器の磁気特性に及ぼすアニール温度の影響(Effect of the Annealing Temperature on Magnetic Property for Transformer with Amorphous Core) "、計装、測定、回路及びシステムに関する2009年第8回WSEAS国際会議の議事録(Proceeding of the 2009 8th WSEAS International Conference on Instrumentation,Measurement,Circuit and Systems)、p. 171−175 L. L. Reginato、" 重イオン核融合のための誘導加速器の開発(Induction Accelerator Development for Heavy Ion Fusion) "、1993年粒子加速器会議のIEEE議事録(IEEE Proceedings of the 1993 Particle Accelerator Conference)、第1巻、p. 656−660 R. R. Wood、" アモルファスガラスパルスコア用のエキサイティングな新規コーティング(Exciting New Coating For Amorphous Glass Pulse Cores) "、IEEE1999年第12回国際パルスパワー会議(12th International Pulsed Power Conference)、第1巻、p. 393−396 A. W. Molvik、" 重イオン慣性核融合エネルギー加速器のための誘導コア合金(Induction Core Alloys for Heavy-ion Inertial Fusion-energy Accelerators) "、米国物理学会・物理レビュー・特集−加速器及びビーム(The American Physical Society,Physical Review Special Topics-Accelerators and Beams)、第5巻、080401、2002年 Kumarら、" 鉄基アモルファスリボンの熱脆化(Thermal embrittlement of Fe-based amorphous ribbons) "、2008年出版、ジャーナル・オブ・ノンクリスタリン・ソリッズ(Journal of Non-Crystalline Solids)、第354巻、p. 828−888 A. R. 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そこで、本発明の目的は、先行技術の少なくとも一つの欠点を克服するための方法及び装置を提供することである。 本発明に従って、アモルファス合金リボンを処理するための方法を提供し、該方法は、 好ましくは、本発明の一つの好適な態様に従って、熱処理は、リボンのアモルファス状態を維持するように実施される。 好ましくは、本発明の別の好適な態様に従って、熱処理は、アモルファス合金リボンの部分結晶化を得るために実施される。 好ましくは、設定された送り速度は1m/秒より大きい。 好ましくは、本発明の一つの好適な態様に従って、熱処理は1秒未満の間実施される。 好ましくは、ステップe)は、アモルファス合金リボンを、アモルファス合金リボンの完全延性が得られる温度閾値T db °より高いハンドリング温度に冷却する。 好ましくは、ステップb)において、アモルファス合金リボンは、前記走行路に沿って配置されている第一のシリンダー表面を有する少なくとも一つの第一のシリンダーと接触し;ステップb)はさらに、アモルファス合金リボンと第一のシリンダー表面との間で第一の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第一のシリンダー表面に対してピンと張るステップを含み、第一の静的接触は第一のシリンダー表面の周りの第一の接触角にわたって伸び;ステップb)はさらに、前記第一のシリンダー表面を、熱処理を開始するための前記温度以上の温度に維持するステップを含み;ステップc)において、アモルファス合金リボンは、前記走行路に沿って配置されている第二のシリンダー表面を有する少なくとも一つの第二のシリンダーと接触し;ステップc)はさらに、アモルファス合金リボンと第二のシリンダー表面との間で第二の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第二のシリンダー表面に対してピンと張るステップを含み、第二の静的接触は第二のシリンダー表面の周りの第二の接触角にわたって伸び;そしてステップc)はさらに、前記第二のシリンダー表面を、熱処理を開始するための前記温度より低い温度に維持するステップを含む。 好ましくは、ステップd)において、アモルファス合金リボンは、前記走行路に沿って配置されている第三のシリンダー表面を有する少なくとも一つの第三のシリンダーと接触し;ステップd)はさらに、アモルファス合金リボンと第三のシリンダー表面との間で第三の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第三のシリンダー表面に対してピンと張るステップを含み、第三の静的接触は第三のシリンダー表面の周りの第三の接触角にわたって伸び;そしてステップd)はさらに、前記第三のシリンダー表面を、熱処理を開始するための前記温度に維持するステップを含む。 好ましくは、アモルファス合金リボンをシリンダー表面に対してピンと張るステップは、25〜200MPaの範囲の張力で実施される。 好ましくは、アモルファス合金リボンをピンと張るステップは、リボン内の磁気異方性の発達を促進するために行われる。 好ましくは、ステップd)において、特定形状は曲線状であり、方法はさらに、 好ましくは、ステップd)において、特定形状は平面状であり、方法はさらに、 好ましくは、ステップd)において、機械的拘束は、アモルファス合金リボンの特定形状の曲率半径をその長さに沿って変動させるために変化し、方法はさらに、 好ましくは、方法はさらに、ステップf)の前に、 好ましくは、誘電材料は有機誘電材料である。 好ましくは、方法はさらに、ステップf)の前に、 好ましくは、張力は、張力装置によってアモルファス合金リボンの走行路に沿って増大又は低減され、前記張力装置は、 好ましくは、張力装置は、熱処理が開始される前にリボンの引張応力を増大するために前記走行路に沿って配置されている。 好ましくは、張力装置は、前記熱処理中のリボンの引張応力を制御するために前記走行路に沿って配置されている。 好ましくは、ステップe)において、アモルファス合金リボンは、複数の間隔をあけた冷却シリンダーと接触し、それぞれは前記走行路に沿って配置された冷却シリンダー表面を有する;ステップe)はさらに、動くアモルファス合金リボンと冷却シリンダー表面との間で冷却静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを冷却シリンダー表面に対してピンと張るステップを含み、冷却静的接触は冷却シリンダー表面の周りのそれぞれの接触角にわたって伸び;そしてステップe)はさらに、前記冷却シリンダー表面を、熱処理を開始するための前記温度より低い温度に維持するステップを含む。 本発明に従って、リボンとして鋳造され、10 3 ℃/秒より大きい、好ましくは10 4 ℃/秒より大きい温度速度での加熱及び冷却を用い、結晶化開始に達することのない温度でインラインアニールすることによって熱処理された鉄基アモルファス合金も提供する。 好ましくは、前記リボンが積み重ね又は巻き付けられてコアを形成する場合、そのB 80 /B 80はアニール後0.80より大きい。 好ましくは、この処理下で、リボンは通常の室温で延性であり、通常の室温より高い温度より上で完全延性である。 本発明に従って、 化学組成 Fe a B b Si c C d (式中、80<a<84、8<b<18、0<c≦5、及び0<d≦3、数字は原子百分率)と偶発的不純物を含み、10 3 ℃/秒より大きい温度速度での加熱及び冷却を用い、結晶化開始に達することなく425℃より高い温度でインラインアニールすることによって熱処理された鉄基アモルファス合金も提供する。 好ましくは、この処理下で、リボンは通常の室温で延性であり、80℃より高い温度で完全延性である。 本発明に従って、物品と熱を交換するための熱交換システムも提供し、該システムは、 好ましくは、熱交換器リングエレメントは、電源とスライド回転式に接触可能な抵抗性エレメントである。 好ましくは、熱交換システムはさらに、熱交換器リングエレメントと一体化して形成され、前記熱交換器リングエレメントを側方から包囲するスロット付き構造体を含み、スロット付き構造体は熱交換器リングエレメントに対して横方向に伸びるスロットを有する。 好ましくは、熱交換器リングエレメントはステンレススチール製であり、熱拡散器リングエレメントは銅製で、電着によって熱交換器リングエレメント上に搭載される。 好ましくは、設定送り速度は1m/秒より大きい。 好ましくは、第二の冷却システムは、アモルファス合金リボンを、アモルファス合金リボンの完全延性が得られるのに十分な温度閾値T db °より高いハンドリング温度に冷却する。 好ましくは、加熱システムは、アモルファス合金リボンと接触する少なくとも一つの第一のシリンダーを含み、前記少なくとも一つの第一のシリンダーは、前記走行路に沿って配置されている第一のシリンダー表面を有し、システムはさらに、アモルファス合金リボンと第一のシリンダー表面との間で第一の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第一のシリンダー表面に対してピンと張るための第一の張力装置を含み、第一の静的接触は第一のシリンダー表面の周りの第一の接触角にわたって伸び、前記第一のシリンダー表面の温度は、熱処理を開始するための前記温度以上の温度に維持され、第一の冷却システムは、アモルファス合金リボンと接触する少なくとも一つの第二のシリンダーを含み、前記少なくとも一つの第二のシリンダーは、前記走行路に沿って配置されている第二のシリンダー表面を有し、システムはさらに、アモルファス合金リボンと第二のシリンダー表面との間で第二の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第二のシリンダー表面に対してピンと張るための第二の張力装置を含み、第二の静的接触は第二のシリンダー表面の周りの第二の接触角にわたって伸び、前記第二のシリンダー表面の温度は、熱処理を開始するための前記温度より低い温度に維持される。 好ましくは、機械的拘束印加装置は、アモルファス合金リボンと接触して含み、前記少なくとも一つの第三のシリンダーは、前記走行路に沿って配置されている第三のシリンダー表面を有し、システムはさらに、アモルファス合金リボンと第三のシリンダー表面との間で第三の静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを第三のシリンダー表面に対してピンと張るための第三の張力装置を含み、第三の静的接触は第三のシリンダー表面の周りの第三の接触角にわたって伸び、前記第三のシリンダー表面の温度は、熱処理を開始するための前記温度に維持される。 好ましくは、張力装置は、アモルファス合金リボンをシリンダー表面に対して25〜200MPaの範囲の張力で張力をかける。 好ましくは、張力装置は、アモルファス合金リボンを、リボン内の磁気異方性の発達を促進するために張力をかける。 好ましくは、本発明の一態様に従って、システムはさらに、特定量のアモルファス合金リボンが巻き取られるマンドレルを含み、前記マンドレルは内半径と外半径を有し、前記特定形状は、前記内半径及び前記外半径の間から選ばれる曲率半径を有する。 好ましくは、本発明の別の態様に従って、システムはさらに、アモルファス合金リボンのセグメントを切断及び積み重ねるための切断機及び積み重ね装置を含む。 好ましくは、システムはさらに、アモルファス合金リボンの少なくとも片面を誘電材料で被覆するための被覆システムを含む。 好ましくは、被覆システムは電着システムである。 好ましくは、システムはさらに、アモルファス合金リボンの少なくとも片面をバインダで被覆するためのバインダ適用(塗布)システムを含む。 好ましくは、第二の冷却システムは、アモルファス合金リボンと接触する複数の間隔をあけた冷却シリンダーを含み、前記間隔をあけた冷却シリンダーはそれぞれ前記走行路に沿って配置された冷却シリンダー表面を有し、システムはさらに、動くアモルファス合金リボンと冷却シリンダー表面との間で冷却静的接触を得るために、アモルファス合金リボンを冷却シリンダー表面に対してピンと張るための張力システムを含み、冷却静的接触は冷却シリンダー表面の周りのそれぞれの接触角にわたって伸び、前記冷却シリンダー表面の温度は、熱処理を開始するための前記温度より低い温度に維持される。 次に、添付の図面を参照しながら本発明の好適な態様の非制限的説明を提供する。 図13aは、支持部材上に搭載された、図12に示されたホットローラーの側断面図を示す。 図13bは、支持部材上に搭載された、図12に示されたホットローラーの詳細図を示す。 図16aは、本発明の好適な態様に従って、リボンをガイドローラー上の正確な位置に送るためのシステムの概略 正面図を示す。 図16bは、本発明の好適な態様に従って、リボンをガイドローラー上の正確な位置に送るためのシステムの概略 側面図を示す。 図16cは、本発明の好適な態様に従って、リボンをガイドローラー上の正確な位置に送るためのシステムの概略 上面図を示す。 次に本発明の種々の好適な目的を示す。 本発明の別の目的は、熱処理後に静止状態で特定形状を取らせるためにアモルファス合金リボンを熱処理するためのインラインアニール法及び装置を提供することである。 好ましくは、本発明の別の目的は、アモルファス合金リボンをインラインアニールするための低コストのプロセスを提供することである。 好ましくは、本発明の別の目的は、アモルファス合金リボンをインラインアニールするための、高いリボン送り速度で動作するプロセスを提供することである。 好ましくは、本発明の別の目的は、配電変圧器、HIF、パルスパワー用コア、及びその他の品目用のコアを製造するための、容認できる磁気特性を示すインラインアニールされた鉄基アモルファス合金リボンを提供することである。 本発明は、配電変圧器、HIF、パルスパワー用のコア、及びその他の品目を製造するために容認できる磁気特性をリボンに持たせるために、強磁性アモルファス合金リボンを処理後に持つ形状と同じ形状で加熱、処理及び冷却する必要はないという考えに基づいている。 アモルファス合金リボンは、処理に沿って前進させている間、リボンを一連の異なる所定形状に従わせながらインラインアニールできると考えられている。 これは、処理温度で合金内に発生する流れの連鎖(flow sequence)を制御することによって行われる。 つまり、その進行が、処理後リボンを最終形状に近い形で曲げる時に、ほとんどの残留応力及び印加曲げ応力が緩和されている構造状態に確実に向かうように制御する。 本発明の装置を用いると、アモルファス合金リボンは、処理後所望の最終形状を取るようにインラインアニールされる 。 本発明において、処理温度は、十分高く、そして十分長く持続するものでなければならない。 そうすれば、得られた粘度低下により、処理後に得られる最終形状に影響を及ぼすために、一連の課せられた形状に沿って十分な流れを起こすことが可能となる。 本発明を用いると、上記先行技術の方法で得られたものよりずっと高い熱伝達速度を提供することが可能である。 好ましくは、高い熱伝達速度は、前進するリボンの両面の一方と熱伝導性環状回転体の重要な外周部分沿いとの間の長時間の直接静的接触を用いることによって提供される(本文書において、静的接触とは、二つの表面間の滑らない直接機械的接触のことを言う)。 加熱及び冷却により高い熱伝達速度を使用すると、リボンの温度上昇又は降下速度が改良される。 本発明を用いると、10 3 ℃/秒を超える、好ましくは、一定の場合において、さらには10 4 ℃/秒を超える温度上昇又は降下速度で20〜30μm厚の金属リボンを加熱又は冷却することが可能である。 本発明を用いると、冷却は二つの逐次段階に細分割される。 第一冷却段階は、高い温度降下速度で運転され、流れ及び構造緩和を十分緩徐化し、従って熱処理を停止させるために、リボン温度を急速に処理温度より十分低くするのに役立つ。 第一段階の後は、十分な温度降下速度での第二冷却段階が続く。 これは、リボン温度を、熱処理終了時のリボン構造状態が保存される点まで下げるのに役立つ。 好ましくは、第一段階の冷却後、流れ及び構造緩和は、 第二冷却段階で発生するリボンハンドリングのために重要な構造変化がそれ以上合金に発生しない点まで緩徐化される。 本発明を用いると、好適な態様に従って、延性リボンを得るためにインラインアニール処理における構造緩和を制限することが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、従来の炉アニール温度より高い処理温度で、結晶化開始に達することなく鉄基アモルファス合金リボンをインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、配電変圧器、HIF、パルスパワー用コア、及びその他の品目用のコアの製造に使用可能なアモルファス合金リボンの製造に応力アニールを使用することが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、構造緩和を制限するため、従って延性リボンを得るために、前進するリボンを1秒未満、好ましくは10分の1秒未満で連続的にインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、1m/秒より大きい送り速度、さらには約5m/秒より大きい送り速度、さらには10 1 m/秒の速度範囲でアモルファス強磁性合金リボンをインラインアニールすることも可能である。 従って、アニール後巻取り(rolling-up-after-annealing)コアを製造するためのアニール済みリボン材料の高い大量生産速度が可能となる。 本発明を用いると、好適な態様に従って、インラインアニール装置のサイズは小さく、最小のフロアスペースしか必要としない。 このことはコスト削減に著しく貢献する。 本発明を用いると、好適な態様に従って、従来の巻取り後アニール(annealing-after-rolling)コアと比べて少ないコアロスを示すアニール後巻取りコアを製造することが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、約1.3テスラより大きいB 80を示すアニール後巻取りコアを製造することが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、0.80より大きいB 80 /B satを示すアニール後巻取りコアを製造することが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、容易なアニール後巻取りを可能にするために、処理後切断可能な鉄基アモルファス合金リボンをインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、処理後少なくとも一つの側に折り畳み可能な鉄基アモルファス合金リボンをインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、処理後延性を維持する鉄基アモルファス合金をインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、処理後完全延性状態で取り扱うことができる鉄基アモルファス合金をインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、破断のリスクを最小限にするために全処理プロセスの間、完全延性状態である鉄基アモルファス合金をインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、処理後T db °が通常の室温より低いままである鉄基アモルファス合金リボンをインラインアニールすることが可能である。 本発明を用いると、好適な態様に従って、処理後、打抜き、切断又は引裂きができる鉄基アモルファス合金リボンをインラインアニールすることが可能である。 本発明において、好適な態様に従って、鉄基アモルファス合金を提供する。 リボン状に鋳造された場合、10 3 ℃/秒を超える、好ましくは10 4 ℃/秒を超える温度速度での加熱及び冷却を用いて結晶化開始に達することのない温度でインラインアニールすることによって熱処理されたそのようなアモルファス合金は、リボンを積み重ね又は巻き付けてコアを形成した場合、0.80より大きいB 80 /B satを有する。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温で延性である。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温よりわずかに高い温度より上で完全延性である。 本発明において、好適な態様に従って、公称化学組成Fe 80 B 11 Si 9 (数字は原子百分率)と偶発的不純物を有する鉄基アモルファス合金を提供する。 リボン状に鋳造された場合、10 3 ℃/秒を超える、好ましくは10 4 ℃/秒を超える温度速度での加熱及び冷却を用いて結晶化開始に達することなく450℃より高い温度でインラインアニールすることによって熱処理されたそのようなアモルファス合金は、リボンを積み重ね又は巻き付けてコアを形成した場合、0.80より大きいB 80 /B satを有する。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温で延性である。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温よりわずかに高い温度より上、好ましくは100℃より上で完全延性である。 さらに、コアのそのようなアモルファス合金は、約1.3テスラより大きいB 80を有する。 さらに、コアのそのようなアモルファス合金は、60Hz、1.3テスラの磁気誘導で、0.25W/kgより少ないコアロスを有する。 本発明において、好適な態様に従って、化学組成Fe a B b Si c C d (式中、80<a<84、8<b<18、0<c≦5、及び0<d≦3、数字は原子百分率)と偶発的不純物を有する鉄基アモルファス合金を提供する。 リボン状に鋳造された場合、10 3 ℃/秒を超える、好ましくは10 4 ℃/秒を超える温度速度での加熱及び冷却を用いて結晶化開始に達することなく425℃より高い温度でインラインアニールすることによって熱処理されたそのようなアモルファス合金は、リボンを積み重ね又は巻き付けてコアを形成した場合、0.80より大きいB 80 /B satを有する。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温で延性である。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温よりわずかに高い温度より上、好ましくは80℃より上で完全延性である。 さらに、コアのそのようなアモルファス合金は、約1.3テスラより大きい、さらには約1.4テスラより大きい、さらには約1.5テスラより大きいB 80を有する。 さらに、コアのそのようなアモルファス合金は、60Hz、1.5テスラの磁気誘導で、0.25W/kgより少ないコアロスを有する。 本発明において、好適な態様に従って、公称化学組成Fe 81.8 B 15.8 Si 2.1 C 0.3 (数字は原子百分率)と偶発的不純物を有する鉄基アモルファス合金を提供する。 リボン状に鋳造された場合、10 3 ℃/秒を超える、好ましくは10 4 ℃/秒を超える温度速度での加熱及び冷却を用いて結晶化開始に達することなく425℃より高い温度でインラインアニールすることによって熱処理されたそのようなアモルファス合金は、リボンを積み重ね又は巻き付けてコアを形成した場合、0.80より大きい、好ましくは0.90より大きいB 80 /B satを有する。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温で延性である。 さらに、そのようなアモルファス合金は通常の室温よりわずかに高い温度より上、好ましくは80℃より上で完全延性である。 さらに、コアのそのようなアモルファス合金は、約1.3テスラより大きい、さらには約1.4テスラより大きい、さらには約1.5テスラより大きいB 80を有する。 さらに、コアのそのようなアモルファス合金は、60Hz、1.5テスラの磁気誘導で、0.25W/kgより少ないコアロスを有する。 図1を参照すると、アモルファス合金リボンをインラインアニールするための装置が示されている。 該装置は、外半径r1を有するホットローラー1;より小さい外半径r2を有し、平行して及びローラー1からの選択距離dで回転するコールドローラー2を含む。 ホット及びコールドローラーの外表面は、熱伝導性及び熱慣性を有する材料で構成される。 ホット及びコールドローラーは、各ローラーに出入りする熱流束を制御するための熱源及び/又は放熱子(ヒートシンク)を含む。 熱源及び/又は放熱子とローラー間の熱の流れは、封止された中空ローラーの熱伝導性内表面と接触して循環し、シャフトの中央部に配置された入口孔及び出口孔を通ってローラーを流れる伝熱流体(熱媒液)又はガスを用いて実施できる。 ローラーに入る熱流束の場合、伝熱流体又はガスは、バーナーからの火炎によって、又は中空ローラーの熱伝導性内表面と接触する電熱エレメントによって置換することもできる。 電熱エレメントは、ローラーシャフト上に備えられた滑り接触を介して電源に接続できる。 あるいは、好ましくは、ローラーの中空部分内で導電性を有するローラー内表面にごく近接して配置された固定高周波(HF)磁気誘導加熱アンテナを使用することによる。 HF磁気誘導アンテナは、ローラーシャフトの開口部を通じてHF電源に接続されている。 薄いアモルファス合金リボンは、所定のリボン送り速度、温度T in °、及びリボン長手軸に沿って印加される第一の機械的引張応力S1下で、入口点3から供給される。 次にリボンは選択された走行路を通って案内され、それに沿って一連の物理的変形及び熱処理を受けた後、同じ送り速度、温度T out °、及び第二の印加機械的引張応力S2下で、出口点7から出る。 好ましくは、点3から入るリボンは、その鋳放しの状態と比べてほとんど構造変化を示していない。 処理の順序は、入口点3に位置するリボンのセグメントを選択し、走行路に沿って移動している間の一連の熱的及び構造的変化を追跡することによって最もよく説明できる。 点3から移動し、リボンは最初に点4でホットローラー1の外表面と静的接触をし、そこで半径r1に曲がる。 この点からリボンは高い温度上昇速度で加熱され始め、所定の回転角θ 1の間、点5までホットローラー1との接触を続ける。 ホットローラー1の外表面と共に回転している間、リボンの温度はホットローラー1の外表面温度以下の処理温度まで上昇する。 点5でホットリボンはホットローラー1との接触を断ち、平らな形状及び処理温度で、点5から走行距離dの位置にある点6に進み、ローラー1に平行なコールドローラー2の外表面と第二の静的接触をし、そこで再度同じ側に半径r2まで曲がる。 この点から、リボンは高い温度降下速度で冷却され始める。 リボンは、所定の回転角θ 2の間、点8までコールドローラー2との接触を続ける。 コールドローラー2上を回転している間、リボンの温度はコールドローラー2の外表面温度以上の温度T out °に降下する。 コールドローラー2を出た後、リボンはマンドレルに巻き取られて通常の室温まで徐々に冷却するか、又はマンドレルに巻き取られる前に更なる冷却(例えば:追加のコールドローラー)又は加工のために移動する。 図1の設備装置は、前進する薄いアモルファス合金リボンを連続的に応力除去して曲線状にするのに最も適している。 通常、アモルファス合金リボンは、最大50μm、さらに典型的には約20〜30μmの厚さを有している。 本発明では、リボンが最大緩和応力を示す静止位でのプロセス後の自然な曲げ半径r aは、処理後の半径r2より大きい。 そのためには、リボン温度を十分な時間処理温度に上げて、増大した流れ及びリボン内の引張応力の存在による残留及び印加曲げ応力を除去しなければならない。 処理温度で合金内に発生する流れの連鎖の制御は、熱処理路に沿って前進するリボンに接触して回転しているローラーでリボンに課せられた一連の曲げ応力によって制御される。 処理中、リボンは、半径r1に曲げられ、次いで平らになり、再度同じ側に半径r2に曲げられるというように形状を逐次変化させる。 応力除去の一部は、ローラー1上で処理温度に達したときに起こる。 点5からコールドローラー2上の点6への走行路は、平らな形状で処理温度で行われ、加わった曲げのない(unbending)印加応力は除去される。 点6に達すると、小半径r2でローラー1と同じ曲げ側に課せられた再印加曲げ応力の応力除去作用は、第一の冷却段階の初期部分の最中、リボンの温度がまだ処理温度に近い間に起こる。 このようにして、リボンは、r2より大きい半径r a近くに曲がった場合、実質的に緩和された応力条件を取り戻す。 点8でローラーを出ると、第一冷却段階は終わり、リボン温度T out °は、処理温度より十分低く降下し、第二冷却段階での冷却をそれ以上著しく有害な応力除去を引き起こすことなく続けながら更なるリボンのハンドリングを可能にする。 合金の粘度は、アレニウスの法則に密接に従うことによって温度の逆数に従って増大するので、処理温度から数十度の降下で十分である。 第二段階の冷却は、リボンがマンドレルに巻き取られた時、又は好ましくはマンドレルに巻き取られる前に何らかの追加的冷却手段、例えば追加のコールドローラー、又はガスの冷却ジェットを用いて行うことができる。 処理後に得られる静止位での自然な曲げ半径r aは、リボンの厚さ及び送り速度、ローラー1及び2の温度、半径r1及びr2、接触角θ 1及びθ 2 、及び距離dの関数となる。 また、引張応力は、処理中、リボンの変位の間ずっと維持され、合金組成に応じてリボンの長手軸に沿って又はそれと直角に配向された磁気異方性を誘導する。 図1の装置で、容認できるアニール処理を維持しながら達成できる最高リボン送り速度は、ローラーとリボン間の熱伝達速度によって、リボンの厚さによって、接触領域の角距離(θ×r)によって、及びローラー温度によって制限される。 ローラーとリボン間の熱伝達速度は、二つの合わせ面間の接触面積に依存する。 二つの合わせ面の何らかの粗度特性のために接触面積は激減するが、これは印加される接触圧の影響を受ける。 接触面積は何らかの圧が印加されると改良される。 また高温での粘度低下も圧力下の接触面積を改良する。 さらに、接触面積は、低減された表面粗度を有するアモルファス合金リボンの場合も改良される。 示された装置では、接触圧は、ローラーを締め付けるために前進するリボンに印加された機械的引張応力によってかけられる。 この締付け力は、引張応力に比例し、ローラー半径に反比例する接触圧力を生み出す。 ローラー2の半径r2はローラー1の半径r1より小さいので、リボンは冷却時ローラー2上でより高い接触面積を有する。 また、ローラーと接触している間のリボンにおける温度変化速度は、図7aに示されているように、リボンとローラー表面間の温度ギャップが小さくなっていくので、負の指数関数的減衰:−e −x (リボンの加熱)、又は正の指数関数的減衰:e −x (リボンの冷却)に密接に従って進行する。 好ましくは、ローラー2の表面温度は、密接に従った正の指数関数的減衰(e −x )の初期部分で起こる高い温度降下速度の利益を得るために、処理温度よりはるかに低い。 同じアニール曲率を維持するための最大リボン送り速度は、温度T out °が点8で処理温度より十分低く降下しておらず、第二冷却段階での冷却をそれ以上著しく有害な応力除去を引き起こすことなく続けながら、更なるリボンのハンドリングを可能にする場合に到達する 。 この場合、熱処理は終了しておらず、第一冷却段階は、第一のコールドローラー2にごく近接した第二のコールドローラー2への接触によって続けられねばならない。 得られた最終曲線形は、熱処理に対するこの追加ローラーの影響を考慮することによって決まる。 好ましくは、本発明のアニールプロセスは、延性リボンを得るために、構造緩和を最小限にするために実施される。 アモルファス合金の瞬間粘度及び時間に伴う粘度増大速度の温度の逆数への依存は、T g °未満の温度の場合、アレニウスの法則に密接に従うと考えられている。 高温ではあるがまだT g °未満では、低減された粘度は応力に応答して流れの増大を起こす。 初期印加応力又は残留応力の場合、流れの効果は、時間と共に関連時定数と共に徐々に応力を除去する。 一定構造では(すなわち構造緩和がない)、この時定数は合金の逆数温度に指数関数的に比例する。 すなわち、温度が高いほど必要な応力除去時間は短くなる。 一定の印加応力があると一定の流れもある。 しかしながら、構造緩和も発生するので、合金の原子構造が平衡状態に向かって再配列するのに従って粘度は増大し続けるため、流れへの抵抗が増大する。 これは応力を除去するための時定数を伸ばすことになる(応力は、合金に構造変化があったために不可逆的となる)。 構造緩和の影響により、アモルファス合金標本に対してT g °未満の所定温度で突然印加された応力を応力除去するための必要時間は、標本が受けた熱履歴に応じて増大する。 本発明の好適な態様において、加熱時間、アニール時間、一連の処理形状及び冷却法は、構造変化がリボンのアニール時定数及び延性にいかに影響するかに基づいて実現されている。 熱処理は、残留応力及び一連の印加応力を適切に除去するのに必要な最小時間実施され、その時間は選択された処理温度及び処理中の構造状態の変化に関連する時定数に依存する。 この最小時間を超えることは不必要であるばかりか、過剰な構造緩和を起こさせて、リボンの延性に有害である。 印加応力を緩和するのに利用できる短い時定数は、処理温度に達した後、処理の初めに生じる。 従って、残留及び印加曲げ応力は、主に、図1で点5に達したときに除去される。 好ましくは、走行距離dは、更なる構造緩和を制限するためにローラー2をローラー1の非常に近くに置くことによって短く保つ。 好ましくは、ローラー2の半径r2の選択は、処理後、r1に近い曲率半径で曲げた場合に最大緩和応力を示す冷却合金リボンが得られるように決定される。 好ましくは、インラインアニールされたアモルファス合金リボンは、熱処理終了後もまだそのアモルファス状態にある。 しかしながら、別の態様において、熱処理温度及び時間は、合金の結晶化開始に到達させるために増大してもよい。 処理温度及び時間の選択は、合金が部分又は完全結晶化された状態で熱処理を終了するように設定することができる。 本発明のインラインアニール装置のそのような使用は、結晶化アニールを必要とするアモルファス合金に有益でありうる。 次に図2を参照すると、装置はさらに、好ましくは、供給リボンリール9と巻取りマンドレル53を含む。 リボンリールマンドレル及びその他のマンドレルはそれぞれモーターへのシャフトを介して連結されている。 動作時、一つのモーターはリボン速度を調整するために回転し、他のモーターはトルク制御モードにあって、前進するリボンの機械的引張応力を調節している。 ローラー1及び2は自由に回転し、駆動ベルトとして働くリボンによって駆動されている。 引張応力S1及びS2は同じである。 図1の装置で、所定のリボン送り速度におけるローラー1上での処理時間は接触角θ 1に比例し、ローラー2上での冷却時間は接触角θ 2に比例する。 次に図3a及び3bを参照すると、図1に示された装置の修正版が示されている。 これは、ホットローラー1又は2に平行してごく近接して回転する小型ガイドローラー10を加えることによってより広い接触角θ 1又はθ 2を提供している。 ガイドローラー10は、リボンの走行路内のリボンの入口点3の直後又は出口点7の直前のいずれかに配置できる。 どちらの装置も、リボン供給及び巻取りマンドレルは離れた場所に配置できる。 ガイドローラーの半径は好ましくはθ 1又はθ 2を最大化するために小さい。 図3a及び3bの修正装置を用いると、図1に示された装置の場合と同じ処理時間及び温度をホットローラー1上で維持しながら、リボン送り速度を増大できる。 図3bではθ 2も増大される。 応力除去作用は主にリボンが処理温度に近いときに起こるので、図7aに示されているように、リボンがT in °から加熱され始めて処理温度に到達するまでの間、何ら顕著な応力除去は起こらない。 点4で接触するときにリボン温度T in °が処理温度に近ければ、及び好ましくは、構造緩和が、その鋳放しの状態を特徴とするその初期構造条件と比べて顕著な進行をしていない状態であれば、全角距離(θ 1 ×r1)を応力緩和に使用できる。 このようにして、所定のリボン送り速度及びローラー温度におけるローラー1上での処理時間はさらに増大することができる。 別の好適な態様において、リボンの加熱は、リボンを一連の処理形状に付する前に実施される。 確かに構造緩和は始まるが、本発明における加熱時間は処理時間と同程度で、構造緩和の進行速度は温度に従って指数関数的に増大すること、及び加熱されている間温度は上昇モードにあることを考慮すると、リボンがホットローラー1と接触する直前に上昇温度が処理温度に近づけば、何ら顕著な構造緩和は起こらないであろう。 次に図4aを参照すると、図1の装置の修正版が示されている。 ここでは、半径r3を有し、ローラー1に平行してごく近接して回転する第二のホットローラー11が追加されている。 リボンの走行路は、その路にホットローラー11を加えるために変更されている。 ローラー1と点4で接触する前に、リボンは点12でローラー11の熱表面と静的接触をする。 そこでもホットローラーの半径r3に曲げられるほか、高い温度上昇速度で加熱され始める。 リボンは、所定の回転角θ 3の間、ホットローラー表面と接触を続ける。 回転しているホットローラー11の表面と一緒に移動している間、リボン温度はホットローラー11の温度以下の温度に上昇する。 点13でホットリボンはホットローラー11との接触を断ち、平らな形状でホットローラー1の点4に進み、図1に記載されているのと同じ経路に従う。 得られた温度プロフィールを図7bに示す。 好ましくは、ローラー11と接触して回転している間、リボン温度は常に上昇モードである。 さらに好ましくは、点13でローラー11との接触を断つとき、リボン温度は実質的に処理温度に達している。 次に、ホットローラー1の熱源又は放熱を調整して、入ってくるリボンを、全回転角θ 1にわたって接触している間処理温度に維持する。 また、ホットローラー11は、ローラー11とローラー1間で平らな形状となる点13と4間の走行路長を最小限にするために、ローラー1にごく近接して配置される。 ローラー11の表面温度、外半径r3及び接触角θ 3の選択は、点4に到達する前に構造緩和の進行を制限するために、温度上昇時間を削減するために最適化される。 温度上昇時間の削減は、リボン温度が密接に従う負の指数関数的減衰(−e −x )の初期部分の高い温度上昇速度の利益を得るために、ローラー11の温度を処理温度より高く設定し、リボンが、その温度が処理温度に近くなってからローラー11を出るようにすることによって可能である。 さらに、リボンの厚みにおける何らかの緩やかな漸進的変化は、ローラー11上での温度上昇速度、従って離脱点でのリボン温度に影響を及ぼすので、ローラー11の温度を補正することによって補うことができる。 そのような厚みの変化は、入ってくる予熱リボン上の処理温度を維持するために、ローラー1に供給される電力をモニターすることによって容易に検出できる。 温度上昇時間をさらに削減するための別の方法は、より小さい外半径を有する2個以上のホットローラー11を使用し、それらを隣り合わせて平行に配置して、一つのローラーから別のローラーへと蛇行する路をたどるリボンを予熱することである。 複数の小型ホットローラーの周囲を蛇行するリボンは、リボンの両面から交互に、そしてより迅速に所定の引張応力で加熱される(ローラー上での加圧接触はその外半径に対して反比例式に増大するので)。 リボンの両面から交互に加熱することは、片面だけからの加熱と比べて、厚みの中の勾配温度も削減するので、リボンの厚み全体のより均一な温度増加速度を提供する。 同等のリボン温度上昇速度で、小型ローラーはリボンの引張応力を削減するために使用できるので、処理中の破断のリスクを低減する。 図4bでは、図4aのホットローラー11は、半径r3a及びr3bの2個の小型ローラー11a及び11bに置き換えられている。 この修正装置を用いると、両ローラー11a及び11bの角距離の合計(θ 3a ×r3a+θ 3b ×r3b)は、図7bに示されているようにリボン温度がより迅速に上昇するので、同等のリボン引張応力の場合、図4aの角距離(θ 3 ×r3)より小さくできる。 従って、点4に達する前に構造緩和の進行をさらに制限できる。 本発明では、リボンの両面の一方(又は交互に各面)と熱伝導性ローラーの重要な外周部分沿いとの間の直接静的接触によるアモルファス合金リボンの加熱及び冷却操作は、合金の熱膨張又は収縮を考慮に入れねばならない。 温度変化を受けると、合金はその温度上昇中は膨張しようとし、その温度降下中は収縮しようとする。 この現象は、リボンが滑るのを防止しているローラー表面とリボンとの定着接点(anchoring contact point)で集中的な表面剪断応力を生み出す。 インラインアニールプロセスの加熱段階中、リボンが温度上昇に伴って膨張しようとするにつれて合金粘度は低下するので、現れる表面剪断応力は、増大する流れで緩和される。 従って、リボンの加熱中は何ら重大な表面剪断応力は蓄積しない。 しかしながら、これはコールドローラーを使用する冷却段階では別の話になる。 温度が降下するにつれてリボンは収縮しようとし、その粘度も急速に増大する。 これは、増大する集中的な表面剪断応力を導入し、それが原因で定着接点の破綻を招きかねず、従ってコールドローラー表面の摩損を起こす。 本発明では、この摩損問題は、図5に示すように、リボン温度の降下中、リボンを複数のコールドローラーの一連の小さい角距離(θ×r)上を通って蛇行させることにより著しく減弱できる。 複数のコールドローラーの飛越しは、摩損が深刻な問題になっているローラー上の点にそれらが至る前に、蓄積されつつある集中的剪断応力をそれぞれの飛越しでゼロにする。 コールドローラーが第二冷却段階で使用される場合、それらの数及びそれぞれの角距離(θ×r)は、図7cに示されているように、各ローラー上での最大許容温度降下ΔT°及びリボンがマンドレルに巻き取られる最終温度T F °に従って選択すればよい。 図1〜5のコールドローラー2に関しては、点8でローラーを出るときのリボン温度T out °が処理温度より十分低く降下し、それ以上著しく有害な応力除去を引き起こすことなく冷却を続けながら更なるリボンのハンドリングを可能にするまで、角距離(θ 2 ×r2)を最小化するのが好ましい。 そうしなければ、回避可能な摩損が、その点よりさらに低く降下すると発生することになろう。 また、蓄積する集中的表面剪断応力を繰り返しゼロにすることは、処理後リボンの磁気特性の劣化に寄与する残留応力の導入も減弱する。 次に図6aを参照すると、図1に示された装置の修正版が示されている。 これは、プログラム可能な半径r aで処理後最大応力除去を示すアモルファス合金リボンのインラインアニールに使用される。 処理温度で合金内に発生する流れの連鎖の制御は、熱処理路に沿って前進するリボンに接触して回転している追加のローラー上でリボンをさらに曲げることによって修正される。 装置はさらに、所定の半径r4を有し、点5と点6間のどこかでリボンに接触し、ローラー1及び2に平行なローラー14を含む。 ローラー1からローラー2へ進む間、リボンはローラー14上の接触角θ 4で逆側に曲がり、ローラー1での処理の曲げ側と反対の曲げ応力を除去する。 リボンの厚さ及び送り速度に応じて、ローラーの半径r1、r2及びr4、ローラー1、2及び14の温度、及びカバー角θ 1 、θ 2 、θ 4の選択は、処理後r2より大きい半径r aで曲げられたときに最大緩和応力を示す冷却合金リボンが得られるように決定される。 半径r aは、ローラー14をリボンに対して垂直に動かすか、又はローラー2をローラー14の周りに動かして接触角θ 4を増大又は減少させることによってプログラムすることができる。 このようにして、アモルファス合金リボンは、環状コアを形成するために巻き付けられた場合、増大していく曲げ半径に適合するように、材料の前進及び接触角θ 4の増大につれて次第に増大する半径r aになるようにインラインアニールすることができる。 次に図6bを参照すると、平面形状のアモルファス合金リボンをインラインアニールするために使用される本発明の装置が示されている。 この装置は図6aに示された装置と類似しているが、無限半径r aのリボンをインラインアニールするように構成されている。 ローラー1は主に、図4aのローラー11で説明したのと類似の様式でリボンを加熱する働きをする。 リボンは、点5及び処理温度でホットローラー1との接触を断つと、高速で平面形状で所定距離を前進した後、点15でローラー14と接触する。 この場合、所望の応力除去は、処理温度で平面形状でローラー14に向かって走行している間に起こる。 平面形状での処理時間は、所定のリボン送り速度で点5から点15までのリボン走行距離の関数となる。 所要の平面形状での処理時間は、点5から点15に走行する間の温度減衰時定数に対して非常に短いので、点15に到達したときに何ら重大な温度降下は起きていない。 リボンの平面処理ゾーンは温度を維持するために炉内に配置されていてもよいが、本発明ではこれは不要である。 ホットリボンがローラー14に接触すると、加えられた曲げ応力は除去される。 次に、加えられ除去された曲げ応力は、コールドローラー2上での初期冷却で逆側に曲げられると戻る。 好ましくは、ローラー14とローラー2はごく近接している。 リボンの厚さ及び送り速度に応じて、半径r2及びr4、ローラー2及び14の温度、カバー角θ 2及びθ 4 、及び点13と15間の走行距離の選択は、平面形状で最大緩和応力を示す冷却合金リボンが得られるように決定される。 図1〜6に示された本発明の装置は、鉄基Metglas2605SA1及び2605HB1のようなアモルファス合金リボンを、印加引張応力下、アニール後の脆性は限定的であるか又は獲得せずに標準大気中でインラインアニールするのに最もよく適している。 アモルファス合金リボン2605SA1及び2605HB1の磁気特性は、本発明の装置を用いて高速でインラインアニールされた後非常に改良された。 アニール後巻取り環状コアの磁気性能は、従来の磁場炉アニール法を用いて加工された環状コアと比べて遜色がない。 次に図9〜13を参照すると、ホットローラーの詳細な構造が示されている。 ホットローラーは、中心軸13の周りを一緒に回転する内部熱源リング16と外被熱拡散リング17を含む。 外被リング17は銅などの良好な熱伝導性材料でできており、所定の厚さe 2を有する。 銅の場合がそうであるが、選択された材料が高温で重度の酸化を受けやすい場合、最終的に機械的劣化を招くので、その露出表面をニッケルなどの実質的なステンレス特性を有する薄い金属膜17aでメッキして、その表面を重度の酸化から保護することができる。 内部リング16は、電気抵抗導体材料でできている。 内部リング16の電気抵抗導体の性質は、循環電流のジュール効果によって熱を発生する手段としての働きをする。 リング16は、熱拡散器を下から加熱するのに燃焼炎が使用されるような場合、省略できる。 リング16では、そのような発熱は、電気的自己発熱エレメントであるリング16によって生成される。 リング16は、リング回転軸13沿いのどこかに配置されている一対のスライド接触を通じてリング外の電源流に接続された2個の導電体を備えている。 好ましくは、内部リング16は、ステンレススチールなどの電気抵抗導体材料でできており、所定の厚さe 1を有する。 内部リング16から外被リング17への効率的な熱伝達を提供するために、好ましくは、外被リング17は溶接されるか又は電気メッキ法を用いてリング16上に積層され、リング17の外表面はその後機械加工される。 熱は、電気誘導された内部AC電流(リング内でループを形成している)によって発生させることもできる。 電流ループは、誘導加熱アンテナ18を用いて発生された高周波変動磁場によって誘導され、リング16によって定められた環状路に従ってループを形成している。 誘導加熱アンテナ18は本質的に絶縁銅管製で、円筒状に巻き付けられ、整列され、中央に配置され、リング16の空洞部分内に固定されている。 またエアギャップ18aによって隔てられてもいる。 冷却剤がアンテナ銅管内を流れられるようにしてあり、コイル誘導ジュール損を除去している。 好ましくは、リング16の厚さe 1は、アンテナ電源周波数での誘導AC電流の表皮厚(skin depth)より大きい。 銅外被の厚さe 2は、加熱された内部リング16から外被リング17に接触しているリボンへの均一な熱の分配と伝達を確実にするための熱拡散器として働くのに十分な厚さであるように選ばれる。 この2リングアセンブリ(two-ring assembly)19は、リボン厚と比較した場合にはるかに大きい厚さを有し、回転しているローラー表面に接触して移動しているリボンを加熱する際に、その熱慣性とともに、外周全体の温度をならすための熱バッファ貯蔵庫としての役割を果たす。 2リングアセンブリ19は少なくともリボン幅と同じ幅である。 回転している2リングアセンブリを支持するために、e 3の厚さを有する伸長薄肉管壁20が内部リング16の両側から突き出している。 管壁20は、好ましくは、ステンレススチールなどの不良熱伝導材料からできており、壁厚e 3は、管壁の両先端部への熱放散を制限するために十分薄く作るが、ローラー回転中の同心性を維持するために、ローラー表面上で張力下にあるリボンによって行使される牽引力を支持するに足るほど厚く作る。 管壁の両先端はそれぞれ、保持フランジ22を受容するためにより厚い壁21を有する。 管壁20の材料が好ましい場合のようにステンレススチール製である場合、誘導電流ループは内部リング16の両側を越えて伸びる。 この副作用は、管壁内に寄生熱(parasitic heat)を生じることになる。 そこで、管壁20に、軸方向に周期的に間隔をあけたスロット23を設ける。 ステンレススチールリング16の両側の縁から環状路ループを断ち切るのに十分な長さでスロットを付けて、誘導電流が2リングアセンブリ19の近傍内を流れるようにする。 さらに、これらのスロットは、2リングアセンブリの両側を把持するための指状支持手段にもなる。 また、2リングアセンブリ19の半径方向熱膨張に対応するために、回転軸に対してそれを同心に維持しつつ、半径方向に曲がることができる。 図12及び13に示されているように、各サイドフランジ22は中空シャフト24を含み、シャフト24は壁27の開口部に挿入されたベアリング25上に支持されている。 逆バージョンでは、開口部26がフランジ22の方にあり、シャフト24が壁27に嵌め込まれているというのでもよい。 2リングアセンブリ19と管壁20の軸方向熱膨張を可能にするために、フランジ22とベアリング25間のシャフト24上にバネ28を挿入し、シャフトとベアリングが互いの上をスライドできるようにする。 誘導加熱アンテナ18は、その中心空洞部に支持手段29によって支持されている。 支持手段29は、シャフト24の中空部分を自由に通り抜けるシャフト30に取り付けられており、支持構造壁27上に固定されたプレート31によってローラーの外側から保持されるようにしてある。 誘導加熱アンテナ18の二つの絶縁銅管端18b及び18cは、反対側の中空シャフト24を通って自由に伸びて、HF電気AC電源に達する。 従って、ホットローラーは両方の支持ベアリング上で回転できる一方で、誘導加熱アンテナ18はホットローラーによる物理的妨害なしに固定された状態である。 次に図14を参照すると、コールドローラーの詳細構造の断面図が示されている。 コールドローラーは、e 4の厚さを有し、サイドフランジ33に支持された熱伝導リング32を含む。 熱伝導リング32とフランジ33の間の接合部には封止具34が設けられている。 コールドローラーは、外側シリンダー表面36を有する内側部35も含む。 これは、熱伝導リング32の中空部分内の中心に置かれ、熱伝導リングからは小間隙によって隔てられている。 内側部35は、二つのサイドフランジ33によって取付け手段で保持されている。 サイドフランジ33は、それぞれ、ベアリング37の外側回転部を挿入及び保持するための中央陥凹部を備えている。 サイドフランジ33は、フランジの中心から突き出した管先端(tube tip)38も含み、冷却剤の通過を可能にしている。 少なくとも一つの開パスリンク(opened path link)39が内側部35の両端部内に設けられ、冷却剤が管先端から流入して間隙に到達できるようになっている。 従って、二つの管先端38の一つから流入する冷却剤は、間隙を通って熱伝導リング32の内表面と接触しながら案内され、熱交換をする。 冷却剤はその後、反対側のフランジ位置にある他方の管先端から出て行く。 コールドローラーアセンブリは、壁構造に固定された2本の中空シャフト40上のベアリング37の内側回転部によって支持されている。 管先端38は、スライドシール41によってシャフト内壁から離されたシャフト40の中空部分で回転する。 好ましくは冷却液は水である。 より高いリボン冷却速度は、グリコールのような氷点下温度の流体を用いて得ることができる。 図14のコールドローラーでは、リボンの温度降下は、その端部の一つの側でより迅速である。 というのは、冷却剤が熱伝導リング32の下を一つの側から他方の側に流れている間に熱くなるからである。 次に図15aと15bを参照すると、流入する冷却剤を熱伝導リング32の下に均一に分配するコールドローラーの修正版が示されている。 中心部36は、スペーサー43及び43aによって間隔をあけた薄いディスクセパレーター42の積層物によって置換されている。 ディスクセパレーター42の直径は、小間隙44を創出するために熱伝導リング32の内径よりもわずかに小さい。 スペーサー43及び43aは、ディスク42よりも小さい直径を有していて、間隙44からの冷却剤の分配及び回収のための間隙45を創り出している。 二つの系統の平行に配列された開口部46及び47は、積層配列物(stacked arrangement)の中心部を貫通し、各スペーサーは、対応する間隙45と二つの平行開口部の一つとの間に横断開口部48を積層物の一つおきに有している。 平行及び横断開口部46、47及び48は次に二つのマニホールドを形成する。 一つは取入れ用、もう一つは取出し用である。 二つのスペーサー43aはそれぞれ、積層配列物の両端に位置し、各管先端38を対応するマニホールドに接続している。 これにより、一つの管先端38から流入する冷却剤が、取出し用マニホールドを経て二つの間隙45のうちの一つに分配され、熱伝導リング32の内壁に到達することが可能となる。 次に、冷却剤は小間隙44及び対応する間隙45を経て取入れ用マニホールドに戻り、ローラーの他端の管先端からローラーを出る。 リールから巻き出されたリボンを加工する場合、供給リールの歪み(そり)などの何らかの要因のために、リボンは多少横方向の不安定性を伴って走行することがある。 リボンが、本発明のホットローラー上で求められているように、必ずローラーの正確な位置を通過しなければならない場合、リボンの軌跡を固定するための機構を使用する必要がある。 好ましくは、本発明はさらに、リボンをガイドローラー上の正確な位置に送るための装置を含む。 図16を参照すると、軸118を中心に回転し、二つの案内サイドフランジ116を備えたピボットローラー115が示されている。 サイドフランジ116はそれぞれ傾斜し、リボン幅よりほんのわずかに大きい距離によって隔てられている。 ローラー115は、その外周面に対して接線方向で、フランジ116間の中点に位置する自在(スイベル)軸117も有している。 リボンは、ローラー表面上を所定の角度αにわたってスイベル軸との接点(tangential point)(リボンが出て行く所)まで案内される。 走行軌跡は、ローラー上のリボンの入口点が出口点に対して180度の場合、最も良く補正される。 図16に示されているように観察者の視点からローラーを左から見ると、多少横方向の不安定性を伴って入ってくるリボン(例えば:リボン軸は位置in1、in2、in3と、あちこちに変動している)は、ローラーのフランジをその端で押すことによってローラーをスイベルさせる結果、入口点が入ってくるリボン軸と絶えず位置合わせされ、出て行くリボンは常に同じ軸上でローラーを出る(out1、out2及びout3はともに位置合わせされている)。 スイベルガイドローラーの半径は、リボン幅及び側方不安定性の大きさとの関連で選択される。 ローラーの直径が大きいほうが、同じ横方向不安定性を補正するためのスイベルは少なくなる。 ローラーがスイベルすると、リボンの出入り部分はそれらの軸上で多少捻れる。 従って、スイベルローラーは、図17に示されているように、リボンがローラーに接近又はローラーから出て行くときにリボンがわずかに捻れるための多少の自由空間を可能にするために、他のガイドローラーから多少の距離を取って配置しなければならない。 引張応力を加えながら高速の送り速度でリボンを加工する場合、図2に示されているような巻出し供給リールのトルク及び巻取りマンドレルのトルクを制御することによって前記引張応力を制御しようとするのは、次の理由から不都合である。 すなわち、大量の巻取り材料は高い慣性を有する;マンドレル上に緩く巻き取られたリボンは、引張応力をかけて巻き出すと突然滑るかもしれない;巻き取られたリボンに蓄積する半径方向の締付け力を制限するために、処理で必要とされるより低い引張応力でリボンを巻き取るのが望ましいであろう;などの理由である。 好ましくは、本発明は、リボンを牽引 (drag)するため及び前進するリボンの機械的引張応力をその走行路の通過点で変化させるための装置を含む。 牽引及び張力システムは、相互に接触している二つの表面間の静止摩擦を利用する。 滑ることなく表面上に置かれた物体に印加できる最大印加力F sの、表面上の物体に働く垂直抗力F nに対する比は静止摩擦係数μ sである。 印加力がF sより小さい限り、物体は動かない。 F s =μ s ×F n F out =F in e μsφ 静止摩擦的キャプスタン駆動は、リボンを高走行速度で牽引するために、その速度を制御するため又は機械的印加引張応力を増大もしくは削減するために本発明で使用される。 牽引装置は次のことを可能にする。 1. スムーズな引張応力の遷移。 4. リボン送り速度の正確な制御。 2. リボン幅に沿った印加引張応力の均一な分配 3. 印加引張応力の大きさの正確な制御 4. リボン送り速度の正確な制御 5. 所望の印加引張力の大きさは静止摩擦係数と無関係 図19a/19b及び20a/20bは、所定の引張応力を有する前進アモルファス合金リボン上に引張応力を加える又は引くのに使用される静止摩擦キャプスタン駆動の例を示す。 キャプスタンホイールはアルミニウム製であり、その外周面は静止摩擦係数を増大するためにゴムで被覆されている。 2個のローラーをキャプスタンホイールの外周面付近に並べて配置し、ホイール表面に出入りするリボンを案内する。 図21を参照すると、入口引張応力S INを有する進入リボンと出口引張応力S OUTを有する退出リボンの間で機械的引張応力S Cを印加するための静的キャプスタンリボン駆動装置が示されている。 装置は、2個のキャプスタン静止摩擦駆動ホイール110を含み、各々一対のガイドローラー112を備えている。 好ましくは、各キャプスタンホイールの外周表面は、シリコンゴムのような高摩擦係数材料で被覆されている。 進入リボンは、ガイドローラー112に案内されて、可能な最大カバー角にわたって各キャプスタンホイール110に巻き付く。 各キャプスタンホイールはモーターのシャフトに搭載されている。 S Cを制御するために、シャフトのトルクTrq1を調整してホイールの半径rでの接線力を作り出すようにする。 これが入口引張応力S INを持って進入してくるリボンに追加され、リボンがキャプスタンホイールを出た後、所望の引張応力S Cが得られる。 引張応力は、シャフトのトルクをTrq2に調整された第二のキャプスタンホイールを通過することによって、出口値S OUTに再度変化する。 例えば、2個のキャプスタンホイール間でリボンの引張応力を増大するためには、正の反時計回りのTrq 2と時計回りのトルクTrq 1が必要である。 高速で走行するリボンの場合、図22に示されているような複数のキャプスタンホイールが使用される。 リボンはホイールの周りの蛇行路を走行し、各ホイールは、引張応力を一連の小ステップで加えるために、合計トルクTrq1の分数Trq1(a〜d)によって駆動されている。 引張応力を減少させるために複数のキャプスタンホイールを使用する必要はない。 リボンは引張応力の突然の減少に容易に耐えられるからである。 図1〜6に戻って参照すると、インラインアニール装置に含まれるどのローラーも、案内リボン上の引張応力を増減するために、モーターに直接又はドライブベルトを介して連結されたシャフトを備えることができる。 アモルファス合金リボンの高温で低減された粘度は、それが接触しているローラー表面との摩擦係数を著しく増大することがわかっている。 従って、リボン内の引張応力は、合金のアニール特性及び磁気特性を改良するために、ローラー1、2、11又は14にトルクを印加することによって処理経路に沿って変化させることができる。 図23に、リール136から巻き出され、その後マンドレル135に巻き取られる強磁性合金リボンを連続インラインアニールするための装置を開示する。 装置は、2個のテンショナーローラー130;進入するリボンの側方の位置直しをするための装置131;移動する薄リボンのための第一の牽引及び張力システム132;前進するリボンをインラインアニールするための装置133;移動する薄リボンのための第二の牽引及び張力システム134;及び巻取りマンドレル135を含む。 テンショナーローラー130は、大型リボンロールからの巻出し又は巻取りをされるリボンの張力に対する容易な制御を提供するため、当該技術分野では一般的に使用されている。 好ましくは、装置内のリボンの送り速度は、牽引及び張力システム134のキャプスタンホイール回転速度を制御することによって制御される。 好ましくは、図23のインラインアニールプロセスは、処理プロセス入口でのリボンの途切れない前進と、処理を終えて出て行くリボンの巻取りマンドレルへの連続巻取りを提供するための自動リボン切換装置を含む。 リボンの連続的な前送りは、回転している新しいリボンリールを空になるリールの近くに持ってきて、立ち上げ、新リールのリボン端を空になるリールを出て行くリボンの後端に溶接することによって提供できる。 処理を終えて出て行くリボンの連続的な巻取りは、回転している新しいマンドレルを一杯になるマンドレルの近くに持ってきて、リボンをカットし、入って来るリボン端を新しいマンドレルに固定し、一杯になったマンドレルを移動させることによって提供できる。 図23の上記インラインアニールプロセスに従って、1インチ幅のアモルファス合金リボンを一定のリボン送り速度で加工するためのプロトタイプを構築した。 次に図24を参照すると、インラインアニール設備133の詳細構成が示されている。 該設備は、e 1及びe 2が100ミルで、e 3が25ミルの壁厚を用いて製造された2個の同一ホットローラー1及び11を含む。 熱源の2リングアセンブリ19は1.10インチ幅で、ローラーの外半径は3 1/4インチである。 スロット付きウォール20は、2リングアセンブリ19の両側に数インチの長さで、フランジ及びベアリング上に支持されている。 図11、12及び13は、本発明に従って製造されたホットローラーの縮尺斜視図及び断面図である。 両ホットローラーは、加熱時に1/32インチ未満の間隙によって隔てられるように配置されている。 各ホットローラーは、HF電源に接続された誘導アンテナを含む。 それぞれ80kHz及び150kHzで運転され、近接アンテナ間の磁気結合干渉(magnetic coupling interference)を回避している。 リボン加熱ローラーとして働いているホットローラー11は、予熱が所望されない場合、ただその対応HF電源を切るだけで無効にすることもできる。 その場合は単にガイドローラーとして使用される。 設備は2個のコールドローラー2及び51も含む。 コールドローラー2は5/8インチの半径を有し、第一段階の冷却に使用される。 コールドローラー51は3インチの半径を有し、温度を水温方向又は水温の上に持って行くための第二段階の冷却に使用される。 ローラー51を出たリボンはマンドレルに巻き取られ、そこで徐々に通常の室温に戻る。 両ローラーにはセ氏20度の冷却水が供給された。 リボンがローラー1及び2の周りを蛇行する際、ホットローラー1上の接触角θ 1は210度に近く、コールドローラー2上のθ 2は120度に近い。 第一の赤外線高温計49を設置して、ローラー1を出た直後のリボン温度を測定した。 第二の赤外線高温計50も設置して、予熱ローラー11の外表面上の温度を測定した。 高温計はコンピューターに接続され、コンピューターは各高温計で所望の温度を読み取るためにアンテナの各入力電源を調整するためのコントローラーとして使用された。 ローラー11での予熱が起動されたら、ローラー温度及び接触角θ 3を、ローラー11周囲でガイドローラー11を移動することにより、出口点13に達する数角度手前で上昇温度が処理温度に達するまで調整した。 次に、処理温度をホットローラー1上で維持した。 図24の処理設備は、処理後、3 1/4インチに近い静止位での自然な曲げ半径を有する曲線状の鉄基アモルファスリボンをインラインアニールするためのものである。 そのような曲げ半径は、米国特許第5,566,443号に開示されているような25kVAの配電変圧器の環状コアに見られる平均的な曲げ半径に近い。 リボンは、数MPaの引張応力でソースリールから巻き出され、様々な送り速度で4個のキャプスタンホイール駆動の周りを蛇行しながら前進してリボンの引張応力をS1に増大させた後、処理を通過し、同じ引張応力S2=S1で処理を出た後、1個のキャプスタンホイール駆動を通過してリボンの引張応力を数MPaに削減した後、マンドレルに巻き取られた。 すべてのソースリールマンドレル、巻取りマンドレル及びキャプスタンホイールは、駆動システム及びメインコンピューターによって制御されたモーターに接続されていた。 モーター及び駆動部を含む全設備(HF電源及びコンピューター以外)は、4フィート×8フィートの台に搭載された。 これは本発明の装置のコンパクトさを示すものである。 図7a及び7bに、設備内の走行路を移動する間にリボンが受けた二つのおよその温度プロフィールを示す。 図7aではローラー11上での予熱が実施されていない。 リボンは、ホットローラー1上だけで加熱と処理をされている。 所定のリボン引張応力の場合、加熱上昇時間はリボンの送り速度に無関係である。 従って、高い送り速度では、リボンがホットローラー1の表面に沿って回転する時間が短くなるので(増大する送り速度のため)、加熱温度上昇時間のほうが主流になり始め、従ってローラー1上で処理時間として働く時間が少ししか残らない。 リボンは、ローラー1上での処理効率が劇的に悪化する上限の送り速度を有することになろう。 図7bでは、追加された予熱ローラー11が、リボンがホットローラー1の表面に沿って回転する時間から加熱時間を取り除くので、今度はホットローラー1は専ら処理のためだけに役割を果たす。 この設備は、ローラー2上での初期冷却が熱処理を終えるのに十分であれば、図7aの状況と同一のローラー1上での処理時間の場合、リボン送り速度の限界を押し上げることになる。 本装置を用いて、日立金属社供給のアモルファス合金リボンMetglas 2605SA1及び2605HB1に対し、一連の処理を、25〜200MPaの範囲の異なる印加引張応力(S1=S2)、及び400℃より高い異なる処理温度、及び1〜5m/秒の範囲の送り速度で実施した。 1m/秒の場合、熱処理は構築装置で1秒未満続いた。 5m/秒の場合、熱処理は10分の1秒未満続いた。 処理中、リボンには容認可能な磁気特性の改良を提供する最小の引張応力をかけるのが望ましい。 それ以上の引張応力の増大はリボン破断のリスクが増大するだけである。 25MPaの引張応力でスタートした加熱温度上昇速度は、上記直径のホットローラー上で10 3 ℃/秒より大きく、約75〜125MPaでは10 4 ℃/秒より上であることがわかった。 従って、薄リボンのホットローラーへの加圧静的接触の高い熱伝達能力が示された。 第一の冷却段階に関して、温度降下速度は、コールドローラー2上で10 4 ℃/秒より大きく、10 5 ℃/秒に近いことがわかった。 処理後、静止位での自然曲げ半径を測定した。 次に、約1kgの処理材料を、2.9インチの外半径を有するステンレススチールハブ上に選択された引張応力で巻いた。 その量の巻付け材料で、最終的な環状コアは約3 1/4インチの平均半径を有していた。 これは図24の装置のローラー1の半径に近い。 次に、この巻き付けたリボンを環状シェルに入れ、2本の銅線をシェルに巻き付けて駆動コイル及び検知コイルを形成した。 シェルは、外側からコアに何らかの応力がかかるのを防止するためのコイルの支持フレームとしての役割を果たしていた。 次に駆動及び検知コイルを、コイル巻き強磁性コアの磁気特性を特徴付けするために機能するWalker Scientific社のAMH−25機器に接続した。 測定を実施する前に、環状コアの正味断面積及び平均路長、駆動及び検知コイルの各巻数及び材料密度に関連するパラメーターを機器のソフトウェアに入力した。 次いで、サンプルを周波数60Hzで正弦磁気誘導波形で磁化した。 記録されたヒステリシスループから以下のパラメーターが算出された。 すなわち材料のコアロス;励磁電力;及びピーク磁場(すべて特定の磁気誘導レベル)。 B 80及びB 80 /B sat比も記録された。 アモルファス合金への熱処理の著しい効果が425℃より高い処理温度で観察された。 Metglas 2605SA1材料の場合、良好な結果は処理温度425℃より上、さらに好ましくは450℃より上、さらに好ましくは約480℃で得られ、リボンの送り速度と共に増大した。 この温度を越えて結晶化開始に達するまで及び対応する送り速度では、合金の磁気特性に更なる顕著な改良は提供しなかった。 むしろ構造緩和を不必要に長引かせ、リボンの延性に有害であった。 効率的な誘導磁気異方性は、25〜200MPa、好ましくは75〜125MPaの引張応力で得られた。 Metglas 2605HB1材料の場合、効率的な誘導磁気異方性は、25〜200MPa、好ましくは50〜100MPaの引張応力で得られた。 低コアロスが処理温度400℃より上、さらに好ましくは425℃より上、さらに好ましくは約455℃で得られた。 この温度を越えて結晶化開始に達するまで及び対応する送り速度では、合金の磁気特性に更なる顕著な改良は提供しなかった。 むしろ構造緩和を不必要に長引かせ、リボンの延性に有害であった。 また、処理温度と共にリボン送り速度が増大するに従ってコアロスは低下傾向で、より高く短時間の処理温度の利益も示された。 両方の合金とも結晶化開始に達すると、結晶化の程度は、結晶化開始温度より高い調整された処理温度に依存したので、本発明の処理プロセスをアモルファス合金リボンの結晶化の開始及び結晶化の程度の制御に使用することも可能である。 実施された一連の処理から抽出された以下の実施例は、2605SA1及び2605HB1のようなアモルファス合金リボンの磁気特性を改良するための本発明の利益を示している。 実施例1: 上に開示された実施例は、アニール後巻取りコアを製造するのに使用できる処理後状態で鉄基アモルファスをインラインアニールするための本発明の方法及び装置の効率を示すものである。 該コアは、従来の磁場炉アニールコアと比べて少ないコアロス;低励磁電力;約1.3テスラより大きいB 80 ;及び0.80より大きいB 80 /B satを有する。 2605HB1合金はさらに良好なB 80 /B sat比を有し、それは0.90より大きい。 分かるように、最適処理温度は、等価のリボン送り速度で2605SA1と2605HB1の場合で異なる。 この差は合金組成に関連している。 従って、本発明における処理温度の最適設定は合金組成に依存する。 上に示した例は試験台で実施されたもので、そこではリボンの送り速度が、ホットローラー及びコールドローラーの幾何学的形状によってというより、幾つかのその機械的及び電気的要素によって制限された。 本発明のコールドローラー2で得られた高い冷却速度を用いると、必要に応じて第二のホットローラー11及び第二のコールドローラー51を追加することにより、上記試験台で最大20m/秒の送り速度でのリボンのインラインアニールが期待される。 また、より大きい環状コア用のリボンをインラインアニールするための装置は、スケールアップされたローラーを必要とする。 アニール処理は主に温度と時間の関数なので、スケールアップされた設計は、リボン送り速度の比例的な増大を可能にする。 例えば、図24に示されているのと類似の設備を用いて、2倍の最終半径を有する曲線状のリボンをインラインアニールした場合、リボンの送り速度は40m/秒もの高さに上げることができる。 従って、本発明の装置は、曲線状のアモルファス合金リボンを大量にインラインアニールするのに効率的に使用できる。 アモルファス合金を製造するための鋳造プロセスは30m/秒に近い速度で実施されるので、インラインアニールユニットを鋳造ラインの出力部に追加することも予見できるであろう。 本発明において、リボンは、構造緩和の進行を制限するインパルス熱処理を用い、高い送り速度で連続的にインラインアニールされる。 従って、従来の磁場炉アニールと比べてリボンの脆性に異なる影響を有する。 本発明の装置を用いて連続インラインアニールされたリボンの場合、リボンが処理を出た後、マンドレルに材料を巻き付けるためにハンドリング可能でなくてはならない。 また、一杯になったマンドレルから新しいマンドレルへの容易なリボンの巻取りの切換えが可能となるように、又はリボンを連続的に巻き付けてコアを連続して形成するために、切断可能であることも必要である。 鉄基アモルファス合金リボンのアニール処理後の延性の何らかの喪失は、リボン破断事象の可能性を増大する。 これは、アニールリボンのリール又はコアの生産における収率を低下させ、コスト増大の原因となるであろう 。 この収率は、リボンが相当量の印加引張応力下で動いているとさらに低下する。 アモルファス鉄基合金リボンは、炉でアニールされると通常脆くなるが、本発明の装置でアニールされたものは良好な延性特性を示す。 本発明の装置でアニールされたリボンの延性の程度を最も良く定性分析するために、三つの方法が使用される。 延性はまず、曲げ破断歪み試験(bending fracture strain test)を実施することによって評価される。 リボンを2枚の平行プレートの間で徐々に圧迫することによって180度にわたって曲げ、リボン層に目に見える突然の破断が発生したギャップ距離(リボンの曲げ直径)を測定する。 曲げ破断歪みは、ε fで表され、ε f =t/(D−t){tはリボン厚、Dは破断リボンの曲げ直径}である。 延性の追加的指標として、曲げ半径で発生した破断の種類も考慮しなければならない。 破断は、軸方向の曲げ長さに沿ったどこかに現れる局所的破断の発生のことも、又は突然のリボンの完全破断の発生のこともある。 同じ破断曲げ直径の場合、完全に破断するリボンの方が部分的に破断するのよりも脆いと見なされる。 曲げ側も曲げ破断歪み直径に影響する。 静止位で自然な曲げカーブを有する脆いリボンは、その自然曲率半径の反対側に曲げると、曲げ応力はより強いため、破断しやすくなる。 延性は剪断試験でも評価される。 延性は、切刃に沿った直線で剪断されるリボンの能力で 表すことができる。 良好な延性のリボンは、両方の剪断刃のエッジが合う切断線に沿って滑らかに切断される。 わずかに脆いリボンは、切断線のエッジに沿った1箇所又は数ヶ所で横方向に部分破断する。 しかしながら、非常に脆いリボンは突然及び完全に破断する。 延性は引裂試験でも評価される。 延性は、紙シートで同じことをしたときのように引き裂かれるリボンの能力で表すことができる。 良好な延性のリボンは、一つの端から他の端に滑らかに引き裂かれるが、より脆いリボンは、短い距離で突然の部分破断を受けやすい。 著しく脆いリボンの場合、突然の完全な破断が発生する。 本発明による“完全延性”合金リボンは、実施した全三つの試験で決して破断しない。 これは、常に完全に突然破断する非常に脆い合金リボンとは対照的である。 本発明のインラインアニール装置で曲線状にアニールされ、前述の実施例に開示されたすべての鉄基アモルファス合金リボンは、良好な延性を示す。 本発明によれば、曲線状にアニールされたリボンは、自然な曲げカーブと同じ側に切断可能及び折り曲げ可能であれば“延性”と見なされる。 本発明の装置でインラインアニールされた曲線状アニール鉄基アモルファス合金リボンは、通常の室温で延性である。 インラインアニール装置から出て来たアニールリボンは、非常に高い生産収率でリボンのリール又はコアを製造するためにマンドレル上に連続的に巻き付けることができ、リボンのリール又はコアから切り換えることができる 。 本発明のインラインアニール装置は、配電変圧器、HIF、パルスパワー用コア、及びその他のエレメントのためのコアを製造するのに容認できる優れた磁気特性を示すアニール鉄基アモルファス合金リボンのリールを大量生産するのに使用することができる。 前述の実施例の処理リボンは“延性”であるが、鋳放しのリボンと比較して“完全延性”ではない。 この延性の喪失は、冷却後のインラインアニール中及び処理後のハンドリング中、少ないながらリボンが破断するリスクをなお示す。 ほとんどの鉄基アモルファス合金リボンは温度(T db °)で延性−脆性遷移を示し、それより低温では脆性、高温では延性であるという事実に基づくと、本発明のアニール装置でアニールされ、前述の実施例に開示された鉄基アモルファス合金リボンは、T db °に対応する延性レベルを有し、T db °は、図8に示されているように、通常室温のすぐ下にシフトアップされている 。 従って、合金温度を増大するとリボンはより延性になるはずである。 本発明の装置でアニールされたリボンの延性は、温度に大きく依存することが分かった。 アニールされたリボンを異なる温度に加熱された油浴に浸漬し、再度同じ延性試験に付した。 観察された破断の数は、通常室温より数度上になると著しく減少し始めた。 50℃より上で、破断の数は半減した。 温度に対する感受性はとても高いので、約100℃の温度で2605SA1合金リボンは、今回実施された延性試験によれば完全延性となった。 2605HB1の場合、完全延性は約80℃で到達した。 従って、本発明の装置でインラインアニールされた鉄基アモルファス合金リボンのハンドリング、巻付け及び切断は、リボンを通常室温より数十度高い温度より上、好ましくは2605HB1の場合80℃より上、2605SA1の場合100℃より上で取り扱うだけで、最適の延性で実施できる。 変圧器内のほとんどの誘電材料は150℃より上の温度で不可逆的に劣化するので、リボンの巻付けによる変圧器のコイル周りのコアの形成は150℃までの温度で達成すれば、延性において最大の利益を得ることができる。 図24に示された装置で、第三の赤外線センサー52は、処理装置を出るリボン温度を測定するために加えられた。 コールドローラー51を通る冷却剤の流れは、リボンが処理装置を通常室温より高いT F °の温度、好ましくは2605HB1の場合80℃より上、2605SA1の場合100℃より上で出るように制御できるので、図8に示されているように、リボンはその後の後ハンドリング操作にとって最適な延性状態のままである。 完全延性は、合金組成に応じた温度で到達するので、ハンドリング温度はそれに応じて設定される。 後ハンドリング中のリボン温度を維持するために、あらゆる切削工具又は案内表面は同じ温度付近に維持される必要がある。 マンドレルに巻き取られた後、リボンは何らそれ以上の性質の劣化なしに通常室温に徐々に放冷された。 前進する処理路に沿ってずっと合金を完全延性に維持することによって、処理中のリボン破断のリスクも最小限に削減されるので、生産収率は最大化される。 本発明のインラインアニール装置を用いて製造された、平面状又は曲線状の、アニールされ、切断可能なアモルファス強磁性リボンは、配電変圧器、HIF、パルスパワー用コア、及びその他のエレメントなどの装置に使用するための強磁性コアの製造に適用される。 本発明の装置を用いると、アモルファス合金リボンのインラインアニールは、合金製造プラントでアモルファス合金鋳造システムの隣に本装置を設置することを規模の経済の点でより有益にするような高い送り速度で実施できる。 インラインアニールリボンは処理後も延性を維持するので、鋳造プラントでマンドレルに巻き付けた大リールで保管されているリボンは、鋳放しのリボンを輸送するのに使用されるのと同じ方法を用いて次に変圧器製造業者に輸送することができる。 次に、受領されたインラインアニールリールは、変圧器製造業者によって巻き出され、変圧器のコイル周囲に配置されたマンドレル上に再び巻き付けられる。 これにより、通常変圧器製造プラントで実施される従来の磁場炉アニールされた角型カットコアの製造に必要なすべての必要装置、それに付随するフロアスペース及び労働力が削除される。 リボンは切断可能なので、電子デバイス用の磁気遮蔽フォイルとして、又は磁気インピーダンスセンサーの製造に、又は商品監視システム用のマーカー製造にも使用できる。 リボンはフレキシブルであり、所望の形状に打ち抜くことができる。 その形態は、リボンが曲線状にアニールされているか平面状にアニールされているかに応じて、所定半径r aの環状であったり平面であったりする。 本発明の装置を用いてインラインアニールされた平面状アニール鉄基アモルファス強磁性合金リボンは、積層コア(stack core)の製造に使用できる。 平面状の切断可能なアニールリボンを含むリールを、巻き出し、所定の長さ又は外形を有するセグメントに切断又は打ち抜く。 次に、これらのセグメントを積み重ね及びグループ化して所定の形状を有するコアを形成する。 積層コアは変圧器の製造に使用できる。 しかしながら、アモルファス合金リボンは非常に薄く、従って剛さ(stiffness)がない。 より取扱い可能にするために、一群のセグメントを積み重ね、有機又は無機バインダで結合して、厚い鋼板に等しい硬さ(rigidity)を与える。 Metglas 2605SA1及び2605HB1のような鉄基アモルファス強磁性合金の性能は外部印加応力に敏感なので、バインダは、硬化されたときにリボンの表面に著しい応力を導入してはならない。 磁気性能の深刻な劣化を招くことになるからである。 さらに、バインダの熱膨張率をリボンのそれと合致させて、差のある熱膨張による応力の発生を回避すべきである。 これも磁気性能の深刻な劣化につながりかねないからである。 また、バインダは、曲線状インラインアニールリボンにも、コアを形成するために巻き付ける前に適用して、自己ばらつきのないコアを得ることができる。 本発明の装置を用いてインラインアニールされた曲線状アニールリボンは、環状コアの製造に使用できる。 コアを形成するためのリボンの巻付け時、最小限の引張応力を印加してリボンを適正に巻き付けるようにしなければならない。 高いリボン巻付け引張応力はコア中の材料の充填率を改良するが、完全巻付け後にコアに残留する応力を導入し、そのために磁気性能が深刻に劣化しかねない。 従って巻付け引張応力は、最終形成されたコアにおける残留応力を制限するために制御されねばならない。 また、巻き付けられたリボンの各層は、コア内におけるそれ自身の半径上の位置に応じて、最終的な曲げ半径を有することになる。 各巻付け層には曲げ応力が存在し、その強度は、最大の緩和応力発生時の半径r aに比べてリボンに課せられた曲率変化に依存する。 曲率変化を最小限にするために、環状コアの内半径から外半径は、r aに近いのが好ましい。 さらに好ましくは、本発明の曲線状インラインアニールリボンの半径r aは、環状に形成されたコアの内半径と外半径の間にあるのがよい。 さらに好ましくは、r aは環状形成コアの外半径に近いのがよい。 というのは、励起磁場はコアの外周部近くで弱くなるので、環状コアの内周部のより強い磁場が、コアの内部領域のわずかに変形したリボンを磁化するのに必要な増大した力場を補うという利益があるからである。 しかしながら、非常に厚い量の巻付けリボンを有する環状コアの磁気性能は、一つの分量のリボンごとに増大する特定半径(r a 1<r a 2<r a 3・・・)でそれぞれアニールされた逐次分量のリボンを巻き付けることによって改良できる。 印加AC磁場下で積層又は巻付け強磁性コアに生じるコアロスの一部は、層間接触を流れる誘導電流によって引き起こされる。 印加AC磁場の周波数の増大は層間電圧を増大し、これが層間電流を増大して、コアロスが増大する。 層間電圧はコアの幅と共にも増大する。 これらの電流の減弱は、コアの磁気性能を特に高周波数で非常に改良する。 これらの層間電流を削減するには、リボン表面の抵抗率を増大させることが必要である。 本発明のインラインアニールアモルファス合金リボンを用いると、アニール後の巻取りができるので、積み重ねてコアにする前に、リボンの表面を有機又は無機絶縁コーティングで被覆することができる。 しかしながらリボンの被覆には欠点もある。 コーティングは各層間でいくばくかのスペースを占有するので、コアの占積率(stacking factor)に影響する。 層間絶縁を増大するためには片面だけのコーティングが求められる。 約25μmの厚さを有するリボンに対しては、良好な占積率を維持したければ、コーティングは非常に薄くなければならない。 60Hzの周波数での運転の場合、層間電気抵抗を増大するには、リボンへの非常に薄い絶縁コーティング(<1μm)の適用で十分であり、それ故コアの磁気性能は、特に幅広コアの場合、著しく改良される。 HIF加速器に必要とされるようなパルスパワー用コアに適正な絶縁を提供するためには、高い誘電強度(絶縁耐力)を有するわずかに厚い絶縁層が必要となりうる。 しかしながら、そのような非常に薄い絶縁層は被覆プロセスの精密な制御を必要とする。 E−コートプロセス(エレクトロコートとしても知られる)、電気泳動塗装、EDP又は電着塗装は、被覆される導体材料が有機ポリマーと脱イオン水のエマルジョンを通過するときに電圧を印加することからなる。 電圧は、エマルジョンに浸漬された導体材料と補助電極との間に印加される。 エマルジョン中の荷電ポリマーは、反対電荷の標的電極(合金リボン)に電気泳動的に移動し、不溶性となってコーティングを形成する。 コーティングの厚さは、印加電極又は浸漬時間に依存する。 そのような被覆プロセスは、本発明のインラインアニールされたアモルファス合金リボンの少なくとも片面に極薄絶縁層を被覆するのに効率的に使用できる。 リボンのリールは絶縁ハブ上に載せてある。 次に有機ポリマーで被覆するために、リボンを巻き出し、電気泳動浴に所定の時間及び特定電圧で浸漬する。 次に、リボンを乾燥させ、絶縁巻取りマンドレルに再度巻き取る。 アモルファス強磁性合金の性能は外部印加応力に敏感なので、コーティングはリボン表面に著しい応力を導入してはならない。 磁気性能の深刻な劣化を招くことになるからである。 さらに、コーティングの熱膨張率をリボンのそれと合致させて、差のある熱膨張による応力の発生を回避すべきである。 これも磁気性能の深刻な劣化につながりかねないからである。 本発明の好適な態様を本明細書中に詳細に記載し、添付図面に例示してきたが、本発明はこれらの正確な態様に限定されず、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、多様な変更及び修正をその中でなしうることは理解されるはずである。 1 ホットローラー 2 コールドローラー 3 入口点 4 点 5 点 6 点 7 出口点 8 点 9 供給リボンリール 10 巻取りマンドレル、ガイドローラー 11 ホットローラー 11a 小型ローラー 11b 小型ローラー 12 点 13 点、中心軸 14 ローラー 15 点 16 内部熱源リング 17 外被熱拡散リング 17a 金属膜 18 誘導加熱アンテナ 18a エアギャップ 19 2リングアセンブリ 20 薄肉管壁 21 厚壁 22 サイドフランジ 23 スロット 24 中空シャフト 25 ベアリング 26 開口部 27 壁 28 バネ 29 支持手段 30 シャフト 31 プレート 32 熱伝導リング 33 サイドフランジ 34 封止具 35 内側部 36 外側シリンダー表面 37 ベアリング 38 管先端 |